春香「テレビの前の皆さん! カーナビですよ! カーナビ!」(300)


「今をときめく765プロダクションのアイドル達がカーナビになってやってきた!」

「その名も765アイドルナビ!」

「メニュー画面はアイコンのデザインした可愛らしいアイコンに彩られ、さらに案内音声はなんと各メンバー200種類以上!」

「楽しいイベントも盛りだくさんで、ファン必見のカーナビです!」

・・・

あずさ「すごいわね~。私達のカーナビだなんて」

春香「技術の進歩ですね!」

あずさ「でも、私にきちんと道案内できるかしら……?」

貴音「心配ありませんよ、あずさ」

貴音「心に芯を持てば、迷う事はあれども目的地を見失う事はありませんから」

あずさ「ありがとうね貴音ちゃん。そうね、諦めなければいつか辿り着けるものね……」

春香「トップアイドルへの道もそれに同じ、ですね!」

あずさ「うふふ。その道はカーナビがあっても時間がかかりそう」

貴音「近道は時に邪道となりますから、大事に歩いて行きましょう」

春香「それじゃあそろそろ、765プロのスタッフによる体験VTRを見てみましょうか!」

・・・

律子「みなさんこんにちは! 竜宮小町プロデューサーの秋月律子です!」

小鳥「事務員の音無小鳥です」

律子「小鳥さん。今日はよろしくお願いしますね!」

小鳥「うふふ。気合充分ですね! 律子さん!」

律子「はい! 私も開発に関わってますから! しっかりアピールしていきますよ!」

小鳥「でも今日は行楽の紹介も兼ねてるんですから、あまり根を詰め過ぎないようにしないと」

律子「あはは、それもそうですね。ドライブを楽しみつつ、頑張りましょう」

小鳥「そうそう。その調子です。それじゃあ駐車場に移動しましょうか。プロデューサーさんと社長が待ってます」

律子「えっ、二人がですか?」

小鳥「ええ。今日は二つのチームに分かれてドライブに出かける事になってるんですよ」

・・・

P「おーい」

高木「律子君、音無君。こっちだよ」

小鳥「あ、二人とも居ましたよ、律子さん。車もありますね」

律子「車って……ワンボックスですか?」

高木「ああ、立派なものだろう」

律子「でも、私たちってこれから二つに別れるんですよね?」

律子「二人乗りするには、少し大き過ぎるような……」

P「まあ、そこは追い追い分かってくるよ」

律子「はあ……」

高木「楽しみにしてくれて構わないよ。さあ音無君、チーム分けの準備を」

小鳥「はーい」

小鳥「くじ引きでパッと決めちゃいましょう!」

P「じゃあ俺から引きますね」

律子「次は私が」

高木「よし、ティンと来た。右を頂こう」

小鳥「紅白が一つずつです。せーので行きますよ……」

小鳥「せーの!」

P「>>+1」

律子「>>+2」

社長「>>+3」

小鳥「>>+4」

※赤か白で

分かりづらくてごめん
P 律子 社長 ピヨちゃん
の面子で二人組を作って欲しいんです

気を取り直して
>>+1

・・・

P「俺と社長でペアですか」

高木「大きめの車だが、運転は大丈夫かね」

P「任せてくださいよ。これでも運転は得意なんです」

高木「ははは、頼もしいね。それじゃあ早速カーナビを取り付けてみよう」

P「年甲斐もなくはしゃがないでくださいよ……」

P「えっと、スタンドに立ててシガーソケットに電源入れて」

高木「おお、付いたぞ」

P「こうしてみると765プロのロゴも格好良いですね」

高木「だろう? それで、ナビをお願いするアイドルだが」

P「そうですね。>>+1で設定しましょう」

P「トップバッターは貴音にお願いしましょうか」

貴音『不肖貴音めがご案内いたします』

高木「小さなアイコンになっても、四条君は礼儀正しいね」

P「目的地は……」

高木「今回はアイドル毎に指定された地点に向かうことになってる」

高木「詳しくは着いてからのお楽しみだがね」

P「はいはい。本当に社長はそういうのがお好きですね」

P「それじゃあ、出発進行だ」

貴音『ゆめゆめ、安全運転を忘れぬようにするのですよ』

貴音『次の角を左です』

P「どこに連れていかれるんでしょうね」

高木「お楽しみ、と言いたいところだが……」

P「まあ、なんとなく予想はつきますよね」

貴音『しばし直線です』

貴音『それにしても本日はお日柄も良く……』

貴音『こうも天気がよろしいと、らあめんを食べたくなりますね』

P「まだ朝だって」

貴音『お勧めのらあめん屋が近くにございます。よられてはいかがです?』

高木「ははは、まるで本当に四条君がいるようだな」

貴音『目的地周辺に到着いたしました』

貴音『まこと、すばらしい運転でした。お疲れ様です』

P「ここからは徒歩で行きましょうか」

高木「そうだな。ところで……」

高木「四条君に労ってもらう感想はどうだね?」

P「最高ですね」

高木「……」

P「……」

貴音「もし、お二方。往来の中でそのような下品な顔をされるのはどうかと……」

P「う、うわっ!」

高木「し、四条君か。脅かさないでくれたまえよ」

貴音「しかし、目的地周辺からの案内を申しつけたのはお二人の方です」

P「あ、ああ。そうだったな。そうだった」

高木「はは、ははは。さ、さてこれから何処に向かうのだろうね。楽しみで仕方ないよ」

貴音「はて……」

・・・

貴音「先程は一体、どのような話題で盛り上がっていたのです?」

P「えっと、それはだな」

高木「お、男の秘密と言う奴だな。な、なあ!」

P「そ、そうですね。いやー、ごめんな貴音。男の秘密だから言えないわー!」

貴音「……わたくしは仲間外れですか?」

高木「いやいや、そんなつもりではないんだよ四条君」

貴音「よろしいのですよ。無理に機嫌を取ろうとしなくとも」

貴音「ふんっ」

高木「う、ううむ……」

高木(ど、どうする……。四条君がへそを曲げてしまった)

P(安易なご機嫌伺いは悪手ですからね……)

高木(……)

P(すいません責めるつもりはないんです)

高木(……気にしていない)

P(とにかく、ここは自然に)

