八幡「No.101 S・H・Ark・Knight……」 (37)

3月 比企谷宅

八幡「くくく……。新発売のPRIOにも目もくれずLVALを買い続け、ついに手に入れたぜ」

八幡「このカードさえあれば、俺も一流のデュエリストみたいなもんなんだよな」

八幡「……デュエルする相手が材木座しかいないわけだが」

八幡「まあいいさ。今はこの最強のオーバーハンドレットナンバーズの輝きを眺めておくか」

八幡「そして生徒手帳に挟んでおいて常に持ち歩こうフヒヒヒw」



小町「部屋から変な笑い声が聞こえる……小町的にポイント低い……」

小町「ついでにいい歳してカードゲームやってるお兄ちゃんも小町的にポイント低い」

翌日 奉仕部

雪乃「……」ペラッ

八幡「……」

雪乃「……」ペラッ

八幡「……w」

雪乃「……」

八幡「……フヒッw」

雪乃「(パタン)……あの、比企谷君」

八幡「なんだ、雪ノ下。お前が開口早々俺の名前を間違えて罵倒しないなんて珍しじゃないか」

雪乃「ええ……人間ここまでドン引きすると、罵倒する気も起き無いのね……」

八幡「おい、俺がお前のルーチンワークを乱すくらいドン引きさせてたってのかよ」

雪乃「自覚無いのかしら……正直無視しようと思ってたけど、見てられないから聞くわ」

雪乃「なんで貴方さっきから、カードを見ながらニヤニヤしてるの?」

八幡「お?聞いちゃう?このカードについて聞きたい?聞きたい?」

雪乃「いえ、別にそこまでは。気味悪いだけで関わりたくは無いし」

八幡「お前……『もう私に関わらないでくれない?』って言われるヤツの気持ちを知ってるのかよ」

雪乃「貴方にそう言った人の気持ちなら今はわかる気がするわ」

雪乃「でも奉仕部部長として、部員の精神状態がおかしいのを見過ごせないわ。一体なんなのそれは」

八幡「俺の精神は至って正常だ。ったく、これはだな、遊戯王カードだ」

雪乃「遊戯王カード……確か今日本で最も売れてるカードゲームだったかしら?」

八幡「そう。それでこのカードは、今最も人気で最も強いカードなんだよ」

八幡「中古ショップでも二千円もするカードだ」

雪乃「そんな紙切れに二千円……?やはり精神状態がおかしいんじゃないかしら?」

八幡「バカヤロウ!!」

雪乃「!?」ビクッ

八幡「こいつは紙切れじゃねぇ!俺達と共に闘う相棒で、魂だ!」

八幡「それを紙切れ呼ばわりするなんて、雪ノ下だとしても許せん!」

雪乃(……ぼっちをこじらせると、ここまでおかしくなるのね)

