アルミン「僕がエレンに恋愛相談?」エレン「ああ」(601)

夜:――男子寮――

アルミン「え?」ピトッ

ジャン「え?」ピトッ

コニー「え?」ピトッ

ライナー「え?」ピトッ

ベルトルト「え?」ピトッ

マルコ「え?」ピトッ

エレン「熱はねえよ。っていうか、アルミン以外、俺のおでこに触れてもねえよ」パシッ

エレン「ただ、アルミンの恋愛相談に乗ろうと言っただけでこの扱いは酷くねえか?」

アルミン「いや、だって。普段を考えると。どうしたの突然? エレンってこういうの興味なかったよね?」

エレン「まぁ、恋愛なんて巨人を倒すのに役に立たないから興味なんてねえけど……」ポリポリ

ライナー「おいおい、どういうことだ?」

アルミン「それがよく分からないんだ。突然言い始めて……」

ライナー「エレンらしくねえな。普段、こういった話題が出ると、真っ先に寝てたじゃないか」

エレン「ほら、俺っていつもアルミンに迷惑ばかりかけてるだろ? だから何か役に立てないかなって思ってさ」

エレン「だけど、役に立てるものなんてなくてさ。立体起動とかは、悔しいけどジャンとかの方が得意だし」

ジャン「まぁ、当たり前だな」フフンッ

エレン「くそっ、分かってるけど腹が立つ!」

ジャン「そう思うんなら、俺よりもうまく扱ってみろよ」ニヤニヤ

エレン「んだとっ! 対人格闘じゃ俺に勝てねえくせに!」

アルミン「エレン、落ち着いて。人には得意不得意があるんだから」

マルコ「ジャンも」

ジャン「分かったよ」

アルミン「それで? エレン続けてくれる?」

エレン「格闘に関してはアニに教えてもらうのが一番だろうし。座学なんてもっての外だろ?」

エレン「そもそも俺がアルミンに教えられる自信がない」シュン

ライナー「まぁ、そうだな」

エレン「だから、せめて相談に乗ろうかと思って……」

アルミン「いや、だからって恋愛相談って……」

アルミン(言えない。君がミカサの想いに気が付いてくれるのが一番の恩返しだなんて)

エレン「いや、正直な話。俺がアルミンが悩む問題を相談されても答えられるなんて思ってない」キッパリ

エレン「だけど、恋愛相談なら少しはましかなって。ほら、何か手伝えることがあるかもしれないだろ?」

アルミン「エレン……。そこまで僕のことを考えてくれて……」ウルッ

ライナー「いい話だ……」ウルッ

コニー「ああ、すげぇ泣ける」ズズッ

ベルトルト(どうしてだろう、親が子供の成長を喜んでいるように見える)

アルミン「エレン。僕はその想いだけで……」ハッ!?

アルミン「……いや、うん。お願いしようかな?」

エレン「おうっ! 任せろ! で、アルミンは誰が好きなんだ?」
 
アルミン「うん。こうやって改めて言うのって恥ずかしいけど……クリスタなんだ」テレテレ

ライナー「アルミン! お前という奴は! なんと――」

エレン「クリスタ? えっと誰だっけ?」

ライナー「エレン!?」クワッ

エレン「な、なんだよ」

ライナー「お前は女神を知らないだと!? どんな疲れもあの笑顔を見れば吹っ飛ぶ笑顔ッ! 全ての人を魅了する声! 愛らしい、抱きしめれば腕の中に収まる体躯! まさに女神!」

ベルトルト「ライナー……」ハァ

エレン「女神!? アルミンが好きな奴って女神なのか!?」

コニー「まじなのかっ! やべぇ、女神って実在したのか!」

ジャン「あいつらが馬鹿なのは仕方がないんだよな」

マルコ「うん。仕方がないと思う」

アルミン「ライナー。君のせいでエレンが混乱してる。エレン、大丈夫。クリスタは立派な素晴らしい人間だよ」

エレン「良かったぁ~」ホッ

コニー「なぁなぁ。女神ってどこで捕まえられるだ?」

ジャン「黙ってろ、馬鹿」

アルミン「えっと、覚えてない? 金髪で小柄な女の子」

エレン「あ~。アニじゃないよな?」

アルミン「うん。それはアニだね。クリスタじゃないよ」

ライナー「おいおい。あんな攻撃的な女と女神を一緒にしないでくれ」

夜:~女子寮~


アニ「……ん?」イラッ

ミーナ「どうしたの? そんな険しい顔して」

アニ「いや、誰かに侮辱された気がして……」

ミーナ「気のせいじゃない?」

アニ「そうだね……」

アニ(明日、ライナー蹴っとこ)

――男子寮――

エレン「背が低くて、金髪。いたような、いなかったような……」

アルミン「ほら、馬術でトップの子」

エレン「ああ、あいつか!」

ライナー「」

コニー「」

ジャン「」

マルコ「」

ベルトルト「」

アルミン「いや、うん。皆の言いたいことは分かるよ。でも、これがエレンだから」

エレン「な、なんだよ」タジタジ

アルミン「ううん。それでね。そのクリスタと仲良くなりたいんだ」

エレン「任せろ! それで俺は何をすればいいんだ!?」

ジャン「結局アルミン頼りかよっ!」

マルコ「まぁまぁ」

ライナー「だが、正しい判断だ。エレンにその手を考えるのは苦手そうだしな」

エレン「ああ。正直な話、恋愛感情とかよく分かんねえし。下手に動いて足を引っ張ったら元も子もねえからな。アルミンに指示を仰いだ方がいい」

アルミン「分かった。それじゃあエレンはクリスタに声をかけて欲しいんだ」

エレン「それだけでいいのか?」

アルミン「うん。最初は世間話をして、暫くして馬術を教えて欲しいって頼むんだ」

アルミン「女神様のことだ。きっと承諾してくれるはず。そしたらこう言って欲しい」

アルミン「『なら代わりに座学を教えてやるよ』って」

エレン「アルミン。俺、人に教えられるほど座学の成績良くないんだけど」

アルミン「良いんだよ。その時、僕が手伝いを申し出るから。そうすれば一緒に勉強できる。やってくれる?」

エレン「よく分かんねえけど、こういうのって二人きりになるもんじゃねえのか?」

エレン「俺が居ていいのか? 何だったら俺がアルミンを紹介して、二人で勉強した方がいいんじゃないのか?」

アルミン「いや、最初からそれは恥ずかしいからね。エレンも一緒に居て勉強したいんだよ」ハハッ

エレン「分かった。アルミンの指示が間違ったことなんてないしな。よし、やってやる!」

アルミン「ありがとう!」ガシッ

エレン「や、やめろよ。恥ずかしいって。それじゃ、早速やって来る!」ダッ!!

アルミン「いってらっ……あれ?」

ジャン「なぁ、あいつが馬鹿なのは仕方がないのか?」

マルコ「ああ、うん」

コニー「な、なぁ。エレンが何で今行動したのか分かんねえのは俺が馬鹿だからじゃねえよな?」

マルコ「あ、うん」

今日はここまでです。
見てくれた方に感謝を。それではおやすみなさい。

>>1です。遅くなりましたが少し投下します。

ライナー「アルミン。お前は何ということを……」

ライナー「クリスタのあるところにユミルありだぞ? ユミルは確実にこの作戦に気づく。そうなったらお前の命が……」

アルミン「……ライナー。僕はね、エレンが気にかけてくれたのが嬉しいんだ」

アルミン「勿論、エレンが親友として僕を大事に思ってくれているのは知ってる」

アルミン「それでも、こうやって言葉にして、行動してくれるのがすごく嬉しかったんだ」

アルミン「だから、その想いを無下になんてしたくない」

アルミン「それに、これを機にエレンが恋愛に興味を持ってくれたら……」チラリ

ジャン「コニー、お前いい加減に――ん? 何だよ?」

アルミン「ううん。何でもないよ」ハハッ

アルミン「ジャンには悪いけどミカサの想いがエレンに伝わるかもしれないから、ね」ニコッ

アルミン「そう思ったら、こういうのも悪くないかなって」テレッ

ライナー「アルミン、お前……」ウルッ

アルミン「泣かないでよ!」

ライナー「お前、良いやつだなぁ」

アルミン「はははは、そうかな」

アルミン(そう思うのは君だけだよ)ニヤリ

ゲスミン(そう。普通に考えればユミルの手により失敗する。だが、それはエレンがいない場合だ)

ゲスミン(残念ながら僕にはエレンという免罪符の切り札がある)

ゲスミン(失敗した場合、ユミルは制裁を加えに僕のところに来るはず。そして、クリスタも一緒に居るはずだ)

ゲスミン(そこが僕の狙い目。今回のことはエレンに恋愛感情を知ってもらうための嘘だと言えばいい!)

ゲスミン(そしてエレンとミカサをくっ付けるために協力をしてくれるように申し出る)

ゲスミン(ミカサのエレン熱は104期生の中で知らない者はない。当然、二人も知ってるはず)

ゲスミン(ユミルは面白さ、クリスタは純粋な親切心から頷くはず。そうなれば後はこっちのものだ!)


ゲスミン(後はクリスタにエレンとミカサがくっつくための作戦に協力してもらうように頼み込むだけだ)

ゲスミン(そうすればユミルが居るとはいえ、僕はクリスタと仲良く話をする機会が増える! そうなればあとはこっちの勝ちだ!)

ゲスミン(エレンは僕の役に立ててバンザイ。ミカサは想いが通じてバンザイ。クリスタは彼氏が出来てバンザイ)

ゲスミン(まさに完璧すぎる計画だ。誰一人傷つくことなく、それどころか二組のカップルが生まれる)

ゲスミン(そう、エレンの働きは成功しようが失敗しようが僕にはメリットしかない!)

ゲスミン(エレン、君は僕の役に立ってくれてるよ!)

今日はここまでです。
読んでくださった方々に感謝を。
……明日はもう少し早く上げれると思います。

>>1です。感想などありがとうございます。皆様が楽しかった。
と思っていただけるよう頑張っていきたいと思います。
それとNTRはないです。期待した方、申し訳ありません。
それでは再開します。

――女子寮前――

エレン「やべ。ここまで来たのはいいけど、俺入れないし、アルミンがいないから意味ないじゃん」

ヤッパクリスタハカワイイナァー
モウッ!

ユミル「怒んなよ。それにしても、って、死に急ぎ野郎じゃねえか。おいおい、女子寮前で何してんだよ? 夜這いか?」クククッ

エレン「ち、ちげえよ! 少し困っててな……」

クリスタ「ユミル? 知ってる人?」

エレン「金髪?」

クリスタ「え、わ、私? そ、そうだね」

エレン「背が小さい?」

クリスタ「……そ、そうだね」ズーン

ユミル「おい! 私のクリスタを落ち込ませるとはどういうことだっ!」

エレン「わ、悪い! 別に傷つけるつもりじゃなかった!」ガバッ

クリスタ「い、いいよ! 背が小っちゃいのはほんとだし」

クリスタ「だから頭上げて?」

エレン「ごめんな。ちょっと確認したかったから」

クリスタ「確認?」

エレン「えっとクリスタなんだよな?」

クリスタ「う、うん」

エレン(……やべえ。世間話をしろって言われたけど何も思いつかない)タラリ

エレン「……」

クリスタ「?」

クリスタ(えっと、突然黙り込んじゃった。私に何か用なのかな? でも違ったら恥ずかしいし、どうしよ……)

ユミル「おい、死に急ぎ野郎。用事があんだろ? もし、付き合ってくださいとかの告白だったら容赦しねえぞ」

クリスタ「ユ、ユミル! そんなわけ――」

エレン「え!? 告白駄目なのか!?」

ユミル「……」

クリスタ「…………」


エレン(やばいな。まさか、クリスタに告白するのは駄目だなんて。アルミンになんて言えばいいんだ?)

エレン(せっかく、アルミンが俺に相談してくれたっていうのに。このままじゃ駄目だ。どうにかしないと……)

ユミル(は!? まじなのかっ!? こいつ巨人のことしか頭にねえ奴だと思ったら、クリスタに告白って。おいおい、ミカサが居るだろうが)

クリスタ(あ、あれ!? 何かおかしなことになってる? あれ? さっきまでユミルと一緒に夜の散歩しようとしてたはずなのに)

クリスタ(気が付いたら死にたがり野郎さんに絡まれて、背が小さいって言われて、本人確認されて――)

クリスタ(ユミルが告白は駄目って言ったら彼が驚いて――あ、あれ!? どうしてこんな状況になってるの!?)アワワワ

エレン「…………」

ユミル「…………」

クリスタ「…………」

エレン「なぁ、告白どうしてもだめか?」

ユミル「だ、駄目に決まってんだろ!」

エレン「どうしても?」

ユミル「しつこい!」

クリスタ(あれ? 私が答える前にユミルに答えられてる。でも、やっぱり知らない人から告白なんて。断るべきだよね)

クリスタ(でも、告白されてないのに断るなんておかしいし。えっと、どうすれば……)

クリスタ「あ、あの!? 死に急ぎ野郎さんの名前って」

ユミル「おい、クリスタ。下手に関わるなって! 面倒なことにしかならねえよ」

今日はここまでです。
これを読んで下さった皆様に感謝を。

>>1です。再開します。
>>40
(誤 クリスタ(気が付いたら死にたがり野郎さんに絡まれて
(正 クリスタ(気が付いたら死に急ぎ野郎さんに絡まれて
すいません。間違えてました。

エレン「死に急ぎ野郎さんって。俺の名前はエレン・イェーガーだ」

ユミル「お前も勝手に名乗るなよ!」

クリスタ「……エレン? あのエレン?」

エレン「どのエレンかは知らないけど。エレンだけど」

クリスタ「調査兵団希望のエレン?」

エレン「あ、ああ」

クリスタ「ミカサがいつも話してるエレン?」

エレン「……あいつ、寮でなに話してんだよ」ハァ

クリスタ「あの、エレンなんだ……」ワァ!

エレン「あいつ俺のことで何話した?」

クリスタ「えっと、主に過去の話かな? 昔、アルミンが苛められてたら助けに行ったとか」

クリスタ「寂しくて泣きそうになったら一緒に寝てくれたとか。一緒にお風呂に入ったとか」

エレン「ったく、恥ずかしいことを」カァ

クリスタ「男子寮で時たま話に混ざれなくて困ってるとか、恋愛話になるとそそくさと眠るとか」

エレン「なんでミカサは男子寮の内容を知ってるんだ?」

クリスタ「アルミンに聞いたんじゃないかな? 時々、アルミンの話題も出るから」

エレン「ったく、アルミンもペラペラと……」

ユミル「おい、私を無視して話を進めるな!」ダンッ

エレン「うおっ!? わ、悪い」

クリスタ「ユミル、ごめんね。いつもミカサが話してるエレンだと思ったら、つい……」

ユミル「クリスタは良いんだぞぉ。だがエレン。お前は駄目だ!」

エレン「なんでだよっ!」

ユミル「そりゃ、お前が――」



ミカサ「――何をしてるの、エレン?」

ユミル「ミカサ!?」

エレン「ミカサこそどうしたんだ? そろそろ就寝時間だぞ?」

ミカサ「エレンが私を呼んだ気がして」

エレン「呼んでねえよ。ちょっと、クリスタに用があっただけだ」

ミカサ「クリスタに? どうして? エレンとクリスタに接点はなかったはず」

ミカサ「それに就寝間際に外に出るのは感心しない。それに女子寮の前で男子一人では要らぬ噂が立つ」

エレン「一々説教をしなくても分かってる! お前は俺の母親かよっ!?」

ミカサ「いいえ。私はエレンの家族」

エレン「ああ言えばこう言うなっ!」

ミカサ「エレンが駄々をこねるから」

エレン「こねてねえよ! 俺は子供じゃねえ!」

ミカサ「そう言ってる時点で子供」

ユミル「おいそこの痴話げんかしている夫婦」

エレン「夫婦ってなんだよ」

ミカサ「……私たちは家族」

ユミル「そんなんどうでもいいんだよ。ミカサ、死に急ぎ野郎をどうにかしろ」

ミカサ「エレンは死に急ぎ野郎ではない」

ユミル「はいはい。エレンをどうにかしてくれ。私のクリスタに告白をしようとしやがんだ」

ミカサ「え……………………」フラッ

 バタンッ

エレン「おいっ、ミカサっ!? おいっ!?」

本日はここまでです。これを読んで下さった方々に感謝を。

>>1です。再開します。

ユミル「うわぁ。白目向いてやがる。よっぽど現実を受け入れたくなかったのか」

クリスタ「そんなこと言ってる場合じゃないよ! ミカサッ? 起きてっ! ミカサ!」ユサユサ

ユミル「どうするか……。と言っても運ぶしかねえか……」

ユミル「お、重い……。エレンお前が運べ。元はと言えばお前が悪いんだから」

エレン「なんで俺なんだよ! お前が訳の分からないことを言ったからこうなったんだろ!?」

ユミル「お前がクリスタに告白しようとしたのが悪いんだろ!?」

エレン「俺、そんなこと一言も言ってねえよ!」

ユミル「おい、じゃあ今さっきの告白について聞いたことはどう説明すんだ!?」

エレン「あれは――」

エレン(待て、こういうのって言ったら駄目なんじゃないのか?)

ユミル「あれは?」

エレン「いや、その。何でもない」

ユミル「ふーん」

ユミル(こいつのこの反応。誰かに頼まれたな?)

ユミル(よくよく考えれば、こいつはクリスタのことを知らなかった)

ユミル(姿を確認したってことは、誰かに聞いたからだろうな)

ユミル(問題は一体誰か、となるんだが)

ユミル(容疑者は二人)

ユミル(一人目はライナー。あいつのクリスタ好きは有名だからな)

ユミル(二人目はアルミン。中々隠しているようだが、時折、クリスタを見つめることがあるからな)

ユミル(他にも多くいるが、エレンと仲良くないという点で排除。一体どっちだ?)

ユミル「おい、今日お前賭け事したか?」

エレン「し、してねえよ!」

ユミル「そうか……」

ユミル(これで罰ゲームの線は消えた)

ユミル(恋愛話になると寝るような奴だ。わざわざ動くとは思えない。逆を言えばわざわざ動かざる負えない相手)

ユミル(そんな相手は一人しかいないか。なぁ、アルミン?)

ユミル(お前の頼みをエレンが断るはずがない。しかし、残念だったな。お前の企みは露呈した。私がそんなの許す筈ないだろ)

ユミル「よしっ、エレン! お前はミカサを運べ。私とクリスタはちょっと用事が出来た!」

エレン「はぁ!? なんで俺がしなきゃいけないんだよ!」

ユミル「か弱い女子二人にやらせるつもりか?」

エレン「か弱いって、クリスタはともかく、お前は違うだろ」

ユミル「おい、てめえ。いくらなんでも酷くねえか?」

エレン「だってお前、重いだけで背負えただろ?」

ユミル「背負えたからと言っても、重たいものを背負い続けるのは嫌なんだよ」

エレン「多少の重さぐらい頑張れよ」

クリスタ「ふ、二人とも。その、重いって言うの止めない? ミカサが可哀想だよ」

ユミル「あー、クリスタは優しいなぁ!」ギュッ!

エレン「駄目か? ミカサもやっぱ気にしてんのか?」

今日はここまでです。読んで下さった方々に感謝を。

>>1です。再開します。

クリスタ「やっぱり女の子って体重って気にするよ!」

エレン「そうなのか……」チラッ

ミカサ「」

エレン「はぁ、仕方ねえ。運ぶか……」

ユミル「ったく、最初から言うこと聞いときゃ良かったんだよ。よし、クリスタ行くぞ!」

クリスタ「え? 私行かないよ? エレン一人が女子寮に入ったら流石に不味いと思うから付き添うよ?」

クリスタ「それにどこに行くの? もう、就寝時間だよ?」

ユミル「えっとだな……」

ユミル(どうする? ここでアルミンのことをばらすか?)

ユミル(だけど、それで逆にクリスタが変に意識して面倒な展開になったら嫌だしな)

ユミル(かと言って、男子寮に行くと言ったら付いてくるわけねえし……)

ユミル(仕方ない、私一人でクリスタに近づかないように脅しとくか……)

ユミル「分かった。私一人で行ってくる。寂しくて泣いちゃだめだぞ~」ギュゥ

クリスタ「泣かないよ~!」

ユミル「エレン、クリスタに変なことしたらぶっ飛ばすからな!」

エレン「変なことってなんだよ?」

ユミル「……大丈夫そうだな」ハァ

ユミル「じゃあな」タッタッタッ

ユミル「じゃあな」タッタッタッ

エレン「何だったんだ?」

クリスタ「分からないね」

エレン「まぁ、いずれ戻ってくるか」

クリスタ「そうだね」

――男子寮――

ユミル「おいっ、アルミン居るか!」バンッ

アルミン「な、なに!? ユミル!?」

ライナー「おい、もうじき就寝時間だぞ? 教官にばれてみろ? 懲罰もんだぞ」

ユミル「そんなのが怖くて、動けるか! 最悪、お前らに無理矢理連れ込まれたって言えばいい!」

ライナー「最悪だ!」

ユミル「それが嫌ならアルミンを差し出せ!」

ライナー「ほれ」ズイッ

アルミン「ライナー!?」

ライナー「ユミルの目を見ろ。差し出さなかったら、本気で悲鳴を上げるぞ。一人の犠牲で助かるんだ」

ライナー「安いもんだろ?」

アルミン「君に優しさはないのか!?」

ライナー「兵士は時として、切り捨てる非情を持ち合わせなければならない」

アルミン「だからって――」

ユミル「それじゃ、借りてくぜ」ズルズル

アルミン「うう……」

アルミン(……計画通り)ニヤッ

今日はここまでです。これを読んで下さった方々に感謝を。

引きずられながらニヤけ顏してるアルミん想像したらワロタ
カプはあるなら早めに言わなきゃ荒れるぞ

>>1です。再開します。

>>85様 誰かが恋人関係になる予定はございません。
カプを楽しみにしてた方、恋慕を抱くことはありますが、
基本的には付き合うところまでは考えておりません。
期待して方々、申し訳ありません。

――男子寮前――

ユミル「さて、話は分かってんだろ?」

アルミン「さ、さぁ……」

アルミン(クリスタがいない!? 外で待ってると思ってたのに)

アルミン(まずい、想定外だよ。何かイレギュラーがあったのか?)

ユミル「お前、エレンを使ってクリスタと仲良くなろうとしただろ?」

アルミン「な、何のことかわから――」

ユミル「さて、死ぬ覚悟はできてるか?」パキッ、ポキッ

アルミン「落ち着こう。僕たちは話し合える」

ユミル「悪いな、生憎クリスタに近づこうとする奴に傾ける耳はねえよ」

アルミン「お願いだ、聞いてくれ。今回のことは理由があるんだ」

ユミル「……理由?」

アルミン「うん。大切な理由。僕の大切な親友二人に関して」

ユミル「……話してみろ」

アルミン「その前に、クリスタは?」

ユミル「? ほんとだったら一緒に連れてきたかったんだが、ミカサのせいで来れなくなっちまった」

アルミン(ミカサ!? イレギュラーすぎるよ! どこをどうやったらこのタイミングでミカサが出てくるの!?)

アルミン(エレン? エレンが近くに来たから出てきたの? だとしたら、怖いよ!)

