兄「今日はどの妹にしようかなぁ」 (98)
自動販売機の前にて
兄「とりあえずこの娘でいいや」(ポチッ)
ピッ………ガシャコン!
妹「おはよう!お兄ちゃん!」
兄「あれ?」
妹「もーお兄ちゃんは1人じゃ何にもできないんだからー」
兄「これ世話焼きタイプの妹じゃん。ボタン押し間違えた……?」
妹「お兄ちゃん?早く学校いこ?」
兄「……お前はお呼びじゃないの。俺はツンデレ妹がいいの」
妹「えっ………」
兄「チッ……もう金がないや。仕方ないか」
妹「あの……お兄ちゃん?」
兄「……なんだよ」
妹「怒ってる?」
兄「怒ってるよ……クソ……ツンデレちゃんが欲しかったのになんでこいつが……」
妹「ご、ごめんなさい……」
兄「次の資源ゴミの回収日はいつだったっけな……」
妹「………」
兄「おい」
妹「は、はい!」
兄「お前世話焼きタイプの妹なんだろ?早く荷物もてよ」
妹「あ、うん!わかった!お兄ちゃん!」
兄「気の利かねぇ妹だな……。世話焼きならまず真っ先にカバンもてよ……チッ」
妹「……うん!ごめんね!わたしがんばるからね!」
校門前
妹「はぁ~…これが学校かぁ……!!でっかい!!」
兄「は?お前学校はじめてなの?」
妹「はい!わたしまだ生まれたばかりなので!」
兄「ふーん……。ま、どうでもいいや
17時くらいに学校終わると思うからそれまでどっかで暇つぶしてろ」
妹「えっ……学校に入っちゃダメなんですか……?」
兄「ダメに決まってるだろ……お前みたいなレア度低い妹……
連れて行くの恥ずかしいわ」
妹「……うん。わかった。お兄ちゃんがそう言うならそうするね」
キーンコーンカーンコーン
妹「あ、これがチャイムの音、ってやつなのかなぁ……」
妹「………」
妹「………」
妹「………」
妹「………」
妹「………」
妹「………」
17時、校門前
兄「………」
妹「……あ!!お兄ちゃん。おかえり!!」
兄「…………」
妹「あ、あれ?お兄ちゃん???もしもーし!!」
兄「………」
妹「お兄ちゃん!お兄ちゃんったら!!」
兄「……っ!!ちょっとこっち来い……」
妹「???」
ドン!
妹「ひゃっ!」
兄「………」
妹「ど、どうしたの?お兄ちゃん」
兄「……なぜ校門の前で待っていた?」
妹「それはお兄ちゃんの帰りを待つために……」
兄「……どっかで暇をつぶしてろ、って言ったよな?忘れたのか?」
妹「それは……」
兄「……チッ。あんな目立つことしやがって……
お前が俺の妹だって思われたらどうするんだよ……」
妹「え……私お兄ちゃんの妹じゃないの……?」
兄「………」
兄「お前は赤の他人だよ。妹でもなんでもない。ただの他人」
妹「………」
兄「はぁ……もうお前いいわ。勝手にしろ」
妹「あ、あの……カバンを……」
兄「あ?汚いから触るなよ。この量産型妹」
妹「………」
兄「妹はオーダーメイドに限るなやっぱ……。量産型は頭悪すぎるわ……」
妹「…………」
兄「~~みたいなことがあってさー」
弟「………ふーん」
兄「いやーマジ最悪だったわwwww」
弟「……その娘、いまどこにいるの?」
兄「さぁ?どっかで野良妹でもやってるんじゃねーの?」
弟「……わかった。ありがとう」
妹「そこのあなた!」
道ゆく会社員「は?」
妹「ネクタイがまがってるよ?もー私がいないとダメダメなんだからー!」
道ゆく会社員「い、いえ、そういうのは間に合ってるんで結構ですんで……」(スタスタ)
妹「えっ……あ……」
妹「…………」
???「ちょっとそこのあんた」
妹「ふにゃ!?は、はい!」
警官「またあんたか……ここでの妹活動は禁止だって、前に言ったよね?」
妹「す、すみません……」
警官「……俺が注意したの、これで何度目になるか覚えてる?」
妹「……5回目です」
警官「年上の人間との約束を3回以上破った妹は、
