真人「理樹!そんなことよりID腹筋でもしようぜ!」
は?
>>2
ごめん、IDワロタ
ちゃんと書くから許して
恭介「あぁ、そうだ。今度の日曜」
理樹「今度って、日曜日は明後日じゃん……」
謙吾「ずいぶんと急だな。いつか行くとは聞いていたが」
恭介「ああ、知り合いにゲレンデのオーナーがいてな。先日、その人に無料リフト券をもらったんだよ」
理樹「へえ……ってことは、行くのはスキー場?」
恭介「もちろん。ちなみにそのオーナーの計らいでコテージをひとつ、貸切にさせてもらうことができた」
理樹「す、すごい太っ腹な人だね……」
恭介「お前らも苦学生で資金繰りもなかなか難しいだろう。これも全部オーナーのご厚意だ。感謝しろよ?」
理樹「そうだね」
恭介「道具はあっちで用意してくれるらしい。スキーかスノボーの2択だ」
真人「俺はどっちもやったことねえぞ」
理樹「そういえば僕も」
恭介「大丈夫、どっちも俺が教えてやれる。それに難しいことじゃない、すぐに覚えるさ」
謙吾「それじゃ、俺たちが用意すべきなのは、着替えと行き帰りの交通費くらいか」
恭介「いや、向こうへはバスで行くからな。お金は用意しなくていい。しいて言うならメシ代くらいだ」
恭介「集合は前日の夜10時に新○駅西口。とりあえず、スキーとスノボーどっちやりたいかだけ鈴たちにメールしとくわ」ポチポチ
理樹「うーん……僕はどっちにしようか」
謙吾「俺はスキーだな。昔やったことがあるからってだけだが」
真人「恭介はどっちやるんだよ」
恭介「俺か? 俺は両方やる」
理樹「あー、そうじゃないと両方教えられないもんね」
恭介「お、返ってきた……まぁちょうど半々ってとこだな」
理樹「じゃあ僕はスノボーで」
真人「理樹がスノボーなら俺もスノボーにするぜ」
謙吾「む……じゃあ俺もスノボーに」
理樹「あはは……」
恭介「結局みんなスノボーかよ。スキーだって楽しいぞ」
真人「俺はどっちでもいいんだよ、理樹と滑れりゃな」
謙吾「右に同じだ」
恭介「ったく……んじゃ、靴のサイズだけ教えといてくれ。斉藤さんに連絡しとくから」
理樹「斉藤さん?」
恭介「さっき言ったゲレンデのオーナーだ」
理樹「ちなみに何拍なの?」
恭介「1泊2日。短いように思うが、そのあたりは察してくれ」
理樹「まぁ、ほぼロハで行けるだけありがたいよね」
謙吾「んじゃさっそく荷造りせんとな。俺は先に部屋に行ってるぞ」
恭介「俺も。なにかわからないことがあったら部屋まで来るか、メールで聞いてくれ」
理樹「うん、それじゃまた明日」
恭介「ああ」
バタン
真人「しっかし唐突だぜ……まさかメレンゲとはな」
理樹「真人、ゲレンデね」
当日
恭介「よし、お前ら準備できたか? 出発するぞ」
理樹「あの……僕ら4人以外集まってないんですけど」
恭介「……」
謙吾「来ていないのは全員女子か……なにかあったのか?」
真人「ふぁあ……ったく、人の迷惑も考えろってんだ」
恭介「……メールがきた。先に行っててくれ、だそうだ」
謙吾「そうか、それじゃあ先に行ってるか」
理樹「バスに間に合えばいいだけだしね」
恭介「あいつら……俺のための卒業旅行だということを忘れていやがるな」
理樹「ま、まぁまぁ。女の子はこういう支度に準備がかかるのは仕方ないよ」
謙吾「恭介のやつ、楽しみすぎて昨日から一睡もしていないらしい……」コソコソ
理樹「なるほど、それでピリピリしてるんだ……」コソコソ
準備→時間
新○駅西口、バスロータリー
恭介「……バスはさすがにまだ来ていないみたいだな」
理樹「ここで待ってても冷えるだけだし、行きで食べるお菓子とか買ってこようよ」
謙吾「そうだな」
恭介「……っ、早く寝たいぜ」
理樹「き、恭介がいつになくテンション低いね……」コソコソ
真人「あぁ、こりゃ相当きてるな……」コソコソ
------------------------------------
理樹「そろそろバスがきてるんじゃないかな」
謙吾「だといいが」
恭介「……」ブツブツ
理樹(恭介……)
理樹「あれ、あの弾幕掲げてる人たちなんだろう……」
真人「ちょうど集合場所のあたりじゃねえか?」
横断幕の間違いでは…
>>26
そう、そっちの方です
変換できなかった・・・
スタスタ...
理樹「あれ……もしかしてあの人たち」
??「やっときましたネ」
??「遅れてきた私たちの方が先についてしまったのですー!」
恭介「お、お前ら……」
??「みんな、いくよ~……せーのっ!」バッ
「「「「「「恭介さん、ご卒業おめでとうございます!!!」」」」」」
小毬「は~い、拍手~」パチパチ
恭介「……」
『棗恭介、卒業おめでとう!!』
理樹「みんな……まさかこれを準備してたの?」
来ヶ谷「うむ……本当は理樹君たちにも協力してほしかったんだが、いかんせん旅行が急だったのでな」
理樹「そっか。よかったね、恭介」
恭介「……っ」
美魚「……どうかされたんですか?」
葉留佳「もしかして怒ってますか? 遅れたこと……」
謙吾「いや、むしろ……」
真人「泣いてるんじゃねえか? こいつ」
理樹「ちょ、真人!」
恭介「ば、ばっかやろう! 泣いてなんかねえよ!」ゴシゴシ
理樹(恭介……)
鈴「……き、恭介! これ……」
恭介「鈴……」
鈴「み、みんなでお金を出し合って買ったんだ……ありがたく受け取れ」
恭介「これは……開けてもいいか?」
鈴「……ん」
ビリビリ...
恭介「……こ、こいつは! スクレボ仕様の腕時計かよ!?」
来ヶ谷「探すのに苦労したんだぞ?」
謙吾「ちなみに、その腕時計には俺たちもちゃんとお金を出したぞ」
理樹「まさか、今日渡すとは思ってなかったけどね」
恭介「っ、お前ら……俺なんかのために……」
理樹「……なに言ってるのさ、恭介」
恭介「理樹……」
理樹「恭介は僕らのリーダーじゃないか。これくらいさせてよ」
来ヶ谷「みんな恭介氏のことが好きなんだよ」
葉留佳「姉御もネ」
来ヶ谷「は、葉留佳君……! 余計なことをっ!」
鈴「……まぁ、ありがたく使え」
理樹「ふふ……鈴も照れちゃって」
鈴「て、照れてない!」
美魚「……そろそろバスが出発しますね」
謙吾「恭介、行くぞ」
恭介「……っ、ありがとう……お前ら」
クド「それはお互い様なのです、わふー!」
葉留佳「もう言いっこなしですヨ! さぁ、乗った乗ったぁ!」
理樹「これからの旅行、全力で楽しもうよ……恭介」
恭介「……っ、ああ!」
こうして僕たちは楽しい楽しい卒業旅行に向かっていくのだった
おわり
ヒマなんで書きます
恭介「ヒャッホウゥ!! リトルバスターズ最高!!」キーン
理樹「あはは……一気にハイテンションになっちゃって」
謙吾「それだけ嬉しかったってことだろう。まあ、今くらい許してやれ」
クド「みなさ~ん、トランプやりませんかー?」
真人「お、いいな」
恭介「ぃよっしゃあああああ!! やろうぜみんなぁ!!」キーン
鈴「うっさい! マイク持ったまましゃべるな!」
美魚「……やはりババ抜きが定番でしょうか?」
恭介「ババ抜きか、いいねぇ!! ババ抜き最高ゥ!!」
理樹「それじゃカード配るね」
クド「わふー! ドキドキのワクワクですー!」
鈴「……ん、次はお前だ」
クド「わふっ……ど、どれにしましょうか……」
真人「パパッと決めちまえよ、そんなもん」
佳奈多「そうね、どうせこんなのただの運よ」
恭介「いや、ババ抜きは運じゃないぜ。これも立派な心理戦だ」
理樹「えっと……ところでなんで二木さんがいるの?」
佳奈多「あら、いちゃ悪いっていうの?」キッ
理樹「いや、そんなことないけど……」
クド「私がお誘いしたのですー。人数が多い方が楽しいと思いまして」
葉留佳「まぁ大目に見てあげてくださいヨ」
恭介「無料リフト券にはまだ余裕がある。一人くらい平気さ」
恭介「よし、次はおまえの番だぜ」
佳奈多「……ふん、じゃあこれ」スッ
理樹「そ、即決だね……」
真人「少しは悩めよ」
佳奈多「っ!?」
葉留佳「あ、お姉ちゃんババ引きましたネ」
謙吾「ああ、引いたな」
佳奈多「な、なんでバレてるのよ!?」
鈴「……おい」
葉留佳「言ーっちゃった、言っちゃったー♪」
佳奈多「は、はぁ!?」
恭介「今のは初歩的なカマかけだぞ、二木」
理樹「まぁ、引いたときの表情でだいたいわかっちゃったけどね」
小毬「かなちゃん素直だから~」
真人「いや、ただのバカだろ」
佳奈多「~~~~~~っ!! あんたにバカ呼ばわりされたくないわよ!」
佳奈多「ていうか、よくも騙したわね! 葉留佳!」
葉留佳「やはは、勝負の世界は非情なのですヨ」
美魚「……素直に負けを認めましょう」
佳奈多「うぐぐ……っ」
シャカシャカッ!
佳奈多「さぁ、直枝理樹! 引きなさい!」
理樹「えーっと……じゃあ、これ」スッ
佳奈多「ああもう! なんでそっちを引くのよ!」
理樹「え、えっと……あはは、ごめんね」
鈴「アホだな」
謙吾「フッ……これでしばらくはババを引く心配はなさそうだな」スッ
謙吾「っ、なっ!?」
佳奈多「……っくっくっく……引っかかったわね、宮沢」
謙吾「な、に!? もしや今のは演技か……!?」
佳奈多「そうよ。まさか直枝理樹がババを引いても動じないとは思わなかったけど」
来ヶ谷「さすがだな、少年」
理樹「あはは……慣れてるからね、こういう遊びは」
謙吾「くっ……不覚ッ」
佳奈多「あはは、ざまあないわね! あはは!」
葉留佳「……お姉ちゃん、顔が怖いですヨ」
美魚「……完全に悪役ですね」
恭介「お前、意外と才能あるんじゃないか? どうだ、リトルバスターズはいつでも部員歓迎中だぞ」
佳奈多「ふんっ、お断りよ! こんな校則違反集団なんか!」
理樹(その校則違反集団と旅行に行ってるのはどこの誰なんだろうね……)
佳奈多「……なによ」
理樹「い、いや……別に」
小毬「今度は私の番ですね~! じゃあ、これ!」スッ
小毬「……」
理樹「……?」
小毬「……よ、よ~し! じゃあ次、鈴ちゃんいってみよ~!」
理樹(こ、この人はこの人ですごくわかりやすいな……)
恭介「よし、あがりだ」パラッ
姉御「くっ……先を越されたか」
小毬「あれ、唯ちゃんがまだ残ってるよ~」
真人「なんだ来ヶ谷、お前意外とこういうの苦手なんだな」
来ヶ谷「……っ、ええいうっさい黙れこのファッキン筋肉達磨」
真人「へっ……そんなに褒めるんじゃねえよ」
理樹「褒めてないよ……」
シャカシャカ!