ユミル「おい、さっさと理由を話せ。もし下らない理由だったら、分かってるんだろうな?」
 
アルミン(どうする? このままじゃ、クリスタに協力を求めることができない。だけど、この場から生き残るためには言うしかない)

アルミン(この状況で免罪符を使うことになるなんて……)

アルミン「実は――」


~~女子寮~~

エレン「運ぶか……」ヨイショ

ミカサ「」

クリスタ「ミカサ、起きないね」

エレン「ったく、いい迷惑だ」

クリスタ「そんなこと言ったら可哀想だよ」

クリスタ「ねぇ、エレンって、ミカサと家族なんだよね?」

エレン「ああ。血は繋がってねえけどな。それでも大切な家族だ」

クリスタ「……へぇ」

エレン「なんだよ」

クリスタ「いや、エレンってそういうの言うのを嫌がるのかなって思って」

エレン「? 大切な家族だって言うのに抵抗はねえよ」

ズルッ

エレン「っとあぶね。気絶した人間背負うのって結構大変だな」

エレン「……」

クリスタ「どうか、した?」

エレン「いや。よくよく考えてみると、ミカサをこうやって背負ったことってそんなにねえな」

クリスタ「そうなの?」キョトン

エレン「ああ。こいつ、昔から何でも一人で出来たからな。背負うことなんてなかったな」

クリスタ「それで、どう?」

エレン「どうって?」

クリスタ「だから、背負ってみて!」

エレン「あ~。やっぱ重――」

クリスタ「エレン」

エレン「っと、そうだった。まぁ、なんか変な感じだな。あ、でも――」

クリスタ「なに!?」

エレン「ミカサっていい匂いするんだな。こう、落ち着く匂いっていうか。普段あんまり気にしたことなかったけど」クンクン

エレン「シャンプーの匂いか?」

クリスタ「わぁ……」カァ

エレン「な、なんだよ?」

クリスタ「う、ううん」

エレン「……ちょっと、いいか?」クンクン

クリスタ「キャッ!? な、なに!?」バッ

エレン「いや、シャンプーの匂いなのか確かめようかと思って。でも、クリスタの匂いは微妙に違うな」

クリスタ「で、でも同じシャンプーだと思うよ?」ドキドキ

エレン「そうか、ならこれがミカサの匂いなのか?」

クリスタ「それで、今のがクリスタの匂いか……。やっぱ微妙に違う匂いなんだな」

クリスタ「お、お願いだから、私の匂いは忘れて!」

エレン「ど、どうした!? 顔真っ赤だぞ?」

クリスタ「……う~。エレンはもう少し女の子に対するエチケットを覚えるべきだと思う」

エレン「今の悪いのか!?」

クリスタ「その、悪いっていうか、恥ずかしいっていうか。う~」ジタバタ

本日はここまでです。ここまで読んで下さった皆様方に感謝を。

>>1です。再開します。

クリスタ(そんなの言われたら、気になっちゃうよ。変な匂いじゃないよね)スンスン

クリスタ(う~、告白のことも聞きたいけど。聞くのも恥ずかしいし! ど、どうしよう……)

クリスタ(でもさっき、告白じゃないって否定してたし。そ、そしたら一体何の用なんだろう?)

エレン「?」

クリスタ「えっと、エレン。ちょっと聞きたいことあるんだけど、いい?」

エレン「ああ、いいぞ」

クリスタ「その、違ったら恥ずかしいんだけど、私に何か用だったの?」

エレン「え? あ~」

エレン(やべ、忘れてた。だけど、告白したら駄目なんだよな。どうする?

エレン「その前に聞きたいんだけど、クリスタって告白をどう思う?」

クリスタ「へっ!?」

エレン「いや、今さっきユミルが告白なんて駄目だって言ってただろ? クリスタはどう思ってるんだ?」

クリスタ「あ、うん。そうだね。……嬉しいかな?」

クリスタ「その、告白ってすごく勇気がいることだと思う。色んな事とか考えて、不安になったりすると思うの」

クリスタ「それでも、告白するってすごいって思える。そういう人の告白って嬉しいと思うよ」

エレン「だったら、クリスタは告白されたら頷くのか?」

クリスタ「!? え、えっと…………」

エレン「だって、告白されたら嬉しいんだろ? 付き合うんじゃないのか?」

クリスタ「わ、分からない。もし、その人のことが大好きだったら頷くと思う」

エレン「?」

クリスタ「だ、だからね? 告白自体は嬉しいと思うよ? ただ、それに応えるかは別として、ね?」

エレン「よく分かんねえな。それに、クリスタがそいつのことが大好きだったらとっくの前に告白してるんじゃないのか?」

クリスタ「だーかーらー! すごく勇気のいることなの! そ、それに――」

クリスタ「やっぱり女の子としては告白してほしい、かなって」テレッ

エレン「やっぱり、わかんねえな」

クリスタ「エレンはまず女の子の扱い方を学ぶべきだと思う」

クリスタ(これだとミカサの気持ちなんて分かってないんだろうな)チラッ

ミカサ「」

クリスタ(告白したって聞いただけで気絶するなんて、家族なんて枠じゃ収まり切れないよ。もう、普通なら分かりそうなのに)

クリスタ(こうなったら!)

クリスタ「エレン!」

エレン「な、なんだ!?」

クリスタ「エレンに明日から女の子の扱い方と、エチケットを教えてあげる!」

クリスタ(そして、ミカサの気持ちに気づいてもらおう!)

エレン「いや、俺はいいよ」キッパリ

クリスタ「……え?」

エレン「いや、別にそういうの興味ないし。訓練で忙しいしな」

クリスタ「だ、駄目だよ!?」

エレン「そうは言ってもな。興味もないし、俺の役に立つとも思えない」

クリスタ(えっと、どうしよう。エレンが興味を持ちそうなこと。えっと……そ、そうだ!)

クリスタ「ば、馬術! 馬術教えてあげる! ならお得でしょ!?」

エレン「う、た、確かに。俺が女性の扱い方とエチケットを習う代わりに馬術を教えてくれるんだな?」

クリスタ「うん! もちろん!」

エレン(どうする? アニにも似たようなこと言われたけど。面倒だから無視してたんだよな)

エレン(だけど、馬術を教えてくれるなら。…………馬術? ……あ。忘れてた)

エレン(あっぶねえ。危なくアルミンからの相談忘れそうになってた。丁度いいじゃん)

エレン「じゃあ頼むよ。だけど、俺ばっかり世話になるのも悪いしな。座学を教えてやるよ」

クリスタ「え、そんなのいいよ! 私が好きでやろうとしてるんだから」

エレン「いや、そういうわけにいかないし。分からないことがあればアルミンに聞けばいいから!」


クリスタ「……クスッ、それってエレンが教えるんじゃなくてアルミンが教えてるんじゃない?」クスクスクス

エレン「い、いや。良いんだよ! な、俺を助けるためだと思って、さ!」

クリスタ「え~、どうしようかな~」クスクス

クリスタ「それじゃ、私を褒めて? それが出来たらその提案受け入れるね」

クリスタ「女の子の気持ちを知るには、女の子の外見とかを観察して、小さな変化が分からないと」

エレン「もう始めるのかよ……。ちょっと待ってくれよ」ジロジロ

クリスタ(すごい見られてる。ちょっと恥ずかしいかも。でも、これもミカサのため!)

エレン「ん~。小さくて立体起動に有利そうだな。対人格闘でも相手の懐に入りやすいからいいな」

クリスタ「」

エレン「どうだ!?」

クリスタ「え、えっとね。それを言われて喜ぶ女の子は居ないと思うの……」

エレン「そうか? 結構いい線をいってると思ったんだけどな」

クリスタ(前途多難!)

今日はここまでです。これを読んで下さった方々に感謝を。

>>1です。再開します。

――男子寮前――


ユミル「――なるほど。つまり、エレンに恋愛感情を知ってもらおうとしただけであり、クリスタに興味はない、と?」

アルミン「う、うん。そうなんだ! クリスタは可愛いとは思うけど、ほ、ほら! 僕にはそんなことしてる暇はないから」アセアセ

アルミン「それにアニは協力してくれそうにないし。ミーナはエレンと同じ班だから、ばれそうだし」

ユミル「芋女は――あー、いや。やっぱいい。ミカサは――本末転倒か」

アルミン「うん。消去法でクリスタしか残ってなかったんだよ。それにクリスタだったら協力してくれそうだから」

ユミル「私が入ってないようだが?」

アルミン「だ、だって、協力しないでしょ?」

ユミル「―――――協力してやってもいいぜ?」ニヤッ

アルミン「え?」

ユミル「おいおい、こんな楽しそうなことに参加しないわけがねえだろ?」

ユミル(なーんてな。お前のそれが建前だってことぐらい見抜いてんだよ)

ユミル(エレンとミカサがくっついてくれることを望んでいるのは確かだろうが)

ユミル(今回ばかりは自分の欲のために動いたな。残念だが、その策略は潰させてもらうぜ)

アルミン「い、いや悪いよ」

ユミル「遠慮すんなよ。それとも、私の協力があると何か困るのか?」

アルミン(ばれたっ!? くそっ、こうなる可能性は十分に考えられたのに! 無意識のうちに自分の都合のいい考えをしていたのか!?)

アルミン(どうする。ここで頷けばクリスタと僕が一緒に居られるという計画が頓挫する)

アルミン(だけど、ここで断ったらクリスタに興味があると認めるも同じ。どうする? 命を取る? それとも愛を取る?)

アルミン「で、でもエレンにはクリスタだって言ってるから。ここでやっぱりユミルって言うとエレンが不審がるから――」

ユミル「そうだな、確かに。こうなったらこのまま行くしかないな」ニヤァ

アルミン(失敗した!)ハッ!?

アルミン「だけど、クリスタが勘違いしちまうといけないからな」

ユミル「私がしっかりとクリスタにそのことを伝えといてやるよ」

ユミル「エレンとミカサをくっ付けるために! アルミンが嘘で! お前と近づこうとしてる! ってな? ああ、ちゃんと付け加えといてやらねえとな」

ユミル「だから、アルミンになるべく近づくなってな。じゃねえと、エレンが自分の役目を果たしたと勘違いしちまうからな?」

ユミル「そうなったら、アルミンとしても困るだろ? 大切な親友の恋路が上手くいかくなるのは?」ニヤニヤ

アルミン「……うん、そうだね」

ユミル「そんな顔をすんなよ。二人がくっつくなんていいことだろ?」

ユミル「っと、そろそろやばいな。じゃあな」トットットッ

アルミン「あ、うん。お、おやすみ……」

アルミン「…………ま、負けた」ガクッ

今日はここまでです。これを読んで下さった方々に感謝を。

>>1です。再開します。

――女子寮――

ミカサ「……?」パチッ

クリスタ「ミカサ、眼が覚めた?」

ミカサ「……変な夢を見た」

クリスタ「変な夢?」

ミカサ「非常に嬉しさと悲しさが混じった夢だと、思う。もしかしたら現実だったのだろうか?」

ミーナ「どんな夢? 私たちが現実か夢を判断してあげる!」

クリスタ「いや、私が真実を知ってるんだけど……」

ミーナ「それじゃ面白くないじゃない! それにどんな夢を見たのかも気になるし!」

アニ「私、もう寝たいんだけど」

ミーナ「そういわないで、ね!」

アニ「……はぁ」

サシャ「それではミカサ。どうぞ!」

ミカサ「夢の中の私はいつものようにエレン日記を書いていた」

アニ「あんた、毎日何をしてるかと思ったら、そんなことをしてたの?」

ミカサ「そう。今日のエレンまとめを書いていた。そしたら突如としてエレンが私を呼ぶ気配がした」

ミカサ「エレンは寝る前に私のことを思い出して、急に会いたくなったのだと推測した」

アニ「ごめん。あんたが何を言ってるのかわからないんだけど」

クリスタ「ミカサだから、いいのっ!」

ミカサ「慌てて外に出ると、そこにはエレンの姿が。やはり私の推測は間違ってないと確信した」

ミカサ「しかし、なぜかクリスタとユミルがエレンと一緒に居た。何をしてるのかを尋ねると……」ブルブル

サシャ「だ、大丈夫ですか!? 凄い震えてますけど……」

ミカサ「だ、大丈夫。ただ思い出したら怖くて」ギュウ

ミカサ「ゆ、ユミルがエレンがく、クリスタに告白をしようとする。と言った」

アニ「夢だね」

サシャ「夢ですね」

ミーナ「夢だね!」

クリスタ「そんな断言しなくても」

サシャ「いえ、その。エレンが告白なんて考えられなくてですね」

ミーナ「私も。いつも巨人のことばっかりのエレンが、ねえ。アニ?」

アニ「まぁ、同感だね。あいつが恋愛に現を抜かす姿が浮かばないね」

クリスタ「あ~。納得」

アニ「?」

クリスタ「どうかしたの?」

アニ「いや、別に」

ミカサ「そこで一旦、私の記憶は途切れた。しかし、次にはエレンが私の側に立っていた」

ミカサ「先程のことを尋ねるとエレンは笑いながら否定した」

ミカサ「そ、そしたら……」カァ

サシャ「うわ、今度は真っ赤になりました」

アニ「夢だね」キッパリ

サシャ「夢ですね」

ミーナ「夢、だねぇ」

クリスタ「まだ何も話してないよっ!?」

アニ「ミカサが顔を赤くするようなことをあいつがするはずない」

サシャ「右に同じです」

ミーナ「私も、同じかな」

今日はここまでです。少なくてすいません。
これを読んで下さった方々に感謝を。

>>1です。再開します。

クリスタ「も、もしかしたら現実かもしれないじゃない。話を聞こうよ! それでミカサ?」

ミカサ「けれどなぜか、私の身体的特徴を語り始めた」

ミカサ「『ミカサって重いんだな』だとか」

アニ「現実?」

サシャ「判断が難しいですね」

ミーナ「そういうことをエレンなら平然と言いそう」

クリスタ(あ~。かすかに意識あったんだ……)

ミカサ「でも、大切な家族と言ってくれ、強く抱きしめてくれた。その後、私の匂いを嗅ぐと良い匂い、と言ってくれた」

アニ「夢だよ」

サシャ「疲れてるんですよ」

ミーナ「夢って眠りが浅いから見るらしいよ?」

クリスタ「エレンに対する評価が酷すぎない!?」

ミカサ「しかし、なぜかその後、延々とクリスタについて聞かされた」

ミカサ「『クリスタとは微妙に違う匂い』だの、『クリスタの笑顔ってすごく優しいから、疲れもなくなりそうだ』とか、『すごく綺麗な声だから、いつまでも聞きたくなるし』」

ミカサ「延々と抱きしめられながら聞かされた。そこで目が覚めた」

ミーナ「」

サシャ「」

アニ「」

クリスタ「え、みんな何か言おうよ」

サシャ「い、いえ。その、ねぇ」

ミーナ「私もう寝るね」

アニ「」zzz……

クリスタ「すでに寝てる!?」

ミカサ「……それで、クリスタに聞きたい」ガシッ

クリスタ「な、なに?」

ミカサ「真実はどこ? 場合によっては悲しいことが起きる」

~数分後~

クリスタ「ということなんだけど」

ミカサ「エレンが、私をおんぶ? 何故気絶なんてしていたのだろうか……」

ミカサ「せっかくエレンの温もり、匂いを堪能できたというのに……やはり世界は残酷だ」

クリスタ「ミ、ミカサ。それでね。実はエレンについて相談があるんだけど?」

クリスタ「ミカサにとってもすごく良いと思うの!」

ミカサ「詳しく」

~数分後~

ミカサ「……」

クリスタ(あれ、思ったよりも反応が薄い……。やっぱり片思い中の相手に女の子がいるのって面白くない?)

ミカサ「エレンが女性の気持ちに?」

ミカサ「エレンは私の想いに気が付いてる」

クリスタ「え?」

ミカサ「現在エレンは巨人の駆逐に対する気持ちと、私への恋心の二つで揺れている。つまり、家族以上恋人未満の状態」

ミカサ「私はエレンのその気持ちが痛いほどわかる。だからエレンが心を決めるまで待つつもり」

ミカサ「ただ、待ちきれず、エレンにアプローチをかけて早く告白してもらおうとしてしまう」

ミカサ「しかし、エレンは中々素直に私への愛情を示してくれない」ショボン

クリスタ(……前途多難!)

今日はここまでです。これを読んで下さった方々に感謝を。

>>1です。再開します。

――男子寮――

エレン「ただいま~。あー疲れたー。アルミン~」

ライナー「アルミンならそこで項垂れてる」

アルミン「あ~。もう、どうしよう……」ドンヨリ

アルミン「はは、もうどうしようもないや。今頃、クリスタの耳には……ははっ」

ライナー「ユミルが来てからずっとあの状態なんだ」

エレン「アルミン、大丈夫か?」

アルミン「エレン。君は大丈夫だったかい?」

エレン「? いや、別に大したことなかったけど」

エレン「とりあえず、アルミンの言った通りに馬術を教えてもらうのと座学の勉強を教えるの約束してきたぞ」

アルミン「…………」

エレン「アルミン?」

アルミン「…………まだ手は残ってる」

エレン「どうした?」

アルミン「……エレン、聞きたいんだけど、その約束した時にユミルは居た?」

エレン「いや、居ないけど」

アルミン「うん。それじゃあ次の質問だけど、エレンはクリスタに僕も参加することを伝えた?」

エレン「? ああ、もちろん。アルミンがそう言えって言っただろ?」

アルミン「うん。そうだね。それじゃ、エレン。明日お願いがあるんだ」

エレン「おう、アルミンの恋愛が上手くいくまで手伝うぜ!」

アルミン「それじゃ――」

――女子寮――

ミカサ「つ、つまり。エレンは私の想いに、気が付いて、ない?」ガーン

クリスタ「う、うん。多分」

ミカサ「…………世界は残酷だ……」

クリスタ「だから、ね? これでエレンが女心や扱い方を知ったら」

ミカサ「私の想いに気が付いてくれる?」

クリスタ「そう! そしたらきっと、告白してくるよ! だってミカサ可愛いもん!」

ミカサ「そ、そうだろうか?」

クリスタ「絶対だって! ね、一緒に頑張ろう!」

ミカサ「……どうしてそこまで手伝ってくれる?」

ミカサ「私とエレンがどうなろうがあなたには関係のないはず」

クリスタ「う~ん。どうしてだろ? でも、ミカサの恋愛が上手くいけば嬉しいからかな?」

ミカサ「?」

クリスタ「友達だからじゃダメ?」

ミカサ「…………友達」

クリスタ「そう。友達。駄目?」

ミカサ「納得した。嬉しい」

クリスタ「よしっ! 頑張ろう! おー!」

ミカサ「おー」

~翌日~

――食堂――


ミカサ「おはようエレン、アルミン」

アルミン「ミカサおはよう」

エレン「よう、おはよう」

エレン「さっさと席に着いて飯食おうぜ」

 ~着席~

エレン「それじゃ、頂きま――」

クリスタ「ミカサ達おはよう。隣良い?」

ミカサ「私は別に構わない」

エレン「俺は別に構わねえよ」

アルミン「う、うん、僕も」

ユミル「私も一緒で構わねえよな?」

アルミン「あ、うん。ど、どうぞ」

ユミル(くそっ。まさかクリスタ自身が勝手にエレンたちの恋仲を応援するなんて)

クリスタ『アルミンも同じ事考えてたんだ。うん、大丈夫だよ! 私もミカサとエレンを違う方法で応援するから』

ユミル(詳しい方法を教えてもらってねえから、手だての仕様がねえ)

ユミル(感じからするとミカサとクリスタが組んでるという感じか? そしてエレンとアルミンが……)

ユミル(この状態だと、クリスタの方はエレンたちに注意がいってるから自分の恋愛に興味なんて持たないか)

ユミル(とはいえ、あんまり油断しすぎると駄目だな)

ミカサ「あ、あのエレン。昨日はごめんなさい。運んでもらって……」

エレン「別に気にしてねえよ。まぁ、少しおも――」

クリスタ「エレン、エチケット」

エレン「っと、そうだった。別に重くなかったしな。お前を背負うぐらいならいつでもしてやるよ」

アルミン「!?」

ユミル「!?」

ジャン「!?」

クリスタ「ナイス!」

ミカサ「エレン……!」パァ

アルミン(え、どういうこと!? エレンが女性に気を使った!?)

ユミル(そういうことか、クリスタは直接エレンに恋愛感情を教える気か)

ユミル(となると、問題だな。エレンは基本的にアルミンと一緒だ)

ユミル(必然的にアルミンと近づくことになる)

ユミル(私も近づく必要があるな)

ユミル「おいおい、どうしたんだよ。いつものお前なら重かったとか言いそうじゃねえか」

エレン「いや、クリスタに女性へのエチケットや扱い方を教わることになったんだよ」

クリスタ「代わりに馬術を教えてあげるのを提案してね」

エレン「まぁ、馬術を教えてもらえるし、日常で少し気を付ければいい程度ならやってもいいと思ってな」

ユミル「そういうことなら私も協力してやるよ」

クリスタ「ほんとっ!?」

エレン「え~。まだ増えんのかよ」

ユミル「まぁ、諦めな。お前がさっさと女性の扱い方や気持ちを知ればいいだけのことだろ?」

エレン「そりゃそうだけどよ」

今日はここまでです。これを読んで下さった方々に感謝を。

>>1です。再開します。

アルミン「いいじゃないか。僕も手伝うからさ」

エレン「アルミンまでもかよ……。いや、アルミンは男だろ?」

アルミン「冗談だよ。エレンのサポートの役割だよ。エレンも周りに女性ばかりだと大変でしょ」

エレン「そうだな。アルミンが側にいてくれたら嬉しいけど――」

エレン「良いのかよ? お前の恋愛が上手くいかないんじゃ?」コソコソ

アルミン「いいんだよ。この状態だとクリスタと一緒に居れるからね」コソコソ

エレン「アルミンが良いならいいけどよ」コソコソ

ユミル「お前ら何話してんだ?」

アルミン「ううん。何でもないよ」

エレン「あ、ああ」

―・―・―・―

ライナー「あの一角おかしくねえか?」

ベルトルト「うん?」

ライナー「だって見てみろよ。エレン達は分かるが女神とユミルまで一緒だぞ」

ベルトルト「エレンの努力が実ったんじゃない?」

ライナー「俺も頼んでみるか……」ムゥ

ベルトルト「……無理だと思うよ」ハァ

―・―・―・―

ミーナ「だってさ」

アニ「それが?」

ミーナ「女性の扱い方が上手いエレンって想像できないね」

アニ「そうだね。ま、私には関係ないね」

ミーナ「手伝ってあげないの?」

アニ「そんなの勝手にやればいい。私が手伝う義理はない」

ミーナ「私は手伝おうかな」

アニ「……勝手にしなよ」

―・―・―・―

ミカサ「エレン、パンカスが口元に付いてる。もう少し落ち着いて食べないと」

エレン「あ~。別にいいだろ」

クリスタ「駄目だよ。そこはお礼を言わないと」

エレン「なんでだよ。俺がどう食べようが関係ないだろ?」

アルミン「エレン、ミカサはエレンが成長したときに困るだろうから言ってるんだよ」

エレン「……」ムスッ

クリスタ「エレン?」ピトッ

エレン「な、なんだよ!?」


アルミン「!?」

ユミル「!?」

ライナー「!?」

ミカサ「!?」

クリスタ「口元にパンカスが付いてたよ」

エレン「そ、そうか。わるい。ありがと」

クリスタ「ほら」

エレン「ほらって何だよ」

クリスタ「私がミカサと同じことしたのに怒らないんだね」

エレン「あ~。なんでだろ?」

ミカサ「どうして?」

クリスタ「エレンってミカサを近くに置き過ぎなんじゃない?」

エレン「近くに?」

ユミル「つまり、ミカサを他人扱いしないから、遠慮せずにズバズバ言ってるってわけだろ?」

ユミル「ま、言い方を悪く言えば、甘えてるってわけだ」

エレン「なっ!? そんなわけねえだろ!」

ユミル「そうか? 私には甘えてるように見えるけどね」

クリスタ「ユミル! エレン、あんまり深く考えなくていいの。ただ、ミカサに優しく接してあげればいいの」

エレン「優しく、って言われてもな。どうすりゃいいんだ?」

クリスタ「ということで! 今日はミカサを私たちと同じように扱ってみようよ!」

今日はここまでです。これを読んで下さった方々に感謝を。

>>1です。何のお知らせもなく、書かなかったことをお詫び申し上げます。
 実生活の方が忙しくなっておりましたので離れておりました。
 それも一応の目途が立ったので再開させていただきます。
 保守をしてくださった方、待って下さった方々に感謝を申し上げます。