雪乃「……そうね。私が悪かったわ。私だってパンさんのDVD持ってるのにブルーレイ、そしてDVDボックスを買うものね」

八幡「えっ、それは無いわ」

雪乃「」イラッ

雪乃「それで、あなたはそのカードを手に入れたのが嬉しくて、眺めてニヤけていたと」

八幡「そうだ。四ヶ月前にこのカードが収録されたパックが発売してから、来る日も来る日も、パックを買い続けてきた……」

八幡「全てはこのカードを手に入れるために!そしてついに手に入れた!」

八幡「誰だって顔がにやける。俺もにやける」

雪乃「……ところで、そのパックっていくらするのかしら?」

八幡「ん?150円だが」

雪乃「あなたはこの四ヶ月、何パック買ったのかしら?」

八幡「そうだな。ちゅうちゅうたこかいな……60パックは買ったかな」

雪乃「……そのカードは中古で二千円するのよね?」

八幡「そうだけど?」

雪乃「いえ……なんでもないわ

雪乃「事情はわかったけど、カードを眺めてニヤけるのは家だけにして頂戴」

雪乃「カードゲームに理解の無い人が見たら、普通に気味悪がられるわ」

雪乃「あら?貴方は何をしなくても周りから避けられてるから別に変わらなかったわね」

八幡「俺は相手にされてないだけで、断じて気持ち悪くて避けられてるわけじゃない」

結衣「(ガチャッ)やっはろー」

雪乃「こんにちは、由比ヶ浜さん」

八幡「その頭悪そうな挨拶はどうにかならんのか」

結衣「ヒッキーヒド……あれ、ヒッキーが手に持ってるのって遊戯王カードじゃない?」

八幡「ん?由比ヶ浜も知ってるのか?」

結衣「うん。勉強の現実逃避にみるアニメって面白いよね」

雪乃「由比ヶ浜さんらしい理由ね……」

八幡「それで!由比ヶ浜は遊戯王やってないのか!?」

結衣「ち、近いよヒッキー///見てたらやってみたくて、一応アニメで使ってた人のデッキを作ってみたよ」

八幡「本当か!?なら明日、明日持ってきてくれ!部室でデュエルしよう!」

結衣「う、うん。いいよ」

結衣(ヒッキーとデュエルかぁー。ヒッキーのサルガッソの灯台で私のナンバーズウォールを貫いて、なんちゃって///)

雪乃「……明日は休日よ」

深夜 雪ノ下宅

雪乃「まさか由比ヶ浜さんも遊戯王をやってるなんて予想外だったわ」

雪乃「あの後二人でしばらく遊戯王の話題で盛り上がって、私一人だけ放置されてたし」

雪乃「……とりあえず奉仕部部長として、部員の流行についていけないのはマズいわね」

雪乃「というわけでこの休日を利用して、遊戯王について勉強するわ」

雪乃「別に一人が嫌だとか比企谷君と共通の話題が欲しいというわけではないわ」

雪乃「とりあえずゼアルってのを見ておけばいいのね」カタカタッターンッ

雪乃「140話以上……結構多いのね。二倍速で見ましょう」

・・・・・・

・・・



雪乃「観終わったわ……もう日曜日の午後じゃない」

雪乃「本当にカードゲームなのか疑わしいアニメだったけど、まあ面白かったわね。ドルベという人が格好よかったわ」

雪乃「さて……比企谷君がニタニタ眺めていたカードは、ナッシュの使うナンバーズね」

雪乃「多分彼は、シスコンのナッシュと自分を重ねて見てたから、彼のナンバーズが欲しかったに違いないわ」

雪乃「そして当の妹のカードは、氷をイメージしたカード」

雪乃「……私にピッタリじゃないかしら」

雪乃「て事は、私がメラグのカードを使って比企谷君がナッシュのカードを使うと言うことは……」

雪乃(メラグ(妹)→私、ナッシュ(シスコン兄)→比企谷)

雪乃(……)

雪乃(……///)

雪乃「メラグの使ったカードを買ってきましょう。別に比企谷君がどうとかではなく、私のイメージに合ったカードよ」

翌日 学校

雪乃「ふふふ……一晩でルールを理解し、デッキを組んだわ。流石私ね」

雪乃「それにしても、デッキを持つと見える風景が違うわね。まるで西部劇の酒場に入った気分だわ」

雪乃「周り全てが決闘者。視線が合えば今にもデュエルが始まってしまいそうな緊張感」

雪乃「これがデュエリストってものかしら。思わず誰かれに声をかけて決闘を申し込みたくなるわ」

雪乃「……おい、デュエルしろよ(ボソッ」

めぐり「!?」ビクッ

放課後 部室

雪乃(そろそろ彼が来る頃ね)

八幡「(ガララ)うーっす」

結衣「やっはろーゆきのん!」

雪乃「いらっしゃい。由比ヶ浜さん、シスコン谷君」

八幡「誰がシスコンだ。妹と手を繋いで買い物に行くくらい普通だ」

結衣(うわぁ……)

雪乃「そうなのかしら?シスコンだからナッシュのナンバーズが欲しかったんでしょう?」

八幡「それは全然関係無ぇ……って、雪ノ下遊戯王知ってるのか?」

雪乃「ええ。休日の暇つぶしに全話視聴したわ(フフン」

八幡(全部って……)

結衣(不眠不休で観ないと間に合わないよゆきのん……)

雪乃「それでデッキを作ったのだけれど、相手になってくれないかしら?」

結衣「よーし、じゃあ私の光天使デッキで相手しちゃうよ!」

八幡「まて、由比ヶ浜。俺にやらせてくれ」

結衣「ヒッキー?」

八幡「雪ノ下は初心者だから、お前がアドバイスしてくれ」

八幡(いい加減アークナイト使いたいんだよ)

