モバP「ちょっと杏をスカウトし過ぎたか……」 (34)

杏1「だるいー」

杏2「プロデューサー、週休二十日を希望します」

杏3「飴ちゃんないの?」

杏4「ふぁ」

杏5「ジュース足りないよ、何やってんの?」

P「……」

ちひろ「これは困りましたね」

P「どうしましょうね」

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ちひろ「調子に乗って奔走するからですよ」

P「しかし、能力は高いじゃないですか!」

ちひろ「凄腕のプロデューサーなら五匹と言わず、十体もの杏ちゃんを飼うことは容易でしょう」

ちひろ「しかし、今のプロデューサーさんにそれが出来ますか?」

P「そ、それは……」

杏2「あたしらの単位は匹なのか、体なのか」

杏5「いちあんず、にあんずでいこう」

杏1「おなか減ったー」

杏3「ねえ、帰っていい?」

P「くっ! カワイイ!」

ちひろ「だめだこりゃ」

P「待ってくださいよ、ちひろさん!」

ちひろ「待ちますけど、どうしようもありませんよ?」

P「そんな……せめて、引率だけでも!」

ちひろ「リーダーは真ん中の杏ちゃんではないんですか?」

杏2「杏かな?」

杏5「いや、杏でしょ」

杏1「杏じゃないよね」

P「むうっ……! どれがどの杏か」

杏3「いますぐキャンディー用ハピ粉を用意しろー、要求が叶えられなければ爆発するー」

杏4「zzz……」

ちひろ「手のつけようがありませんね」

P「仕方ない、なんとかやってみます!」

P「これがプロデューサーとしての試練ですからね」

ちひろ「自分で追い込まなきゃいいのに」

P「……お前たち、これから仕事だぞ! とりあえず、着替えてもらおうか」

杏1「ええー?」

杏2「まだ10時だよ? 朝から仕事なんて……」

杏5「プロデューサーが着替えさせてよ」

P「男子たるもの、女子の着替えを手伝うことは出来ない」

杏3「おっと、シークレットタイムだった」ピコピコ

杏4「zzz……」

P「お互いに着替えさせ合うんだ!」

杏1「面倒くさい……」

P「くそっ、どうすればいいんだ……!」

ちひろ「ふう、仕方ありませんね」

P「ち、ちひろさん!」

ちひろ「こういう時こそ、ユニットの妙を活かすんですよ!」

P「ユニットの妙……?」

ちひろ「つまり、攻めのユニットだけでなく、守りのユニットのアイドルたちを連れてくるんです!」

P「なるほど!」

P「では、亜里沙さーん! ちょっと来てくださ~い!」

パタパタパタ…バタバタバタ 

亜里沙?『は~い』

亜里沙A「みんな~、亜里沙お姉さんですよぉ~」

亜里沙B「ウサコちゃんと一緒におうたを歌いましょうね~」

亜里沙C「『ウサコがんばるウサ~♪』」

亜里沙D「それじゃ、Pくん、お姉さんは何をしたらいいのかな」

ちひろ「なぜ守りも同じアイドルで固めたんです!?」

P「カワイイじゃないですか!」

ちひろ「何を言っているのかよく分からない」

P「ですが、亜里沙さんなら子どものお世話はうまいはず……」

ちひろ「た、確かに。これはチャンスですね」

P「では、亜里沙さん、この怠け者どもを着替えさせてください」

亜里沙ズ『お姉さんに任せてねっ!』

亜里沙D「それじゃあ、杏ちゃん? まずは二人組つくって♪」

杏2「は、はううっ!」

杏5「なにか、心を抉られるような言葉を受けた……」

杏3「杏はもうダメだ……ばたり」

亜里沙B「逃しませんよっ、それーっ」バッサバッサ

杏4「ふぁっ!?」

亜里沙A「御髪を梳かして~♪」

亜里沙C「『ウサコが服を剥ぎ取っちゃうウサ!』」

杏1「うぎゃー、ウサコに食べられるー」

P「あ、あわわ、じゃあ、俺、車持ってくるんで!」ダッ

ちひろ(ヘタれたか……)

