咲「新道寺の……赤木さん」赤木「……ククク」(265)


玄「新道寺の……赤木さん?」赤木「ククク……」
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照「新道寺の赤木……しげ子」赤木「ククク……」
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こちらの続きになります。
よろしくお願いします。
例によって携帯からは見えにくいかと。
基本的に闘牌は「アカギ」「天」「ノーマーク爆牌党」などを参考にしています。


……さん!

ピッ

……次さん!

ピッ、ピッ

……銀次さん!

浅井銀次「お……おう……ひろゆきか……」

井川ひろゆき「銀次さん! しっかりしてください!」

銀次「いやあ……結構粘ってみたが、今度っちゅう今度はもうダメだな……はは……」

ひろゆき「うっ……!」

銀次「……あの東西戦から、何年経ったっけか……赤木、僧我、原田……
次は俺って訳だ……妥当な順番じゃねぇか……!」

ひろゆき「ううっ……」

銀次「なあに、ひろゆき……安心しろ……! オレは怖くない……死ぬことなんざ
……全然……怖くない……!」



ひろゆき「……どうして……?」

銀次「赤木の奴が……言ってくれたんだ……! あったかい人間はあったかく死んでいけるって……!」

天「銀次!」バタン

天「馬鹿野郎、銀次……! 行くな……行くな……!」ボロボロ…

ひろゆき「銀次さん……!」ホロホロ…

銀次「はは……ギリギリセーフか……天……ひろゆき……手を……オレの手を握ってくれ……!」

天・ひろゆき「……!」

ギュゥ

銀次「ああ……あったかい……あったかい……」

ピッ

ピッ

ピーーーーーーーーーーッ










なあんだ……やっぱり、死ぬことなんざ怖くねぇや……!








浅井銀(シロガネ)「……」

原田香津美「おい、どうした銀……銀!」

銀「お、おお。悪ィ、悪ィ。ちっと昔のことを思い出しててな……」

原田「おいおい、大丈夫なのか。お前……中堅戦はもうすぐやで」

僧我みつみ「おどれらが敗けたら、すばらちゃんが自分のせいやって落ち込むんやぞ……?
絶対勝てよ、銀……!」

銀「ははは……分かってる、分かってるさ。相手は千里山の昨年エース江口セーラ、
そして白糸台の渋谷尭深、阿知賀でもっとも上手い新子憧……!
 相手にとって、不足なし……!」

僧我「それで、すばらちゃんはどこや?」

原田「ああ……すばらちゃんなら、赤木が迎えに行っとるが……」


僧我「……」

僧我「前から気になってたんだが……」

原田・銀「?」

僧我「……あの二人、妙に仲良い思わんか?」

原田・銀「……!」

原田「ア、アホ言うな。単なる先輩と後輩の仲や、そんなもん……!」

原田「た、煙草。煙草はどこや……」ガサゴソ

僧我「アホか! そんなもん持ち込んでたら失格になるわ!」

銀「そうだ、健康が一番だぞ原田! 癌だったオレが言うんだ、
間違いねぇ!」

ギャーギャーワイワイ


花田煌「あの娘たちは本当にプレッシャーとかありませんのね……」アキレ

赤木しげ子「ククク……ま、そーゆーことです。だから全然心配ないんですよ、すばら先輩。
あいつらはアンタのことを尊敬している! 胸を張って帰らないと、逆に落ち込んじまう……!」

煌「だーかーらー! すばら先輩じゃありません! んもう!」プンスカ

赤木「さて。それじゃ、オレは昼飯食いがてらぶらついてきますんで……銀には、
何か励ましの言葉でもかけてやってください」ポンポン

煌「あ、コラ! ちゃんと大将戦までには戻ってくるんですよー!」

赤木「はいはい……」ブラブラ-…

煌「はあ、もう……しげ子ちゃんは団体行動を取らないんですから……すばらくないです!」

煌「あと、先輩を先輩とも思わないあの態度! 頭をぽんぽん撫でたり叩いたりするのは、
正直年下扱いされてるような気分です! すばら! ……もとい、ノーすばら!」

煌「……よし! それじゃあ、可愛い後輩たちに顔を見せますか!」スバラッ

○ ○ ○


恒子「中堅戦、まもなく開始です。まず、次鋒戦終了時点での各校の点数は御覧の通り」

阿知賀  97100
千里山  68600
新道寺  94100
白糸台 140200

恒子「白糸台が14万と大きくリードしていますが……」

小鍛治健夜「でも。いつもの白糸台なら、20万点ほどで圧倒的リードを保っているところ
ですね。千里山の江口セーラ選手は前年度エースなだけあって、打点の高さが売りです。
阿知賀の新子選手は、速攻の巧手……そして何より」

恒子「新道寺の浅井銀(シロガネ)選手、ですね」

健夜「ええ……彼女にもまた、僧我選手のような異質さが感じられます。それが具体的には
何かが分かりませんが……。いずれにせよ、白糸台も油断ならない状況です」

恒子「さあ、今大会のダークホースに一躍躍り出た新道寺女子! 果たして浅井選手は、
何を見せてくれるのかーっ!」


憧「一昨日の二回戦ではどうも……」

セーラ「おぼえててくれたようで何よりや」ニヤリ

渋谷尭深「……よろしくお願いします」

銀「おう、よろしくな……コホン、よろしくお願いしますね」

○ ○ ○

原田「気色悪っ!」

僧我「未だに慣れんわ……」

煌「銀ちゃんの言い方が正しいんです! 香津美ちゃんとみつみちゃんの方が、ガラ悪すぎ!」

煌「……それはともかく、お二人から見て今日の銀ちゃんはすばらでしたか?」

僧我「ああ……いつもより、ちと調子は上向きですな。さっき軽く打ってみましたが……」

三回に一回は『見れて』ましたで……!


起家は渋谷尭深。彼女の対面に新子憧、上家に江口セーラ、下家に浅井銀

四人「よろしくお願いします!」


ビーッ


東一局

憧(渋谷尭深の特性を考えると……この親は何としてでも、速攻で流す!)