P「い、いやー! それにしても腹が減ったなあ!」

貴音「……む?」

P「そう言えば朝から何も食べていないんだったなあ!」

貴音「……ほう?」

P「なにか美味しい物を食べたいなあ!」

貴音「ほほう! あなた様はお腹が空いていらっしゃるのですね!」

貴音「でしたらわたくしの紹介する場所はまさしく『おあしす』!」

P「お、おお……」

貴音「さあ参りましょうあなた様! 高木殿も惚けて居る場合ではありませんよ!」

高木「あ、ああ。そのようだ」


・ラーメン屋 百郎

貴音「さあさあ、こちらにお座りなさいな」

P「お、おい待ってくれ貴音! ここだけは勘弁してくれ!」

高木「んん? この店に何かあるのかね? 香ばしい香りがして良いじゃないか」

高木「……朝からくるところでは無いと思うがね」

貴音「なにか?」

高木「いやあ! 朝からラーメンとは豪勢だ! な!」

P「いやこの店だけはダメなんですって!」

貴音「なにか?」

P「百郎万歳!」

貴音「よろしい」

貴音「今日は一日旅をして回るのでしょう? でしたら、たんと力をつけてゆくのが吉です」

P「やめてくれ……。やめてくれ……」

高木「ふむ。言っていること自体はまともだと思うのだが……」

P「貴方はこの先の地獄を知らないから、そんな呑気な物言いができる!」

貴音「時に高木殿、この店には『おすすめ』があるのですが」

高木「おお、本当かい? それじゃあお願いしようかな」

P「聞けよ!」

高木「いい加減腹をくくろうじゃないか。この歳になって朝からラーメンとは厳しい物があるが……」

高木「娘のように可愛いアイドルが奨めてくれる物だ。無下には出来ん」

貴音「ふふ、高木殿は男前にございます」

高木「ははは! だろう! さあ、そのオススメをいただこうか」

P「社長、命が惜しかったら今すぐにやめるべきですって……」

高木「何を言ってるんだ。男がすたるぞ?」

貴音「そうですよプロデュサー? これでは高木殿に心が移ってしまいそうです」

高木「そういうことだ。さあ四条君。オーダーを」

貴音「はい。では……」

貴音「カラメマシマシニンニクマシマシチョモランマ」

店員「どうぞ」

高木「」

高木・P組出発と同時刻

・・・

律子「小鳥さんと私でペアですか。よかった~」

律子「プロデューサーと組まされたらどうなるか分かったもんじゃないですから」

小鳥「プロデューサーさん、信用無いですね……」

律子「ま、私達だけで組んだなら楽しくやっていきましょうよ!」

律子「さっそくカーナビを取り付けて、と……」

小鳥「律子さんは、ワンボックスの運転は大丈夫なんですか?」

律子「免許の上では可能ですけど……」

小鳥「やっぱり、緊張しちゃいます?」

律子「うう……、お恥ずかしながら」

律子「人を乗せるのも怖いって言うのに。なんでこんな不慣れな車を運転しないといけないのかしら」

小鳥「まあまあ。練習だと思って! それより、カーナビを付けましょうよ!」

律子「はいはい。小鳥さんもこういうの好きなんですね」

律子「えっと、道案内は>>+1にお願いしちゃおうっと」

律子「いくらなんでも、カーナビでも迷ったりしませんよね! あずささん!」

律子「さあ、アイコンをタッチして……」

小鳥「あっ!」

律子「はい? どうかしましたか」

小鳥「タッチ! 私にやらせてください! タッチ!」

律子「あ、はい。いいですよ」

小鳥「やった!」

律子(タッチパネルに興味津々だなんて、意外と可愛いところも……)

