P「じょ、冗談だよな...?」
貴音「冗談などではありません」
貴音「私はもう耐えられないのです」
P「耐えられないって、765プロに不満でもあるのか?」
P「もしかして誰かに虐められているとか?」
貴音「いえ、765プロのみなには仲良くしていただいております」
P「じゃあ仕事の内容に不満があるとか...?」
貴音「そんなことはありません」
貴音「いつも仕事を取ってきてくださるあなた様には、いくら感謝しても足りません」
P「だったらなんで...」
P「せめて理由を教えてくれないか?」
貴音「分からないのですか...?」
P「だって、みんなとは上手くやっていけていて、仕事にも不満がないんだろ?」
貴音「もう耐えられないのです」
P「だから何に耐えられないんだよ」
貴音「...」スゥ
貴音「昼食にかっぷらーめんを食べさせていただけない生活に耐えられないのですよ!!」ブワ
P「そんな理由かふざけんな」
貴音「このような生活を続けるぐらいなら、961に戻って...」
P「まてまて、そんな理由で事務所移籍するやつがあるか」
貴音「私にとっては死活問題だというのに、あなた様はそんな理由と言うのですか...」ゴゴゴ
P「やっすいなお前の命。セブンイレブンなら100円ぐらいじゃねぇか」
貴音「もう、961プロに戻るしか道は」
P「なんでそんな選択肢が少ないんだ」
貴音「それでは、私にかっぷらーめんを食べさせていただけるのですか」
P「不健康だからダメです」
貴音「あなた様のいけずー!」ポカポカ
貴音「ぐぬぬぬ...」
P「アイドルがそんな変な声出さないの」
貴音「あなた様、かっぷらーめんを...」
P「ダメ」
貴音「あなた様ぁ...」
P「色っぽく言ってもダメ」
貴音「あなた様...」ゴゴゴ
P「変なオーラ出しながら凄んでもダメ」
貴音「あなた様っ♪」
P「キャピキャピしながら言ってもダメ」
貴音「いけず...」グス
P「泣くなよ...」
P[仕方ないな。午後からCM撮影あるから三個だけだぞ?」
貴音「よろしいのですか!?」
P「小鳥さんのデスクの一番下引き出しに入ってる薄い本の下に隠してあるから」
P「ついでに薄い本は捨てといてくれていいからな」
貴音「分かりました」
P「んじゃ俺は昼たるき亭で済ましてくるから」
貴音「!?」
貴音「お待ちくださいっ!!」グイ
P「ぐはっ!?」
P「え、なんで今首元引っ張ったのお前...?」
貴音「なんでもなにも...」
貴音「私にかっぷらーめんを食べさせてくれるのではないのですか?」
P「へっ?だから小鳥さんの引き出しの中のやつ食べて良いってば」
貴音「なるほど...」
貴音「あなた様は勘違いをしておられるのですね」
P「勘違い?」
貴音「私が望んでいるのはかっぷらーめんを食べることではないのです」
P「は...?」
貴音「私の望みは、かっぷらーめんを食べさせていただくことなのです」
P「なんか今日のお前と話すのものすごく疲れるんだけど...」
P「どう違うんだ?」
貴音「ですから」
P「はい」
貴音「私は」
P「はい」
貴音「あなた様に」
P「はい」
貴音「かっぷらーめんを」
P「はい」
貴音「ふーふー、あーんといった形で食べさせていただきたいのです」
P「はい」
P「...はい?」
貴音「ですから...」
P「いや、言いたいことは分かった」
P「日本語って難しいね」
貴音「それでは」
P「いや、ダメでしょ」
貴音「何故...!?」ガーン
P「それってあれじゃん」
P「恋人同士でやることじゃん」
貴音「恋人、ですか...///」
貴音「私とあなた様、いえあなたが恋人...///」
P「いや違うからね?」
P「だいたい961プロに戻るって言ってもさ」
P「一度出て行ったアイドルを再度迎え入れてくれるほど黒井社長も甘くないだろ」
貴音「その件に関しては心配ないかと」
P「ほう」
貴音「こちらをご覧ください」スッ
P「手紙?」
貴音「黒井殿から先日届きました」
P「見ても良いのか?」
貴音「どうぞ」
P「なになに...『貴音へ 元気でやっていますか。』」
──────
貴音へ
元気でやっていますか。
こちらは以前と変わらず、元気でやっています。
765プロにはもう慣れましたか?
そのような弱小プロダクションに移籍することになり、私は心配で仕方ありません。
他のアイドル達とは上手くやっていけていますか?