銀(……この局は『見れない』か……)

ナレーター「八巡後」

セーラ「リーチ!」

憧「……ぐっ」

銀(こりゃ、止められんな)


セーラ「……ツモ! 2000・4000!」

阿知賀  95100
千里山  76600
新道寺  92100
白糸台 136200

恒子「初っ端からドカンと満貫手。さすが千里山の昨年エース、江口セーラ選手!」


東二局

銀(……よし。この局は大丈夫だ)

浅井銀――配牌
                                                     
 ┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐
 │二│三│①│①│③│⑤│⑥│.1 │.2 │.3 │.9 │  │  │
 │萬│萬│筒│筒│筒│筒│筒│索│索│索│索│西│北│
 └─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘


恒子「浅井選手、好配牌! 親であることを考えると、満貫以上で和了りたいところですが……」

健夜「……え?」

恒子「あ、あれ?」


――千里山女子高校控え室

清水谷竜華「何や……?」

園城寺怜「何であれを、切るんや……?」


――白糸台女子高校控え室

宮永照「……」

弘世菫「分かるか、照?」

照「……」フルフル


――阿知賀女子学院控え室

晴絵「……うわ、やな予感がする」



浅井銀 二巡目

打      
 ┌─┐
 │三│
 │萬│
 └─┘


――新道寺女子高校

原田「お。早速やな」

僧我「ってことは、この局は見えたっちゅうことか……」

煌「ホント羨ましい力ですね。……局が始まった瞬間、ランダムで牌が見える能力なんて……」


八巡目

銀「……リーチ」



浅井銀――捨て牌

                         
 ┌─┬─┬─┬─┬─┬─┐
 │  │三│  │⑨│.8 │①│
 │北│萬│西│筒│索│筒│
 └─┴─┴─┴─┴─┴─┘

           
 ┌─┐      
 │  ├──┐

 │白│.4 索│
 └─┴──┘

憧(親リー……降りたいところだけど、渋谷尭深がいる以上そうもいかない)

憧(でも、ひとまず安牌……イーシャンテン変わらずだし、問題ない)タンッ

セーラ(んー……逃げるのはイヤやな。真っ向勝負や!)タンッ

尭深(……)

尭深(……三萬の切り出しが早いから、こっちは無い……かな)


渋谷尭深 打
     
 ┌─┐
 │一│
 │萬│
 └─┘

銀「おっと、ロン!」

尭深「……!」

                                                            
 ┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐ ┌─┐
 │二│三│①│②│③│⑤│⑥│⑦│.1 │.2 │.3 │.9 │.9 │ │一│
 │萬│萬│筒│筒│筒│筒│筒│筒│索│索│索│索│索│ │萬│
 └─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘ └─┘

銀「裏ドラ乗らず。12000……!」

浅井銀――リーチ・一発・平和・三色の跳満

尭深「……」チャラ

>36
いけねえ、修正です


                                                            
 ┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐ ┌─┐
 │二│三│①│②│③│⑤│⑥│⑦│.1 │.2 │.3 │.9 │.9 │ │一│
 │萬│萬│筒│筒│筒│筒│筒│筒│索│索│索│索│索│ │萬│
 └─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘ └─┘
                  赤
 リーチ・一発・平和・三色・赤1

憧(……おかしい! おかしい、おかしい、おかしい! 絶対おかしい!)

セーラ(あれ? 何か今のおかしくなかったか?)

尭深(宮永先輩が気をつけろと言っていたから……分かった)

三人(二巡の三萬、明らかに切り出しがおかしい……!)

>38
ギャー、そうだった! 跳満の表記そのものが間違ってたんだ!
ごめんなさい、赤1なしの親マン12000で修正お願いします。
何もかも政治が悪い……!


憧(……おかしい! おかしい、おかしい、おかしい! 絶対おかしい!)

セーラ(あれ? 何か今のおかしくなかったか?)

尭深(宮永先輩が気をつけろと言っていたから……分かった)

三人(二巡の三萬、明らかに切り出しがおかしい……!)

憧(二・三・三萬とあったから三萬を切り出したんじゃない。あの三萬はツモったものだった!)

セーラ(そうや。つまり、最初から二・三萬とあってそこから三萬捨てたんや……!)

尭深(三萬をツモったのは、確か七巡あたり。普通だったら、二・三・三となって三を捨てるはず)

尭深(でも……それは、私のロン牌だった……)
                                                     
 ┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐
 │二│四│六│七│八│③│③│⑧│⑧│⑧│.3 │.4 │.5 │
 │萬│萬│萬│萬│萬│筒│筒│筒│筒│筒│索│索│索│
 └─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘
                                                   赤



尭深(阿知賀さんと千里山さんもおかしいと思ってるみたいだけど、今の情報は私だけのもの)

尭深(つまり、新道寺さんは……三萬をツモるのが分かってた、だからこその二巡目三萬捨て……!)

憧(……情報が少ないな。とりあえず、そこら辺はハルエに任せて、今は自分で
何とかしないと……)

セーラ(くそ、何やよー分からん。よー分からんときは……とりあえず、ツモる!)

尭深(……次のツモが何か分かる、というのは……千里山の園城寺怜さんがやっていること。
でも、この場合はそうじゃない。二巡目から七巡目にツモる牌が分かるなんて……空前絶後)

尭深(たとえそうだったとしても、私の待ちが何かなんて分かるはずがない……)

尭深(ともかく……三には、気をつけないと……)


阿知賀  95100
千里山  76600
新道寺 104100
白糸台 124200


恒子「新道寺、二位浮上しました! 今しがたの親マン、すこちゃん的にはどう見ました?」

健夜「ん……そうですね、二巡目の三萬落としは異常です。百人打ったら百人が打たない打ち筋」

健夜「ですが、浅井選手はそれをした。そして……和了ったのもまた事実。
つまり、彼女は私たちには見えない何かを見ていた……と言うことになります」

健夜「現時点では、そこまでですね」

恒子「いつになく慎重なコメントありがとうございました!」

健夜「私はいつも慎重だよ!?」

東二局 一本場

憧(……行け!)

憧「チー!」               
       ┌─┬─┐
 ┌──┤③│⑤│

 │④筒│筒│筒│
 └──┴─┴─┘
           赤


憧「ツモ! 1000・2000の一本場、1100・2100!」

阿知賀  99400
千里山  75500
新道寺 102000
白糸台 123100

銀「……ククク」

憧「ん、何か?」

銀「いや、失礼。……オレの打ち方と似ているって思っただけさ」

憧「はあ……」

銀(……まあ、オレはもうちょい小細工するがね……)

東三局は、新子憧の消極的な打ち回しにより、渋谷尭深が2000点をツモ和了。

憧(くぅ……親番で積極的に行けないのはちょっと痛い……)


東四局

セーラ「へっへー、親番親番!」

憧(江口セーラの親番……)

銀(気をつけないと、一気に持っていかれちまうな……)

東四局 九巡目

セーラ「んー…………あった! ツモ!」

ドラ     
 ┌─┐
 │⑥│
 │筒│
 └─┘
                                                            
 ┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐ ┌─┐
 │三│三│四│四│五│⑤│⑥│⑦│⑨│⑨│.2 │.3 │.4 │ │五│
 │萬│萬│萬│萬│萬│筒│筒│筒│筒│筒│索│索│索│ │萬│
 └─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘ └─┘
                                                          赤

セーラ「ドッカーン! 4000オールやでー!」ニカー

江口セーラ……ツモ・イーぺーコー・ピンフ・ドラ1・赤ドラ1

憧「ぐっ……!」(九巡で満貫ツモ和了……!)チャラ

銀(ドカンと来るねぇ)チャラ

尭深「……」チャラ

憧(いけない、それよりまた親でツモられた……!)