小鳥「そーれπターッチ!」

律子「……なかった」

律子「一応カメラあるんですから! 滅多なことしないでくださいよ!」

小鳥「ごめんなさーい……」

律子「もう。ほら。何も知らないで笑顔満面のあずささんをご覧なさい!」

あずさ『よろしくお願いしますね?』

小鳥「あ、可愛い」

律子「ええ。とても」

小鳥「……」

律子「……そうじゃなくて、少しは申し訳ないとか思ってくださいよ!」

小鳥「……」

律子「返事!」

小鳥「は、はーい!」

あずさ『それじゃあ出発進行~! おー!』

律子「おー!」
小鳥「おー!」

小鳥「いい返事でしたね」

律子「い、今のは忘れてくださいっ」

・・・

小鳥「えへへ、ちっちゃくなったあずささんは可愛いですね」

律子「だからってしきりに画面に触らないでくださいよ。変に動作したらどうするんです?」

あずさ『次の角を右です』

小鳥「あずささんも横を向いてますよ!」

律子「はいはい……ふふふ」

小鳥「……」

律子「……」

小鳥「……信号、変わりませんね」

律子「……ですね」

あずさ『それにしても今日は良い天気ですね~』

小鳥「あーすごい。退屈をさっして話題を提供してくれましたよ」

律子「たまたまですよ、たまたま」

あずさ『車も進まないようですし、ちょっと散歩に行ってきますね?』

小鳥「あはは、そうやって迷子に……!?」

律子「どうしました?」

小鳥「あずささん……、画面から消えちゃいました」

律子「はあ!? なんですかそれ!」

律子「地図をスクロールしたんじゃないんですか」

小鳥「何もやってませんよ~! なにもやってないのに勝手に壊れたんです!」

律子「パソコン初心者じゃないんですから!」

律子「あーもう! どうなってるのよ!」

小鳥「あ、律子さん! 画面みてくださいよ!」

律子「今度はな、に……」

『海が綺麗ですね~』

律子「……小鳥さん」

小鳥「……はい」

律子「ここから一番近くの海辺は?」

小鳥「次を左です」

『車がたくさん走っててびっくりしちゃいました~』

律子「最寄りの高速道路!」

小鳥「直進っ!」

『あれがスカイツリーが見えます』

律子「どこ!?」

小鳥「多分次の次を右ですね!」

・・・
・・

あずさ『あらあら~。お帰りなさい。どこにいったのか心配してたんですよ?』

律子「よ、よく言いますよこの人も……」

小鳥「まさかナビする人を探す羽目になるとは……」

あずさ『それでは、ご案内を再開しますね』

小鳥「なにはともあれ、これでようやくまともなドライブになりますね」

律子「まったくです……。心臓にも悪いですし……」

あずさ『あら? ここはどこかしら?』

律子「」
小鳥「」

・・・
P「く、食った! 食ったぞ!」

高木「もやしが踊る……、油がハイブリット……」

P「社長、お気を確かに……」

貴音「お二人とも、すっかり精がついたようで何よりです」

P「ああ、そうね……」

高木「黒井の白井がカラミティタイタン……」

P「あなたは後の席で休んでてください」

貴音「では、私が助手席に失礼しますね」

P「ん? ああ、そう言えば、そういう企画だったな。じゃさっそく次に行こうか」

貴音「実は」

P「うん?」

貴音「実を言うと、あなた様を連れて行きたい場所が他にもあったのです」

貴音「また今度、お付き合いいただけますか?」

貴音「もちろん、二人きりで……」

P「お、おおう……」

貴音「さあ、次に参りましょう」

P「あ、ああ。そうね。じゃあ次は……」

貴音「>>+1にお願いするのはいかがでしょう?」

伊織『安全運転でね! 周りにも気を配って! 眠かったら無理せず休むこと!』

P「ははは、言い方はキツイのに」

貴音「伊織なりのやさしさですね。しかし、このような箱に閉じこめられて伊織は苦しくないのでしょうか……?」

P「……」

貴音「あなた様?」

P「ちょっと見てて」

貴音「はあ」

貴音『四条貴音がお相手いたします』

貴音「!? な、何やつ!」

・・・

貴音「でいた? つまりこれは物の怪の類ではない……?」

P「あくまでカーナビのアイコンだからな」

貴音「つまり、かあなびとはまこと面妖な」

P「分かってないでしょ」

貴音「そんなことございません。つまり、かあなびとは言霊を宿す、陰陽に基づいた……」

伊織『道を外れてるわよ! もう、ちゃんとしてよね』

貴音「伊織、プロデューサーは一生懸命運転をしてくださっているのです。そのような言い方は……」

P「やっぱわかってないわこの子」

貴音「ところで、伊織。私たちをどこに案内してくださると言うのです?」

伊織『良い天気ね。眠たいままで運転しちゃダメよ?』

貴音「心配はありませんよ。わたくしが起こしてさしあげますから」

伊織『次を左折!』

貴音「伊織、なにか怒らせるような事をしたのなら謝ります。ですから話を……」

伊織『制限速度が変わるわよ』

貴音「い、伊織ぃ……」

P「あーあー。泣くなよ。だからこれは本人じゃないんだって」

貴音「しかし、しかし……!」

高木「うーん……。胸焼けがつらい……」

高木「ところで君ぃ、アイドルを泣かせるとは何事だね」

P「いや、これは……」

伊織『目的地周辺に到着っ!』

伊織『そうね。悪くない運転だったんじゃない?』

貴音「……ぐすっ」

高木「よしよし。さて君、この件については後でゆっくりと、な」

P「話を」

高木「おお、水瀬君が向こうで待っているな。さあ四条君、車から降りようか」

P「聞けよ!」

・・・

伊織「ちゃんと着けたみたいね! ここからは私が案内してあげる!」

貴音「……」

伊織「な、なによ」

貴音「今度こそまことの伊織なのですね? ああ、この手触り、温もり……」

伊織「や、ちょっと! 急に何を! や! やってば!」

貴音「もうあのような意地悪は許しませんからね伊織。これはお仕置きなのです」

伊織「身に覚えがないわよっ!」

P「あ、社長。向こうにあるみたいです」

高木「おおそうか。それじゃあ先に向かうとするか」

伊織「ちょっと! 助けてよ!」

貴音「伊織! もうわたくしを無視することは許しませんよ!」

・・・

・ネイルサロン ウルヴァリン

P「ネイルアート?」

伊織「そう。爪の先を綺麗に飾るアレよ」

P「あー、美希がこのまえ雑誌でやってたな」

伊織「今は私が紹介してるの」

P「はいはい」

貴音「!」

貴音「あ、あの店員の朱く染まった爪、きっと人殺しに違いないはず……!」

高木「んん? ああ、それが気に入ったのか。どれ」

貴音「はて?」

高木「店員さん、この子の爪をお願いしたいのだが……」

赤爪店員「あ、はーい」

貴音「ひいっ! た、高木殿!」

高木「はっは、そんなに楽しみかい」

「面妖なっー!」


P「なんか騒がしいな」

伊織「貴音の世間知らずがそうさせてるんじゃないの?」

P「言い方に棘があるな」

伊織「あんな目に遭わされれば誰でもそうなるわよ……まったく」

P「それで? 伊織も爪を磨いて貰うのか?」

伊織「違うわよ。今日はアンタの爪を磨いてもらうの」

P「俺の? はっは、止してくれよ。男にあんなにカラフルな爪をさせようって言うのか」

伊織「分かってないわねー。ネイルサロンって言っても、爪だけじゃなくて手のマッサージとかもしてくれるのよ?」

伊織「その……、いつもパソコンばかりだから、手も疲れてると思って……」

P「伊織……。ありがとうな」

伊織「べ、別にいいわよ。あ、店員さん……」

貴音「爪があっ! 爪がえっくすめーん!」

P「うわらば! ちょっと変なツボ押さないでくださいよ!」

高木「……」

伊織「……」

伊織「楽しんでる?」

高木「存分にね」

伊織「……にひひっ」

高木「……ははは」


・・・

・特設路上足湯 秋の湯

あずさ「えーっと、それじゃあカーナビの中でも私は迷子になっちゃったんですか?」

律子「実はお遊びモードっていうオチですけどね。小鳥さんも黙って起動しないでくださいよ……」

小鳥「どうも、社長のサプライズ癖が移っちゃったみたいで」

あずさ「あらあら、行きすぎたいたずらはめっ、ですよ?」

律子「……」

小鳥「……」

あずさ「あ、あらあら。何か反応が無いと恥ずかしいのだけれど……」

律子(やっぱり)
小鳥(かわいい)

