千早「こ、この裏切り者!」P「は?」(99)

P「なんなんだよ、急に」

千早「話しかけないでください」

P「いや、あのね、千早。状況が読めないかなーって」

千早「高槻さんのマネをしたって無駄です」

P「……おーい、春香。助けてくれー」

春香「どうかしましたか?」

P「千早がなんか、俺を裏切り者って」

春香「千早ちゃん、どうしたの?」

千早「プロデューサーの……、プロデューサーの……」

春香「プロデューサーさんの?」

千早「プロデューサーの携帯の着信音が「恋をはじめよう」だったの!」

P「なんだ、そんなコトか。くっだらねえ……」

春香「……裏切り者ー!!!」

P「ええええええええ!?」

P「お前ら、ちょっと頭冷やせよ!落ち着け!」

春香「これが落ちついていられませんよ!!」

春香「よりにもよって、ジュピターですか!?」

千早「あなたはココのプロデューサーですよね」

P「うん」

千早「それなのに、ライバル会社のアイドルの歌を着信にするなんて」

春香「仕事なめてませんか?」

P「お前らは俺をなめてるよな!」

P「別に、おれはいちコンシューマーとしてただ、好きな曲をだな」

春香「そこは無理してでも私達の曲にするのが親心でしょう!」

P「うるせー、ネグレクトするぞコラ」

P「いや、ホント失望モンだわ、マジで幻滅っつーか、まじショック」

千早「幻滅したのはこちらのほうです」

春香「ねー」

P「律子ー、たすけてー」

律子「どうかしたんですか?」

P「かくかくしかじか」

律子「……裏切り者」

P「ああ、やっぱりそうなるのね」

律子「このことは、社長に報告させてもらいますね?」

律子「あ、次の就職先さがしたほうがいいんじゃ」

P「え、おれそんなに悪いことしたの!?芸能界おそろしいな」

春香「そうだ、他にも別のアイドルの曲を着信登録してるかもしれない!」

千早「そうね……、プロデューサーさん。携帯を出してください」

P「出すわきゃねーだろ!」

律子「プロデューサー殿?おとなしく出した方がいいと思いますよ」

P「な、なんで俺こんなアウェーなんだろ……、はいはい。出しますよ、出せばいいでしょう」

『俺はさ、'俺の'千早が『ファン』に向けて撮った声なんて聞きたくないんだよ。』

春香「千早ちゃん、どう?」

千早「……これは、着信どころではないわね」

律子「どういうこと?」

千早「見て、この待ち受けを……」

春香「こ、この娘は……!」

律子「渋谷……凛ッッ!!」

P「はいはい、しぶりんですよー」

千早「これで二件目の裏切りですね……!」

律子「これはもう立派な背任罪ですよ」

P「ならない、ならない……、背任罪そういう罪じゃないから」

千早「とりあえず、この画像は消去させてもらいます」

P「あぁっ、やめて!おれのしぶりん!」

春香「渋谷凛ちゃんよりも、私達の画像を待ち受けにしてくださいよ」

P「うるせぇな、俺は寝る前にしぶりんの画像を5分ながめるのが日課なんだ」

律子「よかったじゃないですか、いますぐにでもただのいちファンになれますよ」

P「だからなんでクビになんだよ!頭おかしいだろ!」

千早「……よし、終わったわ」

P「いやぁぁぁぁぁぁぁ!」

P「くそ、お前ら絶対変だよ……、こんなの絶対おかしいよ」

千早「ねえ、律子。この裏切り者をどうしようかしら」

律子「そうね、社長に報告するのは後にするとして……」

春香「まずは、着信を全部私達の曲にしちゃいません?」

律子「それよ!」

P「おいこら、待てよ!金払うの俺なんだぞ!」

千早「ここは公平に、一人三曲ずつ、DLするということで……」

P「お前らなにか患ってるよな、っていうか頭患ってるよな……」

春香「プロデューサーさん、落ち着いてください」

P「落ち着かせてください」

P(結局、着信全部変更されちまった)

春香「あとは、待ち受けかあ」

千早「皆で写った画像はあるかしら……?」

律子「ないみたいね……」

春香「どういう事ですか、他の所のアイドルの画像なんかはあるのに」

P「い、いやあ……、べ、別にいいじゃない」

千早「よくありません……」

律子「あ、もしかして。プライベートフォルダにあるんじゃ」

千早「それよ!……パスワードはなんですか?」

P「教えるわけないだろ!てかフォルダの中の画像が何か察してくれよ!」

律子「……わぁ」

春香「す、すごい……」

千早「……くっ」

P(くそっ、結局教えてしまった!)