ユミル(おいおい、それはあまりに飛躍しすぎだろ)

アルミン(それに二人が容認するのだろうか)チラッ

エレン「それって女性の扱い方や気持ちを知るのに必要なのか?」

クリスタ「もちろん! 一番近い異性のミカサの気持ちや扱い方を学ばないとほかの女性なんてまだまだ!」

エレン「まぁ、クリスタに従うって決めたからな。分かったよ。ミカサもそれでいいか?」

ミカサ「エレンが私を女性として見る?」

エレン「まぁ、そういうことになるな。嫌だったら――」

ミカサ「大丈夫! どんどん来て!」

エレン「わ、分かった」

アルミン(あ、いいんだ)

クリスタ「それじゃあ、はい」スッ

エレン「? パンがどうしたんだ?」

クリスタ「もう一度やるからパンカスを付けて」

エレン「もう一度やるのか!?」

クリスタ「そうだよ?」

エレン「ったく、ここまでする必要あるのか?」ペタッ

クリスタ「はい、ミカサ」

ミカサ「エレン、パンカスついてる」

エレン「お、おう。ありがとな」

クリスタ「そしたら優しくなでる」

エレン「お、おう」ナデナデ

ユミル(何だろう)

アルミン(エレンがクリスタに操られる人形に見えてきた)

アルミン(でも、ミカサにとっては)チラッ

ミカサ「あ、あう……」カァ

エレン「お、おい。顔真っ赤だぞ? 大丈夫か?」ピトッ

クリスタ「良いよっ!」

ミカサ「エ、エレン。は、恥ずかしい」カァ

エレン「わ、悪い……」カァ

アルミン(何気に上手くいってる)

ジャン「エレン、てめえ!」

エレン「な、なんだよ!? 唐突に出てくるんじゃねえよ!」

ジャン「なんで、いつもお前だけ!」

エレン「ハァ!? 何意味の分かんねえこと言ってんだよ!」

ミカサ「エレン、喧嘩はダメ」

クリスタ「そ、そうだよ。女性の前で声を荒げるなんて駄目だよ」

エレン「っち。今回はクリスタとミカサに従うよ」

ジャン「なんだよ。意気地なしが」

アルミン「ミカサ」ボソッ

ミカサ「何?」ボソッ

アルミン「――って言って」

ミカサ「? 分かった」

ミカサ「ジャン」

ジャン「な、なんだ?」

ミカサ「カッコ悪い。エレンは潔く引いたのにそれでも突っかかって来るジャン見苦しい」

ジャン「」

ユミル「ククククッ。そうだな。今のを見るとエレンの方が大人に見えるな。まぁ、女性に宥められたって言う点を除けばだがな」

クリスタ「それでも、ちゃんと引いたから凄いと思うよ?」

ジャン「」

アルミン「え、えっとそろそろ行こう?」

エレン「やべっ! 時間があんまり残ってねえじゃん!」

エレン「さっさと行こうぜ」



ジャン「」

マルコ「えっと、頑張ろう?」

今日はここまでです。これを読んで下さった方々に感謝を。

>>1です。再開します。

――対人格闘――

ミカサ「エレン、一緒に――」

エレン「よっしゃ! アニ早速しようぜ!」

ミカサ「し、な、い……」ショボン

クリスタ「い、今のは運が悪いだけで……」

アニ「……」ハァ

アニ「悪いね、今日はライナーと組む予定なんだよ」

エレン「なんだよ。今日こそ勝ってやろうとおもったのに」

アニ「まぁ、あそこでしょぼくれてるやつに稽古でもつけてもらいな」

アニ「あんたここ最近、私の癖で勝とうとしてない?」

アニ「私だったらこの次はこうする、とか。ここでこの動きをすると私はこうする、みたいに」

エレン「うっ……。そう言われるとそうかもしんねえ」

アニ「あんたに必要なのは私に勝つことじゃないだろ? 強くなりたいなら一回ほかの人とやりな」

エレン「けどよ、まずはお前に勝つことが――」

アニ「他の人と一緒に組むことも大切だよ」

エレン「わかったよ」

エレン「ミカサ―! 一緒にやろうぜ!」

ミカサ「うん!」



アニ「」

ミーナ「やっさしい」

アニ「別に、そういうわけじゃないよ。昨日からライナーを蹴るって決めてたからね」

アニ「へぇ」ニヤニヤ

アニ「……ライナー探してくる」フイッ

ライナー、イッショニヤロウ
ナ、ナンデダヨ!?
イイカラ!

ダンッ!

エレン「グハッ! ってぇ~」

ミカサ「だ、大丈夫?」

エレン「あ、ああ。くそっ! 勝てねえ」

エレン「もう一回だ!」ガバッ

ミカサ「エレン、やりすぎ。これ以上すると体を痛めてしまう。少し休憩をしないと」

エレン「大丈夫だっ!」


ドシィーン!!

クリスタ「……うわぁ。エレン痛そう」

ユミル「まぁ、あいつなら大丈夫だろ。だが」

クリスタ「うん?」

ユミル「あれだと、エレンがミカサを女性として見ることなんてあるのか?」チラッ

エレン「ミカサ、次はお前が暴漢役だ」

ミカサ「分かった」

ヒュッ、ヒュッ!

エレン「くそっ、早え!」バッ

ミカサ「そうやって躱すと――」ダンッ

エレン「うわっ!?」ドシーン

ミカサ「足元が疎かになってしまう」

ミカサ「エレンは動きが短調。呼吸の仕方もまるっきり分かってるから読みやすい」

エレン「そんなの分かるかよ!」

ミカサ「エレンはもう少し考えるべき」

エレン「分かってるよ!」

ミカサ「分かってない。分かっていたらもう少し動きを変えている」

エレン「だぁー! 分かったよ! もう少し変える! だからもう一度!」

クリスタ「エレン、もう少し優しく言わなきゃ。今日は?」

エレン「ミカサを女の子として扱うだろ? だけど今は兵士としてだな」

クリスタ「でも――」

ミカサ「クリスタありがとう。でも今はエレンが正しい。私たちは戦うすべを学んでいる最中」

ミカサ「そんな時に女性男性と言ってる暇はない」

エレン「そういうわけだ。よしっ! 続きするぞ!」ビュッ

ミカサ「だから、エレン。その動きは見えてる」パシッ

エレン「うぉ!」

ユミル「まぁ、あいつらの言う通りなんだろうがな」

クリスタ「うう。私、今の不必要だった?」

ユミル「まぁ、あいつらを一般の感性で考える方がおかしいな」

クリスタ「うう、もうちょっと考えなきゃ……」

ユミル「まぁ、あんまり深く入れ込み過ぎんなよ」

クリスタ「え?」

ユミル「お前があの二人に入れ込み過ぎるなって言ってるんだよ」

クリスタ「なんで?」

ユミル「感情移入したら大変なことになるぞ」

クリスタ「? それって――」

ユミル「お前が――いや、何でもねえ」

クリスタ「変なユミル」

ユミル(まぁ、クリスタがエレンを好きになることなんてないか……)

ユミル(それよりも――アルミンだな。どこで仕掛けてくる?)

ユミル(それが問題だ)

今日はここまでです。これを読んで下さった方々に感謝を。

>>1です。少々ですが再開します。

エレン「くそ、結局一回も勝てずじまいかよ」ハァハァ

ミカサ「でも、最後の方は危なかった。エレンはやっぱり凄い」

エレン「お前に言われても何一つ嬉しくねえよ」ハァ

クリスタ「でも、ミカサの言う通りだよ。ね、ユミル?」

ユミル「そうだな。まぁ、結局当てられなきゃ意味ねえけどな」クククッ

クリスタ「もうっ、ユミル!」

ユミル「ま、それを言えばクリスタも似たようなもんだな」

クリスタ「うっ」

エレン「なんだ、クリスタも当てられなかったのか?」

クリスタ「だって、ユミル強いんだよ。気が付いたら武器とられて、後ろから抱きしめられてるの」

エレン「後ろから抱き着く意味あるのか? 武器を取り上げたら、それで終わりだろ?」

ユミル「ねえよ。私の趣味だ」

エレン「後ろから抱き着く趣味ってどんなんだよ。俺にするなよ?」

ユミル「しねえよ!」

ミカサ「したら、削ぐ」ギロッ

ユミル「しねえって言ってんだろ!?」

クリスタ「珍しい、ユミルが慌ててる」クスクス

ユミル「ったく。こいつらと一緒だと調子が狂って仕方ねえ」

アルミン「おーい」

エレン「よ、アルミン。お疲れ」

アルミン「うん、お疲れ様。エレン、ミカサとしてどうだった?」

エレン「ああ。全敗だよ。全ての動きを読まれて、躱されて、投げられた」

アルミン「ははは、やっぱりミカサは凄いね」

エレン「ああ。だけど、次は勝つ!」グッ

ミカサ「そ、それは、つまり次も私とするということだろうか?」

エレン「あ~。どうすっかな。アニとも戦いたいし。でも負けっぱなしってのも……」

アルミン「もう少し、ミカサと一緒にやったらどう? 一発当てられるようになったらアニに挑めばいいでしょ?」

エレン「そうだな。そうすっか。次もいいか?」

ミカサ「いい! ぜひ一緒にやろう」

エレン「よろしく頼むぜ」ニヤ

アルミン「まぁ、その前にこの次の座学だね」

エレン「う~、そのことを言うなよ。あんまり得意じゃねえんだから」

アルミン「エレンは苦手だからね」

エレン「ああいうの一々覚えるの面倒なんだよ」

アルミン「まぁ、今日は一緒に勉強しよう」

エレン「そうだな~」

ユミル「ま、せいぜい頑張りな」

エレン「分かってるよ」

アルミン「エレン――って言って」ボソッ

エレン「? ユミルもどうだ?」

エレン(なんで、ユミルなんだ?)

ユミル「は?」

エレン「お前も一緒に勉強しないか?」

ユミル「御免だね。そんな面倒なこと。私はそんなことより眠ってる方がいいね」ジロッ

アルミン「そう、残念だね」ニコッ

アルミン(その言葉を待ってたよ?)ニヤッ

エレン「そうか。じゃあ俺とクリスタとアルミンだけだな」

クリスタ「そうだね。でも、やっぱりアルミンにお世話になるんだね」

エレン「まぁ、そうなるな」

ミカサ「!?」

ユミル「!? は、何でだよ!?」

エレン「なんでって、なぁ?」

クリスタ「うん。私が馬術を教える代わりにエレンから座学を教えてもらうの」

エレン「まぁ、アルミンに教わるんだけど」

アルミン「はは、僕は気にしてないよ。まぁ、ユミルも用があるなら仕方ないね」ニコ

ユミル(こいつ! これを狙ってやがったのかっ!)

今日はここまでです。これを読んで下さった方々に感謝を。

>>1です。再開します。

ユミル「てめっ――」

クリスタ「どうしたの?」

ユミル「い、いや。クリスタも行くなら私も――」

アルミン「もう、ちゃんと勉強する? クリスタで遊ぼうとしない?」

クリスタ「あ、ユミルならしそう」

ユミル「しねえって!」

クリスタ「ほんとかな?」ジー

ユミル「ほんとだって」

アルミン「あ、ユミル今目が動いた。人って嘘をつく時、瞳が動くらしいよ」

アルミン(実際はどうか知らないけど。まぁ、本人たちがそう思えば真実だよね)

クリスタ「ユミル―」ジトッ

ユミル「ちょ、ちょっと待てって」アセアセ

クリスタ「今日は三人でするっ!」プイッ

アルミン「それじゃ今日は三人だね」ニコ

ユミル(くそっ、やられた! このままじゃ――)

ミカサ「三人? 私も参加したい」

ユミル(よしっ、よくや――)ハッ

ユミル(駄目だ! これじゃ――)

アルミン「うん、僕は良いよ?」

クリスタ「うん、もちろん」

エレン「お前も来るのか?」

ミカサ「私もエレンと一緒に勉強したい」

ユミル(くそっ、これじゃエレンとミカサが一緒だ)

ユミル(そうしたら必然的にアルミンとクリスタが一緒)

ユミル(あいつ、まさかこうなることを全て読んでたのか!?)

アルミン(前回はイレギュラーになったミカサだけど)

アルミン(だったらミカサを計算に居れればいいだけ)

アルミン(ミカサの行動は非常に誘導しやすい。エレンというレールを敷けば、その上をしっかり走ってくれる)

アルミン(そうなれば逆に僕にとって切り札になる)

アルミン(やられっぱなしの僕じゃないよ)

エレン「お前、邪魔しないだろうな?」

ミカサ「大丈夫。邪魔にするようなことはしない」

アルミン「エレン、心配し過ぎだって」

クリスタ「大丈夫だって。それにちょうど良いじゃない。女の子の扱いをしっかり勉強出来るんだから」

エレン「やっぱりするのかよ」

ユミル(どうする? どうにか私が入り込む余地を作らなきゃいけねえ)

ユミル(……くそっ、どうやっても私が入り込める方法が思いつかねえ。その時間になったら無理矢理ついてくか……)

ユミル(けど、それだと次回から私が参加しづらくなる。どうする?)

ユミル(私が――。そうか、この手があった!)

ユミル(だが、時間がいる――)

ミカサ「あ、エレン。首のところに土がついてる」スッ、ゴシゴシ

エレン「……ありがと」カァ

クリスタ「うん、良いね!」

アルミン「顔真っ赤だけどね」

エレン「うっせ。恥ずかしいんだよ」プイッ

エレン「ってか、元はと言えばミカサが俺を投げるからだろ? そのせいで髪の中にまで土や石が入って大変なんだよ」

アルミン「はは、僕もベルトルトとやっててそうなったよ」

ミカサ「私は少し汗をかいた程度」

クリスタ「私は汗を一杯かいちゃった」

ユミル「――お前らっていつごろ座学の勉強するんだ?」

エレン「まぁ、夕飯前じゃねえか?」

クリスタ「そうだね。少し時間ありそうだし」

ミカサ「私はエレンが好きな時に」

アルミン「僕も皆に合わせるよ」

ユミル「だったら、お前ら風呂の後にしとけよ」

クリスタ「でも、あんまり時間取れないんじゃない?」

ミカサ「私としてはエレンと長く入れる時間が良い」

ユミル「おいおい、良いのか? その状態で会うんだぞ?」

クリスタ「え?」

ユミル「勉強教えてもらうんだから近くにいるよな」

エレン「そりゃ、そうだろ?」

クリスタ「あっ!」

ミカサ「あっ!」

アルミン「あっ」

ユミル「分かったらしいな。流石に、な?」

クリスタ「そ、そうだね」カァ

ミカサ「お風呂に入った後にしよう」カァ

アルミン「う、うん。そうしようか」

アルミン(これで、一緒に居られる時間が少なくなった)

アルミン(でも、これ以上ユミルは何もできない)

アルミン(リスクを少なくさせる程度の効果しかない)

アルミン(ちょっと残念だけど十分だね)

今日はここまでです。これを読んで下さった方々に感謝を。

>>1です。再開します。

エレン「? なんで駄目なんだ?」

ユミル(こいつは)

アルミン(なんてことを聞くの!?)

クリスタ「そ、その。あ、汗が――」

エレン「汗ぐらいいいだろ? 別に困るわけじゃねえし」

エレン「それに汗ぐらい引いてるだろ」

クリスタ「エレン。そ、そのね。女の子としては――え、えーっと」

クリスタ(汗のにおいが気になるって、は、恥ずかしくて言えない。どうしよ?)

エレン「ん? なんだよ?」

アルミン「エレン、女の子としては汗を掻いた状態であんまり近づいて欲しくないんだよ」

エレン「だからなんでだよ? 俺たちは汗かいてもそういうの思わないぞ」

アルミン(し、しまった。この状態で匂いを気にするって言えば、女性にとって非常に失礼な気がする)

アルミン(かと言って、エレンに察しろという方が無理だ)

アルミン(誰か、助けて!)チラッ

ミカサ「」スッ

クリスタ「」スッ

ユミル「」ニヤニヤ

アルミン(味方がいない……)

エレン「なぁ、なんでだ?」

クリスタ「そ、そのね。やっぱり女の子としては汗の臭いが、その」

ユミル「気になるんだよ。それ位察しな」

エレン「ふ~ん。そんなもんか?」クンクン

ミカサ「!? だ、だめ!」バッ

エレン「大して臭わねえぞ?」

クリスタ「エ、エレン! 駄目だよ! エチケットがなってないよ!」

エレン「これも駄目なのか?」

クリスタ「いい、エレン? 女の子はね、運動した後に――」

エレン「だけど、アニとやるとき、あいつ俺と密着するぞ? でも、大して匂いはしなかったし。かすかに良い匂いが――」

 パァンッ!

エレン「痛っ!? な、なんだ!?」

アニ「あんたねぇ。そういうことを人前でペラペラと喋るもんじゃないよ」

アニ「ったく、少しは女性の扱い方が分かってきたのかと思ったら全く駄目じゃないか」

エレン「今勉強中なんだよ」

アニ「道はまだまだ遠そうだね」ハァ

エレン「なんだよ、まさかお前まで参加する気じゃねえだろうな?」

アニ「そんな面倒なことごめんだね。ま、あんたが女性の扱い方を覚えたら、テストぐらいならしてやるよ」

アニ「ま、かなり先の話になりそうだけどね。せいぜい頑張りな」スタスタスタ

エレン「ったく、一体何だったんだよ」

クリスタ「エレンって、アニと仲が良いの?」

エレン「別に特別仲が良いわけじゃねえよ」

ミカサ「ほんと?」ズイッ

エレン「近い近い近い! 近づかれたくなかったんじゃねえのかよ!」

ミカサ「物事には例外がある。それで?」

エレン「ああ、もう! どうでもいいだろ!」

クリスタ「エレン、駄目だよ」

エレン「こいつがしつこいからだろ?」ジロッ

ミカサ「」シュン

クリスタ「少し気になっただけだよ。ミカサもそうでしょ?」

ミカサ「そう。少し気になって、頭に血が上ってしまった」

エレン「少し気になったってレベルじゃねえだろ」

クリスタ「ミカサも少しはエレンの言葉を信じであげようよ」

ミカサ「エレンのことは世界中で一番信用している」

エレン「だったら、俺の言葉を信用しろよ」

ミカサ「エレンが騙されてるかもしれない」

エレン「なんで、アニが俺を騙すんだよ」

ミカサ「エレンに近づこうとして」

エレン「んなことあるかよ」

クリスタ「ミカサ、エレンだってこう言ってるんだし。信じてあげようよ」

ミカサ「……信じよう」

エレン「ったく、少しは俺のことを信用しろよ」

ミカサ「エレンはまだまだ子供」

エレン「お前もだろうが」

アルミン「まぁまぁ。ほら、早く行こう。授業に遅れるよ」

エレン「分かったよ」

ユミル(さて、と。時間は稼いだ。後は――)ニヤッ

今日はここまでです。これを読んで下さった方々に感謝を。

>>1です。再開します。

―夕食時―

エレン「くそう、疲れたー」グテー

アルミン「ほんとにエレンって座学苦手だよね」ハハ

ミカサ「何度か眠りそうになってた」

エレン「起きてただけ良いと思ってくれよ」

クリスタ「ミカサ達。一緒に食べない?」

ミカサ「ええ」

アルミン「僕は構わないよ」

エレン「良いぜ」

ユミル「なら、丁度あそこが空いてるな」

エレン「ライナー達の近くか。あいつらでかいから目立つなー」

アルミン「ほんと、僕も少しでいいから分けて欲しいよ」

クリスタ「私ももう少し背が欲しいかな。エレンはどう思う?」チラッ

エレン「何で俺なんだ?」

ユミル「クリスタはそれぐらいの身長が良いんじゃないか」

アルミン「僕もそう思うよ?」

クリスタ「あー! 二人とも駄目だよ! エレンが言わなきゃいけないのに!」

クリスタ「エレン。こういう時は女の子にはフォローしなきゃ」

エレン「わ、悪い」

クリスタ「やり直し! 今度はミカサでやってみてね」

ミカサ「私?」

クリスタ「そうだよ」

ミカサ「……何を言えばいいのだろうか?」

更新待ってた
ちなみに>>230は色んなスレ荒らす阿呆やから気にせんでええよ

>>234様 お気遣いいただきありがとうございます。
 気にせずに更新していきたいと思います。
 気遣って下さると大変嬉しく思います。

クリスタ「え?」

ユミル「そういや、お前別に羨ましがる要素ねえな」

ミカサ「そう。エレンと同じ身長だから満足。体格にしてもライナーには対人格闘で勝てるから問題ない」

ミカサ「私は何を羨ましがればいい?」

エレン「俺に聞くな」

ユミル「いや、そもそも女子が同性の体を羨ましがることはあっても異性の体を羨ましがることはおかしいからな」

クリスタ「そ、そう言えばそうだね」

~着席~

ライナー「よう、調子はどうだ?」

エレン「ん? 何がだ?」

ライナー「女の子の扱い方は慣れたか?」

エレン「さっぱりだ。俺には難しすぎる」

ライナー「はは。まぁ、そんなもんだろ。俺も分からん」

ユミル「私としてはその体格で女性への気遣いが出来たら怖いがね」

クリスタ「もう、駄目だよユミル。ライナー、ごめんね」

ライナー「い、いや」

ライナー(やっぱり可愛い!)

