~月火水木、金曜日の昼休み~
向日葵「はー……櫻子、どこに行ってしまったんですの……」
ちなつ「向日葵ちゃんさっきからそればっかり」
あかり「家族で旅行って言ってたよねぇ」
向日葵「ええ、ヨーロッパを巡るとか」
ちなつ「分かってるんじゃん」
あかり「オシャレでいいねぇ」
向日葵「ですわね……」
ちなつ「電話すれば? 海外でも通じるでしょ?」
向日葵「はい? それじゃまるで私が櫻子と話したいみたいじゃないですの」
ちなつ&あかり「えっ」
向日葵「はー……櫻子分が足りませんわぁ」
向日葵「ちょっと吉川さん、馬鹿になってくださいません?」
ちなつ「は?」
向日葵「ですから、馬鹿っぽいことをしてみてください、と」
ちなつ「やだよ……だいたい馬鹿っぽいことって何?」
向日葵「馬鹿? いえ、ですから櫻子っぽいことをですね」
あかり「思いっきり馬鹿って言ってたよねぇ!?」ガーン
向日葵「ああ、赤座さんでもいいですわ。どうですの?」
あかり「えぇっ!? えーっと……櫻子ちゃんっぽいことかぁ」
あかり「……!」ピコン
あかり「ん、コホンッ! い、いくよ!」ギュッ
向日葵「ええ」
あかり「ひ、向日葵のことなんかぜんぜん好きじゃないもんっ」ツンッ
向日葵「」ズーン
あかり「向日葵ちゃああーーん!?」
向日葵「うぅ、ぜんぜん好きじゃないって……」
あかり「さ、櫻子ちゃんのマネだから……」
向日葵「櫻子は私のこと好きじゃないんですのね」ズーン
あかり「ツンデレなんだよぉっ」
向日葵「まぁ、全然似てませんでしたけど」ケロット
あかり「あれぇ!?」
向日葵「……ところで、何で手を握ってるんですの?」
あかり「えっ! あ、ごめんねっ、なんかクセなの」パッ
向日葵「別にいいですけどね」
あかり「いいの? えへへ、ありがとぉ~」ニギニギ
ちなつ(え、なに? この状況についていけない私がおかしいの?)
ゆき「へいガールズ! 面白そうなことやってるじゃんっ」
めり「ゆきちゃんキャラぶっ飛んでるね……」
ゆき「これくらいしないと存在すら忘れられそうなんだよぉぉっ!!」
めり「そ、そっか……じゃあ私もっ」
めり「こほんっ。ハハッ、ワタシメッキ――」
------------チーナカッター!------------
ちなつ「危なかった」
めり「あれ? 私なにしてたんだろう……」
向日葵「吉川さんビビリすぎですわ」
あかり「何だかんだ言って一番ビビリだもんねぇ」ニギニギ
向日葵「赤座さんはニギリすぎですわ」
あかり「何だかんだ言って一番ニギリだからねぇ」ニギニギ
向日葵「それじゃ仕方ないですわね」クスッ
ちなつ(わけがわからないよ……)
向日葵「人数集まってきましたし、櫻子オーディションでもしましょうか」
ちなつ「えっ」
あかり「わぁっ、なんだか面白そうだねぇっ」
ゆき「参加していいの!? 出番くれるの!?」カモンカモォーン
めり「ゆきちゃんキャラが……」
ゆき「うっさい! ちょい役にキャラも何もないんだよ!!」
めり「プライドは捨てちゃだめだよぉ……」ホロリ
向日葵「赤座さんはさっきやったので、吉川さんどうぞ」
ちなつ「あ、やっぱ私もやるのね……はぁ」
ちなつ「仕方ないか。んじゃいくよ」
向日葵「はい、どうぞ」
ちなつ「おっぱーい」モミッ
向日葵「64点」
ちなつ「点数つけんの!?」
向日葵「まず顔と前髪が似てますわ」
ちなつ「あっそう」
向日葵「声はまぁまぁ」
ちなつ「ヤッタネルミチャン」
向日葵「一番よかったのは胸の触り方ですわね」
ちなつ「え゛っ」
向日葵「ツンとデレを兼ね備えた櫻子っぽい触り方でしたわ///」ポッ
ちなつ「そ、ソウデスカ」
あかり「ちなつちゃんいいなぁ~」
キーンコーンカーンコーン
向日葵「あら、午後の授業始まりますわね」
ゆき「えっ!? 私たちまだやってないのに!」
めり「現実って非情だよね……」
~放課後~
ガチャ
向日葵「こんにちはー」
綾乃「こんにちは。あら、大室さんまだ戻ってないのね」
向日葵「はい……」ズーン
千歳「古谷さんきつそうやね……」
向日葵「ええ、もう櫻子分が尽きてしまって……」
綾乃「分かるわその気持ち。私も歳納京子分が足りないとそうなるもの」
千歳「うちも綾乃ちゃん分が足りんと元気出ぇへんわぁ」
綾乃「えっ、そうなの?」ドキッ
千歳「せやで~」
綾乃(あ、あら? それってどういう意味なのかしら……)ドキドキ
千歳「?」
向日葵「はー……」
りせ「……?」ポン
向日葵「会長……?」
りせ「……?」ナデナデ
向日葵(慰めてくれてるのかしら?)
