男「見たら死ぬエロ本?」友「おう」 (130)

友「これが噂のそれだ」ピラッ

男「……至って普通のエロ本だな、小さな女の子がたくさん居るけど」

友「ああ、そうだな、どストライクだ」

男「変態め」

友「だまれ同士よ」

男「お前程じゃないよ」

友「…俺は昨日一足さきに見せて貰った、くれてやるよ」

男「…大丈夫なのか?」

友「なに、噂は所詮噂だよ」

友「なんてことはない、ただのエロ本だった」

ー自宅ー PM8:50

男「…そういえば、エロ本を貰ったな」

男「早速読んでみるか」ペラッ

男「………」


シコシコシコシコシコシコ





ーーーーーーーーーーーーードピュッ




男「ごちそうさん」

妹「お兄ちゃん!」ガチャ

男「はっ!!?」サッ

妹「……?どうしたの?」

男「な、何でもない」

妹「…ふーん、ま、いいや」

妹「お風呂入れたよ、早く入って」

男「わかった、すぐ入る」

妹「……なーんてね、バレバレだって」

妹「さて、確かここに隠したよね」ゴソゴソ


ピタッ


妹「…あった」バッ

妹「……なるほどね、まったく」

妹「お兄ちゃんも男だなぁ」

妹「ちょっと読んでみよう」ペラペラ

妹「うわぁ…へぇ…」ペラペラ

妹「小さい女の子がいっぱい…」ペラペラ

妹「こんなのが好みなんだ」ペラペラ


ガチャ


妹「……っ!?」




兄「何してるんだ、人の部屋で」

妹「…いや、これは、えと」オロオロ

男「…読んだのか?」

妹「………うん」

男「……………」

妹「お、お兄ちゃん?」

男「…まぁ、ただの噂だ、あり得ないか」

妹「…?」

男「ほら、早く出てけ」

妹「う、うん…ごめんなさい」パタパタ

ー次の日ーAM7:25

友「よっ、おはよう」

男「おはよう」

友「さて、どうだった?」

男「どうだったって?」

友「…とぼけるなよ、昨日渡したエロ本だよ」

男「そんなに怒るなって、冗談だ……ああ、良かった、すごく」

友「だろ?、俺は3ページ目の子が好みだったぜ」

友「五分で3発余裕だった」

男「………」

男「…ところで、内容は置いといて」

友「ん?」

男「あの本、どこで手に入れたんだ?、表紙が真っ黒で何も分からなかった」

友「…先輩に貰ったんだよ、噂自体は前から知ってたんだけどな」

男「先輩?」

友「ああ、サークルの」

男「…その先輩、今日来てるか?」

友「いや、朝練には来なかったな…じゃあ来てないよ」

男「サボっただけじゃ?」

友「それはない、あの人はサボったりしない人だよ、ということは学校自体に来てないって事だ」

男「……」

男「…そうか、じゃあ明日だな」

友「なにが明日なんだ?」

男「会うのさ」

友「…先輩に?」

男「ああ、本の事、ちょっと聞いてみたくなってな」

友「何かあったのか?」

男「いや、別に、ただ話を聞きたいだけだよ」

ー3日後ーAM7:50

男「よっ」

友「おっ、お前か」

男「先輩は?」

友「…今日も来てないよ」

男「そうか」

友「流石に心配になって来たな…、ちょっと様子を見に行くか、」

友「お前も来いよ、聞きたいことあるんだろ?」

男「ああ」

爆睡してたごめんよ

ー先輩のマンションーPM4:30

友「この部屋だ」

男「………」


友「………」

ピンポーン

ピンポーン


シーン

友「…あれ、寝てるのかな?」

友「先輩!せんぱーい!俺ですよー」ドンドン!


シーン


友「おかしいなー、留守かな」

男「…おい、ドアの鍵掛かってないぞ」

友「そうか、じゃあ勝手に入っちまおうぜ」

男「いいか?」

友「いいんだよ、俺と先輩の仲だからな」

友「入りますよー」ガチャ

男「……暗いな」

友「本当だ、何やってんだよあの人は」

友「電気つけますよー」カチッ


パッ


「うばぁぁぁぁぁあああああああああぁぁぁぁあ!!!!!!!!!!」



男「っ!!!?」

友「!!?なっなんだ!!?」ビクッ

友「先輩の声だっ!」ダッ!



バタバタバタ!!

ガチャッ!!!!