ライナー「それで、クリスタから見てエレンはどうなんだ?」

クリスタ「うん。少しづつだけど良くなってるんだよ。ね、ミカサ?」

ミカサ「そう。エレンはやはり優秀」

アルミン「でもクリスタも本当に頑張るね」

クリスタ「だって、ねぇ? 昨日のエレンを見たら」

エレン「いや、あれは……」

ミカサ「昨日の夜の話は聞いた」

ミカサ「私はそこまで重くない」

エレン「いや、だってお前俺より――」

クリスタ「エーレーンー?」

エレン「お、おう」

ライナー「……ほんとに成長してるのか?」

クリスタ「す、少しづつ……」ショボン

アルミン「クリスタの努力だけでもすごいから、落ち込まないで」

クリスタ「アルミン、ありがと」

アルミン「ううん。ほんとにそう思うよ。あのエレンが女性に対してあそこまで考えるなんて」

アルミン「エレンって良くも悪くも真っ直ぐなんだよね」

アルミン「だから、気に入らない相手だったらすぐにぶつかるんだ」

ライナー「クリスタは今日のエレンの対人格闘みたか?」ズイッ

アルミン「」

クリスタ「う、うん。ミカサとしてたけどすごかった」

ライナー「俺もあいつとやることあるんだが。あいつは気迫がすごい」

ライナー「やり合うときに、時たま殺されるんじゃないかって思うほどだ」

クリスタ「エレンと練習したら大変そうだね」


ライナー「いや。ちゃんと自分よりも下だったら手加減はすると思うな」

クリスタ「そうなのかな。ライナーは手加減とかは得意?」

ライナー「あ、ああ! 何だったら今度――」

アルミン「いや、嘘は駄目だよ。この前、僕とやった時、思いっきり投げたよね」

アルミン(約束なんてさせないよ)

ユミル(そろそろいいか……)

ユミル「おい、そういや。勉強会があるんだが、時間は大丈夫なのか?」

ユミル「風呂に入って、準備とかあるんだから早めに切り上げようぜ」

クリスタ「あ、そっか。そろそろ準備しなきゃ」ワタワタ

ライナー「なんだ? 勉強会?」

アルミン「!?」

アルミン(まさか……)チラッ

ユミル「どうした? この後の勉強会について私が言うのがおかしいか?」ニヤッ

アルミン(やられた……)タラッ

アルミン(ユミルがお風呂に入った後って言ったのはこの状態を作り出すためだったのか)

アルミン(クリスタと僕たちが話している最中に話しかけてこないと思ったら)

アルミン(ライナーが僕たちの輪に入るのを待っていたわけか)

ユミル(お、気づいたようだな。私が行けないなら他の奴が行けばいいだけだ)

ユミル(しかもライナーはクリスタに好意を持ってるからな。クリスタが参加すると知れば。ここぞとばかりに――)

ライナー「それ。俺も参加していいか?」

ライナー(アルミンには悪いが俺もクリスタと一緒に居たい)

アルミン「!」

ユミル(参加してくる。こうなりゃ、アルミンはクリスタとくっつくための努力ではなく)

ユミル(ライナーからクリスタを守る努力をしなきゃいけなくなる)

ユミル(私の代わりに頑張ってくれよ?)ニヤ

今日はここまでです。これを読んで下さった方々に感謝を。

>>1です。再開します。

クリスタ「私は別に構わないよ?」

エレン「俺も構わねえぞ」

ミカサ「エレンとの邪魔をしなければ」

クリスタ「アルミンは?」

アルミン「う、うん。構わないよ」ハハハ

アルミン(この状態で断るなんて無理だ)

アルミン(くそ、まさかユミルがライナーの接近を許すなんて)

アルミン(この状態でクリスタと仲良くなろうなんて無理だ)

アルミン(ユミル……。手強すぎるよ)ハァ

ミーナ「何々? みんなで勉強会?」ヒョイ

エレン「ああ。そうだ、ミーナたちもついでに参加するか?」

ミーナ「良いの? アニも一緒に行こう」

アニ「私は遠慮するよ。別段、座学で困ってるわけでもないし」

エレン「そうか? まぁ、お前がそう言うなら――」

アニ「――こういう場合、もう一回聞くのが礼儀だよ」

エレン「でも、お前今行かないって」

アニ「それでも念のためにもう一回聞く」

アニ「女性の中にはわざと一回目断る奴も居るんだから」

エレン「なんでわざわざ」

アニ「さぁね。社交辞令で言われたと思って、断る奴も居るだろうしね」

アニ「社交辞令だったら断った時点で向こうが引く。ほんとに誘ってくるならもう一度ぐらい聞いてくる」

アニ「そんな面倒なことを考える奴だっているもんだよ」

アニ「それに一度断ることで男性に『自分は軽い女じゃない』って見せつける意味合いもあるしね」

ミーナ「」

クリスタ「」

ミカサ「」

ユミル「」

アルミン「」

ライナー「」

アニ「な、なに?」タジ

エレン「……いや、すげえな」

クリスタ「ほんとにすごい。女心をこんなに分かりやすく、エレンに教えれるなんて」

アルミン(でも、誘った内容は勉強会……)

アニ「ふ、ふん! こ、これぐらい常識だよ!」カァ

エレン「それじゃあ、改めて。アニ、一緒に勉強会しないか?」

アニ「あ、ほんとに面倒だからいい」キッパリ

ユミル「行かねえのかよ!」

アニ「ハァ。私はあくまで一般的なことを話しただけで私がそうだとは言ってないだろ?」

エレン「まぁ、アニにそういうの向いて――」

アニ「ここで投げられたい?」ジリッ

エレン「待てよ。今、止めただろ! セーフだろ!」

アニ「アウトだよ」

ミカサ「アニ、エレンに危害を加えたら許さない」ガタッ

アニ「何であんたにそんなことを許されないといけないんだい?」ゴゴゴゴ

ミカサ「エレンは私の家族。家族を傷つけるのは許さない」ゴゴゴゴ

クリスタ「ふ、二人とも! 落ち着いて!」ワタワタ

ライナー(慌てるクリスタも可愛い)

アルミン「ふ、二人とも! 落ち着こう。ここで喧嘩は不味いよ!」

アニ「なら、そこの女に言ってくれないかい?」

ミカサ「私はあなたがエレンから離れたら」

すいません。今日はここまでです。これを読んで下さった方々に感謝を。

>>1です。再開します。

ユミル「おいおい。これはこれで面白いが、私たちを巻き込むなよ?」クククッ

アルミン「ユミル、二人を煽らないで!」

ライナー「」

アルミン「ライナーも手伝ってよ!」

ライナー「今日はもう投げられたくない」

クリスタ「エレン、ちょっといい?」ボソッ

エレン「何だよ?」ボソッ

クリスタ「この騒ぎを収めるのに、――っていう感じに言って、ね?」

エレン「それで上手くいくのか?」

クリスタ「うん。こういう時はこうした方が上手く収まるんじゃないかな?」

エレン「けどよ」

クリスタ「まぁ、やってみようよ。ね?」

エレン「ま、信用するか」ポリポリ

クリスタ「ありがと」

エレン「ミカサ」

ミカサ「エレン。待ってて。すぐにこの女狐を――」

エレン「いいから。忘れてたことがあるんだよ」

ミカサ「何を?」

エレン「今日の勉強会。一緒にやらないか?」

ミカサ「!? そ、それはお誘いなのだろうか」

エレン「誘い以外にあるのかよ?」

ミカサ「ぜ、是非とも!」

クリスタ「ミカサ、ここは一回断らなきゃ」

ミカサ「し、しかし。エレンが誘ってくれたのを断るなんて」

エレン「いや、一回断れよ。ちゃんともう一回誘うから」

ミカサ「わ、分かった……。え、遠慮する」

エレン「そう言うな。俺はお前と一緒に勉強したいんだから」

ミカサ「!? ……」

エレン「? おい、ミカサ」

アルミン「あ、気絶してる」

クリスタ「よっぽど嬉しかったんだね」

アニ「……はぁ。気が抜けた。ったく、変な茶番に付き合わされた気分だよ」

ミーナ「良いじゃん。楽しかったし、ね?」

アニ「――私はもう帰るよ」スタスタスタ

ミーナ「私も帰ろうっと。それじゃ私たちは今回はパスということで。って待ってよ、アニ!」タッタッタッ

アルミン「うん。分かったよ」

エレン「アニ!」

アニ「なんだい?」ピタッ

エレン「その、なんだ。教えてくれてありがとな。あと、対人格闘も付き合ってくれて」

アニ「……」

エレン「な、なんだよ」

アニ「へぇ、少しは成長してるみたいだね。なら、ついでに良いこと教えてやるよ」

アニ「女ってね。案外、単純だったりするもんだよ。したことにお礼言ったり、いつもの違うところをほめたりすると、基本機嫌なんてよくなるよ」

アニ「まあ、変な下心があると嫌だけどね」チラッ

アルミン「」ギクッ

ライナー「」ギクッ

アニ「あんたなら問題ないだろうね」

エレン「下心?」

アニ「いや、何でもないよ。ま、頑張りな」スタスタスタ

エレン「なんだったんだ」

アルミン「それにしてもエレン凄いね! 二人の諍いを綺麗に治めるなんて」

エレン「いや、指示はクリスタ」

ユミル「なんだ、感心して損した」

エレン「うっせ」

アルミン「ほんと?」

クリスタ「えへへ」テレッ

ライナー「よく上手くいったな」

クリスタ「上手くいくかは正直不安だったけど……」

クリスタ「女の子って案外、褒められたりすると喜んじゃうんだよね」ニコッ

アルミン(女神だ)

ライナー(結婚しよう)

クリスタ「それに私は『ミカサを勉強会にちゃんと誘って』と、『アニに感謝の言葉をかけてあげて』の二つを言っただけだよ」

本日はここまでです。これを読んで下さった方々に感謝を。

>>1です。再開します。

アルミン「つまり、エレンが二人にかけた言葉って」

ライナー「本心ってわけか」

エレン「何だよ」

アルミン「いや、ああいうのを臆面もなく言えるのってずるいなって」

ライナー「お前のその真っ直ぐさに感心する」

エレン「んだよ。感謝の言葉ぐらい俺だって言える。ちょっと恥ずかしいけどよ」

アルミン「いや、そのちょっとを乗り越えられない男性が――」

クリスタ「やっぱりエレンってそういうとこ凄いよね」

ユミル「いや、ただ単に何も考えてないだけだろ。いや、考えた結果がこれならある意味凄いな」

エレン「ユミル、褒めてるのかけなしてるのか、どっちだよ」

ユミル「馬鹿にしてるのに決まってんだろ」

エレン「殴るぞ!」

アルミン「まぁまぁ、落ち着いて」

ミカサ「――っは!?」キョロキョロ

クリスタ「気が付いた?」

エレン「ったく、勝手に気絶するなよ」

ミカサ「ご、ごめんなさい」

エレン「それで?」

ミカサ「?」

エレン「一緒に勉強してくれるのかよ?」

ミカサ「! も、もちろん!」

エレン「んじゃ、風呂入って、さっぱりして図書館に集合だな――と、そうだクリスタ」

クリスタ「何?」

エレン「一緒に勉強しないか?」

クリスタ「! ふふ……。え~、どうしようかな~」ニコニコ

エレン「一緒にやろうぜ」

クリスタ「ん~。それじゃ、行こうかな?」

エレン「ああ。待ってる」

ミカサ「……」

アルミン「ミカサ、怒らないんだね」

ミカサ「? クリスタはエレンに女の子の扱い方を教えてるのだから分かってる」

ミカサ「それに、クリスタは私の友達。だから、信用してる」

アルミン(そっか、ミカサも友達が出来たんだ)

~お風呂場~

クリスタ「良いお湯だね~」チャプン

ユミル「くはぁ~。今日も疲れた~。いやいつも以上だな」コキコキ

ミカサ「そう? 私は楽だった。エレンがそばにずっといてくれたから」

ユミル「私はお前らのせいで疲れたよ」ハァ

クリスタ「ミカサってエレンと一緒にいるんだよね」

ミカサ「そう。幼い頃から一緒に育ってきた」

ユミル「? お前の両親は?」

ミカサ「……」

ユミル「っち、悪いこと聞いたな」

ミカサ「いや、私にはエレンという家族がいるから」

クリスタ「そ、そうだよね。そう言えばエレンって昔からああいう感じ?」

ミカサ「ああいうとは?」

ユミル「女性に対して気遣いをしないのか?」

ミカサ「エレンに友達はアルミンしかいなかったから分からない」

クリスタ「」

ユミル「」

本日はここまでです。これを読んで下さった方々に感謝を。

>>1です。再開します。

ミカサ「アルミンも友達はエレンだけだった。私が二番目の友達。だと思う」

ミカサ「私たちは基本的に三人で遊ぶことが多かったから」

クリスタ「ええっと」

ユミル「うわ~」

クリスタ(この二人と一緒にいたアルミンって気苦労多かったんだろうな~)

ミカサ「でも、私たちの中でアルミンが一番頑固だと思う」

クリスタ「そうなの!?」

ミカサ「アルミンは自分が守るべき一線は何があっても譲らない」

ユミル「なんだよ、その一線って」

ミカサ「外の世界」

クリスタ「」

ユミル「」

ミカサ「壁の向こう。それがエレンとアルミンの守るべき一線。絶対に譲らない一線」

クリスタ「譲らない一線、か」

ミカサ「そう。エレンは幼い頃からずっと壁の向こう側にあこがれを抱いている」

クリスタ「エレンって、一生懸命だよね」

クリスタ「真面目に何でも取り組んでて」

ユミル「そうか~。あいつ座学の時間すげえ眠そうだったぞ」

クリスタ「それでも眠らなかったじゃない。懸命に起きてて」

クリスタ「でも、その時のエレンが可愛いかったよ」

クリスタ「眠りかけると頭がカックンって下がるの。でもそれで目を覚まして。でもまた頭が下がって」

クリスタ「そしたらミカサが少し突いて起こしてあげたよね」

ミカサ「そう。エレンに頼まれている。眠りそうになったら起こしてくれと」

ミカサ「全く、エレンはいつまでたっても子供っぽい」フゥ

ユミル「そうだ。それで思い出した」

ユミル「ミカサ、その保護者気取り少しは改めたらどうだ?」

ミカサ「しかし、エレンは私がいないと――」

クリスタ「う~ん。その、ね。ミカサはもう少し一歩引いてもいいんじゃないかなって」

ミカサ「一歩?」

クリスタ「うん。エレンだってエレンなりの考えがあって行動してるんだろうし」

ユミル(それはどうか怪しいもんだ)

ミカサ「しかし……」

クリスタ「エレンのこと信じてるんでしょ? ならエレンの行動も信じてあげようよ、ね?」

クリスタ「ほんとに危なそうだったら注意すればいいし、私たちも手伝うからね?」

ミカサ「分かった。クリスタを信用しよう」

ユミル「おいおい。私まで巻き込むつもりかよ?」

クリスタ「お願い、手伝って!」

ユミル(まぁ、エレンとミカサをさっさとくっ付けてアルミンが近づく理由を失くすのも手か……)

ユミル「私の可愛いクリスタの頼みだ。手伝ってやるよ」

クリスタ「ありがと!」

ユミル「良いって。ちょっと触らせてもらえれば、な!」フニュン

クリスタ「きゃっ! ゆ、ユミルくすぐったいって!」

ユミル「クリスタって、思いの外胸あるよな?」モミモミ

クリスタ「も、もう! ミカサも何か言ってよ」

ミカサ「……」ジー

クリスタ「え、なに?」

ミカサ「クリスタの肌綺麗……」ピトッ

クリスタ「ミ、ミカサまで!?」

キャッキャ! ワイワイ!



図書館

エレン「」

アルミン「」

ライナー「」

クリスタ「ハァ……ハァ……」

エレン「大丈夫か?」

ミカサ「ごめんなさい。やりすぎた」

クリスタ「う、ううん。楽しかったからいいの」ハァハァ

ライナー(風呂上りのクリスタ)ゴクッ

アルミン(すごく色っぽい)ゴクッ

アルミン「そ、それじゃ始めようか」

クリスタ「うん、それじゃあエレンとミカサが――」

ミカサ「いや、ここはエレンとクリスタだと思う」

アルミン「!?」

クリスタ「!?」

ライナー「!?」

エレン「?」

本日はここまでです。これを読んで下さった方々に感謝を。

>>1です。再開します。


クリスタ「え、ミ、ミカサ?」

アルミン「ね、熱があるんじゃ!?」

ライナー「大変だ! 急いで医務室に!」

ミカサ「……一度みんなに私のことをどう見てるのか知りたくなった」

クリスタ「で、でもどうして?」

ミカサ「お風呂場でクリスタの助言を聞いて少し実践してみようかと思った」

ミカサ「エレン、それでいいだろうか?」

エレン「え? 別に良いんじゃないか?」

アルミン「ミ、ミカサ。それは……」

アルミン(もし、そうなったらクリスタの反対側の席は絶対に確保しないと!)

ライナー「よ、良くないぞ! こういう時こそ、仲良くするべきだと思うが」

ミカサ「私はエレンを信用している。私がいなくてもしっかりと勉強してくれる」

エレン「あ、当たり前だろ」

クリスタ(あ、エレン少し動揺してる)

アルミン(感じとしては過保護の母親から離れた子供ってところかな?)

ライナー「だが――」

ミカサ「そもそもエレンがクリスタに座学を教えるという約束」

クリスタ「そ、そうだけど」

エレン「まあ、アルミンがクリスタの反対側の席に座ればいいだろ」

アルミン(流石エレン!)

エレン「んで、ミカサがアルミンの隣で、ライナーが俺の隣か?」

クリスタ「え?」

アルミン「え?」

ライナー「え?」

エレン「え、違うのか?」


アルミン「エレン、どういうこと?」

エレン「なんだ、あそこにある円卓を使うんだろ?」ピシッ

エレン「丁度五人座れるし、みんなで教え合えるだろ?」

アルミン「あ、ああ。そ、そうだね」

クリスタ「う、うん。そうだね。一緒だとみんなで出来るね」

ライナー「そ、そうだな」

エレン「? 何かまずかったか?」

アルミン「う、ううん!」

アルミン(言えない。目先の欲に眩んでみんなでするということを考えてなかったって)

ミカサ「うん、移動しよう」

―勉強中ー

エレン「」カリカリカリ

クリスタ「」カリカリカリ

アルミン「」カリカリカリ

ミカサ「」カリカリカリ

ライナー「」カリカリカリ

アルミン(考えたのと何か違う!)

アルミン(何だろう、それぞれが思ってた思惑を超えてきたせいで)

アルミン(どうすればいいか分からない)

アルミン(突破口になりえるエレンとミカサは本気で勉強始めてるし)

アルミン(そのせいでクリスタは声をかけれなくて困って、最終的に本当に勉強始めちゃったし)

アルミン(その姿を見たら僕もライナーもクリスタに声を掛けれないし……)

アルミン(ここは待ちの一手か。誰かが動きに合わせて皆動き始めるはず)

アルミン(そしてそれはおそらく――)チラッ

エレン「」カリカリカリ

本日はここまでです。これを読んで下さった方々に感謝を。

>>1です。遅れてすいません。再開します。

~十数分後~

エレン「……あれ? ここどうだったっけ?」

アルミン(来たっ!)

クリスタ(よしっ!)

ライナー(よし!)

アルミン(この状況でエレンが相談するのは確実に――)

エレン「クリスタ、ここどうやってとくんだっけ?」コソコソ

クリスタ「エレン、これ今日したばっかだよ?」コソコソ

エレン「仕方ねえだろ」コソコソ

アルミン「どうしたの?」コソコソ

アルミン(よし、これで一緒に会話が出来る!)

クリスタ「エレンが分からないところがあるんだって」コソコソ

アルミン「エレン、授業中に寝るからこうなるんだよ」コソコソ

エレン「寝てねえよ。ちょっと聞き逃しただけだ」

クリスタ「アルミン、ここってこうだよね?」コソコソ

アルミン「うん、そう言ってた」コソコソ

エレン「えっと、ここはこうだな?」コソコソ

クリスタ「うん、そしてここがこうで」コソコソ

アルミン「そうするとここがこうなるから」コソコソ

ライナー(くそ、入りずらい)

ミカサ(いいな……。私もエレンの横で……)

ミカサ(ハッ!? いけないっ! エレンを見守るって決めたのに!)ジー

ミカサ(エレンを見守、るって。そう、みま……)ジー

ミカサ「」ジー

エレン「そうか、ありが……。なんだよ?」

ミカサ「う、ううん」

クリスタ「ミカサも一緒にしない?」

ミカサ「是非!……じゃなくていい。私はエレンを見守ると決めた」

クリスタ「そう言わないで、ね?」

エレン「まぁ、本人が良いって言ってるんだし、良いんじゃないか?」

アルミン(エレン、今の君は冴えてる!)

アルミン(ここでミカサが入れば絶対にクリスタが二人に対してお世話を焼こうとする)

アルミン(そうなれば僕との会話は減る。それだけは避けないと)

クリスタ「でも……」チラッ

ミカサ「き、気にしなくていい」

クリスタ(うん、それ無理)

クリスタ「エレン」ボソッ

エレン「なんだよ?」コソッ

クリスタ「こういう時は相手をしてあげなきゃ」コソッ

エレン「本人が良いって言ってるんだろ? それを――」コソッ

クリスタ「あれはやせ我慢! ほんとはエレンの側に居たいの!」コソッ

エレン「なんでだよ?」コソッ

クリスタ「いいから、ね!」コソッ

エレン「分かったよ」コソッ

アルミン(クリスタ!? これじゃあ、ライナーが隣に!)

ライナー(よし! ようやく俺に運が回ってきた!)

ライナー「エレン、だったら俺と席代わるか?」コソッ

ライナー「それだったらミカサの隣に座れるだろ?」コソッ

エレン「そこまでする必要あるのか?」コソッ

クリスタ「エレン、女の子の言葉を鵜呑みにしちゃダメ」コソッ

クリスタ「特にミカサみたいに自分を抑え込んだりする子は、ね?」コソッ

ミカサ「?」

エレン「自分を抑え込む?」コソッ

アルミン「それはどうだろう?」コソッ

エレン「あいつ、結構自分が思ったことをはっきり言うぞ?」コソッ

クリスタ「そうじゃない場合もあるかもしれないでしょ?」コソッ

クリスタ「だから、ね」

エレン「分かったよ……ライナー、席変わんねえか?」

ライナー「おう、いいぞ」

ミカサ「!?」

ミカサ(こ、これは! い、いいのだろうか? し、しかしエレンが勝手に隣に来るだけで)

エレン「っと、分からないことがあったら聞くからな?」

ミカサ「ま、任せてほしい!」

エレン「声が大きい」

ミカサ「ご、ごめんなさい」

エレン「さっさと始めようぜ……」カリカリカリ

ミカサ「~♪~~♪~」カリカリカリ

今日はここまでです。これを読んで下さった方々に感謝を。

>>1です。再開します。

クリスタ「うん、これでいいみたいだね」

アルミン「う、うん」

ライナー「上手くいくといいな」

クリスタ「きっと上手くいくよ」

アルミン(おかしい。ある意味僕が求める結末に近いのにライナーがいるだけで酷いことになってる)

ライナー「なぁ、クリスタ。ここの問題って――」

アルミン「僕が教えてあげるよ」

ライナー「いや、俺は――」

アルミン「そう言わないで。ここはね、教科書を使って――」

ライナー「どうあっても邪魔をする気か?」ボソッ

アルミン「当たり前」ボソッ

クリスタ「二人とも仲良いんだね」ニコニコ

アルミン「うん。同じ部屋だしね」

ライナー「ああ、時たま勉強もこうやって教えてもらってるしな」

アルミン(でも)

ライナー(この戦い、絶対に負ける気はない!)

――翌日――

ユミル「よう、アルミン。元気がなさそうだな」カラカラ

アルミン「あ、いや。そんなことはないよ?」

アルミン(結局、あの後、ライナーの邪魔をするのでクリスタと仲良く勉強なんて出来なかった)ガクッ

ユミル(くくく、その調子だと上手くいかなかったようだな)

クリスタ「あれ、エレンは?」

ミカサ「寝坊?」キョロキョロ

アルミン「うん、ちょと遅くなるみたい。でもすぐ来ると思うよ?」

アルミン「あれ、そう言えば二人とも少し違う?」

クリスタ「気が付いた? ちょっとだけ髪型を変えてみたの」

クリスタ「私はアニに髪留め借りて、一つに纏めて。ミカサはサシャにゴムを借りて後ろ髪をまとめてみました」

ミカサ「ほんの少しだけど」チョコッ

クリスタ「似合うかな?」

アルミン「うん、すごく似合うよ!」

クリスタ「ありがと」エヘヘ

アルミン(ああ、女神だ)

ユミル「ま、これでエレンが気づけばいいんだが」

ミカサ「エレンなら気づいてくれる」

ユミル「お前のその自身はどこから湧いてくるんだよ」

ミカサ「それは家族だから」

ミカサ「……今日のエレンは昨日のように私を一人の女の子として扱ってくれないのだろうか……」ドヨン

クリスタ「あ、えっと」

ユミル「まぁ、あいつが二日も続けてくれる筈もないだろうな」

ミカサ「ああ、世界は残酷だ」

クリスタ「ユミル! き、きっと大丈夫だよ。エレンもミカサを……」

ユミル「思ってもないことを言わない方がいいだろ?」

アルミン「う~ん、案外大丈夫じゃないかな?」

クリスタ「ほんと? 昨日だって嫌々だったよ?」

アルミン「僕に任せてよ」

クリスタ「お願い!」ギュッ

アルミン(クリスタの手柔らかい!)

