ほむら「節分ね」杏子「そうだな」(109)

―ほむホーム―

ほむら「節分といえば豆まきよね」

杏子「そうだな」

QB「やれやれ、鬼なんていう架空の生き物を払うために貴重なエネルギー元を投げるなんて人間はわけがわから」

パンッパンッ

QB「暁美ほむら、僕が気に入らないにしてもいきなり発砲はよくないんじゃないかい?」

ほむら「よくみなさい改造して豆を打ち出す鉄砲よ」

QB「君は一体何をしたくてそんな拳銃をつくったんだい?」

ほむら「わかっているでしょう?まどかに近づくQBっていうものを節分を名目にうつためよ」

杏子「ふざけんなよほむら」

ほむら「杏子?」

QB「そうだよ、拳銃で豆をまくなんてふざけているといっていいね」

QB「伝統行事に対する冒涜じゃないか」

杏子「食い物を粗末にするんじゃねぇ!!」

ほむら「……ごめんなさい」

杏子「わかればいいんだよ」

QB「まったく、伝統行事は冒涜するし食べ物は粗末にするし暁美ほむらには困ったものだね」

ほむら「さっき伝統行事のわけがわからないってあなた言ってたわよね」

QB「きのせいさ」

ほむら「まったく……」

杏子「なぁほむら、豆もうないのか?」

ほむら「節分の豆は年齢分だけ食べなさいよ」

杏子「場所によっては数え年と新年の分を加えて2つ追加だろ?」

ほむら「それ以上に食べてるじゃないあなた……」

杏子「まぁいいじゃねぇか、ほむらだって実年齢ほど食べたのかよ」

ほむら「14個食べたわよ」

杏子「繰り返した時間を含めたらどうなんだ?」

ほむら「そう言われると……」

過去作
ほむら「クリスマスね」モグモグ 杏子「そうだな」モグモグ
ほむら「だらけるのって最高よね」杏子「あぁ、至福の時間だ」

QB「君たちは普通の人間じゃないんだからきにしなくていいじゃなぎゅ……」

ほむら「一匹仕留めたわ」

杏子「あーまたお前その豆拳銃で豆を無駄にしやがったな!」

ほむら「じゃあこの打ち込まれた豆……食べる?」

杏子「それはちょっとなぁ……」

QB「やれやれ、無駄に減らすなんてひどいじゃないか」

ほむら「もうわいてでたわ」

杏子「黒いあれみたいなもんだろ」

QB「君たちは彼らの完成されたフォルムについて何もわかっていないようだね」

QB「彼らは」

ほむら「それ以上話したらまた身体を失うことになるわよ」

QB「やれやれ、わけがわからないよ」

杏子「で、あまった豆はないのか?」

ほむら「あるけどダメよ、我慢しなさい」

杏子「ちぇー」

ほむら「こうしてコタツでぬくぬくとしていられるだけでいいと思いなさい」

杏子「まぁそこは感謝してるけどさ」

ほむら「だいたいご飯ならさっきごちそうしたじゃない」

杏子「お前の作った料理って美味しいんだけど足りないんだよな」

ほむら「なら食材と調理費を今度は持ってくることね」

ほむら「今後はその材料分と調理費分でなにか作ってあげるわ」

杏子「あー悪かった!悪かったって!」

ほむら「私だってお金に余裕なんてないのに……」