来ヶ谷「さぁ、小毬君……引け」
小毬「は~い」スッ
小毬「あ、わ~い! やっとあがれたよ~!」パラッ
来ヶ谷「……」
恭介「ちなみに、ドベのやつには罰ゲームあるから」
クド「わふっ! そ、そんなの聞いてないですー!」
クド「え、ええっと……これでしょうか」
美魚「……」フルフル
クド「わ、わふっ! じ、じゃあこっちでしょうか……?」
美魚「……」コクコク
クド「で、ではいきます!」スッ
クド「っ!」ガーンッ
真人「ったく、西園も意地が悪いぜ」
謙吾「……そもそも能美、お前はあっさり騙されすぎだ」
クド「わ、わふ……」
来ヶ谷「さぁ、クドリャフカ君。手札を引かせろ」
クド「え、ええっと……ちょっと待ってくださいっ!」
シャカシャカ!
クド「ど、どーぞ!」
来ヶ谷(フッ……バレバレだな。とってほしいと言わんばかりにとび抜けている一枚……)
来ヶ谷(それがババ……ならばっ!)スッ
来ヶ谷(っ!?)
クド「わ、わふー! 取ってくれたのですー!」
小毬「すごいよ、クーちゃん!」
来ヶ谷「」
美魚「……では来ヶ谷さん、引かせていただきます」スッ
美魚「……あがりです」パラッ
恭介「これで残るは能美と来ヶ谷……一騎打ちか」
クド「わ、わふっ! がんばるのですー!」
来ヶ谷「……っ」
葉留佳「あれれ~、姉御焦ってます?」
佳奈多「あの来ヶ谷さんが……?」
謙吾「珍しく窮地に立たされているしな」
恭介「しかも今は能美がカードを引く手番だ」
理樹「傍目に見ても、だいぶ厳しい状況だね」
来ヶ谷「……ぐっ」
真人「ほれほれライライ谷、ビビってんのか~?」
来ヶ谷「フンッ!」バキッ
真人「ぐほぇっ!」
シャカシャカヘイッ!
来ヶ谷「……さぁ、クドリャフカ君。こい!」
クド「い、いきますですよー! えいっ!」スッ
クド「……や、やったのですー! あがりましたー!」パラッ
恭介「勝負あり! この勝負、能美の勝ちだ!」
小毬「おめでと~、クーちゃん!」
鈴「よくやった」
クド「あ、ありがとですー! わふー!」
来ヶ谷「ま、まさか……お姉さんが負けるとは……」ガクッ
謙吾「まぁ、そう落ち込むな」
美魚「……そうです、たまにはこういうこともあります」
来ヶ谷「……して、恭介氏。罰ゲームとはいったいなんだ?」
恭介「そうだな……じゃあ、一番ノリであがった理樹に決めてもらうか」
理樹「え……ぼ、僕!?」
恭介「あぁ、決めろ理樹」
理樹「と、突然そんなこと言われても困るよ……」
来ヶ谷「……少年、決めるなら早くしろ」
理樹「え、えーっと……」
理樹「……じゃあ>>58で」
りきと
どうしよう
じゃあ安価再び
理樹「……じゃあ>>69で」
今日一日僕の妹になってよ
理樹「な、なんでもいいんだよね?」
来ヶ谷「何でもといっても、今ここでバスを降りろ……などと言ったら、さすがのお姉さんも怒るぞ」
理樹「さすがにそこまではしないよ。じゃあ……」
来ヶ谷「ん、なんだ」
理樹「き、今日一日……僕の妹になってよ」
謙吾「は……?」
恭介「理樹……お前」
鈴「きしょいな」
理樹「……ごめん、忘れて」
恭介「いや、ルールは絶対だ。来ヶ谷には今日一日、理樹の妹になってもらう」
小毬「妹だって~! じゃあ今から唯ちゃんは、直枝唯湖ちゃんだ~!」
来ヶ谷「なっ……ば、馬鹿! やめろ!///」
葉留佳「照れてる照れてる~」
来ヶ谷「……葉留佳君、脳天に一発お見舞いしてやろうか」
葉留佳「じ、冗談に聞こえないっすヨ……姉御」
来ヶ谷「り、理樹君……タダで済むと思うなよ」
美魚「……くるが……いえ、唯湖さん。妹が兄を君呼びはどうかと思います」
真人「たしかにな。妹なら『お兄ちゃん』とか『兄貴』とかだろ」
理樹「あ、はは……」
来ヶ谷「ぐっ……///」
鈴「私はこいつのこと呼び捨てだぞ」
恭介(こ、こいつ!?)
謙吾「この際、細かいことは気にするな」
恭介「……鈴、ついでだからお前も俺のことを『お兄ちゃん』と……」
鈴「いやじゃ、ボケ」
来ヶ谷「……い、言わなければならないのか?」
恭介「もちろんだ」
来ヶ谷「……お、おに……」
クド「どきどき……」
来ヶ谷「お、お兄……ちゃん……///」
理樹「……っ///」ドキッ
恭介「ヒャッホウゥ!!」
真人「なんでそこでお前が喜ぶ」
来ヶ谷「く、屈辱だ……」
理樹「ご、ごめんね……来ヶ谷さん」
美魚「お兄さん、お兄さん……『唯湖』では?」
理樹「ええっ、僕もやるの!?」
恭介「そうだな、せっかくだからお前も兄貴になりきってやれよ」
理樹「うぅ……それじゃ」
理樹「ゆ、唯湖……///」
来ヶ谷「っ!///」ボフンッ
小毬「きゃ~!」
クド「わ、わふー!」
来ヶ谷「き、貴様ら……これ以上私を玩弄する気か……///」
恭介「まぁ、これくらいで許しといてやるか」
理樹(や、やっと解放された……)
恭介「それじゃ、ゲーム再開だ」
------------------------------------
理樹「……ん、あれ」
理樹(もう着いたのかな……って、さすがに早いか)チラッ
来ヶ谷「……すぅ……すぅ」
理樹「っ!///」ドキッ
理樹(そ、そうだった……あの後、恭介たちに囃し立てられて来ヶ谷さんの隣に移動させられたんだ)
理樹(しかし……こう寄りかかられてると、その……)
理樹(む、胸が……///)ドキドキ
来ヶ谷「……ん……」
理樹「っ!」ビクッ
来ヶ谷「……あれ、理樹く……」
理樹「お、起こしちゃったかな……?」
来ヶ谷「っ! いや、その……///」
理樹「ん、なに?」
来ヶ谷「な、名前……///」
理樹「あぁ……もう日付またいでるからいいよ」
来ヶ谷「くっ……そ、そもそも少年、君のせいなんだからなっ!///」
理樹「わ、悪かったと思ってるよ」
来ヶ谷「……っ///」
理樹「ところで、バス止まってるみたいだけど……」
スタスタ...
恭介「おお、理樹……起きたか」
理樹「恭介、今はどのへん?」
恭介「サービスエリアだ。みんな飲み物買いに行ったり、トイレに行ったりしてるぞ」
理樹「そっか……来ヶ谷さんも行く?」
来ヶ谷「ん、あぁ……少し外の空気が吸いたい」
理樹「それじゃ、一緒に行こうか」
恭介「なんだ、もう兄妹ごっこは止めちまったのか」
理樹「う、うん……まぁね」
来ヶ谷「き、恭介氏……先ほどの借りはきっちり返すからな……っ///」
恭介「おう、楽しみにしてるぜ」ニヤニヤ
来ヶ谷「っ……い、行くぞ! 理樹君!」グイッ
理樹「あ、ちょっと待ってよ!」
理樹「うぅ……外はやっぱり冷えるね」
来ヶ谷「真冬だからな……暖かい飲み物でもほしいところだ」
小毬「あ、理樹君に唯ちゃんだ~!」
理樹「小毬さん。それに、クドたちも」
クド「わ、わわわわふー……さ、さささ寒いですねぇ……」ブルブル
理樹「クド……なんで上着羽織ってないのさ」
クド「バスに忘れてきてしまったのです……」
理樹「あちゃ~」
真人「ほれ、クー公。俺のジャンパー着るか?」
クド「えっ……そ、それはさすがに井ノ原さんに悪いです」
真人「遠慮すんなって! 俺には筋肉っつー身ぐるみがあるからな。ほれ」バサッ
クド「わ、わふ……前が見えないのです……」
アハハッ!
ガチャコン!
理樹「はい、来ヶ谷さん」スッ
来ヶ谷「あぁ、ありがとう」
小毬「さっき食べたアメリカンドッグおいしかったね~」
クド「衣がモチモチサックサクだったのです~!」
真人「ん……おい、あそこにいるの謙吾たちじゃねえか?」
理樹「あ、ほんとだ」
謙吾「おーい! そろそろバスが出発するぞー!」
佳奈多「さっさとしないと置いてくわよ!」
理樹「まずいっ! みんな、早く行こう!」
小毬「そ、そうだね~っ!」
クド「わ、わふっ! ジャンパーで身動きが取れないのです~!」
真人「しゃーねえな……クー公、ちょっと揺れるぞ」ヒョイ
クド「わ、わふー!!」
理樹「はぁ、はぁ……」
恭介「お、間に合ったか」
理樹「……っ、みんなそろってる?」
恭介「んっと……三枝がいないな」
佳奈多「えっ……さっきまでそばにいたのに!」
謙吾「ここにくる途中ではぐれたか?」
佳奈多「もう、あのバカ……!」ダッ
恭介「おい、二木!」
理樹「僕も行くよ!」ダッ
------------------------------------
佳奈多「葉留佳っ! 葉留佳ーーっ!?」
理樹「葉留佳さーん!」
理樹(い、いったいどこに行ったんだろう……)
佳奈多「まさか……ゆ、誘拐!?」
理樹「いやそれはないと思うけど……」
佳奈多「いいえ、ありうるわよ! あの子かわいいし、知らない人にホイホイついていきそうだし……っ!」
理樹「……」
佳奈多「葉留佳っ!! 葉留佳ーーーっ!!?」
理樹「あれ……あの後ろ姿って……」
佳奈多「っ! 葉留佳!?」ダッ
理樹「ふ、二木さん! 危ないって!」
葉留佳「えーっと……ん? あ、お姉ちゃん」
佳奈多「葉留佳! 葉留佳っ!!」ダキッ
葉留佳「ど、どうしたのさ……一体」
佳奈多「もう、あなたどこ行ってたのよ!! 心配したんだからねっ!!」
葉留佳「やはは……ごめんごめん」
理樹「葉留佳さん、手に持ってるそれってもしかして……」
葉留佳「うん……髪飾りの丸っこいとこ、一個落しちゃって」テヘヘ
佳奈多「っ、もう! なにやってるのよ!!」
葉留佳「っ!」
佳奈多「バカ! 葉留佳のバカっ!」
葉留佳「ご、ごめんなさい……」
佳奈多「か、髪飾りなんて……また買えばいいじゃない……っ」
佳奈多「葉留佳が……葉留佳がいなくなったら、私……ぐすっ」
理樹「二木さん……」
葉留佳「ご、ごめんね……お姉ちゃん」ギュ
佳奈多「……っ、もう……絶対離れないって、約束して……」
葉留佳「うん……ずっと一緒だよ、佳奈多」
ごめん
メシいってきます
理樹(よかったね、二木さん……)
佳奈多「……っ! な、なんでそこにいるのよアナタ!」
理樹「えっ、僕も葉留佳さん探しにきたんだけど……」
佳奈多「っ……ひ、人の泣き顔見て笑ってたんでしょう! 最低よ、最低!」
理樹「え、えぇー……」
佳奈多「い、行くわよ葉留佳!」グイッ
葉留佳「あ……ちょ、お姉ちゃん……っ」
葉留佳「り、理樹君もありがとね~」ブンブンッ
理樹「はぁ……」
理樹(まぁ、葉留佳さんが見つかって何より……か)
理樹「っと、僕も急がないと置いて行かれちゃう!」ダッ
それから数時間した後、僕らを乗せたバスは明朝一番、ゲレンデに到着した
恭介「さてと……お前ら朝だ! 起きろ!」パンパンッ
小毬「んにゃ……もう着いたですか……?」
鈴「みたいだな……ふぁあ」
クド「め、目がショボショボしますー……」
恭介「荷物をコテージに運ぶぞ。あと、足元が滑りやすいから気を付けてな」
真人「うっは! すっげー雪!」
理樹「ほんとだ、一面真っ白だね」
美魚「……美しいです」
葉留佳「雪合戦しよー! 雪合戦!」
謙吾「コテージに着いてからな」
ゾロゾロ...