憧(……ってことは、千里山は分かってないってこと……? 新道寺はどうだろ……)

銀(今の一本場で、東場までで合計六局。最悪でも九牌か……)

銀(まさか江口セーラに『渋谷尭深はオーラスでそれまでの牌掻き集めて役満和了るから』
とか説明する訳にもいかんしなぁ……いや、それとも知ってるかもしれん。知った上で、
役満ツモられても耐えられる点数を掻き集めている、か……)ヤレヤレ

銀(まあいい、それは所詮道程の途中にある障害物に過ぎない。……オレの目的は、一位奪取!)


阿知賀  95400
千里山  87500
新道寺  98000
白糸台 119100


東四局 一本場

銀(よし、この局は見えた……!)

尭深「……っ」

憧「……っ!」(何かヤな予感……)

セーラ「……」

東四局 一本場 十一巡目

ドラ
     
 ┌─┐
 │②│
 │筒│
 └─┘


江口セーラ――手牌
                                                     
 ┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐
 │一│三│三│三│四│五│六│七│八│九│②│③│④│
 │萬│萬│萬│萬│萬│萬│萬│萬│萬│萬│筒│筒│筒│
 └─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘

セーラ(……きとる。二萬なら一通付いて親マン、行け!)

セーラ「リーチ!」

憧「くっ……!」(やりたい放題なんだからもー……!)

浅井「……」ニヤリ

浅井銀――手牌
                                                            
 ┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐ ┌─┐
 │二│四│六│④│⑤│⑥│.4 │.5 │.6 │  │  │  │  │ │  │
 │萬│萬│萬│筒│筒│筒│索│索│索│南│南│白│白│ │白│
 └─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘ └─┘
                   赤


恒子「おっと。二萬捨てなら、白・三色・ドラ一つで満貫手ですが……」

健夜「ただし、二萬は江口セーラ選手の高めロン牌だね。安牌の南を捨てて手代わりを待つか、
それとも思い切って二萬を打つか……」

健夜「捨て牌だけだと、二萬も六萬も危険度的にはほぼ同等かな。
降りないなら、打二萬が普通の人の打ち筋じゃないかと」

銀「……」チラリ
                                                     
 ┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐
 │  │三│三│三│  │  │  │七│  │  │  │③│  │
 │  │萬│萬│萬│  │  │  │萬│  │  │  │筒│  │
 └─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘

銀(打点の高さが売りの江口セーラなら三ハン、ツモって満貫が最低手だ……端の伏せ牌と
三萬の暗刻から考えるに、変則的な一・三・三・三か、あるいは二・三・三・三……高めで
一通って可能性が高いな……)

銀(となれば、この二萬は切れん。おおよそ考え得る最悪の一牌だ。それに……次巡、
江口セーラがツモるのは……)


銀「リーチ……!」

恒子「おっと、浅井選手。追っかけリーチです! 捨てたのは――」

浅井 打
     
 ┌─┐
 │六│
 │萬│
 └─┘

健夜「六萬、か……」

恒子「捨てたのは六萬! 江口セーラのリーチを潜り抜けましたー!」

憧(二人リーチか……どちらも高そうだし、ここはオリ)

セーラ「一発で……ツモれんかー」(ぐぅ、よりによってこの牌か……)

江口セーラ 打
     
 ┌─┐
 │三│
 │萬│
 └─┘


銀「……おっと、悪いね。ソレだよ」

セーラ「……へ?」

                                                            
 ┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐ ┌─┐
 │二│四│④│⑤│⑥│.4 │.5 │.6 │  │  │  │  │  │ │三│
 │萬│萬│筒│筒│筒│索│索│索│南│南│白│白│白│ │萬│
 └─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘ └─┘
               赤


銀「裏ドラ一枚載って、8000は8300……!」

浅井銀……リーチ・一発・白・赤1・裏ドラ1

セーラ「うげーっ!?」

憧(……二萬を捨てていれば、三色もついてたはずなのに……)

尭深(二萬が当たり牌と読んで躱した。その上で、千里山さんが一発で三萬を出すと
踏んだんだ……)

尭深(裏ドラ表示牌も3索……)

尭深(やっぱり、「3」が怪しい……)


――千里山女子控え室

竜華「……どう見る、怜?」

怜「うちと同じ……ようで違うわ。うちはあくまで一巡先がどうなるかが分かるだけ。
相手の捨て牌は普通に読むけど……この浅井ちゃんは、多分相手の手牌も読んでる」

船久保浩子「……みたいですね。先ほどのプロとの対戦動画、フルverを手に入れて、
今チェック中ですけど、相手の手牌が見えているとしか思えない和了り方がときどきあります」

浩子「例えばですけど、これ見て下さい」

浅井銀――手牌
                                                     
 ┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐
 │四│五│六│六│.2 │.3 │.3 │.4 │.5 │.6 │④│⑤│⑥│
 │萬│萬│萬│萬│索│索│索│索│索│索│筒│筒│筒│
 └─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘

浩子「ドラは三索。
 この手牌で、浅井銀は七萬を鳴きます。そして四・六のカンチャン待ちでテンパイ」


怜「……こ、これでか?」

竜華「ほぼ三色確定の手牌やないの」

浩子「そして、相手が五萬を捨てて……和了り」

                                                          
 ┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐       ┌─┬─┐
 │四│六│.3 │.3 │.4 │.5 │.6 │④│⑤│⑥│ ┌──┤五│六│

 │萬│萬│索│索│索│索│索│筒│筒│筒│ │七萬│萬│萬│
 └─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘ └──┴─┴─┘