杏子「そういえば恵方巻きってあるよな」

ほむら「なにか言いたそうね」

杏子「あれを丸かじりするのが節分の行事だったよな」

ほむら「……」

杏子「節分ならやっぱり食べたほうがいいのかねぇ」

ほむら「はぁ……わかったわよ」

杏子「よっしゃ!」

QB「暁美ほむら、君って頼まれごとが可能だと断れないタイプだよね」

ほむら「うるさいわね、踏み潰すわよ」

杏子「おい、料理をするほむらの邪魔をするとぶっ潰すぞ」

QB「やれやれ」

杏子「あーまだかなー」

QB「君は自分で料理を覚えたほうが速いんじゃないかい?」

杏子「あん?自分で作るってもそんなもん作る場所がねぇよ」

QB「君ならマミの家に乗り込むとか色々できそうだけどね」

杏子「いいんだよあたしはこれで」

QB「やれやれ、女の子としてその発言はどうなのかな?」

杏子「うっせぇ」ベシ

QB「痛いじゃないかまったく……」

ほむら「できたわよ」

杏子「お、おいおい、すげぇ量だな……」

QB「料理というものは一度に作ってしまったほうが効率がいいからね」

ほむら「え?」

杏子「半分もあたしは多分食えないぞこれ……」

ほむら「ちょ、ちょっとあなたがとてもお腹が空いているみたいに言うから」

杏子「どうせそんなに出してこないと……」

ほむら「どうするのよこれ……」

杏子「食い物を粗末にするわけには……」

ほむら「はぁ、おすそわけに行きましょう、手伝いなさい」

杏子「へいへい」

QB「やれやれ、意志の統一が不十分だからこういうことになるんだよ」

ほむら「さて、まずはマミの家に行きましょう」

杏子「そっちのが近いもんな」

ほむら「でも出来立てのものをまどかにというのも……」

杏子「どっちでもいいって」

ほむら「……いいわ、マミの家から行きましょう」

杏子「そうと決まったら早速出発だな」

ほむら「え?まず私達が食べないと」

杏子「歩きながら食えるだろ、ほらさっさと行こうぜ」

ほむら「はぁ……すこしはゆっくりするってことを覚えなさいよね」

ほむら「ってわけで行ってくるからついてこないでね」

QB「やれやれ、僕がそんな命令を聞く義理はないじゃないか」

ほむら「無駄に個体を減らしたいの?」

QB「暁美ほむら、それは人の世界において恐喝だよ」

―外―

ほむら「まだ寒いわね」

杏子「だな」

ほむら「スカートは寒いのよね」

杏子「こうやって白い息が出ると余計に寒そうに感じるよな」

ほむら「たしかにそうよね」

杏子「ま、こういう時は暖かいものを食べながら歩くに限るんだけどな」

ほむら「今食べたら恵方巻きが入らなくなるわよ」

杏子「言われてみりゃそうだな」

杏子「じゃあ出かける前にも言ったけど恵方巻きを食べながら行くか」

ほむら「そんなこと恥ずかしくて出来ないわよ……」

杏子「♪~」ホムホム

杏子「いやーやっぱりお前料理うまいなぁ」

ほむら「まぁそう言われるのは悪い気はしないわ」

ほむら(なんだか杏子が食べてるのを見ていたら私もお腹が空いてきたような……)