・・・

律子「それじゃあ、そろそろ次に行きましょうか」

あずさ「大分遠回りをしてきたのでしょう? お疲れじゃありません?」

律子「大丈夫ですよ! 足湯でばっちり回復です」

あずさ「それは良かった。やっぱり癒しが一番ですもの~」

小鳥「うふふ」

律子「どうしたんです?」

小鳥「いーえ。次のアイドルは誰にしましょうか?」

律子「あずささん。好きな子をタッチしてください」

あずさ「それじゃあ>>+1ちゃんにお願いしようかしら」

小鳥「じゃあ私がタッチしますね! そーれっp……」

あずさ「えいっ」

美希『んんー、もうちょっと寝てたいの……』

あずさ「あらあら。美希ちゃんったらやっぱりお寝坊さんね~」

小鳥「……」

あずさ「小鳥さん? どうかしました?」

小鳥「……いや、なんでもないっス」

律子「じゃ放っておきましょうか」

あずさ「そうですね。美希ちゃん? よろしくね?」

美希『車のエンジンが暖まる寝てるのー……』

律子「こら美希! 適当な事言わないの!」

×美希『車のエンジンが暖まる寝てるのー……』

○美希『車のエンジンが暖まるまで寝てるのー……』

あずさ「りーつこさん?」

律子「ハッ! すいません思わず……」

美希『前の車がゆっくりでも煽らないであげてね? のほほ~んっていこ?』

あずさ「ほらほら美希ちゃんも言ってますし」

美希『だって揺れると目が覚めちゃうもん』

律子「……」

小鳥「せい、せいせい。安全運転を心がけようってだけですよ?」

あずさ「そうですよ律子さん? のほほ~ん、です。のほほ~ん」

小鳥「のほほ~ん」

律子「の、のほほ~ん」

美希『休憩所が近いよ。そろそろ休んだらどうかな?』

小鳥「ですって、どうします?」

律子「うーん。まだまだいけますよ」

美希『あっ、休憩所なの。そろそろ休憩時間ってカンジ?』

あずあ「感じ~? うふふ~」

律子「どれだけ休憩所見つけてくるのよこの子は……」

美希『次の角を右……』

律子「はーいはい」

美希『に曲がると休憩所なの!』

律子「こ、の、子、は……!」

美希『って言うのは冗談で目的地周辺!』

あずさ「あらあら」

小鳥「カーナビでも遺憾なく小悪魔スキル発動してきますね……」

美希『お疲れ様! 楽しいドライブだったよ!』

律子「……確かに、退屈はしなかったわね」

あずさ「うふふ、それじゃあ行きましょうか」

小鳥「あ、美希ちゃんあそこに居ますね」

・・・

美希「ハニー!」

律子「……」

美希「じゃない…の…?」

律子「……」

美希「……」

律子「……」

美希「り、律っちゃん!」

律子「!?」

美希「こっち、こっち! 早く行こっ? ねっ?」

律子「あ、ちょ、ちょっと。……もう」

小鳥「置いていかれる前に急ぎましょうか」

あずさ「そうですね」

・・・

・おにぎり専門店 ストナーおにぎり

あずさ「おにぎり専門店? こういう所もあるのね~」

美希「そろそろお昼だし、丁度良いかなって」

律子「へえ~。なんだか雰囲気出てるわね」

美希「えへへ。でしょ? ミキのお気に入りのお店なんだ」

美希「ここはね、自分で握ったおにぎりを葉っぱで包んでくれるサービスが人気なの!」

小鳥「自分で握ったおにぎり!?」

美希「えっ、う、うん」

小鳥「ワンダフル! さっそくやらないと!」

美希「小鳥ったらお腹ぺこぺこなの?」

・・・

高木「いやあ! 実に充実した時間をありがとう水瀬君!」

伊織「私も楽しんでたもの。お礼には及ばないわ」

P「……さんざんな目にあった」

貴音「右に同じ……」

伊織「あら、別にいいじゃない。爪もピカピカ、手の疲れもスッキリ!」

高木「四条君の爪も美しくなったしな」

貴音「わたくし、自分の手を直視できません……」

P「……綺麗だと思うけど」

貴音「……」

伊織「はい! はいはい! 次に行きましょう! 次に!」

P「うわ、飛び乗るなよ。危ないんだから」

貴音「それに、助手席はわたくしの……!」

伊織「すわったもん勝ちよ! さあ次は>>+1に案内をしてもらいましょう!」

やよい『はーい! 元気にいきましょー!』

やよい『ああっ、でも安全運転も忘れちゃだめですよー!』

P「やっぱりやよいは元気が一番だな」

貴音「気分が溌剌としますね」

やよい『うっうー! 出発しんこーう!』

やよい『ちょっと遠くに目的地が設定されてますねー』

伊織「本当ね、今までのよりちょっと距離がある」

高木「なにか、暇を潰せる物でももってくるべきだったかな」

P「そうですねー」

貴音「はて、困りましたね」

やよい『歌をうたいましょー!』

P「お?」

伊織「ああ、歌ね」

貴音「ふふふ、まこと、やよいらしい提案ですね」

やよい『さあいっぱい♪たべようよ♪』

・・・
・・


・とある動物園

やよい「うっうー! こっちですよー!」

伊織「あ、やよい!」

やよい「伊織ちゃん! 来てたんだー!」

P「やよいは動物園か」

やよい「はい! この前家族で来て、とても楽しかったから」

高木「なるほどなるほど。たまに来ると楽しいものな」

やよい「はい! みんなで楽しみましょう!」

貴音「あの、やよい?」

やよい「なんですー?」

貴音「その……、はやく中に入りたいのですが……」

・・・
貴音「あなた様! あの阿呆な動物は何というのです」

P「あれはカバ」

貴音「高木殿! あの槍のような獣は……」

高木「ああ、キリンだね」

貴音「あれはゾウさんですね」

伊織「あれはゾウ……、あ、知ってるんだ」

やよい「貴音さん元気いっぱいですね!」

P「やよいのおかげだよ」

やよい「えへへ……」

P「やよいは、どこか行きたいところは無いのか?」

やよい「え、でも……」

貴音「め、面妖なぺんぎんが! あれはなんという動物なのです!?」

高木「今自分でペンギンと言ったね?」

伊織「言ったわ」

P「……二人なら上手くやってくれるさ」

P「赤ちゃんコーナー?」

やよい「はい!」

やよい「その、家族で来たときはライオンさんとかサイさんとかを見て回ってたら時間がなくなっちゃって……」

P「ああ。そういうことか」

やよい「すいません。わがままで……」

P「前来たときは下の兄弟のために我慢してたんだろう? 今日くらい気にすること無いよ」

やよい「……はい!」

やよい「プロデューサー! カルガモの赤ちゃんですよ!」

P「沢山いるなあ。面妖だなあ」

飼育員「触ってみます? この時期は一番可愛いんですよ」

やよい「いいんですか!?」

飼育員「もちろん。こっちから入って下さいね」

やよい「うっうー! プロデューサー!」

P「見てる見てる」

高木「見たまえ水瀬くん……」

伊織「ええ……。あのカンガルーの左ストレート、光る物があるわ」

高木「やはりか……」

カンガルー「えいしゃおらえーいしゃー!」

高木「おお!」
伊織「わっ!」

貴音「ふふ、まるで童子のように目を輝かせて……。仕方のない方々です」

やよい「貴音さーん!」

貴音「おや、やよい。どうしたの、で、す……」

やよい「うっうー!」

カルガモ「グワグワグワグワグワグワグワグワグワグワク」

貴音「面妖な……」

・・・

小鳥「うう……お腹が破裂しそう……」

律子「バカみたいに一人でおにぎり食べるからですよ! どうしたんですかいきなり食い意地張って!」

小鳥「だって……! だって……! みんなが握ったおにぎりなんだもん……!」

あずさ「困りましたねー」

美希「大丈夫? 小鳥」

小鳥「幸せだから……」

律子「訳わかんない事言ってないで! ほら、とりあえず車で休んでてください」

律子「しばらく小鳥さんの様子見てるんで、二人は適当に戻ってきてくださいね」