即刻保健所行きになることが憲法で決まってる、ってこの前にも話したよね?」
妹「……はい」
警官「……意味、わかるよね」
妹「………」
妹「………はい」
妹「げほげほ……」
警官「はい、ごくろうさん。もういいよ」
妹「………はい」
警官「もうこんなとこで妹活動すんなよー」
妹「はい……ごめんなさい……」
警官「よしよし、妹ちゃんは良い子だねー」ナデナデ
妹「………っ///」
警官(赤面してやがる……単純な生き物だぜ……妹ってやつはよぉ……へへへ)
警官「俺は仕事があるからもう行くわ」
妹「………はい」
警官「妹活動するならこの辺でやれよー。俺なら見逃してやるからよー」スタスタ
妹「………行っちゃった」
妹「………」
妹(……生まれて初めて頭撫でられちゃった)
妹(あんな最低な男に撫でられて喜んじゃうなんて……私どうかしてるよ……)
妹(………)
妹(………お兄ちゃんにも頭ナデナデされたかったなぁ)
妹「お兄ちゃん……」
弟「………」草葉の陰からジーーッ
弟「あの……」
妹「?!だ、だれ?!」
弟「弟です……」
妹「弟……?が、概念は知っています」
弟「そうですか」
妹「それは私にとっても弟なのかしら……」
弟「今年で小学5年生になります。あの、妹さんはおいくつなんですか?」
妹「見た目の年齢はJKになってるはずです」
弟「それなら僕にとっては妹じゃなくてお姉ちゃんですね」
妹「お、おおおおお姉ちゃん?!」
妹「私が……お姉ちゃん……」
弟「あの……」
妹「私は妹じゃなくてお姉ちゃんなの?お姉ちゃん……お姉ちゃん……私はお姉ちゃん……お姉ちゃん……」
弟「?あの、大丈夫ですか?」
妹「(ビクン!)あ!ごめんね、それで私に何か用なのかな?」
弟「………あの、私の兄と会ってみませんか?」
妹「………え?」
弟「私の兄と会ってください」
妹「それは全然構わないけど……でもどうして私なの?」
弟「……おそらく、僕の兄はあなたのお兄さんだった人だと思います」
妹「!??!そ、そうなの?!」
弟「兄が以前あなたによく似た妹のことを話していたので間違いないと思います」
妹「…………」
弟「それであの……私の兄と会ってもらえないですか?」
妹「………」
妹「………」
妹「………ヒック、ヒック……うぅ……」
弟「ど、どうして泣いてるんですか!?どこか痛いところでも……」
妹「ううん!違うの!」
弟「それじゃあ何故……」
妹「またお兄ちゃんに会えると思ったら嬉しくて……!!
嬉しいよぉ……良かったよぉ……ふえぇぇぇー!!」
弟「……そうでしたか」
10分後
弟「落ち着きましたか?」
妹「……うん。落ち着いたよ。ごめんね」
弟「大丈夫です。気にしていません」
妹「それで……私はお兄ちゃんに会って何をすればいいの?」
弟「お姉ちゃんにお願いしたいことはですね、」
妹「お、お姉ちゃん……(ポッ)」
弟「……お姉ちゃんにしてもらいたいことは一つだけです
私の兄をまともな人間にして欲しいのです」
妹「まともな人間……?」
弟「兄は幼少の頃から愛を知らずに育ってきました……
兄は自分以外の人間をゴミ以下のようにしか思っていません。下衆の極みです」
妹「………」
弟「そんな兄に愛を教えてあげて欲しいのです。真心からくる本物の愛を」
妹「……でも私ってお兄ちゃんに捨てられちゃった妹だし……
お前は好みじゃないから要らないって言われちゃってるんだよ?私にそんなことできるのかな……」
弟「それなら兄の好みの妹になればいいだけじゃないですか」
妹「え?」
弟「なりましょうよ、ツンデレ妹に」
それから一ヶ月……
世話焼き妹はツンデレ妹を目指して
弟くんとともに特訓に明け暮れた……
そしてついに……
妹「べつにあんたのためにツンデレになったんじゃないんだからね!!
