一護「省こう」藍染「省く?」(113)

一護「この漫画がやたらと一章一章が長いって言われてるの知ってるだろ」

藍染「まあ、耳にしたことはある」

一護「正直さ、俺もしんどいんだよ」

一護「檻の中で数ヶ月放置とか」

藍染「私もしばらく出番が来ない時期があったな・・・」

一護「正直暇だったろ?」

藍染「否定はしない」

一護「だから余計な部分を省こうかと思って」

藍染「そうは言うが、一体何を省くというのだ」

一護「何個か省く要素はあるけど、やっぱまずは多すぎるキャラクターからだな」

藍染「キャラクターを省く・・・」

一護「もうちょっと少人数だったらテンポよく話しが回ると思わないか?」

藍染「確かにそうかもしれない」

一護「よし、じゃあまずは俺の味方の中から誰を省くか決めようか」

藍染「・・・考える必要があるか?」

一護「まあ待て。何が言いたいかは大体わかる」

一護「チャドとか石田って言う気だろ」

藍染「その通りだが、何か問題が?」

一護「確かにあいつらは役にたたない事が多いが」

一護「やっぱ現世での友達枠って言うのは必要だと思うんだよ」

藍染「井上織姫だけでは不服か?それにまだ友人は大勢いるだろう」

一護「井上だけだとまた腐の人らが怒るだろ?ただでさえ叩かれてるんだから」

一護「けど井上はキーパーソンであったこともあるし、省くわけにはいかない」

藍染「批判を食い止める防波堤が必要、というわけか」

一護「その通り。だからチャドと石田両方を省くわけにはいかない」

一護「省くならどっちか一人だ」

藍染「・・・やはり、考えるまでも」

一護「待て待て。ここは慎重にいかないと」

一護「人気や活躍の度合いで言えば、石田が優秀」

一護「けど、新章が始まるたびに霊圧が消えるチャドは優秀なネタキャラでもある」

藍染「悩みどころだな」

一護「ああ、まだ最初だってのにいきなり難題だ」

一護「ただ一つ石田に有利なことは、今の本誌での展開だな」

藍染「滅却師と死神の戦い、果たして石田雨竜はどう動くのか・・・という引張りがあるからな」

一護「そうなんだよ。チャドは前章で終わっちまったし」

藍染「ではやはり石田雨竜を残留させるか?」

一護「いやけどなぁ、正直今さら石田が動いたところで何?って意見もあるんだよ」

藍染「その意見一理あるな」

一護「だろ?うーん・・・」

藍染「・・・いっそのこと」

一護「うん?」

藍染「合体させてはどうだ?」

一護「合体だあ?」

藍染「二人では余計、だがどちらか一人を選べない」

藍染「ならば、二人を合体させて一人のキャラクターとし、良いとこ取りをすればいい」

一護「・・・なる、ほどぉ」

一護「ありだなそれ」

藍染「だろう?」

一護「ちょっとそれで考えていこうか」

藍染「まず名前をどうするかだが」

一護「やっぱチャドはチャドって呼びたいし、苗字は茶渡で決定な」

藍染「茶渡雨竜・・・違和感は無い」

一護「名前決定~」

藍染「続いて設定の方だが」

一護「ええと、石田が滅却師でチャドが多分フルブリンガーだな」

藍染「滅却師でフルブリンガー」

一護「それちょっとNGで。なんか俺と被るから」

藍染「我侭だな」

一護「主人公だからな。まあ正直どっちの能力設定も微妙だからどっちでもいいんだよな」

一護「ただ石田は涅マユリとの戦闘はかっこよかったんだよなー」

藍染「茶渡泰虎は?」

一護「あいつがかっこよかったのは、能力手に入れる前に電柱振り回してた時だけだ」

藍染「ではこれはどうだ?茶渡泰虎の能力も滅却師の技の一つとして扱うというのは」

一護「ほう?」

藍染「滅却師でありながら、弓が下手な茶渡雨竜は拳に霊圧を乗せる術を多用するようになった」

一護「ああ、そんな感じでいいかも」

