菫「話があるんだ」 宥「何ですか?」(127)


菫「宥!」

菫「私と……」グ…

菫「結婚してくれー!」シャープシュート

宥「ごめんなさい」ヒラリ


菫「何故だ!」

宥「私には玄ちゃんが……」

菫「いかん!」

菫「姉妹など……!」グ…

菫「いかーん!」シャープシュート

宥「ごめんなさい」ヒョイ


菫「ぐぬぬ……」

菫「……よしわかった!」

菫「妹も一緒でいい!」

菫「だから宥!」

菫「私のものに」グッ

菫「なってくれー!」シャープシュート

宥「ごめんなさい」ピョン


玄「おねーちゃーん」

宥「あ、玄ちゃん」

玄「迎えに来たよー」

宥「ふふ、ありがとう……」ナデナデ

玄「えへへ……お任せあれ!」

菫「くっ……」グ…

菫「私にもナデナデしてくれー!」シャープシュートッ

宥「わわ」スッ

菫「避け……られた、だと……」


宥「弘世さん?」

菫「……なんだ」グスッ

宥「それくらいなら良いですよ?」

菫「えっ」

宥「……いい子いい子」ナデナデ

菫「……っ///」カーッ

宥「耳まで真っ赤ですね」ナデナデ

菫「……!」

菫「宥!」バッ

菫「このまま私と結婚してくれ!」ギュッ

宥「ごめんなさい」ニコッ


菫「……」ズーン

菫「宥……何故……」ブツブツ

照「ねぇ」

菫「……なんだ」

照「まだ松実さん(姉)にご執心なの?」

菫「何か文句があるのか?」キッ

照「いや別に」


菫「あの準決で宥に私のシュートを躱されて以来……」

菫「奴のことが頭から離れないっ……!」

菫「初めてだったんだ……」

菫「私が……狙った獲物を逃すなんて……!」ワナワナ

菫「……」フッ

菫「……気付けば、私の方が宥に射抜かれていたんだな」

菫「このハートを、さ……」

照「そうだね」


次の日

菫「宥ー!」

宥「はい」

菫「今日こそ私と……」グッ

菫「結婚してくれー!」シャープシュート

宥「ごめんなさい」サッ

菫「何故頑なに断られるんだあああああ!?」


菫「いい加減、私の愛をっ……」ググッ

菫「受け取れええええ!」

シ ャ ー プ シ ュ ー ト 乱 れ 打 ち ッ !

宥「わわわ……」ヒョイヒョイッ

菫(全て……躱され……!?)


アッ、アブナーイ



泉「は……?」クルッ

泉「」サクッ


宥「あっ」

菫「あっやべっ」


菫「だ、大丈夫か!?」

泉「……ぅ」

菫「よ、よかっ……」

泉「好きです!」ギュッ

菫「えっ」

泉「好きです好き好きっ」

泉「私のお姉様になってください!」キラキラ

菫「えっ?」


泉「お姉様ぁ」ギュッ

菫「ま、待て待て、落ち着け君……はっ!?」

宥「……」ジト…

宥「ひどい……」

菫「は……?」

宥「あれだけ私に結婚を迫っておいて……」

菫「!? ち、違う! 違うんだ宥!」

宥「さよなら、弘世さん」タッ

菫「宥――――――っ!!」

泉「お姉様お姉様」スリスリ


照「で?」

菫「」

泉「お姉様好きですお姉様」スリスリ

照「通りすがりの二条さんを射抜いてしまったと」

菫「……うん」

照「シャープシュート(笑)」

菫「……うるさい」

泉「お姉様お姉様」ラヴラヴ


照「彼女どうするの」

泉「お姉様ぁ」ギュー

菫「……うぐ」

照「離れてくれそうにないね」

菫「……いいさ、明日もこのまま宥の所へ行ってやる」

照「まじで?」

菫「まじで」

泉「ほんまですか!」

菫「……宥への想いは変わらないからな」キリッ

泉「さすがお姉様! かっこいいです! 好き!」ギュースリスリ

照「二条さんはそれで良いのか……」


次の日

菫「宥」

宥「……」

菫「今日こそは私と結婚してもらう」

泉「キャーお姉様頑張ってください!」ギュー

宥「……他の女の子に抱き着かれながら、よくそんなこと言えますね」ジトー

菫「うっ……」

泉「お姉様、ファイトですよ!」


菫「た、確かに……泉から好かれてはいるが」

泉「好きですお姉様っ」スリスリ

菫「私の目に映っているのは、宥だけだからな……!」グッ

泉「キャー/// お姉様シビれますぅ!」

宥「……寒い」

菫「私が……暖かくしてやる!」シャープシュートッ

宥「遠慮します」ヒラッ

菫「!!」ガーン


泉「あっ、松実さんの後ろに誰かいますよ?」

菫「えっ」

宥「?」

泉「避けられた矢が……」


淡「へ?」クルッ

淡「」サクッ


泉「刺さりましたね」

菫「何っ!?」


菫「あ……淡!?」

淡「きゅー」

菫(まずいくないかこれは)

