八幡「すまん・・・」
雪乃「まさか貴方この私を孕ませたいのかしら?」
雪乃「何もかもが初めての経験になる私に対し中々に飛ばし加減じゃなくて?」
雪乃「初性交→初膣内射精→初妊娠→初出来ちゃった婚→初出産・・・」
雪乃「怒濤の初物尽くしね・・・私にこの修羅の道を歩めと?」
八幡「いやんなつもりは微塵もねーよ」
雪乃「ならどういう心積もりなのかしら?」
八幡「んなもんねーよ単に忘れたそれだけのことだ」
雪乃「忘れた?・・・貴方の理性や良心のことかしら?」
八幡「ゴムだよ」
八幡「つか理性や良心は寧ろ現在進行形で遺憾無く発揮しているつもりだ」
雪乃「?意味がよくわからないわね・・・」
八幡「だから・・・仮に俺が理性も良心もぶっ飛んだ性欲の獣と化していたら」
八幡「ゴムが無かろうがお前が拒否ろうがんなもん関係無しに」
八幡「今頃お前に覆い被さっていただろうぜ」
雪乃「なんて汚らわしい・・・」
八幡「だがそれが劣情ってやつさ」
八幡「それにな雪ノ下・・・世の中にはそういう男は腐るほどいるんだぜ?」
八幡「いや・・・というよりお前を前にそういう機会が来たならば」
八幡「世の大半の男は一瞬の内に雄の顏を剥き出しにしてもおかしかねーな」
雪乃「それはつまり自分は他とは違う凄い人間だと言いたいのかしら?」
雪乃「こんなときですら然り気無く自分アピールなんてほんと性根の腐り切った男ね」
八幡「なんでお前はこんなときですら正確に俺の誹謗材料をふるいとって来るわけ・・・?」
雪乃「私は貴方の発した言葉をただ受け取れる通りに受け取っただけだけれども」
八幡「いや肝心な部分捨ててるよ台無しになってるよ」
雪乃「まあいいわ」
八幡「いやよくねーし・・・」
雪乃「それで?こんな大事な場面でゴムを忘れるどうしようもなく最低ダメ人間あり得ないほんとあり得ないダメ人間な比企谷君は」
雪乃「この事態をどう収拾するつもりなのかしら?」
八幡「なにこれゴムって忘れただけでこんなに罵倒されちゃうものなの?ぼく童貞だからわからないや」
雪乃「それで?現在進行形で涙目の比企谷君」
雪乃「腐り切ったその目から今にも泥水を垂れ流しそうな比企谷君は」
雪乃「どうするのかしら?」
八幡「・・・・・・今日は」
八幡「やめとかないか?」
雪乃「え?」
雪乃「さあ・・・・・・私の腹部をけりとばしてみなさい!!!!!」
雪乃「それは・・・つまり・・・」
八幡「つまり今日はもうこれでお仕舞いってことだ」
雪乃「ちょっと・・・意味が分からないのだけれど・・・?」
八幡「いやゴムねーんだから出来ないだろ」
八幡「出来ないならば締めるしかない」
雪乃「締める?何よやっぱり契りたいんじゃない貴方」
八幡「はいはいスミマセンね間違えました締めるじゃなく閉めると言うべきでした」
雪乃「なんて男なのかしら・・・妙な期待をさせておいてワードチョイスミスで再び落とすなんて・・・」
雪乃「これが品性の下劣さを極めた人間の真髄なのね・・・」
八幡「文脈的に順当な解釈ねじ曲げてまで一々罵倒に持ち込むお前には言われたくねえ」
八幡「てか・・・さっき期待っつたか・・・?」
雪乃「・・・・・・」
雪乃「はやくちんぽはめろよぉ・・・・・・・・・・・・・・」
八幡「とにかくだ」
八幡「今ここに避妊手段が無い以上その・・・するわけにはいかないだろ?」
八幡「そんな無責任な真似はできねーからな」
雪乃「・・・か・・・ば・・・じゃない」
八幡「ああ?」
雪乃「ゴムが無いなら・・・買いに・・・行けばいいじゃない」
八幡「」
八幡「なん・・・だと・・・」
雪乃「なにかしら?」
八幡「どうしようなんて澄んだ凛々しい眼を向けてくるのだろう気圧されて仕方がない」
八幡「なにこの"え?何か私間違ってます?"的オーラいや確かに至極真っ当・・・真っ当?・・・いや真っ当か」
八幡「真っ当なことを言ってはいらっしゃるんだがなんつーか場の流れと言うか雰囲気的には完全にない答えだったような」
八幡「そう言うなれば幻影の正論」
八幡「その幻を今あの女は確固たる眼差しと自信により虚構より引っ張り出して具現化していらっしゃる・・・」
雪乃「何を長々と流暢に訳の分からないことを言っているのかしら?」
八幡「うん俺も分からねえ復唱しろと言われても今何言ってたか思い出せない」