りせ「……」ギュ
向日葵(ぁ……暖かい……)
西垣「お菓子は?」
西垣「お菓子ないの?」
西垣「お菓子欲しいな」
西垣「と言っていた」
向日葵「……そうですか」
向日葵「美味しいですか?」
りせ「!!」コクコク
向日葵「ふふ、それはよかったですわ」
りせ「っ♪」モグモグ
向日葵「……」ボー
向日葵「んー」
向日葵(目元隠して薄目で見れば、櫻子に似てないことも……)
りせ「……?」
向日葵「会長、ちょっと馬鹿っぽいことしていただけませんか?」
りせ「!?」
向日葵「間違えました。櫻子っぽいことですわ」
りせ「……」
りせ「っ!?」
向日葵(微妙な表情の変化が可愛らしいですわね)
向日葵「お願いできませんか?」
りせ「っっ」
りせ「……!」ピコーン
向日葵(あら、何か思いついたのかしら)
りせ「……! ……っ!」
向日葵「わぁー」
向日葵「さっぱり分かりませんわ」
りせ「」
向日葵「ていうか西垣先生、通訳してくださらないと……」
西垣「んあ? すまん聞いてなかった」
りせ「!?」
りせ「~~っ!!」バクバク
向日葵(やけ食い……?)
向日葵「西垣先生もやってみませんか? 櫻子っぽいこと」
西垣「無理があるだろ」
向日葵「意外といけるかもしれませんわ」
西垣「ふむ……」
西垣「おっ、そうだそうだ。大室の真似はできんが、大室そっくりなロボなら作れるぞ?」
向日葵「!?」ガタンッ
向日葵「ぜひお願いしますわ!!!!」
西垣「よしわかった! 40秒経ったらこうしてね☆」クイッ
綾乃「」イラッ
向日葵「38……39……40! 経ちましたわ!」クイッ
向日葵「……」
向日葵「で、このクイッのポーズには何か意味があるんですか?」
西垣「ん? 意味はないが出来たぞ」
向日葵「えっ!?」
/ ̄ ̄ヽ
||」ハ」」キハ
ζリ T-Tノζ<オイ、ヒマワリ
/ ゝc トc
しー J
/ ̄ ̄ヽ
||」ハ」」キハ
ζリ T-Tノζ<ネムイ、サムイ、ペコイ
/ ゝc トc
しー J
/ ̄ ̄ヽ
||」ハ」」キハ
ζリ T-Tノζ<キライジャナイモーン
/ ゝc トc
しー J
向日葵「10点」
西垣「なん、だと……」
向日葵「まず小さすぎますわ」
向日葵「しかも顔がヘンですわ」
向日葵「ついでに声もヘンですわ」
向日葵「評価できるのは喋ってる内容くらいです」
西垣「ぐぬぬ……仕方ない。ではとっておきの機能を」
向日葵「爆発はいりません」
西垣「古谷、今のは推理小説読んでる人に犯人教えるくらいタチが悪いぞ」
向日葵「知りませんわ。犯人は西垣先生です」
西垣「いいもん」
向日葵「は?」
西垣「松本と実験するもん」
向日葵「そうですか」
西垣「まつもとー、おっぱい大きいお姉ちゃんがいじめるー」
りせ「……」ヨシヨシ
向日葵「はぁ……」
綾乃「大変ね、古谷さんも」
向日葵「ええ……明後日には戻ってくる予定なんですけれど」
綾乃「でも今日でもう五日でしょ? 長いわよ。私も歳納京子にそれだけ会えなかったら……」ズーン
向日葵「杉浦先輩は、歳納先輩分が足りなくなった時どうしてるんですか?」
綾乃「えっ!?///」ドッキン
千歳「それうちも気になるわぁ~」
綾乃「そっ、そういうのは人に話すものじゃないと思うんだけどっ!///」
向日葵「ちなみに私は、写真や忘れ物を眺めることが多いですわ」
綾乃「へっ!?」
向日葵「あの子よくうちに忘れ物するんですの。ヘアピンなんかたくさんありますわ」
向日葵「それを机に並べて、これはいつの、これはいつの……って思い出してほっこりするんですの」
綾乃「そそ、そうなのっ。なんだか素敵ねっ///」
千歳「健全でええなぁ」
向日葵「?」
千歳「ああ、気にせんでええんよ」
千歳「で、綾乃ちゃんはどうしてるん?」
綾乃「ふぇっ!?///」
千歳「まさか、古谷さんにだけ喋らせて綾乃ちゃんはだんまりなんて……なぁ?」
綾乃「うっ……で、でも……うぅ」
向日葵「聞いてみたいですわ」
りせ「……!」コクコク
綾乃「会長まで……」
千歳「ほらほら、はよはよ」
綾乃「も、もう! しょうがないわね」
綾乃「えっと……その、私は……」
綾乃「と、歳納京子と……デートする妄想を、したり……きゃーっ///」モジモジ
向日葵「ひゃぁっ///」
千歳(あかんっ!)ドプッ
りせ「……///」
西垣(乙女かっ!)