浩子「タンヤオ三色ドラドラ。親の11600点でカッチリ逆転。プロの方は7索の在処が
全部見えてたから、567の三色はないと決めての五萬切り……」

怜「そのプロの五萬への完全決め打ちやな……」

浩子「これは一番分かりやすいっちゅうか意味不明の局のものを選びましたけど、
他にも牌の在処を知っているとしか思えない和了が度々あります」

竜華「……」

泉「それやったら、無敵じゃないですか……」ドンヨリ


浩子「思考停止すな、泉! 心配せんでもええ。全部の牌が分かってる訳じゃないのも
確定や。この子、七対子やると普通にミスってるわ」

泉「あ、ホントだ。……表情を見ても『しまった』って感じしてますね」

竜華「顔の表情に頼るのは危険やけど、これは明らかなミスやな……」

浩子「……問題は、牌の在処をどこまで知ってるかっちゅうことですね」

竜華「怜のように、一巡先が分かる訳やない」

怜「やけど、牌の在処を知っている……と」


――白糸台女子控え室

照「三だね……」

菫「そうだな。確実に三の在処を看破している」

淡「ずっるいなー」

誠子「手牌構成においては七と並んでキーとなる牌ですね……」

照「うん。だから、もしかすると三だけじゃなくて、七の在処も分かっているのかも」


――阿知賀女子学院

晴絵「うーん、憧の得意技である鳴きの速攻が凄く絞られるのよねー、それ」

玄「三も七も、一通では必須だし、三色でも頻度が高いですからね……」

晴絵「つまり、手牌の順子 1-2-3 2-3-4 3-4-5 5-6-7 6-7-8
7-8-9が分かるってことだからね。4-5-6以外の全部って言った方が正しいか」

灼「……どうするの?」

晴絵「七対子を狙いたいところだけど、あれはあくまで牌勢とツモ次第のところがあるからね……」

宥「アコちゃん、大丈夫かな……今の、早く教えてあげなきゃ……」

穏乃「……大丈夫、憧はちゃんと分かってるから」


憧(三・七限定の能力ね……できれば三だけであって欲しいけど、そんな希望的観測は避けた方がいい。
ひとまず、三と七がある面子は優先的に作る。2-3 あるいは3-4 のような待ち方はなるべく避ける!)

憧(惑わされるな。麻雀は、先に和了ったモノ勝ち!)パンパン

憧(速攻……ッ!!)


南一局

憧「チー!」

憧「ポン!」

憧「ロン!」

尭深「はい……」チャラ

恒子「六巡でテンパイ、八巡で和了……新子選手、迅い!」

健夜「それでも最低で3900はきっちりつけてます。ここら辺は、新子選手の勢いが光ってますね」

恒子「すこやんには失われてしまった若さ故の勢いですね」

健夜「そう、若さ故の…………こーこちゃああああん!」

阿知賀  99300
千里山  79200
新道寺 106300
白糸台 115200

――新道寺女子高校

原田「……あの速攻気配、どうやら3・7の能力に気付いたようやな」

僧我「意外に早いな……もうちょっとくらいは誤魔化されると踏んだんやが」

原田「まあ……冷静に考えれば当然っちゃぁ当然の話や」

僧我「うん?」

原田「こいつらとオレたちでは……麻雀の概念っちゅうか……打ち手の力に対する認識が違う。
『そういう能力を持つ者が存在する』って前提がまずあるんや……だから、ちっとでも怪しい、
理に適わぬと見れば、力を持っていると考慮する……!」

原田「ついでに言うとや。僧我、お前も原因なんやで」

僧我「あん? 何でワシが……」

原田「あの白糸台のエース相手に役満ツモ和了った一年生が、そうそうこの世界に存在すると
思うか……? 銀の奴も、同じ一年……何かあると考える方が自然……!」

僧我「ふむ。そういうコトか……いやあ、すまんなぁ。ワシが強すぎたせいか……!」ニヤニヤ

原田「全く、お前のせいでエラいやりにくくなったわ……!」


煌「……あの白糸台相手に、9000点差……き、緊張します……!」ドキドキ

煌「でも。あの渋谷尭深は南四局で役満を和了る可能性が常に存在する。
……銀ちゃん、頑張ってください……!」

南二局

ドラ
     
 ┌─┐
 │  │
 │北│
 └─┘

江口セーラ……手牌
                                                            
 ┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐ ┌─┐
 │三│三│四│四│五│⑥│⑦│⑧│.5 │.6 │.7 │  │  │ │四│
 │萬│萬│萬│萬│萬│筒│筒│筒│索│索│索│北│北│ │萬│
 └─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘ └─┘

セーラ「……うし。こっちや! リーチ!」

                                                        
 ┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐
 │三│三│四│四│四│⑥│⑦│⑧│.5 │.6 │.7 │  │  │
 │萬│萬│萬│萬│萬│筒│筒│筒│索│索│索│北│北│
 └─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘

恒子「江口選手、平和と高めイーぺーコーを捨てて、三萬・北のシャボ待ちへと変化させたー!」

健夜「良い判断です。浅井選手の手牌に二萬と五萬が固まってます。その点、三も北も
まだヤマに残ってますから」

銀「……9筒、ポン!」

恒子「おや? これは……」

健夜「無理ポンですね。役無しになりますが……恐らく、三萬をツモ和了りされることを防ぐため
ではないでしょうか?」

憧(私の捨てた9筒を鳴いて、江口セーラのツモ牌が三萬……これは捨てられないね)


セーラ「……おっし。こっち来た!」

                                                            
 ┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐ ┌─┐
 │三│三│四│四│四│⑥│⑦│⑧│.5 │.6 │.7 │  │  │ │  │
 │萬│萬│萬│萬│萬│筒│筒│筒│索│索│索│北│北│ │北│
 └─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘ └─┘


セーラ「ツモ! 裏ドラ……載らずで、2000・4000や!」

江口セーラ……リーチ・ツモ・ドラ3

銀「……ちぇっ、太いツキだ……」チャラ

憧(……やっぱり三萬見えてるかー)チャラ

尭深「……」チャラ

阿知賀  97300
千里山  87200
新道寺 102300
白糸台 113200


南三局は手牌が噛み合わず、全員ノーテンによる流局……そして、オーラス。

尭深「……」

渋谷尭深――手牌
                                                     
 ┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐
 │  │  │  │  │  │  │  │  │  │②│⑨│.1 │.4 │
 │東│東│南│南│南│西│西│北│北│筒│筒│索│索│
 └─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘

憧(オーラスは何が何でも流さないと……)

銀(クソ、こっちは手牌が予想以上に重い……!)

セーラ(字牌で速攻流しか……あまり好きやないが、そうも言ってられへんか……!)

だが、三人の必死の手作り虚しく……渋谷尭深の「収穫の時(ハーヴェスト・タイム)」発動……!