雪乃「私・・・なにか妙なことを言ったかしら?」
八幡「はいだめ押しのセリフ入りましたー・・・」
八幡「いや別に間違っちゃいねーけど」
八幡「買いに外出るっつーことはだな」
八幡「そこに脱ぎ捨てられた服を拾い再度着衣して」
八幡「外の空気を吸うことになり」
八幡「そしてある程度時間もかかるわけだ」
雪乃「言われるまでもなく至極当たり前の現象ね」
雪乃「それがどうしたのかしら?一々数分先の行動予定を復唱しないと忘れちゃうような鳥頭にでもなった?」
八幡「ほんと呼吸のように罵倒を吐いてくるなお前・・・」
八幡「だからよ・・・あれだよ」
八幡「場の空気が壊れるっつーか仕切り直されるっつーかな」
八幡「要はシラケるってヤツだ」
雪乃「場の空気・・・ムードってことね」
八幡「そうだ」
雪乃「そんなもの最初から存在しないじゃないだって貴方が相手だもの」
八幡「どういうこと深すぎて探るのが怖い・・・」
雪乃「なにも深くなど無いわ・・・貴方はムードなんて高次のものを作り出せる存在には値しないと言っているだけよ」
雪乃「単に」
八幡「俺って一体何!?そしてやめろその無慈悲な倒置」
雪乃「時間がかかるというのならかけなければいいだけのことよ」
雪乃「やる前から言い訳は感心しないわね・・・可能な限りの速度を出しなさい」
雪乃「そう・・・光の速度くらい」
八幡「なにそれ人間やめろって言ってんの?なに遠回しに死ねっていう悪口?」
雪乃「志のことを言っているのよ」
雪乃「たとえ到達は出来ずとも近づく努力は出来るわ」
雪乃「1000分の1秒でも過去より速くという飽くなき向上心」
雪乃「その物事に対する向き合い方・・・姿勢の話ね」
八幡「おいすげーよこの女ゴムの話から人間のあるべき本質の話にまで話広げたよ・・・」
雪乃「まあ貴方程度の存在が劣情を原動力にそれを成せるのなら」
雪乃「遥か以前に他の誰かが偉業を成しているのだけれども」
八幡「励起と思わせてからのやはりの謗り」
雪乃「とにかく・・・ムードなんて大層なものは端からありはしないのよ」
雪乃「そんなものへの気遣いは甚だしい見当違いだわ」
八幡「感じてた俺がバカみてーだな・・・」
雪乃「え・・・?」
八幡「少なくとも俺は感じてたよ・・・ムード」
雪乃「・・・そ・・・そう・・・やらしいわね」
八幡「なんだそりゃ」
雪乃「それで?結局貴方は行くの?行かないの?どっちなのかしら・・・?」
八幡「はぁ・・・行かせていただきますよ」
雪乃「そうなら早く支度に取り掛かりなさい」
八幡「へいへい・・・・・・ほらお前の」
雪乃「何を言っているの?」
八幡「は?」
雪乃「買いに行くのは貴方一人よ決まってるじゃない」
八幡「え?そういうもんなの?ぼく童貞だからまたまたわからないや~」
雪乃「私の支度を待つ時間が無駄じゃない」
雪乃「貴方が一人で行った方が能率がいいわ」
八幡「じゃあお前・・・ここで一人服も着ないで待ってるつもりか?」
雪乃「直ぐまた剥ぎ取られるのに一々着直す意味があるのかしら?」
八幡「おい誤解を生む言い方すんな」
雪乃「ふふっ・・・」
八幡「!」
雪乃「早く・・・帰ってきてね」
八幡「」
八幡「あダメだ・・・すまん雪ノ下・・・やっぱ買いに行けないわ・・・」
雪乃「えっ?」
八幡「その時間が勿体ねーよ・・・」
雪乃「え・・・ちょっ!・・・・・・んっ・・・ふっ・・・!」
八幡「・・・なんか・・・スイッチ入っちまったみてーだわ・・・」
雪乃「急に何いっ・・・ちょ・・・待ちなさい・・・・・・あっ・・・!」
八幡「・・・んっ・・・ふっ・・・・・・!」
雪乃「少し・・・落ち着きなさい・・・よっ・・・・・・ねぇ・・・あっ・・・はぁ・・・」
八幡「それは無理な相談だ雪ノ下」
八幡「何故なら俺は下劣なもんでね・・・」
雪乃「・・・はぁ・・・っん!・・・さっきの仕返しのつもり・・・・・・?」
八幡「ちげーよ単なる自己分析だ」
八幡「今の俺は卑下卑屈無く100%雪ノ下に対する劣情で出来ています!」
雪乃「・・・・・・最低ね・・・・・・あっ・・・」
八幡「最低と思っているやつの反応じゃねーなそれは」
雪乃「はぁっ・・・あっ・・・んっ・・・」
雪乃「・・・・・・なに見てるのよ・・・!」
八幡「顏だよ」
雪乃「・・・・・・やめてよ・・・」
八幡「嫌だね」