泉「大丈夫ですー?」ペチペチ

淡「うぅ……」パチ

菫「あ、淡……」

淡「……」

淡「スミレ……?」ボー

淡「……」ピコーン

淡「菫愛してるっ!」ガバッ

菫「!?」

泉「は……?」


淡「なんだろ、いきなりズキューンってキちゃったよ菫ぇ」ギュー

菫「」

淡「ドキドキが止まんないよ菫、愛してるぅ」スリスリ

泉「わ、私も好きですよお姉様!」ギュ

菫「」

泉「お姉様ぁ」

淡「愛してるよ菫ぇ」

菫「」

菫「はっ」

宥「…………」


菫「ゆ、宥……私と、結婚……」

宥「……」プイ

菫「宥うぅぅぅぅぅ!!」

淡「スミレスミレ」

泉「お姉様お姉様」

宥「……知りません」


照「あれ?」

菫「」

泉「お姉様好きですお姉様」スリスリ

淡「菫愛してる菫」スリスリ

照「なんか増えてない?」

菫「……」

照「淡じゃなくて松実さんを狙いなよ」

菫「狙った結果がこれだよ!」

泉淡「「スキスキー」」


菫「何故……何故宥は私と結婚してくれないんだ……」

照「なんでだろうね」

菫「メゲそう……」

淡「大丈夫! 私が菫と結婚するよ!」

泉「私もお姉様と結婚します!」

照「菫モテモテだね」

菫「はは、は……はぁ」

泉「憂い顔のお姉様……素敵……」キュン

淡「うん……もっとメチャクチャにしてあげたい……」キュン


菫「……私は、宥を諦めた方がいいのだろうか」

照「さぁ」

菫「もしかして私、宥にかなり嫌われているんじゃ……」

照「どうだろうね」

菫「ここまでしても振り向いてもらえないなんて……もうここらでやめに……」

照「……それでいいの?」

菫「仕方ないじゃないか……宥に嫌われているんじゃ、どうしようもない」

照「松実さんがどう思ってるかじゃなくて、菫はどうなの?」

菫「え……?」


照「好きなんでしょ? 松実さんのこと」

菫「当たり前だろ……!」

照「じゃあ、やることなんて決まってるじゃない」

照「今までみたいな数打ちゃ当たる、みたいな告白じゃなくてさ」

照「ちゃんと真っ直ぐ気持ちを伝えてみたら」

菫「……照」

照「大体、結婚結婚って……菫は先走りすぎだと思う」

照「逸る気持ちもまぁわからないでもないけど。物事には順序があるんだよ」

菫「そう、だな……」


菫「……ありがとう。私が弱気になるなんてな……どうかしていた」

照「うん。最近の菫、頭おかしいもん」

菫「ははは、こいつぅ☆」グリグリ

照「ほら、じゃれてないで。明日のために今日やっておくことは?」

菫「あぁ! シャープシューティング告白の練習だな!」

泉「私が的になりますお姉様!」

淡「ほら、みんなも菫の的になるよ、協力して!」

白糸台麻雀部員「「おー!」」


次の日

宥「……また、ですか」

菫「あぁ」

菫「やはり、宥への気持ちは変わらないからな」キリッ

泉「お姉様お姉様」

淡「菫愛してる菫」

尭深「玉露よりも先輩が好きです……///」

誠子「先輩の竿で一本釣りにして下さい!」

美子「好きですたい」

澄子「私もよろしくお願いしまーす」

花子「うーわ競争率マジぱねーっすわー」


宥「……更に増えてますね」

菫「気にするな、練習の成果だ」


菫「ほらお前ら、離れてくれ」

泉淡尭深誠子美子澄子花子「「は~い」」ワラワラ

菫「さて、宥」キリッ

宥「……はい」

菫「私と結婚してくれ」

宥「……、ごめんなさい」

菫「だろうな」フッ

宥「え……?」

菫「いきなり求婚されて、あっさり『はい』なんて言えるものじゃないよな」

宥「……」

菫「好きだ、宥」


菫「……だから」

菫「私と、結婚を前提に……!」グッ…

菫「付き合ってくれええええええええ!」SHARP SHOOOOOOOOT!


菫(このシュートに、私の全身全霊の愛を込めた……!)

