カツオ「磯野家がダンジョンになった?!」 (12)
それは何気ない日常から始まった物語・・・・・・
サブちゃん「ちわーっ! 三河屋でーっす!」
サザエ「あらサブちゃん」
サブちゃん「何かご注文はっ」イソイソ
サザエ「ごめんなさい。今日は特に欲しいものはないのよぉ」
サブちゃん「そうっすか、んじゃ、今日はこれで!」
サザエ「? 何だか機嫌が良さそうね?」
サブちゃん「あ、わかります? 実は新しいゲームを買いまして、
仕事が終わってから早速プレイしてみようかと」
サザエ「それでワクワクしてたのね」
カツオ「ちなみにどんなゲーム?」
サブちゃん「ToHeart2ダンジョントラベラーズだよ」
カツオ「三河屋さんがその手のゲームやるなんて意外だなぁ」
サブちゃん「実は僕自身、ダンジョンモノは初めてなんだけどね」
カツオ「そうなんだ?」
サブちゃん「でも、このシリーズは初代から好きだから・・・・・ファン
として、どうしてもプレイしておきたいんだよね」
カツオ「学園モノのキャラが冒険って、チグハグな感じ」
サブちゃん「正直、ネタ切れ感漂うコンテンツだけどね・・・アハハ」
カツオ「プレイしたら感想を聞かせてよ」
サブちゃん「もちろん。何なら貸してあげてもいいよ」
サザエ「エサを与えないでください」
カツオ「まるで僕が犬か猫みたいな言い草だね、姉さん!」
サブちゃん「アハハ・・・・・・じゃ、僕はこれで」タタタ・・・
その頃、伊佐坂家。
オカル「甚六、また大学受からなかったのかい?」
甚六「ううっ、英語の長文にてこずったんだ」グスン
伊佐坂先生「大学のレベルを落としてみるか? ワシは
別に私立でも構わんぞ」
甚六「うああああああああああああああああああああああああ」ダッ!
オカル「甚六! どこへ行くの!」
外へ飛び出す甚六。
伊佐坂先生「そっとしておいてやれ」
ウキエ「あれ、兄貴どうしたの?」
伊佐坂先生「また受験に失敗したようだ」
ウキエ「マジッ? これで何浪目よ!」
オカル「通算45浪目かしらねぇ」
伊佐坂先生「常人なら発狂しているレベルだぞ」
ウキエ「あたし、兄貴を捜してくる!」ダッ!
―どこかの駅―
甚六「呪ってやる! 何もかも呪ってやる! どうして僕だけ
いつもこんな酷い目に! これで何浪目だよ!!!」
甚六に穢れのオーラが漂う。
ゴゴゴゴゴ・・・・・・・
甚六「俺ってほんとバカ」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・
どーん!
―数日後、夕方―
磯野家の前に人だかりが出来ていた。
波平「なんだあの人だかりは?」
マスオ「泥棒にでも入られたんでしょうか?」
波平「まさかぁ! 節分じゃあるまいし」
サザエ「あらあなたお帰りなさい」
カツオ・ワカメ・タラオ「「「おかえりなさい!」」」
波平「母さん、なんだこの人だかりは。どうしてみんな
家の外にいるんだ?」
フネ「家の様子がおかしいんですよ」
波平「どういうことだ?」
カツオ「家がダンジョンになってるんだ!」
ワカメ「部屋や廊下が増えて、まるで迷路なの!」
フネ「ふと気がついたら家の様子がおかしくなってまして・・・・・・」
サザエ「大慌てで外に飛び出したってわけ」
マスオ「それは災難だなぁー」
カツオ「台所もトイレもどこにあるのかわからないんだ」
波平「警察に連絡したか?」
サザエ「するわけないじゃない!」
ワカメ「こんなこと誰も信じてくれないわ?」
カツオ「僕達だけに見える現象なのかもしれないし」
フネ「どうせマジキチ一家だと笑われて、世間様に恥を
晒すだけですよ」
波平「しかし、家に入らないわけにもいくまい? ワシらまだ
晩飯食っとらんぞ」
ノリスケ「おじさーん!」タタタタ・・・
波平「お、ノリスケ。いたのか」
ノリスケ「伊佐坂先生の原稿を待ってるんですよ。あれ、どうしました?
みんな外に揃って」
マスオ「実はカクカクシカジカなんだよぉ」
ノリスケ「なーるほどぉ」ワクワク
波平「なんだノリスケ。目が輝いておるぞ」
ノリスケ「ずばり、これはダンジョンRPGですね!」
フネ「何ですそれは」
ノリスケ「詳しいことは後で。こういうのは、だいたいどこかに
ヒントが隠されているものなんです。ダンジョンの目的とか、装備とかの
解説も」
カツオ「確かにゲームには解説書が付き物だよね」
タラオ「郵便ポストに何か入ってるデスー」
マスオ「あれ、いつの間に」
ノリスケ「ナイスだよタラちゃん! ちょっと見せてくれるかい?」
カツオ「勝てるはずが…ないよ…」
サザエ「カツオ!!」
???「ふんっ…無様だな、磯野カツオ!!!!」
カツオ「!?その声は…」
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