                                                                 
 ┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐ ┌─┐       ┌─┬─┐
 │  │  │  │  │  │  │  │  │  │  │ │  │ ┌──┤.2 │.4 │

 │東│東│東│南│南│南│西│西│北│北│ │北│ │.3 索│索│索│
 └─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘ └─┘ └──┴─┴─┘

尭深「ツモ。8000・16000」

三人「……!」


阿知賀  89300
千里山  71200
新道寺  94300
白糸台 145200


ビーッ


恒子「で、で、で出ました小四喜ーーーーーーっ!! 準決勝二回目の役満です!
そしてここで前半戦、終了!」

恒子「これにより、またも白糸台が14万でダントツのトップ! 後を追いかける三校という図式に
変化しました!」

――新道寺女子高校控え室

原田「お、役満和了られたか……しょうもないやっちゃ」モグモグ

僧我「ワシなら、アレをアレして絶対ツモらせへんかったのに……」パクパク

煌「……うう……銀ちゃん大丈夫でしょうか……」ハラハラ



四人「お疲れ様でした」


憧(渋谷尭深も怖いけど、今は3-7対策!)

セーラ(もうちょいドカンといったらなー)

尭深(この半荘は上手くいった……)ホッ

銀「……」

銀「へっ。役満なんて、どうってことねぇが……」

銀「すばらちゃんが、オレが凹んでいるとか考えてハラハラしているのかと思うと、
心が痛いな……」









――数ヶ月前 春 新道寺女子高校


銀「……麻雀部、だとさ」

この世界に転生して以来、オレたち四人は一切麻雀に手を触れていなかった……。

アカギはどうか知らないが、オレや僧我、そして原田は『ガキと麻雀なんかやれるか』
と意見が一致していた……。

原田「なーにが部活や、アホらしい。子供のお遊びやろ、そんなん」

僧我「サマもなし、金も命も賭けん。児戯や、児戯……」

銀「……オレもそうだとは思うが……もう十年近くロクに牌にも触れてないだろ……」

二人「う」

銀「見学くらいは行ってみようぜ……。何、からかいに行く程度のことさ……!」

そう……オレたちはハッキリ言って、この世界に失望していた……!


何も賭けない麻雀……何も失わない麻雀……馬鹿馬鹿しい……下らない……!

オレたちがやってきたのは、そんなチンケな麻雀ではない……断じて……断じてだ!

だが、高校生女子の時分で雀荘に行けるはずもなく……オレたちは無為に日々を過ごしていた……!

自分たちが、何故かつての自分を覚えているのかも分からぬまま……ただ、無為に……!

そんな折り……彼女に出会ったのだ……。

そう……花田煌に……!

煌「新部員の皆さま、お疲れ様です!」スバラッ

全員「お疲れ様です」

僧我(かったるいな……)

原田(アホらし……)ファァ

煌「すばらな返事、ありがとうございます! わたくし、二年の花田煌と申します」

原田(すばらって何や……?)


煌「さて、皆さん。この新道寺女子高校は北部九州では最強、鹿児島永水と並び称される
伝統ある麻雀部です」

僧我(へっ、アホらしい……)

煌「練習は厳しく、レギュラーの座を射止めるのも大変。去年は百人ほどいた新入部員が
見る見る内に減ってしまいました」

原田(へいへい、お定まりの体育会系封建社会ってとこやな……)

煌「それは、とても寂しいことです。すばらでないです。
なので、皆さんにどうか一つだけお願いがあって、こうして話させて戴きます」

銀(幽霊部員になってもいいから、辞めるなってことか……)ケッ

煌「辛くなったら泣いても構いません、サボったって構いません。
どうしてもついていけなくなって、
他のことをやりたくなって、辞めたくなっても――それは、仕方のないことです」

三人「……」

煌「でも、どうか一つだけ。――麻雀を、嫌いにならないでください。好きであり続けて欲しいのです。
麻雀はすばらに楽しいものだと、そう思っていて欲しいのです」


銀(……え?)

――麻雀を、嫌いにならないでください。

煌「厳しいトレーニングを続けていると、麻雀が好きなのか嫌いなのか。楽しいのか楽しくないのか、
それが分からなくなってくる日がきっと来ます」

煌「その時は、どうか楽しかった日々を思い出してください。私たちが麻雀部で費やした時間は、
決して無駄ではなかったと……そう、思って欲しいのです!」

煌「どうかお願いします、私からは以上です。後は、部長の訓辞がありますのでもうちょっと
待っていて下さいね。ではっ」スバラッ

原田「……」

僧我「……」

銀「……」

それから新入部員に対する部長の訓辞が始まったが、まるで耳に入らなかった。

全てが終わったオレたちは校舎裏に隠れ、無言で顔を突き合わせていた……。


原田「……」

僧我「……」

ふと、先ほどから思っていたことを口に出す……。

銀「……なあ、お前ら。オレたち……あの娘みたいに……麻雀、楽しんでたかな……?」

原田「な、何や急に! オレたちは麻雀に命を捧げたようなもんやろ!
僧我だってそうや!」

僧我「……」

銀「ああ、そうだな。大金を賭けて、命を懸けて、鎬を削った……イカサマも何でもやって、
死に物狂いで勝とうとした……!」

銀「でも……本当に、それは楽しんでたのか……?」

原田「そ、それの何処が悪いんや! 勝つためや! しょうがないやろ……勝たなきゃ……
勝たなきゃ、あかんかったんや……!」

銀「だけどよ。……これってもしかして、金が欲しかったんじゃねえのか……?
名誉が、そして何よりただ単純に『勝ちたかった』だけじゃないのか……!」


原田「何やとコラ……!」

僧我「原田!」

原田「僧我。お前からも何か……僧我?」

僧我「もう、やめ……やめえや……」ホロホロ

僧我「銀の言う通りや。ワシらにとって麻雀は楽しむものなんかじゃなかった……!
麻雀は武器やった……戦うための、勝つための……!」

僧我「だって、ワシらにはそれしかあらへんかった……! 麻雀しか……麻雀しか、
なかったんや……!」

僧我「そりゃ、麻雀打つのは楽しかった……けどよ……ワシらは……余分なものが、
あまりに多すぎた……! あまりに、麻雀に何もかも背負わせすぎた……!
金や人生、命、名誉、悪意……そんなものを、沢山、沢山……!」

僧我「今分かったよ……ワシは、何でこの世界にこれほど反発していたか……!
嫉妬してたんだ……! 純粋に麻雀だけを楽しむなんてことができるアイツらに嫉妬……!」


原田「うっ……うぅ……」

僧我「お前だってそうやろ原田……! 向こうの世界じゃ、関西有数暴力団の組長……!
そんなお前がノーレートで打つ言うても、んなもんただの接待麻雀……!」

原田「……ぐっ……」

僧我「お前らかて、打ちたいやろ……純粋に、どっちが強いか……ただそれだけを競い合う……
ただの麻雀を……!」

原田「…………」

原田「……んなモン……打ちたいに決まってるやろ……! アカギ……天、ひろゆき、お前ら
とも……ずっと、ずっと……普通に、麻雀を打ってみたかった……!」

銀「オレ……オレも打ちたい……あの人たちと一緒に……麻雀を、打ってみたい……!」

僧我「……」

銀「もしかすると。オレたちが記憶を残したまま、輪廻転生したのも……そういうコトだと
思う……いや、思いたい……!」

オレたちは、麻雀部に入ろうと誓った……この世界では、ただ純粋に麻雀を楽しむと
……誓ったのだ……!