勘違いしないで!!」
弟「………」
妹「………」(ドキドキ)
弟「……完璧、ですよ………!!」
妹「ほんと!?やったー!!ありがとー弟くん!!!」(抱きっ!
弟「うわぁ!そ、そんなにくっつかないでくださいよっ!!」
妹「うぅ……何もかも弟くんのおかげだよぅ……ありがとう……ありがとう……っ!!」
弟「……お、お礼を言われるようなことはしてないですし。
僕は兄のために行動してるだけですし!」
妹「……あ、弟君なんかツンデレっぽいよ?」
弟「ツ、ツンデレじゃないです!」
家の前
妹「………」(ドキドキ)
弟「ついにこの時がきましたね」
妹「う、うん……きんちょーするよぉ……」
弟「あれ?あんまりツンデレっぽくない答え方ですね」
妹「!!!そ、そんなことないわよ!私はツンデレなんだから!!」
弟「そうです!それでいいんです!
半ギレキャラを演じればツンデレとして成立するものです」
妹「う、うん!」
弟「では……行きましょうか」
妹「うん!」
扉(ガチャ)
弟「兄さん!ただい……」
兄「ん?」
別弟「ん?」
弟「……!?!?」
妹「お、弟君が二人!?ど、どうして?!」
別弟「………」
弟「誰だお前は!どうしてここにいる!?どうして僕と同じ顔をしている!?!?」
兄「よう、どうしたんだよ。そんなに血相変えて」
弟「兄さん!大変だよ!他人が僕らの家の中に勝手に……!!!」
兄「他人?酷いことを言うなぁ、お前は。
こいつは他人じゃないよ。正真正銘俺の弟だよ」
弟「は?兄さんの弟はボ、ボ、ボ、ボ、ボク一人だけのはずたよ?何を言ってるの?」
兄「(無視)いやーずーっと欲しかったシリーズがようやく再販されてな。
ようやく買えたんだよ」
弟「え?え?え?え?」
兄「こいつが『兄思いの弟 ver.2』だ!
これがまたすげー高かったんだよ!
ほら弟!ぼさっとしてないで、ちゃんと挨拶しな!」
別弟「はい兄さん!
兄さんのお友達の方々ですか?こんにちは!」
弟「!?!?!?!?」
弟「?!?!?どういうこと?どういうこと?」
兄「とりあえずウザいからちょっと落ち着けよ」
弟「う、うん」
兄「お前は兄思いの弟シリーズの初号機だ。
マニアなら喉から手が出るほど欲しがる超激レアなんだぜ?お前」
弟「ぼ、ぼくは作り物の弟だったってこと……?そうなの?ねぇ!」
妹「………」
兄「(無視)できれば壊れるまで使い続けたかったんだけどなー。
でももういいや、お前。なんか飽きちゃったわ」
弟「………」
兄「ということで~」
兄「お前は今日から俺の弟でも兄弟でもなんでもないでーす。
早くこの家から出て行ってくださーいw」
弟「…………………」
別弟「兄さんが困ってるようなので早く出て行ってください」
弟「……うるさい。兄さんを兄さんと読んでいいのは僕だけだ」
別弟「………」
兄「うわ、こわっw
ブラコン通り越してホモだなこいつwキンモー☆」
弟「…………」
兄「はやく出てけよ旧式。
目障りなんだよ、お前。いい加減出ていかないと……」
妹「……っ!!」
パーンッッッ!!!
兄「ブフォゥ?!?!」
妹「弟くんに……あ、謝れっ」
兄「痛ぇ……痛ぇよぉ……」
妹「弟君に……謝ってくださいっ!!」ブルブル
弟「………」
弟「お姉ちゃん……もういいよ」
妹「許せない……弟くんを侮辱して……この人だけは許せない……許せないっ……!!」
弟「ほんとにもういいって!!」ギュッ!
妹「っ!」
弟「もう……いいんだよ。これ以上兄さんを傷つけないであげて?」
妹「っ?!