雪乃「・・・・・・っ」
八幡「そっぽ向くんじゃねー」
雪乃「その腐った目はこの距離感で耐えられる物ではないのよ」
八幡「もう一回キスしたいんだよ」
雪乃「!!・・・・・・」
八幡「目ぇ瞑れば解決するだろ」
雪乃「!・・・・・・・・・んっ・・・んむっ・・・・・・」
雪乃「・・・・・・んっ・・・・・・んっ・・・」
雪乃「・・・・・・・・・・・・!!」
八幡「・・・・・・いいか?」
雪乃「ここまで来たらいやと言ってもやるのでしょう?」
八幡「いやお前が本気で嫌がるならしねーよ・・・」
雪乃「先ほどの発言と矛盾するわね・・・下劣100%はどこへ行ったのかしら?」
八幡「もう少し言葉に苺みたいな甘酸っぱさが欲しいです・・・」
雪乃「甘えないでよね」
八幡「あれれ言葉は同じだけど俺の知ってるセリフと受ける印象が全然違うぞ~」
雪乃「ほんとう全く情けない男ね」
八幡「こんな時でもお前が強過ぎんだよ」
雪乃「・・・・・・はぁ」
八幡「!!・・・・・・・・・スゲー鼓動・・・」
雪乃「一々言語化しないで脳内だけで解決出来ないのかしら?」
八幡「・・・・・・すまん」
雪乃「ほんと情けない・・・・・・しょうがないから」
雪乃「そんな情けない比企谷君に挽回の機会をあげるわ・・・」
雪乃「・・・早く・・・来なさい」
八幡「」
八幡「・・・・・・・・・」
雪乃「・・・・・・・・・・・・っ」
八幡「・・・・・・っ!・・・・・・・・・ん・・・くっ!」
雪乃「んっ・・・・・・あ!あっ!・・・・・・いっ・・・んっ!!」
雪乃「う・・・くっ!・・・・・・はぁっ・・・・・・ん!・・・・・・」
八幡「はぁっ・・・はぁっ・・・・・・くっ・・・・・・ふっ!・・・・・・」
雪乃「あぁ・・・・・・ぁ・・・・・・っ!・・・・・・っ!」
八幡「はぁっはぁっ・・・はぁっ・・・・・・んっ・・・はむっ・・・」
雪乃「・・・あんっ!・・・・・・ふっ・・・ふぅ・・・!!」
八幡「はぁっはぁっ・・・はぁっはぁっ・・・はぁっはぁっ・・・!」
雪乃「んっ・・・・・・くっ・・・・・・んんんっ・・・・・・あぁ・・・っ・・・・・・!」
八幡「はぁっ・・・雪ノ下っ・・・・・・もうっ・・・・・・っ!」
雪乃「・・・態々・・・入れなくてはぁ・・・いいわよ・・・断りなんて・・・・・・」
雪乃「・・・分かるから・・・・・それくらい・・・・・・・んふっ・・・」
八幡「・・・・・・そうか・・・・・・ホントにいいんだよな?・・・はぁっ!・・・」
雪乃「んっ・・・・・・いよいよ鳥頭に・・・拍車がかかったのかしら?・・・今言ったばかりなのだけれども・・・・・・」
八幡「・・・・・・わかったもう聞かね・・・・・・」
八幡「・・・・・・はぁっはぁっ!・・・はぁっはぁっはぁっ!!」
雪乃「・・・・っ・・・・っ・・・・・・・んんっ!」
八幡「んっっ!!・・・・・・・・・ぐっ!!」
八幡「・・・」
雪乃「・・・」
八幡「・・・」
雪乃「・・・・・・乱暴ね」
八幡「ごめんなさい」
雪乃「いい反応速度だわ」
八幡「我ながら情けない限りです」
雪乃「抱いたあと本人を前に情けないこと言わないで貰えるかしら?」
八幡「すま・・・!」
雪乃「よろしい」
雪乃「・・・けれども一応言っておこうかしら・・・」
八幡「っ!?」
雪乃「貴方はいつも卑屈で」
雪乃「平静を装っていても内心結構一杯一杯だったりもして」
雪乃「はっきり言わなければ勝手に誤解したり曲解したまま自分の中に押し込めそうだから」
八幡「・・・・・・」
雪乃「・・・とっても不思議なのだけれども・・・」
雪乃「不馴れで粗雑な情事も・・・その後の貴方の弱音も」
雪乃「なんだか全く・・・悪い気がしないのよ」
雪乃「きっと私は本当に」
雪乃「貴方のことが好きなようね」
八幡「!!・・・っ!!」
雪乃「泣くの?」
八幡「・・・っ・・・っ・・・泣かねーよ・・・」
雪乃「あら残念」
雪乃「今なら泣いても不問に処してあげようと思ったのに」
八幡「そのチャンス次の機会にとっといてくれ」
八幡「きっといつか・・・直にあるだろうからな」
雪乃「ふふっ・・・仕方ないわね」
終わる
このSSまとめへのコメント
何でサスペンスやねんwww
サスペンス、それはつまり陽乃さんがゴム無しという状況を作ったからだよ!
テッテッテー、テーテーテー。
早い