もしこの世界に神とやらがいるのならば……!

オレたちは、麻雀を楽しめとこの時囁かれたのだろう……!







銀(……僧我は、新道寺を勝たせるため……というか、すばらちゃんを悲しませないため、
心を鬼にして、封印していたイカサマを使ったが……)

銀(オレは使わない……。ガン牌は永遠に封印した……)

銀(……と思ってたら、全く変な力に覚醒したもんだ……)

銀(キー牌が見える程度の能力、ってとこか……初めてのときはびっくりしたぜ……
無意識にガン牌でもしてるんじゃないかと、何度も何度も検証したもんだ……)

銀(ま、この程度なら天江衣や宮永照よりゃマシだよな、多分……)ククク

銀(元気にしてるかねぇ、あのチビッ娘……)


憧「あのー……後半戦、もうすぐ始まりますよー?」

セーラ「おい、おっちゃん。寝てるんやないでー!」

尭深「……一年生だよ?」

セーラ「いや、何かおっさん臭いしこの娘」

銀「おいおいヒデぇな、アンタ。こちとら花も恥じらう女子高生だよ……カカカ」

憧・尭深(確かにオッサン臭い……)

銀「――さて、後半戦。始めようじゃねえか!」


恒子「それでは、中堅戦後半――開始です!」

ビーッ

憧(ぐっ……)

セーラ(マズいことになったな……ラス親が、よりによって白糸台……!)

銀「……」


起家は江口セーラ。彼女の上家に渋谷尭深、下家に浅井銀、対面に新子憧

憧(3と7の在処が分かる力……数にすれば、萬子・筒子・索子のそれぞれ八牌×3で
24牌……136枚ある牌の内、たった2割弱……)

憧(だけど、3と7を使って作る順子はほぼ必ず、よほどの配牌でも無い限り存在する。
3と7を知っていれば、それと捨て牌を組み合わせるだけで相手の手牌を高確率で
看破できる……!)

憧(ぶっちゃけ、卑怯くさいよもう! めげそう……だけど、負けてられないっつーの!)


東一局 ドラ
     
 ┌─┐
 │.8 │
 │索│
 └─┘

憧(……)タンッ

銀「おっと、チーだ」

※あ、何か憧からチーしたみたいになってる。江口セーラからです

               
       ┌─┬─┐
 ┌──┤二│四│

 │三萬│萬│萬│
 └──┴─┴─┘

尭深「……」トン

渋谷尭深 打
     
 ┌─┐
 │三│
 │萬│
 └─┘

銀「ソレだな、ロン」

尭深「……!」

                                                                 
 ┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐ ┌─┐       ┌─┬─┐
 │三│②│③│④│.5 │.6 │.7 │.8 │.8 │.8 │ │三│ ┌──┤二│四│

 │萬│筒│筒│筒│索│索│索│索│索│索│ │萬│ │三萬│萬│萬│
 └─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘ └─┘ └──┴─┴─┘


銀「7700」

セーラ(……在処が分かるってのは、便利なことやな……)

憧(二・三・四と面子確定しているにも関わらず、敢えてのチー。渋谷尭深の手牌から、
三萬が余ると踏んだんだなー……もー、狡いったらありゃしない)プンスカ

阿知賀  89300
千里山  71200
新道寺 102000
白糸台 137500

憧(……まあ、この力の一番の問題は手が萎縮すること。今みたいに鮮やかに打たれると、
三と七の数牌やその周辺を捨てられなくなる……)

憧(中張牌は当然、終盤になれば余ってくる。そこを狙われると考えて手を閉じてしまう、
そんな展開の方が、むしろ致命的……)

憧(恐れず打つ! それが大事……!)

セーラ(……と、それよりも渋谷尭深の最初の捨て牌は……1筒、か。字牌やないんか、
珍しいな……)

尭深(あまりに配牌が良すぎた……字牌が出てこないなんて)

東二局

尭深(また字牌がない……こうなったら)

渋谷尭深 第一捨て牌
     
 ┌─┐
 │⑨│
 │筒│
 └─┘

憧(国士狙い……字牌が無かったみたいね)

銀(正直、コイツはバクチだが……これを乗り越えられないなら、白糸台に勝てる訳がない)

銀(……とことん、行くぞ……!)ギラリ

銀「……ツモ! 1000オール!」

憧(ちょ、何やってんのコイツ……!?)

セーラ(俺と同じく、とにかく徹底的に点数稼ぎまくる方針に切り替えたんか……?)


東二局一本場

銀「ロン。……3900は4200」

尭深「……」チャラ

憧(山越し……徹底的に白糸台へ狙いを絞るつもり……?)

憧(なら……こちらも恐れる必要はない)

セーラ(徹底的に、点棒を稼ぐ……!)

阿知賀  88300
千里山  70200
新道寺 109200
白糸台 131700

東二局二本場

セーラ「ツモ! 2000・4000は2200・4200!」


東三局

銀(……よし、叩き合いになるな。三人で早い手安い手で東一から南三まで
グルグル回すって手もあるにはある……)タン

銀(しかし、それじゃ……楽しめないよな……)タン

銀(何より、そんな根性じゃあ……白糸台にイモ引いてるも同然……!)タンッ

銀(ククク……楽しい、楽しいなぁ、麻雀ってやつぁ……!)

尭深「……」

憧「ロ…………ロン! 5800!」

尭深「はい」チャラ

阿知賀  91900
千里山  78800
新道寺 105000
白糸台 123700


恒子「三人が、白糸台に狙いを絞りつつあるようですが……」

健夜「確かに。三人に狙われればそれはそれで危機的状況だと思います。
しかし……白糸台は、今大会を含めて史上最初の三連覇を狙う、言うなれば全高校の
頂点に立つべき存在」

健夜「そのレギュラーともなれば、当然プレッシャーも並大抵ではありませんし――」

尭深「……」タン

健夜「相対した三人に狙われることなど、あって当然だと考えているはず……!」

尭深「ツモ。1300・2600は1400・2700」

尭深(南四局まで、一歩も退かない……!)