アルミン「任せてよ!」

ユミル(っち、昨日に比べてクリスタとアルミンの仲が少し縮まってやがる)

ユミル(どうしたものか……)

クリスタ「あ、エレンが来た」

エレン「ふぁ~。よ、おはよう」

アルミン「エレン、おはよう」

クリスタ「おはよう、エレン」ドキドキ

ミカサ「おはよう」ドキドキ

エレン「おはよう」

ユミル「おい、それだけか?」

エレン「うん? ああ――」

ミカサ(気づいてくれた!?)

クリスタ(昨日の成果が!?)

エレン「今日も一日よろしく頼むな」

クリスタ「――え?」

ミカサ「――エレンが残酷だ」シクシクシク

クリスタ「エレン? 何かに気が付かない?」

クリスタ「ほら、ね?」クルッ

エレン「うん? その髪型がどうかしたのか?」

クリスタ「気づいてるなら言ってよ!」

エレン「なんでだよ? ミカサも変えてるけど、俺が何か言うことじゃねえだろ?」

クリスタ「言ってあげて! 女の子はオシャレしたら気づいて欲しいんだから」

エレン「分かったよ。二人とも似合ってる」

クリスタ「う~。ほんとはもう少し言って欲しいけど……」チラッ

ミカサ「あ、ありがとう」カァ

クリスタ(ミカサが満足してるから良いかな)

エレン「赤くなるなよ。こっちまで恥ずかしくなる」

アルミン「エレン、今日はどうするの?」

エレン「どうするって何が?」

アルミン「ミカサを今日も女の子扱いするの?」

クリスタ(アルミンお願い!)

エレン「いや、それは昨日までだろ?」

アルミン「でも、やりづらいんじゃない?」

エレン「何がだよ?」

アルミン「昨日一日中女の子扱いして、またいつも通りって」

エレン「別に大丈夫だろ」

アルミン「そう? ならいいけど」

クリスタ(アルミンっ!?)

アルミン「大丈夫」コソッ

アルミン(うん、これでエレンは大丈夫)

ミカサ「……あ、エレン。寝ぐせ」サワッ

エレン「いいって」

ミカサ「駄目。ちゃんとしないと」サワサワ

エレン「ああ、もう! 良いだろ別に!」

ミカサ「ごめんなさい」シュン

エレン「あ、いや。謝るなよ。俺も言い過ぎた」ワタワタ

ユミル「おいおい。幾ら一日だけってもミカサを女の子扱いした結果がこれって大きいだろ」

クリスタ「アルミン、どういうこと?」

アルミン「エレンだって別にミカサを傷つけたくて普段からあんなことを言ってるわけじゃないからね」

アルミン「今まではあんまり気にならなかったんだけど、昨日一日女の子扱いしたから」

アルミン「ミカサが女の子だって気づいて、今さっきの僕の言葉で意識したせいで」

ユミル「エレンはミカサに対して今までのような対応ができないってことか?」

アルミン「まぁね」

ユミル「あいつやっぱり単純だろ」

アルミン「あはは、まぁ、そこは、ね?」

クリスタ「でも、これでミカサが女の子扱いしてもらえる」グッ

アルミン「とはいえ、今日は特に何もないよ? 基本的に座学ばっかりだよ?」

クリスタ「良いの。その分、一緒に居て色々と会話できるんだから!」

アルミン(よし、僕もクリスタと!)

ユミル(あ、こいつ面倒なことを考えてやがるな。防がせてもらうか)

本日はここまでです。これを読んで下さった方々に感謝を。

>>1です。再開します。

――夕食――

アルミン「……」グタァ

ユミル「……」グタァ

クリスタ「どうしたの? ユミルもアルミンも疲れ切ってるけど?」

エレン「どうしたんだ?」

ミカサ「今日は特に動くようなことはしてない」

アルミン「いや、うん。少し頭を使い過ぎちゃって」グタッ

ユミル「ああ、こう考えなくていいことを真剣に考えてな」グタッ

アルミン(ユミルの鋭さを甘く見てた。まさか、全て見切られるなんて)

ユミル(くそ、アルミンの頭の良さを甘く見てた)

エレン「変な二人だな」

アルミン「エレンに言われたくない」

ユミル「全くだ」

エレン「なんだよ」

クリスタ「まぁまぁ。ね?」

ジャン「よう、お前ら何してんだ?」

エレン「なんだよ、お前かよ」

ジャン「全く、死に急ぎ野郎は相変わらずだな」

エレン「何だと!? てめえに……」チラッ

ミカサ「」ジー

クリスタ「」ジー

エレン「ったく……。お前に声を張るなんて面倒だ」フゥ

ミカサ「エレン、えらい!」

クリスタ「エレン、かっこいい!」

ジャン「っち、乗ってこねえか」

アルミン「ジャン、今のわざと?」

ジャン「ああ、乗ってきたら成長してねえな、ってからかってやろうと思ってたんだが」

エレン「残念だったな。これでも少しは女性に対する扱いやエチケットは良くなってんだよ」

エレン「ま、お前よりは上手いな」

ジャン「なら、勝負するか?」

エレン「上等じゃねえか」

ミカサ「ならば判定は私がする!」

アルミン「いや、それは――」

ミカサ「私がする」

ユミル「何がどう転んでも勝ちが――」

ミカサ「私がする」

クリスタ「うん」

ミカサ「のでさっさと始めよう」

ジャン「ちょ、ちょっと待ってくれ。ミカサが判定するのか?」

ミカサ「そう。私が公平に審判する」

アルミン(嘘だ)

ユミル(嘘だな)

ジャン「ちょ、ちょっと待ってくれ」

エレン「なんだよ?」

ジャン「勝負内容は?」

ジャン(ミカサのことだ。エレンに有利な勝負内容の可能性がある)


エレン「んだよ。お前が言ってきたくせに決めてないのかよ。ミカサに任せるぜ?」

ミカサ「なら、私を、く、口説いて欲しい」カァ

アルミン(自分の欲望に忠実だ)

ユミル(もう、エレンの勝ちしか残ってねえじゃねえか)

コニー「お、なんだなんだ!? 面白いことか?」

サシャ「それでしたら私も参加します!」

ミーナ「え、何々!? 告白対決!?」キャー

アニ「」ハァ

ライナー「クリスタじゃないのか」

ベルトルト「ライナー」

マルコ「もう、ジャンは……」

エレン「お、おい。こんなに居る中で出来るかよ」

ジャン「なら逃げるか? だったらお前は死に急ぎ野郎じゃなくて逃げ出し野郎だな」

エレン「なっ!? 上等だ。やってやる!」

ジャン(も、もし上手く告白出来たらミカサもこっちを向いてくれる筈だ!)

アルミン(何だろう、ジャンが無謀な考えをしてる気がする)

ユミル(まあ、面白そうだからほっとくか)

コニー「何だ? 告白勝負って、お前ら二人ともミカサのことが好きだったのか!?」

ジャン「!?」

ミカサ「!?」

エレン「なんでそうなるんだよ?」

コニー「だって、告白対決って――」

クリスタ「コニー、少し黙ってて?」

クリスタ(ああ、ミカサがエレンの言葉で少し落ち込んでる)

ミカサ「」ショボン

コニー「で、でもよ?」

ユミル「お前ほんとに口閉じてろ!」

アルミン「コニー少し静かに」

アルミン(今、下手にエレンを煽っちゃダメだ。エレンの性格だと、怒って止めてしまう可能性がある)

アルミン(不安だけど、ここはジャンに任せるしかない)

コニー「わ、分かったよ」ショボン

サシャ「そんなに落ち込まないでください。パン食べます?」

コニー「それ元々俺のじゃねえか!?」

サシャ「いいじゃないですか。しかし、これどっちが勝つと思います? 私はエレンが勝つにパンを一個かけます」

コニー「だったら俺は明日の朝食をエレンにかけるぜ?」

サシャ「それじゃ賭けになりません!」

コニー「なら他の奴も巻き込むか。ライナーはどっちに賭ける?」

ライナー「お前、馬鹿だろ?」

コニー「なんでだよ?」

ライナー「どっちが勝つか分からないから賭けは成り立つんだぞ?」

コニー「なんだよ、確率は二分の一だろ? 合ってるだろ?」

ユミル「はぁ、お前。例えばだぞ? ミカサとクリスタが対人格闘をするとする」

コニー「ああ」

ユミル「勝った方はエレンを好きにできる権利だ。お前はどっちが勝つと思う?」

コニー「そりゃ、ミカサだろ?」

ユミル「つまり、この勝負も似たようなもんだろ?」

ジャン「おい、お前らひでえぞ!」

ユミル「そうだな。なら賭けを成立させてみるか?」

ユミル「三本勝負にしてみるか。審判員を変えて三回、その審判員が出したお題で勝負ってのはどうだ?」

エレン「ほんとにするのか? しかも三人も?」

ジャン「おういいぜ」

エレン「う、わ、分かった」

ミカサ「私以外に……?」

ユミル「大丈夫だろ? お前みたいに告白を希望する奴はいないって」

ミカサ「しかし――」

クリスタ「ちょうど良いんじゃない? それにほら、エレンも告白するってことはますますミカサのことを意識してくれるかもしれないじゃない、ね?」

ミカサ「――分かった」

ユミル「ってわけだ。さて、ほかに二人。エレンとジャンに無茶振りしたい女子は居ないか?」

サシャ「面白そうですね!」

ユミル「芋女てめえは駄目だ」

サシャ「どうしてですか!」

ユミル「お前は、適当に『食べ物をあげたい』とか言ったとかで決めそうだからだ」

サシャ「そんなことしませんよ! ねえ?」

ライナー「」スッ

ベルトルト「」スッ

ミーナ「」スッ

アニ「」ファ~

コニー「」スッ

サシャ「ひどいです!」

ユミル「というわけだ。他には――。アニはどうだ?」

アニ「めんどくさい」

ユミル「おいおい、お前普段からエレンに女性への扱い云々言ってるじゃねえか」

アニ「だからってわざわざ手伝う気はないね」プイッ

ユミル「いいじゃねえか。ちょっとぐらい手伝え」

ミカサ「私は反対する。この女がまともな判定が出来るとは思わない」

アニ「」イラッ

アニ「……気が変わった。受けてやるよ」

本日はここまでです。これを読んで下さった方々に感謝を。

>>1です。再開します。

ミカサ「駄目」

アニ「あんたに許可をもらう理由がないんだけど?」

アニ「それに私は頼まれた側。そこを理解してるかい?」

ミカサ「どうせ、エレンに告白してもらおうなどと考えてるに決まってる」

アニ「それはあんただろ?」

ミカサ「あなたとは決着をつける必要がある」

アニ「へぇ、奇遇だね」

ユミル「おいおい。ここでやるなよ? それに勝負はエレンとジャンが先だ」

ユミル「エレン。アニでいいだろ?」

エレン「あ、ああ。アニならしっかりとしてくれそうだし」

アニ「ほら。エレンが良いって言ったんだよ?」フフン

ミカサ「」ギリリリ

エレン「ミカサ、他に誰もいないんだ。アニなら良いだろ?」

ミカサ「エレンが良いというなら納得しよう」

ユミル「さて、ここでようやく二人そろった。最後はどうするかな」

ユミル「――そうだな。クリスタがやるか」

アルミン「!?」

ライナー「!?」

クリスタ「わ、私? えっと、二人ともそれでいい?」

エレン「クリスタなら安心できるな」

ジャン「ああ。ちゃんと審判してくれそうだしな」

クリスタ「うん! じゃあ、しっかりと審判するね!」

アルミン(なん、だと)

ライナー(羨ましい)

アルミン(どこをどう転ぼうがクリスタが望むシチュエーションで動ける)

アルミン(つまり、少しぐらい体をふれてもいいというわけだ)

アルミン(どうにかして、入り込まないと)

ユミル「よし、それじゃあ最初は誰からやる?」

アルミン(まずい、始まったら終わりだ! 考えろ! どこをどのタイミングで――――)

アルミン(――よし、これでやってやる)

アルミン「エレン、大丈夫?」コソッ

エレン「あん? 大丈夫だろ?」

アルミン「でも、ミカサはともかく、アニとクリスタはどう?」

エレン「アニのことは少なくとも知ってるし、クリスタだって最近一緒に居るから大丈夫だって」

エレン「取りあえず、ジャンに負ける気はない」

アルミン「エレン、なんだったら僕がサポートに入ろうか?」

エレン「大丈夫だって」

アルミン「油断は禁物だよ。ジャンに何か奥の手があるかもしれないし」

エレン「そうか?」

アルミン「うん。見てよ」チラッ

ジャン「あん? 何だよ?」

エレン「そうか? 普段と変わらない気に食わない顔だけど」

アルミン(うん。僕もそう思う。正直ジャンに奥の手なんてないよ。でも――)

アルミン「そうかな、何か隠し持ってる気がする」

エレン「だとしてどうするんだよ?」

アルミン「それは――」

ユミル「おい、そこの二人。イカさまはなしだぜ?」

アルミン「ま、まさか」

クリスタ「アルミン。こればっかりは駄目だよ?」

アルミン「しないって」スッ

クリスタ「あ、目逸らした。エレン言ってたよね? 嘘つくと瞳が動くって」

アルミン「あはは、言ったっけ?」

アルミン(よし、ここまでは計算通り。後は畳み掛けるだけ!)

クリスタ「言ったよ。エレンに助言は禁止だよ?」

アルミン「でも、エレンは最近学び始めたばかりだよ。それじゃ不公平だよ」

アルミン「公平にするためにも僕がサポートに入ってもいいんじゃない?」

ジャン「おいおい。むちゃくちゃだな。勝負にそういうのは野暮だろ。もしするなら俺にもサポートが欲しいぐらいだ」

クリスタ「う~ん。でも確かにエレンにちょっと不利かな~」

ミカサ「大丈夫。エレンは出来る子。私は信じてる」

クリスタ「ユミル。どうしよ?」

ユミル「そうだな。……ここまで言ったからアルミンが何かしらの解決方法を思いてるだろうよ? だろ?」

アルミン「う、うん。そうなんだ」

エレン「どうするんだ?」

アルミン「簡単だよ。デモンストレーションをするんだよ。解答例とでもいえば良いかな?」

アルミン「各それぞれの審査員のお題に、まず他の人がやるんだよ。そうすればエレンもジャンもどういう風にすればいいか分かりやすい」

アルミン「さらに、その時の審査員の対応でどういう感じの方が審査員の印象が良いとか分かるしね」

アルミン「どう? ジャンにもメリットがあるでしょ?」

ジャン「そういうことなら俺は構わねえよ」

ユミル「それじゃ、そのデモンストレーションをしてくれる奴は?」

アルミン「言いだしっぺは僕だからね。不肖ながら務めさせてもらうよ。審査員が良ければだけど」

ミカサ「構わない」

アニ「別に構わないよ」

クリスタ「うん、そうすればみんなハッピーだね」

ユミル「問題はなさそうだし。それでいくか」

アルミン(やった! 上手くいった! これで公然とクリスタとイチャイチャ出来る!)

ユミル「―――――」ニヤッ

本日はここまでです。これを読んで下さった方々に感謝を。

>>1です。再開します。

ユミル「さて、なら早速始めるか。最初はミカサだな」

ミカサ「よろしく」

ミカサ「それでは早速。エレン、私を口説いて欲しい」ジー

エレン「おい、アルミンの話を聞いてたか?」

ミカサ「聞いていた。だが、エレンが私のことを口説いてくれた時点で私が頷くのは決まっている」

ミカサ「ので、アルミンのデモンストレーションは不要」キリッ

クリスタ「はは、ミカサらしいね」

ユミル「おいおい。さすがに駄目だろうが」

ミカサ「更に言えば、ジャンも不要。何があろうとエレンの勝ちは決まってる」

ジャン「」

クリスタ「あ、ジャンが固まってる」

エレン「いいから、まずはアルミンの解答例を見させてくれ。口説き方とか俺は知らないんだ」

ミカサ「……必要ないのに」ボソッ

ミカサ「仕方ない。アルミン、さっさと初めてさっさと終わらせよう」

アルミン「僕、この状況で口説くの?」

ユミル「ああ。頑張れ?」ニヤニヤ

アルミン「まぁ、いいか。それじゃいくよ?」

アルミン「あ、シチュエーションとかはどうする?」

ミカサ「それならばデートに誘うために口説いて欲しい」

アルミン「分かった。……ミカサって綺麗な髪だね」

ミカサ「ありがとう」チラッチラッ

エレン「?」

アルミン「でも、ミカサもたまにはオシャレしない?」

ミカサ「そう?」チラッチラッ

エレン「?」

アルミン「う、うん。そうすればもっと綺麗になるよ」

ミカサ「そうだと嬉しい」チラッチラッ

エレン「?」

アルミン「そ、それで、さ。今度の休みに、そのアクセサリーとか見に一緒に行かない?」

ミカサ「しかし」チラッチラッ

エレン「?」

アルミン「ごめん、ミカサ。ちゃんとこっち向いてもらっていい?」

アルミン「うん。エレンのことが気になるのは分かるんだけど」

アルミン「もう少しこっちに気を向けて? お願いだから」

ミカサ「……分かった」ハァ

アルミン「いや、露骨にため息を吐かないでよ。もういいよ。それで、一緒に行かない?」

ミカサ「残念ながら、断る」

ユミル「はい、終了~!」ニヤニヤ

ユミル「で、ミカサどうだった?」

ミカサ「髪の毛を褒めてくれたのは嬉しい。しかし、大切な要因が抜けていた」

ミカサ「ので、断った」

ユミル「その要因とは?」

ミカサ「エレンと一緒という要因が入ってなかった」

アルミン「ミカサ? もう、それ普段と一緒だから」

ミカサ「しかし、私を口説くには必要不可欠」

ミカサ「それではエレンお願いする」

ジャン「いや、先に俺が――」

ユミル「はい、それじゃエレンから」

ジャン「いや、それは」

ミカサ「エレン、早く早く」グイグイッ

エレン「おい、袖を引っ張るな。伸びちゃうだろうが」

エレン「ったく。それじゃ、行くぞ?」

ミカサ「いつでも!」

エレン「ミカサの体って綺麗だよな?」

クリスタ「!?」

ユミル「!?」

ジャン「!?」

アルミン(エレン、言葉が足りてないよ!)

アルミン(その言葉だと大変な誤解が生まれるから、いやもう生まれてるけど)

ミカサ「そ、そうだろうか」カァ

エレン「ああ、それに顔も整ってるし、美人だし」

ミカサ「あ、あぅ」カァァ

エレン「その、なんだ? お前が良ければなんだけど。一緒にアクセサリ―とか見に行かないか?」

ミカサ「行く! 今すぐ行こう! そしておそろいの指輪を買おう!」

エレン「ああ、それもいいな」ニコッ

ミカサ「!?」

ユミル「……おお、終了だ。なんだなんだ? いつから口説きから告白に代わったんだ?」

アルミン(エレンの方が上手い? うう、まさか……)ガクッ

クリスタ「う~ん、でも口説き方がアルミンと一緒かな~。もう少し個性が欲しかったかも」

クリスタ「それに体を褒めてからアクセサリーの流れが気になったかな。もうちょっと頑張れ! てところかな?」

エレン「無茶を言うなよ。もうこれで一杯だな」フゥ

クリスタ「でも、最後の指輪の下りは良かった! もう、私がキュンってなったもん」

エレン「そうか? お揃いの指輪ぐらい家族ならするだろ?」

クリスタ「……あ、うん。……そうだね」ハァ

アルミン「あ、別に深い意味で言ったわけじゃないんだ」

エレン「? なんだよ、深い意味って」

アルミン「エレン、お揃いの指輪の意味って分かってる?」

エレン「うん? 仲の良い異性が一緒につける奴だろ?」

アルミン「惜しい。もう一歩先に行こう」

クリスタ「エレン? 婚約指輪って知ってるよね?」

エレン「当然だろ? 左の薬指にはめる奴だろ?」

クリスタ「あれ? 知ってる?」

エレン「流石に知ってるぞ」

クリスタ「ねぇ、どういうこと?」コソッ

アルミン「分からない」コソッ

ユミル「あいつの頭の中、おかしいんじゃねえか?」コソッ

アルミン「……もしかして」

クリスタ「分かったの?」

アルミン「多分、エレンにとって大切なのは左手の薬指にすることだと思ってるんだよ」

ユミル「それ以外は関係ないってことか?」

アルミン「おそらくね。そしてミカサからのお揃いの指輪って言われても薬指以外にはめるものだと思ってるんだ」

クリスタ「もう、エレン!」

エレン「な、なんだよ?」

クリスタ「エレン、良い? お揃いの指輪って――」

ジャン「おい、それよりさっさと俺の番にしろよ!」

ユミル「あ~、はいはい。それじゃ、ミカ、サ?」

ミカサ「」

ユミル「あ、駄目だ。気絶してるな。よし、エレンの勝ちだな」

ジャン「おかしいだろ!?」

ユミル「はぁ、お前がミカサこれだけ喜ばせれるはずないだろ? 諦めろ」

ジャン「く、くそがー!」ダダダダダッ

アルミン「あ、居なくなった」

ライナー「おい、どうするんだよ? せっかくの賭けが成り立たなくなるぞ?」

ユミル「安心しろって。やってるのは二人だろ?」ニヤ

アルミン「そ、それって僕のこと?」

ユミル「当たり前だろ? お前以外にだれがいるんだよ?」

ユミル「次からはお前とエレンの勝負だ。安心しろ。ミカサの試合は無かったことにしてやるからよ、な?」

アルミン「い、いや。でも――」

コニー「アルミン、頑張れ!」

サシャ「面白そうです! どっちが女性の扱いが上手いんでしょうか?」

アニ「ま、あたしはどっちでも良いけどね?」

ミーナ「わぁ、すごく楽しそう!」キラキラ

ユミル「観客も楽しんでるんだ? ここで引くわけにはいかねえよな?」

アルミン「うう……」

ライナー「羨ましい……」

アルミン(羨ましくない! どうする? これは不味い)

アルミン(ライナーを代役に仕立て上げる? 駄目だ。クリスタに近づけさせるのは悪手だ)

クリスタ「アルミン、お願いしていい?」

アルミン(もう無理だ。これを断るなんて僕にはできない)

アルミン「うん、分かったよ。エレン、よろしくね?」

エレン「お、おう。けど俺がアルミンに勝てる気がしないんだが」

アルミン「こういうのってやっぱり真心だよ」

エレン「真心ねぇ。ま、真剣にやらせてもらうぜ?」

アルミン「はは、僕も頑張るよ」

アルミン(頑張らないといけなくなっただよ。ほんとに)

アルミン(デモンストレーション役だったら多少のミスは許される)

アルミン(けど、エレンと勝負というわけだからミスは許されない。絶対に)

ユミル「それじゃ、次の試合始めるか?」ニヤリ

ユミル(さて、アルミンを無難な『デモンストレーション』役から無事に引き摺り下ろせた)

ユミル(エレンの告白まがいでミカサが気絶するのは分かってたし、それを受けてジャンが逃げるのも分かってた)

ユミル(ここまでは計画通り。さて、ここからが本番だ。アルミン、覚悟は良いよな?)

ユミル(これからはお前も相応のリスクを負ってもらうぜ?)