美希や響もいるので大丈夫だとは思いますが...。
寂しくなったら、961プロの事を思い出してがんば
P「あんたは田舎のおばあちゃんか!」スパーン
貴音「あなた様!?」
P「なるほど、確かにこの様子だと961プロの方は受け入れ態勢が整っていそうだな」
貴音「そうでございましょう」
貴音「ですからここは、素直に私にあーんをしておいた方が身のためですよ」
P「自分で言ってて違和感ないのかその脅し文句に」
貴音「さぁ、私にあーんをしてくださるのか、してくださらないのか」
P「しません」
貴音「...うぅ」ジワ
P「そんなことで泣くなよ...」
貴音「私にとっては『そんなこと』ではないのです」グス
貴音「毎日このあーんをしていただきたい衝動を抑えながら、あなた様と一つ屋根の下で生活をするのは辛いのです...」
P「同じ事務所なだけでしょ。同棲してるみたいな言い方しないの」
貴音「何故そこまで拒否されるのですか...?」
貴音「もしやあなた様は私の事が...」
P「いやいや嫌いなんてことは」
貴音「好き過ぎて照れているのですか?」
P「ここにきて急にポジティブになったなお前」
貴音「違うのですか?」
P「別に照れてるわけではないよね」
貴音「なるほど。では私のことが好き過ぎるというのは間違いないと」メモメモ
P「そこ、都合の良い解釈をしない」
P「あとメモもしない」
貴音「どうしてもしていただけないというのですね...」
P「うん」
貴音「ならば逆に私があなた様に食べさせるというのはどうでしょう」
P「うん?」
P「それじゃ貴音はラーメン食べられないぞ」
貴音「らーめんが食べられないのは惜しいですが...」
貴音「正直に申しますと元よりあなた様といちゃいちゃしたいだけですので」
P「ぶっちゃけたなお前」
貴音「ちゅっちゅしたいだけですので」
P「おい待て」
貴音「?」
P「超えてはいけない大事な一線を越えちゃうだろそれじゃ」
貴音「はて?」
P「チュッチュしたらいかんでしょ」
貴音「むぅ...、つい勢い余って本音が出てしまいました」
P「イチャイチャすんのもダメなんだけどね、アイドルとして」
貴音「しかし...」
P「そんな話してる間にもうこんな時間か...」
P「とにかく俺はたるき亭で飯食ってくるから、貴音は一人でカップラーメンをチュルチュルしてなさい」
貴音「うまいこと言ったおつもりですか?」ズイ
P「なんでこのタイミングで攻勢に出るのお前!?」
P「会話切り上げようとしてるの分かんないかな!?」
貴音「私の要求に応えるということは、あなた様のためでもあるのですよ」
P「なんか宗教勧誘みたいな雰囲気になって来たけど大丈夫か」
貴音「欲求が満たされることにより、私は普段以上の集中力を持って取り組むことが出来ましょう」
P「ふむ」
貴音「そしてそれはアイドル『四条貴音』と765プロに対する評価にも影響を及ぼすでしょう」
P「なるほどな」
貴音「つまり私と恋人になってさえいただければ、765プロはさらなる成長を遂げることが出来るのです!」
P「いやなんか要求レベルが上がってるんだけど」
P「最初はラーメン食べさせて欲しいってだけだったじゃん」
P「しかしあれだな、ラーメン食べさせてあげるぐらいなら別に良い気がしてきた」
貴音「真ですかっ!」」ガタッ
P「それで貴音が仕事に集中してくれるっていうならメリットはあるし」
P「アイドルとのコミュニケーションを取るのもプロデューサーとして大事なことだからな」
貴音「では早速作って参ります」
P「お湯でやけどしないようになー」
貴音「はいっ♪」トテテテ
P(あーんぐらいならギリギリセーフ、だよな...?)