P(っていうか)

P「なんで人の携帯のエロ画像まじまじと見てんだよ!どんなプレイだよ!」

律子「コホン、これも後々消しておくとして……」

春香「プロデューサーさん、とりあえずはデフォルトの待ち受けでいいですか?」

P「あー、もうなんでもいいです。しぶりん……グスッ」

千早「何もなかなくても」

P「泣くわ!」

P「ホントお前らさ、いっぺんちょっと輪廻めぐってこいよ」

律子「今の聞いたかしら、遠まわしに死ねって言ってきたわよ」

千早「ひどいプロデューサーがいたものね」

春香「ちょっと、傷ついたなあ」

P「あの、俺のハートは膾切り状態なんですけど」

千早「あ、携帯電話。お返ししますね」

P「あぁっ、ああ…!おかえり、おかえり……!」

P「……ああ、俺のしぶりんが無機質なカンジの待ち受けに」

P「なんという理不尽……!なんという悪辣……!」

P「このような仕打ちが許されていいものか……!」

響「はいさーい!……あれ、どうしたの」

P「ああ、響か。実はな……、かくかくしかじか」

響「そ、それは流石にひどいぞ!」

P「だよな、そう思うよな?」

響「自分、プロデューサーのこと信じてたのに……、こんな裏切りってないよ!」

P「ですよね」

P「しぶりん消したんだから代わりに千早は俺とツーショットをとろうか」

響「ひぐっ、…えぐっ」

春香「泣かないで、響ちゃん」

千早「あなたという人は……!」

P「はいはい、俺が悪うござんした」

律子「反省してないですよね」

P「いや、する必要ないだろ……」

律子「……まあ、貴方がここで仕事をするのも今日で最後でしょうし」

P「じゃあ、ローソンでバイトするわ」

律子「あてつけですか」

P「あてつけです」

律子「やっぱり、反省がみられませんね」

響「本当、自分、ショックだぞー」

千早「ほら、響だってこういってるじゃないですか」

P「あー、はいはい、おれが悪かったですよぅーだ」

春香「なっ、なんですかその態度!」

P「だから、お前ら大げさなんだよ!下らないことでそんなにキレよってからにぃ!」

伊織「何よ、そうぞうしいわね……」

P「もういいよ!どうせお前もあっち側だろ、さっさと行けよ!」

伊織「な、何?どうしたのよ」

春香「かくかくしかじか」

伊織「……最低ね、あんた」

P「うん」

伊織「これはそれ相応の制裁が必要よね」

律子「ええ、社長に報告してクビにするまでは決まったわ」

伊織「なら、私は……根回しね」

響「おぉっ、プロデューサが再就職できないようにするんだなっ」

伊織「ええ」

P「……お前らさ、「それ相応」の意味しってる、ねえ?国語辞典でぶん殴るよ?」

千早「それ相応。それにふさわしいこと。それに つりあうこと。また、そのさま」

P「……いや、説明されても困るんだが」

春香「プロデューサーさん、そんなにカッカすると身体に悪いですよ?」

P「もう声帯つぶれそうだよ!ああ、もう!」

伊織「なに逆ギレしてるの……?」

律子「男らしくないですよ」

P「理不尽すぎる……!」

春香「まだ自分の立場がわかってませんね」

P「死ぬほど分かるわ!糞アウェーだよ!四面楚歌だよ!超人オリンピックのキン肉マンも真っ青だよ!」

美希「あれ?なにかあったのー?」

P「くっ!また俺をいじめる気か、この悪魔め!」

美希「ハ、ハニー?」

千早「実はね……」

美希「……最悪なの、そこの人」

P「あぁ、もう!すがすがしいくらいに好感度さがったなぁ!」

美希「そうだ、ミキを待ち受けにするの」

美希「そうすれば、そこ人もちょっとはミキのありがたみを……」

千早「だめよ、不公平にならないようにみんな集合した画像を待ち受けにするんだから」

春香「どうかんがえても、凛ちゃんよりそっちのがいいよね」

P「てめぇゴルァ、俺の凛をバカにすんな、すんな……!」

律子「まあまあ、いいじゃないですか。そんな大層な画像でもなかったですし」

千早「そうですよ、そんなに欲しいなら、またDLすればいいんです」

響「まあ、画像もってるだけならいいさー」

伊織「ま、それくらいならね」

P「お前ら……!まじで…・・・!まじで!」

P「……」 ブツブツ

律子「なんかいってるわよ」

千早「やだ、こわいわ」

伊織「寒気がするわね……」

P「……ハゲ」

伊織「あ?」

P「まな板」