あずさ「あ、はーい」

美希「……」

あずさ「美希ちゃん?」

美希「律子、おにぎり一個も食べてないの……」

あずさ「小鳥さんがノータイムで手を付けるもの……」

美希「うーん……」

あずさ「?」

美希「ね、もうちょっと時間頂戴?」

あずさ「それは、もちろん大丈夫だと思うけど……」

美希「ありがとう! ミキ、急いで作っちゃうの!」

・・・

小鳥「げぇーっぷ」

律子「今のは編集確実ですね」

小鳥「おぇっーぷ」

律子「今のも」

あずさ「律子さん? ただいま戻りました」

律子「あ、はーい。それじゃそろそろ次に……」

美希「ね、ねえ律子……さん!」

律子「うん?」

美希「はい、これ!」

美希「お腹すいたままだと運転出来ないでしょ?」

律子「……ありがとう」

美希「静かに運転して貰わないと美希も眠れないし!」

律子「ふふ、あーそうですか!」

・・・

律子「それじゃ、小鳥さんも復帰したところで次に行ってみましょうか」

あずさ「美希ちゃーん? 美希ちゃんが次のアイドルを決めるのよー?」

美希「誰でもいーのー……zzz」

律子「……ま、美希らしくていいかも、ですね」

小鳥「それじゃあ私がタッチs」

あずさ「えいっ、>>+1ちゃん!」

亜美『やっほー! 亜美だよー!』

亜美『この亜美様に任せておけば! 目的地までは音速光速!』

亜美『道なき道もまっしぐらー!』

律子「いきなり快調……」

美希「うう、うるさいの……」

亜美『へいへい! そこの移動している間は眠っちゃう系男子女子! そんな防除、亜美が見逃さないよ!』

あずさ「暴挙、って言いたいのかしら?」

亜美『さあさ目的地を張った張った! 丁か半か!』

律子「もうノリだけで話してるわねこの子……」

小鳥「えっと、じゃあ入力しますね。目的地」

小鳥「ぽちぽちの、ぽち、と」

亜美『えー! もっと面白い場所にいこーよー!』

あずさ「あらあら。お気に召さなかったみたい」

律子「あまりに一方的すぎるわ……。いつもなら叱ってるのに」

亜美『例えばー、こことか! 面白そ→じゃん?』

美希「……たばこ館ってなんなの?」

小鳥「さ、さあ……」

亜美『ここが気にくわないなら今すぐクラクションを三回鳴らすのだー!』

あずさ「律子さん、こう言ってますけど……」

律子「バカ言わないでくださいよ。こんなの画面を操作すれば……」

亜美『阻止!』

律子「はあ!? このっこのっ!」

亜美『阻止阻止! 阻止ーっ!』

亜美『ついでに笑止!』

美希「律子、ここは大人しく投降してクラクションを押すほか無いの……」

あずさ「私もそう思います。さすがにたばこ館に興味は……」

小鳥「英断を……」

律子「う、うううう……」

律子「うあああ!!!」

亜美『あ、ホントに押さなくてもいいよ? それよりはやく出発しようよー』

律子「……」

・・・

P「カルガモの写真、しっかり撮ったからな」

やよい「はい! ありがとうございます!」

伊織「しかし、すごいわねー。あんなに沢山の鳥に懐かれるなんて」

やよい「刷り込み、って言うんだよ!」

伊織「やよいは物知りね」

P「あ、社長と伊織がカンガルーに驚いてる写真もありますよ」

高木「な、なにい? 何時のまにそんな物を……」

貴音「きゃめらとはまこと趣深い物です」

伊織「こんな所撮ってどうするのよ」

貴音「いつ見ても伊織は愛らしい、ということです」

伊織「あ、あのね……」

P「今度まとめて現像しておくよ。それじゃあそろそろ次に行ってみようか」

高木「やよいくん。好きなアイドルを選ぶんだ」

やよい「はい! じゃあ……>>+1さん!」

真美『じゃーん! 亜美でーす!』

真美『嘘でーす! 真美で合ってるよー!』

やよい「もう! ちょっとびっくりしちゃったよ真美!」

P「ははは、確かにいつもこんなんだよな」

伊織「下らない事ばかり言ってまともに案内できないんじゃないの?」

真美『タイムイズまにーだよ運転手のにーちゃんねーちゃん!』

真美『安全運転で出発進行!』

高木「おお、きちんとできてるじゃないか。これなら安心できそうだ」

貴音「そうですね。それではゆるりと到着を待ちましょう」

真美『地図のエリアが切り替わるよ。地図を読み込み中でござる!』

高木「お? こんな機能があったかな?」

P「機能面に関してはあまり手を付けてないですからね。どうなんでしょう」

真美『はい出た! マガスカル! ここぉ!』

P「地球儀じゃねえかそれ」

貴音「おや、故郷を思い出しますね」

伊織「え?」

貴音「失礼」

高木「ははが。彼女らしいユーモアだ。どれ、画面を触れば元に戻るだろう」

真美『ざんねーん! 地球儀が回るだけでしたー!』

真美『ちなみにそこはジンバブエ! ほらここぉ!』

×高木「ははが。彼女らしいユーモアだ。どれ、画面を触れば元に戻るだろう」

○高木「ははは。彼女らしいユーモアだ。どれ、画面を触れば元に戻るだろう」

・・・

・ゲームセンター

亜美真美『『お疲れさまー! 今度はトランスフォーム出来るようにしてねー!』』

律子「出来るかあ!」
P「出来るかあ!」

律子「んん?」

P「お?」

律子「プロデューサー!」

P「律子じゃないか! なんだか久しぶりだなあ!」

律子「プロデューサーこそ、すっかり大所帯ですね」

P「人数的には変わらないんだけどな。ところで、どうしてここに?」

律子「亜美に案内されて来たんですよ」

P「こっちは、真美に」

律子「……」

P「……」


亜美「偶然でしょうか?」

真美「いいえ、必然です」

亜美「渦巻く陰謀!」

真美「図るぜ共謀!」

亜美真美「「765プロ御一行ごあんなーい!!」」

律子「あんた達ねえ……」

亜美「ちっちっちー、怒るのは早いぜ律っちゃん」

真美「悲しいけどこれ、本当に偶然なのよね」

貴音「双子同士引き合うものでもあったのでしょうか? まこと数奇なものです」

あずさ「なんだか素敵な話ね~」

高木「そうだな。せっかく合流したのだから、楽しもうではないか」

亜美「そうそう! さすが社長話がわかるー!」

真美「特別に真美達とホッケー勝負をする権利を与えよう!」

高木「はっは。じゃあ音無君、ペアをお願いしようか」

小鳥「はい。お供します」

美希「ハニーはミキと遊ぼうね! あの踊る奴やりたい!」

P「はいはい」

貴音「あ、あずさ! ゾウさんが! ゾウさんが透明な檻に閉じこめられています!」

あずさ「あらあら~。貴音ちゃんはぬいぐるみが欲しいのね~?」

貴音「い、今すぐ助けを呼んできますから、堪え忍ぶのですよ!」

伊織「あ、メダルもうなくなっちゃった……」

やよい「ちょっと分けてあげるね。メダルゲームは得意なんだ!」

伊織「あら、ありが、と、う……」

やよい「?」

伊織(何時の間にか顎が尖ってる……)

・・・

P「おーいみんな、そろそろ移動するぞー」

亜美真美「「うぁ~い……」」

P「覇気がないな。どうした」

亜美「だって、だって……! 社長が、ピヨちゃんがあ……!」

真美「五感を奪うなんてもうホッケー関係ないよぉ……!」

P「そのぬいぐるみ、全部持って帰るのか?」

貴音「あずさと山分けです。これからはわたくしの家で広々と生きてもらいます」

あずさ「つい夢中になっちゃって」

P「やよいが稼いだ分を全部すった?」

伊織「そうでもしないとやよい、この店のゲーム空にしかねないのよ……」

やよい「もうちょっとだったんですけど……。悔しいです」

美希「ハニー! 最後にみんなでプリクラ撮ろうよ!」

P「ああまて律子を捜さないと……」

律子「……」ダバダバダバダバダバダバダバ

律子「……」ダンッダンッ! ダバダバダバダンッ!!