阿知賀  89200
千里山  77400
新道寺 103600
白糸台 129800


――白糸台女子高校

菫「尭深の奴、随分気負ってる気がするが……」

照「でも、良い兆候だと思う……」

菫「ま、これくらいで音を上げるようでは白糸台レギュラーの座は
務まらないか」

照「他の三人も、アクセルを踏んで和了の応酬になる……。
当然、親の連荘も増えていく」

淡「そーなったら、たかみスロット炸裂だよねー」

照「……そうだね」

照(ただ……千里山と阿知賀はそれを覚悟の上で和了っているのに対して、
新道寺……あの目は……)


※ここよりやや駆け足気味

東四局

セーラ「ツモ! 3000・6000」

千里山 江口セーラ、跳満ツモ


南一局

セーラ「ツモ! 3200オール!」

南一局一本場

憧「ロン! 7700は8000!」

阿知賀  91000
千里山  99000
新道寺  89400
白糸台 120600

南二局

銀「ツモ。2000オール」

南二局一本場

尭深「ツモ。2000・4000は2100・4100」

南三局

尭深「ロン。2000」

憧「くっ……」

阿知賀  84900
千里山  94900
新道寺  91300
白糸台 128900

南四局

そして、遂に迎えた南四局(オーラス)……!


銀(さて……死にに、行くか……!)キィン

渋谷尭深――配牌は14牌中11牌がこれまで捨ててきた一九字牌という……
あの強烈な役満を匂わせる手……!
                                                            
 ┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐ ┌─┐
 │一│九│①│⑨│.9 │  │  │  │  │  │  │④│.5 │ │②│
 │萬│萬│筒│筒│索│東│南│西│北│北│白│筒│索│ │筒│
 └─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘ └─┘

強力無比……この世に並ぶ者なし……即ち、国士無双……!

二巡目

渋谷尭深――手牌
                                                            
 ┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐ ┌─┐
 │一│九│①│⑨│.9 │  │  │  │  │  │  │④│.5 │ │  │
 │萬│萬│筒│筒│索│東│南│西│北│北│白│筒│索│ │中│
 └─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘ └─┘


恒子「これは引きが強い! 一発で必要な牌三枚の内、一枚を引いてきた!」

健夜「流れは彼女に傾いていますね……」

憧(まだ確実にテンパってない、今の内に……!)タン

セーラ(三元牌整理や……!)

六巡目

渋谷尭深――手牌
                                                            
 ┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐ ┌─┐
 │一│九│①│⑨│.9 │  │  │  │  │  │  │  │⑤│ │  │
 │萬│萬│筒│筒│索│東│南│西│北│北│白│中│筒│ │発│
 └─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘ └─┘

尭深「……」

恒子「遂に發もツモったー! これで国士無双1索待ちテンパイ!」

健夜「捨て牌に一枚、新子選手のチーで一枚。まだ二枚残っていることを考えると、
ツモる可能性はそれなりに高いですね」


八巡目

銀「……」

銀「リーチ!」

尭深「……!」

セーラ「なんやと……!?」

憧「……!」

恒子「リ、リ、リ、リーチ……!? 渋谷選手の国士無双を恐れず、浅井選手リーチ!」

浅井銀――手牌

                                                     
 ┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐
 │二│二│二│三│四│五│七│八│九│.2 │.2 │.2 │  │
 │萬│萬│萬│萬│萬│萬│萬│萬│萬│索│索│索│東│
 └─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘


恒子「ト、東単騎!? 東は渋谷選手が一枚、捨て牌に一枚、浅井選手が一枚ですから……
の、残り一枚です! ここで地獄単騎待ち!?」

恒子「というか、何故六萬捨てのリーチなんでしょうか!? 残していれば、
多面張の高めで一通も狙えるはずなのに……単なるのみリーチ!? わかんねー!
サッパリわかんねー!」

健夜「……これは……まさか……」

尭深(リーチ……? ううん、ここで逃げるなんて論外。攻める……!)

浅井銀、次巡ツモ
                                                            
 ┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐ ┌─┐
 │二│二│二│三│四│五│七│八│九│.2 │.2 │.2 │  │ │二│
 │萬│萬│萬│萬│萬│萬│萬│萬│萬│索│索│索│東│ │萬│
 └─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘ └─┘


恒子「浅井選手、一発でツモってきたのは二萬!」

健夜「これが六萬を捨てた理由……六萬でリーチすると、待ちが変わるから
カンができない……!」


銀「……カン!」
                                                            
 ┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐ ┌─┬─┬─┬─┐
 │三│四│五│七│八│九│.2 │.2 │.2 │  │ │二│  │  │二│
 │萬│萬│萬│萬│萬│萬│索│索│索│東│ │萬│  │  │萬│
 └─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘ └─┴─┴─┴─┘

銀「……新ドラは、2索」

尭深(……ッ!)

恒子「おーっと、これはツイてない! 新ドラは2索……つまり、ドラ表示牌は1索!
これで残り一枚になってしまいましたー!」

セーラ「……げ」

恒子「そして、一九字牌に悪戦苦闘しながら果敢に攻めていた江口セーラ選手、遂に
ラストの当たり牌、1索を引いてしまったー!」

セーラ(ラスト一枚……ついてないわ……)タンッ

尭深(……千里山が降りた……ラス牌の1索を引いたんだ……もう出ない……)

尭深(……不発……降りるしかない……)


――白糸台女子高校

照「……マズい」

菫「そうだな。これでもう和了り目なしか……」

照「そうじゃない……新道寺の、リーチ。ドラ三の満貫手な上に、待ちは――!」

尭深(残りの巡、徹底的に安牌で降りる……!)

十五巡目

尭深(新道寺の捨て牌にあった牌はもうない……でも、場に二枚出てる……
これは、大丈夫……!)

渋谷尭深 打
     
 ┌─┐
 │  │
 │東│
 └─┘


恒子「まさかの……」

健夜「ほぼ安牌に狙いを一点絞り――まるで、剃刀のような一手……!」

銀「ロン……!」

尭深「え……!?」
                                                                   
 ┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐ ┌─┬─┬─┬─┐ ┌─┐
 │三│四│五│七│八│九│.2 │.2 │.2 │  │ │二│  │  │二│ │  │
 │萬│萬│萬│萬│萬│萬│索│索│索│東│ │萬│  │  │萬│ │東│
 └─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘ └─┴─┴─┴─┘ └─┘

銀「リーチドラ三。裏ドラは――」

ドラ表示牌
     
 ┌─┐
 │一│
 │萬│
 └─┘

銀「二萬。よって倍満……16000!」


阿知賀  84900
千里山  94900
新道寺 107300
白糸台 112900

ビーッ

尭深(……六萬を捨ててこれでリーチ……?)

