優希「花田先輩が恋をしたらしいじぇ」和「へぇ……」 (70)

和「それは素晴らしいですね。どんな女性にでしょうね」

優希「何を言ってるんだじぇ?恋したって言うなら、普通男相手にじゃないのか?」

和「花田先輩に限ってそんな事はありません。何せ新道寺に進んだお方ですから」

優希「確かに女子校だけど……。まぁ、詳しく話を聞くじぇ」

和「えぇ。同性愛なら私が。異性愛なら優希が相談に乗ればよろしいかと」

和「ところで優希はなぜ花田先輩の恋をしたのを知ってるのですか?」

優希「花田先輩のプロダクションに入ってるからだじぇ」

和「プロダクション?」

優希「ゲームの話だじぇ。ついさっきフェスが終わった所だじぇ。何か近々、長野に帰って来るとか」

和「ゲームですか。花田先輩と一緒にゲームをしてるんですね」

優希「そうそう。そこのチャットでよく話すじぇ」



そして数日後

煌「長野県に帰って来ました!この冷たく新鮮な空気、すばらです!」

和「明けましておめでとうございます」

優希「おめでとうだじぇー」

煌「おおっ!優希に和、出迎えとはすばらです!どうぞ今年もよろしくお願いします」ペッコリン

和・優希「よろしくお願いします」ペッコリン



和「立ち話も何ですから移動しましょう。アイスティーが美味しい喫茶店がありまして」

煌「長野も私の知らない店が増えてますね。楽しみです」

優希(なんでこのクソ寒いのにアイスティーなんだじぇ?のどちゃんはたまにおかしな事やらかすじぇ)

