提督「八月十五日」 (35)
Twitterで見たとある画像を見てふと思い立って書こうと思いました
史実に関してはあまり知識が無いですので先に言っておきます
間違ってるところがあれば指摘してください
※注意
ところどころご都合主義というか独自解釈が入ってるのと尺の関係でオリキャラが出ます
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1389764075
八月十四日、ポツダム宣言を日本が受諾し事実上の無条件降伏をして戦争は幕を閉じた
八月十五日正午、天皇陛下による国民へポツダム宣言の受諾を通達する玉音放送が行われた
北上「う、嘘…そんな…」
高翌雄「終わったのね…長かった…」
北上「なんで!なんで降伏なの!?ねえ!私たちまだ戦えるよね!私だってまだ直せば泳げるよ!」
高翌雄「直せば…ね…直せばそうかも知れないわ、でも直せないの…もうそんな力はこの国には残ってないの」
北上「直せないって…なんなのさ…」
高翌雄「もう…終わったのよ?」
北上「私結局重雷装艦になっても…活躍する機会なくて…大好きな…親友の大井っちも失って…!球磨も多摩も木曾も!みんな!」
北上「みんな…いなくなっちゃったよ…みんなの敵取りたいよ…なのにもう終わりなんて…」
高翌雄「私だって…私だって同じ気持ちよ!納得行かない!けど…もう無理なのよ…」
北上「高翌雄さん…」
北上「う、うう…うううう」ポロポロ
しまった!sagaを入れ忘れた
高雄でお願いします
潮「うっうう…」
雪風「潮ちゃん…」
潮「雪風さん…」
雪風「終わっちゃったね…」
潮「グスッうん、皆…いなくなっちゃった」
雪風「でも全員じゃないよ、姉妹ももう雪風しかいないけど、でも雪風が残ってるもん」
潮「そう…だね…せめて皆のこと忘れないように私たちが覚えていようね」
雪風「うん!グスッでも今は…!泣いてもグスッいいよね?」
潮「うん…!うん!いまは泣いても…ううっ」
妙高「泣いてるの?」
響「泣いてなんかないさ」
妙高「泣いたって何もおかしなことはないのよ?あなただって姉妹を」
響「一緒だった特III型の姉妹は全員いなくなってしまった…でも吹雪型の姉は一人いる…」
妙高「一人いるから泣かないって理由にはならないわよ?」
響「泣かないさ…泣くわけには…いかないんだ」
妙高「どうして?」
響「彼女たちの死を…悲しむわけにはいかないんだ」
妙高「……どうして?」
響「彼女たちの死を悲しんじゃいけないんだ…彼女たちは…大日本帝国の…誇り高き…英霊として…くっうぅ」
ギュッ
妙高「泣きたい時に泣くのも、泣いていい時に泣くのも強さよ?」
響「う、うわああああああああああああああああああああああああああああ」
隼鷹「終わったんだな…」
鳳翔「そのようですね…」
葛城「アタシはなんか実感わかないっす」
鳳翔「葛城さん…」
葛城「空母として生まれたはいいけど活躍するなんてどころじゃなくてあっという間に終わっちゃいましたみたいなもんですからね」
葛城「でも先輩方の悲しみというかなんというかは…少し伝わってきます」
隼鷹「まあお前はそうだろうな…つっても私もあまり変わらねえが」
葛城「隼鷹さんは泣いたりしないんすか?」
隼鷹「私はもう納得したんだよ…この瞬間じゃなくて…仲間が沈んで行った時に納得したんだ、自分の中でケリをつけたんだ、だから泣かない」
葛城「アタシにはよくわかんないっす」
隼鷹「私だって何言ってるかわかんないさ、でもとにかく私は泣かないんだ」
葛城「まあそこらへんは自分にしか…いや自分でもわからないってことっすかねえ…鳳翔さんはどうなんですか?アタシらより大先輩じゃないっすか」
鳳翔「私は…確かに皆より年はとってますがそこまで前線に出たというわけではないですし、隼鷹さんと同じように心の中で納得してしまったんでしょうか…」
隼鷹「………………」
鳳翔「一つ心残りがあるとすればあのミッドウェーで何も出来なかったということかしら…」
葛城「ミッドウェー…アタシは知らないけど散々だったみたいっすね」
鳳翔「そう…散々だったわ…私は仲間の死を伝えることしか出来なかった…」
葛城「やっぱりみんな色々あるんすねえ……」
長門「みんなここにいたんだな…」
隼鷹「長門…」
雪風「長門さん」
妙高「長門さん」
長門「終わってしまったな…」
長門「色々ありすぎて何がなんだか…」
妙高「そうね…あなたは泣かないの?」
長門「仲間のための涙ならとうに流し切った、私が考えるのはこれからどうするかだ」
高雄「これから…」
葛城「どうするか」
響「確かに、いつまでも後ろを向いてちゃダメだね、この国はいささか壊れすぎた」
長門「そうだ、だが…一つ…たった一つだけずっと言えなかった言葉がある、それを今言いたいんだ」
響「まだまだ仲間たちには届くよ、彼女たちは見守っててくれてる」
長門「そうじゃない」
響「え?」
長門「沈んで行った戦友たちにじゃない、今生きてるものへの言葉だ」