尭深(私が東を捨てることは分かったとしても、1索が二枚無い状態なのに……!)

尭深(一体どうして……? 3・7は国士無双に関係ない……和了目がなくなれば、
東を捨てることは分かったとしても、あのリーチだけは絶対に無理……!)

尭深(解けないパズルみたいだ……)


健夜(3・7牌じゃない。恐らく、彼女の能力はもう一つあった。幺九牌の在処が分かる力……)

健夜(推測だけど幺九牌が把握できるのは、多分一日に一回だけ……。
ただし、ランダムな3・7牌のときと違い、任意でどの局を見るか決定付けられるん
じゃないかな……?)


健夜(前半の小四喜は、いくら牌を把握できたとしても無駄なほどに組み上がってる……。
だから、あっちの役満は敢えて捨てた……)

健夜(そして3・7で派手に和了を決めることで、3-7を分かるということを強烈にアピール……。
渋谷選手は南四局、必ず字牌を確保している。もちろん、運が悪ければ……和了られて、死ぬ)

健夜(だけど、和了目を無くした途端、オタ風はこの上ない絶好の待ち牌となる……)

健夜(喩えるなら、隙を生じぬ二段構えの抜刀術……!)

健夜(私だったら……捨てたかな? 捨てなかったかな……?)

銀「お疲れ様でした」

尭深「……お疲れ様でした」

セーラ「お疲れ様っしたー」

憧「お疲れ様です……うー、頑張ったけどマイナスだった……」ナミダメ


恒子「まさか、まさかの倍満直取り! 一位白糸台との差は、何とわずか5600点!」

恒子「二校が進出可能とはいえ、ここで白糸台が二位通過は波乱中の大波乱!
千里山、阿知賀も逆転を望めない点差ではありません! まさに大混戦!」

恒子「続いては、副将戦に移ります……!」


煌「し、白糸台相手に5600点差で猛追……ゆ、夢じゃないですよね?」ポーッ

僧我「夢やありまへんがな」

煌「す、す、す……すばらーーーーーーーーーーーっ!」

僧我(ぴょんぴょんするすばらちゃん、ちょーかわいー……!)

原田「次はオレか……アカギの出番はないぜ。ここで、ダントツトップに立ってやるさ……!」

煌「」ピタリ

煌「……しげ子ちゃん、そう言えばどこに行ったのかしら……」


僧我「アイツのことや、腹減ったとか言うて食堂にでも行ったんちゃいまっか」

原田「そやな。そんで、食堂のおばさんにふぐさしでも頼んでるんやな」

僧我「そやそや。そんで、さすがに無理や言うたら。たまたま近くにいて舎弟に
しやすそうな奴相手に脅迫するんや、金はあるからふぐさし持ってこいって」

原田「んで、ソイツが必死こいて持ってきたら、一枚食ってご馳走さんやな」

僧我・原田「そんなとこやろなー」

煌「ま、またまた二人とも。いくらしげ子ちゃんでも、そんなワガママを言って困らせたりは……」

僧我「アイツはするんです」

原田「アイツはそーゆー奴です」

煌「……何だか、そーゆー奴な気がしてきました……」







須賀京太郎「未知なるタコスを夢に求めて~♪ 今日も京太郎は旅に出るのさ~♪」

京太郎「せっかくの休日だってのに、インターハイ食堂のタコス調査に来るあたり、
俺も相当に調教されちまったなぁ……(遠い目)」

京太郎「まあいいか、美味いタコスを見つけてくれば、あのワガママちびっ子も頑張れるんだし」

京太郎「すいませーん、ここのタコスを…………ん?」

赤木「……頼むよ、おばちゃん」

おばちゃん「いくら頼まれても無いもんは無いわねぇ」

赤木「参ったな……」ポリポリ

京太郎(うわ……すっげぇ美少女……銀髪! 細い手と足! 切れ長の目! おもちは
ないけど、その分を補って余りある美少女っぷり!)

京太郎(…………)

京太郎(なんだけど……何故か京太郎センサーが反応しねぇ……何故だ……?)

赤木「ん?」クルリ

京太郎「う」ヤベェ


赤木「おい、そこのアンタ。ちょっといいか?」コイコイ

京太郎「……ええと、俺?」

赤木「アンタ以外に誰もいないだろ。……で、だ。ちょっと頼みがあるんだが」

京太郎「はぁ……何ですか?」

赤木「実はな……」

京太郎「……」ゴクリ

赤木「ふぐさしが食いたい」

京太郎「…………」

京太郎「…………は?」

赤木「ふぐさし」

京太郎「ふぐ、さし?」

赤木「金はあるから、どうにかしてくれ」

京太郎「どうにかってどうすればいいんですか!?」


赤木「知らん。それを考えるのは、お前さんだ」

京太郎「」

赤木「頼む」ズイッ

京太郎(う。妙な迫力……! カリスマ……逆らってはいけない王気(オーラ)……!)

赤木「頼むよ……な?」

京太郎「…………はい。ちょっと待ってください、ネットで調べてみますから」

赤木「へぇ……便利なもんなんだな、ネットって」

京太郎(うう。何で俺はこういうワガママな女子ばっかりに引っ掛かるんだ……)


優希「へくちょ! むー、まーた巷のもぞーむぞーがわたしの噂をしているみたいだじぇ!」

和「それを言うなら有象無象ですゆーき」

カン!(続く)

※阿知賀編、副将戦終了後に続きを書く予定です。お疲れ様でした

>222
>256
三色銀次さんです。

本編の副将戦決着後に続きを……と書きましたが、時間が掛かりそうなのと
先に済ませておきたいネタもあるので、できるだけ早い内に副将戦前の
赤木と京太郎の小ネタを書いてみようと思います。
その際は、どうかよろしくお願いします。

>259

照「新道寺の赤木……しげ子」赤木「ククク……」
照「新道寺の赤木……しげ子」赤木「ククク……」 - SSまとめ速報
(http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1348563605/)

玄「新道寺の……赤木さん?」赤木「ククク……」
玄「新道寺の……赤木さん?」赤木「ククク……」 - SSまとめ速報
(http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1348315268/)

これでいいですか? 玄が1で照が2です。

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