男「転校生……」 (19)
男(俺は男、平凡な高校2年生だ、勉強も運動もそれなり、顔はまあ……モテはしない位だ)
男(俺の通う学校も平凡な、いわゆる中堅校というのか?偏差値も部活動もそれなりのレベルだ)
男(クラスも1学年4クラスで、どこにでもあるような……そんな学校だった)
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男(そう……だったんだ、何の変哲もないただの高校だったんだが……)
友「おい聞いたか?今日転校生が来るらしいぞ」
男「ウチのクラスにか?」
友「そうそう……ウチのクラスだ」
男「だとしたら今日転校生が来るんじゃないな」
友「ああ……」
男・友「「今日も転校生が来るだよな」」
男「何人来るんだよ転校生」
友「すごいよな、今月入って5人目だもんな」
男「今日はまだ5日だけどな、今月入って毎日1人転校生来てるよな」
友「しかも何故かウチのクラスにだけな」
男「知ってるか?毎日転校生が来るクラスって、七不思議のどれかと差し替えるらしいぞ」
友「マジかよ……俺ら生き証人じゃん」
男「まったく……」
男(ウチの学校は普通の学校だ……ただ一つ……ウチのクラスの現状を除いて)
男(理系や文系で、ウチのクラス一つしかないのならまだ分かるが……そうじゃない)
男(俺たちの学年は約半分だ、2-Aと2-Bが文系、2-Cと2-Dが理系のクラスになっている)
男(なのに隣のD組には、1人も転校生が来ないのはおかしい、明らかに偏っている……)
友「なあ……今日はどんな奴だと思う?」
男「さあな……普通の奴がいいな」
友「まあな……普通が一番だよな」チラッ
男「……まあフラグにしかならない気がするが」
友「言うなよ……」
男(毎日転校生が来る、その時点で普通じゃないが、それだけなら俺たちもまだ普通に反応できるのだが)
??「おはよう、今日もいい天気だな」
男(ああ来たか……転校生1号)
男「おはよう博士」
博士「む?何やら元気がないな、さては朝食を抜いたな?この飴でも舐めるか?」スッ
男「遠慮しとくよ」
友「ちなみにそれってどんな飴?」
博士「私が作ったんだが、これ一粒に1日分の栄養素と気分が良くなる成分が入っている」
男「気分が良くなるって何だよ……怖えよ」
友「それ自分は食べたのか?」
博士「はっはっはっ何を言っている、食べていないに決まっているだろう」
男・友「「んなもん人に食わそうとするな!!」」
博士「むう……まあいい、それよりも放課後は空いているか?」
男「また何か実験か?」
博士「まあな」
友「また爆発したりしないだろうな?」
博士「安心したまえ、あれは人体に被害が無い爆発の実験だ、毎回爆発させる訳じゃない」
男「……今日は何だよ?」
博士「新しい発明の試運転だ、なんと頭に付けるだけで空が飛べる道具、その名もタケコ「言わせねえよ!?」何だ?」
友「何だじゃねえ!丸パクりじゃねえか!完全に某猫型ロボットじゃねえか!」
博士「失敬な……私のはタケコルドというジェット式の道具だ」
男「ジェットて、んなもん使ったら首が飛ぶわ!」
博士「はっはっはっ何を馬鹿な事を、お前達なら耐えられるさ」グッ
友「何その変な信頼!?何でサムズアップ?普通に無理だから!俺たちそんな頑丈じゃないから!」
博士「むう……なら仕方ないか、別の奴に頼もう」
男・友「「その発明を封印しろ!」」
男(今のが1日に来た転校生1号、自称天才発明家の博士だ、毎日変な発明や実験をしては、俺たちに見せに来る)
男(ちなみに本人いわく、ノーベル賞ならいつでも取れるから取らない、らしい……よく分からん)
友「あれでもうちょっとまともな発明ならなぁ」
男「まあな……でもまぁ、まだマシだけどな」