理樹「あ、もうすぐそこにリフトが見えるよ」
クド「わ、わふー! あれに乗るですかー!?」
来ヶ谷「うむ、落ちたら即死だぞ」
クド「あわわわわ……」ガクガク
理樹「大丈夫だよ。仮に落ちても下は雪だから」
クド「ほっ……安心しましたー」
??「皆さん、長旅ご苦労様でした」
恭介「どうも、斉藤さん。この度はお世話になります」
鈴「こいつが斉藤か……」
理樹「失礼だよ、鈴」コソッ
斉藤「いえいえ、どうぞ私のことは気安く『斉藤』と呼び捨ててください」
斉藤「さぁさぁ、皆さん長い間バスに揺られてお疲れでしょう。荷物は玄関にでも置いて、部屋でお寛ぎになってください」
恭介「俺たち男子は、少し大きめの部屋に4人」
恭介「女子は合わせて2部屋だ。じゃんけんでもして3:4に分かれてくれ」
佳奈多「私は葉留佳と一緒よ」
来ヶ谷「じゃあ二人はペアという扱いで、グーパーで3:3に分かれよう」
鈴「よし、望むところだ」
理樹「鈴、勝負じゃないんだからね」
鈴(絶対に小毬ちゃんと一緒になってやる……!)
来ヶ谷「それじゃあ行くぞ、じゃんけん……」
ぽんっ!
恭介「……決まったか?」
来ヶ谷「うむ……私と鈴君とクドリャフカ君がこっちの部屋」
小毬「私とはるちゃんとかなちゃん、それに美魚ちゃんが向こうの部屋だね~」
鈴「……ぅう……よりにもよってこいつか」
来ヶ谷「ふふふ……夜はお楽しみだな、鈴君」
鈴「ふ、ふかーっ! 近寄るな!」
来ヶ谷「理樹君も来るといい。お姉さんがまとめて相手にしてやろう」
理樹「ええっ!?」
美魚「……さっきまで直枝さんに妹扱いされて、顔を真っ赤にしてた人とは思えない発言ですね」ボソッ
真人「……っぷ」
ドゴッ!
真人「ぐへぁっ!」
来ヶ谷「み、美魚君……君にはお仕置きが必要みたいだな……」
美魚「……小毬さん、今夜はドアをしっかり施錠して寝ましょう」
小毬「う、うん……?」
恭介「理樹はお前らには渡さねえよ。今夜は俺たちとお楽しみだもんな……な、理樹?」
理樹「いや、それもそれでイヤだけどね……」
鈴「さっさと準備していくぞ、バカども」
クド「レッツゴートゥースキー、なのですー!」
恭介「そうだな……滑れるのは今日一日と、明日の午前中までだ」
恭介「みんな、精いっぱい楽しんでいくぞ!」
「「「「「「おーっ!!」」」」」」
------------------------------------
クド「鈴さんのスキーウェアかわいいですー!」
鈴「そ、そうか……?///」
小毬「うわわ……歩きにくいよ、これ~」
恭介「じきに慣れる、それまでの辛抱だ」
恭介「今からリフト券配るからな。ウェアに専用のカード入れがついてるはずだ。そこに失くさないようにしまっとけ」
葉留佳「恭介さんも心配性だなぁ、失くすわけないじゃないですか」
恭介「あのな、お前が一番心配なんだぞ三枝」
葉留佳「ががーん! はるちんそんなに信用ないんですか!?」
理樹「いやまぁ、サービスエリアで迷子になったりしたしね……」
葉留佳「うぅ……ひどいですヨ。人を印象だけで判断して」
美魚「……自業自得ですね」
斉藤「シューズはこちらに並べております。左がスキーの方、右がスノボーの方」
恭介「各々ネームプレートがついてるはずだからな。ちゃんと確認して履けよ」
斉藤「板は玄関の左手にございます。それでは、どうか楽しんできてください」
恭介「はい、恩に切ります」
鈴「出発だ!」
------------------------------------
小毬「クーちゃん、それ~!」ドンッ
クド「わー! なのですー!」ボフッ
理樹「あはは、楽しんでるね」
真人「鈴~、ほれ~!」ドンッ
鈴「わぁっ!」ベシャ
理樹「ちょっと鈴、大丈夫!?」
真人「はっはっは、だいじょぶだいじょぶ! いっくら汚れても雪ならかまいやしねえだろ!」
鈴「なにすんじゃ……ボケー!!」ベキッ
真人「ぐおぁっ!」ドサッ
理樹「あはは……」
謙吾「……」
理樹「あれ……どうしたの、謙吾?」
謙吾「……ィ」
理樹「ぃ……?」
謙吾「ィイイイイイヤッホウウウウウウウウウウウウ!!」ダダダッ
理樹「ちょ、謙吾……!?」
恭介「好きにやらせとけ。あいつもゲレンデにきた興奮を抑えきれなくなったんだろう」
謙吾「西園ー! ほれほれー!」ザッザッ
美魚「……やめてください、うざいです」
恭介「お前ら、リフトの乗り方はわかるか?」
小毬「乗り方なんてあるんですか~?」
真人「あれか、逆立ちして飛び移らねえとダメってやつか」
理樹「それはどこ情報なのさ……」
恭介「ちなみに、今ここにはスキースノボーの経験者は何人いる?」
佳奈多「私と葉留佳はスノボーを少しかじったことがあるわ」
来ヶ谷「私は一応どちらもできる」
クド「小さい頃、お爺さまにスキーに連れて行ってもらいました!」
恭介「そうか……んじゃ知らないやつは知ってるやつと一緒に乗って、教えてもらってくれ」
小毬「は~い! じゃあ、かなちゃん教えて~!」
理樹「僕は恭介に教えてもらおうかな……ほら、鈴も」
鈴「……ん」
恭介「よーし、それじゃ並んでいくぞ!」
来ヶ谷「真人少年……もう少し詰めろ、窮屈だ」
真人「悪ぃな、体がデカくてよ! 恨むんなら俺じゃなくこの筋肉を恨め!」
ウィーン...
理樹「板はいちいち外して乗るの?」
恭介「いや、普通は着けたままだ」
鈴「バランスとれるのか?」
恭介「スキーはまぁなんとかなる。スノボーは片足外して、もう片方の足で地面を蹴りながら進む」
理樹「なるほど……じゃあ、普段の移動もそんな感じなんだ」
鈴「む、難しそうだな……」
恭介「まぁすぐに慣れるさ」
クド「わー! 高くて怖いですー!」ギュ
美魚「……能美さん、あの地点を過ぎたら急加速するので、しっかりと掴まっていないと振り落とされますよ」
クド「ほ、ほんとですかー!? あわわわわ……」
理樹「西園さん、ウソ教えないようにね……」
葉留佳「とうちゃーく!」
恭介「そんじゃ板を取りつけるぞ。ベルトの締め方がわからないやつは俺に言え」
小毬「は~い、恭介さん! わかりませ~ん!」
来ヶ谷「鈴君、やり方を教えてやろうじゃないか」
鈴「いやだ……クドに教えてもらう」
来ヶ谷「……ええい黙って教われこのファッキンネコ娘」
鈴「い~~や~~じゃ~~!!」ジタバタ
理樹「おっと……これ、立つだけで難しいな」
葉留佳「すぐに慣れちゃうよ、んでもってこうやって……」
シュー...ザザッ
葉留佳「こーんなことまですぐできちゃうよー!」ブンブンッ
理樹「うわぁ、うまいな……葉留佳さん」
佳奈多「葉留佳、あまり調子乗ってると……」
葉留佳「って、うわわっと……!」ドテッ
ゴロゴロ...
葉留佳「きゃああああああああああああ!!」
佳奈多「ちょ、葉留佳!?」
ザッ、シュー...
理樹「だ、大丈夫かな……」
恭介「受け身さえとれてればそうそう怪我はしない。今日は新雪も十分積もってるようだしな」
恭介「理樹も、最初は転ぶことを恐れるな。失敗を繰り返すことで、いずれコツが掴めてくる」
理樹「うん……がんばってみるよ」
真人「よし、謙吾……どっちが先に滑れるようになるか勝負だ!」
謙吾「望むところだ!」
真人「いっくぜええええええええええええ!!」
謙吾「ひゃっほおおおおおおおおおおおおお!!!」
ザザーッ
真人「って、止まらねえええええええ!!」
謙吾「うわああああああああああああああ!!!」
佳奈多「ちょ、こっちこないでよ!!」
葉留佳「き、筋肉ダルマが襲ってくるぅうううう!」
ワーワー!
鈴「……アホだな」
クド「わ、私たちはまず、坂で止まる練習から始めましょうです」
小毬「そ、そうだね~」
恭介「……よし、西園。滑ってみろ」
美魚「……無理です」
恭介「無理ってことはないだろう」
美魚「……無理です、死にます」
恭介「ったく……」
恭介「ほれ、行ってこい」トンッ
美魚「いやっ……」
シュー...
理樹「ちょ、恭介! 大丈夫なの!?」
恭介「時には強引さも必要だ……ほら、楽しそうに滑ってるじゃないか」
理樹「いや、あれもしかして気絶してるんじゃ……」
鈴「なんかエクソシストみたいになってるぞ」
小毬「ま、真人君たち止めてあげて~!」
------------------------------------
真人「おし、俺の胸に飛び込んでこい! 西園!」
シュー...
美魚「……ん……」
美魚(なにか言いようのない寒気が……)
ザザッ
クド「じ、自力で止まりましたです!?」
来ヶ谷「すごいじゃないか、美魚君」
恭介「ほら、言ったろ?」
理樹「そ、そうだね……」
恭介「さぁ、理樹もそろそろ始めたらどうだ?」
理樹「ぼ、僕にできるかな……」
来ヶ谷「何事もチャレンジだ少年……では、お先に行ってるぞ」ザッ
理樹「う、うん……」
理樹(……よし)
ザッ、シュー...