綾乃「も、もうっ! この話おしまい!///」
向日葵「そ、そうですわねっ///」
千歳「」ダラダラ
りせ「……」ギュ
西垣「ん? ……ああ、そうだな」
向日葵(素敵なお話聞けましたけど……櫻子分は尽きたままですわ……)
向日葵(櫻子とデートする妄想っていっても、よく二人で出かけますし)
向日葵「はー……」
綾乃「あっ、このプリント! 歳納京子だけ提出してない♪」
綾乃「ふふっ、これはしょうがないわよね! 私が行って書かせないと!」
千歳「そんなこと言って~、ほんまは会いたいだけなんちゃうん?」ニコニコ
綾乃「そ、そんなこと……ないんだからっ///」
向日葵「歳納先輩……歳納先輩?」
向日葵「きましたわ!!!」ガタッ
綾乃「っ!?」ビクゥッ
千歳「どないしたん古谷さん?」
向日葵「杉浦先輩! ちょっとそのプリント貸してください!」
綾乃「え? ええ、これがどうかしたの?」
シュバッ
綾乃「はい?」
向日葵「私が行ってきますわ!!!!」ダダッ
ビュビューンッ
綾乃「え……ぁ、な、ナニ? ナニが、オキタ……の?」
千歳「さ、さあ?」
向日葵(そうよ! そうだわ! そうですわ!!)
向日葵(歳納先輩!!)
向日葵(頭いいカテゴリに入っててすっかり忘れてましたわ!!)
【向日葵の脳内】
あかり 態度いい
りせ |
綾乃 千歳 |
|
|
千鶴 |
|
| ゆき
頭いい―――――――――――――――――――頭悪い
|ちなつ
京子 |
| さくらこ さくらこ
| さくらこさーちゃんさくらこ
西垣 | さくらこ/ ̄\/ ̄\さくらこ
| さくらこ| |さくらこ
│ さくらこ\ 櫻子 /さくらこ
│ さくらこ\ /さくらこ
態度悪い さくらこ\/さくらこ
さくらこさくらこ
さくらこ
~ごらく部~
京子「あかりがブラックコーヒー鼻から飲んだ話ってしたっけ?」
結衣「初耳かな」
ちなつ「面白そうですね」
あかり「あかりそんなことしてないよぉっ!?」
向日葵「歳納京子ぉーーーーっ!! っせんぱい」バァーン
京子「うおっ、びっくりしたァ……ひまっちゃんか」
向日葵「ごめんなさい。一度やってみたかったんですの」
結衣(ひまっちゃん……?)
ちなつ(あだ名で呼んだ?)
あかり(仲いいのかなぁ?)
京子「んでんで、何か用事? 遊びにきたとか?」
向日葵「えっと、プリ――」
京子「まさか!!」
京子「あのときのテクが忘れられなくて……!?」
結衣「!?」ガタッ
向日葵「……はい?」
京子「だめだよひまっちゃん! あれは一時の過ち……私たちには正妻が……!」
向日葵「あー、ええと……こほん」
向日葵「そんなっ! 遊びだったって言うんですの!?」
向日葵「私あんなに……あんなにっ!!」ブワッ
結衣「おい京子! どういうことだよ!」
京子「いや、私にもさっぱり」
向日葵「ごめんなさい。一度やってみたかったんですの」
ちなつ&あかり(櫻子ちゃん分が足りなすぎておかしくなってる……)
京子「なんだプリントかぁ」
結衣「お前またかよ……」
京子「まぁまぁ」
京子「せっかくだからお菓子でも食べていきなよ。ほれ」アーン
向日葵「いただきますわ」パク
ごらく部「!?」
向日葵「おいしいですわ」モグモグ
京子「そ、そっか」
京子(まさか本当にやるとは思わなかった……)
向日葵「ところで先輩」
京子&結衣「ん?」
向日葵「あ、いえ歳納先輩の……面倒ですわね。京子」
京子「んん!?」
結衣「」
向日葵「京子……子しか合ってませんわ……」
京子「え、えっと、ひまっちゃん?」
向日葵「それやめてもらえませんか?」
京子「えっ……ご、ごめんね……?」
向日葵「いえ、できれば『向日葵』と呼んでいただきたいんです」
京子「ああ、なんだそういうことか……てっきり喧嘩売られてるのかと」
向日葵「いいから早くお願いしますわ」
京子「あ、ハイ」
京子「こほん、いくよ」
向日葵「……」ゴクリ
京子「ひまわりっ」ペッカー
向日葵「90点!!!」ガタンッ
京子「えっ」
向日葵「いい! 実にいいですわ!!」
京子「あ、そう? よかった?」
向日葵「はい! とてもよかったですわ!」
京子「そっかぁ~、いやあ、なんか悪い気はしないね?」ニハハ
向日葵「では京子、ちょっとリボンをとってもらっていいですか?」
京子「きょ……まぁいいや。ほい」ブチッ
向日葵「次にこれをですね……」スス
京子「お? なになに、ヘアピン?」
向日葵「ええ、ちょっと動かないでくださいね」
京子「ほいよー」
スチャ スチャ
向日葵「よし、いいですわ。もう一度さっきのお願いできますか?」
京子「うん? 名前呼ぶの?」
向日葵「ええ、できればとびきりの笑顔でお願いします」
京子「おっけー」
/ ヽ
. / , へ ヘ
, | \ // ヘ
. / | | ト、 、 `<´ , へ ハ
/ { | |.斗孑代'''. ヽ// |ハ
. / λ | ,.K | ヘ'、 \ `<i | ハ ひまわりっ♪