友「先輩っ!!!!」




先輩?「………ブツブツ」フラフラ

友「…先輩?」


先輩?「……………」クルッ


先輩?「ァァァァァァァァァァァァァアアアアアアアア!!!」ガバッ


友「ひっ!!?」

先輩?「オボボボボボッオオ!!」ガシッ

友「ちょっ!、先輩!、離してくださいっ!!」

男「…おいっ!!」バッ

友「た、助けてくれっ!!」

男「…こいつっ!!」ボカッ!!

先輩?「ボァァァァァァァ!!」



シュュ…




友「……き、消えた?」

友「な、何だったんだ…?」ガクガク

男「……今のが先輩か?」

友「見た目はそうだったけど…いや、そんな馬鹿な」

友「あんな化け物が先輩の訳が無い!!!」

友「先輩っ!!どこですか先輩っ!!!」

男「おいっ!」

友「……………」

男「おいっ、またさっきみたいな奴がいたらどうするんだ!!、危ないだろ!」

友「……………」

男「聞いてるのか!?」

友「………これ」

男「…?」

死体「」






友「先輩だよ…」

ー2日後ーAM8:20

男「おはよう」

友「……」

男「…おい、大丈夫か?」

男「悲しむなとは言わないが…いつまでも引きずるなよ」

男「これでも心配してるんだ」

友「…違うんだよ」ボソッ

男「えっ?」






友「忘れたのかよ?、エロ本のこと」




男「……ただの偶然さ」

友「偶然?…あんな化け物を見てまだそんな事言えるのかよ」

友「アレは先輩だった、どんな理由かは知らないけど…先輩は死んでああなったんだ」

男「……」

友「…そして、先輩の次に本を読んだのは俺だ」

友「次に死ぬのは」

友「俺だ」

男「なぁ、お前は疲れてるんだよ…俺達が見たのは幻覚だ、集団幻覚ってやつだ」

男「だから馬鹿言ってないで今日はもう帰って寝ろ、いいな」

友「………そうだな」

友「俺は…疲れてるんだ」

友「変な事言って悪かった、じゃあな」

男「ああ、また明日な」







男「………俺も疲れてるんだ、きっと」

ー夜ーPM8:00

男「…エロ本か」ペラペラ

男「シュレッダーにでもかけるか…」

男「信じてるわけじゃない、念の為だ」

男「そう、念の為」


ジョババババババババババババ!


男「…よし」

妹「お兄ちゃん!、ご飯出来たよ!」パタパタ

男「ああ、今行くよ」

妹「早くねー」

男(そう言えば、こいつもエロ本読んでたな)

男「おい」

妹「へっ?」

男「何か最近、身の回り変な事起きたりしなかったか?

妹「?…別に」

男「そうか、ならいい」

妹「?」

男「飯にしようか」

男「いただきます」

妹「いただきまーす」

男「……」モグモグ

妹「………」モグモグ

妹「ねぇ、お兄ちゃん」

男「ん?」

妹「何かあったの?顔色悪いよ」

男「別に」

妹「…そっか、でももし悩みがあったら相談してね」

妹「兄妹なんだから」

男「ああ」

ー友の家ーPM22:15

友「……………」

友「本当にただの噂だったのか…?」

友「本当に…ただの偶然なのか?」

友「アレも、幻覚だったのか?」

友「本当に……?」



パサッ



友「えっ?」

友「…これって」

友「なんで…!!なんでなんで!!」

友「あいつにやったじゃないか!!」

友「なのに…なんでここに!!!」




エロ本





友「この本が……あるんだ!!」

エロ本「」ペラペラペラペラ

友「勝手にページが……」


ペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラ


友「あ、ああ……ああ」


ペラペラペラペラペラペラ

ピタッ


友「…えっ…これって…」


友「先輩?」

おいで


友「えっ?」


おいでおいでおいでおいでおいでおいで


友「先輩……っ!?!!」ガクガク


おいでおいでおいでおいでおいでおいでおいでおいでおいでおいでおいでおいでおいでおいでおいでおいでおいで


エロ本「おいで」


先輩「ウバダァァガァァァァァァァァァオ!!!!!!」


友「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

ー次の日ーPM17:00

あいつは今日、姿を見せる事はなかった
ふと、先輩の死体とあいつの姿が重る

頭を振って、すぐに馬鹿な考えを消す



男「まったく、サボるとはいい度胸だ」

男「矯正してやる」


ただの噂だ
そう、全部偶然だ

あいつの家に行こう

ー友の家ーPM17:00

男「………」

ピンポーン

ピンポーン

男「………」


ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーン


男「いい加減しろっ!!!!」バンッ!!