一護「で、ちょっとやばい時とかに師の教えを思い出して弓で強い技を放つ時が来る」

藍染「中々の展開ではないか?」

一護「いまついでに思い出したけど、あいつら爺ちゃんからの教えみたいなのが共通点だから」

一護「滅却師としての教えを受けながらも、人を守ることも教わるみたいな」

一護「これだったら回想もぱっとすませそうじゃないか?」

藍染「いただきだな」

一護「大分固まってきた」

藍染「次は見た目だが・・・」

一護「石田は美形、チャドはワイルド系。この二つを混在させるのは難しいぞ」

藍染「特徴をもっと細かく挙げてみるか」

一護「そうだな。まず、石田は眼鏡で細身だ」

藍染「眼鏡か。懐かしいな」

一護「お前とキャラ被ってるな」

藍染「失敬な」

一護「冗談だって。で、チャドは色黒で長身。あと筋肉もありそう」

藍染「では良い所を足していこう」

藍染「眼鏡をかけた、色黒で背の高い細マッチョ」

一護「・・・なんか微妙じゃねえか?」

藍染「・・・適当にイケメンにしておけば問題ないだろう」

一護「まあいいか。あと趣味は手芸と、可愛いものが好きって感じだな」

一護「で、よく霊圧が消えるくせに説教臭い。師を殺した仇敵との確執も忘れてコントを始めるほど大らかな性格」

藍染「これで完成だな」

一護「よっしゃ、一人省いたぞ」

藍染「では次は?」

一護「現世だと俺の家族はまあまあ良い感じ。親父は今後の展開しだいだけど」

一護「後は学校と浦原さんのとこだけど」

藍染「それだけでも十人近いキャラクターがいるぞ」

一護「でも必要なのって限られてるだろ」

一護「学校だとたつきと水色ぐらいで、あとはモブで十分だし」

一護「浦原さんとこは、ジン太と鉄裁さんを削れば概ね解決」

藍染「随分とばっさり切るのだな」

一護「まあ別にいてもいなくても一緒だからな」

一護「あんたどう思う?」

藍染「特に反論は無い」

一護「だろ?」

一護「いやー、現世すっきりするわー」

藍染「酷い男だな。で、次はどうする」

一護「次?次はもちろん、この漫画で一番無駄が多いあそこだよ」

藍染「・・・あそこか」

一護「あ、やっぱ分かるか。じゃあせーので言うぞ」

一護「せーの」

一護・藍染「護廷十三隊」

一護「へへっ!」

藍染「やはり意見は同じか。ふふ」

一護「正直な、名前ついたキャラクター多すぎ」

一護「ほとんど役立たずだし」

藍染「各隊に隊長と副隊長、これだけで26人いるわけだからな」

一護「裏切ったあんたらは引いてもいいけどな」

一護「しかもその上で三席とかもいるとさー」

藍染「名前を覚えるのも億劫だな」

一護「だろ?正直言うと副隊長まででももう余計なんだよ」

藍染「数が多すぎるせいで、全員にスポットを当てることもできないしな」

一護「だから三席以下は軒並み省きたい」

藍染「・・・すまないが、私は副隊長以下はあまり記憶にない」

一護「活躍してる席幹というと」

一護「花太郎、一角、弓親、あと最強の飛び道具使いとか言ってたやつと、あとは・・・」

藍染「名前も思い出せない輩は全て省こう」

一護「ああ、そうしよう」

藍染「しかし、飛び道具使いの彼は省いてもいいのか?」

一護「え?いいだろ別に」

藍染「やつは確か石田雨竜の最初の敵だったはずだろう」

藍染「彼を省くと茶渡雨竜の活躍の場が・・・」

一護「ああ、いいのいいの。雑魚と涅マユリだけ倒させとけば一応目立つから」

藍染「そういうものか・・・」

一護「続けるぞ」

藍染「ああ。では、山田花太郎は?」

一護「微妙なとこだなー。尸魂界編では大分世話になったけど」

一護「それだけなんだよなー」

藍染「回復薬はただでさえ数が多いものな、この漫画は」