理樹「っと……!」ザザッ
理樹「って、うわっ!」ドテッ
理樹「……いたた」
恭介「はははっ! 最初はそんなもんだ、理樹!」
理樹「な、なんだか先が遠いな」
それからしばらく、僕たちはスキーとスノボーの練習に明け暮れた
シュー...ザザッ
クド「わー! リキ、すごいのです!」
小毬「上手になったね~! 私なんてまだ全然~」
鈴「理樹のくせに……」
理樹「あはは、鈴だって結構うまくなったじゃない」
小毬「そうだよ~、一緒に頑張りましょ~!」
鈴「……ん」
理樹「それより、そろそろお昼の時間じゃない?」
クド「そこにレストランがありますです」
理樹「恭介たちもいるかもしれない。行ってみよう」
ザクザク...
真人「ぬおおおおおおおおお!! 俺の千円札がぁああああ!!」
葉留佳「雪で財布がビショビショですネ」
佳奈多「恥ずかしいから叫ばないで。それと、邪魔だから券売機の前からどきなさい」
真人「……はい」
...トボトボ
理樹「はは……真人、災難だったね」
真人「なんだ、お前らか……笑いたきゃ笑えよ、これで俺の昼飯はパーだぜ……」
鈴「アホだな」
真人「うぉおおおおおおおおおおおお!!」
理樹「だから言ったでしょ。貴重品はジッパーに入れといた方がいいって」
真人「っ……理樹、一生のお願いだ! 俺に昼飯をおごってくれ!」
理樹「そういうと思ったよ……で、何がいいの?」
真人「り、理樹ぃいいいい!! お前は命の恩人だぜ!!」
理樹「あはは、大げさな……」
ガツガツ...
真人「んぐんぐ……うめえ!」
鈴「口から米粒飛ばすな!」
理樹「んぐ……そういえば謙吾は一緒じゃなかったの?」
真人「ん……あぁ、あいつとは途中まで一緒だったんだが、リフトに乗ったときに落下していってな。そのままはぐれちまった」
理樹「え、それ放っておいていいの!?」
真人「死にゃしねえだろ」ガツガツ
理樹「だ、大丈夫かなぁ……」
クド「し、心配ですねー……」
葉留佳「恭介さんも見かけませんネ」
佳奈多「上級者コースにでも行ってるんじゃないかしら?」
小毬「美魚ちゃんと唯ちゃんはさっき滑ってるとこみたよ~」
クド「美魚さんは初心者とは思えないほど、とてもお上手になっていたのです! わふー!」
真人「それより、理樹! 後で勝負しねえか!?」
理樹「え、それってスピードでってこと?」
真人「あぁ、一番高いところからこの麓まで、どっちが先に帰ってこられるかだ」
理樹「別にいいけど……僕、自信ないよ?」
葉留佳「私もやるやるー!」
真人「おう、冴えないイルカも参戦か。冴えないアシカはどうする?」
佳奈多「誰が冴えないアシカよ! ……ふん、あんたなんかコテンパンにしてやるわ」
真人「へへ、上等じゃねえか」
??「話は聞かせてもらった……!」
鈴「この声は……」
理樹「恭介!?」
ちょっと休憩します
残ってたら書きますが、落としてもらって結構です
恭介「バトルと聞いて、駆けつけないわけにはいかないからな」
謙吾「お、俺も参戦するぞ……」
理樹「謙吾! 平気なの!?」
謙吾「あぁ、少し肩を打ち付けただけだ……問題ない」
理樹「いや、問題あるでしょ……」
佐々美「み、宮沢様! 無理をなさらないでくださいまし」サスサス
鈴「っ! お、お前は……佐々木!」
佐々美「さ・さ・み! ですわっ!」
鈴「……なぜここにいる」
佐々美「ぐ、偶然このゲレンデに遊びに来ていたんですの……」
(((嘘だな……)))
小毬「さーちゃん、私が誘ったときはダメって言ったのに~」
佐々美「あ、あらそうでしたかしら……? おーっほっほっほ!」
来ヶ谷「それで、勝負をするんだろう? 私もぜひ加わろう」
美魚「ですが、スノボーとスキーでは速度に違いがあるのではないですか?」
恭介「上手いやつがやればな。だが、ここにいるのはほとんど初心者も同然のやつばかりだ」
小毬「え、じゃあ私たちもやらなくちゃいけないんですか~?」
恭介「もちろんだ」
小毬「えぇ~……絶対負けちゃうよぅ」
理樹「そうだよ恭介、いくらなんでも女の子が不利なんじゃない?」
恭介「そうだな……そこで、今回はチーム戦とする!」
理樹「チーム戦?」
恭介「俺、二木、三枝、能美、来ヶ谷……それにここにいる笹瀬川は経験者だ」
恭介「この6人でじゃんけんをし、勝った者から相方となるもう一人をそれぞれ選んでもらう」
佳奈多「ちょっと待って。それじゃ、私と葉留佳は同じチームにはなれないってこと?」
恭介「ああ、今回だけは我慢してくれ」
佳奈多「仕方ないわね……」
真人「それで、チーム戦って具体的にどうするんだよ」
恭介「簡単に言えばリレーみたいなもんだ。第一走者が天辺から中腹まで滑り、第二走者が残りを滑る」
恭介「そして、先に麓までたどり着いたチームが勝利だ」
来ヶ谷「ふむ……して、判定はどうするんだ?」
恭介「そうだな……麓のある場所に、この数字が書かれたピンバッジを置いておく。先に着いたものから順番にそれをゲットしていくんだ」
謙吾「なるほどな」
葉留佳「恭介さん恭介さん」
恭介「なんだ、三枝」
葉留佳「今回ももちろん罰ゲームはあるんですよネ?」
恭介「モチのロンだ。そのための勝負だろう」
佳奈多「じゃあ先に罰ゲームを決めておこきましょうよ。その方が負けた人も潔く罰を受けられるはずだし」
恭介「んー……じゃあ、1位のやつの言うことを聞く」
理樹「またそんな適当な……」
真人「いいじゃねえか。やるからには1位を狙わないと面白くないしな」
恭介「それじゃ、さっそくチーム決めを行うぞ」
クド「あの……私がリーダーでもいいのでしょうか?」
理樹「いいんじゃない? クドだって十分うまいし、心配なら相方に強そうな人を選べばいい」
クド「そ、そうですね。じゃんけん、がんばりますです!」
恭介「よし、じゃあ……出さなきゃ負けよ、最初はグー、じゃんけん……」
ぽんっ!
------------------------------------
以下チーム分け
恭介・美魚
佳奈多・真人
葉留佳・小毬
クド・謙吾
来ヶ谷・鈴
佐々美・理樹
佳奈多「ちっ……残り物には福があるとかいった奴を呪いたいわね」
真人「なんだよ、俺の筋肉じゃ不服かよ」
佳奈多「……まぁ、せいぜい私の足だけは引っ張らないように頑張りなさいよ」
真人「ったく、かわいげのねーやつ」
クド「よろしくなのですよ、宮沢さん」
謙吾「あぁ……肩は負傷しているが、精一杯やるつもりだ」
クド「えっと、その……痛いの痛いのとんでけー! なのです」
謙吾「の、能美……」
謙吾「ぬぅぉおおおおおおおおおおおおお!!」
クド「わふっ! 宮沢さんの体からなんだかよくわからないパワーが満ち溢れているのですー!」
佐々美「あの小娘……! 宮沢様に媚び売っちゃって!」キーッ
理樹「あの……よろしくね、笹瀬川さん」
佐々美「え、ええ……絶対あのチームには勝ってやりますわよ!」
葉留佳「よろしく、こまりん」
小毬「よろしく~! でもはるちゃん、なんで私を選んでくれたの~?」
葉留佳「だって速そうな人選んだらつまんないじゃん!」
小毬「ん~……それって私が遅い子だってこと~?」
葉留佳「うん、そうですヨ」
小毬「ふぇえええええん! ざっくり言われちゃったよ~!」
鈴「……お前と一緒か」
来ヶ谷「鈴君、共にがんばろうじゃないか」
鈴「……ん」
来ヶ谷(わざと負けて、鈴君が罰ゲームに悶える姿を見るというのもアリだな……)
鈴「……おい、なんか変なこと考えただろ」
来ヶ谷「ああ……わざと負けて、鈴君が罰ゲームに悶える姿を見るというのもアリだな……と考えていたところだ」
鈴「っ、恭介! こいつとは組みたくない!」
恭介「ルールは絶対だぞ、鈴」
来ヶ谷「はっはっは」
鈴「ぐぅ……」
恭介「ったく……よろしくな、西園」
美魚「棗さん……私はあなたに突き飛ばされたことを恨んでいます」
恭介「え……い、いやあれは……」
美魚「恨んでいます」
恭介「……」
美魚「じー……」
恭介「そ、その……すまなかった」
美魚「……いいでしょう、ひとまずは休戦協定です」
恭介「ふぅ……」
恭介「それじゃ、とりあえず中腹までリフトで上がるぞ!」
------------------------------------
恭介「んじゃ、西園アンカー頼んだぞ」
美魚「はい」
葉留佳「こまりん、早く来てよ~」
小毬「せ、せいっぱいがんばるよ~」
佐々美「直枝さん、最初は任せましたわよ」
理樹「うん、笹瀬川さんも頑張って」
鈴「私が2番目か」
来ヶ谷「大差をつけてバトンを渡してやろう」
クド「宮沢さん! アンカー頼みましたですー!」
謙吾「任せろー!」
佳奈多「……筋肉バカ、負けたら承知しないからね」
真人「てめえこそトップでタスキ繋げよ?」
------------------------------------
頂上・スタート地点
恭介「地図を見ればだいたいわかると思うが、中腹までの道は何通りかある」
恭介「自分が一番いいと思ったルートを通ること。ただし、麓まで一本道で行けるルートの使用は禁止」
恭介「他にルールとしては、直接的な……まぁ、怪我を伴うような妨害はなしだ」
理樹(それって、暗に怪我を伴わなければ妨害してもいいって言ってるような……)
佳奈多「御託はいいわ、さっさと始めましょう」
恭介「まったく、血の気の多い奴らだぜ」
理樹(第1走者は、恭介、僕、小毬さん、二木さん、クド……それに来ヶ谷さん)
理樹(僕と二木さんと来ヶ谷さんはスノボー……残り三人がスキーか。ちょうど半分に分かれたな)
来ヶ谷「少年、バスでの借りはきっちり返すぞ」
理樹「あはは……なんか敵視されてるみたいだね」
理樹(でも、僕だって罰ゲームはいやだからね。全力で行くよ)
恭介「それじゃみんな、スタートラインへついてくれ」
来ヶ谷「恭介氏、いまさらだが合図はどうするんだ?」
恭介「リフトのおっちゃんにやってもらう」
おっちゃん「はは、任せろ!」
理樹(うわ……すごくいい人)
おっちゃん「じゃあ、準備はいいか? ……よーい」
おっちゃん「どんっ!」
理樹(よしっ……!)ザッ
ザザッ
理樹「っ!」
理樹(恭介……やっぱり早い……!)