――現場。

カメラマン「それじゃあ、お願いしますね」

亜里沙ズ『はーいっ♪』

全杏『ふぁーい』

カメラマン「うんうん、いいですよ~、そのとろけ具合」

カメラマン「はい、そっちの杏ちゃんはもうちょっと右側に折り重なって」

カメラマン「あっ、お尻見えた」

P「おい」

亜里沙A「ウサコガード!」

亜里沙D「『イヤラシ系の業界人は、ウサコがシャットアウトウサ!』」

カメラマン「社会派だね~」

P「……うん、うまくいっているようだな」

杏1「つかれたー」

杏2「もうこれはブラック企業だよ。ブラックプロデューサー」

P「芸能界では、365日仕事みたいなものだぞ」

亜里沙B「まあまあ、杏ちゃんたち、頑張ったじゃないですか」

P「亜里沙さんも頑張りましたね。はい、ジュースです」

亜里沙D「うふふっ、良きにはからえ、なんてね♪」

杏5「プロデューサー、杏たちと態度が違くない?」

P「何を言っているんだ、杏たちにはド○ター・ペッパー、亜里沙さんたちにはマウ○テンデューだぞ」

亜里沙C「『ウサコはオ○ンジーナでいいウサ!』」

杏3「……もう帰ってもいいよね? プロデューサー」

P「ああ、今日はなんとかなったからな」

杏4「zzz……」

P「もう寝てるのか」

P「ん……ちょっと待てよ?」

杏3「どうしたのさ」

P「ふと気になったんだが、こんなにいっぱいいて、部屋に入れるのか?」

杏5「入れないよ?」

杏2「こういう時は事務所に泊まるんだよ」

杏1「そうそう」

P「な、なんだとっ……!」

亜里沙B「先生はひと……四人暮らしいけるから大丈夫ですよ」

P「そ、それでも大変じゃないですか!」

杏1「事務所待機が基本だからね」

P「くっ……ちひろさん!」プルルルルル

ちひろ『どうしました?』

P「事務所で寝泊まり出来るってマジですかね?」

ちひろ『ええ……今は最大90人体制で』

P「ガッデム!」

ちひろ『一応、希望者だけですよ。あぶれた子は寮に入れてますし』

P「しかしですね」

ちひろ『じゃあ、プロデューサーさんが用意出来るんですか?』

P「そ、それは……俺のアパートに泊めるわけにもいかないし……」

杏2「プロデューサーが事務所に泊まれば?」

P「なに?」

杏2「大変だって言うなら、プロデューサーが泊まってお世話してくれればいいじゃん」

P「いやしかし……」

亜里沙D「どうやら先生も泊まらなくてはいけないようですねっ」

P「なんで!?」

P「正論だ……オレ一人では杏ファイブに太刀打ち出来なかった……」

ちひろ『なに言ってるんですか?』

P「ちひろさん、仕方ありません。いずれ杏寮を作るとして、今日は事務所に泊まることにします!」

ちひろ『あ、杏寮……つまり、杏ちゃん専用の寮を建てるってことですね』

P「そうです、この……レアメダルを使って!」カチャリンコ

ちひろ『プロデューサーさんのよく分からない覚悟は分かりました』

ちひろ『とりあえずアメニティは全部揃ってますので』

P「ありがとうございます!」ピッ

P「よし、杏! 増えた分はオレに任せろ!」

杏5「しょうがないなぁ~」

亜里沙A「Pくん、Pくん」

P「ど、どうしました?」

亜里沙A「亜里沙寮も、作って欲しいな?」

P「え……でも、入れる部屋はあるんじゃ……」

亜里沙B「これから先生ももっと増えると思いますよぉ」

亜里沙C「そういう時に、寮を建て増ししておいてほしいし」

亜里沙D「問題児たちの扱いなら、得意ですからっ」

P「……」

杏4「zzz……」

P「分かりました……!」

P「俺が、責任を持って、亜里沙寮を作りますよ!」

亜里沙ズ『やったぁ!』

ウサコ『やったウサ!』

杏2「ちっ」

――事務所。

ちひろ「さ、事務所ビルのこの階は泊まれるようになってます」

P「なるほど、会議室の横に布団とか詰めてあったんですね」

ちひろ「その通りです。人数分は……入るでしょう」

P「ちなみに、男性用の部屋は」

ちひろ「ありません」

P「ソファで寝るしかないか……」

杏2「ええー? いいじゃん、雑魚寝で」

杏3「修学旅行みたいな感じ? 行ったことないけど」

P「男女同衾なんて、そんなはしたない真似は出来ない」

亜里沙C「『保護者同伴だから問題ないウサ!』」

P「仕方ないな」

ちひろ「ダメだこいつ」

ゾロゾロ……

杏1「もうねむいー」

杏4「zzz……」

P「ぜーはー!」がっしょがっしょ

杏3「プロデューサー、ズルくない?」

杏2「なんでそっちは背負ったりしているのに、杏は歩いて移動しているの」

P「はぁはぁ、寝ちまってるからしょうがないだろ!」