.... /,イ. | ハ i λ .ハ .| ヽ、 `込| |
/' | | | |ハ | l. .' i l .ィ xzェェェュ| | {. ’
/ | | | /丁.厂V | | / レ´,ィチ才" ̄7.| | ハ |
l.λ | l 'Ⅳ l. V | レ ' レ" '/| | | ハ |
|.ハ { {. |λ | _ _ ヽ ////./ | | | ハ|
l .ハ iヘハ トi |ヽ|,xzェェェx | |λ .ハ
ヽ.{ ヽ`、代{ Xオ"´ 、 | |ハ
`} | ` .ヽ´ //// _ | |; ハ ’
Ⅵ 圦 _ ィ´, } | | ハ ヘ
N. | ヽ ヽ、 _ ノ | λ ハ ヘ
/ l. | 个 /| リヾ、 .ハ ヘ
/ .l. | | i _>.... _ イ | j::::::::::::: ̄>ュ弋
l. | レイ|{:::::::::::::::::::::::;イ | |::::::::::::::::::/ ':::℡、
. ’ l. l / l:::::||:::::::::::::::::/ ハ | j::::::::::::/":/´/ヾ
,' ノ | ハ .|:::::||::::::::::::::::{. | /::::::/":/ / }
, /. | {. 、|:::::||::::::::::::::::|ヽ ,.-‐| /::::://:/ / |
向日葵「さくらこぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーー!!」ガバァッ
京子「うおっ!?」
向日葵「さくらこさくらこさくらこさくらこさくらこぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーー!!」ギュウウウ
京子「む、胸がっ……! むぐぐっ」
向日葵「会いたかった……会いたかったですわ! ……櫻子ぉぉ」ギュゥゥ
京子(ひまっちゃんそんなに……仕方ない! 先輩が一肌脱いであげようっ)
向日葵「ふぇぇ……さくらこぉ……ん?」
京子「向日葵……ごめんね、こんなに待たせちゃって」
向日葵「……う」
京子「私もさ、本当はずっと向日葵に――」
向日葵「違う!!!!」
京子「えっ?」
向日葵「匂いが違いますわ!!!!!」
京子「当たり前だよ!?」ガーン
向日葵「はぁ……すみませんでした」
京子「いや~、けっこう面白かったからいいよんっ」
結衣「びっくりしたよ……」
向日葵「本当に申し訳ないですわ……」
ちなつ「ってかさ、櫻子ちゃんは大丈夫なの?」
向日葵「え?」
ちなつ「だって向日葵ちゃん、櫻子ちゃん分が足りなくてこうなってるんでしょ?」
向日葵「そうですけれど」
ちなつ「じゃあ櫻子ちゃんも、向日葵ちゃん分が足りなくて大変なことになってるんじゃないの?」
京子「そこに気付くとはさすがちなちゅっ! 結婚しようっ」バッ
ちなつ「意味わかんないですっ」ヒョイ
向日葵「それはないですわ」
ごらく部「え?」
向日葵「だって、あの子は私のことなんてただの便利屋としか思ってませんもの」
ちなつ「本気で言ってんの?」
向日葵「本気ですわ。その証拠に一度も連絡をくれないですし」
ちなつ「それは向日葵ちゃんも同じでしょ?」
向日葵「え? ぁ、まぁ……そう、ですけれど」
結衣「横からで悪いんだけど、古谷さんはどうして連絡しないの?」
向日葵「そんなの! わ、私が、櫻子と話したいみたいじゃ……」
結衣「違うの?」
向日葵「……」
向日葵「……っ」
向日葵「ちが、わない……ちがわないですわ」
向日葵「わ、わたくし、さくらことはなしたい……」グス
京子「こんなに悲しいのなら、苦しいのなら……愛などいらぬ!!」
結衣「余計なチャチャいれんな」ゴスッ
京子「」キュゥ
結衣「それならさ、素直になればいいじゃん」
向日葵「すなお、に……?」グスッ
結衣「そうだよ。寂しいなら甘えればいい。求めればいい」
向日葵「でも、でもそんなの……迷惑に」
結衣「そんなの分かんないよ。相手の気持ちなんて分かるわけない」
結衣「私たちはただの人間なんだから」
向日葵「だったらなおさら……!」
結衣「それでも会いたいんでしょ?」
向日葵「……!」
結衣「それならさ、いいじゃん。迷惑かけたって」
結衣「それが幼馴染だろ?」
京子「……」
向日葵「おさななじみ……」
結衣「うん。幼馴染」ニコ
向日葵「……」
向日葵「ふふ……そう、ですわね」
向日葵「ありがとうございます。少しだけ、素直になれそうですわ」
結衣「うん。それはよかった」
向日葵「そうと決まれば善は急げ! さっそく電話してみますわね!」
結衣「えっ、うん」
結衣(ここでするの……?)
向日葵「櫻子っ、櫻子!」ピッピ
prrrr...prrrr...
prrrr...prrrr...prrrr...
prrrr...prrrr...prrrr...prrrr......