杏子「ん?どうした?」ホムホム

ほむら「……私も食べようかな」

杏子「好きにしたらいいんじゃねぇの?」

ほむら「少しぐらいなら……」

―マミホーム―

ピンポーン

マミ「誰かしら?」

杏子「おふほわへひひはほー」ホムホム

ほむら「恵方巻きを作りすぎたから持ってきたわ」

マミ「ひ、ひいいいいいい!」

杏子「え?な、なんだ!?」

ほむら「ど、どうしたのよマミ!」

マミ「あ、えっと……コホン」

マミ「突然あなた達がきたから驚いたのよ」

杏子「?」

ほむら「あぁ、恵方巻きの色とか形がトラウマなのね」

ほむら「しかも杏子が口に咥えながらだったせいで余計に」

マミ「うぅ、しょうがないじゃない」

マミ「あの魔女の口から出てきた魔女が眼前に迫ってくるのは何度思い出しても……」

ほむら「その、悪気はなかったのよ」

杏子「あぁ、ただほむらが作り過ぎだからおすそわけをって」

マミ「えぇ、わかってるわ、気にしないで」

ほむら「ごめんなさい」

杏子「悪かったよ」

マミ「謝らないで、私がおすそわけありがとうって言うべきなんだから」

マミ「それにしてももう節分の季節だったわね」

ほむら「えぇ、QBは外と豆を投げる季節よ」

マミ「なにかおかしくないかしら?」

杏子「ほむら的には間違ってないんだろ」

マミ「さっそくいただこうかしら」

杏子「だな」

ほむら「口にあうといいのだけど」

マミ「あら、美味しいわね」ホムホム

杏子「だよなー」ホムホム

ほむら「あまりほめられると照れるわね」

マミ「暁美さんと結婚する人は幸せそうね」

杏子「結婚できるかわかったもんじゃないけどな」

マミ「そうねぇ、暁美さんだものねぇ」

杏子「あぁ、ほむらだからな」

マミ「うまく行ってもこの国では難しいわよねぇ」

ほむら「トラウマをえぐったこと、少し恨んでない?」

マミ「そんなことないわよ?」

マミ「そうだわ、あなた達は節分お化けって知ってる?」

ほむら「節分お化け?」

杏子「なんだそれ」

マミ「違う年齢や違う性といった普段と違う格好をすることよ」

杏子「ふーん」

マミ「でも近年大人も子供も格好はあまり変わらなくなってきている気がするわね」

マミ「皆ファッションにこだわっているし」

マミ「そこでわかりやすくあなた達が節分お化けをするとなると」

ほむら「私たちがやるなんて一言も……」

マミ「ふふっあなた達二人って一度着せ替えしてみたいっておもってたのよね」

プルルルル

ほむら「あのーマミ?電話が……」

マミ「どうせ何かの勧誘よ」

ほむら(うしろでリボンが触手みたいに動いてる……)

杏子(逃げれる気がしねぇ……)

―外―

さやか「早いとこまどかの家にいかないとね」

仁美「それにしてもほむらさんは連絡がつかないなんて残念ですわね」

さやか「あんなに電話したのにね」

さやか(まどかの家に遊びに行く関係だからかなりしつこく電話したんだけどなぁ)

さやか「つながらないならしょうがないって」

仁美「巴先輩もお電話つながりませんでしたし」

さやか「今日は幼馴染メンツでってことで」

仁美「さやかさんはほむらさんが転校してきて最初はあまり好きではなさそうでしたのに」

仁美「今ではずっとむかしの事のように思えてきますわね」

さやか「まぁあの頃はねぇ……ってあれ?マミさんだ」

仁美「出かけていたから電話が繋がらなかったのでしょうか?」

さやか「ま、なんにせよラッキーじゃん、いまから遊べるか聞いてみようよ」

さやか「マミさーん」

マミ「あら?美樹さん、志筑さん」

仁美「こんにちはですわ」

さやか「ってすみません!友達と遊んでたんですね」

マミ「ふふっいいのよ」

仁美「だ、男性のかたを二人もつれているなんていけませんのよー」

さやか「仁美、落ち着いて」

仁美「あ、申し訳ありませんですわ」

マミ「二人にも紹介するわね、こっちの子が暁美ほむら君、こっちが佐倉杏子君よ」

ほむら「……」

杏子「……」

さやか「へ?ほむらと杏子?」

仁美「ほむらさんと佐倉さん……言われてみると確かに」

ほむら「はぁ……なんでこんな時に出会ってしまったのかしら……」

杏子「本当にな……」

さやか「なんか声を聞いてやっとほむらと杏子ってわかったよ」

仁美「すごいですわ、お二人ともとても格好良い男性にしか」

マミ「ふふっ、節分お化けの話をしたついでにちょっと二人を着せ替えて」

さやか「へーそんな行事があるんだ」

仁美「知りませんでしたわ」

さやか「にしてもほむらと杏子をきせかえかぁ、面白そう」

仁美「是非今度私もご一緒したいですわ」

ほむら「そんなことは置いておくとして、マミに用事があったわけではないの?」

マミ(露骨に逃げたわね……)

さやか「あ、そうだったそうだった、ほむらも杏子もいるしちょうどいいや」

さやか「今から節分ってことでまどかの家に行くんだけど暇してるかな?」

ほむら「私と杏子は元々まどかの家にも行く予定だったわよ」

さやか「あ、そうなの?じゃあ大丈夫そうだね」

マミ「私も大丈夫よ」

仁美「皆さん問題がないみたいでよかったですわ」

さやか「だね、じゃあ早速まどかの家にレッツゴー」

ほむら「待って」

さやか「どしたの?」

ほむら「着替えたいのだけど……」

杏子「あたしも……」

さやか「却下」

マミ「却下ね」

仁美「却下ですわね」

ほむら「ど、どうしてよ」

さやか「面白そうだから」

マミ「ぜひ鹿目さんの反応が見てみたいからよ」

仁美「せっかく節分という行事で集まるのですから節分お化けというものをお二人には実行していてほしいですわ」

ほむら(敵しかいない……)

杏子(まぁ無駄な気はしてたけど……)