P「……」

律子「……あ、プロデューサー」

P「……」

律子「……見ちゃいました?」

P「え、あ、うん……」

律子「そうですか……」ダバダバダバダンッ!! ダバダバダダバダバダバ

律子「……ふっ」

P「あの……、プリクラ撮るから、終わったら来てくれ……」

律子「……あ、はい」

律子「……」ダバダバダバダバダバダバダバダバダバダバダバダバ……

律子「……あ、パーフェクト」

律子「……ふっ」

・・・

亜美「えー!」

真美「せっかく合流したのに別れちゃうのー!?」

律子「しょうがないでしょ、車は二台あるんだから」

P「ま、合流できたのが奇跡みたいなところがあるからな」

亜美「うう、真美……。向こうに行っても忘れないよ」

真美「真美は亜美の活躍を石碑に残すよ」

亜美真美「「ああ、我が半身よっ……!」」

律子「それじゃあこっちは>>+1に案内してもらいますから」

P「ならこっちは>>+2かな」

申し訳ないんけど一度寝かせて…
スレ残ってたら春香と千早から続けます

仲間だ

・・・

春香『天海春香です! 楽しいドライブにしましょうね!』

亜美「はるるんだ! んっふふー。愛らしいですなあ」

律子「こら亜美、身を乗り出さないの」

あずさ「後ろで静かにしてましょうね~?」

亜美「え~、だってミキミキずっと寝てるんだもん! ピヨちゃんも枕にされてるし」

小鳥「ごめんね亜美ちゃん?」

美希「……zzz」

亜美「と言うわけでなにか面白いことしてよはるるん!」

春香『今日は良い天気ですね!』

亜美「……」

律子「……」

あずさ「春香ちゃんは元気いっぱいね~」

春香『次を直進です! 車線に注意してくださいね!』

亜美「なんてゆーか」

律子「言わないの」

亜美「すごく普通……。はるるんはかわいいけどさ」

律子「言わないの! その分早く着けるからいいじゃないの!」

律子「あー楽しみだわ! 楽しみ! ねっ!」

春香『高しょく道路に入ります!』

春香『あっ、ごめんなさい! 噛んじゃいました……。えへへ』

小鳥「春香ちゃんったら可愛いわ!」

美希「わっ! 急に大きな声出さないでよ……」

小鳥「あ、ごめんなさい」

亜美「この不意打ちは威力高いよはるるん……」

律子「NG音声もガンガン採用していく方針は成功だったみたいね」

律子(たしかこの音声、そう伝えた直後に吹き込んだものだったけど)