本日はここまでです。これを読んで下さった方々に感謝を。

>>1です。遅れて申し訳ありません。再開します。

アニ「いつまで私は待ってればいいんだい?」

ユミル「悪い悪い。それじゃ、早速始めようか?」

ユミル「それじゃ、最初はエレンから行くか?」

エレン「いや、俺は苦手だ。アルミンのを参考にしたいんだが」

ユミル「よし、ならエレンからだな」

エレン「おい! 人の話聞けよ!」

ユミル「おいおい、人ばっかりに頼るなよ、な?」

アニ「そうだね、お題は『浮気がばれたときの対応』ってのはどうだい?」

エレン「はい?」

アルミン「え?」

ユミル「ははははっ! そりゃいいな! お前最高だよ!」ケラケラケラ

アニ「それじゃ、早速やるよ?」

エレン「ちょ、ちょっと待て! 何だよ、そのシチュエーション!」

エレン「何をどうしたらそんなシチュエーションになるんだよ!?」

アニ「何言ってんの? 女性と喧嘩したときに上手く宥められないなんて駄目だね」

アニ「相手がいつも冷静になってくれる筈ないんだから」

クリスタ「でも、そうならないために――!?」ムグッ

ユミル「ま、そういうこった。それじゃ、上手くやってくれよ?」

アニ「それじゃ、私があんたを呼び出したところ、セリフは『なんだ、呼び出して?』で始めて」

エレン「もうそれ、お芝居じゃねえか」

アニ「取りあえず、あんただったらどうするかでいいんだよ」

エレン「分かったよ。適当に話し合わせればいいんだな?」

アニ「そうだよ。ま、頑張りな」

エレン「それじゃ――なんだ、呼び出して?」

アニ「あんたさ、私に言うことない?」

エレン「いや、ない」

アニ「この間の休み、記憶にない?」

エレン「……いや、ないぞ?」

アニ「へぇ。ミカサたちと一緒に出掛けたの見たんだけど?」

エレン「ほんとの話じゃねえか」

アニ「良いから。さっさと続けるよ。――それでどうなんだい?」

エレン「いや、それぐらい良いだろ?」

アニ「良くないんだけど。私というものがありながら他の女と一緒に歩くってどういうこと?」

エレン「いや、ミカサは家族なんだから良いだろ?」

アニ「でも血は繋ってないんだろ? しかも私に黙ってだなんて酷いんじゃないかい?」

エレン「一々、お前の許可いらないだろ?」

アニ「へぇ、そういうこと言うんだ」

エレン「別に良いだろ? 俺がいつどこで誰と一緒に居ようが」

アニ「あんたね、少しは私の気持ちを考えたことある!?」

エレン「声を荒げるなよっ!」

アニ「あんたが私のことちゃんと気にかけないからでしょ!」

エレン「だったら俺にどうしろって言うんだよ!」

アニ「あんたね! ――」

アニ「うん、終了。あんたやっぱり女性の扱い方無理だわ」ハァ

エレン「あ、やっぱり駄目か」

アニ「分かってたんなら、ちゃんとやりな」

エレン「いや、途中から不味いとは思ったんだが、どこでどうすりゃいいかわからねえんだよ」

アニ「だからって、喧嘩してどうするんだい? その先にあるのなんて大抵破局だよ?」

エレン「いや、だから俺が学んでるのは女性への扱い方だ。彼女への対応の仕方なんて学んでねえよ」

アニ「……」ジィー

エレン「なんだよ?」

アニ「別に。ま、あんたにしちゃ頑張った方かね?」

ユミル「お前、ほんとに駄目だな」ハァ

エレン「てめえまで言われるのは納得いかないんだが」

クリスタ「う~ん、もう少し柔らかにいかない?」

エレン「最初は頑張っただろ? まぁ、最後は駄目だったが」

ミカサ「つまり、エレンに怒らない相手が望ましい」

アルミン(いつの間に。さっきまで気絶してたはずなのに)

ミカサ「怒りやすい、あなたでは無理」チラッ

アニ「あんたも無理だと思うけどね」ギロッ

エレン「止めろって。それよりさっさとアルミンの番を始めようぜ」

アニ「……そうだね。それじゃ、始めようか?」ッチ

アルミン「う、うん」

アルミン(このぎすぎすした状態で!?)

本日はここまでです。これを読んで下さった方々に感謝を。

>>1です。再開します。

アニ「ほら、早く」イライラ

アルミン「えっと、呼び出して何の用?」

アニ「あのさ、この前一緒に歩いていた女なに?」

アルミン「べ、勉強を教えて欲しいって言われただけだよ」

アニ「嘘だね!」

アニ「どうせ他の女に現を抜かしてたんだろ!?」

アルミン(早いよ!? 怒るの早いよね!? エレンの時はもう少し後だったじゃないか!)

アニ「どうなの!?」

アルミン「そんなことあるはずないじゃないか」

アニ「へぇ、嘘つくんだ」ギロッ

アルミン「う、嘘じゃないよ」

アルミン(これ、もう何かの取り調べじゃないの?)

アニ「ふぅん。そう、でもその子と前に一緒に歩いてたのを見てたのだけど?」

アルミン(何その設定!? エレンの時と難易度が違わない?)

アニ「黙るってことはやっぱり浮気なんだ」

アルミン「な、ないよ! そんなことあるはずないって!」

アニ「じゃあ、この間のはどう説明するの?」

アルミン(いやいやいや。全く身に覚えがないんだから答えようがないよっ!?)

アルミン(――いや、やってやる。こんなところで負けるわけにはいかない!)

アルミン「アニ、聞いて欲しい」ガシッ

アニ「!? ちょ、ちょっと」

アルミン「あれはただの友達! アニ以外に居ないって!」

アニ「で、でも」

アルミン「でもじゃないよ! いい!? あれはたまたま会っただけで別に何かがあったわけじゃない! たまたまアニへのプレゼントを探してたら会ったの!」

アニ「プ、プレゼント?」

アルミン「そう! アニに何かプレゼントしようと街を歩いてたら会っただけ!」

アニ「分かった! 分かったから! 離し、な!」ブンッ

アルミン「うわっ!?」ダァーン!

ユミル「しゅーりょー」

ユミル「いやいや。中々楽しい話だったね」

エレン「流石アルミンだな。俺には出来ねえよ」

ミカサ「私はアルミンなら出来ると信じていた。そしてエレンなら出来る」

ミカサ「ので私と本番を」

エレン「何言ってるんだよ」

ミカサ「残念」

クリスタ「凄いっ! まるでほんとに付き合ってるみたいだった!」キラキラ

アルミン「あ、あははは」

アルミン(辛い! クリスタに言われるのが一番つらい!)

アニ「ま、とにかく。この勝負はアルミンだね」

エレン「だろうなぁ。アルミンに勝てる気はしねえよ」

アニ「はぁ、少しはアルミンを見習ったらどうだい?」

エレン「まぁ、次にな」

アニ「そこそこ面白かったら良いけどね」

アニ「エレンのど下手な言い訳も面白かったし

エレン「ど下手で悪かったな」ブスッ

アニ「ま、アルミンもからかえて楽しかったし、私としては満足だね」

アルミン「僕としては冷や汗ものだったよ」

アニ「それでもエレンよりは上手く出来てたじゃないか」

アルミン「それでもだよ」

アニ「ま、後は頑張りな。私は帰るよ。はぁ、疲れた」トコトコトコ

ミーナ「でもアニ、楽しそうだったね」トコトコトコ

アニ「うっさい」ゲシッ

ミーナ「痛っ!」

ユミル「さて、ついにお次はクリスタだ」

クリスタ「うう、頑張る!」

ミカサ「クリスタ、頑張って」

エレン「いや、頑張るの俺たちだろ」

クリスタ「私も緊張するの!」

ユミル「それじゃ始めるぞ。お題は――」

アルミン「え、ユミルが決めるの?」

アルミン(クリスタとの触れ合いが少なくなる内容だけは避けな――)

ユミル「それじゃ、クリスタに告白してもらおうか」

アルミン「!?」

クリスタ「!?」

ミカサ「?」

エレン「?」

ライナー「なん、だと」

本日はここまでです。これを読んで下さった方々に感謝を。

>>1です。またしても長い間、勝手にお休みさせて申し訳ありません。
ですが、何があっても終わらせる所存です。楽しみに待ってくれていた方、
こうして書きこんでくれた方。本当にありがとうございます。
それでは再開します。

アルミン(どういうことだ? ユミルの考えが読めない)

アルミン(これじゃ、何をしたって僕にとって有利、いや大チャンスでしかない)

アルミン(まさか、僕のことを認めてくれた? いや、そんなことがあるはずない。絶対に罠があるはず)

ユミル(おお、考えてる。考えてる。だがな、アルミン。今のお前じゃ絶対に見つけられないぜ?)

クリスタ「ちょ、ちょっとユミル!?」グイッ

ユミル「なんだ? 抱きしめてくれるのか?」

クリスタ「そんなわけないでしょ!? それよりどういうこと!?」

ユミル「まぁ、落ち着け。ちょっと耳を貸せ。ついでにミカサも来い」チョイチョイ

クリスタ「何?」

ミカサ「私はエレンを見るのに忙しいのだけど」

ユミル「そんなもん、聞きながらでも出来るだろ」

ミカサ「……分かった。それで、用とは?」

クリスタ「そ、その私のお題が告白ってこと。ミカサも嫌だよね」

ミカサ「……正直言えば、嫌」

クリスタ「ほら! 違うお題にしようよ!」

ユミル「待てこれはチャンスなんだよ」

クリスタ「チャンスって?」

ユミル「幾らエレンに女性の扱い方を教えたとしてだ」

ユミル「エレンが女子と付き合おうとすると思うか?」

クリスタ「そ、それは、ほら。これから頑張って」

ユミル「無理だな。あいつ、女性へのエチケットやらで終わらせてやがる」

ユミル「このままじゃ、ミカサへの対応を少しは変えるだろうが――」

ミカサ「そこまでということ?」

ユミル「そういうことだ。今のあいつの考え方は、せいぜい女子を怒らせないってところだろうな」

クリスタ「う~。否定したいけどできない」

ユミル「な? そこで、だ。今回無理矢理エレンに告白させる」

ミカサ「その程度のことで、エレンが私を求めてくれるだろうか?」

ユミル「さぁな? だが、少しでも手は多く打つべきだ」

クリスタ「で、でも」

ユミル「そして、だ。クリスタ。今回は何があってもエレンを勝たせろ」

クリスタ「なんで?」

ユミル「初めての告白で失敗してみろ。傷つくだろが。初めてで失敗したら、変にトラウマになるかもしれねえからな」

ユミル「ま、最初は上手くいかせときゃ、次の時も告白しやすいだろうよ」

クリスタ「だったら、ミカサがやれば――」

ユミル「駄目だ。ミカサじゃ気絶しておしまいだ」

ミカサ「しかし」

ユミル「それにだ、お前は初めての告白が嘘でもいいのか?」

ミカサ「――それは、いや」

ユミル「な? それにクリスタだ。安心できるだろ?」

ミカサ「――分かった。クリスタならいい」

ユミル「というわけだ。頑張れ、クリスタ」

クリスタ「そんなー」

ユミル(さて、仕込みは完了。さぁて、向こうは――)チラッ

アルミン(――くそっ、何も思いつかない。僕にクリスタに接触させるメリットはどこにある!?)

ユミル(――上々だ。いいぜ、そのまま悩んでくれよ?)ニヤリ

エレン「お、おい。アルミン、大丈夫か?」

アルミン「あ、う、うん。だ、大丈夫だよ?」

エレン「それにしちゃ、視線が定まってないぞ?」

アルミン「ははは」

エレン「? まぁ、アルミンが大丈夫って言うならいいけど」

ユミル「さて、それじゃ始めるぜ?」

アルミン「あ、う、うん」

エレン「もう、どうとでもなれ」

ユミル「それじゃ、クリスタ。用意はいいな?」

クリスタ「う、うん」スゥーハァー

ユミル「んじゃ、さっきはエレンが最初だったらな。今回はアルミンだな」

エレン「よし、少しは有利になったか」グッ

アルミン「え!?」

アルミン(嘘だろ!? 最初が自分って)

ユミル「そうそう、言い忘れていた。今回はクリスタがその場で受けるか、断るかしてくれるからな?」ニヤリ

エレン「まぁ、俺は構わねえけど?」ポリポリ

アルミン「!?」

クリスタ「!? ユ、ユミル!?」

ユミル「まぁ、いいじゃねえか。楽しい方がいいだろ? な?」

コニー「うおー! なんか面白そうだな!」

サシャ「いいですね! 楽しそうです!」パクパク

ライナー「やべえな」ゴクリッ

ユミル「ほら、観客が楽しみにしてるんだ、な?」ニヤリ

エレン「こんなに見られるとさすがに恥ずかしいんだが」

アルミン「そ、そうだよ! こ、こんな状況じゃ上手く出来ないって」


ユミル「問答無用! さっさとやろうぜ」

ユミル「それにこれ以上待たせると、クリスタの方が上がって駄目になりそうだしな?」

クリスタ「う、うん。出来るなら早くやって。もう、恥ずかしくて倒れそう」カァァ

アルミン(か、可愛い)

ユミル「と、私のクリスタが言ってるんだ。さっさとやれ」

アルミン「わ、分かった」

ユミル「状況はクリスタが呼び出された、ってところからだ。よーい、スタート!」

本日はここまでです。これを読んで下さった方々に感謝を。

>>1です。再開します。


クリスタ「え、えっと。アルミン。よ、用って何かな?」

アルミン「あ、うん。……そ、それよりも今日はどうだった?」

クリスタ「え、あ、うん。エレンたちと一緒に居れて楽しかったよ?」

アルミン「そ、そっか……」

クリスタ「う、うん……」

アルミン「……」

クリスタ「?」

アルミン(あれ? 何を言えば良い? クリスタに告白? え、あれ?)

アルミン(こんなに人が一杯居る状態で? ど、どうすれば……)オロオロ

アルミン(よくよく考えたら、僕クリスタと仲良く考えることしか考えてなくて告白なんて考えてなかった……)サァァ

ユミル(くくく、ようやく気が付いたみたいだな。アルミン、お前大切なこと忘れちゃだめだろ?)

ユミル(お前の策略の癖は自分が動かずに周りを動かすことだ。つまり受動的)

ユミル(現に、お前自身が直接クリスタに話しかけることは少ない。エレンを使って、クリスタ自身から声をかけてもらえるようにしていた)

ユミル(そんな受動的なお前の弱点は――自分が動くこと)

ユミル(しかも、お前の得意な読みはあくまで相手の損得勘定を計算している)

ユミル(だけど、告白はそんなもんじゃねえ。完全な感情だけ)

ユミル(しかも、その感情はいくらここで策を巡らしたところで変わるもんじゃねえからな)

ユミル(それに気づかず、私ばかりに目を向けていたお前は罠を気にするあまり、自分が苦手な場所に立たされていることも気づかなったわけだ)

ユミル(さて、どういう言動を見せてくれる? アルミン)

クリスタ「え、えっと。アルミン?」

アルミン「あ、ええっと……」

アルミン(な、何も出てこない……)

アルミン「そ、その呼び出した理由なんだけど……」

クリスタ「う、うん」カァァ

アルミン(む、無理だよ! 告白されるの分かってる相手に告白するって! しかも周りから見られてる状況で)

コニー「」ジィー

サシャ「」パクパク

ライナー「羨ましい……」ボソッ

アルミン(今なら代わってあげたいよ!)

ミカサ「」ジィー

エレン「」ジィー

ユミル「」ニヤニヤ

アルミン(くそ、ユミルはこうなることが分かってたのかっ!)

クリスタ「……アルミン?」

クリスタ(お願い、早く言って。今さっきから心臓がバクバクしてて。耐えられないの!)

クリスタ(う~。でも罪悪感があるよ~。でも、言われたら断らないと)

クリスタ(なんて言おう。や、やっぱり御免なさい、だよね。言われたら断る)

クリスタ(言われたら、御免なさい。言われたら断る。言われたら――)

アルミン(も、もう破れかぶれだ!)

アルミン「好きです! 付き合――」

クリスタ「御免なさない!」

ユミル「おお、喰い気味に言ったな」

ミカサ「即答」

エレン「早すぎないか?」

コニー「うわ、アルミンがすごい顔してるぞ」

サシャ「いや~、あれだけ早いと。よっぽど嫌だったんですね~」

コニー「おい、やめろよ! ますますアルミンの顔がひどいことになっただろ!」

ライナー「よしっ」グッ

ミカサ「その『よしっ』の真意を聞こう。アルミンが落ち込んでるのに喜ぶなんて――」

ライナー「ちょ、ちょっと待て! ち、違――」

ミカサ「待たない。アルミンは私の大切な友達。そのアルミンに代わって殴る」

ミカサ「来てもらう」ズルズル

ライナー「」

ユミル「あ~。さて、呆然と死にそうになってる顔している奴と、今から死にそうになる奴がいるが、サクサク進めるぞ」

クリスタ「アルミン。ごめん~」ペコペコ

エレン「いや、あいつ聞こえてないぞ?」

アルミン「」

ユミル(くくくくっ、いいね~。さぁ~て。次はエレンの告白でクリスタがOKを出す。アルミンにとっては悪夢以外の何物でもないね)

ユミル(さて、これだけやればアルミンも諦めるだろう)

ユミル「さて、それじゃエレンとクリスタ。よろしく頼むぜ? スタート!」

本日はここまでです。これを読んで下さった方々に感謝を。

>>1です。再開します。

クリスタ「エ、エレン。用って何?」

エレン「あ、ああ、少し話したいことがある」

エレン「まぁ、その、何だ? あ、え、え~っと」

クリスタ「エレン、頑張れ」ボソッ

エレン「っと、そう。その前に最近ありがとな」

クリスタ「え? 何かしたっけ?」

エレン「ほら、俺に女性への気遣いとか教えてくれて」

クリスタ「う、ううん。私がしたくてしたことだし」

エレン「それでも、ありがとな。やってよかったと思ってる」

クリスタ「そっか」

エレン「あ~。えっと~」

エレン(やばい。話に詰まった。どうする? このままじゃいけねえよな?)

クリスタ(あ、エレンが困ってる。……少しぐらい手伝っても良いよね?)

クリスタ「そう言えばエレンっていつも一生懸命だよね」

エレン「そ、そうか?」

クリスタ「うん、それだけ一生懸命だとすごいと思うよ」

エレン「俺には夢があるからな」

クリスタ「夢?」

エレン「俺さ、壁の外の世界を見たいんだ」

クリスタ「外……」

エレン「アルミンが言うには壁の外の世界には色んな物があるんだってよ」

エレン「炎の水や氷の大地。砂の雪原が広がってるらしい」

クリスタ「へぇ。そうなんだ。でも、なんでそこまでしてみたいの?」

エレン「そんなの決まってるだろ?」

クリスタ「そうなの?」

エレン「俺がこの世界に生まれたから」

クリスタ「!」

エレン「俺たちは生まれた時から自由だ! その自由を得るためならどんなことだってしてやる!」

エレン「こんな壁の中で生きていくなんて嫌だ。俺は外の世界を知りたい」

クリスタ「……羨ましいなぁ」

クリスタ(私と全然違う。生まれた理由を死ぬことで決めつける私なんかとは)

エレン「クリスタ、なら一緒に行こうぜ!」スッ

クリスタ「え……」

エレン「俺はお前と一緒に外の世界を見たい! だから一緒に行こうぜ」

 ソッ

クリスタ(私はこの手を掴んでいいんだろうか。この人と一緒に外の世界を見に行きたい。そして――)

 ハッ

クリスタ「……駄目だよ」

エレン「なんでだよ?」

クリスタ「だって私は生まれたことが間違ってたんだもん」

クリスタ「そんな私が――」

エレン「よく分かんねえけど分かった。お前馬鹿だろ? 俺の言葉聞いてたか?」ハァ

クリスタ「え?」

エレン「俺たちは生まれた時から自由なんだよ。生まれたことに間違いとかあるはずねえんだよ」

エレン「もし、それでもお前がそんなこと言うなら――」
 
ギュッ、ダキッ

エレン「俺が言ってやる! 俺はお前がここにいてくれて嬉しい。お前が生まれてきてくれて嬉しい」

エレン「クリスタは俺たちと外に行くために生まれてきたんだよ!」

エレン「行こうぜ! 壁の外へ!」

エレン「だからさ。俺と一緒に行かないか? そのこ、恋人として」カァァ

クリスタ「は、はい!」

ユミル「」

アルミン「」

ミカサ「」

ライナー「」

コニー「あれ? 誰も言わないのか? なら、しゅ~りょ~!」

本日はここまでです。これを読んで下さった方々に感謝を。

>>1です。再開します。

エレン「……っぷはぁー! 疲れたー!」

エレン「もう駄目だ。何もしたくねー」グテ

エレン「女性への扱いってここまでしなきゃいけないのか……。大変だな……」

エレン「……? いや、みんなどうしたんだよ?」

サシャ「いや~。エレンがあそこまで言うなんて思いもしなかったですよ!」

エレン「どうせやるなら全力でやろうと思ってな」

エレン「アルミンが本気でやってるんだから俺も本気でやらないと駄目だろ?」

アルミン(違う違う違う! そこはエレンは適当でいいんだって!)

アルミン(あはは、でも結局振られたから意味ないか! はははっ……あ~くそう……)ションボリ

ユミル「は、ははは。……くそう……」

ユミル(エレンの行動を読み切れなかった。あいつのことだから、どうせ無難か、もしくは頑張ったな、程度だと思ったのに)

ユミル(なんだよ、あれ。もう、まじじゃねえか。あ~。っていうか、あの死に急ぎ野郎の行動なんか読めるかっ!)ガシガシッ

ユミル(クリスタの方は……)チラッ

クリスタ「……」バクバク

ミカサ「クリスタ?」

クリスタ「……え、な、なに!?」

ミカサ「そ、そのどうだった?」

クリスタ「う、うん。……なんか凄かったよ。エレンの想いがすごい伝わってきた」

ミカサ「……」ジッ

クリスタ「だ、大丈夫だよ! エレンはとらないって!」

ミカサ「本当?」

クリスタ「信用してって! もう! でも、ミカサ気をつけないと」

ミカサ「?」

クリスタ「エレンの告白、私でも心にきたよ。ミカサ、気絶じゃすまないかも?」

ミカサ「そ、それは……」カァ

ユミル(ん? 思ったよりもなんともないのか?)

アルミン(おかしいな。今の確実に――)

クリスタ「エレン、お疲れ様。すごかったよ」

エレン「よっしゃ! アルミンに勝った!」

アルミン「ははは……。ほんとに、負けたよ……」

アルミン(あ~。もうどうでもいいや~。なんだよ、今までの頑張りって)

ユミル「あ~もう、解散だ、解散! くそがっ! やってられるかー!」

コニー「あれ? 結局賭けってどうなったんだ?」

サシャ「そう言えば結局誰が誰に賭けたんですかね? 私は明日誰からパンをもらえば」

コニー「俺のは絶対にやらないからな!?」

ライナー「くそう、エレン羨ましいぞ」

ミカサ「エレン、アルミン。お休み。また明日」

エレン「おう、また明日」

アルミン「うん、また明日」ハァ

エレン「アルミン、なんか暗いぞ?

