和「宮永さん…完全に見破りました もう嶺上開花は使えません」(83)

ある日 清澄高校

咲「ツモ!やったあ!」

優希「また負けてしまったじぇ」

京太郎「8連続トップ!今日はすごいついてるな…」

まこ「長い目で見ればこんな日もあっていいのかもの」

久「麻雀は偏りが大きいゲームだからね」

和「…」

和 (確かに今日の宮永さんはツイてます
でもあの嶺上開花2連続はやっぱりどう考えてもおかしいです

皆さんは慣れてきてしまってそれが当たり前みたいになってるけど…
私はやっぱりそんなオカルトは認められません

一度ちゃんと考えてみます!)

和「今日はもう帰ります」

久「あら」

優希「タコスが切れたのか?」

京太郎「お前じゃあるまいし」

久「気をつけてね」

和の家

和 (まずオカルトは全て捨てて考えます。
宮永さんは嶺上牌を狙ってカンしていると。

つまりその場合嶺上牌が最初からわかっている事になる。
でも自動卓ですし積み込みはありえません
まあ宮永さんはそんなことするような人じゃありませんし

すり替えもない。大会で記録を取っている時も
普通に嶺上開花してましたから

という事は…?

…うーん 全くわかりません…
どういう事でしょう)

和「…」カチカチ ロン

一位 のどっち(+43)
二位 咲(・∀・)イイ!!(+2)
三位 …

和「はあ… ネットで気分を変えようとしても
頭の中は咲さんの事ばかり…
この二位の人の名前も妙に気になってしまいます…」

和「…そういえば咲さんってネット麻雀では
そんなに勝てないんでしたっけ…」

翌日 清澄高校

久「あら…和、珍しいわね 何読んでるの?」

和「え…あ…ちょっと」

優希「おお…!これはかの伝説的雀士、阿佐田哲也の麻雀放浪記じゃないか!」

京太郎「だれ?」

優希「やれやれ阿佐田哲也を知らないなんてとんだド素人だじぇ!」

久「阿佐田哲也は戦後の麻雀ブームを作り出した人ね
自身も若いころ博打打ちとして名をはせていたのだけれど
後に小説家になって、大ヒットしたのよ
中でも麻雀放浪記は麻雀が世の中に広まったきっかけになった
と言われているわ」

京太郎「へー 知らなかった…
あ!そういや哲也って漫画があるけど…」

久「ええ あれは阿佐田の作品を題材にしてつくられた漫画ね」

優希「のどちゃんは勉強熱心だじぇー」

和「図書館で偶然見つけたんです」

まこ「今日は麻雀も打たずに一日中読んどるのー」

久「歴史を勉強しておくのはいいことだわ
特に和みたいな現代的ネット雀士にはね
さあ、もう一局打ちましょう」

優希「今度こそ勝つじぇ!」

咲「よーしがんばろう!」ガチャガチャ


部室の机に一人座っている和

和(色んないかさまがあったんですね…
興味深いです こういう世界もちょっとあこがれてしまいますね)

和「あ…」

和(この清水っていう人咲さんに少し似てます…!
まさか、ガン牌?!)

咲「うーん… これ」タン

和(そこでその打牌…!やはり何か見えているのでしょうか…!)

和(でも今の自動卓用牌は均一に作られていますから
全く見わけがつかないと思いますが… はあこれも違いますか)

京太郎「…なるほど結局一つの村を真ん中で区切って
二つに見せてたってことか」

優希「それでキュウが見事に見破ったんだじぇ!」

和(探偵学園Qですか…
!もしかして…瞬間記憶能力?!)

和(ありえるかもしれない…!
宮永さん自身意識していないだけで!
それなら!)

部室のパソコン

和(やっぱり…!宮永さんの大会での牌譜を見ると
初めての試合の東一局で嶺上開花を出した事がありません!

南場に入るにつれ嶺上開花の出現率が異常に高くなってます!
試合が始まったら徐々に覚えて行ってるんですね …しかも無意識に

確かに136枚全てが覚えられれば嶺上開花をある程度自由にする
事も不可能ではないかも…
配牌が終わった段階で嶺上牌と同じ牌が相手に使われていない
場合に、手牌で嶺上牌をなるべく残すようにすればいい…!
それに少なくとも上山は見えている事になりますから
暗刻になるかも予想がつくのかも知れません

それにしてもそうだとすれば恐ろしい能力です…!
確かめるにはどうしたらいいのでしょう)

咲「カン!もいっこカン!」

和(宮永さん…あなたの眼には何が映っているの?)

和「すみません ちょっと提案があるのですが…」

久「ん?」

和「皆さんの中で盲牌ができる方はいらっしゃいますか」

咲「盲牌?」

久「どうしたの?急に 私はできるけど?」

優希「実は私もできるんだじぇ!ほい!白!」

京太郎「白はだれでもわかるだろ…」

和「宮永さんはできますか」スッ

咲「えーと… 4萬かな? あ、当たってた」

和「出来るみたいですね」

咲「そんな練習とかした事ないんだけどね
家ではみんなやってたから自然におぼえたんだよ」

和「そうですか」ニコ

和「実はこの盲麻雀っていうのをやってみたいんです」

京太郎「盲麻雀!?って?!」

優希「目をつぶって打つ事だじぇ!まあ京太郎みたいな
初心者には到底無理な芸当だじぇ」

京太郎「…お前はできるのかよ」

優希「出来るわけないじぇ!」テヘッ

京太郎「うぜー」

久「ふーん おもしろそうね
そういえばまこはできるんじゃない?盲牌」

まこ「まあの そんな練習した事はないんじゃが」

和「じゃあこれで四人揃いましたね
須賀君とゆーきは後ろで補助して下さい」

久「目隠し取ってくるわ 何か面白くなってきたわね」

和(これで宮永さんがガン牌をしているのかがわかるはずです!)