亜里沙A「先生が運ぶって言ったのに」

P「あ、亜里沙さんにそんな真似はさせられませんよ」

亜里沙D「じゃあ、先生も運んで運んで~」

P「よ、良いですよ! お姫様抱っこで!」

亜里沙D「良きにはからえ~♪」

P「布団敷くぞ!」

杏1・4「ぐー」

杏2「歩き疲れた」

杏5「……汗臭くない? 今日、ちょっと暑かったし」

P「お前たち」

杏3「杏が杏をお風呂にいれるよ。その間にプロデューサーが敷いてくれればいいんじゃない?」

P「えっ、俺が運んできたのに」

亜里沙B「お風呂、やりますよっ!」

P「あ、はい」

ゾロゾロ……

P「……」

P「敷くか」

――湯上がり。

亜里沙D「お風呂頂きました~」

杏2「うう……剃られた……」

P「何言ってんだ! 興奮するだろ!」

亜里沙B「Pくんは欲望を素直に出すのは抑えた方がいいって思うなっ」ギリギリ

亜里沙C「『ロリコンは地獄に堕ちるウサ!』」

P「うぐえぇぇぇ」

杏3「せ、先生、プロデューサーが死んじゃうよ」

P「ふ、ふへへ、げほげほッ! 最高のウサクローだったぜ!」

亜里沙A「反省してくださいね?」

P「いいにおいがした」

杏5「本当にプロデューサーはダメだなぁ」

きらりに頼んだら半分くらい面倒みてくれんじゃね

P「じゃあ、とりあえず俺は端っこで寝てますから」

杏2「はああ? ここまで来たら抱きまくらにでもなるべきだよ」

杏3「せやせや」

杏5「はよ」

P「もし何か合った時のために真ん中では身動き取れないだろう」

亜里沙D「先生に任せなさい♪」

P「い、いや、けど」

杏4「……ねろ」

P「うおっ!? 寝てる杏が喋った!」ビクッ

>>12 ここ上に一行追加しなきゃ……。
――
亜里沙B「それは、杏ちゃんたちを捌ききれるのは先生しかいないからですよ」

P「正論だ……オレ一人では杏ファイブに太刀打ち出来なかった……」

ちひろ『なに言ってるんですか?』

P「ちひろさん、仕方ありません。いずれ杏寮を作るとして、今日は事務所に泊まることにします!」

ちひろ『あ、杏寮……つまり、杏ちゃん専用の寮を建てるってことですね』

P「そうです、この……レアメダルを使って!」カチャリンコ

ちひろ『プロデューサーさんのよく分からない覚悟は分かりました』

ちひろ『とりあえずアメニティは全部揃ってますので』

P「ありがとうございます!」ピッ

P「よし、杏! 増えた分はオレに任せろ!」

杏5「しょうがないなぁ~」

亜里沙A「Pくん、Pくん」

P「ど、どうしました?」
――

P「仕方ない……大人しくしてるんだぞ」

『はぁ~い』

P「よし、電気消すからな」パチン

亜里沙A「おやすみなさい」

P「おやすみ……」

P「……」

P「おう」

杏1「なんぞ」

P「全員でしがみついてくるのはやめなさい」

杏2「けち」

杏1「……プロデューサー」

P「どうした?」

杏1「ごめんね、こんなにいっぱいで」

P「何を言ってるんだ、嬉しいよ」

杏3「怒ってない?」

P「怒ることなんか何もないぞ」

亜里沙A「そうですよぉ」むぎゅ

杏5「わわっ」

亜里沙B「こんなに杏ちゃんがいっぱいで嬉しいっ」

P「杏まみれで幸せだ」

亜里沙C「『ウサコは?』」

P「もちろん、ウサコちゃんにも囲まれて嬉しいぞ」

亜里沙D「えへへ……うれしいな」

亜里沙A「おねえさん、いっぱい抱きついちゃう!」

P「いっぱいって人数的な意味でしょ!」

杏4「zzz……」

杏3「柔らかい?」

P「おう、柔けぇ~、あったけえ~」

P(だが、締め付けられてて、アレだ、ヤバい)

P(……でも、こういうのをある意味で幸せって言うんだろうな)

P(杏のすべすべが肌に触れてきて、亜里沙の手がなでなでしてくれる)

P(今度は、今度は……)グー

――

ちひろ「それから、ですか?」

ちひろ「ええ、プロデューサーさんはちょっと頑張り過ぎたようです」

ちひろ「毎日のように杏ちゃんと亜里沙さんの相手をするだけでなく、新しい娘を迎えるために奔走し……」

ちひろ「最期は大量の卯月ちゃんのお尻に埋もれて亡くなっていました」

ちひろ「その死に顔は安らかで、ただしかし、右手にはメモが握られていました」

ちひろ「『尻』、と」


おしまい

辛いです…亜里沙さんが10人揃わないから…

>>18
きらりにまみれたらPがわっしょいされる

今度は上田にまみれたい…

お疲れ様でした。引き続き、モバマスをお楽しみください。

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