雪乃「あなたが相手のはいいけれど、アドバイスは不要よ」

雪乃「私一人の力でアナタに勝ってみせるわ」

結衣「ゆきのん……わかった!じゃあ私ジャッジやるから、ゆきのん頑張ってね!」

八幡&雪乃「デュエル!」

雪乃「先攻は貰ったわ!私のターン、ドロー!」

八幡「」

雪乃「私はモンスターを一体、魔法罠を一枚セットして、ターンエンドよ」

LP8000 手札4 伏せモンスター 伏せカード

八幡「俺のターン、ドロー!」

八幡(先手でモンスターエクシーズを出してくれればアークナイト使えたんだけどな……仕方ない)

八幡「俺は手札から、ツーヘッド・シャークを召喚!」

八幡「さらに場に水属性モンスターがいる時、サイレント・アングラーを特殊召喚!」

八幡「俺はツーヘッド・シャークと、サイレント・アングラーをオーバーレイ!二体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!」

八幡「吠えろ未知なる轟き!深淵より姿を現せ!!エクシーズ召喚!!バハムート・シャーク!」

雪乃「……由比ヶ浜さん、彼は一体何を叫んでるのかしら(ボソボソ」

結衣「……ヒッキーだって童心に返る時もあるんだよ(ボソボソ」

八幡「バハムート・シャークの効果発動!オーバーレイユニットを一つ使い、水属性ランク3モンスターエクシーズを特殊召喚できる!」

八幡「ゴッドソウル!現れろ、潜行母艦エアロ・シャーク!」

雪乃「そのカード!!私に手札の枚数分のダメージを与えてくるつもりね!?アニメみたいに!!」

八幡「……グスン」

結衣「……(肩ポン」

雪乃(なんで葬式のようなムードになったのよ!?)

八幡「気を取り直して、俺は潜行母艦エアロ・シャークでオーバーレイ!一体のモンスターでオーバーレイネットワークを再構築!」

八幡「アーマードエクシーズチェンジ!FA-ブラック・レイ・ランサー!」

結衣「すごい、一気に二体のエクシーズ素材が並んじゃった!」

八幡(初めてデュエルで凄いって言われた……相手が由比ヶ浜なのが微妙だが)

八幡「俺は手札から、エクシーズギフトを発動!」

八幡「バハムートとFAランサーのオーバーレイユニットを二つ取り除いて二枚ドローする!」

結衣「でた!ヒッキーのマジックコンボだ!」

雪乃「2枚ドローなんてさせないわ!

雪乃「私は伏せていた速攻魔法サイクロンを発動!そのカードを破壊する!」

八幡「えっ」

結衣「えっ」

雪乃「えっ」


~事情説明中~

雪乃「そうだったの……どうりでマジックジャマーなんてカードがあったのね」

八幡「まあ……あれだ。初心者にはありがちなミスだから気にするな」

結衣「そうだよゆきのん。巻き戻して続行すれば……」

雪乃「なめないで頂戴。これは真剣勝負よ。情けはいらないわ」

結衣「そっか……じゃあゆきのんのサイクロンでエクシーズギフトを破壊して、ヒッキーはエクシーズギフトの効果で2枚ドローだね」

八幡「ああ。ドローしてバトル!FAブラックレイランサーで伏せモンスターに攻撃!」

雪乃「伏せモンスターはオーロラウィングよ!このカードは戦闘破壊された時、攻撃表示で墓地から出せるわ」

結衣「オーロラウィング?ゆきのんそれもしかして、璃緒のデッキ?」

雪乃「そうよ。なんとなく私に合ってたから。他意は無いわ」

八幡「確かにイメージに合ってるな(性格キツいとことか)」

八幡「それじゃ戦闘続行!バハムートシャークで攻撃!ゴッドソウル!」

雪乃「くっ……」 LP8000→6600

八幡「俺はこれでターンエンド」

LP8000 手札5 バハムート・シャーク FA-ブラック・レイ・ランサー

結衣「手札消費実質一枚であんなに出すなんて……ゆきのん大丈夫?」

雪乃(……普通にピンチね。だけど、彼に負けるなんて、私のプライドが許さない!)