千早「は?」

P「エビフライ」

律子「はぁ?」

P「……」 ブツブツ

美希「いま、毛虫って聞こえたの」

響「自分、うちなー(笑)っていわれたぞ」

春香「……む、む、むこっ、無個性!?」

P「お前らなんかもう知らん、やめてるー!」

律子「な、本気ですか!?」

P「ったりめーだぁ、ここまでやられて黙ってられんわぁ!!」

P「ふふ、ふふふ……、ざまーみろ!」

律子「お、落ち着いてください!」

春香「ほ、ほら、プロデューサーさん?こんな事でやめても。ね?」

伊織「ほら、律子がクビだとかいうからよ」

律子「ちょっ、私だけに押し付ける気!?」

美希「言いだしっぺは千早さんなの」

P「お前ら全員じゃああああああああ!!!」

P「人がおとなしく突っ込みしてりゃぁ、調子にのりやがってぇ!」

春香「ご、ごめんなさい」

美希「ごめんなさいなの……」

千早「す、すいません」

律子「ごめんなさい……」

響「ごめん……」

P「……まったく!こんな事で怒られるなんて思ってもみなかったよ!」

千早「……そ、そうですね、流石に理不尽すぎました」

春香「ちょっと、その場の嫉妬心で動きすぎました……」

P「だいだい、お前らはいつもいつも…」

律子「……」

美希「もう30分もお説教なの」

響「自分、足が痺れてきたぞ……」

P「足崩していいよ」

春香「プロデューサーさん優しい!」

律子「さ、さすがプロデューサー!」

P「あァ?」

律子「す、すいません……」 ウルッ

春香「もしかして、プロデューサーさん、ストレスフルな生活送ってるのかな?」

千早「そうね、それが今爆発してしまったのね」

律子「これからは彼をもう少し、いたわるべきね……」

美希「反省なの……」

響「プロデューサー、まだガミガミ言ってるぞ」

やよい「あれぇ、どうかしたんですか?」

P「やよいか。実はな……」

やよい「…………ぅゎぁ」

P「え、そんな目でみないでよ」

千早「高槻さん、彼を許してあげて!」

P「お前はしゃべるな」

千早「ごめんなさい!」

千早「……その、本当にすみませんでした」

春香「反省してます」

伊織「…………」

美希「あれ、デコちゃんどうしたの?」

伊織「デコちゃんいうな!」

伊織「それが……」

やよい「もしかして、伊織ちゃんもう根回ししちゃったとか?」

伊織「え、いや、そうじゃないの……」

伊織「メールで、他の娘にも言っちゃったんだけど」

P「誰よ」

伊織「雪歩」

P「……ごめん、おれ海外行ってくるわ」

春香「た、高飛びですか!?」

P「しょうがないじゃぁん!逃げるよ、命やべーよ!」

伊織「流石に、雪歩はそんなこと……ね」

千早「ええ!そんなこと、しないわよ!ねえ、春香?」

春香「え、あ、うん!ねえ、響ちゃん、美希!」

美希「なの!」

響「だぞ!」

P「そ、そうかな?」

やよい「そうですよ」

P「……そうだよねえ」

春香「でも、……沈められるか、埋まるかかあ」

P「うあああああああああああああ!!!」

律子「春香~?」

春香「あ、ごめんなさい!いまのナシ!」

P「やっべーよ!おれやべーよ!……ああ、こんな時に、凛の画像があれば」

P「いや、ないものを言ってもしょうがない、お前ら俺に乳をみせてくれ!」

伊織「いや、あんた随分余裕じゃない」

響「いや動揺してるぞ、これ」

雪歩「……」

P「ひ、ぎゃああああああああああああああああ!!」

雪歩「プ、プロデューサー!?」

雪歩「……埋めませんし、沈めてもらいもしませんよぅ」

P「……そうか、すまない」

P「今日はつかれたよ」

千早「本当に、すみません……」

美希「反省なの……」

P「いや、元はと言えば俺が悪いんだ、いい機会だ……、しぶりんの画像をみる日課はやめるよ」

春香「プロデューサーさん」

P「そうだよな、俺はここのプロデューサーなんだから……」

P「なん……だ、から……、う、うぅ、ううぅっ……」

伊織「泣いてまで止めなくていいわよ」

やよい「プロデューサーは、プロデューサーのままでいいですよ」

P「う、ううっ……」

P「……いいの?」

春香「ええ」

千早「いいですよ」

P「一番好きなアイドルがしぶりんな俺でもいいのか」

律子「ええ大丈夫ですよ」

美希「ハニーじゃないと、ミキたちがイヤなの!」

P「おまえたち……」