鳳翔「それって…」
長門「隼鷹」
隼鷹「な、なんだよ」
長門「すまなかった」
隼鷹「…………………」
長門「私がもっとはやく動いていれば…」
隼鷹「…………で」
長門「…………………」
隼鷹「なんで今更…そんなこと言うんだよ!」
隼鷹「私は!私は納得したんだ!あの時曳航が検討された時点で飛鷹はもうほとんど無理だったって!!長門が速かろうが遅かろうが無理だったって…そう思って…やってきたのに…今更そんなこと言われたら揺らいじゃうだろ…」
長門「私が言えた口ではないとは思うが隼鷹…お前も泣いていいんだ」
隼鷹「うっうあああ…出雲丸…出雲丸ぅ…」ポロポロ
まあTwitterに流れてた画像なんで問題なさそうだから終わったら張りますね
長門「大丈夫か隼鷹」
隼鷹「ああもう大丈夫だ、あと一つ言わせてくれ」
長門「なんだ」
隼鷹「ありがとな、結果はどうあれ長門が飛鷹を助けようとしてくれてたのは事実だ、だからありがとな」
長門「ああ…」
雪風「あ、しれぇ」
北上「て、提督」
提督「ここにいたか…皆を連れてきてくれって言ったじゃないか長門」
長門「す、すまない…話し込んでしまってな…」
提督「いいさ…皆言いたいことだったりなんだりがあるだろう」
提督「この国と…我々のこれからについて話がある」
潮「こ、これからどうなるんですか?」
提督「まずこの国だが米国が占領という形を取るようだ」
鳳翔「支配されるってことですか?」
提督「どうだろうか…しかし悪いようにはされないだろう…いくらなんでも無条件降伏した国をこれ以上どうこうするほど鬼畜ではないだろう」
高雄「立て直せるんですかね…」
長門「立て直せるさ、絶対にな」
高雄「長門さん」
隼鷹「そうだな…まあその都度考えていきゃあいいさ、時間はまだありそうだしな」
鳳翔「ふふふっ」
提督「まあ国全体の話は置いとこう…次は我々についてだ」
妙高「どう…なるんですか?」
提督「まあ実はほとんど何も決まっていないのだが一つ決まったことがある」
隼鷹「なんだよ、一つだけか、なら勿体ぶらずにさっさと言ってくれ」
提督「……………」
隼鷹「どうしたんだよ」
提督「米国による…長門の接収が決まった」
長門「………………」
隼鷹「なっなんだよそれ!!」
潮「長門さんは米国に行っちゃうってことですか?」
提督「そうなるな」
潮「そんな…!」
雪風「長門さんがいなくなるなんてダメです!長門さんが行くなら代わりに私が…」
響「無理だよ雪風」
雪風「……響さん」
響「長門さんは唯一生き残った戦艦だし戦果も上げてる、向こうが注目するのも当たり前さ」
響「でも行って欲しくない気持ちは同じだ、なんとかならないのかい司令」
提督「ならない、これはもう決定事項だ」
鳳翔「そんな…でもこんなの…」
長門「いいんだ」
提督「長門…」
長門「私が行けば済む話だ、それに私はもう戦える状態ではない、奪うだけ無駄というものだ」
長門「この国が再生する様を間近で見れないのは少々残念だがな」
雪風「長門さん…」
長門「私は大丈夫だ、なんたって強いからな」ナデナデ
雪風「はいっ!」
北上(今さっき自分でもう戦えないって言ったじゃん…)
提督「じゃあ長門…いいんだな?」
長門「ああ、何も問題はない」
それからの我が国は激動だった
しかし長門の言うとおり日本は持ち直した、いや前よりもずっといい国になったと思う
その様を長門に見せられなかったのが唯一の心残りといえば残りだ
長門以外のみんなも終戦後輸送艦として働いたり解体されたりとそれぞれの最後を迎えて行った
肝心の長門は翌年の3月米国の核実験の標的艦とされ同じく接収された酒勾と共に最後を迎えた
その知らせを聞いた時皆はこれでもかというくらい泣いていた、もちろん俺も
それくらい長門は慕われていた
だが長門の望む通り日本はよくなった、長門も喜んでくれてると思う、多分な
終わり
補足
長門は唯一生き残った戦艦との言葉がありますが伊勢や日向も生きてはいますが航行可能状態でなかったのとめんどくさかったので省きました(後者が主な理由
北上も航行状態ではなかったですがこれを書くきっかけとなった画像に北上がいたので混ぜました
葛城ではなく利根か青葉を入れればよかったかなと考えなくもないですがなんか扱いにくかったので省きました
龍鳳でも天城ではなく葛城を選んだのは鳳翔が最初の空母で葛城が最後の空母だからいい感じだなと思ったのと最後の空母だから後輩キャラかなーとふと思ったので
長門の接収話を出した時点で酒勾も出しとくべきだったんですがよくわかんなかったので無視しました
長門による飛鷹曳航のとこは結構独自解釈入ってます
あと鳳翔の話をもう少し盛り込めればと思ったのですが鳳翔に関してはミッドウェーで飛龍だか蒼龍の写真を撮ったくらいしか知らなくて…
最後に、元画像には58も書かれてましたが潜水艦はいささか数が多いしこういう場では扱いにくいので省きました
秋月型?松型?知らない子ですね
それ!その画像です!