喫茶店

和「マスターいつものセットを三つ下さい」

マスター「はいよ。そっちの小さいお嬢ちゃんもアイスティーでいいのかい?」

優希「私、オレンジジュースがいいじぇ」

和「すいませんマスター。この子はこちら側ではないので……。オレンジジュースに代えてやって下さい」

マスター「いいって事よ。ノンケだってホイホイ歓迎しちゃうお店なんだぜ、うちは」キュキュ



和「さてと花田先輩、恋をしたと言うお話を聞きましたが」

優希「どんな男だじぇ!?イケメン?イケメンなのか!」

煌「はははっ……、話が早いですね///ええっと……、あれは去年の夏の大会中の出来事でした……」

去年の夏

煌「あのっ……、園城寺さんのお見舞いに行ってもいいですかね?」

哩「園城寺?ああっ先鋒戦で倒れた子?」

美子「別にいいと思うよ」

哩「そうだな。花田ば個人戦も出やんし、残りの時間好きな事に使うとよか」

仁美「これでお見舞いの品でも何か買いんしゃい」


一万円を渡す仁美

煌「一万円もいいんですか!?」

仁美「ええ、ええ。アベノミックスで儲けさして貰ったと。何もかんも民主党が悪かった」

煌「江崎先輩、ありがとうございます!」ペコリ

ミーンミンミンミン……

煌「暑い……、夏は暑いですね……」ポタポタ

煌「雪国育ちですから、夏はすばらではありません。しかも東京の夏は……暑い、暑過ぎます」

煌「少しベンチで休みましょう。園城寺さんの許可も取らないといけませんし」



~電話中~~

竜華『じゃあ、お待ちしてますで~』ガチャ、ツーツー


煌「ふぅ、特に問題なく許可が下りました。もう少し休憩してから行きましょう」

煌「あっ……お見舞いの品買わないと。しかし一万円札しかないとお店の人に悪いですね、お金を崩しますか」

煌「ちょうどいい所に自動販売機が!」

自動販売機「……」ドーン



煌「一万円札対応ですかねぇ?あっ対応ですね、良かった」

自動販売機「……」ニコッ


煌「暑いですから、冷たい飲み物でも……。ヤシの実サイダー、これで」ウィーン

自動販売機「……」ピーガー



煌「……」

自動販売機「……」シーン

煌「出て来ませんね。もう一度」ポチッ

煌「……出て来ない。もう一度」ポチポチ


シーン

煌「お金は……しっかり入ってますし。じゃあ、返却しますか」

返却ボタンをガチャガチャする煌

煌「あれ?あれあれ?」ガチャガチャ

煌「お金も出て来ません」カタカタ



煌「あのっ!そう言った冗談は好みませんの!すばらくないですよ!」ガチャガチャ

自動販売機「……」ニタアァァァァァァ

煌「困った……困った……非情に困りました」ポチポチ、ガチャガチャ

自動販売機「……」シーン

煌「お金、返して下さい。この一万円はとても大切なお金なんです」ガチャガチャ

自動販売機「……」シーン

煌「お汁粉でもいいですから、出して下さい!この不肖花田が炎天下の中、完食して見せますからぁ!」ポチポチ

煌「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ!?!?!!?!??!?!」



塞「そこの新道寺女子の制服着た君、どうしたの?何か困ってるの?」

煌「えっ……」

塞「ごめんね。急に話しかけて。何か困ってそうだったから」

煌「その……実は、お札が出て来なくて……。少し困ってました」

塞「ああっコイツね。コイツがお金を返さないわけだ」ジロッ

自動販売機「……」アセアセ

煌「業者に電話して、ここで待つしかないのでしょうか……」

塞「この暑い中、いつ来るかわからない業者待つなんてしんどいじゃない」



塞「いいわ。お姉さんに任せて、貴方名前は?」

煌「新道寺女子二年生の花田煌と申します」

塞「煌ちゃんか~。煌ちゃん、裏技があるのよ。自動販売機には裏技がね!」

塞「さて……東京の自動販売機は手強いのかしらねー。あっこれ持ってて」スチャ

煌(モノクルですか?)

塞「後、少し離れててねー。さてと」トントン


小刻みにリズムを整える塞、そして



塞「チェストおぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」

バシ――――――ン!

煌(この方、自動販売機を蹴りましたよ!?)


自動販売機にキレのいい蹴りが炸裂するが


自動販売機「……」プルプル


が、何も出て来ない

塞「へぇーやるじゃん。今のを耐えるなんてさ」

煌「あのぉ……自動販売機蹴るのはすばらではないかと……」

塞「いいのいいの。お金返さないコイツが悪いんだからね、まだまだ行くよ」


塞はもう二歩後ろに下がった

塞「……とりゃああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」バキッッッ


ズゴ――――――ン!!!!!