向日葵「……」
向日葵「出なさいよ馬鹿ぁっ!!!!」ブンッ
ちなつ「おっと」サッ
あかり「へぶっ!?」スコーン
向日葵「はぁ……また時間を空けて電話してみますわ」
結衣「う、うん。メールとかでもいいんじゃないかな?」
向日葵「あっ、そうですわね」
向日葵「船見先輩、何から何まで本当にありがとうございました」ペコリ
結衣「ううん、いいから」
向日葵「では失礼しますね」
結衣「うん、またね」
京子「ンホホホ、結衣にゃんったら」
結衣「なんだよ……」
京子「『それが幼馴染だろ?』だって! だってぇー!」ンホホ
結衣「くっ……! こいつ調子に乗りやがって!」
ちなつ(幼馴染、か……)
あかり「」
京子「いっけね、プリント忘れてた☆」
結衣「おいこら」
ガチャ
向日葵「ただいま戻りまし……って、あら?」
綾乃「」ズーン
千歳「あ、古谷さんおかえり~」
向日葵「ええ。あの、杉浦先輩はいったい……?」
千歳「いや~……まぁ、その……な?」
向日葵「……あっ」
向日葵「そ、そうでしたわっ。私せっかくの機会を潰してしまって……」
千歳「まぁ、古谷さんも大変やったんやし、しょうがないんやけどね」
向日葵「いえ……自分勝手が過ぎましたわ……ごめんなさい」
京子「古谷向日葵ぃー! おっぱい☆」バァーン
生徒会「!?」
綾乃「と、とととっ、歳納京子!?///」
京子「おっす綾乃~」
千歳「あらあらぁ~、どないしたん突然♪」スチャ
京子「プリント渡すの忘れてたっ☆」テヘペロ
向日葵「あっ! そ、そうでしたわ! すみません本当にっ」
京子「いいっていいって、まだ書いてなかったし。向日葵のせいじゃないよ」
綾乃&千歳「」ピシィッ
綾乃「ひま……」
千歳「……わり?」
京子「あれ? まずかった?」
向日葵「い、いえ……その……」
京子「向日葵も京子って呼んでいいからね?」
向日葵「えっ……ええ、はい。きょ、京子先輩……」
京子「先輩もいらないんだけどなぁ~……ま、いっか」
綾乃「あ……な、ぁ、あな、あなたたち! いつの間にそんなに!?」
千歳「……」プルプル
京子「いつって、さっき?」
向日葵「……」
綾乃「そ、そう、そうなの……は、ハハ……」
京子「てかさー、綾乃もいいかげん京子って呼んでくれよー」
綾乃「へぇっ!?///」
千歳「!?」ブシュッ
綾乃「で、でででも! それはっ……その……」
京子「まぁ、歳納京子って呼ばれるのもけっこう好きなんだけどね」
綾乃「んなっ!?///」
千歳「」ドバイッ
向日葵「ああっ! 池田先輩っ!」
千歳「ほぁぁ~……予想外の大収穫やったわぁ」ゲッソリツヤツヤ
綾乃「も、もうっ、千歳ったらすぐ鼻血出すんだから……」
千歳「ごめんなぁ」
綾乃「別にいいけどっ!」
綾乃「ってよくないわよ!? 命に関わるんだからねっ!」
千歳「せやなぁ……」
向日葵「ふと思ったんですけれど」
綾乃&千歳「?」
向日葵「池田先輩って、杉浦先輩と歳納先輩でしか妄想しないんですか?」
綾乃(下の名前で呼ばないのね……)ホッ
千歳「そんなことな……い、んやろか?」
向日葵「試しに私と櫻子で妄想していただけませんか?」
千歳「んー、ええけど、うまくできるかわからんで?」
向日葵「はい。大丈夫ですわ」
千歳「ほないくで~」スチャ
☆*・゚・*:.。.*.。.:*・☆*・゚・*:.。.*.。.:*・☆*・゚・*:.。.*.。.:*・☆*・゚・*:.。.*.。.:*・☆
櫻子『向日葵ぃー、私がいなくて寂しかっただろー』ニヤニヤ
向日葵『そ、そんなことないですわ! 櫻子なんかいなくたって私は……』
櫻子『ちぇっ、つまんないのー』
櫻子『私は寂しかったのに……』ボソ
向日葵『えっ?』
櫻子『あっ! い、今のナシ! 何も言ってな――』
向日葵『私も!!』ギュッ
櫻子『ふぇっ!?///』
向日葵『私も……寂しかったですわ』
櫻子『ぁ……ぅん……うんっ!』ギュゥゥ
☆*・゚・*:.。.*.。.:*・☆*・゚・*:.。.*.。.:*・☆*・゚・*:.。.*.。.:*・☆*・゚・*:.。.*.。.:*・☆
千歳「こんな感じやろか?」
向日葵「さくらこぉぉぉ……」ポロポロ
りせ「……」ポンポン
向日葵「うぅぅ……」
綾乃「大丈夫?」
向日葵「……はい、すみません」
千歳「ごめんな古谷さん……」
向日葵「いえ、私からお願いしたんですから、池田先輩は何も悪くありませんわ」
千歳「……」
向日葵「ちょっと、顔洗ってきます……」トボトボ
ガチャ バタン
綾乃「……そういえば、鼻血出なかったわね」
千歳「なんでやろなぁ……」
りせ「……」
向日葵「はぁ……」
向日葵「……」
向日葵「ため息ついててもしょうがないですわね」
向日葵「電話してみましょう……」ピッピ
prrrr...prrrr...
prrrr...prrrr...prrrr...
prrrr...prrrr...prrrr...prrrr......