あずさ「律子さん? どうかしました?」

律子「いいえ、感心してるだけです……」

まあ元々書いてた人とは別人だかな

・・・

・洋菓子店 ピピン坂菓子

春香「みなさーん! こっちですよー!」

亜美「はるるーん!」

春香「わっ、えへへ! 良く来たね亜美!」

小鳥「……あずささーん!」

あずさ「あらあら、私はずっと一緒だったじゃないですか」

小鳥「あ、そうでしたね。そうでした。いやーこれはうっかり……」

>>194
ID変わったけど>>1です

長い時間の保守、ありがとうございます

律子「それで、ここは洋菓子店?」

春香「はい! テラスがあって、そこでお茶も出してくれるんですよ」

あずさ「可愛らしいお店ね~」

美希「今日は日も出ててお昼寝日和なの」

小鳥「美希ちゃーん? お出掛け先では起きてましょうねー?」

春香「あはは、ババロアも置いてあるんだよ。一緒に食べよ?」

美希「! うん!」

亜美「あー! 亜美も! 亜美も!」

あずさ「律子さん、私達も行きましょう?」

律子「そうですね。ゆっくりして行きましょうか」

・・・

千早『如月千早です。安全運転を忘れないようにお願いします』

千早『特に、信号には気を付けてください。色が変わっても、きちんと注意払うこと』

千早『シートベルトも大丈夫ですね? 誰にも怪我なんてして欲しくありません』

千早『それでは、案内をさせていただきます』

真美「お、おおー。千早お姉ちゃん、なんだか先生みたい」

貴音「そうですね。彼女の優しさが見て取れます」

高木「うむ。それじゃあ安全運転で頼むよ」

P「まかせてくださいよ」

千早『この地域はビルがたくさんありますね』

伊織「たしかに、まさしくコンクリートジャングルって所よね」

やよい「見上げると首が痛くなっちゃうね」

千早『最近はビルの屋上に緑を作る会社も増えているそうなんです』

千早『どれだけ温暖化の歯止めになるかはわかりませんが……』

千早『それでも小さな一歩から、ですね』

真美「本当に先生みたいだね、兄ちゃん?」

P「カーナビをバスガイドと勘違いしてたみたいでな。色々調べてたみたいなんだ」

貴音「ばすがいど、ですか。ふふ、千早もお茶目さんですね」

高木「うーむ。我が社の屋上にも、なにか緑が欲しいところだ」

伊織「場所を間借りしてるだけでしょう? せめて自社ビルをにしてからにしましょうよ」

高木「う、うむ……。任せたぞ君!」

P「あ、あはは。やっぱりそうなりますか……」

やよい「それでも小さな一歩から、ですよ!」

P「……ああ。そうだな!」

千早『ひたすら真っ直ぐ、です』

・・・

・某公園

「……~♪」

伊織「ねえ、なんか聞こえない?」

貴音「これは、千早の歌声ですね」

高木「本当かい? それじゃあ声を掛けに行こうか」

やよい「はーい! 千早s……」

真美「ストップストーップ!」

P「どうしたんだよ」

真美「ぬっふっふー」

真美「私にいい考えがある!」

・・・

千早「……♪」

千早「ふぅ」

真美「ブラボー! 千早お姉ちゃん! ブラボー!」

千早「ま、真美! いつのまに後にいたの」

貴音「二曲ほどまえから、ですね」

千早「わ、私、気が付かないで歌ってた……」

高木「はっは、恥ずかしがることないよ。良い歌だった」

やよい「そうですよ! はい、これ!」

千早「マイクの駄菓子……」

伊織「さ、続き歌ってよ。ね?」

千早「ええ? でもお店の紹介が……」

P「アンコール」

高木「アンコール」

千早「……ふふっ。ちょっとだけ、ですよ?」

・・・

美希「んーっ! やっぱり甘い物はシアワセの塊なの!」

律子「美希らしい表現ね」

小鳥「ふふ、でも本当に甘い物はいいですよね~」

あずさ「ほ~んと。ちょっと食べ過ぎちゃったかも」

小鳥「たべすぎ」
あずさ「ちゃったかも……」

亜美「その分動けば、うーんマンダムっしょ!」

律子「無問題、ね。もーまんたい。そろそろ次に行きましょうか」

春香「あ、それじゃあ最後にお土産があるんですよ」

亜美「本当?」

春香「うん! このお店と私のタイアップキャンペーンみたいなものなんだけど」

春香「はい。私のクッキー!」

美希「……宣伝?」

春香「ち、違うもん!」

律子「こら美希、滅多なこと言わないの」

美希「はーい、なの」

あずさ「それじゃ、次、行きましょうか?」

春香「はい! それじゃあ>>+1で!」

千早『この地域にはビルがたくさんありますね』

千早『そうたくさんの壁のよう』

千早『くっ…』

真『菊地真です! しっかり着いてきてくださいね!』

美希「真クーン!」

亜美「んぎゃー!」

律子「ちょっと、前に出てこないの!」

春香「しっかりやるんですね、びっくりと言うか……」

律子「……説得には苦労したわ」

小鳥「え?」

律子「なんでもありません。なんでもなかったんです」

あずさ「えーっと、目的地は……」

律子「ああ、私がやりますよ」

あずさ「あらそうですか? ちょっと残念」

真『次のカーブを右です!』

美希「どこにいくんだろうね」

春香「真だから、やっぱりジムとか?」

あずさ「あら~丁度良い。私ヨガやってみたかったの」

亜美「ええっ! あずさお姉ちゃん火吹くの?」

小鳥「亜美ちゃんそれは誤解なのよ……」

真『カーブが続きますよ! ライン取りは大丈夫ですか?』

真『ドリフトで一気に行きますよー!』

律子「ちょっと真! あなたヤケクソになってない!?」

・・・

・スポーツセンター

真「みんなー! こっちこっちー!」

美希「まっことクーン!」

真「あはは、美希! こっちのチームだったんだ」

美希「うん!」

律子「ここは?」

亜美「でっかいバッティングセンター?」

真「それ以外もたくさんあるよ! 思いっきり体を動かして遊んで貰いたくて!」

あずさ「ああらー。スポーツセンターってことは、ヨガは無いのね……?」

真「あはは、ごめんなさい……。あ、でも運動の後のお風呂は気持ちがいいですよ」

あずさ「うふふ、そう? じゃあ思い切り楽しんじゃおうかしら」

・・・

美希「それじゃあバトミントンで勝負なの!」
亜美「よーし! 二人が相手でも容赦なしだかんね!」

真「行きますよあずささん!」
あずさ「怪我しないようにね~?」

律子「激しく動けない組はビリヤードでもやってましょうか」

小鳥「あ、あくまで制服だから動けないってだけですよ!?」

律子「? 分かってますよ?」

美希「ダッシュ波動球!」

真「静かなること林の如く」

亜美「亜美レーザー!」

あずさ「あらー」

律子「あ、やった! 玉を落としましたよ小鳥さん!」

小鳥「白いのは落としたらダメなんですよー?」

律子「え、うそっ!?」

亜美「次はバスケで勝負だー!」
美希「次は負けないのー!」

あずさ「ごめんね真ちゃん? 足引っ張って」
真「楽しんだもの勝ちですよ!」

真「む、美希のマークがしつこくて動けない!」

美希「悪いけどあずさには犠牲になってもらうの」

美希「さあ亜美! ボールを奪うの」

亜美「え? あれ? ボールが3つ? え? あれ?」

あずさ「えーい、あ、入ったー!」

律子「ボクシングマシーン?」

小鳥「ストレス解消に良いかもしれませんよ?」

律子「……おどりゃプロデューサー!」

小鳥「ひっ!?」

律子「えいしゃおらえーいしゃー!」

律子「たまには私の言うこと聞けえーいしゃおらー!」

小鳥「ひゃっ!?」

律子「食事の約束くらい守れえーいしゃおらー!」

小鳥「ん?」

・・・

千早「結局、公園で歌ってばかりだったじゃないですか」

貴音「よいではありませんか。わたくしも久しぶりに千早の楽しそうな顔を見れました」

伊織「後半なんて振り付けも入ってたじゃない」

千早「あ、あれは」

真美「通りがかりの人に手も振ってたし、一番ノリノリだったのはお姉ちゃんだったね!」

やよい「千早さん、すごく可愛かったですよー!」

高木「うむ。こちらまで楽しくさせられたよ」

千早「……もう。買いたい物だってあったのに」

P「今度連れていくよ。今日のお礼だ」

千早「本当ですね?」

P「もちろん。さあ次のアイドルを決めようか」

千早「はい。それじゃあ……」

真美「たっちパネルってねー、表面に電気が流れてるんだよー?」

伊織「触るとビリッ、てね」

千早「う、うそっ」

P「うそだって。大丈夫だって」

貴音「わたくしも、あれには驚かされましたね」

高木「始めの方は泣いてしまうのではないかね」

千早「う、うそよっ!」

P「タッチしていいから。大丈夫だから。あれ嘘だから」

やよい「もう、イジワルはダメですよ!」

千早「で、では>>+1さんで」

響『はいさい! 我那覇響だぞー! ハム蔵達もよろしく!』

貴音「おや、響ですか」

やよい「ちゃんとハム蔵もいますね!」

P「よし、それじゃあ行こうか」

響『自分完璧だからね! まかせておいてよ!』

真美「ねーねー。もう歌わないの?」