菫(これを避けられれば……もう私に次の矢は無い……)

菫(必ず当たる……いや、当てる……射抜く!)

菫(宥のハートを!)

宥「……」

宥「ごめんなさいっ」ヒョイッ


菫「あれっ」

泉「余裕で避けられてますやん……」

淡「あちゃー」


菫「え? そこ避けるか普通?」

宥「……えへ」

菫「な」

菫「なっ……何故なんだああああああ!」

菫「ああああ……」

菫「……うぁぁ」

菫「もう嫌だ……宥なんかもう知るか……帰る……おうち帰る……」

宥「あっ、弘世さん待って……」

菫「何だよ触るなよ帰るんだよおぉ……」


宥「弘世さん」

菫「だからなん……」

チュッ

菫「」

宥「……」

菫「え」

宥「弘世さんには散々打ち抜かれちゃったので」

宥「今度は私があなたを打ち抜く番です」

菫「え」


宥「弘世さん」

菫「え」

宥「私と、お付き合いしてくれますか……?」

菫「」

菫「も」

菫「勿論だ……! 愛してるぞ宥うううう!」ガバッ

宥「わわ」ヒョイッ

菫「」



淡「ええええ!? そこくっつくの!? 私は!?」

泉「良かったですねお姉様ぁ……ルパンダイブは避けられましたけど」


宥「弘世さん」

菫「え」

宥「私と、お付き合いしてくれますか……?」

菫「」ズキューン

菫「も」

菫「勿論だ……! 愛してるぞ宥うううう!」ガバッ

宥「わわ」ヒョイッ

菫「」



淡「ええええ!? そこくっつくの!? 私は!?」

泉「良かったですねお姉様ぁ……ルパンダイブは避けられましたけど」


それから


玄「おねーちゃん、おめでとう!」

宥「うん。ありがとう、玄ちゃん」ナデナデ

玄「でも、何ですぐにオッケーしてあげなかったの?」

玄「おねーちゃんも、前から弘世さんのこと好きだったのに」

宥「ふふ……断られて愕然としてる弘世さんとか、涙目の弘世さんとか、すごく可愛いかったから……」

宥「ちょっと意地悪したくなっちゃって」ニコ

玄「ふ~む、なるほどなるほど、なるほどー」



菫「宥!」

泉「お姉様好きです!」

淡「菫愛してるよ!」

菫「うるさいお前ら!」

宥「今日連れてるのは二人だけですか?」

菫「つ、ついてくるなと言ったんだが……」

淡「ユウばっかり菫独り占めしてズルイズルイー!」

泉「私は何番目でも構いませんからお姉様ぁ」

菫「あぁもう……少し何処か行ってろお前ら!」

泉淡「「わーい」」タター

菫「全く……」


菫「さて、宥」

宥「はい」

菫「今日は雲ひとつ無い快晴だ、結婚しよう」キリッ

宥「ごめんなさい」ペッコリン

菫「ですよねー」

宥「……もっとお話して、もっと色んな所へ行って、もっと好きになりたいんです、菫さんを」

宥「だからそれは……もう少し先で」

菫「……!」パァッ

菫「そうだな……! その時になったら結婚しよう!」

宥「ふふ……はい」ニコ



カン


書いてて気付いた
次鋒は○子って名前が多い


ちょいおまけ

シャープシューティング告白練習中

菫「シャープシュート! シャープシュート! シャープ……シューット!」シュババッ

泉「一心不乱に矢を射るお姉様……素敵です……///」ホゥ…

淡「こら的、動くな」

菫「……」

菫(く……ただ打っているだけじゃ駄目だ……)

菫(集中……宥への気持ちを……)

菫「はっ!」シャープシュートッ

ヒュンッ

泉「あれ?」

淡「盛大にすっぽ抜けてね?」


泉「しかもその先に……」

淡「テル!?」


照「え……」

照「」サクッ


菫(またやっちまったー!)

菫「だだだ、大丈夫か照……」

照「いた……」

菫(あわわわわわわ)

照「……」ジ…

菫「……!」ドキッ

照「……なに慌ててるの」

菫「え……な、何ともないのか?」

照「何が?」


菫「え……」

照「?」

菫「いやその……菫スキスキーってならないか?」

照「何言ってるの……菫って自意識過剰?」

菫「んなっ……なわけないだろ!///」カーッ

菫「もういい、心配した私が馬鹿だった……告白の練習に戻る!」スタスタ



照「……」

照(ふぅん)

照(もともと菫が好きだった場合はシャープシュートされても変化は特に無し、か……)



カン

以上
ありがとうございました

日付が変わる前に終わってよかった(小並感)

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