イシカワ「たしかに全体的に薄くなってる感はあるな」

トグサ「ダンナも色々溜まってるのかもしれないな」

イシカワ「世話の焼ける犬とか飼ってるしな…」

トグサ「え？そうだったのか？意外だな」

少佐「どうした、お前たち」

イシカワ「あ、少佐。聞いてくださいよ。バトーの奴、最近ハゲてませんか？」

少佐「何？あのバトーがか？」

トグサ「本当ですよ。ちょっと目線高くして見てたら嫌な目つきをされましたからね」

少佐「よくわかるわね…」

少佐「たしかに、ここのところバトーには働きっぱなしだったし」

少佐「ちょっと休暇を与えてもいいかもしれないわね」

イシカワ「最近は割と平和だしな」

トグサ「そういや今は食堂にいんのかな」

少佐「ちょっと見に行ってみましょうか」

~食堂~

バトー「（なんだか最近疲労が取れないな）」ﾊﾟｸﾊﾟｸ

バトー「（肩もこりっぱなしだし…それに…）」ﾊﾟｸﾊﾟｸ

バトー「（……いや、やっぱあり得ねえよ）」ﾊﾟｸﾊﾟｸ

アオイ「あ、バトーさんじゃないですか」

バトー「アオイか」

アオイ「ご一緒しても宜しいですか？」

バトー「しかしお前が来てからというものの」ﾊﾟｸﾊﾟｸ

バトー「情報収集だの電脳ハッキングだの」ﾊﾟｸﾊﾟｸ

バトー「まあ肉弾戦はともかく、そういう情報戦に関して9課は負け知らずになっちまったな」ﾊﾟｸﾊﾟｸ

アオイ「僕には、これくらいしかできませんからね」ﾊﾟｸﾊﾟｸ

バトー「少佐がちょっとまえ、悔しがってた位だぜ」ﾊﾟｸﾊﾟｸ

アオイ「モトコさんがいるからこその力ですよ」ﾊﾟｸﾊﾟｸ

アオイ「なんだかんだ、9課のチームワークは安心しています」ﾊﾟｸﾊﾟｸ

バトー「少佐もああいう人だからな、なんか以前より負けん気が増えちまった気がしてるよ」

アオイ「優しい少佐なんて少佐じゃないですから」

アオイ「…それよりバトーさん」

バトー「ん？どうしたよ」

アオイ「最近ハゲましたね」

~場所変わってタチコマ部屋~

タチコマA「諸君！これより重大な話があるのであーる！」

タチコマ一同「なんだなんだ？」

タチコマA「皆集まったなー！えーｺﾞﾎﾝｺﾞﾎﾝ！皆も気づいてると思うけど…」

タチコマA「最近、バトーさんがハゲた気がしない？」

タチコマ一同「えー？あの屈強で恐れ知らずのバトーさんがー？」

タチコマA「ホントなんだってー！ほら、ここに9課内監視カメラの拡大映像があるだろ？」

タチコマA「ボクの目測だと役34％の前髪後退が見受けられる」

タチコマ一同「まさかあのバトーさんが…」ｻﾞﾜｻﾞﾜ

タチコマ一同「ボクらには髪の毛がなくてよかったねー」ｳﾝｳﾝ

サイトー「何の話してるんだ？お前ら」

タチコマA「あ！サイトーさんだー！サイトーさん聞いて聞いてー！」

サイトー「ああ…その話か…」

タチコマA「ボクらには髪の毛がハゲる概念がわからないからねー」

タチコマA「これってバトーさんに言うべきなのかなぁ？」

サイトー「いや…うーむ、どうなんだろうな。隠してたらむしろ傷つけるかもしれんし…」

タチコマA「（サイトーさんが一番ハゲそうな気はするんだけどね…）」

サイトー「とりあえず今は現状維持だ。あいつも最近大変そうだしな」

タチコマ一同「ﾗｼﾞｬｰ！」

サイトー「男にとって髪の毛はカッコヨサの権化みたいなもんだ」

サイトー「あんまり露骨な表現は使うなよ」

タチコマ「ﾘｮｰｶｰｲ！ところであの…サイトーさん？」

サイトー「ん？なんだ？」

ボーマ「…」

サイトー「…」

~場所戻って食堂~

バトー「ハゲてねえよ」

アオイ「ボクも言い出そうか迷ったんですけど」

アオイ「隠し事をするなら正直に言ったほうがいいかなって」

アオイ「9課はチームワークですから」

バトー「…」

アオイ「…」

バトー「…まぁでも、気になるレベルじゃねーだろ」

バトー「俺も年食ったってことさ」

アオイ「あれ、なんか平気みたいですね」

バトー「当たり前だろ。何度も死線をくぐり抜けてるんだ」

バトー「ハゲくらいどうってことねえよ」

アオイ「…そうですね。安心しましたよ」

アオイ「じゃ、僕はこれで」ﾀﾁｱｶﾞﾘｰ

バトー「……」