千早「く、車のなかではちょっと……」

響『次を右だぞー。周囲を確認してから曲がるさ』

P「はいはいっと」

千早「プロデューサー、まだ早かったんじゃないですか」

P「えっ、うそっ」

伊織「ちょっと、しっかりしてよね」

P「うーん、すまん」

響『ルートを外れたっぽいぞー……。ちゃんと自分の指示聞いてる?』

高木「はっは、言われてしまったな、君」

貴音「さて、ここからどうするのです?」

P「確か、ルートの再検索がかかってるはずだけど……」

響『うぎゃー!? ハム蔵どこに行くんだよぉ!』

貴音「お、おや?」

真美「あっちゃー、カーナビの中でも喧嘩しちゃってるよー」

響『お願い! ハム蔵を追いかけて頂戴!』

伊織「ねえ、これって新しいルートの案内なんじゃないの?」

P「ああ、なるほど」

千早「カーナビの中でもハム蔵のフォローは健在なのね」

千早「我那覇さんったら、おっちょこちょいね」

高木「ふむ。うっかりバスガイドの練習をしてくる誰かが言えたことかね?」

千早「な、なんでそれを! あ、プロデューサー! 言いましたね!」

・・・

伊織「ひらけた所に来たわね」

真美「なんか犬が沢山いるねー」

響「そりゃそうさ! ここはドッグランだからね!」

・ドッグラン

高木「うん? ドッグラン?」

響「うん! 広い公園なんかで、自由に犬を走らせてあげれうスペースの事さー!」

響「犬と一緒になって遊べば運動不足の解消にもいいよ!」

響「と言うわけで、はいリード」

P「ん? 俺?」

いぬ美「わん」

響「最近、運動不足だろー? いぬ美と遊んでるといいよ!」

P「えちょ、あの」

いぬ美「GO」

P「ああああああぁぁぁぁ!!!」

伊織「私達はその辺のワンちゃんと遊んでましょうか」

貴音「そうですね。わんちゃんと遊んでいましょう。わんちゃんと」

伊織「……何よ」

貴音「いいえ?」

やよい「しゃちょー!」

高木「ああ、大きな犬だねえ」

千早「この子はごん太。こっちがごんきち、あなたはごろう……」

響「人の犬に命名するのはどうかと思うよ……」

・・・

P「疲れた……」

伊織「あれだけ走らされたら、ねえ」

響「でもこれで健康体確実だね!」

真美「健康になる前に倒れちゃうよこのままじゃ……」

高木「あー、私が運転するから君は少し休んでいたまえ」

P「すいません。お願いします」

貴音「さああなた様? お膝をお貸ししましょう」

千早「な、なにをしてるんですか」

貴音「プロデューサーのためですよ? なにか問題が?」

千早「ずるいです!」

貴音「えっ」

千早「あっ」

・・・
高木「おや。もう最後の一人なのか」

響「あ、自分操作したい!」

高木「ああ、構わないよ」

響「やった!」

・・・

真「えっ、次で最後?」

あずさ「そうなのよ~」

真「ええー、ボクも色んなところ行きたかったなあ」

春香「まあまあ、またいつか機会があるよ」

真「そうだと良いけど……」

律子「あのプロデューサーと社長のことよ、その内やってくれるわ」

律子「さ、最後の一人を選んでちょうだい」

真「はいっ!」

・・・

響真「「>>+1で!」」

雪歩じゃない…だと…?

響「押し間違えた!」

真「今度こそ!」

響真「「>>+1だ!」」

・・・

雪歩『工事中です。気を付けてくださいね』

亜美「うひゃー、穴ぼこだ」

春香「案外、雪歩が掘った穴だったりして」

真「あーでも、実家が建築業なんだよね。意外な所で手伝ってたりして」

・・・

雪歩『しばらく直進です』

響「社長って車の運転できたんだね」

高木「最近はご無沙汰なんだけどね。アイドルとドライブとは光栄だよ」

伊織「にひひ、アイツと違って言うことが違うわね」

高木「はっは。そう悪く言わないでやってくれ」

雪歩『制限速度が変わります』

美希「あずさー、ひざ貸してー……」

あずさ「あらあら」

小鳥「ま、真ちゃん? 私の膝をかりてみる気は」

真「あ、結構です」

律子「……平和ね」

・・・

雪歩『車線にご注意下さいね』

やよい「プロデューサー、具合はどうですか?」

P「えっ? あー……」

貴音「……」

P「うん。まだもうちょっと休んでたいかな」

貴音「それでは仕方がありませんね」

雪歩『なんだか私、他のみんなと違ってつまらないですか?』

雪歩『うう、やっぱり私はちんちくりん……。穴掘ってうまってますー!』

・・・

律子「ああっ、地図に穴開けた!?」

亜美「ええっ? なに! どういうこと!?」

・・・

響「しゃ、社長! 道の先が見えないぞ!」

高木「ど、どうなっている!?」

千早「まさか荻原さんが地図に掘った穴と……」

・・・

春香「う、うそうそ、そんな馬鹿なこと……!」

真「お、落ちる……!」

・・・

やよい「ひいぃぃぃぃ!」

伊織「いやあああ……!」

・・・
・・


雪歩『な、なんちゃって……。面白かったですか?』

雪歩『えへへ。頑張ってみました!』

・・・

律子「……」

あずさ「……ただの急勾配で良かったですね」

律子「……死ぬかと思った」

小鳥「……あの真ちゃん? そろそろ放してくれない?」

真「えっ、あ。ごめんなさい」

美希「まま、ままま真クンはビビリなの……」

亜美「ミキミキこそアイドルの顔じゃないよ……」

・・・

千早「あ、律子達の車……」

真美「あ、あはは……。向こうのメンバーもこっちと同じ顔してるね」

高木「寿命が削れた気分だよ……」

響「うわー! にぃにー! あんまー!」

P「どうどう、どうどう。もう大丈夫だって」

やよい「貴音さんも、もう大丈夫ですよ!」

貴音「わ、わたくしは、泣いてなど、おりませっ、ん……」

・・・

・茶屋

雪歩「あ! みなさーん! こっちでーす!」

「「「……」」」

雪歩「……あ、あれ?」

雪歩「げ、元気がないなら! ここでゆっくりして癒されていってくださいね!」

「「「……」」」

雪歩「うう……。穴掘って埋m」

「「「ヤメロ!!!」」」

雪歩「ひいっ!?」

・・・
雪歩「あ、ああ。そんな事があったんですか……」

響「あ、足が痺れるぞ…」
亜美「どれどれ? つついてしんぜよう」

高木「ああ。それにしても、よくもまあ上手く偶然が重なった物だよ」

響「んぎゃー!」
貴音「亜美、悪戯はおよしなさいな」

雪歩「うう、ごめんなさい。カーナビになっても迷惑を」

真美「はるるーん。このお団子今度作ってー?」
春香「ええ、出来るかなあ?」

小鳥「ま、まあまあ。ちょっとしたアトラクションみたいで楽しかったわよ? ね?」

やよい「はい、伊織ちゃん。あーん」
伊織「あ、あーん」
美希「インターセプト!」

あずさ「それにしても、凄く雰囲気の良いお店ね~」

伊織「ちょっと! なにすんのよ!」
美希「この世はサバイバルなの」

雪歩「あ、はい!昔からずっと残ってるお店なんですって」

律子「ちょっとあんた達、騒ぎすぎ!」

真「別にいいんじゃない? 全員であつまるのも結構久しぶりなんだし」

P「まあ、最後だしゆっくりしたい気持ちはあるけど」

高木「まあ、いいじゃないか。それだけ楽しいドライブだったということで」

律子(カーナビの体験VTRってこと忘れてたわ……)

貴音「半ば行楽番組と化していましたものね」

律子「えっ? ええ、そうね。楽しかったけど」

あずさ「またみんなで回りたいわね~」

小鳥「きっとこれますよ。それじゃあそろそろ締めくくりですね!」

春香「はい、それじゃあ……」

「「「「765アイドルナビであなたも素敵なドライブを!」」」」

・・・

春香「楽しかったですねー。ドライブ!」

あずさ「私と貴音ちゃんは最初からだったから、ちょっと疲れたけど」

貴音「ですがその分、良き夢を見れました」

春香「へえ~。どんなどんな?」

貴音「とっぷしーくれっとです」

春香「うう、やっぱり……。あ、それじゃあ最後にもう一回カーナビの紹介を」

「今をときめく765プロダクションのアイドル達がカーナビになってやってきた!」

「その名も765アイドルナビ!」

「メニュー画面はアイコンのデザインした可愛らしいアイコンに彩られ、さらに案内音声はなんと各メンバー200種類以上!」

「楽しいイベントも盛りだくさんで、ファン必見のカーナビです!」

「そのお値段なんと、税込み76500円!」

「いまならなんと、アイドルが旅のBGMにオススメする曲の入ったトラベルセレクションCDがついてくる!」

「お電話待ってます!」

ジャーパネット ジャパネット

ユメノジャパネット タカギー


おわり

以上です
支援保守してくれた人に感謝

無駄に長引いた割にgdgdですいませんでした

けいおんカーナビの販促番組をみたんですよ
ああいうのって素晴らしいと思う
アイマスで誰か作ってください

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