―まどホーム―

さやか「やっほーまどか」

まどか「あ、さやかちゃん!仁美ちゃん!」

仁美「来る途中で会えたのでそのまま一緒に来ていただきましたわ」

マミ「突然お呼ばれしても大丈夫だったかしら?」

まどか「うぇひひ、元々皆で集まろうって話をしてたから大歓迎です」

まどか「でもほむらちゃんと杏子ちゃんがいないのは残念だなって」

さやか「まぁ携帯電話が繋がらなかったからねぇ」

ほむら(あ、携帯……そういえば家に忘れてた)

まどか「あれ?皆の後ろにいる人は……えと」

マミ「あ、この子は私の友達なのだけどしゃいな子なのよ」

マミ「でもよかったら一緒にどうかなとおもったの」

さやか「ほら、ちゃんと前に出て挨拶しなって」グイグイ

ほむら「や、やめなさ」

杏子「お、おい」

まどか「あ、お、男の人達なんですね、あれ?でも今声が……」

まどか(とってもかっこいい人だなぁ……マミさんのお友達ってことは先輩なのかな?)

マミ「紹介するわね、暁美ほむら君と佐倉杏子君よ」

まどか「えっと暁美先輩と佐倉先輩……え?」

ほむら「こんにちは……」

杏子「よう……」

まどか「ほむらちゃんと杏子ちゃん!?」

さやか「髪型まで変えられるとわからないよね」

仁美「お二人とも元々がかっこいい感じの女の子ですものね」

まどか「えっと、どうして男の人の格好を?」

ほむら「いろいろあってこんなことになってしまっただけよ」

杏子「マミに色々とな……」

まどか「あ、それより玄関に立ったままじゃ寒いよね、皆入って入って」

ほむら「えぇ、おじゃまするわ」

ほむら「えっと、まどかの部屋じゃなくてリビングに入っていいのかしら?」

まどか「うん、気にしないで」

さやか「お邪魔しまーす」

仁美「お邪魔しますですわ」

詢子「お、きたみたいだね」

さやか「あ、詢子さんこんにちは」

詢子「さやかちゃんは元気そうだねぇ」

さやか「いやー元気なのが取り柄ですからねー」

仁美「お久しぶりです」

詢子「お、仁美ちゃんは相変わらず美人だねぇ」

仁美「ふふっありがとうございます」

マミ「いつもお世話になっております」ペコ

詢子「ははは、お世話になってるのはまどかだろ?いつもありがとうね」

詢子「で、あとの二人は……まどかが男の友人を!?」

ほむら「あ、いえ、ほむらです」

杏子「杏子です」

詢子「……変わるもんだねぇ」

ほむら(胸がないからわかりにくいなんてことないわよね……)

詢子「素の素材がいいからいじり甲斐もあっただろうねぇ」

マミ「はい、人を着せ替えるのってこんなに楽しいんだって思えるぐらいでした」

詢子「いいねぇ、よし!次はいつものほむらちゃんや杏子ちゃんと違って可愛い女の子系にしてみようか」

ほむら「そ、それは男装より恥ずかしい……」

杏子「か、勘弁して下さい……」

まどか「お待たせーってあれ?ほむらちゃんと杏子ちゃんは?」

さやか「詢子さんに連れてかれた」

マミ「大変身させるみたいよ」

仁美「ふふっとても楽しそうでしたわ」

まどか「もうママったら……」

さやか「まぁそのうちもどってくるでしょ」

マミ「そういえば今日は豆まきでもするのかしら?」

まどか「はい、節分らしいことでもしてみたらどうってママに言われて」

さやか「ほほう、じゃあまどかも男装したいってことだね」

まどか「私じゃ似合わないよぉ」

仁美「ふふっとても可愛らしい男性になりそうですわね」

詢子「いやー悪いね、素材がいいとやりがいもあるもんでねぇ」

まどか「ほむらちゃん達に迷惑かけちゃだめだよママ」

さやか「それでほむらと杏子は?」

詢子「後ろに隠れちゃってねぇ、ほら自信持ちなって」

ほむら「無理です無理です」

杏子「フリフリしたのはもう勘弁して」

詢子「この私が似合うと思って着せたものが間違いなわけ無いから安心しなって」

マミ「ふふっどんな格好になったのかしら」

仁美「楽しみですわ」

ほむら「……」モジモジ

杏子「……」モジモジ

詢子「どうだい、これなら町を歩けば男は皆振り返るね」

さやか「ここまで変わるもんなんだ」

マミ「ひと目で暁美さんや佐倉さんってことはわかるけれども可愛い女の子になっているわね……」

仁美「素材を引き立てる、さすがですわ」

詢子「よーし、おばさん気分がいいからその服はプレゼントだ」

ほむら(魔法少女服だって正直に言えば恥ずかしいのに……)