深夜に見て思わず泣きそうに…
このあとこのSSをぶち壊しかねないおまけを投下してきますのでこれで満足してくれたなら見ない方がいいかも
>>25
アーイキソ
おまけ
提督「長門も喜んでくれてると思う、多分な」
\はいカットー!/
提督「終わったああああ!!」
鳳翔「お疲れ様提督」
提督「ああ鳳翔もお疲れ、みんなのお母さん感出ててすごくよかったぞ」
鳳翔「そんな…提督こそ迫真の演技でしたよ?」
提督「ん、ありがとな」
隼鷹「ようやく終わったなあ…」
葛城「劇中と同じセリフ吐いてるはずなのになんか全然違うっすね」
隼鷹「当たり前だろ」
北上「おつかれー」
高雄「お疲れ様ー」
提督「みんなお疲れ様、よくやってくれたよ」
北上「まあねーこの北上さまにかかれば軽いもんよ」
妙高「確かにすごかったわね」
那珂ちゃん改二と思しき画像出てたけどあれがマジなら那珂ちゃんマジトップアイドル
ーーー
北上「どうでもいいんだけどさ」
提督「なんだ?」
北上「今回提督一番出番少ないのに一番いいとこ持ってった感あるよね」
提督「なっ!い、いいだろ!俺提督なんだしさ!」
北上「まあいいんだけどね」
提督「じゃあ言うなよ…」
北上「大井っちに呼ばれてるからもう行くね?」
提督「おう…」
霧島「みんなお疲れ様!」
隼鷹「おっ!総監督兼音響担当のメガネ様だ」
霧島「なんですって」ギロッ
隼鷹「ひゃっはー!マイクチェックされるー!」
霧島「このっ!」
提督「まあまあいいじゃないか、隼鷹の演技すごかったろ?」
霧島「ま、まあまあですね…」
提督「相変わらずだなあ」
葛城「監督さん監督さん」
霧島「ん?なんか用?」
葛城「ちょっと物申したいことがあるんすけど」
霧島「何よ」
葛城「いやなんというか、最終回だけなんで最初からぶっ通しなんすか?誰か一人でもミスったらやり直しじゃないっすか、プレッシャー半端なかったんすけど」
霧島「そうね…なんというかそういう緊張感を出したかったのよ」
葛城「へー!そうなんすねー!」
提督(今考えた感がヤバイ)
葛城「でもそのせいでもうテイク数数えるのも億劫になるくらいやり直してやり直してやり直してこんな日が経っちゃいましたねーー!!」
霧島「ぐっ!」
提督(酷いな…)
龍田「あらここにいたのね」
葛城「あ、龍田さんチーーっす」
龍田「こんにちは、なんの話をしてたの?」
葛城「メガネ監督の判断によって今回の撮影が遅れに遅れたという話をしてました!」
霧島「誰がメガネよっ!!」
龍田「まあまあ、あれは私もいい案だと思ってGOサイン出したから、たとえそれで当初の予定を大幅に遅れたとしても霧島さんを責めないであげてね?」
提督(今考えたんじゃないのか)
龍田「あと、今回一番NG出したの葛城ちゃんだからそこのところ覚えておいてね?」
葛城「うっ!は、はい……」
提督(龍田やっぱ雰囲気が怖いな……)
長門「おーい!提督ーー!」
提督「お、どうした長門」
長門「それが今回のメインキャストでご飯を食べようという話になってな、所謂打ち上げというやつだ」
葛城「いいっすねえ!」
龍田「あらそれは楽しそうね」
霧島「まあいいんじゃないかしら」
長門「じゃあ早く行こう、赤城や加賀がノリノリでな、もう待ちきれないと」
葛城「それじゃあレッツゴーっすね!ほら提督もはやく!」
提督「まあたまには悪くないな…」
提督「って!メインキャストでってメインキャスト100人は余裕で超えてるぞ!?どうするつもりだ!?」
長門「提督、何をしてるはやく行くぞ」
終わり
このSSまとめへのコメント
日本のいちばん長い日、海軍版
大西瀧治郎の自決と宇垣纏の最後の特攻で締めくくらないと全く締まらない。