男「遊びでやってるんじゃないんだよ!!!!!早く出てこい!!!」バンバン!


男「…おい!!」

男「ちくしょう!舐めやがって!!」

バリーンッ!!!!

男「……はぁ…はぁ」ムクッ

ガタッ

男「っ!?おいっ、居るんだろ!!」

友?「…………」

男「!心配させやがって!ぶん殴ってやるから覚悟しろよ!!」


男「おい、こっち向けって!!」グイ








男「あ」

友?「…………」

男「…なんて顔してるんだよ、お前は」

友?「…………」

男「…まるであいつみたいじゃないか、ふざけるなよ」

友?「…………ゴメンナ」ボソッ

男「…えっ?」



友?「……マキコンジャッテ、ゴメンナ」



シュン……



男「……」

男「…………」

男「…そんな事言うなよ、友達だろ?」





男「………くそっ」



これは現実だ、噂なんかじゃなかった
そう認識せざるを得ない
あの時のこいつの言葉を信じてやれば、もしかしたらこいつは……

ー2日後ー自宅ーPM8:00

あの後、すぐにあいつの死体は見つかった
ひどい顔をしていた
俺は、一生忘れないだろう


男「………」

妹「…お兄ちゃん、大丈夫?」

妹「その、本当に残念だったね…でも…元気出して?お願い」

男「ああ…ありがとう」ナデナデ

妹「…………うん」

男「…………」



次は、俺だ

絶対に、俺で食い止めなければならない
この呪いの連鎖を

ここで終わりにしなければ

次に餌食になるのは、俺のーー


男「…くそっ!!!」


男「一体どうすればっ!!!」

ー々:0\=570|ー??:????:???


男「…ん?」

男「…あれ?、ここどこだ?」


「死にたくない?」

男「えっ?」

「死にたくない?」

男「誰だ!」

「…………死にたいの?」

男「そんなの死にたくなーーーーーーーーーー





ー次の日ーAM6:15


男「…………」パチッ

男「……朝か」

男「…夢を見た気がする」

男「まぁ、どうでもいいか」



パサッ



男「ん?」








エロ本

ペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラ

男「………」


ペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラ

男「まだだ」

ペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラ

男「まだだ……!!」

男「まだ!終われないんだよ!」

ペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラ


ピタッ

妹「お兄ちゃん!朝だよ!!」ガチャッ





シーン





妹「…………お兄ちゃん?どこ行ったの?」

この時私は、言葉では言い表せない程の
不安を感じた

ー自宅ーPM16:15

兄が居なくなって一ヶ月
警察にも捜索願いを出したが、一向に見つかる気配を見せない

妹「…どこに行ったの?」

妹「寂しいよ、お兄ちゃん」



私は孤独だった

妹「………」

プルルルルルルルルルル


妹「…はい」ガチャ

「もしもし、新谷さんですか?」

妹「はい、そうですけど」

「あぁ、良かった、番号合ってたんだ」

妹「…あの、どちら様ですか?

「あ、失礼、僕は君の…お兄さんの知り合いの者だけど…田崎って名前です」

妹「……田崎さん?」

「そうそう、君のお兄さんには良く世話になったんだ」

妹「……」(聞いたことないな)

妹「…それで、何かご用意ですか?田崎さん」

「あ、ごめんね、話しがあるんだったよ」

妹「あの、兄にご用でしたら…」

「……違う違う、僕が用があるのは彼じゃなくて………君さ」

妹「…私?」

「そう、君だ」

妹(怪しい人だな…)

「今君のお兄さんは、行方不明だね…?」

妹「…はい」

「そうかそうか、じゃあ単刀直入に聞くけど」

「彼は、表紙が真っ黒な…その…エッチな本を持っていなかったかい?」

妹「………!!…なぜそれを」

「持っていたんだね?」

妹「…はい」

「なるほどなるほど」

妹(………この人、一体)