アルミン「う、うん。さすがにクリスタ直接断られるとね、色々と心が……。今日は一人にして」

エレン「お、おう。お休み」

エレン「んじゃ、俺も休むかな」

エレン「っと、そうだ。クリスタ。さっきは悪かったな。勝手に抱き着いたりして」

クリスタ「ううん。気にしてないから、気にしないで」

エレン「そうか? ならいいんだけど。結構強く抱きしめたから、痛みとかないか?」

クリスタ「大丈夫だよ。それじゃ、お休みー」タッタッタ

エレン「おう、お休み」

タッタッタ、タッタッ、タッ……

クリスタ「…………うん、大丈夫……大、丈夫……」ギュッ

本日はここまでです。これを読んで下さった方々に感謝を。

>>1です。遅れてすいません。再開します。
様々な感想ありがとうございます。一応、結末自体はすでに決まっています。
かなり前にお伝えしたように誰かと誰かがくっつくことはないです。
それを期待していた方々申し訳ありません。それでは再開します。

~朝~

アルミン「……」

エレン「アルミン、大丈夫か? 目の下の隈酷いぞ」

アルミン「う、うん。大丈夫大丈夫。ははは……」ヘラ

エレン「そ、そうか……」

クリスタ「
エレン、アルミンおはよう」ニコッ

ミカサ「エレン、おはよう」

ユミル「よう」

エレン「おはよ、ってユミル。お前も隈がひどいぞ」

ユミル「誰のせいだと思ってんだ」

エレン「?」

ユミル「あ~、何でもねえよ。何でも」ハァ

エレン「? そういや、ミカサ。お前、今日はいつも通りなんだな」

ミカサ「いつも通り?」

エレン「ほら、昨日はゴムで縛ってただろ? あれはもうしないのか?」

ミカサ「!? あ、あれは、やはり髪の毛が微妙に足りないから……」イジッ

ミカサ「エレンはあっちの方が好み?」

エレン「ん~。そうだな、俺はどっちでも良いと思うぞ? ミカサが好きなほうを選べばいいと思う」

エレン「ミカサはどっちでも似合いそうだしな」

ミカサ「あ、ありがとう。わ、分かった。考えとく……」カァ

ユミル「おいおい。なんだ、夢でも見てるのか?」

クリスタ「わぁ、エレン凄い……」パァ

ユミル(変化がある様に見えねえな。やっぱり気のせいだったか?)

アルミン(う~ん、でも昨日確かにクリスタの様子少しおかしかったんだけど……)

ミカサ「エ、エレン。もしかして変な物でも食べた?」オロオロ

エレン「食べてねえよ! ……まぁ、なんだ? 少しは女性へエチケットっていうのが分かってきたんだし」テレッ

エレン「少しは活用しなきゃおかしいだろ?」

クリスタ「そう、そうだよ! エレン! 今日も頑張ろう!」

エレン「お、おう。クリスタ、なんだかテンション高いな」

クリスタ「そ、そうかな?」

ミカサ「何か良いことでもあった?」

クリスタ「……特にないよ? さ、早く朝ごはん食べよ?」

エレン「おう。そうだな」

ユミル「」

アルミン「」

ミカサ「?」

エレン「お、おう。クリスタ、なんだかテンション高いな」

クリスタ「そ、そうかな?」

ミカサ「何か良いことでもあった?」

クリスタ「……特にないよ? さ、早く朝ごはん食べよ?」

エレン「おう。そうだな」

ユミル「」

アルミン「」

ミカサ「?」

すいません、間違えました。

~朝食中~

ミカサ「昨日のエレンはカッコよかった」

ユミル「ブッ!」

アルミン「ブッ!」

エレン「ブッ! 突然、その話するな!」

ミカサ「なぜ? 昨日のエレンは素晴らしかった。もっともっと私にああいう言葉をかけて欲しい」

エレン「無茶を言うな! あんなのそうそう出来るか!」

ミカサ「残念。クリスタもそう思う?」

クリスタ「え? ……う、うん! 私もそう思ったよ!」

エレン「だけど、あれはもう勘弁だぜ? 人前であんなことして、思い返すと恥ずかしくて死にそうだ」

クリスタ「私も、人前であれは恥ずかしいから嫌だなー」

ミカサ「私はエレンが相手ならいつどこでも大丈夫」キリッ

エレン「お前のその神経には感心する」

ミカサ「……褒められた」

ミカサ「……そうだ、エレン。少し聞きたいことがある」

エレン「なんだよ?」

ミカサ「その……。やっぱり何でもない」

エレン「? 何だよ。気になるんだが」

ミカサ「その、今日の馬術について」

クリスタ「ッ!」ビクッ

ユミル「……」

エレン「おう、そうだ! クリスタ! 約束は守ってもらうぞ?」

クリスタ「う、うん。もちろん! ミカサも一緒にやろ?」

ミカサ「是非!」

エレン「だったらアルミンも一緒にやろうぜ」

アルミン「え、ぼ、僕も?」

エレン「当たり前だろ?」

クリスタ「うん! アルミンにも教えるよ? ユミルもやろ?」

ユミル「はぁ、良いけどね」チラッ

ユミル(まぁ、しばらくは様子見かな?)

クリスタ「うん、なに?」ニコニコ

ユミル「いいや」

ユミル(こりゃ、案外大変なことになるかもな……)ポリッ

ユミル(っち、仕方ねえ。やりたくねえが)

ユミル「おい、アルミン」ボソッ

アルミン「な、なに?」

ユミル「一時休戦だ」

アルミン「……いいよ」

ユミル「……言わなくても分かるな?」

アルミン「もちろん」

本日はここまでです。これを読んで下さった方々に感謝を。

>>1です。何度も何度も更新を滞らせ、申し訳ありません。
再会します。

―馬術―


エレン「それじゃ、教えてくれ」

アルミン「エレンって中々上手く出来ないよね」

エレン「っていうか、アルミン、体調大丈夫なのか? 馬で落馬とかシャレにならないぞ?」

アルミン「大丈夫だよ」

アルミン(うん、大丈夫。それよりも問題は君とクリスタだから)

アルミン(最悪の状態だけは防がないと。クリスタとエレンがくっつくなんて)

アルミン(――――駄目だ。惨劇しか思い浮かばない)ブルッ

アルミン(さて、うまく間に入って誤魔化さないと。ユミルと二人だから簡単かな)

エレン「それじゃ、クリスタさっそく教えてくれ!」キラキラ

クリスタ「ち、近いよ! エレン、近い!」カァ

エレン「わ、悪い。つい興奮した」

ミカサ「まったく、エレンは子供っぽい」

エレン「仕方ねえだろ。馬の扱いが上手くなるかもしれねえんだから」

ミカサ「なら、エレンがどれだけ上手くなるか、楽しみにしてる」

エレン「おう、後で驚かせてやる!」

ミカサ「……なら、ユミルと私は向こうで練習する。しばらくしてくるからどちらが上手く馬を操ることができるか勝負」

ユミル「な!? お、おい! 勝手に――」

ユミル(なっ!? 普段はミカサがエレンの側に居たがるだろうが! なんでこんな時に!?)