小毬「ふぇええええっ!」ドテッ
理樹(あっ……小毬さんが……)
理樹(いや、今は勝負に集中だ……!)
ザザッ
恭介「いやっほうぅううううううううう!!!」
理樹(恭介は右の道へ行くみたいだな……みんなも右へ……)
理樹「えっ……?」
理樹(待って……右の道って逆に遠回りになるんじゃ……)
理樹(まさか……!)
恭介「見よ……! 華麗なるクイックカーブ!」ザシュッ
来ヶ谷「ふっ……恭介氏、やるな」ザザザッ
理樹(やっぱりだ……! 今のは恭介のハッタリ……後続の僕らを惑わすための!)ザザッ
佳奈多「ぐっ……嘘……っ!」
佳奈多(曲がりきれない……!)
佳奈多「きゃぁああああああ!!!」ズッテン
クド「わ、わふー!」ザザザザ
理樹(あの二人は引っかかっちゃったか……)
理樹(しかし、来ヶ谷さんもやるな……恭介のハッタリに全く動じる様子を見せなかった)
理樹(ここからが……本番!)ザッ
シュー...
理樹(なかなか追いつけない……っ)
??「うわわぁあああああああ!!!」
理樹(えっ……後ろから誰かが……)
ザシュッ
理樹「うわっ!」
小毬「ご、ごめん理樹くん~~~!! 止まんないよ~~~~!!」
理樹「あ、はは……」
理樹(そっか、小毬さんは遅すぎてあれに巻き込まれなかったから……)
理樹「よしっ……負けないよ!」ザッ
理樹「うわっと……!」ズテッ
理樹「いたた……」
理樹「っ……ま、まだまだ……」ザッ
理樹(も、もうすぐゴールだと思うけど……)
佐々美「……直枝さ~ん! こっちですわよ~!」
理樹(あ、見えた……!)
ザシュッ
理樹「遅れてごめん、笹瀬川さん!」
佐々美「いいですわよ、これから巻き返してやりますわ!!」ザッ
理樹「がんばって~!」
小毬「いたた……理樹君、おつかれさま~」
理樹「小毬さん、大丈夫だった?」
小毬「う、うん……なんとか~」
真人「あの野郎、まだこねえのかよ!」
理樹「あ、二木さんはけっこう苦戦してるかも……恭介の策略にまんまとはまって」
真人「なんだよ! あんだけ大見得切って、だっせーやつ!」
謙吾「ところで、その恭介もまだきていないんだが」
理樹「えっ?」
美魚「……恭介さん……後でお仕置きですね」ブツブツ
理樹(な、なんかあったのかな……)
暫定順位
①来ヶ谷・鈴
②小毬・葉留佳
③理樹・佐々美
美魚のセリフ
恭介さん→棗さん
クド「わ、わふー!!」ザッ
謙吾「お、能美!」
クド「み、宮沢さん! 後は頼みましたですー!」
謙吾「おう、任せろ!」ザッ
謙吾「うおおおおおおりゃああああああああ!!!」ザザザッ
来ヶ谷「まったく、騒々しいバカだ」
理樹「け、警備員の人に捕まらなきゃいいけど……」
来ヶ谷「いやむしろ捕まれ」
理樹「あはは……ところで、来ヶ谷さんは恭介がどうなったか知らないの?」
来ヶ谷「ん、すまんがしらん……私もかなり突き放されたはずなんだがな」
真人「どっかで道草でも食ってんじゃねえか?」
理樹「うーん……でも、勝負を投げ出すほどの道草ってなんだろう」
??「……どけどけぇええええええええええええええ!!!」ザザッ
??「……こんのぉおおおおおおおおおおおおおおお!!!」ザザッ
来ヶ谷「噂をすれば……だ」
理樹「恭介……!? それにあれは……二木さん!?」
ザシュッ
恭介「に、西園っ! すまん、後は頼んだ!」
美魚「……言い訳は終わった後でじっくりと聞かせていただきます」ザッ
佳奈多「ぜぇ……はぁ……」ギロッ
真人「そ、そんな怖い目で睨むなよ……」
佳奈多「は、早ぐ行っで……っ」
真人「お、おう……」ザッ
恭介「はぁ、はぁ……っ」
理樹「恭介、いったいどうしたの?」
恭介「……っ、は、話せば長くなる……」
小毬「と、とりあえず落ち着きましょ~。は~い、これでも飲んで~」スッ
恭介「っ、すまん……ごほ、ごほっ!」
理樹「ちょ! 恭介、大丈夫!?」
------------------------------------
理樹「……えーっと、つまり」
理樹「恭介が近道を通って行こうとしたら、二木さんに闇討ちされたと……」
佳奈多「や、闇討ちなんて人聞きの悪いわねっ!! 別にルールは侵してないわよ!」
恭介「いや、雑木林突っ切って無理やりコースに復帰するのはアウトだろ」
佳奈多「あら、じゃあ最初にそういう取り決めを言っておいてほしかったわね!」
恭介「ぐっ……」
佳奈多「ふんっ!」
理樹「ま、まぁいいじゃないそれくらい。お互いに悪かったってことで」
恭介「おい、ちょっと待て理樹。俺のフェイクにまんまと引っかかったのは二木の責任だろ?」
佳奈多「いーえ、あんな小細工仕掛けるあなたの方こそ卑怯よ!」
ガミガミ!
小毬「ふ、二人ともやめようよ~」
来ヶ谷「まぁ、おもしろいから黙ってみていようじゃないか」
クド「そ、それより私は宮沢さんたちがどうなってるのか気になるのです」
一方その頃、第2走者たちのドッグレース
鈴「んに゛ゃ……っ!」ドテッ
葉留佳「ヘイガール! おっさきー♪」
鈴「ん……あ、そっちは……」
葉留佳「うわわぁああああっ!!」ボフッ
葉留佳「~~~~~~~~~~~っ!!!」ジタバタ
葉留佳(い、息が~~~~!!)
鈴「……バカだな」
ザザッ
佐々美(ん……あれは、棗鈴!?)
佐々美(ふふ……すっころんで雪まみれ、ざまあないですわ!)
佐々美「棗鈴! お先にしつれ……」
??「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」ザザッ
佐々美「っ! こ、この声は……!」
佐々美(み、宮沢様……!?)
謙吾「うぉおおおおおおおおおおお!!!」ザザッ
佐々美「ぁ……っ///」ドキッ
もはやウェアなどかなぐり捨てて雪原を疾走するその様は……
わたくしには猛々しく、雄々しいケンタウロスのように見えて……
鈴「おい、ざざ子。鼻血出てるぞ」
佐々美「なっ……///」ゴシゴシ
鈴「あのバカには負けていられん……先に行くぞ!」ザッ
佐々美「ちょ! 待ちなさいですわ!!」
??「うぉおおおおおおおおおおおおおお!!」
葉留佳「っ、ぶは……っ! ……し、死ぬかと思ったー」ゼェ
佐々美「あ、あれは……井ノ原真人!?」
真人「うぉおおおおおおおおおおおおおぉおおお!!!」
葉留佳「……え、ちょ……マジですか?」
ドッシャーン!
葉留佳「……ま、真人君おもい~~~っ!!」
真人「うぅ……っ」
佐々美「お、お先に失礼しますわね……」ザッ
葉留佳「あ、このっ! ひ、人でなし~!!」
スーッ
美魚「……」
葉留佳「み、みおちん助けて~!」
美魚「……」チラッ
美魚「……フッ」
スーッ
葉留佳「うわぁあああああああああん!!!」
ザザッ
理樹「もうみんな着いてる頃だよね」
恭介「あぁ、どっかで雪とじゃれ合ってさえいなければな」
小毬「……あれ、もしかしてあそこにいるの、はるちゃんじゃない?」
佳奈多「えっ……」
葉留佳「誰か~~~~っ! 助けてよ~~~~!」
理樹「あ、ほんとだ……なんであんなところに」
恭介「真人が上に乗っかってるせいで身動きが取れないみたいだな……」
佳奈多「あ、あの筋肉バカ……!」
ザッザッ
葉留佳「っ、や、やっときてくれた~~~~っ!」
佳奈多「このバカ! さっさと葉留佳から離れなさいよ!」ゲシッ
真人「うぐっ……!」
真人「ん……こ、ここはどこだ?」
来ヶ谷「ゲレンデだ、真人少年……ついでに言うと葉留佳君の体の上でもある」
真人「へ……?」
葉留佳「ま、真人君……重いよ~~~~っ! ぬぅ~~~~っ!」
真人「おわっ! わ、悪ぃ悪ぃ!」
葉留佳「はぁっ……やっと解放されましたヨ」ゲッソリ
理樹「だ、大丈夫?」
葉留佳「な、なんとかね……」イテテ
葉留佳「ところで……勝負はどうなるんですか?」
佳奈多「そ、そりゃこのバカの負……っ!」
佳奈多「~~~~~~っ!!」
佳奈多「このバカッ!!」ゲシッゲシッ
真人「うぉおおおおおお、いてえええええええ!!!」
恭介「まぁ、こりゃどう考えても真人チームの負けだろ」
佳奈多「か、勝ち誇ったような笑みがむかつくわね……棗恭介」
葉留佳「や、やったー! ……のかな?」
小毬「はるちゃんおめでとう~!」ダキッ
葉留佳「やはは……なんだかよくわかんないけど、喜んでおくことにしよう」
来ヶ谷「では、罰ゲームを受けるのは真人君と佳奈多君で決まりだな」
理樹「あとは1位が誰かを確認しに行くだけだね」
恭介「よし、麓まで滑るぞ」
------------------------------------
謙吾「お、やっと来たか」
鈴「って、お前らも一緒か!?」
美魚「……何かあったんですか?」
恭介「あぁ、真人が三枝を妨害してな」
鈴「クズだな」
美魚「ゴミですね」
来ヶ谷「死ねばいい」
佳奈多「ほんと、最低……」ジロッ
葉留佳「やはは」
真人「ぅおおおおおおおおお!! 俺が悪うございましたぁあああああ!!」
恭介「よって、敗者は二木チーム!」
恭介「んで、勝者はどいつだ?」
謙吾「俺だ」
理樹「へえ、謙吾か」
クド「わ、わふー! 宮沢さん、勝たれたんですか!?」
謙吾「あぁ、なんとかな」
クド「ええっと……こ、こん……こんぐ……」
謙吾「……コングラチュレイション、か?」
クド「そ、それです! わふー!」
謙吾「わふぅううううう!」
恭介「よし、それじゃあ勝者は敗者に罰ゲームを与えてやれ」
謙吾「罰ゲームか……悩むな」
クド「な、なのです……」
恭介「じゃあ女子は女子、男子は男子に何か命令してやったらどうだ?」
謙吾「俺が真人に命令……か」
真人「お、おい謙吾……お手柔らかに頼むぜ?」
謙吾『あぁ……それじゃあ、お前のその立派なアヌス……見せてくれよ』
真人『なっ! なにをバカなこと……っ』
謙吾『おいおい真人、お前は人の話を聞いていたのか?』
謙吾『勝者の命令は絶対……だろ?』ズルッ
真人『っ! や、やめろ……!』
謙吾『なんだ……ずいぶんと野性的なモノ持ってるじゃないか』サワサワ
真人『ぐぅ……っ!』
謙吾『ふふ……俺のモノとお前のモノ……』
謙吾『擦りあわせたらどんな化学反応が起きるだろうな……?』
真人『おい……まさか……っ』
謙吾『試してみようぜ……なぁ、真人……』
真人『やめ……やめろぉおおおおおお!!!』
理樹「はーい、そろそろ本当にやめにしようねー」
美魚「……せっかくいいところでしたのに」
真人「な、なにかイヤな悪寒が走ったぜ……」ブルブル
謙吾「あぁ、奇遇だな……俺もだ」ブルブル
鈴「……?」
恭介「それで、決まったか? 謙吾」
謙吾「そうだな……俺は真人に」
真人「……」ゴクリ
謙吾「筋肉ワッショイを一緒に踊ってもらおうと思う」
恭介「は?」
理樹「えっと……つまりどういうこと?」
謙吾「真人! そんな暑苦しい上着は脱ぎ捨てて、共に青春の汗を流そうじゃないか!」
真人「っ……け、謙吾……!」
謙吾「筋肉ワッショイ! 筋肉ワッショイ!」
真人「筋肉ワッショイ! 筋肉ワッショイ!」
恭介「……」
鈴「アホだな」
美魚「……美しくないです」
小毬「み、見なかったことにしよう!」
佐々美「み、宮沢様……周囲から突き刺さる視線をものともしないその不屈な精神……」
佐々美「はぁっ……男らしいですわ///」
来ヶ谷「さて、バカ二人は放っておくとして……」
来ヶ谷「クドリャフカ君はどうするんだ? 佳奈多君になにを命令する?」
クド「え、っと……その……」
佳奈多「クドリャフカ……わかっているわよね?」ニッコリ
クド「わ、わふっ……」
恭介「おいおい、それはパワハラとかいうやつじゃないのか。能美が怯えてるぜ」
佳奈多「なっ、違うわよ! 私は別に……っ」
恭介「能美、お前の欲望をありのままにさらけ出せ! お前は二木佳奈多に何を望む!?」
クド「わ、わふー……え、ええっと」
クド「わ、私は……佳奈多さんに……!」
クド「>>282してほしいのです!」
リキの妹役
クド「わ、私……佳奈多さんに、リキの妹になってほしいのです!」
佳奈多「……は?」
理樹「……へ?」
恭介「……能美、それはどういった理由でだ?」
クド「わ、私……来ヶ谷さんがリキの妹さんになったとき……思ってしまったんです」
クド「き、兄妹愛っていいな……と」
恭介「……」
クド「も、もちろん恭介さんたちもよい兄妹だと思います! けど、私が求めるのは……」
クド「つ、強気な女の子が妹という立場に置かれるだけで弱く見えるという……一種のギャップ萌えというやつなのです!」
シーン...