貴音「2分22、23、24、今です!」ベリ
P「こだわりの時間があるのか...」
貴音「種類毎に一秒単位で違うのですよ」
P「食べてる間にもスープに浸かってるわけでだから、結局後に食べる分は多少伸びちゃうんだけどな」
貴音「気持ちの問題ですよ」フフッ
P「さてと...」
貴音「い、いよいよですね...」
P(なんだこの緊張感)
貴音「...」ソワソワ
貴音「...///」チラ
P(ここまできて恥ずかしくなっちゃう貴音可愛い)
P「それじゃいくぞ、貴音」
貴音「は、はい...///」
P(なんで俺まで緊張してんだ)
P「あ、あ~ん」スッ
貴音「はむ...」チュルチュル
P「どうした貴音。食べ方にいつもの勢いが無いぞ」
P「いつももっとすごい音立てて麺啜るじゃないか」
貴音「もふ、はふぁふぁはふぁもひへふ(もう、あなた様のいけず)」
P「飲み込んでから喋りなさい」
貴音「...」シュン
貴音「大変おいしゅうございました...///」
P「カップラーメン3つ分あーんで食べさせると結構時間かかるのな...」
P「んじゃ俺は今度こそたるき亭に」
貴音「お待ちください」
貴音「まだ終わりではありませんよ」
P「もう3つ食っただろ」
貴音「まだあなた様が食していないではありませんか」
P「まさか...」
貴音「あ~ん///」
P「え、俺もそれやるの?」
貴音「あ~ん♪」
P「いや待て、俺は自分で食えるから」
貴音「あ~ん...」
P「いやほら、心の準備がさ、な?」
貴音「ぁ~ん...」グスッ
P(なんか色々どうでも良くなってきた)
P「分かった食えば良いんだろ食えば」パク
貴音「お味はいかかですか?」
P「普通のカップラーメンの味です」
貴音「いけずです...」
貴音「ささ、おかわりはまだまだありますよあなた様」
P「いや、そろそろ腹一杯だから」
貴音「そんな遠慮なさらずに」スッ
P「ちょっ、待て待て!」
貴音「はて?」ヨッコイショ
P「なぜ俺の膝に座る必要がある」
P「しかも向かい合って」
貴音「この方があなた様のお口に運びやすいと思ったのですが...」ハッ
貴音「お、重かったでしょうか!?」アセアセ
P「いやそんなことない!全然重くないからラーメン持ったまま俺の上で暴れないで!」
P「と、とりあえず降りようか。な?」
貴音「私気付いてしまいました」ズイ
P「近い近い」
貴音「今まさにこの状況こそがいちゃいちゃするということなのでは...」ズズイ
P「そうだなー。それに気付くとは流石貴音だなぁ」
貴音「何故顔を背けるのです?」
P「だから距離が近いんだってば」
貴音「...」ジー
P(至近距離でじっと見られてる気がする...)
貴音「...」ジー
P(いつまで見てるつもりなんだ)チラ
貴音「っ!」
貴音「目が、合いましたね...///」
P「そりゃこの距離でじっと見てたらいつかは合うだろ」
P(もう完全にこれからキスする距離じゃん)
貴音「あなた様」
P「ん?」
貴音「もうこのまま次のすてっぷへ参りましょう」
P「次のステップってまさか...」
貴音「私とちゅっ」
P「ダメです」
貴音「むぅ...」
貴音「ではせっ」
P「接吻に言い換えてもダメです」
貴音「違いますよあなた様」
P「違う?」
貴音「接吻ではなくせっk」
P「おいぃいぃぃぃ!!」
貴音「...?」キョトン
P「いや可愛く首傾げてもダメです!」
貴音「だめですか...」
P「ダメ過ぎるわ」
貴音「だめ過ぎて一周回っておーけーになる可能性も」
P「無いです」
貴音「左様ですか...」
貴音「どうしてもだめですか?」
P「当たり前だろ」
貴音「ふむ...、では接吻と性交ではどちらがましですか?」
P「どちらか選べって言われれば、そりゃ接吻でしょ」
貴音「...なるほど」
貴音「では失礼して」スッ
P「いやちょっと待て、どちらかといえばと言うから選んだだけでしていいなんて一言もって近い近い!」
貴音「あまり動かれては困ります」ズイ
P(まずい、この体勢では逃げられない...!)
貴音「あなた様...」
P(ダメだ、もう唇が触れ...)
P「って熱い熱い!!」
P「貴音!ラーメンのスープこぼれてる!」ガタッ
貴音「きゃっ」バシャ
貴音「あなた様、急に立ち上がられては...」ハッ
貴音「あなた様がらーめんまみれに...、面妖な...」
P「」
貴音「はっ!申し訳ありませんあなた様!!」
貴音「手に持ったままなのを忘れておりました...」
春香「戻りましたーってプロデューサーさんなんで頭からラーメン被ってるんですか!?」
貴音(千載一遇のチャンスを...)ショボーン
春香「とりあえず何か拭く物を...」アセアセ
春香「大丈夫ですか?」
P「あぁ、なんとか...」
春香「一体何があったんですか?」
P「あー、実はな」カクカクシカジカ
・・・・・・・・
春香「貴音さん、意外と積極的なんですね...」
P「いやー、なんか気付いたら会話のペース握られてて焦ったわ」
P(お尻の感触が最高だったとか口が裂けても言えない...)
春香「でも、そういうアプローチの仕方もあるんですね...」ボソボソ
春香(私も負けてられないっ!)
春香「あの、プロデューサーさん!」
P「ん?」
春香「私876プロに移籍しようと思うんですけど」
P「ん...、そっか」
P「まぁ頑張れよ」
春香「どうして私は引き止めてくれないんですかっ!」
おしり
落ちに春香さんを使ったのは悪かったと思ってる
きちんと書き溜めしないと上手くいかないものですね。。
終始迷走気味&不完全燃焼で申し訳ない
それにしても貴音書くのは難しい。。
見たくれた人も画像貼ってくれた人もありがとう
また仕事中に妄想して週末にでもスレ立てたいな
もういっそ妄想が仕事にならんものかと...
っというわけでみんなおやすみ
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