アルミン「いや、それは――」

エレン「よしっ! やってやる!」

ミカサ「クリスタ、エレンのことをお願い」

クリスタ「え、でも。ミカサ?」

ミカサ「エレンのことを信じる。大丈夫。簡単に怪我しない。それにアルミン、クリスタもいるから」

クリスタ「――う、うん。任せて! ミカサが驚くくらいにしてあげるんだから!」

ミカサ「楽しみにしてる」

ミカサ「それでは行こう」グイッ

ユミル「おいっ! 私は納得して、くそっ! こいつ止まらねえ!」ズルズル

アルミン(ああ。前途多難だ。というか、僕たちでエレンとミカサ、クリスタの行動を予測できるのだろうか?)ガクッ

~~~練習~~~

クリスタ「じゃあ、始めよ?」

エレン「っと、乗るのはうまくいくんだけど」

エレン「馬が上手く動いてくれないんだよなぁ」

クリスタ「駄目だよ、馬にだって心があるんだから」

クリスタ「今のエレン、どうにかして馬を動かそうとしてるでしょ?」

クリスタ「駄目だよ。馬は生きてるんだから。動かすんじゃなくて、動いてもらうの」

エレン「だけど、よっ!」

馬「ヒヒィィン!」

エレン「っと! う、うおっ!?」

クリスタ「エレン、そんな乗り方じゃ馬が嫌がるよ!」

エレン「いや、だけど――」

クリスタ「エレン、一回降りて、ね?」

エレン「わ、分かった」

クリスタ「馬ってね。すごく賢い動物なんだよ? 私達の感情も分かるし、もしかしたら言葉も分かってるかもしれない、ね?」ナデッ

馬「ブルルルッ」

エレン「すげぇ、大人しくなった」

クリスタ「ね? こっちからちゃんと気にかけてあげたらそれだけちゃんと返してくれるんだよ?」

エレン「そうか。……さっきは悪かったな」ナデッ

馬「ブルルルッ!」

クリスタ「クスッ、許してあげるって」

エレン「分かるのか!?」

クリスタ「なんとなくだよ。馬の瞳や動きなんかでなんとなく」

馬「ヒーヒヒン」フフンッ

エレン「とりあえず、その馬が俺を馬鹿にしたのはなんとなく分かった」イラッ

クリスタ「エレン駄目! グーは! グーは駄目だって!」

アルミン「なんていうか、エレンって馬と相性が悪いのかな?」

エレン「……こいつらの顔を見てたらどっかの誰かを思い出してイラつくんだよ」

アルミン「エ、エレン……」クショウ

クリスタ「もう、ジャンに悪いよ」

エレン「」

アルミン「」

クリスタ「え? な、なに?」キョロキョロ

アルミン「いや、うん。その、ね」

エレン「クリスタもジャンのこと馬面だと思ってたんだな」

クリスタ「!? そ、そんなことないよ!?」ワタワタ

エレン「いや、分かる。あいつの顔はどこをどう見ても馬面だ」フゥ

クリスタ「あ、え、えっと……」

エレン「いいって、どうせ全員が思ってるんだ」

クリスタ「う、だ、ダメだよ? そんなこと言っちゃ」

馬「ヒヒンッ!」カプッ

エレン「痛っ! こいつ噛みやがった!」

アルミン「クリスタをいじめるなってさ」

本日はここまでです。これを読んで下さった方々に感謝を。

>>1です。再開します。

馬「ヒヒン」

エレン「くっそ~。アルミンまで分かんのかよ」

馬「ヒヒィン」フフンッ

エレン「やっぱりこいつが俺を馬鹿にしてるのだけ分かった! どっちが上かを思い知らせてやる!」グッ

アルミン「駄目だって! 教官に怒られるよ!」ガシッ

エレン「馬とより良い関係性を保とうとしていました。って言えば許してくれんだろ!」

アルミン「無理だから! それ、無理だから!」

クリスタ「エレン、落ち着いて!」

エレン「くそがぁぁぁ!」

―・―・―

ユミル「あいつら、ほんとに大丈夫か?」

ミカサ「エレンはやれば出来る子」

ユミル「お前のエレンに対する信頼はどこから湧いてくるんだよ」

ミカサ「愛から」フフンッ

ユミル「あ~、はいはい」ヒラヒラ

ミカサ「クリスタもいるから大丈夫」

ユミル「……クリスタを信頼する理由はどこだよ」

ミカサ「クリスタは私のことを親友だと言ってくれた」

ユミル「だからってクリスタを信頼することにはならねえだろ?」

ミカサ「?」

ユミル(こいつ、根本的にどっかずれてんだよな。エレンもそうだけど)

ユミル「じゃあ、聞くが。もし、クリスタがエレンのことを好きになったらどうするんだよ?」

ミカサ「!? そ、それは……」

ユミル「アニに言ってるみたいに無理矢理どうにかするつもりか?」

ミカサ「……」ショボン

ユミル「あ~、そのつまりだな。お前がクリスタを信頼するのもいい。お前の勝手だ」

ユミル「だけどな、クリスタにだって人を好きになることだってある。それがお前の好きな奴と被るかもな」

ミカサ「だ、だけど。クリスタは私達の仲を応援すると言ってくれた」

ユミル「それはあくまで現状だろ? もしかして、こうしてる間にもクリスタはエレンのことが好きになってるかもしれない」

ユミル「今がそうだからって、未来がそうだとは限らねえだろ」

ミカサ「ど、どうしよ……」オロオロ

ユミル「だからな? さっさと告白しちまえばいいんだよ、な?」ガシッ

ミカサ「こ、告白……」ゴクッ

ユミル「そうだよ。そうすりゃ、クリスタもエレンのことを気にすることもなくなる。祝福してくれるさ」

ミカサ「そ、そうだろうか……」

ユミル「ああ、そうに決まってるだろ」

ミカサ「よ、よし!」

ユミル「そうそう」


ユミル(さぁて。これで保険は出来た)

ユミル(この調子でやればミカサはエレンに告白。断られるか、受け入れるかは知らないが、とにかく『告白』をした事実は残る)

ユミル(これは確実にクリスタに重い枷をつけることになる)

ユミル(そうすりゃ、クリスタの性格だ。エレンに近づこうとは思わなくなるだろ。そうすりゃ、元通り。アルミンが近づく必要もなくなる)

ユミル(私とクリスタの平穏な日々が帰ってくる。まさに万々歳だね)ニヤリ

本日はここまでです。これを読んで下さった方々に感謝を。

>>1です。再開します。

―・―・―・―

エレン「っと、どうだ!」パカパカパカッ!

ミカサ「すごい。前よりも格段に上手くなってる」

クリスタ「でしょ?」

ユミル「お前ら、少し前までごちゃごちゃしてなかったか?」

アルミン「あ、あははは。そ、そのあれだよ。こう、喧嘩すれば仲が良くなるというか、ね?」

クリスタ「そ、そうなの。やっぱり仲良くなるには、ね」

ユミル「? どういうことだ?」

アルミン「ま、まあいいでしょ? とにかく乗れるようになったんだし」

エレン「クリスタのおかげだ」

クリスタ「う、ううん。エレンが頑張ったからだよ」

エレン「それを差し引いてもクリスタのアドバイスのおかげだ。ありがとな」ニカッ

クリスタ「う、うん。そう言ってくれると嬉しいな」

エレン「これからもよろしく頼むな」

クリスタ「え? これからも?」

エレン「ん? 変なこと言ったか? これからも馬術とか教えて欲しいんだけど」

クリスタ「えっと」

エレン「あ、迷惑だったか?」

クリスタ「う、ううん。その、良いけど……」

エレン「なら頼むな!」

クリスタ「う、うん」ニコ

ミカサ「……あ」

ミカサ「エ、エレン!」

エレン「うおっ!? な、突然声を出すなよ。驚くだろ!」

ミカサ「ご、ごめん。そ、その話したいことがある!」

エレン「なんだよ?」

ミカサ「そ、その私は――」

クリスタ「」

ミカサ「――あ」

エレン「? どうしたんだよ」

ミカサ「そ、その。えっと……」

ユミル(何ぐずぐずしてるんだ! さくっと告白しろ!)

アルミン(え、ミカサ。なにしようとしてるの!? まさか、告白!?)

アルミン(何でこのタイミング? ミカサがクリスタに警戒を持った?)

アルミン(いや、だとしたら馬術の最初で一緒にさせない。だとしたらこの練習中に?)

アルミン(……ユミルが唆した? でも、何で? これで起こるユミルのメリットは……)

アルミン(なるほど。そういうことか。クリスタがエレンの側に居る理由を消す気だ)

アルミン(しかも、クリスタの性格からして、ミカサが告白したらクリスタは絶対に身を引く)

アルミン(そしたら当然、クリスタは僕たちに近づかなくなる。一石二鳥だ)

アルミン(どうする? このままじゃまずい)

アルミン(でも、ここで止めればミカサによる惨劇へのカウントダウンが始まるかもしれない)

アルミン(でも止めなかったら、ユミルの思惑通りにいってしまう。どうにかするには――)

アルミン(――よし! 時間を稼ごう。ミカサには悪いけど今日は諦めてもらおう!)

アルミン(そしたら、この後でクリスタに話を持ち掛ければいい)

アルミン(上手く話を持って行って、このまま交友を持てるようにすればいい。よし――)

アルミン「ねえ、そう――」

ミカサ「――エレン、馬術で勝負しよう!」

エレン「あ、そういや言ってたな。よし、やるぞ!」

アルミン「――言えば。……あれ?」

本日はここまでです。これを読んで下さった方々に感謝を。

>>1です。再開します。

アルミン(あれ、違った? いや、この状況から考えられない)

アルミン(ミカサが何かにためらった?)

アルミン(ミカサがためらう理由なんてあるのか?)

アルミン(……分からない)ガシガシッ

?ユミル(一体何に躊躇ったんだ? 分からねえ)

クリスタ「」ホッ

ミカサ「……」ジー

クリスタ「ど、どうしたの? こっちなんて見つめて」

ミカサ「……何でもない」

エレン「ほら、やるぞ!」

ミカサ「う、うん」

クリスタ「えっと、それじゃミカサとエレンの馬術対決を始めます!」

エレン「っしゃ! 絶対に勝つ!」

ミカサ「」ボー

エレン「……ミカサ? おい、聞いてるのか?」

ミカサ「え、あ。……ごめん」

クリスタ「ミカサ、大丈夫?」

ミカサ「え、あ。……大丈夫」

クリスタ「……そ、そう?」

ミカサ「大丈夫……多分」

クリスタ「勝負、やめとく? そ、その、あれだったら私が代わりにやるし」

エレン「……そうだな。体調悪いならやめといた方がいいしな。じゃあ、クリスタ。代わりにやろう――」

ミカサ「!? や、やる! 大丈夫だから! だから、一緒にやろう!」ガシッ

クリスタ「ミ、ミカサ?」

エレン「おい、無理しなくていいんだぞ?」

ミカサ「だ、大丈夫だから」

ユミル『おい、‌アルミン』

アルミン『その前に、ユミル。ミカサを焚き付けた?』

ユミル『……ああ。それで、だ。ミカサの今の状態わかるか?』

アルミン『悪いけど、全く分からない』

ユミル『っち、使えねえな』

アルミン『こっちとしては、そっちがミカサを焚き付けたからこうなったんだと思うんだけど』ジロッ

ユミル『あ~、はいはい。それは悪かったね』

クリスタ「それじゃ、相手よりも早く向こう側の木をまわって帰って来た方が勝ち。良い?」

エレン「ああ」

ミカサ「こっちもいい」

クリスタ「それじゃ、用意……スタート!」

―・―・―・―・―・―

ユミル「へぇ、案外エレンも上手く乗ってるじゃねえか」

アルミン「あ~、でもミカサの方が少し早いかな?」

クリスタ「頑張れー!」

クリスタ「……あれ?」

アルミン「どうかしたの?」

クリスタ「なんだか。ミカサの様子がおかしい気がするの。なんていうか、心ここにあらずっていうか」

ユミル「ん~? あいつ、大丈夫か?」ジー

アルミン「なんだろう、嫌な予感がする」

―・―・―・―・―

エレン「っち、ミカサのほうがまだ早いのかよっ!」

ミカサ「」ボー

エレン「っち、そろそろ木のところか。いかに上手く回るかだが」

エレン「俺がそんな上手く回れるはずもねえ。だけど、無理をしなきゃ勝てねえ。少し、無理を、って」ハッ⁉

エレン「おい! ミカサ! 前見ろ!」

―・―・―・―・―

ユミル「おい、あのままじゃ木にぶつからねえか!?」

アルミン「ミカサ、なにしてるの!?」

―・―・―・―

エレン「おい! ミカサ!」

ミカサ「ッ!」ハッ

ミカサ「くっ!」グイッ

クリスタ「ミカサ! 突然引っ張ったら駄目!」

ミカサ「え、あっ!?」

馬「ヒヒィィンッ!」

 ドサッ!

クリスタ「ミカサっ!」

ユミル「おいおい! 今やべえ落ち方したぞ!」

アルミン「教官呼んでくる!」

エレン「おいっ、ミカサ! ミカサ!」

ミカサ「」

本日はここまでです。これを読んで下さった方々に感謝を。

>>1です。遅れて申し訳ありません。再開します。

―・―医務室―・―


ミカサ「……ここは?」パチッ

クリスタ「ミカサ! 目覚ました!?」

ミカサ「えっと……」ノソリ

クリスタ「ミカサ、起きない方がいいよ。頭から落ちたから。医者の話だと、大したことないから一日安静にしてればいいって」

ミカサ「頭から?」

アルミン「覚えてない? エレンと馬術の勝負して――」

ミカサ「そうだ。思い出した。エレンは?」キョロキョロ

クリスタ「あ~、それが。さっきまでは居たんだけど――」

ユミル「あいつなら医者から大丈夫だって言葉聞いて帰ったよ」

クリスタ「ユミル!」

ユミル「だって、ほんとのことだろ?」

ミカサ「……そう。大丈夫。昔からエレンはお見舞いに来ないから」

クリスタ「そ、そうなの? エレンなら側に居そうなのに」

アルミン「まぁ、そうだね。エレンに聞けば分かるけど、基本的にエレンはこういう場所に来ないかな」

クリスタ「なんだか、エレンって冷たい」プクッ

ミカサ「ううん。そんなことない。エレンにはエレンの事情がある」フルフル

アルミン「う、うん。ちょっとした事情があるんだよ」アセアセ

クリスタ「それって、ミカサが怪我してても大事なの?」

アルミン「えっと、それは」チラッ

ミカサ「……そう。とても大切なこと」

クリスタ「……わかんない。そんなの分からない!」

ユミル「お、おい。クリスタ?」

クリスタ「ミカサ? おかしいでしょ? だって、ミカサ怪我したんだよ? しかも頭から落ちたんだよ!?」

ミカサ「でも、医者は大丈夫と判断したのなら、大丈夫」

アルミン「そ、そうだよ。エレンももっと大変だったらここに居るから、ね」

クリスタ「そういう問題じゃないの!」

ミカサ「クリスタが何を怒っているのか分からない。エレンは一度ここに来て、医者から私の診断結果を聞いて判断した」

ミカサ「エレンがここに居ても出来ることはない」

クリスタ「! ……それ、ほんとに言ってるの!?」

ミカサ「?」

クリスタ「もう、信じられない!」

ミカサ「クリスタは何を怒ってるの?」

クリスタ「そ、それは! ……」

クリスタ「私、何に怒ってるんだろ……?」

ミカサ「私には分からない。私にとってこれが普通だから」

クリスタ「と、とにかく! 私、エレン呼んでくる!」タタタタッ

ユミル「お、おい! ちょっと待てって!」タタタタッ

ミカサ「行ってしまった」

アルミン「クリスタはミカサのことが大好きなんだよ。だから、ミカサを心配しない

ミカサ「エレンは私を心配してるのに」

アルミン「エレンの場合、中々分かりづらいから」

ミカサ「……そう? 凄く分かりやすいのに」

アルミン「はは、それはミカサがエレンのことを良く知ってるからだよ」

アルミン「ねえ、ミカサ。今日の乗馬の時、エレンに何か言おうとしてたよね?」

ミカサ「!?」

アルミン「いや、わかりやすいよ」

ミカサ「……アルミン。相談したいことがある」

アルミン「――うん」

―・―食堂―・―

クリスタ「エレン!」

エレン「うおっ!? な、なんだよ突然!?」

クリスタ「ミカサが目を覚ましたよ。さぁ、いこ!」

エレン「そ、そうか。でも一日安静にしてりゃいいんだろ? 俺がわざわざ行く必要ねえよ」プイッ

クリスタ「駄目だよ! ミカサが待ってるの!」

エレン「だとしても行かねえ。俺が行ったところで、何かが変わるわけじゃねえだろ?」

ジャン「おいおい、お前ひどい奴だな! ミカサが怪我して医務室に居るっていうのによ」

ジャン「まぁ、俺はこれからミカサのところに見舞いに行くけどな」

エレン「関係ねえだろうが」ブスッ

ジャン「おいおい。ミカサが居ねえと――」

クリスタ「ジャンは黙ってて!」

ジャン「!? お、おう」

コニー「すげえ。クリスタが一発でジャンを黙らせた!」

ユミル「馬鹿は黙ってろ」

クリスタ「エレン、女の子だって心細いんだから行ってあげないと!」

エレン「……だとしても行かねえ。俺は行かない!」

アルミン「あれ? エレンとクリスタ。どうしたの?」

クリスタ「アルミンも言って! エレン、何があっても行こうとしないの!」

エレン「別にいいだろ! アルミン、俺先に部屋に戻ってる」

アルミン「あ、うん」

クリスタ「エレン! ……もう知らない!」

本日はここまでです。これを読んで下さった方々に感謝を。

>>1です。再開します。

~~夕食後~~


クリスタ「もう! エレンのこと見損なった! ミカサが怪我したっていうのに!」

アルミン(よしっ! これでクリスタのエレンへの好意は薄れたはず!)

アルミン(僕がここで近づけば……)

ユミル「ま、所詮あいつはあの程度なんだよ。諦めなって」

アルミン(そう、ここで僕が近づいてクリスタたちに共感すれば……)

クリスタ「でも、まさか家族が怪我したっていうのに」

アルミン(す、れば……)

ユミル「アルミンもそう思うよな?」

アルミン「……がう」

ユミル「ん?」

アルミン「違うんだよ。エレンはミカサのために行かないんだよ」

アルミン(ああ、僕のバカ……。でも――)

エレン『よう、アルミン!』

エレン『大丈夫か、アルミン』

エレン『外の世界のこと教えてくれよ!』

アルミン(エレンのことを悪く言われるのだけは嫌だ)ギュッ

クリスタ「どういうこと?」

ユミル「おい、アルミン」

ユミル(んなこと知ってんだよ。今、この場でエレンの株を上げるのは間違いだろうが!)

ユミル(分かってるだろうが)

アルミン(ああ、凄い睨まれてる。ユミルが何を言いたいかも分かるし、その意見が正しいのも分かる)

アルミン(だけど、ここだけは譲れないんだよ)

アルミン「今日の夜。就寝時間を過ぎた後で、中庭に来てくれる?」

クリスタ「なんで? 言えないの?」

アルミン「ああ、うん。見てもらった方がいいと思うから。あれは」

クリスタ「?」

―男子寮―

エレン「」ソワソワ

アルミン「……」ペラ

エレン「」ソワソワ

アルミン「……」ペラ

ライナー「エレン、どうした。さっきからソワソワして」

エレン「い、いや。気のせいだろ?」

ライナー「いや、お前さっきからずっとウロウロしてるんだが」

ジャン「なんだ? ミカサのことが気になって眠れねえのか?」ニヤニヤ

エレン「ッ!? そ、そんなわけあるか!」

エレン「就寝時間だ! さっさと眠るぞ」

ジャン「っち、張り合いがねえ」

ライナー「灯りを消すぞ」

~数十分後~

エレン「」ゴソゴソ

スタスタスタ、ガチャ、バタン

アルミン「さて、と。僕も行こうかな」

―・―中庭―・―

クリスタ「教官いないよね?」

ユミル「ったく、ばれたらめんどくさいことにしかならねえぞ?」

クリスタ「でも、気になるの。エレンが行かない理由も。アルミンが言う『ミカサのため』っていう意味も」

ユミル「……なぁ、聞いていいか? なんでそこまでエレンに入れ込む?」

クリスタ「そ、そう? 私はどちらかというとミカサに――」

ユミル「そうか? だったらなんでエレンに怒ったんだ?」

クリスタ「え? だからミカサが可哀想で――」

ユミル「ならなんでミカサにまで怒った?」

ユミル「傷ついたはずのミカサに怒るのは違わないか? いつものお前ならフォローしようと声をかけるはずだろ?」

クリスタ「そ、それはミカサがあまりにエレンのことを……」

ユミル「……はぁ。まあいいか。いや、良くねえけど」ガシガシ

クリスタ「えっと、その――」

アルミン「二人とも、ごめん。待った?」タタタタッ

ユミル「いや、つい今さっき来たところさ。さて、わざわざ規則を破らせてまでも見せたいものって何だ?」

クリスタ「エレンの秘密って何?」

アルミン「付いてきて。でも絶対に声を出しちゃだめだよ?」


―医務室前―


ユミル「やっぱりここか」

クリスタ「え、どうして? もしかして?」

アルミン「うん。いい? そっと開けるよ?」

スッ

ユミル「……へぇ」

クリスタ「……エレン」

―医務室―

ミカサ「」スースー

エレン「ったく、馬で落ちて怪我するなんて馬鹿だろ」サラッ

ミカサ「」スー

エレン「いつも俺の心配ばっかして。たまには自分の心配しろよ」

エレン「……なんともなくて、ほんとに良かったぁ」ギュッ

ミカサ「」スースー

エレン「……しっかり休めよ。また明日からよろしくな」ポン



―医務室前―

アルミン「」

ユミル「」

クリスタ「」

アルミン「さ、行こう。詳しい話は外でするから」

本日はここまでです。これを読んで下さった方々に感謝を。

>>1です。再開します。

―・―中庭―・―

アルミン「えっと、どこから話せばいいのかな?」

ユミル「あ~。あれを見たら大体分かったんだが。何であんなことしてんだ?」

クリスタ「どうして? 人に見られたくないの?」

アルミン「ああ、そっちも少しはあると思うよ? まぁ、ミカサの行き過ぎた愛というべきか」

アルミン「もしくは、エレンの愚直さというべきなのか。……ああ、両方だね」

アルミン「元々はエレンだって普通にお見舞いしてたんだよ」

クリスタ「それじゃ、なんで?」

アルミン「昔、ミカサが足を捻ってね。その時、エレンと僕でお見舞いに行ったんだよ」

アルミン「まぁ、エレンの場合は一緒に住んでるからお見舞いと言うには少しおかしいけどね」

アルミン「そしたらミカサ、エレンを心配させまいと普段通りに過ごそうとしてさ」

アルミン「そのせいで、怪我が悪化して。それを見て、エレン自分が行ったらミカサが無理するからって」

クリスタ「それじゃ、夜来るのって」

アルミン「そう。それでも気になるからミカサが寝てる時にああやって行くんだよ」

ユミル「おいおい。それだとミカサが可哀想じゃねえか?」

クリスタ「エレンもだよ。ああやって行ってあげてるのに」

アルミン「あ、大丈夫だよそれは。だってミカサ起きてるから」

クリスタ「え?」

ユミル「は?」

アルミン「ミカサ曰く『エレンが近づいてきてくれたら眠ってても目を覚ます』とか言って」

アルミン「だから、今日も寝たふりしてたんだろうし」

クリスタ「え、じゃあ。エレンがああやってお見舞いしてる意味って」

アルミン「うん、ないよ」キッパリ

ユミル「エレンに教えてやれよ。さすがに可哀想だわ」

アルミン「ミカサとしてはエレンがそうやって来てくれるのが嬉しいんだって。それに、本音が聞けるから凄い幸せみたいだし」

アルミン「ミカサも僕もエレンがそうするのを止めるつもりもないね」

クリスタ「そ、そうなんだ」

ユミル「馬鹿みて」

アルミン「ははは、うん。僕もそう思う。だけど――」

クリスタ「エレンの良い所、だよね」

アルミン「……うん。誰よりも真っ直ぐで、見てみぬふりをすればいいことをしないで」

クリスタ「周りに合わせて生きればいいのに、それをしないで」

アルミン「そうそう。自分が自分であろうとする、それがエレンなんだよ」

ユミル「子供みたいなやつだな」

アルミン「ははは、一応まだ僕たちも子供に分類されると思うんだけどね」

アルミン「でも、ミカサはそんなエレンが大好きなんだよ。エレンもそんなミカサが大事なんだよ。見つかって怒られて、罰を受けても良いって思えるぐらいに」

クリスタ「……ミカサ、羨ましいな」ボソッ

アルミン「クリスタ、何か言った?」

クリスタ「う、ううん。何でもないよ」

ユミル「……」

クリスタ「そっか。じゃあ私エレンに悪いこと言ったね。謝らなきゃ」

アルミン「エレンのことだから謝ればすぐに許すと思うよ?」

クリスタ「そっか。うん、ありがと」

ユミル「ま、エレンの行動の謎も解けたし、さっさと寝ようぜ。明日に響く」

アルミン「そうだね。エレンが帰る前に戻らないと大変だ」

クリスタ「あ、私もう少し外に居る。考えたいことがあるし」

アルミン「だったら僕ものこ――」

ユミル「おいおい。戻らないと大変だろ? エレンに見つかったらお前のエレンとミカサへの思いやり無駄になるだろ?」

クリスタ「うん。アルミンは気にしないで。ユミルも戻ってていいよ」ニコッ

ユミル「――ま、あんまり考えすぎんなよ」

アルミン「お、お休み」ハァ

本日はここまでです。これを読んで下さった方々に感謝を。

>>1です。再開します。

クリスタ(私悪い子だ……。エレンがミカサにお見舞いしてる姿見て、羨ましいって思った)

クリスタ(駄目だ。私はエレンとミカサを応援するって決めたんだから。でも……)

クリスタ「エレン、かぁ」

エレン「……ん、呼んだか?」

クリスタ「え、エレ――!」

エレン「シッ! 声がでけえよ」

クリスタ「ご、ごめん。まさか、エレンに声を掛けられるなんて思ってもなかったから」

エレン「俺もお前がこんな時間に外に居るなんて思ってなかったよ」

クリスタ「あ、えっと」

クリスタ(エレンのことを覗いてました、とは言えないよね)

クリスタ「あ、うん。ちょっと気になったことがあって」

エレン「ふうん」

クリスタ「エレンは眠れないの?」

エレン「あ、ああ。そ、そんなところだ」

クリスタ「ねえ、エレン。エレンって外の世界に行くときにミカサを連れて行くの?」

エレン「うん? まぁ、あいつが行きたいなら一緒に行くんじゃねえのか」ハァ

クリスタ「あれ、なんか嫌なの?」

エレン「嫌っていうか、あいつが外でも世話やこうとするんだと思うとな。ため息を吐きたくなる」

クリスタ「もう、駄目だよ。エレン」

エレン「まあ、そうなったらクリスタに任せるか」

クリスタ「…………え?」

エレン「ん? おいおい。昨日言っただろ? 一緒に外の世界に行こうぜって」

クリスタ「…………だ、駄目だよ。エレン、昨日のはあくまでお芝居なんだよ? そ、それなのに本気にしちゃだ、駄目だと思うよ?」

エレン「……じゃあ、一緒に行こうぜ」

クリスタ「だ、だから! お芝居――」

エレン「だから、今聞いてるんだって。今なら良いだろ?」

クリスタ「……え」

エレン「と言うかだな、俺は嘘を言うのが苦手なんだよ」ガシガシ

クリスタ「え、あ……」

クリスタ(それじゃあ、良いの? エレンと一緒に夢を見て。壁の外に行って。色んな世界を見て――)

エレン「さすがに最後の告白は付け加えたけどさ。俺はお前と一緒に外の世界をみたい。一緒に行こうぜ!」

クリスタ「……うん。……うん!」ボロボロ

エレン「な、泣くなよ」

クリスタ「これはうれし泣きだからいいの!」

ギュッ

エレン「お、おい」

クリスタ「……合格」

エレン「え?」

クリスタ「エレンは女性の気持ちが分かってるの。扱い方も十分」

エレン「ほんとか!? さすがにあれだけやって身に付かないと駄目だからな!」

クリスタ(ほんとに……合格過ぎるよ)

本日はここまでです。これを読んで下さった方々に感謝を。

>>1です。再開します。

エレン「っと、そろそろ戻らないとやばいな」

クリスタ「あ、う、うん。私、もう少しここに居るね」

エレン「そうか? それじゃあな。風邪引かないようにな」タタタタッ

クリスタ「うん。ありがと」フリフリ

クリスタ「……どうしよ」

クリスタ(今更ミカサにエレンが好きになったなんて言えない)

クリスタ(私、悪い子だ。恋仲を応援するなんて言って)

クリスタ(その相手を好きになるなんて。やっぱり私は生まれてきちゃいけなかったんだ。なのに――)ギュウ

エレン『お前が生まれてきてくれて嬉しい』

エレン『クリスタは俺たちと外に行くために生まれてきたんだよ』

クリスタ(エレンの力強い瞳が頭から離れない。いきたいって思っちゃう。どうすれば――)

ユミル「まだ、悩んでのかよ」

クリスタ「……ユミル。戻ったんじゃ」

ユミル「遅いから戻ってきたんだよ」

クリスタ「そっか。……ねぇ、聞きたいんだけど」

ユミル「うん?」

クリスタ「そ、その……」

ユミル「なんだ? エレンが好きになっちゃったけど、ミカサがいるからどうすればいいの? ってことか?」

クリスタ「な、何で!?」タジッ

ユミル「分かった、か? そんなの見てたら分かる」

クリスタ「……そっか。私、どうすればいいんだろ……」ハァ

ユミル「さて、ね。私が分かるはずもねえ」

ユミル「しかし、ミカサも可哀想に。仲のいい友達に好きな人をとられそうになるなんてな」

クリスタ「ッ!?」

ユミル「酷い裏切りだな。恋仲を応援すると言ってたのに」

クリスタ「……うん、分かってる」

ユミル「はははっ! 分かってる? 分かってねえだろ?」

クリスタ「そんなことない! 分かってる!」キッ

ユミル「いいや、分かってない。お前がどれだけ裏切ってるのか。自分が他人の想い人に好意を寄せるなんて、最悪以外の何物でもない」

ユミル「もしばれてみろ。お前、今の居場所なくなるぜ? 誰もお前を必要としないし、ましてや信用もしねえよ」

クリスタ「し、仕方ないじゃない! 好きになったんだから! あんな風に言われて! あんな瞳で見つめられて!」

クリスタ「生まれてきてくれて嬉しいって、一緒に外に行くために生まれてきたなんて言われて!」

クリスタ「私に生きる希望をくれて! そんなエレンを好きにならない方がおかしいよっ!」ハァ……ハァ……

ユミル「おいおい、自分を正当化する気か? お前がやろうとしてるのはどんなに言っても横取りだぜ?」

クリスタ「それでも! 私はいきたい! 自分に生きる理由を与えてくれたエレンの横で! 外の世界に行きたい!」

クリスタ「……ねぇ、好きな人の側にいたいことってそんなに悪いこと?」

ユミル「……悪いことだよ。裏切ったんだからな」

ユミル「でも、……奪えばいいじゃねえか」

クリスタ「え?」

ユミル「お前がやろうとしてることは友人の好きな奴をとろうとしてるし、しかも恋仲を応援すると言ってたのにだ。紛れもない裏切りだよ」

ユミル「だけどな。それがどうかしたのか? 好きな人が被ることだってある。まぁ、私には関係ないがね」

ユミル「人を好きになるのはいけないことがあるのか? 確かに結末は酷いことになるかもしれねえ」

ユミル「だからって、気持ち抑えきれねえんだろ? だからそうやって悩んでるんだろ?」

ユミル「諦めれるような恋だったら、悩まねえだろ。普段のお前だったらな。それが出来ない想いなら……だったら進むだけだろ」

クリスタ「ユミル……」

ユミル「だけど、裏切者になっても、卑怯者になるなよ。やるなら恨みっこなしの勝負にしな」

クリスタ「……行ってくる」

ユミル「どこに?」

クリスタ「ミカサのところ。行って、宣戦布告してくる」

ユミル「殺されるかもしれないぜ?」

クリスタ「その時は生き残ってみせる! 死なないために、全力で抵抗するよ」

ユミル「はは。良いねぇ。行ってこい! 私の愛するクリスタ! どんな結末だって側にいてやるよ!」

クリスタ「うんっ!」タッタッタッ

本日はここまでです。これを読んで下さった方々に感謝を。

>>1です。再開します。




ユミル「……」

ユミル「…………これでいいのかよ、アルミン」

アルミン「良いんじゃないかな? それよりもユミルの方はいいの?」ヒョコ

ユミル「良いわけあるかっ! だけど、さ」

アルミン「うん。多分おんなじだと思う」

ユミル「好きな奴には、さ」

アルミン「笑ってて欲しいんだよね」ニコッ

ユミル「しかし、これでミカサが不利になるぜ? クリスタは可愛いからな」

アルミン「はは、エレンがそんなことで相手決めるのかな?」

アルミン「一緒に戦えるっていう理由でミカサを選ぶかもよ?」

ユミル「……案外、本当にありそうだから嫌だな」

アルミン「僕としてはミカサを選んでくれた方が嬉しいかな」

ユミル「そうすりゃ、失恋のクリスタに近づけるからか?」

アルミン「うん」

ユミル「堂々と言いやがる。さっきまでの笑ってて欲しいっていう言葉はどこに行ったんだよ」

アルミン「自分の想いを隠して笑ってて欲しくない、に変えとくよ」

ユミル「言いやがる」

アルミン「はぁ、僕ってやっぱりエレンみたいにカッコよくなれないな~」ハァ

ユミル「……お前は良い男だよ」フッ

アルミン「もしかして慰めてくれてる?」

ユミル「訂正だ。やっぱりカッコ悪い男だな」

ユミル「だが、ほんとに大丈夫か? ミカサが暴走したら、惨劇が起きるぜ?」

アルミン「……うん、大丈夫だよ」

ユミル「その自信はどこから湧いてくるだか」

アルミン「今日ね、ミカサが言ったんだ。『怖い』って」

ユミル「へぇ。あいつがねぇ。クリスタがエレンを取ろうとするんじゃないのかって?」

アルミン「ううん。『エレンがクリスタを好きになるんじゃないか』って」

ユミル「……それは、あれだな」

アルミン「……うん。ミカサもすごく成長してる」

―回想―

アルミン「エレンがクリスタを?」

ミカサ「アルミン、私はエレンが好き。大好き。愛してる」

アルミン「うん、知ってる」

アルミン(ジャン、残念だね)

ミカサ「でも、エレンは私のことを大事に思ってくれてても好きかどうかわからない。クリスタに教わった」

アルミン「そ、そうなんだ」

アルミン(クリスタ、何気に危ないことするな。一つ間違えれば惨劇の始まりなのに)

ミカサ「クリスタは凄くいい子。口下手な私に優しくしてくれて、私のために一生懸命になってくれた」

アルミン「……」

ミカサ「エレンがクリスタに優しくするのも分かる」

アルミン「でも、エレンが取られるの嫌なんだよね」

ミカサ「……それもあるけど……」

アルミン「ミカサ?」

ミカサ「アルミン、前までエレンとアルミンが居るだけで良かった。私達三人いればそれだけで楽しかった」

ミカサ「でも、エレンはこっちに来てからいろんな人達と一緒になって、アルミンもその人たちと一緒」

ミカサ「だけど、私にはやっぱりエレンたちしかいなくて。一緒に居ようとするとエレンが怒って」

ミカサ「だけど最近になって、クリスタと仲良くなって、ユミルもついてきて。それが、すごく」

アルミン「楽しかった?」

ミカサ「そう。すごく楽しかった。皆と一緒に外の世界に行きたいと思えるぐらいに」

アルミン(やっぱり二人は似てる。エレンとミカサはほんとに家族なんだ)

ミカサ「エレンがクリスタを誘ったとき、嬉しかった。一緒に外の世界を見れると思ったら。でも、エレンとクリスタの顔を見たとき、怖くなった」

ミカサ「エレンはクリスタのことが好きなんじゃないかって」

ミカサ「そしてクリスタもエレンのことが好きじゃないかって」

ミカサ「そうなったら私はエレンとクリスタ。両方を失う。そんなの……耐えられない」ギュッ

アルミン「ミカサ……」

ミカサ「ねぇ、アルミン。教えて。私はどうすればいい?」

ミカサ「どうすれば、私はエレンとクリスタを失わないで済むの?」

―・―・―・―

ユミル「へぇ、そんなことがあったのか」

アルミン「うん。昔じゃ考えられないよ」

ユミル「それでどう答えたんだ?」

アルミン「うん。一言だけ。大丈夫って」

ユミル「それだけか?」

アルミン「うん。それだけ。ミカサはそれで充分」

アルミン「ミカサも安心したように頷いてたよ」

アルミン「ミカサもクリスタも優しいから。きっと優しい答えを導き出してくれるよ」

ユミル「どうだろうね。恋愛はそう上手くいくかね」

アルミン「大丈夫。ユミルもそう思ったから行かせたんでしょ?」

ユミル「……まぁ、そうだけどよ」

アルミン「なら、信じよう」

―・―朝―・―


ユミル「よ、アルミンおはよう」

アルミン「うん、おはよう。あれ? クリスタとミカサは?」

ユミル「ああ、クリスタはミカサを迎えに行ってる。まぁ、そろそろ来る」

アルミン「なら、上手くいったんだ」

ユミル「ああ。どうやら仲良く正々堂々、奪い合い。に決まったらしい」

アルミン「それ、大丈夫?」

ユミル「本人たちが認めてるからいいんじゃねえのか? もう私は諦めた」

ユミル「で、だ。エレンの奴、どうなってんだ?」」

アルミン「え、あ、うん。その、まぁ。考えれば当然なんだよね」アハハ

ユミル「おい、あれは不味いんじゃねえのか?」

アルミン「うん。まずいと思う」

ミカサ「アルミン、ユミルおはよう」

クリスタ「二人ともおはよう。あれ、エレンは?」

アルミン「あ、えっと、その。朝食を取りに行ってて」

クリスタ「え、あ。ほんとだ。エレ、ン?」

ミカサ「クリスタ? どうした……え?」

―・―・―

エレン「あれ、ミーナ。髪型変えたのか?」

ミーナ「あ、うん。少し変えてみたんだけど。よく気が付いたね」

エレン「そりゃあ。気づくだろ。うん、良く似合ってる」

ミーナ「え、あ。ほんと?」

エレン「ああ。そういう髪型も良く似合うんだな」

ミーナ「あ、あはは。そう言ってくれると嬉しいな」テレッ

―・―・―

ミカサ「何あれ?」

クリスタ「え、エレン?」


A「ここ最近のエレンって良いよね?」

B「うん。ちょっと前はすぐに怒って怖かったけど。最近は優しいし」

C「ほんと。そうやって考えるとエレンって凄いよね」

A「成績優秀だし、優しいし。顔も結構いいし」

B「私、アタックかけてみようかな」

C「あ、ずるい!」

A「抜け駆けは許さないよ!」


キャーキャー

ミカサ「え?」

クリスタ「どうなってるの?」

ユミル「ここ最近のエレンの評判がうなぎ上りなだけだよ」

アルミン「しかも、ああやって女性への気遣いが出来るから。しかも下心なしで」

ユミル「まぁ、当然狙う奴は増えるわな」

ミカサ「エ、エレン! 駄目!」ダダダッ

クリスタ「エレンー! そこまで女性への気遣いはしなくて良いよー!」ダダダッ

ユミル「おい、ちょっと待て!」タタタタッ


ワー!キャーキャー!



アルミン「……エレンにどうやったらモテるか、相談してみようかな」トボトボ

終わり

これで終わりです。非常に長々と時間をかけ、申し訳ありませんでした。
様々なコメントをいただき、嬉しかったり、申し訳なさを感じたりしてました。
読んでいただきありがとうございました。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年08月18日 (月) 10:59:35   ID: vx0-NZ8F

よかった!!!

2 :  SS好きの774さん   2015年01月18日 (日) 04:10:17   ID: 3qsQOSe-

すげぇ面白かった!!GJ!!

3 :  SS好きの774さん   2015年07月21日 (火) 07:12:25   ID: ohReEZSk

ちゃんと最後にタイトルを拾ったのが秀逸。

4 :  SS好きの774さん   2016年05月03日 (火) 00:43:32   ID: INfe9goV

素晴らしい。終わり方も最高

5 :  SS好きの774さん   2019年05月07日 (火) 01:42:28   ID: 9CSAAsMI

凄い!!!(語彙力)


えっと…凄い!!!(語彙力)

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