向日葵「……」
向日葵「櫻子、何をやってるのかしら……」
向日葵「……」
向日葵「一応メールも……」ポチポチ
向日葵「……」
向日葵「戻りましたー」ガチャ
綾乃「おかえりなさい。大丈夫?」
向日葵「ええ、もう大丈夫ですわ」
_________________
||._______.|| ._
|| ┌─┐┌─┐ || |生|
|| | || | || |徒| <それじゃ、気を取り直して仕事するわよー!
|| | || | || |会|
|| | || | ||.  ̄ <おー!
|| | || | ||
||.o└─┘└─┘ ||
|| | || | ||
|| | || | ||
|| | || | ||
|| | || | ||
|| └─┘└─┘ ||
綾乃「ふー、お疲れ様! 今日はおしまい!」
千歳「お疲れさん~」
向日葵「お疲れ様です」
りせ「……」フリフリ
向日葵「櫻子からメールは……きてませんわね」トボトボ
向日葵「また電話してみようかしら」
向日葵「さ、さすがにしつこいですわよね」
向日葵「……」
向日葵「メールくらいなら……」
向日葵「……」ポチポチ
向日葵「櫻子にメール送ってたらあっという間に着いてしまいましたわ」
向日葵「櫻子の家は……」チラ
向日葵「まだ帰ってませんわね」
向日葵「まぁ、明後日ですから当たり前なんですけれど」
ガララ
向日葵「……」
楓「お姉ちゃん?」ヒョコ
向日葵「ただいま楓」
楓「おかえりなさぁいっ」パタパタ
楓「お姉ちゃん元気ない?」
向日葵「いえ、そんなことありませんわ」ニコ
楓「でも……」
向日葵「さ、お姉ちゃんお夕飯の支度しますから、ね?」
楓「うん……」
向日葵「櫻子にメール……」ポチポチ
向日葵「はぁ~……」ジュワー
向日葵「……」
向日葵「さくらこ……」
向日葵「楓、ご飯できましたわよ」
楓「っ!?」
楓(三日連続ちくわの磯辺揚げなの……)
楓「きゅっぷぃ」
向日葵「ごちそうさま」
楓「ごちそうさまなのっ」
楓(磯辺揚げばっかりでも美味しいの♪)
向日葵「私もうお風呂に入ってしまおうと思うんですけれど、楓はどうします?」
楓「一緒に入るー」
向日葵「分かりましたわ」
~~~~~~ しばらくお待ちください ~~~~~~
あったかいの ですわねー
o O __
_. r'´ ̄`ヽ r' ヽ
┻┓| ,c、ノc、) (( 人 ゞ |
||| リル=ヮ=ノリ 从=ヮ=ルリ ∬
( ̄ ̄ ̄o) ̄ ̄ ̄ ̄ ̄○ ̄ ̄)
(__oノ_O__゜__。_ ノ ____
)) ((o o。o)) ○( [ ∩]
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
向日葵「いいお湯でしたわ」
楓「なの!」
ガサゴソ
向日葵「あら? パンツがありませんわ」
楓「お洗濯しちゃったの?」
向日葵「ああいえ、全部ないわけじゃないから大丈夫ですわよ」
楓「なの?」
向日葵「ですわ」
向日葵「はぁ……まだメールきてませんわね」カチカチ
楓「お姉ちゃん、寝ないの?」
向日葵「あっ、ごめんなさい。いま電気消しますから」
カチッ
向日葵「おやすみなさい楓」
楓「おやすみなさぁい……」
向日葵(とりあえずもう一度だけメールを送って……)
向日葵(はぁ、櫻子……)
向日葵(……)
向日葵(そうだ、あれ持ってきましょう)
トテトテ ガサゴソ
向日葵(ふふ、櫻子のヘアピン……)
向日葵(胸ポケットにひとつ、髪……につけて寝たら危ないですわね)
向日葵(もうひとつは襟につけて寝ましょう)
向日葵(おやすみなさい、櫻子……)
―――――
―――
――
ブロロロロ…
ガチャ バタン
『さーぁーちゃんっ! あっそびーましょー』
『あ、ひまちゃん……』
『さーちゃん!』
『……うそつき』
『え?』
『ずっといっしょっていったのに』
『えっ、さーちゃん?』
『ひまちゃんなんか、もうしらない!』
『さーちゃんっ! まってよさーちゃん!』
『さーちゃんやだ! いっちゃやだぁー!』
『さーちゃ、さ――きゃっ』ドテッ
『いたた……うぅ、さーちゃん……さーちゃぁん……』グスン
トテテテテ
『おっぱいのばかやろぉー!!』ボイーン
『戻ってきといてそれですの!?』ガーン
~朝ですわ~
向日葵「うぅ、さくらこぉ……ぺったんこのくせにぃ……」グヌヌ
楓「お姉ちゃん、朝だよぉ」ユサユサ
向日葵「んん……」モゾ
楓「お姉ちゃん、泣いてるの?」
向日葵「ん……? ぁ、おはようかえで……」
楓「悲しい夢見たの?」
向日葵「…………すこしだけ」ギュ
楓「わわっ、お姉ちゃん?」
向日葵「すぅ……すぅ……」
楓「寝ちゃったの……」
向日葵「ふぁ~……」トテトテ
楓「あっ、お姉ちゃんおはよ~」
向日葵「おはよう楓。二度寝してしまいましたわ……」
花子「ひま姉だいじょうぶ?」
向日葵「ええ、もうだいじょ――は?」
花子「ひま姉いっつも早起きだし、お休みの日くらいゆっくりしてもいいと思う」