クド「あ、あれ……?」
来ヶ谷「く、クドリャフカ君にそういった性癖があったとは……」
鈴「ちょっときしょいな」
クド「わ、わふっ! きしょいって言われましたー!」ガーン
恭介「わかる……俺には分かるぞ、能美!」ガシッ
クド「わ、わふっ!?」
恭介「強気なくせに、ちっともか弱げなところを見せない妹を持つ俺だからこそ分かる……!」
恭介「俺たちが求める妹ってのはそういうもんだよな! 妹を持ってない奴も、持ってる奴も、等しく抱く妹への幻想!」
恭介「しっかり者だけど、実は怖がり……普段は嫌味ばかり言うけど、実は兄想い……」
恭介「そういうギャップこそが妹には必要なんだよ! あぁ、わかるぜ! 俺には分かる、お前の気持ち!」
クド「わ、わかっていただけましたかー! わふー!」
鈴「きしょいぞこいつら」
佳奈多「ごめん……ちょっと頭が痛くなってきたわ」フラッ
恭介「待て、二木! 勝者の命令は絶対だぞ!」
クド「なのです!」
佳奈多「……」
来ヶ谷「まぁ、佳奈多君。少しくらい良いではないか」
小毬「理樹君、またお兄さんになっちゃうんだね~」
葉留佳「ということは、私のお兄ちゃんでもあるわけですネ!」
佳奈多「……」ギロッ
理樹「ええっと……なんだかすごい形相で睨まれてるんだけど」
佳奈多「私が……こ、こいつの妹になれですって……?」プルプル
来ヶ谷「あぁ、そうだ。今度は君が『お兄ちゃん』と言う番だぞ」ニヤッ
佳奈多「っ! だ、誰がそんなこと……!」
クド「佳奈多さん! 命令を聞かないと、あのことを三枝さんにバラしちゃいますよ~」
佳奈多「あ、あのことってまさか……!///」
葉留佳「え、なになに教えてー」
佳奈多「あ、あんたは聞かなくていいのっ!!///」
クド「ふっふっふー……どうしますですかー?」
小毬「クーちゃん怖いよぉ……」
来ヶ谷「クドリャフカ君のソウルジェムがどんどん濁っていくな」
恭介「奴もようやく自らの欲望に忠実になったということさ」
佳奈多「っ……し、仕方ない……わね」
クド「わふっ! よかったのですー!」
クド「それじゃあ、リキを『お兄ちゃん』と呼んでくださいですー!」
理樹「あ、はは……」
佳奈多「……ぉ、おに……」
クド「声が小さいですよー。さぁ、ワンツー……!」
佳奈多「っ、お、お兄ちゃんッ!!」
少し休憩をば・・・
30分くらいで戻ります
理樹「え、えっと……なぁに?」
佳奈多「……っ///」
ダッ
葉留佳「あ、お姉ちゃん!」
理樹「ふ、二木さん!?」
クド「リキも! 二木さんではなく『佳奈多』とちゃんと呼ばなければいけませんよ!」
理樹「……そ、それはわかったけど、ふた……か、佳奈多が……!」
クド「追いかけてあげてください、お兄さん!」
理樹「う、うん……!」ダッ
------------------------------------
理樹「はぁ、はぁ……」
理樹「二木さん、たしかこっちの方に来たはずだけど……」
「っ……だ、誰!?」
理樹「えっと、その声は……二木さん?」
佳奈多「……な、直枝……理樹」
理樹「ふた……えっと、佳奈多……大丈夫?」
佳奈多「なっ! なに呼び捨てにしてくれてるのよ!」
理樹「いや、そういうルールみたいだし……」
佳奈多「あ、あんなバカげた遊び……よく付き合ってられるわね」
理樹「……でも、佳奈多だってけっこう楽しそうだったじゃない」
佳奈多「そ、そんなこと……! っていうか、あなたもうその呼び方やめなさいよ!」
理樹「僕のことは、あなたじゃなくて『お兄ちゃん』……じゃなかった?」
佳奈多「なっ……ほ、本気で怒るわよっ///」
理樹「くすっ……二木さん、ほんとにいろんな表情するようになったよね」
佳奈多「は、はぁ?」
理樹「いつも仏頂面だった君が、こんなに怒ったり、笑ったり……」
理樹「こうやってバカやるのも、けっこう楽しいと思ってるんじゃない?」
佳奈多「なっ、そんなことあるわけ……!」
理樹「ほんとに?」
佳奈多「……っ!」
理樹「……」
佳奈多「っ……いや、まぁ……少しは……///」
理樹「でしょ? だってみんなといるときの二木さん、すごく生き生きした顔してるよ」ニコッ
佳奈多「なっ……!///」
理樹「二木さんはもっと肩の力抜いたほうがいいよ。もうここは規則やルールに縛られるだけの場所じゃないんだから」
佳奈多「……そ、そう……かもね」
理樹「うん……というわけで、僕をお兄ちゃんと……」
佳奈多「……」ギロッ
理樹「あはは、やっぱりダメか……」
理樹「とりあえず、みんなのところへ戻ろうよ」
佳奈多「え、ええ……」
佳奈多「あ、あの……直枝理樹……っ」
理樹「ん、なに?」
佳奈多「っ……や、やっぱりなんでもないわっ///」
理樹「?」
佳奈多「……」
佳奈多(ありがとう……“お兄ちゃん”)
------------------------------------
恭介「遅かったな、お前ら」
葉留佳「佳奈多、大丈夫?」
佳奈多「葉留佳……ごめんなさい」
来ヶ谷「兄妹喧嘩はもう終わりか?」
理樹「はは、まぁね」
クド「仲直りできたようで何よりなのです!」
佳奈多「……ふん、今に見てなさいよ。次の勝負では絶対に勝ってやるんだから!」
恭介「その意気だぞ、二木」
恭介「それじゃあ、もうひと滑りするか、理樹!」
理樹「うん」
鈴「あたしもやる!」
葉留佳「はるちんのスーパーエキセントリックターンを見せて進ぜよう!」
ワーワー
それから僕たちはしばらくゲレンデを満喫した後、
充足感と多少の疲労感を抱えながら、コテージへと帰って行った
斉藤「皆さま、おかえりなさいませ」
斉藤「濡れたウェアや靴下などは、こちらの部屋に干して乾燥させてください」
恭介「わかりました」
真人「うぅ……さぶっ」ブルブル
謙吾「そ、そうだな……」ガクガク
葉留佳「二人は自業自得ですネ」
真人「お、この部屋ヒーターあるじゃねえか! あったまろうぜ、謙吾!」
謙吾「おうとも!」
恭介「待て待て、着替えは女子優先だ。男子はしばらく外で待つこと」
真人「なっ……マジかよ」
鈴「とっとと散れ、変態!」ドカッ
真人・謙吾「ぬぁあっ!」
理樹「楽しかったね、恭介」
恭介「だろ? 俺は寒いのは苦手だが、冬はこれだから嫌いになれないんだ」
理樹「明日も午前中は滑れるんだよね?」
恭介「午後1時にチェックアウトで、30分後にバスがくる」
恭介「それまでは一応滑れるが、まぁそこまで体力が残ってる奴はいないだろうな」
理樹「……まさか今夜も何かやる気?」
恭介「もちろんだ。夜はお楽しみって言っただろ? 理樹」
理樹「はは、いやな予感しかしないよ……」
謙吾「真人! かまくら作るぞ!」
真人「おっしゃあ!」
恭介「おいお前たち、あまりはしゃぐと本当に風邪ひくぞ」
佐々美「み、宮沢様たち! もう着替えてもよろしくってよ!」
謙吾「お、待ってましたぁ!」
佐々美「っ///」ドキッ
真人「ふぃ~……凍え死ぬところだったぜ」
理樹「……うわ、つま先がちょっと内出血起こしてる」
恭介「つま先にエッジを効かせる際に、少し力みすぎたんだろうな」
恭介「あとで包帯まいてやるから心配するな」
理樹「う、うん」
佐々美「……///」チラッチラッ
真人「……おい、なに見てんだよ」
佐々美「っ! べ、別に覗いてなんていませんことよ!」
真人「いや、どう考えても覗いてただろ」
ダッ
真人「な、なんだあいつ……」
理樹「そもそもなんで笹瀬川さんがこのコテージに?」
恭介「なんか名簿に紛れ込んでいたらしい」
恭介「大方、俺たちの同伴を装って駆け込み予約を入れたんだろう」
理樹「よ、用意周到だ……」
謙吾「まぁいいじゃないか。大勢の方が楽しいだろう」
理樹「謙吾、それは笹瀬川さんに直接言ってあげた方が喜ぶと思うよ」
それから僕たちは、お風呂に入り夕食を済ませ、
その後は何をするでもなく、それぞれの部屋でぐったりと過ごしていた。
理樹「……ふぁあ」
恭介「なんだ理樹、もう眠たいのか」
理樹「まぁね……」
恭介「夜はまだまだ長いぞ。……そうだ、下に卓球台がある。やりに行かないか?」
理樹「うん、そうだね」
------------------------------------
真人「うぉおおおおおおおお!!!」ポコンッ
謙吾「どぉおおおりゃああああああ!!!」ポコンッ
葉留佳「真人君いっけぇえええ!!」
佐々美「宮沢さん、ファイトですわー!」
恭介「お、さっそくおっぱじめてるじゃねえか」
恭介「試合状況はどんな感じだ」
佐々美「ええと……5ゲーム制で最終ゲーム」
佐々美「得点は9:7で宮沢様が2点リードしている状況ですわ」
恭介「ほう……接線も接戦だな」
謙吾「真人……お前とは筋肉を誓い合った仲だ……」
謙吾「だがな、勝負は勝負だ! このゲーム、俺がもらい受ける!」パシュッ
佳奈多「強烈なスマッシュ……!」
恭介「さぁ……真人はどう出る!?」
真人「うぉおおおおお!!!」カコンッ
理樹「受けた……!」
佐々美「でも、体制を大きく崩しましたわ!」
謙吾「もらったぁあああああああああ!!!」バシュンッ
真人「っ……!」
カーン
恭介「テンセブン!」
理樹「これで謙吾が王手をかけたね」
恭介「だが、どちらも疲弊してきている……油断のならない状況に変わりはないぜ」
謙吾「……はぁ、はぁ」
真人「……っ」
佐々美「きゃぁあああああああ!! 宮沢様ぁあああああああ!!」
理樹「わっ……びっくりした」
鈴「うっさいぞさしみ!」
佐々美「っ、誰がさしみですの!?」
恭介「よし、それじゃ次のサービスは真人だ」
真人「へっ……こっから巻き返してやるぜ……」
謙吾「……っ! こい!」
ポコンッ...ポコンッ
------------------------------------
恭介「ゲームセット! この勝負、謙吾の勝ちだ!」
謙吾「ィイイヤッホウゥウウウウウウウウ!!!」
真人「……燃え尽きた……ぜ」ガクッ
理樹「ちょ、真人! ……大丈夫?」
真人「理樹……こんな俺を心配してくれるのか。こんな、負けちまった俺を……」
理樹「当たり前じゃないか、真人は精一杯がんばったよ……」
真人「理樹……」
美魚「……ポッ///」
謙吾「ジェラシイィイイイイイイイイイ!!!」
佐々美「み、宮沢様!?」
鈴「アホなのか?」
恭介「よし、お前らゲーム大会をやるから上へあがるぞ」
理樹「え、卓球はやらないの?」
恭介「今の試合で十分熱くなっただろう。さぁ行くぞ、理樹!」
理樹「う、うん」
クド「棗さんたちのお部屋でやるのですか?」
恭介「いや、この宿は貸し切りだしな。かなり大きめの部屋が廊下の突き当りにあるから、そこを使わせてもらう」
スタスタ...