杏子(こんなフリフリスースーしたの着て帰るのかよ……)

まどか「すごいよ、とっても可愛い!」

ほむら「ありがとう……」

ほむら「あ、そういえば忘れるところだったわ」

まどか「どうかしたの?」

ほむら「恵方巻き、家で作りすぎたからよかったら皆で食べて」

さやか「ずっと持ってた荷物はそれだったんだ」

仁美「とても美味しそうですわね」

まどか「ありがとうほむらちゃん!」

ほむら「喜んでもらえてよかったわ」

詢子「せっかくだ、早速食べてみたらどうだい」

まどか「そうだね、食べてもいいかなほむらちゃん」

ほむら「えぇ、是非食べてもらいたいわ」

まどか「うぇひひ、いただきます」

さやか「それじゃあ早速いただきますっと」

仁美「いただきますですわ」

詢子「どれ、私も一ついただこうかな」

マミ「そういえばあなた達はおすそわけにって私の家にきたんだったわね」

杏子「あぁ」

ほむら「そこで捕まって予定を狂わされたけどね」

マミ「ふふっまぁいいじゃない楽しかったし」

ほむら「楽しそうなのは着せ替えていたあなただけじゃ……」

さやか「あ、美味しい」ホムホム

仁美「とても美味しいですわね」ホムホム

まどか「だねー」ホムホム

詢子「ふむ、これはなかなかのもんだね」ホムホム

まどか「そういえば恵方巻きはどういうお話からできたのかな?」

ほむら「私もよくは知らないわね、色々と説があるみたいよ」

マミ「そういえば恵方巻きは丸かぶりしないといけないという話を聞いたことがあったわね」

さやか「ほふはふうひへふは?」ホムホム

仁美「さやかさん丸かぶりを女の子がするなんていけませんのよー」ブンブン

さやか「はぶ……も、もうやめたから首を振らないで仁美、気持ち悪くなるから」

仁美「わ、私としたことが申し訳ありません」

杏子「別に食いやすいんだからまるごといってもいいと思うけどなぁ」

詢子「さて、撒くようの豆は用意しとくよ、そのあと私はタツヤと出かけるから留守を頼むよまどか」

まどか「うん!」

まどか「ほむらちゃんは料理も上手でいいなぁ」

ほむら「そんなことないわ、あなただってこれぐらいはすぐに出来るはずよ」

まどか「そうかな?」

ほむら「えぇ、それに私で良ければ……お、教えたりとか」

まどか「本当!うぇひひ、嬉しいな」

さやか「ごちそうさまでした」

仁美「美味しかったですわ」

まどか「あっもう食べちゃったの?」

さやか「え?食べちゃダメだった?」

まどか「もう一つぐらい食べたかったな」

ほむら「あなたが食べたいならまた作ってあげるわ」

まどか「本当?うぇひひ、ありがとうほむらちゃん」

さやか(わかりやすいほど嬉しそうにしちゃってまぁ)

さやか「さーて豆まきしますかぁ」

マミ「豆をまくときは誰かが鬼役になって豆を投げられるのよね」

まどか「じゃあくじびきで決めようよ」

仁美「くじにできそうなものは……」

まどか「えっと、割り箸をもってくるね!」

ほむら「前から思っていたけどこの豆まきっていじめを彷彿とさせるわよね」

さやか「なんか行事としてやりにくくなるからそういうこと言わない」

マミ「皆強く投げたりしないわよ?」

ほむら「まぁそうなのだけど」

杏子「あ、先が赤いってことはあたしが鬼か」

まどか「うぇひひ、私もだよ」

仁美「鬼はまどかさんと佐倉さんということですわね」

杏子「あ、じゃあ服が汚れちゃ駄目だし着替えて」

さやか「ダメ」

仁美「ダメですわね」

マミ「それはダメね」

杏子「で、でももらったものを汚したら……」

仁美「汚れてしまったら私の家でクリーニングをしますわ」

杏子(くそっこいつら……)

ほむら(まどかが鬼……怖くないどころか保護したいわ)

さやか「んじゃ投げるよー」

まどか「うん!」

杏子「おう」

仁美「では鬼は外」ポイ

杏子「はむ!」パク

まどか(あれ?杏子ちゃん、今豆を食べた?)