向日葵「」
花子「ひま姉?」
向日葵「」
楓「お姉ちゃん?」
向日葵「花子ちゃんがいますわッッッ!!?」
花子&楓「えっ」
向日葵「どうしてですの? 帰ってくるの明日ですわよね?」スリスリ
花子「んぐぐ、元から今日の予定だし。苦しいし」
向日葵「そうなんですの? でも櫻子は七日後って……」スリスリ
花子「出発したの日曜の夜だから、一応間違ってはいないし」
向日葵「日、月、火、水、木、金、土……あ、七日ですわ」スリスリ
向日葵「私、月曜日から数えてましたわ」スリスリ
花子「ところでいい加減スリスリするのやめてほしいし」
向日葵「あっ、ごめんなさい」パッ
向日葵「花子ちゃんって櫻子に似ててつい……」
花子「え……それ最悪なんだけど」
向日葵「見た目も中身も似てませんのよ?」
向日葵「ただ、纏ってる空気というか、やっぱり姉妹なんだなって思いますわ」
花子「ふ、ふーん……」
花子「ひま姉と楓は見たまんまそっくりだよね。優しいとことかもそっくり」
楓「えへへ、お姉ちゃんといっしょ嬉しいっ」
向日葵「ということは、櫻子も帰ってきてるんですの?」
花子「うん。みんな帰ってるよ」
楓「お姉ちゃんよかったね!」
向日葵「べ、別に嬉しいとかじゃないですけど……」
向日葵「いえ、嬉しいですわ……」
向日葵「ちょっと準備してきますわね」
楓「いってらっしゃーい」
花子「あのさ、楓」
楓「?」
花子「楓は……えっと、その……」
楓「!」ピコン
楓「おかえりなさい! 花子お姉ちゃんっ」
花子「えっ」
楓「まだ言ってなかったの!」
花子「あ……うん。えへへ、ただいまっ!」
向日葵「服、おっけー」
向日葵「髪、おっけー」
向日葵「顔……」
向日葵「……」ニコー
向日葵「おっけー!」
向日葵「ちょっと時間かかっちゃいましたけど……」
向日葵「櫻子! いま会いに行きますわよ!!」タタタッ
花子「あんなに想ってくれる人がいて、櫻子うらやましいし」
楓「……」ピト
花子「っ!///」
楓「すぅ、すぅ……」
花子(って寝てるし!?)ガーン
ピンポ ガチャ
向日葵「こんにちはー!」タタッ
撫子「あ、ひま子ひさしぶ――」 向日葵「撫子さぁーんっ♪」ガバァッ
ドッターン
撫子「っつー……どうしたのいきなり」
向日葵「撫子さん♪」スリスリ
撫子「あー、よしよし。頭でも打った?」
向日葵「いえ、久しぶりなのでちょっと抑えられないだけですわ」ニコッ
撫子「っ!?///」
向日葵「ところで、櫻子います?」
撫子「いるけど寝てるよ」
向日葵「え゛っ」ズーン
撫子「帰りずっとハイテンションでさ、ちょっと前まで起きてたんだよね」
撫子「でもさすがに疲れたみたい」
向日葵「そう、ですか……」
向日葵「はぁ……櫻子……」
向日葵「まぁ、疲れているなら仕方ないですわよね」
ガララ
向日葵「ただいまー……」
向日葵「……?」
向日葵「かえでー? 花子ちゃーん?」テクテク
向日葵「かえ――あら」
花子「すぅー、すぅー……」
楓「すぅ、すぅ……」
向日葵「ふふ、可愛らしいですわね」
向日葵「私も櫻子が起きるまで寝てようかしら……」
櫻子「んぉ……」パチ
櫻子「すっげえ寝てた気がする……」
櫻子「ん~~……っはぁ」
櫻子「よっと」
櫻子「……お腹ペコいな」
トテテテテ
櫻子「れっいぞーこー♪ おっみーやげー♪」
撫子「あ、櫻子。さっきひま子きたよ」
櫻子「向日葵!? なんで起こしてくれなかったんだよ!」
撫子「会いたかったの?」
櫻子「あったりまえでしょ!? ……じゃねーし!! 別に会いたくなんかないもん!」
撫子「はぁ……ひま子んとこ行くならお土産持ってってね」
櫻子「い、行かないし!」
撫子「お土産さっさと持ってって欲しいんだけど」
櫻子「ま、まぁそういうことなら仕方ないし! 行ってやってもいいけどっ!」
ガチャ
櫻子「うおっ!? 外くらっ! もう夜か……」
花子「あ、櫻子起きたんだ」
櫻子「お? 花子、と楓じゃん。何やってんの?」
花子「楓のお母さんたち遅いって言うから、お夕飯招待したし」
楓「招待されたのっ」
櫻子「向日葵は?」
花子「寝てるし」
楓「気持ちよさそうだから寝かせておいてあげるの」
櫻子「……ほほう」ニヤリ
楓「いたずらしちゃめっ! なのっ」
櫻子「わーかってるってー」ニコニコ
花子「どーだか……」
櫻子「気付かれないよにーどきどきっ」
櫻子「ばれなーいーよーおーにーっと」
ソー…
櫻子「ひまわりさーん……」
向日葵「すぅー、すぅー……」
櫻子「寝てる寝てるっ」ウヒヒ
櫻子「さーて、何してやろっかなー」
櫻子「顔に落書き!」
櫻子「……はやめよう。可愛い顔が台無しになる」
櫻子「いやいやいや! 起きたらすっげー怒られるからだし! 可愛いとか思ってない!」
櫻子「……とりあえずおっぱい揉んどくか」
もにゅん
向日葵「きゃあっ!?」バッ
櫻子「えぇっ!?」ビクッ
向日葵「あ……さ、さくらこ……?」
櫻子「お、おはよー……なんつって」
向日葵「櫻子……」
櫻子(やばい怒られる……!)