P「おれ、幸せだ……!!!」

P「……」

春香「すごいスピードで凛ちゃんの画像を保存していってる!」

雪歩「はやくて指先がみえないですぅ!」

やよい「あんなにはやいスライド……はじめて」

伊織「っていうか、よく携帯のほうが感知できてるわね」

響「うーん、鬼気迫るものを感じる」

P「……でもなあ、待ち受けにしてたあれは写メだからな」

律子「……はい?」

P「ああ、写真こう、カシャっと」

律子「……つまり?」

P「ああ、もうだめだってこと」

千早「……!」

千早「……ぜ、全フォルダ表示で消したから、その、気づかなくて」

千早「すみません!」

P「いやいや、いいんだよ、もう」

千早「……ぐすっ」

美希「千早さん、泣かないで!」

千早「ひぐっ、えぇぐっ、ぐすっ……」

律子「千早が号泣してるわ……」

雪歩「鼻水がすごいですぅ……」

春香「なんだろ、罪悪感が増してした」

P「お、もうこんな時間か……、そろそろ帰るわ、約束あるんだ」

響「あ、……うん、ま、またね!」

やよい「うっうー!また明日です!」

P「おう、またなー!」

P「……ってことがあってさ」

モバP「だはは、そりゃひでーわ」

P「笑い事じゃねーぞ、引く程泣いてたんだぞ」

モバP「まあ、それだけ罪悪感あったんだろ。あー、千早ちゃんかわいいな」

P「まあな、でもやっぱしぶりんも可愛いよ」

モバP「いやいや、千早ちゃんにはかなわないって」

P「いやいや、しぶりんのが」

モバP「あ?」

P「あぁん?」

モバP「やんのかコラァ!」

P「表出ろやァ!!」

モバP「…………やめよう、どっちも可愛い」

P「……だな」

モバP「あ、そうだ。写真。このまえ凛にあわせてやったんだから」

P「あー、千早にあわせろって?しょうがねえなぁ」

モバP「そしたら、また凛の写真撮る機会やるよ」

P「まじで!ありがとう!」

モバP「……やべえ、まじで千早ちゃんと結婚したい」

P「おれも、しぶりんとしたい」

モバP「な、だからさ!互いに、こう、協力しあって、アシストしよう、な!」

P「おうよ!」

モバP「あ、すいません。生中おかわり」

P「あ、こっちも」

モバP「……あ、やべ。俺も千早ちゃんの待ち受け変えとかないとやばいかな」

P「ああ、経験者は語る。かえとけ」

P「さて、そろそろお開きだな」

モバP「〆にラーメンいく?」

P「あ、いくいく」

モバP「この近くに美味い店あんのよ」

P「うへー、本当に?ちょっと期待するよ?」

モバP「まじまじ、いこうか」

P「うん!」

モバP「ここだ」

P「へー、隠れた名店ですか」

P「ん、なんか騒がしいな……」

ガララ

客「なんだこの娘!もう5杯目だぞ!店長がラーメン作るのがまにあわねえ!」

P「た、貴音何やってんの!?」

貴音「あなふゃひゃま?」

P「口に麺いれたまましゃべらないの」

モバP「すごいね、お前のところのアイドル」

P「おまえがいうか」

貴音「そちらは……」

P「同業他社」

モバ「ちっす」

貴音「……いつも、うちのプロデューサーがお世話になっております」

P「おかんか!」

モバP「いいじゃん、いい子じゃないか。さて、ラーメン食おうか」

店長「もう店じまいだよ、その子が全部くっちまったよ」

P「面妖にも限度がある……!!」

貴音「もうしわけありません……」

P「ああ、いいよいいよ。おいしいのは理解したもん」

貴音「では、あなた様。私はこれで……」

P「おー、ばいばい」

モバP「なあ、あの子さ。俺らと話してるウチにどんだけ食べたっけ」

P「聞くな、生命の神秘だ」

P「さて、そろそろ帰ろうか」

モバP「だな、じゃあ、俺はこっちだから」

P「おう」

モバP「……如月千早と結婚するため」

P「渋谷凛と結婚するため」

WP「明日も頑張るぞォォォォオオオオ!!!!!」

数ヵ月後

P「………」

千早「その、、私と……つ、付き合って……ください」



モバP「……」

凛「その、私と、付き合って……ほしい、な?」




P(あれ……?)

モバP(……なんてことだ)

WP(友達とくっつけようとしてた娘が自分に惚れてしまった!)




お わり

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