一護「それなんだよ。花太郎はいいやつなんだけど」

一護「その役割が4番隊の虎鉄副隊長でもよかったわけじゃん?」

藍染「女性キャラでもあるしな」

一護「今じゃ影薄い副隊長の一人だし、あそこで活躍させとけば良かったと思わないか?」

藍染「ああ、思う。では決定だな?」

一護「花太郎は省いて、役目を虎鉄副隊長に譲渡で」

一護「じゃあ次な」

藍染「ああ、次は斑目一角か」

一護「・・・議論する必要性が感じられないが」

一護「尸魂界で初めて俺がまともに戦った相手ではあるが、今はちょっとなー」

藍染「彼は卍解が使える三席として期待を集めたこともあるが・・・」

一護「今となってはな」

藍染「能力が微妙だな。だが斬魄刀のデザイン自体は悪くないのでは?」

一護「そこなんだよ。俺の天鎖斬月よりいかすだろあれ」

一護「だから、あれだけ残して省くのが望ましい」

藍染「だがどうやって?」

一護「簡単だって、弓親に引き継がせれば」

藍染「・・・ああ」

藍染「だが彼の斬魄刀は鬼道系だろう?あのデザインは合わないのでは?」

一護「・・・ああ、そういえばそうか」

一護「これはちょっと困ったな」

一護「強さを隠してるって設定も被ってるし、調度いいと思ったんだけど」

藍染「あ、彼はどうだ。檜佐木修兵」

一護「なんで?」

藍染「鎖が少し似ているし、正直彼の卍解など誰も気にしないだろう?」

一護「でも檜佐木さん自体は省き候補だぜ?」

藍染「むう・・・」

OKOK
もうやめるわ

月島さん 「一護くん。終わったよ・・・」

一護   「ブリーチの無駄な戦闘シーンは省かれ、ただの詩集になったのも月島さんのかげです!!」

一護   「チャドの登場シーンが消えたのも月島さんのおかげです!!」

愛染   「月島さんのおかげです!! 月島さんのおかげです!!」

?? 「一護くん、何か困りごとかな?」スゥウ

一護 「誰だ!?」

愛染 「我々の目的の阻害しようとする敵か?」

月島 「僕だ・・・、みんなの月島だ・・・」

愛染 「誰だ!! お前のことなんて知らん!!」チャキ

一護 「月島さんじゃないですか!」

愛染 「一護。知っているのか? この男を・・・」

一護 「ああ、俺の命の危機を何度も救ってくれた・・・、俺の誇れる師匠だ!!」

愛染 「この男がか・・・?」

月島 「ふむ・・・、説明より・・・」チャキ

愛染 「刀を抜くか・・・、やはり貴様、敵だな」

月島 「一護くん。彼を抑えててくれるかい?」

一護 「わかりました!」ガシ

愛染 「一護! 貴様、裏切る気か!?」

月島 「すぐ終わる・・・」ザンッ

愛染 「ぐはっ!!」

一護 「やっぱすげぇ! 月島さん!!」

愛染 「んっ・・・、」

愛染 「月島さん!! 今日は手助けのほどお願いします!!」

一護 「愛染の顔が生き生きしてやがる!! さすが俺らの月島さん!!」

月島 「さぁ、話は聞いていたよ」

月島 「ブリーチとかいう薄ぺっらな漫画の内容を凝縮し、不要な部分を省くんだろ」

月島 「そんなこと・・・」

一護 「月島さん・・・」ゴクリ

愛染 「いや、月島さんに不可能なことなど・・・」ゴクリ

月島 「・・・簡単なことさ」キラリ

月島 「じゃあいくよ」

一護 「ああ・・・」

愛染 「・・・、」

月島 「ブック・オブ・ジ・エンド」ザン

 月島さんはブリーチという漫画の単行本を刀で突き刺した。

 次の瞬間、

 ブリーチはただの詩集となり・・・


一護 「おい! 愛染!! 消えるな!! 消えるなぁああああ!!」

 愛染は不要な内容ということで消えた…

        省かれた

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