向日葵「さくらこぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーー!!」ガバッ
櫻子「おうっ!?///」
バタンッ
向日葵「櫻子! 櫻子! 櫻子ですわ!!」スリスリスリスリ
櫻子「な、なんだよいきなり!?///」
向日葵「櫻子ぉー!!」ギュウウウ
櫻子「ちょっ! くるしい! くるしい!! 死ぬぅー!!」バタバタ
向日葵「ハッ!?」パッ
向日葵「だ、大丈夫……?」
櫻子「死ぬかと思ったァ……」
向日葵「ごめんなさい……」
櫻子「まったく、いきなり何すんだよばかっ」
向日葵「……」
櫻子「どきどきし……じゃなくて、びっくりしただろ!」
向日葵「ごめん、なさい……」
櫻子「……」
櫻子「ってか、ほんとにどうした? 何か変だよ」
向日葵「う……そ、その……」モジモジ
櫻子「?」
向日葵(たまには素直に……素直に……!)
櫻子「あっ!!」ピコーン
向日葵「……?」
櫻子「ふっふっふ、さては向日葵、私がいなくて寂しかったんだろ~?」ニヤニヤ
向日葵「なっ!?」
櫻子「まったく、向日葵はしょうがないなぁ~」ニヤニヤ
向日葵「……そ、そうよ」
櫻子「私がいないとてんでダメ……え?」
向日葵「そうよ、悪い? 櫻子がいなくて、寂しかったのよ……」グス
櫻子「えっ、あれ? ま、まじ……で?」
向日葵「あなたは全然平気だったみたいですけどね!」プイッ
櫻子「ちょっ、そんなこと――」
向日葵「何度も電話して、メールもたくさんしたのに!」
櫻子「それはっ――!」
向日葵「どうせ私のことなんて、ただの便利屋としか思ってないんでしょ!」
櫻子「あーもう!! 聞けよばかっ!」ガバッ
向日葵「!?」
櫻子「便利屋なんて思ってない!」ギュッ
向日葵「っ……!」
櫻子「向日葵は、なんかこう……大切! そう、大切なの!」
向日葵「大切って、どういう意味……?」
櫻子「分かんない!」
向日葵「分かんないって……」
櫻子「でもなんか、いなきゃだめなの! だからそんな風に言うな!」
向日葵「……っもう」
向日葵「櫻子は本当にしょうがない子ですわね……」
櫻子「向日葵だって、私がいなくて泣いちゃうくらいだめだめじゃんっ」ププッ
向日葵「泣いてなんかないですわ!」
櫻子「うっそだー! さっき泣きそうだったもん!」
向日葵「でも泣いてない!」
櫻子「じゃあ今から泣けよ!」
向日葵「なんでよ!?」
向日葵「ていうかあなた、電話は? メールはどうしたのよ?」
櫻子「んあ? 携帯なんかここ一ヶ月くらい見てないし」
向日葵「っっっはぁぁぁああ!?」
櫻子「私が携帯あんま使わないの知ってんだろー? 向日葵が悪いっ」ドヤァ
向日葵「っこンの馬鹿娘は……!!」
櫻子「馬鹿じゃないもーんっ! 泣き虫ひまわりぃ~」ニヤニヤ
向日葵「うるさい馬鹿! 鈍感! 朴念仁!!」
櫻子「誰がニンジンだこらぁ!」
向日葵「誰もそんなこと言ってないわよ!?」
「私がニンジンなら向日葵はピーマンだ!!」
「なんでよ! 私がピーマン嫌いなの知ってるでしょう!?」
ギャーギャー ワーワー
――――――
――――
――
向日葵「ゼェ、ゼェ……」
櫻子「ハァ、ハァ……」
バタンッ
向日葵「つ、疲れましたわ……」
櫻子「向日葵のおっぱいが……でかい、からだァ……」
向日葵「それ、関係ないでしょう……っ!」
櫻子「なん、だとぉー……っ!」
向日葵「……」
櫻子「……」
向日葵&櫻子「ぷっ、あははははっ」
向日葵「こういうの、久しぶりですわね」クス
櫻子「ま、私いなかったからね」ヘヘ
向日葵「……」
向日葵「遅くなったけど……おかえりなさい、櫻子」
櫻子「ん……ただいま、向日葵」
櫻子「ねっ、向日葵! お腹すいた!」
向日葵「そうですわね……あ、楓」
櫻子「楓はうちで食べるって」
向日葵「そう……櫻子はどうするんですの?」
櫻子「んー……」
櫻子「向日葵のご飯がいいな。なんか作ってよ!」
向日葵「……しょうがないですわね」
櫻子「えへへ」
向日葵「ご飯できるまで、一週間分の勉強やってなさいね」
櫻子「え!?」
向日葵「当然でしょう? ずっと休んでたんだから」
櫻子「うぇー……」
向日葵「ノート、ちゃんと取ってあるから」
櫻子「わぁ~ったよぉ……その代わり、うんと美味しいの作ってよね!」
向日葵「ふふっ、もちろんですわ!」
櫻子「あっ、そうだ向日葵、お土産が……」
ゴソゴソ ヒラリ…
向日葵「ん? 何か落ちましたわ……よ!? ってこれ!! 私のパンツ!?」
櫻子「やべっ!」
向日葵「な、なんでこれをあなたが持ってるのよ!?」
櫻子「いやほら! 旅行中の向日葵分をね!?」
向日葵「こ、この……っ」
「馬鹿娘ぇぇぇーーーーーーーーーーーーっっっ!!!!!!!!」
\ぎにゃああああああああああああっっっ/
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ヽ / <ハ> ヽ、ノ
ヘ /
\,ヽ //
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こんな時間までお付き合いありがとうございました
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