マミ(今食べたわよねあの子……)

さやか(食べても問題ないものだけど鬼が食べるのってどうなんだろ)

杏子「どうした?次はまだか?」

マミ「えっと、鬼は外」ポイ

杏子「はむ!」パク

杏子「ん?なんだよ」

ほむら「杏子、鬼は豆を食べないわ」

杏子「いいじゃん地面に捨てるぐらいなら食ったって」

仁美(やさしくとはいえ投げつけられる豆をよく口で……)

さやか「とにかく終わったら豆食べていいから投げられた豆を食べないこと」

杏子「食い物を粗末にするなんて……」

マミ「投げられて地面に落ちた豆は土壌の栄養にきっとなるわよ」

マミ「鹿目さんのお父さんは家庭菜園もしているから決して無駄には多分ならないわ」

杏子「わかったよ……」

さやか(杏子に食べ物の話で納得させるなんてさすがマミさん)

さやか「というわけで鬼は外ー」ポイ

まどか「きゃー」

ほむら「鬼は……」

まどか「……」ジィー

ほむら「鬼は外ー!」ヒュン

杏子「おわ、あぶね!」

ほむら「鬼は……」

まどか「……」ジィー

ほむら(見つめられたらやさしくでも投げられないわ……)

ほむら「まどか、交代よ」

まどか「え?」

ほむら「あなたが鬼になっていたら私は投げられないわ」

杏子(あたしにおもいっきり投げてただろ……)

まどか「うーん」

さやか「まぁいいんじゃない、杏子もあたしと交代する?」

杏子「別にこのままでいいよ」

さやか「そう?」

杏子(こっちのほうが気楽だし)

ほむら「さて、杏子と私が鬼ね」

杏子「だな」

さやか「いっくよー鬼は外ー!」ぽい

ほむら「豆が止まって見えるわ」スッ

杏子「この豆まきって鬼はよけてていいのか?」スッ

マミ「鬼は外ー」ポイ

ほむら「鬼は豆を当てられると退治されるのだからよけるぐらいするんじゃない?」スッ

杏子「ふーん」スッ

仁美(最低限の動きだけでかわしているのを見ると本気で投げてもあてれる気がしませんわね……)

まどか「うぇひひ、鬼は外ー」ポイ

ほむら「……」パシッ

ほむら「あたってしまったわ、今年のまどかは鬼を退治したからきっと幸せよ」

まどか「本当!やったぁ」

さやか(明らかに今まどかのうごかなくても当たらない豆をキャッチしたよね……)

―――――
―――

さやか「結局ほむらに最後以外当てれなかった……」

マミ「えぇ……」

仁美「お二人ともすごいですわ……」

ほむら「最後には鬼に豆を当てたのだから皆大丈夫よ」

杏子「にしても結構豆投げてたな……もったいない……」

まどか「あ、あまった豆を食べようよ」

杏子「お、本当か」

まどか「ちょっと動きまわったから少しお腹も空いちゃったし」

さやか「いいねー」

まどか「えっと年齢の分だけ食べるんだよね」

ほむら(もう杏子と食べたなんていえないわね、杏子はもう食べたなんて言わないだろうし)

さやか「年齢分っていわれても少ないから大人の人が羨ましいって思うことあるよね」

仁美「そうですわね」

詢子「いやいや、歳を取るとその個数食べるのが結構辛くなってくるもんなんだよ」ヒョイ

マミ「まだまだお若いですよ」

詢子「いやいや、老化ってのは怖いもんでねぇ」

まどか「ってあれ?ママ戻ってきたの?」

詢子「タツヤが遊びつかれて寝ちゃってね」

さやか「気がつけば暗くなってきたねだね」

マミ「そろそろ帰ったほうがいいかしら」

仁美「そうですわね」

まどか「そっか、なんだか楽しい時間はすぐに過ぎちゃうね」

ほむら「そうね」

杏子「ま、また遊べばいいじゃねぇか」

まどか「うぇひひ、そうだね」

さやか「あ、ほむらはもうちょっと携帯電話を携帯してくれないと連絡取れないって」

ほむら「別にいらないかなって思ってしまうのよね」

さやか「今日だって運が良かっただけでまどかの家で遊べなくなってたかもしれないんだよ」

ほむら「必ず携帯するわ」

マミ(鹿目さんを持ち出すとやっぱり扱いやすいわね……)