「……実はね、君のお兄さんの失踪には、その本が大きく関わっている可能性があるんだ」

妹「…えっ?本が?」

「そうそう、信じがたいかも知れないけど
ね」

妹「…………」

「実はこんな噂があってねーーーーーーーーーーーーーー
ーーーー
ーー

彼の話は信じられないものだった
だけど

妹「井上さんの先輩から井上さん」

妹「井上さんからお兄ちゃんへ」

妹「先輩さんと井上さんは死亡」

妹「お兄ちゃんは失踪……繋がってる」

でも、だとしたら

私は一体

私もあの時にーーーー

ー2日後ーAM10:00

「やぁ、待たせたね」

妹「…いえ、私も今来た所です…田崎さん」

田崎「あ、そうなの?…じゃ、行こうか」

妹「………はい」

田崎「…本は持って来てくれたかな」

妹「…持って来ました」

田崎「そうかそうか、バッチリだ」

田崎「…さ、着いたよ」

妹「…………」

田崎「入って入って」

妹「……お邪魔します」




田崎「さて、改めましてよろしく…田崎です」

妹「………兄の妹です」

田崎「うん、…じゃ、早速見せて貰っていいかな」

妹「はい」パサッ

田崎「おお、これはこれは」

田崎「真っ黒だねぇ……中も見ていいかな?」

妹「どうぞ」

田崎「……………」ペラペラ

田崎「ふむふむ…中身は至って普通のエロ本だね…内容はともかく」

田崎「ただ、どこが出版したか分からないな………ちょっと待っててくれ」スクッ


妹「あ、はい」

ー10分後ー

田崎「はい、お待たせ」

妹「…何したんですか?」

田崎「表紙に塗ったくってあった塗料を剥いだのさ…まぁ、やり過ぎて元の表紙まで殆ど剝げちったけどね、ははは」

妹「…………」

田崎「でも、出版元は分かったよ…ヒヤヒヤしたけど無事だった」

田崎「…うーん、だけどまた別の問題が発生したよ」

妹「別の問題?」





田崎「潰れてるんだよ、この会社」

田崎「…まだ残ってれば、話でも聞きに行こうと思ったんだけど」

田崎「潰れてたんじゃなぁ……」

妹「…………」

田崎「でも…」

妹「…え?」

田崎「まだ、何かヒントは残っているかもしれないよ、そこには」

妹「…ヒント」

田崎「行ってみる価値はあるかもね」



田崎「…行ってみるかい?」

ーとあるビルーPM22:00

妹「確か……ここだよね」



「悪いけど、僕は一緒に行けないんだ…どうしても外せない用事があってね」

「地図と僕のメールアドレスを渡しとく、何かあったら連絡してくれ」

「じゃ、気を付けて」



妹「…はぁ」

ちょっとご飯食べていい?

妹「……よし」

妹「取り敢えず、進もう」






コツコツコツコツコツコツコツコツ






妹「不気味な所だな……」

妹「それになんか……寒気がする」

コツコツコツコツコツコッコツコツ



妹「…この道で合ってるかな…たしか…四階だったよね」


コツコツコツコツコツコツコツコツ
ペタペタ


妹「…エレベータ…は止まってるか」

妹「階段は…どこかな」

コツコツコツコツコツコツコツコツ
ペタペタペタペタ



妹「見つからない…どこ?」



コツコツコツコツコツコツコツコツ
ペタペタペタペタペタペタ

妹「……………」

コツコツコツコツコツコツコツコツコツ
ペタペタペタペタペタペタペタペタ


ピタッ


妹「……………見ちゃダメ」

妹「絶対に…見ちゃダメ」

妹「振り返るな…振り返るな…振り返るな」


バタバタバタバタバタバタ!!!!!


妹「いやぁっ!!!」バッ!!!

妹「……はぁ、はぁ」

妹「…足音…止まった…?」クルッ





友「……………」





妹「えっ……友さん?」

友「………ナンデキタ」ボソッ

妹「えっ?」

友「ナンデキタ…ナンデキタ」

妹「……あ、あの…大丈夫ですか?」

友「ナンデキタぁァァァァァァァォァァァァァオオオオトトココオトモロホボウ!!!!!!!!!!」バッ!!!

バタバタバタバタバタバタ!!!!!


妹「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」ダッ

妹「なっ、なんでっ!!!」


バタバタバタバタ!!!!!

友「ブァァァァァァァダァァマカワガナガガハサババハギヤハサ!!!!!」

バタバタバタバタバタバタ!!!!


妹「はぁ…はぁ…はぁ」

タッタッタッタッタッタッタッタッ

妹「あっ…ドア……はぁ…あそこにっ!」

タッタッタッタッタッタッ

ガチャ

バタン!!!!

妹「はぁ…はぁ…」ズルズル

妹「う、うぇっ」ビチャビチャ



妹「…………」

妹「…なに…なんなのこれ」

妹「これも…あの本のせいなの?」

妹「…………」

妹「行かなきゃ…」スクッ


「どこに?」


妹「えっ?」

「どこに行くの?」

妹「あなた、誰?」

「……私…あなたのお兄さん、知ってる」

妹「本当に!?」

「…うん、この前新しくーーーーーあ


シュン


妹「…消えた」

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