友「フラグ建てんなよ……完全に今日の転校生も変わり者になるぞ?」
男「むしろ変わり者だからウチのクラスなんじゃ?」
友「……だからフラグ建てんなって」
?「おはようでござる!」
男(転校生4号か……)
男「ああおはよう侍」
友「おはよう」
侍「むむ?男殿も友殿も何やら元気が?拙者と共に素振りをしに行かぬか?」
男「いや遠慮しとくよ、もうじきホームルームだし」
侍「おっとそうであった、拙者とした事が失念していたでござる、では放課後に鍛練をし、共に汗を流すでござる」
友「あーいや今日も放課後はなぁ、また博士が何か実験するとか言ってたし」
博士「タケコルドの実験に協力してもらえるのかな?」ヌッ
男「逆だよ!実験を止めんの!つうか聞いてたのかよ」
博士「それは残念だな、おはよう侍」
侍「おはようでござる、博士殿は今日も発明でござるか?」
博士「そうだ、今日は頭に付けるだけで空が飛べる道具だ」
侍「なんと!それだけで?それは是非とも見てみたいでござる」
博士「だろう?だから男に協力してもらって」
男「殺す気か!?タケコルドの実験は中止!協力はしない!」
博士「それは残念だ」
侍「男殿がそこまで言うなら」
男「そりゃ言うよ、冗談じゃなく人の命が懸かってるからね」
友「主に俺たちのな」
男(こいつが昨日来た転校生4号、家が剣術道場をやっていて、本人も武士道を貫く侍だ)
男(ちなみに剣道部じゃなくてなぜか将棋部に入るつもりらしい、剣道と剣術は違うからだそうだ、こいつもよく分からん)
侍「実験が中止であれば、やはり放課後に鍛練を……博士殿も如何か?」
博士「やめておくよ、私の体力じゃ1分も保ちそうにない」
侍「むむ……では三人で鍛練を」
男「いや遠慮する」
友「また今度な」
侍「むむむ……致し方ないか」
男「昨日ちょっと付き合っただけで筋肉痛が……」ボソッ
友「素振り三千回とか冗談じゃないよ……初心者には無理だってな?」ヒソヒソ
博士「……筋肉痛を治す装置を作るべきだったか?」ボソッ
侍「ではまたの機会に」
男「ああ……機会があったらな」
トントン
男「ん?」クルッ
?「……」
男「ああおはよう」
?「……」コクッ
男「……」
?「……」
男(転校生2号)
侍「おお忍どのおはようでござる」
博士「ああおはよう忍」
友「おはよう」
忍「……」オロオロ
忍「……」ササッ
男「いや俺の後ろに隠れないで挨拶して」
忍「……」フルフル
侍「今日も駄目でござるか」
博士「まあ仕方ないな、むしろ3日でこれだけ懐かれてる男が変なんだ」
友「良かったな男」
男「まあな……俺としてはもう少しみんなと打ち解けてほしいが」
忍「……」フルフル
友「人見知りが激しいらしいからなしょうがない」
男「ほらちょっとでいいから挨拶して」
忍「……」ペコッ
博士「おお……会釈をしたぞ、大分進歩したな」
友「それだけで進歩ってすげえな、まあ初日のあれと比べたら進歩か」
侍「一体何をしたのでござるか?」
男「それは……」チラッ
忍「……」ブンブン
男「また今度な」
侍「でござるか」
男(今背中に張り付いてるのが2日に来た転校生2号、忍の里出身の忍者である忍だ、何故かこいつは俺を主君と仰いでいる)
男(ちなみに本人いわく、先祖がかの有名な風魔小太郎らしい、まあ無言で家系図の巻物を広げて指差しただけだから、実際はよく分からん)
男(そもそも風魔小太郎って確か、風魔一族の頭領が代々名乗った名前だった気もするんだが)チラッ
忍「……?」
男「まあいいか」
忍「……?」
男「そういやあいつはまだ来てないのか?」
博士「そろそろ来るんじゃないか?遅刻はしないだろう」
??「おはようございます」
友「噂をすればなんとやら、おはよう」
男(転校生3号)
侍「おはようでござる幽霊殿」
幽霊「今日もいい天気ですね」
男(ツッコムべきか?)