雪乃「カットビングよ、私!ドロー!」

八幡「雪ノ下ェ……」

結衣「ゆきのん……」

雪乃「……!私は手札から、RUM-七皇の剣を発動!」

結衣「すごいよゆきのん!ここでそのカードを引くなんて!」

八幡(……まあ、でてもラグナインフィニティだしなんとかなるな)

雪乃「効果で私はエクストラデッキからNo.103 神葬零嬢ラグナ・ゼロを効果を無効にして特殊召喚し、カオスエクシーズチェンジするわ!」

雪乃「氷纏!カオスナンバーズ103、神葬零嬢ラグナ・インフィニティ!!」ハァッ!

結衣「メラグのエースモンスターだ!」

雪乃「さあ、比企谷君。このモンスターがあなたの魂を凍てつかせる、氷の剣となるわ!」

八幡(雪ノ下……今のお前、材木座みたいだぞ……)

雪乃「そして手札からブリザード・ファルコンを召喚!さらに手札から魔法カード、フォース発動!」

八幡「フォース!?使ってる奴始めてみたぞ!?」

雪乃「?これを使えば相手を確実に戦闘破壊できるのよ。強いじゃない」

結衣「(あー、初めの頃はそういうカード入れたくなるよね)でもヒッキー、これちょっとヤバイよ」

雪乃「フォースの効果であなたのバハムート・シャークの攻撃力を1300まで下げ、ブリザード・ファルコンの攻撃力を2800にするわ」

雪乃「そしてブリザード・ファルコンの効果発動!元々の攻撃力より高い時、相手に1500のダメージを与える!」

雪乃「さらにラグナ・インフィニティの効果発動!バハムート・シャークの元々の攻撃力との差のダメージを与え。除外するわ!」

八幡「ぐぅ……!」LP8000→6500→5200

八幡(このターンFAランサーも破壊されるだろうが、だが俺の手札にはバトルフェーダーとダブルフィンシャークと大嵐と死者蘇生とがある)

八幡(何があってもフェーダーで耐えて、次のターンでアークナイトをだしてラグナインフィニティを奪ってやるよ、雪ノ下!)

雪乃「そして私はブリザード・ファルコンをリリースしてミニマムガッツ発動!FAランサーの攻撃力を0にする!」

八幡「」

雪乃「ラグナ・インイフニティでFA-ブラック・レイ・ランサーに攻撃!

雪乃「そして戦闘破壊した時、そのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを与える!」

八幡(おいおいこれじゃあフェーダーが使えないじゃないか……)LP5200→2400→300

雪乃「私はカードを一枚伏せてターンエンドよ」

LP6600 手札0 ラグナ・インフィニティ 伏せカード

結衣「すごいよゆきのん!あと少しで勝てるよ!」

八幡「フッ……覚えておけ、雪ノ下、由比ヶ浜。デュエルってのは、ライフがどれだけ減ってても最後に勝てばいい」

八幡「そして、今のターン俺を倒せなかったお前の負けだ、雪ノ下!」

八幡「俺のターン、ドロー!」

雪乃「ダイヤモンドダスト発動。ラグナ・インフィニティを破壊してあなたに500ダメージ」

八幡「」

LP300→0

結衣「ゆきのんの勝ちだー!(ダキッ」

雪乃「ふふふ。自身満々の比企谷に勝つというのは、結構気持ちがいいわね。癖になるわ」

結衣「まーヒッキーも気を落とさないで。こういう日もあるよ」

八幡「」

結衣「ヒッキー……?」

結衣「!死んでる……」



終われ

以上。朝起きて急に思いついた話を作ってみた
こんなSS作っておいてあれだけどアークナイトもってません。誰かください

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年01月31日 (金) 18:49:45   ID: 3S30AWXo

ブックス!ってやるガハマちゃんみたかったなぁw

2 :  SS好きの774さん   2015年01月15日 (木) 22:22:21   ID: stsc0jdi

姑息な手を…(トリオンで姑息な落とし穴サーチしながら
)

3 :  SS好きの774さん   2015年09月03日 (木) 01:25:16   ID: GlhMV7uu

アークナイトよりカステルの方が強い現実。そしてアークナイトの上位互換&クェーサー効果持ちのサイバー・ドラゴンインフィニティ現る

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