恭介「ここだ。お菓子や飲み物も用意してあるぜ」
小毬「わぁ! おいしそうなものがいっぱ~い!」キラキラ
来ヶ谷「本当は夜食は好かんのだが、今日くらいいいか」
葉留佳「恭介さん恭介さん! アルコールはないんですかい?」
恭介「お前未成年だろ。それにお前の隣には怖~い風紀委員長様もいるしな。ジュースで我慢しておけ」
佳奈多「葉留佳」
葉留佳「……ちぇー」
鈴「それで、一体何をやるんだ」
恭介「よくぞ聞いた! 今からお前らにはこれをやってもらう!」バンッ
恭介「その名も、リトバスリズム4ゲーム! はい拍手~」パチパチ
シーン...
恭介「……おい、反応薄いぞお前ら」
来ヶ谷「いやそもそも……」
理樹「それってどんなゲームなのさ」
恭介「お前ら知らないのかよ! 仕方ねえ……」
恭介「このゲームはだな、かの有名なテレビ番組で紹介され人気を博したゲームを……」
恭介「我らがリトルバスターズが行うにふさわしい難易度へとアレンジした、究極のリズムゲーなのである!」
理樹「あぁ、あれのことね」
真人「学○へ行こうだっけか」
クド「わ、わふっ! みなさんわかるんですかー!?」
鈴「いや、しらん」
恭介「おい鈴、お前もガキの頃はよく見てただろ」
謙吾「それで、ルールは?」
恭介「面倒だ、詳しくは『みのりかリズム4』でググって調べてくれ」
理樹「ず、ずいぶん適当だね……」
恭介「だが、このゲームをやるには人数が多すぎる」
恭介「そこで、再びチーム戦を行う」
鈴「またか」
美魚「……好きですね」
恭介「2人ずつに分かれて、試合では交互にリズムを言い合っていく」
恭介「俺と理樹がチームメイトだったら、俺がまずリズムを刻んで誰かを指名した後、次は俺はゲームに参加することはできない」
恭介「つまり、相手側も俺でなく理樹を指名してリズムを刻む必要があるというわけだ」
葉留佳「や、ややこしいっすネ」
恭介「そしてさらに、このリトバスリズム4には特殊ルールがある」
真人「これ以上ごちゃごちゃさせる気かよ」
恭介「1を指定されたときの掛け声を『うー、…、…、マーン!』」
恭介「そして4を指定された時の掛け声を『リト、バス、さい、こう!』とする」
理樹「うわぁ……」
鈴「いやじゃボケ!」
恭介「鈴、ルールは絶対だ」
謙吾「そうだぞ。いいじゃないか、かっこよくて」
佐々美「で、ですわ!」
鈴「……じゃじゃ美も若干引いてるぞ」
謙吾「ほ、本当か? 笹瀬川……」
佐々美「ご、誤解ですわ!」
恭介「よし、それじゃチーム決めを行うぞ」
恭介「今回は完全にランダムのくじ引きで行う」
恭介「さぁ、この中から紙を引いて同じ番号のやつと組め!」
------------------------------------
以下チーム分け
理樹・小毬
来ヶ谷・佳奈多
鈴・真人
謙吾・美魚
恭介・葉留佳
クド・佐々美
今さらだけど、クドと笹子って仲いいんだな・・・
EXやってないから、違和感持った人はごめんよ
理樹「よ、よろしくね……小毬さん」
小毬「せ、せいいっぱいがんばるよ~」
来ヶ谷「よろしくな、佳奈多君」
佳奈多「ええ」
鈴「……」
真人「なんか言えよ」
鈴「……しね」
真人「ぬぅぉおおおおおおおお!!」
謙吾「西園ー! ヒャッホーイ!!」
美魚「……やめてください、うっとおしいです」
クド「よ、よろしくなのですー」
佐々美(い、いけ好かない小娘がきやがりましたわね……)キーッ
クド「わ、わふっ! なぜだか知らないけど睨まれましたのですー!」
恭介「よろしくな、三枝」
葉留佳「まぁはるちんにすべてお任せあれですヨ」
恭介「……よし。じゃあ数字の1番のペアだけ先攻を決めてくれ」
恭介「それ以降は、先に相手から指名された者が先攻となる」
恭介「12人全員で輪を作るが、ペアは必ず隣同士になること」
恭介「ルールは以上だ。それじゃさっそく始めるぞ」
来ヶ谷「恭介氏、例によって罰ゲームはあるんだろう。どうする?」
恭介「そうだな……リズムを狂わせたペアが、その直前のペアから一個命令をされる……ってのはどうだ」
来ヶ谷「うむ……異存はない」
恭介「ペアは頃合いを見計らってチェンジする。それでは……」
恭介「リトバスリズム4、スタート!」
その前に
各キャラの呼び方確認
恭介→きょう
理樹→りき
真人→まさ
謙吾→けん
鈴→りん
小毬→まり
葉留佳→はる
佳奈多→かな
来ヶ谷→ゆい
美魚→みお
佐々美→ささ
理樹(まずは僕たちからだ……!)
理樹「よし、じゃあ行くよ……せーのっ!」
『っ、りき、から、はじ、まる』
『リズ、ムに、あわ、せてっ』
パンパンッ
理樹「りん、3!」
鈴「……っ、り、りりんりんりん!」
恭介「はいブー!」
真人「なにしてんだよ、鈴!」
鈴「う、うっさいわボケ! 舌が絡まったんじゃ!」
恭介「じゃあ、理樹が鈴に命令だな」
鈴「へ、変なこと言ったら噛むぞ! ふかーっ!」
理樹「ええっと……それじゃ>>451」
一日彼女
理樹「ええっと……それじゃ、今日一日彼女になってよ」
鈴「なにィ!?」
恭介「理樹……お前も強欲なやつだな。妹2人に飽き足らず、彼女まで欲しがるとは……」
来ヶ谷「……恭介氏、妹ネタを引きずるのはそろそろ止めろ」
ごめん、途中送信しちゃった
罰ゲームネタはできれば単発的なものがいいです
たとえば>>451なら「僕にキスしてよ」とか
謙吾「一日彼女か……」
恭介「じゃあまずはここで一つ……理樹になにか彼女らしいことをして見せろ、鈴」
鈴「い、いやじゃ!」
小毬「鈴ちゃ~ん、罰ゲームは絶対だよ~」ユラッ
鈴「こ、小毬ちゃんまで裏切る気か……!」
来ヶ谷「彼女ならやはりキスが定番じゃないか?」
真人「き、キスぅ!!?」
恭介「き、キスだと……? 兄である俺の目の前でか……!?」
佳奈多「いいじゃない、別に」フフッ
恭介「二木、貴様まだ根に持ってるのか……」
佳奈多「あら、なんのこと?」
理樹「ごめん、ワガママ言ってもいいかな?」
恭介「おう、なんだ理樹。言ってみろ」
理樹「やっぱり僕の方から鈴にキスしたいな……後ろから抱きついて、耳元に」
鈴「っ……!?///」
小毬「うわわ~! 理樹君大胆すぎるよ~!」
クド「わ、わわわわふー……」キューバタン
葉留佳「クド公が再起不能であります!」
来ヶ谷「くっくっく……それはもはや罰ゲームと言えるのか?」ニヤニヤ
恭介「理樹……お前が望むなら、俺は止めはしない……」
理樹「恭介……」
恭介「いつかはこうなるとはわかっていた……それが今きたというだけの話さ」
理樹「それじゃ……いくよ、鈴」ギュ
鈴「や、やめろ……っ!///」
理樹「鈴……好きだよ」チュ
鈴「ふわぁぁあ……っ!///」
しゃららら~
小毬「……っ///」ボフンッ
謙吾「ぉお……」
真人「や、やりやがったぜ……」
佳奈多「ふ、不純だわ……!///」
佐々美(わ、私も勝てば宮沢様に……!///)
恭介「……よし、元の位置に戻れ。ゲーム再開だ」
葉留佳「恭介さん、泣いてませんか?」
恭介「う、うるせえ!」
恭介「次は2番目のペアからスタートだ」
来ヶ谷「私たちか」
恭介「それじゃいくぞ……せーのっ!」
来ヶ谷「ち、ちょっと待ってくれ!」
理樹「……どうしたの? 来ヶ谷さん」
来ヶ谷「わ、私の呼び名なんだが……その……変えてもいいか?」
真人「は? お前の呼び名って……『ゆい』ってやつか?」
来ヶ谷「フンッ!」バキッ
真人「ぐはぁっ!」
恭介「変えるのは勝手だが、じゃあどんなのにするんだ?」
来ヶ谷「そ、そうだな……『くる』とかどうだ?」
小毬「ええ~、言いにくいよ~」
クド「『ゆい』さんの方がかわいいと思いますですー!」
葉留佳「クド公、いつの間に……」
恭介「不評みたいだな……仕方ない、諦めろ」
来ヶ谷「ぐっ……」
恭介「それじゃあらためて行くぞ……せーのっ!」
『ゆい、から、はじ、まるっ!』
『リズ、ムに、あわ、せてっ!』
パンパンッ
来ヶ谷「みお、4」
美魚「……リト、バス、さい、こう」
パンパンッ
美魚「……きょう、2」
恭介「…、…っ、きょう、きょう!」
パンパンッ
恭介「鈴、4」ニヤッ
鈴(ぐっ……)
鈴「……っ、リト、バス、さい、こう」
パンパンッ
鈴「……りき、3」
理樹「…、りき、りき、りき」
パンパンッ
理樹「けん、1」
『うー……』
謙吾「マーーーーーーーーーーーーーン!!」
参考動画:http://www.nicovideo.jp/watch/sm464139
パンパンッ
謙吾「まり、3」
小毬「ふぇっ……ま、まりりん……?」
恭介「はいブー! 小毬アウトー」
小毬「うわぁあああああん!!」
理樹「ど、どんまいだよ……小毬さん」
恭介「よし……謙吾、小毬に何か罰ゲームを与えろ!」
鈴「お、おい! 変なの言ったら承知しないぞ!」
謙吾「うむ……そうだな」
謙吾「やはり>>474だろう」
あーん
謙吾「神北……俺に……」
小毬「う、うん……っ」
ザワザワ...