蹴りではなく飛び蹴り、流石の自動販売機もこれには


自動販売機「……」ンホオォォォォォォォォ


ピーーーガーーー、ガコン……ガラガラ……

煌「あっ、お金とジュースが出て来ました」

塞「はい、いっちょあがり」ニカッ

煌「あっ……///あ、ありがとうございます///」

塞「お金は全部返って来た?足りないなら、もう二、三発いっとくけど」

煌「い、いえいえ。お金は返って来ました。しかしジュースがこんなに大量にありますけど」

塞「いいのいいの。貰っておきなさいよ」

煌「いや、しかし!」

塞「いちごおでん?こんなに暑いのに、おでんなんか出て来ちゃった……、これ貰っていい?」

煌「私の物ではありませんから……、別にいいと思いますが」

塞「やったー、エイスリンさんが喜びそうだ。じゃあ、私はこれで」

煌「モノクルです」

塞「あっ……忘れた。ありがとね」

煌「すいません、せめてお名前を教えて頂けませんか?」

塞「名乗るほどの者でもないよ」タッタッタ

そう言って塞は走り去った


煌「……すばらな女性です///」



ツンツン頭「すげー、最近の女子高生はパンツ履いてないのか」

シスター「モロだったね。私、アワビが食べたい!」

ツンツン頭「アワビなんて食べられるわけないだろ!いくらすると思ってるんだ!」

シスター「む~~~」

喫茶店


煌「……その方を思い出すと夜も寝れません」

優希「なんだ女かじぇ」

和「恋ですね。間違いないです」

優希「前は隣の部屋のレズカップルの喘ぎ声がうるさくて寝れないって言ってたじぇ」

煌「あのお二人は卒業も近いとあって、最近ハイペースで……。だから、長野に帰って来たのもあります」

和「寮って色々大変ですね」

煌「今日はぐっすり眠りますよ」

煌「しかしまぁ……恋とは言っても……」ズズズ

煌「相手の名前も知らないし、もう二度と会える事もないかもしれません。これは私の片思いですね……」ズズズ

優希「うーん、諦めるしかないじぇなぁ。次の相手探すとか」

煌「……次の恋に進めと?」

優希「何ならうちの染谷先輩か咲ちゃん紹介するじぇ」

和「優希、私の前でそんな冗談よく言えますね」ギロッ

優希「ももももも、もちろん染谷先輩の事だじぇ」ビクビク

和「ちょっと待って下さい。その方、ボンバーマンみたいな髪型してませんでしたか?」

煌「そう言えば……、ボンバーマンみたいな髪型をしていましたね」

優希「モノクルでボンバーマンって言えばまるであの人みたいだじぇ」ケラケラ

和「私ももしかしてと思ったんですよ。確かあるサイトに写真があったような」ポチポチ


スマホで宮守の写真を見せる和

煌「こ、この方は!?」

和「ビンゴみたいですね。この人は、宮守の三年生で臼沢塞さんと言います」

優希「のどちゃんと対戦してた人だじぇ」

煌「そんな接点があったとは!すばら!すばらですよ!素晴らしいです!お二人とも!」

優希のじぇ、池田のしは連発傾向にあるかも

和「元部長ならば連絡先を知ってるかもしれません」

優希「元部長なら知っててもおかしくない」




プルルルルルル

久「はい、もしもし」

和「あっお久しぶりです。実は~~~~~」

久「塞の事?今、隣で寝てるけど」

和「ファッ!?」



煌「……」ドキドキ

胡桃「誤解を招く言い方しない」プスッ

久のケツにカンチョーを食らわす胡桃

久「ほんぎゃああぁぁぁぁぁ!!!?!??!」


胡桃「もしもしお電話代わりました。鹿倉です」

和「えーっと中堅の方ですよね?」

胡桃「そうですよ。今、竹井さん達とスキーしてますよ」



煌「……」ドキドキ

和「ちなみにどこでスキーしてますか?」

胡桃「長野だよ」

和「!?」



~~~~~~~~~~~~


ガチャ、ツーツー

和「……」

優希「ん?連絡先わかった?」

煌「……」ドキドキ



和「えぇ、わかりました。彼女は今、長野に居ます!」

煌「えぇぇぇぇぇぇぇ!!!?!?!」ガーン

同じ頃、龍門渕の屋敷にて

透華「ハギヨシ、ハギヨシは居ませんの?」

ハギヨシ「はっ……ここに」シュバッ

透華「今すぐ車を用意なさい」

ハギヨシ「どこかに行かれるおつもりですか?」

透華「お姉様が長野にいらっしゃいました」

ハギヨシ「!?」

ハギヨシ(臼沢塞。あの方が……)

スキー場にあるホテル

久「ああっ……塞のケツ枕最高だわ」スリスリ

塞「くっ……、私がなんでこんな事されなきゃなんないのよ!」プルプル

ゆみ「ふっ、勝負に乗ったのは君の方だぞ」

白望「スキー勝負で負けたら何でも言う事聞くとか言うから……、だるっ」



美穂子「上埜さあぁぁぁぁん!ヴえ゛の゛ざあ゛あ゛あ゛ああ゛ん!?!?!?!」バタバタ

豊音「暴れんな……暴れないでよ……、もー!」ガシッ

エイスリン「ストップ、ヘイバレンティンストップ!」ガシッ

胡桃「見て見て。今週の塞って恋愛運MAXなんだってー。良かったじゃん」ペラッ

胡桃「雑誌によると人生で最初のモテキが来るらしい」ペラッ

塞「モテキだー?そんな物来た所で……」

久「たまには真剣で私に恋してみない?」スリスリ

塞「し・ま・せ・ん!」キッ



コンコン、ガチャ

和「すいません、失礼します。お話があって来ました」

ハギヨシ「失礼します。透華お嬢様が大切なお話があるとの事で少しお時間を頂きたいのですが」

煌「塞お姉様、ずっと前からお慕い申しておりました///」

透華「塞お姉様、龍門渕の養子になりませんか!?」



煌・透華「「ん」」

煌「どちら様です?」

透華「貴方こそ誰ですの?」


煌「塞お姉様!」クワッ

透華「塞お姉様!」ガシッ

煌「私が先です」

透華「とんでもない。私の方が優先されます。そこをお退きなさい」

煌「退きません」

透華「ほぅ……この龍門渕透華を前にして退かないとは……、いいでしょう相手になりますわ」

ワーワーギャーギャー



塞「……なんだこれ」

胡桃「年下にモテるみたいだね」

久「どっち選ぶの?それともわた……」美穂子「上埜さんっ!」ポカッ



塞「恋愛は受験終わってからね」


終わり

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