あなたはこんな酷いことをされてもまだあの人のことを庇うの?!!」
弟「……僕にとっては兄さんが傷つくことの方が一番辛いことだよ。
お願いお姉ちゃん。兄さんを許してあげてよ」
妹「でも………でもぉ……!!!」
兄「…………」
兄「そうか!この声!思い出したぞ!」
兄「お前もしかしてあの時の量産型妹か!!!」
妹「…………」
兄「あれ?でも格好はツンデレ妹だよな。どういうことだ???」
妹「…………」
兄「……もしかして、俺のためにツンデレ妹になろうとした、とか??」
妹「……っ!!!」
兄「……ぶはっwwwマジかよwwww
自分のアイデンティティ潰してまで俺に愛されようとしてるのかよwwwww
愛情重すぎwwww」
妹「………………」
兄「気持ち悪いやつだなwwマジでwww」
弟「………」
兄「……おっとっと、言い過ぎたな。
今度はこっちに殴られるのかな?」
弟「…………僕はそんなこと……しない……」
兄「さすが俺の元弟!情に厚いね~!」
弟「………」
兄「元弟も許してやれって言ってるんだから
いい加減俺のこと許してくれよ。な?妹ちゃん」
妹「………」
兄「お前が怒る理由はもうねーんだよ。空気読めよ」
妹「………………………」
弟「お姉ちゃん」
妹「……わかってる」
兄「w」
兄「で、お前らいつまでここにいるの?」
弟・妹「…………」
兄「もう用がないなら帰ってくんない?w」
弟「………一つだけ、いいですか?」
兄「あ?」
弟「昨日の約束、覚えてますか」
兄「約束?」
弟「明日は一緒に夕ご飯を作ろうっていう約束」
兄「……あぁ、覚えてるよ。それがなんだよ」
弟「……一緒に夕ご飯、食べてくれますか?」
兄「………この流れで聞くことか?それ……マジきめぇ」
弟「………」
兄「お前みたいなホモ野郎と飯なんて食えるかよ。
さっさとこの家から出てけ」
弟「………………わかりました」(ニコッ)
家の外、とある公園
妹「………」
弟「………」
妹「………」
弟「………」
妹「……弟君、ごめん」
弟「……はい?」
妹「泣くね」
弟「え」
妹「……ふえぇぇ……悔しい……悔しいよぉ……ちくしょうぅ……
酷すぎるよ……ふぇぇ………」
弟「………」ナデナデ
妹「………」
弟「………」
妹「……弟くん」
弟「はい」
妹「弟くんは、これでいいの……?」
弟「これ 、とはなんのことです?」
妹「あいつにバカにされたまんまでいいの?!
ホモとか気持ち悪いとか何度もバカにされたんだよ!?
弟くんがしてきたことは何もかもあいつのためにしてきたことなのに……
あんな言い方するなんて酷すぎる!!」
弟「……いいんですよ。僕はいくら侮辱されても」
妹「でも……!」
弟「気にしなくても大丈夫です。
お姉ちゃんがあそこで怒ってくれたおかげで、
僕の分のわだかまりは吹き飛んでしまいましたから」
妹「………」
妹「………」
弟「……でも一つだけ」
妹「?」
弟「一つだけ、どうしても許せないことがあります」
弟「兄さんは……」
弟「………あのクソ野郎はお姉ちゃんを侮辱した。それだけは許せません」
数日後
別弟「ジュポ……ジュポ……」
兄「へへっ……やっぱ新型は性能が違うわ……」
別弟「ペロペロ……ペロペロ……」
兄「うっ……イくぞ。口開けろ」
扉(バタン!!!!)
警察「警察だ!」
兄「なっ……はぁ!?!?い、いきなりなん何だよお前ら!!
人の家に勝手に……!!」
警察「シリーズ『鬼兄』の第三世代!!シリアルナンバー0724545!起立!」
兄「?!は、はい!」シュバッ
警察「………あなたを、兄弟・兄妹の約束を三回以上破った罪で拘束します」
兄「は、はぁ????」
警察「拘束しろ」
部下「了解」
兄「ガハッ!?いてーよ!