男「おはよう、いつも思うんだが太陽浴びて大丈夫なのか?」
幽霊「別に吸血鬼じゃないんですから、幽霊は太陽が出ていても大丈夫ですよ、まあ夜の方が好きですが」
友「そうなんだ」
博士「ふむ……興味深いな」
侍「昼間から幽霊を見る事など、今までなかったでござるからなぁ」
忍「……」コクコク
男(忍者も大概だけどな)
博士「おっともうすぐホームルームだな、ではまた後で」スタスタ
侍「拙者もこれで」スタスタ
幽霊「1時間目何でしたっけ?」フヨフヨ
男「1人擬音がおかしい」
友「言うな……みんな思ってるから」
男「忍も席に戻れよ?」
忍「……!」ブンブン
男「今日もか?」
忍「……」コクコク
男「……はぁ、仕方ないな」
友「大変だな毎日」
男「さすがに慣れてきたよ」
忍「……」ヒシッ
男(さっきのが3日に来た転校生3号、常識も何もぶっちぎった存在である幽霊だ)
男(本人いわく、幽霊になったとはいえ、せめて高校まで出来れば大学も出ておきたくてウチに来たらしい、今のところ1番よく分からん)
男「ウチのクラスはいつから万国ビックリ博覧会の会場になったんだろうな?」
友「遠い目をするなよ……なんでだろうな?」
キーンコーンカーンコーン
先生「おーい席に着けー、ホームルーム始めるぞー」ガラッ
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先生「よし……じゃあもう薄々分かっていると思うが、今日も転校生を紹介するぞ、入ってきなさい」
???「……」スタスタ
ほぼ全員「……」
???「……」カッカカッ
???「初めまして、ゾンビと言います、皆さんよろしくお願いします」ペコッ
男(そっちかぁ)
幽霊「ゾンビさんは初めて見ました」
侍「ゾンビとはまた」
博士「ゾンビか……実に興味深い」
友「ある意味予想外で、ある意味予想通りだな」
忍「……」
男「だな」
ゾンビ「あれ?余り反応がないなぁ」
先生「じゃあ席は男の隣で」
ゾンビ「えっと……あの人ですね」スタスタ
男「……」
ゾンビ「隣同士よろしくお願いします」
男「ああ……」
一旦ここまで。
時間が開いてすみませんでした。
また来ます。
女にしよう
それか男の娘
>>16ほうほう
ゾンビ「えっと……皆さんあんまり驚かないんですね」
男「まあな……今までは驚かれてたの?」
ゾンビ「はい……友達もほとんど出来ず、しかも両親の仕事の関係で転校が多くて」
友「仕事?」
ゾンビ「お化け屋敷の仕掛け人や、映画のゾンビのエキストラです」
男「……あれ本物だったんだ」
ゾンビ「あっ……中には特殊メイクの人間さんも居ますよ?ゾンビってそこまで数は多くないので」
友「ん?ちょっと待った、なんか話聞いてると最初からゾンビみたいだけど」
ゾンビ「そうですよ?よく薬や呪術でゾンビが出来る映画とかありますけど、実際のゾンビはれっきとした一つの種族ですから」
男「そうなんだ、てっきり君も死んでるのかと思ったよ」
ゾンビ「君“も”?」
友「すぐに分かるよ」
男「そうそうすぐにな」
ゾンビ「はあ……まあとりあえずよろしくお願いします」
男「ああ」
友「おう」
忍「……」チラッ
ゾンビ「……ひいっ幽霊!」
忍「……!」ビクッ
幽霊「呼びましたか?」フヨフヨ
ゾンビ「ひいっこっちにも!悪霊退散!」
幽霊「え?何ですか?」
男「……中々にシュールな光景だな」
友「そうだな」
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