東一局0本場

ガチャガチャ カチカチカチ…

優希「ホントに目隠ししてしまったじぇ…
こんなのでできるのか?」

京太郎「信じられねーよな」

和「サイコロの目を教えて下さい」

優希「5!咲ちゃんが親だじぇ!」

咲「…行きます」トン

久「…」タン

まこ「ふーむ これは難しいの」トン

和「…」ヒュッ タン

京太郎「…!みんな理牌すらしてないぞ」

和「牌の組み合わせが分かれば理牌の必要もありません」

優希「なんか怪しげな会みたいになってるじぇ」

久「あ 捨て牌も言わないと分からないわ」

和「あ、そうでしたね」

咲「私は北だよー」

久「私は九索」

まこ「三筒じゃ」

和「西です」

久「普段は声に出さないからね」

優希「一応普通のルールでは自分の捨てる牌を言ってはいけないんだじぇ!」

京太郎「へーそうなのか」

話に関係ないけど咲たちの使ってる卓って山だけ積まれるタイプか配牌も出てくるやつなのかどっちなんだろう

久「八索」

まこ「ポンじゃ!東!」カッ

和「七萬」

咲「それ!ロン!」パタッ

優希「平和のみ…1500だじぇ」

京太郎「点数も言わないといけないのか」

>>35
絵を見る限り多分山だけ積まれるタイプ?

東一局 一本場

久「リーチ!七索!」タン チャッ!

まこ「むっ… 九萬」タン

咲「二筒」タン

和「發」タン

京太郎「すご…完璧に降りてるって事は」

優希「捨て牌を覚えてるんだじぇ」

咲「ツモ!リーチ一発ツモドラ1!」タン!

優希「裏ドラは…ないじぇ 12000だじぇ」

久「ふう…」

まこ「結構つかれるの」

和(ここまでは普通ですね…
さあ宮永さん、使えますか 嶺上開花!)

久じゃなくて咲のリーチだ 間違い

東一局二本場

和「リーチ 八萬」ヒュ タン チャッ

咲「カン」

和「!?」

久「!」

まこ(おいおい…リーチに大明槓か)

和(まさか…!嶺上牌は触れてもいないし見えてもいない…!)

咲「…」ニッ

咲「ツモ!嶺上ツモ2300オール!」

優希「出た―!咲ちゃんの嶺上開花だじぇー!!」

和「そんな…!」

久「目を瞑っててもできるのね」

まこ「かなわんわ」

和(偶然…!偶然ですよ!)

咲「二本付けで2500オールです」

京太郎「もはやなにがなんだかわからん」

優希「京太郎には死んでも無理だじぇー」

東一局三本場

久「三萬」タン

まこ「六筒」タン

和(…!でもやはり開始後いきなりではなく二本場…
まさか触れただけで牌を覚えているのでしょうか…!?
そうだとしても嶺上牌には触る事すらできないから
絶対分からないはず…!やっぱり偶然…?)

和(できるなら試合が始まった後で
嶺上牌を他の牌と取り替えて試してみたい…!
そうすれば開始時点で分かったのか
いつでも分かるのかが見分けられるのに…!)

和「…九萬です」タン

咲「またカン」ガッ

和「!!!!!!」

久・まこ「!?」

優希「あちゃー」

京太郎「怖…」

咲「嶺上のみ 1000オールは1300オール」スタン

和「そんなオカルトありえません!」

そういえばさっきのも大明槓だったからツモなかったわ
嶺上ドラ1にしといてくれ

咲「原村さん。何考えてるの?」

和「えっ!」(なっ読まれてっ)

咲「何か様子が変だよ…普通に麻雀しようよ…」

和(私の考えを察知した上でやったんでしょうか?
何て大胆不敵な…)

久「そうね… ちょっと疲れたし目隠し外そうか?」

和「…わかりました」

その日和は結局分からなかった
麻雀の方もあまり調子が出なかった

和「はあ…」 カアカア

和「すみません VIPのみなさん
宮永さんの秘密分かりませんでした…
少なくともガン牌ではなさそうです…」

和「また今度挑戦する事にします…
今日はもう疲れてしまいました… あれは本当に…
いえ…そんなオカルトありえません… たぶん…」

おしまい

優希「結局のどちゃんは咲ちゃんのトリックが見破れなかったんだじぇ!
私ももちろん知らんけどな!
という訳でまた機会があれば考えてみるじぇ!乙!だじぇ!」

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     /.∨  ./  .| .}三=ヾ:::ヽ._,.、 /ミヘイ`゙イレイ|/  ヽ:j

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    //   {  /       \三=.\儿 |::::::::::::::::::゙`丶、
   .//    ヘ/         .ゝ三三} |::::::::::::::::::::::::/ヽ、
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../__二二二二ヽ             {二..}´ ̄ ̄ ̄´ |  /      `ヽ、
         ∧            .ハ        }/         \

京太郎「俺って部長のこと好きだったんだなwww俺てっきり」

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    ヽ|/: : :! v少         .....  !: : ,': :./: :.,' ,': :./    これも私が書いたんだじぇ!
    イ !:fヽ.! :::::  '     ::::: ,': :.厶イ: : / 厶ィ'       どっちもまた思いついたら書くからよろしくな!

     乂 |. }:.ゝ、   v フ    /: :/: :/: :./            
      _|. Vリ/ > 、     ,. イ仏厶仏イ                
     /ヽヽV 厶r:::个ー'^ー'"⌒}―- 、__
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