これは一体なんなんだよ!?おい!!」
弟「11年間一緒に生活してきて、
僕から兄にお願いしたことはたったの三回だけでした」
弟「一度目は、僕が小学3年生の時のことです。
僕の体にイタズラをしないようにとお願いしました」
弟「兄は私のお願いを受け入れてくれて、
快く約束を誓ってくれました
……でも、次の日にはさっそく兄は僕の寝室に潜り込み、私を……おもちゃにしました」
妹「………」
弟「二度目の約束もほとんど同じ感じです。
僕のことを性的な目で見ないようにと兄にお願いしました」
妹「………」
弟「兄は前と同じように快く快諾し、」
弟「そして案の定私を裏切りました」
妹「…‥…」
弟「……さきほど、兄が私に向けた言葉の殆どは真実なんですよ」
弟「僕は……気持ちの悪いホモやろうなんです……」
妹「………」
弟「……あ、すみません……。
話がちょっと逸れちゃいましたね……」
妹「………」
弟「3度目の約束はさきほどの約束です。
これで兄は私の約束を合計三回反故にしたことになります。
これで憲法によって……」
妹「……弟くん!」ギュッ!
弟「は、はい?」
妹「しゃがんで!」
弟「えっ……こ、こうですか?」
妹「……それじゃ届かないからもっと低くしゃがんで!」
弟「はい」
妹「うん、ありがと」
弟「あの……それで一体何を……」
妹「………」
ぎゅーーー~~っっ!!(抱き締めっっ!)
弟「むごぉっ!!??痛い!!」
妹「弟くんは全然気持ち悪くない……気持ち悪くなんて絶対にないよ!!」
弟「………」
妹「弟くんを気持ち悪いなんていう奴がいたら私……許さないんだから!」
弟「………でも」
妹「それは弟くんも含まれてるんだからね?
自分で自分を気持ち悪いなんて言うのは金輪際無しだから!!わかった?!」
弟「……」
妹「返事っ!」
ぎゅーっっ!!
弟「痛い痛い!わ、わかった!わかりましたから!」
ぎゅーっっ
妹「……ヒック……ヒック……」
弟「な、なんでお姉ちゃんが泣いてるんですか」
妹「……私が弟くんのお姉ちゃんだからに決まってるじゃんかぁ……
辛かったんだね……うぅぅ……ごめんね……気付いてあげられなくてぇ……」
弟「……あの」
姉「うん?」グスグス
弟「僕は……お姉ちゃんの本当に本当の弟になっても……いいんですか?」
妹「いいに決まってるよ!
というか、私は最初からずーっと本当の姉弟のつもりで
接してたんだけど……弟くんは違ったの?」
弟「……いえ、違いません。お姉ちゃんは僕にとってずーっとお姉ちゃんです」
弟「あの……それでさっきの話なんですけど」
妹「?」
弟「私の元兄は約束を三回破ったことになるので、憲法によって……」
妹「ふんっ!!」
ギューッッッ!!
弟「むごぉ!?しゃ、喋れないです!力を緩めてください!」
妹「その話はもういらないの!」
ギューッッッ!!
弟「ぶふぉ!?な、なんでですか!!」
妹「その話はもう終わった話だもん!!もう 要らないの!!」
弟「い、いや、この話の続きにはハッピーエンドがですね……」
妹「ふん!」
ギューッッッ!!
弟「ぎゃー!」
弟「少しは話を聞いてくださいよ!」
妹「……だって終わったことには何の未練も興味もないんだもん
それに……今の私には弟くんがいる。それで十分すぎるよ」
弟「……………」
姉「おぉ!弟くんの耳が赤い!」
弟「つ、つつかないでください!」
ぎゅ~っ
弟「……」
妹「はぁ~……よし、充電完了!」
弟「あれから三十分も抱きしめられるとは思いませんでした……」
妹「嫌だった?」
弟「……嫌じゃないです。姉さんのしたいことなら何でもしてあげたいです」
妹「おぉ、呼び方が変わった!」
弟「……嫌ですか?」
妹「ううん!嫌じゃないよ!」
弟「そうですか」(ホッ)
妹「……あ、そうだ。弟くん、一つお願いがあるんだけどいいかな?」
弟「はい!姉さんのためならなんでもします!」
妹「私ね……」
妹「学校に行ってみたいの!」
(完)
あ、間違えた。(完)は取り消しで
弟「学校……ですか」
妹「私学校行ったことないんだ~。校門までならあるんだけどね」
弟「………」
妹「……弟くん?」
弟「僕も……学校行ったことないです」
妹「え?そうなの?」
弟「いつも家で留守番してましたから……」
妹「そっかー……」
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