謙吾「俺に、そこにあるお菓子をあーんして食べさせてくれ!」
シーン...
小毬「ふぇ……そ、そんなことでいいの?」
謙吾「ああ!」
来ヶ谷「鈴君の罰ゲームと比べたらだいぶ手ぬるいな」
佳奈多「そうね……きもいけど」
鈴「しねボケ!」
小毬「いいよ、鈴ちゃん! そのくらいなら私平気だよ~」
謙吾「神北……!」
小毬「さぁ~、謙吾くん……あ~んして~♪」
謙吾「ま~~~~~~~ん!」
パクッ
謙吾「ん~~~~~~、うまいっ!」
小毬「ふふ……よかった~」ニコッ
理樹「謙吾、幸せそうだね……」
真人「なんだかすげえ羨ましいぜ……」
恭介「あぁ……同感だ」
来ヶ谷「それじゃあゲーム再開と行くか」
恭介「ん、あぁ……じゃあ、せーのっ!」
『まさ、から、はじ、まる!』
『リズ、ムに、あわ、せて!』
パンパンッ
真人「こま、1!」
『う~~~~……っ』
小毬「ま、まーーーーーーん!」
パンパンッ
小毬「ゆ、ゆい、4」
来ヶ谷「リト、バス、さい、こう」
パンパンッ
来ヶ谷「りき、3」
理樹「……っ、りき、りき、りき!」
パンパンッ
理樹「さ、ささ、ささっ……!」
恭介「はい、理樹ブー」
理樹「や、やっちゃった……」
真人「あいつの名前は呼びにくいから仕方ねえよ」
佐々美「な、なんですって!?」
来ヶ谷「この場合は、私が罰ゲームを決めていいのか?」
恭介「あぁ、もちろんだ」
来ヶ谷「うむ……それでは」
来ヶ谷「理樹君には>>484をしてもらおうじゃないか」
来々谷にあーん
来ヶ谷「わ、私に……そ、その……」
理樹「ん、なに?」
来ヶ谷「あ、あーん……をしてくれ……っ///」
理樹「ええっ!?///」
佳奈多「来ヶ谷さん……」
鈴「こいつもか」
恭介「なんだお前、バスでの一件はまんざらでもなかったのか」
来ヶ谷「っ、め、命令は絶対なんだろう!?///」
来ヶ谷「さ、さぁ! 理樹君、早くするんだ!」
理樹「えっと……これでいい?///」
来ヶ谷「あ、あ~ん……///」
理樹(うわ、あの来ヶ谷さんが上目遣いでこっちを見てる……///)
理樹「……」ゴクリ
来ヶ谷「ふぁ、ふぁやくひてくれ……!///」
理樹「う、うん……///」
チュパッ
理樹「ちょ、来ヶ谷さん!?///」
来ヶ谷「す、すまん……! つい……///」
真人「ひゅーひゅー!」
謙吾「マーーーーーーーン! マーーーーーーーン!」
葉留佳「……ちょいと姉御、酔ってません?」
佳奈多「ねえ、本当にお酒とか混じってないんでしょうね?」
恭介「ないない」
美魚「……雰囲気酔い、というやつでしょうか」
どうしよう、まだこのゲーム続けようか
若干マンネリ化してきた気もするんだけど
そんなこんなでリトバスリズム4も大盛り上がりを見せたが、
時計の針が0時を回ったところで、誰からともなくそれぞれの部屋へと戻っていき、そして寝た
翌朝
恭介「お前ら、起きろ!」パンパンッ
真人「……っ……きん、にく、わっ、しょい」
理樹「……ん、あれ……もう朝なの?」
恭介「朝じゃない、もう昼過ぎだ! チェックアウトの時間までに支度をして帰るぞ!」
理樹「ええっ!」
ドタバタッ!
謙吾「なんだか昨日のことはまるで覚えていないな」
理樹「僕もだよ……なんだか頭も痛いし」
真人「二日酔いってやつか?」
理樹「はは、まさか……」
恭介「おい、小毬! 女子たちの様子はどうだ?」
小毬「え、ええっと……まだ準備してる途中です~」
恭介「そうか……」
葉留佳「あれも入れて、これも入れて……!」
葉留佳「んぐ~~~~~~っ! カバンが閉まらない~~~~~~っ!!」
美魚「……なぜ行きと帰りでそんなにも荷物の量が変わるのですか?」
葉留佳「やはは、なんででしょう」
佳奈多「どうせ衣類をしっかり畳まずに入れたんでしょう! ほら、貸しなさい!」
葉留佳「おお! 佳奈多、ありがとう~!」
佳奈多「あなたもやるのよ!」
ちょいメシ行ってきます
クド「あ、あれ……私の下着がないのですー」
来ヶ谷「さて、そろそろチェックアウトの時間だな」
鈴「……おい、くるがや」
来ヶ谷「っ!」
来ヶ谷「な、なんだね……鈴君」
鈴「そのトランクからはみ出てる白い布はなんだ」
クド「そ、それは……まごうことなき私のパンツなのです!」
来ヶ谷「はっはっは、どうやら誤って紛れてしまっていたようだな」
鈴「……この変態め」
来ヶ谷「鈴君、君も忘れ物がないかよくチェックしておくといい」
鈴「な、なにィ!? あたしのも盗んだのか!」
ガサゴソ
鈴「……ちゃんとある」
来ヶ谷「はっはっは」
鈴「こ、こいつ……!」
恭介「ストップストップ。もうバスがきた、お前らも急げ!」
鈴「後で覚えてろ!」
来ヶ谷「うむ……鈴君のパンツの柄はネコの肉球っと」
鈴「っ、そっちじゃない!」
クド「い、急ぐのですー!」
ダダッ
恭介「斉藤さん、本当にお世話になりました」
斉藤「いえ、楽しんでいただけたようで何よりです」
斉藤「またぜひいらしてください」
恭介「ええ」
鈴「……お前、斉藤ーっす」
斉藤「おやおや……ふふ……」
斉藤「俺、斉藤ーっす」
鈴「……おお!」
理樹「鈴、なにしてんのさ。行くよ」
鈴「……またな、斉藤」
斉藤「ええ、またいつか」
恭介「それじゃお前ら、急いで記念写真撮るぞ!」
葉留佳「ちょ、真人君もっとそっちいってよ~!」
真人「お、おう……」
来ヶ谷「真人少年、あまりこっちに寄るな。バカが移る」
真人「ぬぉおおおおおおお!! 俺はどうすりゃいいんだよぉおおお!!」
恭介「お前ら2列に並べ。謙吾と真人は後ろだ」
謙吾「よしきた!」
佐々美(な、なんとか宮沢様のお傍に……)
クド「わふー! 笹瀬川さん、お隣いいですかー?」
佐々美「え、ええ……いいですわよ」
クド「わふっ! 嬉しいのですー!」
佐々美(な、なんなんですのこの子は……)
佐々美(でも、少しかわいいですわね……///)
小毬「鈴ちゃん、ほら笑って笑って~」
鈴「ふ、ふにゃぁ……」
理樹「鈴、顔こわばってるよ」
鈴「う、うっさい!」
佳奈多「もう……本当に騒がしい人たちね」
恭介「お前ら、準備はいいかー!?」
「「「「「「おーーーー!!」」」」」」
恭介「……それじゃ、お願いします」
斉藤「了解です……はい、チーズ」
パシャッ
こうして、恭介のための卒業旅行は幕を閉じた。
やってることはいつもと変わらないけれど、
みんなと一緒に旅行をしたという、ただそれだけのことで、
なにか特別な絆が新たに芽生えたように思った。
少なくとも、この日のことは僕らの心の中で、
確かな思い出となって残り続けるだろう。
恭介「……」
理樹「恭介……?」
恭介「……すぅ……すぅ」
謙吾「……遊び疲れたんだろう、寝かせてやれ」
真人「へっ……恭介がこんなに無防備な寝顔を見せやがるとはな」
鈴「アホ面だ」
恭介「……すぅ……すぅ」
理樹「おやすみ、恭介……」パサッ
恭介「り……」
理樹「ん?」
恭介「り、リトルバスターズ……さいこぉ……」
恭介「むにゃ……ん……」
理樹「ふふ……」
恭介……また、みんなでどこかへ遊びに行こうね。
おわり
くぅ~疲れましたwこれにて完結です!
実は、ID腹筋スレを立てたら、「安価SS書かないか」という話を持ちかけられたのが始まりでした
本当は話のネタなかったのですが←
ご厚意を無駄にするわけには行かないので流行りのネタで挑んでみた所存ですw
以下、理樹達のみんなへのメッセジをどぞ
理樹「みんな、見てくれてありがとう
ちょっとムッツリなところも見えちゃったけど・・・気にしないでね」
真人「いやーありがとな!
俺の筋肉の魅力は二十分に伝わったかな?」
謙吾「見てくれたのは嬉しいが、ちょっと恥ずかしいな・・・」
恭介「見てくれありがとな!
正直、作中で言った俺の気持ちは本当だぜ!」
鈴「・・・ありがと」チリン
では、
理樹、真人、謙吾、恭介、鈴、沙耶「皆さんありがとうございました!」
終
理樹、真人、謙吾、恭介、鈴「って、なんで沙耶が!?
改めまして、ありがとうございました!」
本当の本当に終わり
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