さやか「んじゃねー」

仁美「それではまた」

まどか「うん、ばいばいさやかちゃん、仁美ちゃん」

マミ「またね、鹿目さん」

まどか「はい」

ほむら「服、ありがとうございますって詢子さんに伝えておいて」

杏子「あたしの分も言っといてくれ」

まどか「うん!」

マミ「そういえば鹿目さん、二人の男装はどうだった?」

まどか「え?えと、とってもかっこいいな男の人だなって思って」

ほむら「あ、ありがとう」カァァ

杏子「ま、あたしは今の格好なんかよりはあっちのほうが落ち着くかな」

ほむら「またねまどか」

まどか「うん、また明日待ち合わせ場所で」

ほむら「えぇ、よかったら今日もメールでお話でもしましょう」

まどか「うん!ばいばいほむらちゃん」

ほむら「えぇ、お邪魔しました」


―外―

杏子「わざわざ二人きりにしてやったのにメールの約束だけかよ」

ほむら「き、聞き耳を立てないでよ!」

さやか「先は長いねぇ」

マミ「ふふっそうね」

仁美「禁断の恋、応援していますわ!」

ほむら「あーもううるさいうるさい!」

―――――
―――

ほむら「それにしても恵方巻きのおすそわけが随分遅くまでになったわね」

杏子「だな」

ほむら「それにしても視線を感じるわ」

杏子「やっぱりひらひらしたのなんてあたしらは似合わないんだって」

ほむら「たしかにそんな気がするわね」

杏子「なんか人通りが多いところ通ると恥ずかしいな……」

ほむら「男装も結構恥ずかしかったけどこっちはもっと恥ずかしいわね……」

杏子「節分お化けとかいうのを利用されていじられただけだったし」

ほむら「えぇ……」

ほむら「まぁいいわ、視線なんて気にしたら負けよ」

杏子「それもそうだな」

ほむら「節分は鬼を退治するような行事だけど」

杏子「ん?」

ほむら「泣いた赤鬼なんていう鬼が良い人の話があったわね」

杏子「あぁ、あの青鬼がかわいそうって言われるやつだな」

ほむら「有無をいわさず相手に嫌がるものを投げつけるってやっぱりひどいわよね」

杏子「あたしにんなこと言われてもなぁ」

ほむら「そういえばあなたってあのお話の青鬼みたいな事しそうよね」

ほむら「それも赤鬼に向けて張り紙をしたりもせずに最後まであたしは悪い鬼だからって虚勢はってそうよね」

杏子「そっくりそのままお前に返してやるよその言葉」

ほむら「今年は厄のないいい年だといいわね」

杏子「ワルプルギスの夜を超える厄年なんてあるのか?」

ほむら「……私の生きてきた年月ではないわね」

杏子「自業自得なことを抜けばあれを超える厄はそうそうないよなぁ」クゥー

ほむら「もうお腹が空いたの?」

杏子「豆なんて数粒食ったぐらいで収まるわけ無いだろ?」

ほむら「はぁ……夕食も食べていく?」

杏子「さっすがほむら」

ほむら「今日はもう食べなくてもいいかなって思うぐらい食べたつもりだったのだけど」

杏子「まぁそう言わずに今日は二人でぱーっと夕飯を食べちまおうぜ」

ほむら「お金の事を考えると困るけど、あなたの食べっぷりを見ると食欲も湧くし」

ほむら「一人で食べるより楽しいしやっぱり作りがいもあるのよね」

杏子「ま、一人は寂しいからな、まぁメシ代は出世払いってことで」

ほむら「だからといってそこまで余裕はないって言ってるじゃない……」

杏子「まぁそのへんはそのうちなんとかするって、新聞配達とかなんかやればいいだろ」

ほむら「はぁ……この大食らいの鬼に取り憑かれているのを祓うにはどうすればいいのかしら……」

ほむら「節分で豆まきをしても恵方巻きを食べても男装をしても祓えないんじゃ節分の意味もないわね」

杏子「そうだなぁ、お前がまどかとくっついてイチャイチャし始めたら消えるてやるよ」

ほむら「当分の間できそうにないって表情が腹立たしいわ……」

杏子「そう言うなよ、応援してやってるんだからさ」

ほむら「余計なお世話よ……」



終わり

というわけでみなさんおやすみなさい

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom