玄「新道寺の……赤木さん?」赤木「ククク……」(227)


赤木しげ子「くくく……まさか、死んだら女子高生に転生するとはね……」

ナレーター「赤木しげ子、長い銀髪が特徴的な少女……新道寺一年、大将」

原田香津美「あまつさえ、全員同じ高校とはな……」

ナレーター「原田香津美、ポニーテールが特徴的な少女……新道寺一年、副将」

僧我みつみ「しかも、麻雀が公的なスポーツの一種として認められてる世界やて……?」

ナレーター「僧我みつみ、セミロングの眼鏡っ娘……新道寺一年、先鋒」

浅井銀「しかしこの世界の女子高生は、どいつもこいつも一筋縄ではいかないぜ……」

ナレーター「浅井銀(シロガネ)……年寄り臭い雰囲気を漂わせる小柄な少女……新道寺一年、中堅」


赤木「そうだ。特に原田、あまりこの世界の女子高生を舐めるんじゃねえ……特に、
次に当たる白糸台……あそこの面子は別格だ……」

原田「へっ、分かってるさ……中でも宮永照……アイツは別格……!
 あの剛運、伝説の鷲巣に匹敵する……!」

僧我「ククク……そいつと二度も戦えるワシは幸せ者……前世で善行こなしてた
お陰やな……」

原田(……ホンマかいな……)

煌「あ、もう! こんなとこに居たんですの!? 準決勝が始まっちゃいますよ!
 遅刻はすばらくありません!」

四人「はい、すばら先輩!」

煌「すばらじゃありません! せめて煌先輩と呼びなさい!」ムキー


………
……


煌「はぁ……今年入った一年生が四人もレギュラーを勝ち取るなんて……」

煌「普通なら先輩後輩の関係などで、少しくらい強くてもレギュラーの座は
早々一年に降りてこないですけれど……」

煌「あの四人は格が違いすぎますわ……。おまけに香津美ちゃんは
どうも生まれつき人に指図するのが得意というか……
自分たち、先輩なのに逆らえない空気が出来上がっちゃってましたからね……」

煌「まあ、四人とも根は優しい可愛い後輩ですけれども。そこはすばらです!」


煌「さ、レギュラーの座を譲ってくれた先輩たちのためにも。みんな、ファイトですよ!」

四人「応……!」ざわ……ざわ……

煌(どうでもいいけど、たまに背負っているあのざわざわは何なんでしょう……)

恒子「さあ、白糸台に続いて来ました! 北九州最強の呼び名も高い
新道寺女子高校!
何と今年は二年の花田煌以外、全員が一年生という驚きの顔ぶれです!」

健夜「これは思い切った布陣で来ましたね。一回戦と二回戦を見る限り、
無難で手堅い打ち筋という感触でしたが……」


恒子「二回戦では白糸台が中堅時点で二校を飛ばし、たまたま他の二校よりは点数を
稼いでいた新道寺がからくも生き残ったという感触でしたが……」

健夜「ええ、確かにそうなんですが……」

健夜(でも、赤木しげ子……あの子がどうも……気になる)

白糸台控え室

菫「……なあ、もう一度二回戦、僧我みつみの牌譜を見せてくれるか?」

誠子「あ、はい。どうぞ」

菫「……」




誠子「何かありました?」

菫「いや、幾つかおかしい点があってな。少し気になってたんだ、
南三局、この五巡目……お前たちだったらどれを捨てる?」

誠子「タンピン三色確定の一索ですね。あ、でも……」

菫「そうだ。一索は照へのロン牌。だけど、五巡目で手掛かりはほぼ皆無、
おまけに手牌に三索が三枚、捨て牌に一枚、
照のリーチは四索……これ、普通は捨てるよな?」

誠子「ええ……」

菫「結局照がツモ上がって終わったが……。どうしてこれで一索を止められたのか、
少し気になってな……」

ナレーター「この時、菫が感じたものは違和感というのもはばかられる些細なもの……。
しかし、この日彼女たちは思い知ることになる……僧我みつみの支配する闇の領域……」


玄「よ、よろしくお願いします!」

怜「よろしくお願いします」

照「……よろしく」

僧我「どうも……」

恒子「それでは準決勝、試合開始!」

ビーッ

僧我(二回戦んときは他の二校が完全に宮永照に気圧されとったが……。
今回はちゃうな……千里山の園城寺怜、阿知賀の松実玄……いい目をしている……)


僧我(決勝戦からと思っていたが……ここで仕掛けてみるか……)

怜「……一発ツモ。4000・2000」

玄「う、親が……」ショボン

僧我(園城寺怜……一巡先を読めるとか言われとったが……どうやら
ホンマらしいな……)

照「……」カッ!

僧我(そしてコレや。照魔鏡……!)

怜・玄「……!」


照(……千里山と阿知賀は分かった。だけど……)

照(新道寺は見えない……もう何局も打ってるのに……こんなの初めて……)

僧我(ククク……分からんやろ……。あんさんの照魔鏡は、
相手が全力で打つっちゅう前提で
調べるモンや……今のワシはせいぜいが七分……だが……)

僧我「次からは、本気で打たせてもらっさ……」ボソリ

照「!」

怜「……?」

玄「ほえ?」


東一局終了

阿知賀  96000
千里山 108000
新道寺  98000
白糸台  98000

照(このまま何局打ってもらちが開かない……行く)

怜(白糸台……僧我を警戒してるんか? 一回戦二回戦を見た感じ、
それほど大した打ち手ではないと思ったけど……)


東二局

照「ツモ。500・300……」

僧我(さすがテンパイ速度は尋常やないな……麻雀に愛されとるで……
和了もツモが中心……まさに王道……光の麻雀……!)


東三局

照「ロン。2000」

玄「はい……」

東四局

怜(次は親番……何としてもこれは流さな……)

玄(でも……迅い!)

照「ツモ。1600オール」



東四局一本場

照「ツモ。2600は2700オール」

恒子「来ました。チャンピオンの連続打点。
上がれば上がるほど、点数が倍加していく!」

健夜「ドラが阿知賀に集まっているために必然、テンパイ速度は遅くなりますが……
それでも十巡もたないですか……」

怜(くっ……アカン、次は下手したら親の満貫……下手したら跳満や……)

玄(ど、どうしよう~……!)

僧我(そろそろか……)

阿知賀  89400
千里山 103200
新道寺  93400
白糸台 114000


※ここから携帯の方は見えにくいかもしれません、ごめんなさい

東四局二本場

 ┌─┐
 │  │
 │中│
 └─┘
 ドラ


八巡目

宮永照――手牌

照「リーチ」

                                                     
 ┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐
 │三│三│四│四│五│五│③│④│⑤│.3 │.4 │.5 │.6 │
 │萬│萬│萬│萬│萬│萬│筒│筒│筒│索│索│索│索│
 └─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘

待ち
            
 ┌─┐ ┌─┐
 │.3 │ │.6 │
 │索│ │索│
 └─┘ └─┘


僧我(テンパりおったな……ドラもなしに、ようやるわホンマ……)

僧我(恐らくツモればリーヅモタンヤオ三色……一発か裏ドラが載れば
跳満も見えるって感じの手やろうが……)

怜(一発でツモる。ここは抑えないと……!)

僧我(千里山に焦りが見える……恐らく、次の巡目でツモ上がりっちゅうことか)

玄(……駄目、安牌で逃げるしか……)

怜(くぅ、鳴けん……新道寺が鳴いてくれることを期待するしか……!)

僧我(生憎勝負手なんや……引き下がる訳にはいかへんな!)


僧我――手牌

                                                     
 ┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐
 │一│一│②│②│⑥│⑥│.6 │.9 │.9 │  │  │  │  │
 │萬│萬│筒│筒│筒│筒│索│索│索│東│東│西│白│
 └─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘

僧我(予感がする……次、恐らくわいは西か白をツモり、どちらかを捨てる。
だが、一巡遅い。先に宮永照がツモ上がるやろ……)

僧我(だが……)

赤木「僧我の野郎……」

原田「まさか、やる気なのか……公衆の面前で……カメラも回っているというに……!」

僧我(……悪いな、宮永はん……!)

カッ!!



照「……!?」

健夜「……今……?」

恒子「どうかしましたか?」

健夜「いえ、何でも……」

ナレーター「僧我がツモった牌は6索……!
 僧我、公衆の面前で堂々と……悪びれることなく、すり替え……!」

恒子「新道寺、追いついた!」

僧我「追いついたな。リーチですわ」


怜「……!?」

健夜「西、白、出やすさで言えばオタ風の西でしょうか……白?」

ナレーター「しかし、テレビで見ている視聴者も、
参加者たちも誰もそのすり替えに気付かない……!」

ナレーター「理由1、女子高生が麻雀でイカサマをするはずがない
という安易な思い込み……」

照「……」

ナレーター「理由2、そもそも今しがたのすり替え、牌が見えていない以上意味がない……。
上と下の牌を入れ替えたところで、だからどうなると言われれば言葉に窮するしかない……」

ナレーター「だが何よりの理由。それは僧我の芸術的な手つき……あまりにも自然、
あまりにも静か……数千数万と繰り返した動きは、全く淀みがない……!」


恒子「み、宮永照選手! 何と一発で白を引いたあああ!」

照「……」タン

僧我「それや、宮永はん……ロン!」

恒子「七対子に一発で振り込んだ! これは不運だ!」

僧我「裏ドラは……と、二枚載りましたわ。跳満、12000は12600!」

照「……」

怜(新道寺……まさか、コイツ……)

玄(……なんか、今の局は少し変だったような……)

※さるさん忘れてました。これで一旦休憩しようと思うのですがどれくらい
待機しておけばいいですかね?

阿知賀  89400
千里山 103200
新道寺 106000
白糸台 101400

ナレーター「南入した後は白糸台、宮永照が再び安い点数からスタート」

玄「また親が流された……(´;ω;`)」

ナレーター「南二局も続けて宮永照がツモ上がり……そして迎えた南三局」

恒子「僧我選手としては先ほどのように食い止めたいところですが……」


関西弁で喋る福岡代表か

親、僧我の手牌……バラバラ

                                                         
 ┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐
 │一│二│七│②│④│.1 │.1 │.8 │.9 │  │  │  │  │  │
 │萬│萬│萬│筒│筒│索│索│索│索│南│西│北│北│北│
 └─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘


恒子「僧我選手、親でこれはキツいですね……」

健夜「チャンタを狙う手もないではないですが……まだ宮永照選手の打点が
低い状態ということも考えると、和了に向かうよりは逃げた方がよさそうですね」

僧我(さて、ドラは……⑥筒か)

ナレーター「僧我、対戦相手の表情をちらりと窺う。先ほどからいいところが無かった
阿知賀の松実玄……その表情にわずかな好転……!」

僧我(いかんな……中張牌がドラになると松実玄の本領が発揮されやすい……)

表示牌すり替えたら本来のドラかすり替え後のドラか
玄ちゃんにはどっちが集まるんだろうな


僧我(と言って、照に振り込んで打点を不必要に高くするのも危険や……。
三回目っちゅーことは、親で満貫スタートという可能性もある……)

僧我(これが裏麻雀なら、河から盗めば事足りるが……見て分かってしまうような
イカサマはできへん……ワシができるのは、あくまで不確定のツモすり替えのみ
……ま、ワシにとっちゃ片手を縛った程度のハンデやがな……)

僧我(さて、千里山……)

ナレーター「僧我、千里山の怜の表情、理牌などから重い手であると看破……!」

園城寺怜――手牌

                                                     
 ┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐
 │二│二│二│四│六│八│八│九│九│.1 │  │  │  │
 │萬│萬│萬│萬│萬│萬│萬│萬│萬│索│東│白│白│
 └─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘


怜(面前で和了ればメンホン・三暗刻・白……跳満までいける)

怜(やけど、宮永照は恐らく軽い手……和了は難しいか……)

ナレーター「だが園城寺怜、二巡目ツモは何と『白』」

怜(流れがこちらにも来てる……何としても和了りたい……!)

松実玄、捨て牌

     
 ┌─┐
 │  │
 │北│
 └─┘

僧我「カン」

怜(……?)


恒子「え……僧我選手、北をミンカン……!? すこやん、これ……」

健夜「和了り目が無くなってしまいますね……三元牌か、自風の東をツモるか、あるいは
チャンタか、トイトイ……? いずれにせよ、遠すぎます。チャンタ狙いなら、カンした意味
がまるでないですし……」

怜(オタ風のカン……? テンパってるようには
見えんからリンシャンでツモる訳でもなし……)

ナレーター「僧我、めくったカンドラは六萬。つまり」

新ドラは
     
 ┌─┐
 │七│
 │萬│
 └─┘

玄(やった……七萬が暗刻ってるからこれでドラ八……タンヤオだけでも倍満に手が届くよ!)


怜(阿知賀の玄ちゃんがカンドラの七萬を抱えとるっぽいな……。
こっちにはまず来ないやろ。八萬、九萬のどちらかを暗刻にせな……)

僧我「ほい、と」

     
 ┌─┐
 │八│
 │萬│
 └─┘


恒子「おっと、僧我選手……ツモって両面になる八萬を躊躇いなく捨てた!」

怜「くっ……」

ナレーター「次巡、さらに僧我はもう一度ツモってきた八萬を捨てる。
さらに次巡……」

僧我打牌

     
 ┌─┐
 │九│
 │萬│
 └─┘

怜「……ポン!」

ナレーター「園城寺怜、やむなくラストの九萬をポン」


                                                             
 ┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐    ┌─┐    ┌─┐
 │二│二│二│四│六│八│八│  │  │  │    │九├──┤九│
 │萬│萬│萬│萬│萬│萬│萬│白│白│白│    │萬│九萬│萬│
 └─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘    └─┴──┴─┘


僧我「……」タン

怜「ロン。5200」

健夜(僧我っていう子……跳満手を落として振り込んだ……。あの卓をほぼ
支配している……調子が良いというならともかく、あの配牌とツモで……!)

健夜(とてもじゃないけど、高校生のレベルじゃない。十年……二十年打ってる
ような風格がある……!)

僧我「ほい」

玄「……うう、流された……(´;ω;`)」


照「……」パタン

菫「ちょうどテンパイしたところだったが……」

誠子「なんか、歯車ズラされてますね……」

淡「テルー……」

阿知賀  89400
千里山 108400
新道寺  99000
白糸台 104700

ナレーター「そして迎えた南四局。親である宮永照。怒濤の如き攻めを見せつける……!」


照「ツモ。500オール」

照「ツモ。1300は1400オール」

照「ロン。6400は7000」

恒子「出ました! チャンピオンの連続和了! 東場ではやや不発に終わりましたが、
これは行けるか……!?」

健夜「他三人の手牌がどうにも重たいですね……時間が掛かれば掛かるほど、
宮永選手の圧倒的有利は覆せなくなります」


阿知賀  80500
千里山 106500
新道寺  97100
白糸台 117400


南四局三本場 六巡目

宮永照――手牌


                                                     
 ┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐
 │②│②│②│三│三│.7 │.8 │.9 │.9 │.9 │  │  │  │
 │筒│筒│筒│萬│萬│索│索│索│索│索│中│中│中│
 └─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘

恒子「これはツモれば中・三暗刻で満貫確定! チャンピオン、波に乗った-!」

怜(何としてでもこれは止める……!)「ポン!」

僧我(怜が鳴きおったか……恐らく、次巡でツモる気配を感じ取ったんやろ……。
だが……)


ナレーター「僧我、感覚で理解する。次巡で宮永照はツモ和了る……!
このまま何もせねば、満貫は必定……!」

僧我(気付け、園城寺怜……!)

                             `
                              \ ,,_人、ノヽ
                               )ヽ    (
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ - <       >━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
                               )     て
                              /^⌒`Y´^\


怜(……と、止まれッ!)「くっ……!」


千里山女子高校控え室

竜華「な、なんや?」

セーラ「ギリギリで牌を止めた……?」

二条「でも、あの牌を抱えたら死に体ですやん……」

ナレーター「怜、牌を捨てようとした瞬間電流走る……! ちらりと僧我の様子を窺えば……
彼女の目は必死……!」




怜(嘘、まさか……これでも、ツモ和了る……?)

ナレーター「園城寺怜、一旦捨てようとした牌を戻して僧我が持っていそうな牌を探る」

怜(こっちか……頼むで……!)

僧我「ポン!」

照「……っ」

恒子「これは……南三局に続き、またも無理鳴き……?」

                           ‐   ̄ ̄ ̄  、

                         / /               \     
                       ´ ´   /        ヽ ヽ    
                      / /   //   /          ヽ ヽ     
                     / /    //   i{   /i  }    ', ',ヽ
                     | ,'    !ハ{   ! ! / }! /ハ  }レ}  l
                     | |    |ト-l-、_ハl, {  }_レ!7´/| !  l
                     | |   ハ__ヽヽハヽi ノノ__レ_ノl V l

                     | |   l /イ⌒ヾ  ` ´ イ⌒ヾヽ', V│ ゲンツキ・保守
                     |    ハヽ 廴_ノ     廴_ノ ´人 ∨!                  ,..-:::―::..、--ァ 
                     |    /、l       、       lノ\\                ,..:/:::::;w'ヾヾー、\
                     |   /i ヽ "         " / i  ヽヽ              <</:::::/     ×゙、::ミ
                      ,'   / l  \    ヽ '    イ  j  人 ヽ              /::::::/ × _,、_  ノ  ぐえぁっ
                     / /∧ ヽ ヽ ヽ>  _ イ \' ノ ノノヽ )              i:::;::::L、___し'イ ー'フ
                         γ´⌒´ハ    ノヽ⌒ヽ                     "ヾ__/,.|ー-ォ‐゙、'´
                     ̄ ̄   (        /\ /⌒\                    ∠ ノ |二二´_>
────────────        |   ノ^   |    |///// \                       |-r―'ヾ、」
─────────────  _--_   ,ゝ  ヽ   \ / ̄ ̄ ̄ ̄.\                     `´
                     |\ \  /\ :jjjj>二二) |  「ゝ ´ ̄ ̄ `ヽ「ヽ             / /  /
                     |三\  /===┬ /〈 ̄  ソ |┤ , , .: .: .:  、i_|  人人人__,    / / /
────────────   |三  |(    ヽ ヽ ヽ-´   | .!、i<|、|、|、ト大i,ノ| |       (_  / / /
                     )三/|_ヽ    ゝ/)ゲンツキ! .リ.○    ○'ク |        (_  / /
───────────── /三 \  ゝ   ヽ   _  ./.∧iゝ"丶フ _"ノi ハ.|       (_  /
──────────  (\ゝ二_\  ヽ   ヽ  ̄/ \/ Vリ   ヽ     Wリ        (_
                  \\\_ \   ヽ ( ) _ /   |;||' / ̄ヽ            (_
───────────── \\\ヘ \  /_ /  /ヽヽヽ /|:|__|、ヽ.ヽヽ          (
                     |.|.\((\ _ヘ|/  / \/ニ////| ||:| :||  ||. | |    ⌒Y⌒Y⌒
────────────  |.| |0二\\,'ー-,'ゝノ|()ニ/////|| |:0.|.:||ゝ ||: | |   
───────────── ゝゝ_/ /{r^ttヽニニ(ニ,ノノノノヽ


健夜(恐らく、和了牌を掴ませないため……。僧我選手の牌勢は悪い。
ツモもろくでもない牌が多すぎる……あれで宮永選手が和了れるはずがない……)

僧我(宮永はん……アンタの弱点、一個ありましたわ……)

照「……」タンッ

玄(六索……よし、イーシャンテン……)

怜(この局は和了は無理やな……となれば、阿知賀の玄ちゃんに期待するしか……)

僧我(アンタ、逃げたことないやろ……チャンピオンやからな……)




照「……」タン

恒子「チャンピオン、これで二連続ツモ切りです。これは珍しい!」

玄(よし、テンパイ……!)

怜(玄ちゃんがテンパった……恐らく倍満クラス……)

僧我(ほな、これならどうかいな……?)カチッ

照「……!」

ナレーター「僧我、再びのすり替え……!」

僧我(あんさんへの贈り物や。松実玄の当たり牌……六萬や)


恒子「チャンピオン、ダマテンの松実選手の当たり牌を引いてしまったー!」

照「……」

ナレーター「宮永照、捨てたのは三萬。迷わず当たり牌を回避……」

玄(……お願い……! だめか……)ツモギリー

怜(回避したんやな、チャンピオン……当たり牌を引いた……あるいは……
引かされた……?)

僧我(玄の当たり牌は九割九分、六萬―九萬。九萬はツモ和了りでないとあかん。
ドラがまだある以上、リーチも掛けにくい……だがツモ和了りを期待するには――)

ナレーター「僧我、手牌に六萬の対子と九萬の暗刻を抱え込む。捨て牌からも考えると、事実上、
松実玄の和了りめはラスト一枚の九萬をツモる以外なし……!」

僧我(つまり、ワシの麻雀はこれからっちゅうことや……!)


ナレーター「そして数巡後――。宮永照、遂にラスト一牌だった六萬をツモる。僧我が六萬を
持っている以上、そちらの和了りめはないが六索はまだ二枚……山に残っている」

照(張った……テンパイにするには九萬を捨てなきゃいけない。これは松実玄の
当たり牌。だけど……)

照(彼女の手牌には平和がついていない。九萬ではタンヤオもつかない以上、ドラがあっても
役がつかない。通る……!)タン!!

僧我「――――――――カン」

玄「えーっ!?」ガビーン

恒子「僧我選手、カン! ツモを期待していた松実選手涙目だああ!」

健夜「麻雀にはよくあることです。泣けるよね……」



照(まさか……!)

僧我「その、『まさか』や……リンシャンツモ!」

                                                                          
 ┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐ ┌─┐ ┌─┬─┬─┐             ┌─┬─┐
 │六│六│.2 │.3 │①│①│①│ │.4 │ │九│九│九├──┐ ┌──┤⑨│⑨│

 │萬│萬│索│索│筒│筒│筒│ │索│ │萬│萬│萬│九萬│ │⑨筒│筒│筒│
 └─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘ └─┘ └─┴─┴─┴──┘ └──┴─┴─┘

僧我「リンシャンツモ。カンドラは六萬……ドラ2、宮永はんの
責任払いですわ。6400の三本場で7300……!」

照「……」

恒子「奇跡の大逆転……! 僧我選手、チャンピオンの満貫手を完封しましたー!」

健夜(あのミンカンも凄いけど……一番凄いのは、手を封じた上で一から
手牌を立て直した地道さ……恐らく、一手でも切り間違えたら届かなかったはず……!)


前半終了――。

※本当は三色同刻で締めようと思ったけど、うっかりテルテルが9索三枚使ってた……。


阿知賀  80500
千里山 106500
新道寺 104400
白糸台 110100


照「……お疲れ様でした」

怜「お疲れ様でした」

玄「お疲れ様でした(焼き鳥……ううう)」

僧我「お疲れさん……お、そや。宮永はん」

照「?」

僧我「麻雀の闇に触れた感想はどうでっか……?」ニヤリ

照「……」

照(この僧我って子…………中二病…………!)ガーン

僧我(あ、何か痛い子を見る目になりおった)ションボリ


恒子「前半戦終わって、阿知賀が凹んだ以外はほぼ互角!
 白糸台が一歩抜けていますが……どーでしょうか、すこやん!」

健夜「真面目に解説したいからちゃんと名前言ってね!?
 ……コホン、あの場を真に支配していたのは、僧我選手です」

健夜「後半戦は、恐らく宮永照選手、園城寺怜選手、そして僧我みつみ選手の
誰が場を支配するかに懸かっていると思います」

健夜「その鍵となるのは――松実、玄選手ですね」

赤木「ククク、さすがすこやん……よく分かってるじゃねえか」

原田「場が重たくなればなるほど、松実玄の価値は上昇していくってコトか……」

ナレーター「そう……松実玄、前半戦はいいとこなしながら……そのツモ、配牌いずれも
好調……仮にもし、十二巡以上もつれ込むことになれば、彼女のドラ爆が炸裂する……!」


赤木「面白くなってきたじゃねえか。さすが女子最強……!」

原田「ケッ……」

銀「いいなぁ、あの怜って子……ほっそりしてて、どこか儚げで……
ワシに孫がいたら、あんな感じだったんだろうか……!」

二人「それはない」

銀「夢を見たっていいじゃないか……!」ハラ…ハラ…

煌「ちょっと香津美、しげ子。女の子なんだから、言葉遣いはすばらじゃないと駄目ですよ!」

二人「はーい、すばら先輩!」

煌「まったくもう……」プンスカ

………
……


http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org3446630.jpg
ざわ……

>>98
圧倒的・・・圧倒的違和感・・・!

>98
すばら先輩以外全部ひでぇw

後半戦

恒子「東一局、親は白糸台、宮永照選手です……」

健夜「これは他の選手にとってはツイてますね。宮永選手の最後の追い上げがやりにくくなります」

照(……確かに、少しやりにくい。けれど、良い点が一つ)

照(私の下家に新道寺が入った……これで、あの気味の悪いツモや鳴きを抑え込める)

照(恐らく二度、すり替えられたのは間違いない……でも、カメラで映っているのに
指摘がないということは、誰も気付いてないということ)

照(念のため、休憩時間にビデオを確認したけどいくらスローで再生しても駄目だった……。
カメラでは手の内部が微妙に見えない……素早く、自然で……あれはもう高校生の
技量じゃない……)

照(でも……何故だろう。卑怯なのに、反則のはずなのに。この僧我みつみという子は、
それを誇りにしている節さえある)

照(全力で打ってくれたお陰で、それが分かってきた……)


        、,ゝ=== く

        、_γ      `ヾ,
.        く(   r,J三;ヾ   )>
      ´  =; {三●;= }  ,=ニ `
           ゝ≡三=イ ´


僧我「ぐっ……!」ゾクリ

僧我(……ッ!! 見られた、今確実に……!)

僧我(なるほどな。……さっきの半荘、ワシは全力で打った。お陰で丸裸っつーことやな……)

僧我(……上等よ。裏の麻雀を支配し続けて数十年、背後で牌を見られていた経験など
何ぼでもあるわい……!)

僧我(返り討ちにしたる……背中は見せん……!)

ナレーター「僧我、前半の慎重な様子とは打って変わって積極的に打って出る」

ナレーター「それが功を奏したか、わずか四巡、ミスなしで七対子テンパイ」


零では

鷲頭になるとこのイメージしかない

        ,. -─‐-  、
        /./⌒ヽ、   \
.        /,/ ju:、 ij~ \__,. -‐:、
        / ヽ 丶 \ヽij、 ,   li   _人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人_
.      ,'/,ニ}.〉 〃\ i ヾニノ, -fr‐ > がんばっちゃったがんばった我々テンパイ即リーワーイワーイ!!<
.     ノ.l ! //、i{  。i!| u /ニ;|l   ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^人人人人人人人人人人人人 ̄
   /  ヽ7',ヘ\`ミ=┘''' r。" ̄ラ         __
__,∠-r‐'1  l ト,ヘ、u r v' `ト=彡′      (⊂iト、 }
   i.  |  | ト、`く,ゝ、__ ヽ  :|v/         (⊂iiヽ、''\
    |  ! ヽ.V >、×⊥工エ;ァ'、       (⊂iiヽ、."ゝ、}
    !  ト!  ト.`uく`r-r-r-//'| \      (⊂iiヽ、ゝ、 〉


僧我「(ここは討って出る……!)リーチ!」

怜(……何やて!?)

玄(迅い……宮永さんより!?)

照(……全体的にピンズが安い。特に三筒が三枚場に出ているのが大きい。
四巡目の西捨ての際、わずかだけど単騎選択の間があった。西は場に一枚、
それより優秀な待ちは……)

     
 ┌─┐
 │①│
 │筒│
 └─┘


恒子「チャンピオン、これはツイてない。一発で不要牌の一筒を持ってきたー!」

健夜「ですが、宮永選手は冷静ですね……これは振らないでしょう」

照(これしか有り得ない)


※ここらへん「ノーマーク爆牌党」のパクリです、すんません。


ナレーター「照、一筒を抱え込む。タンヤオもつかず、手も遅れるが――」

僧我(……宮永と園城寺には抑え込まれたな。だが、出しよる奴はおる)

玄「……」タン

僧我「おっと、それや。……裏は載らずで3200」

玄「っ! ……はい」マタダー

照「……」

阿知賀  77300
千里山 106500
新道寺 107600
白糸台 110100



東二局

僧我――配牌

                                                            
 ┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐ ┌─┐
 │四│四│四│五│五│五│六│⑦│⑦│⑨│.1 │.2 │.4 │ │.8 │
 │萬│萬│萬│萬│萬│萬│萬│筒│筒│筒│索│索│索│ │索│
 └─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘ └─┘


僧我(やたら重い手やな……宮永は軽い手で流しに来るだろうから、
恐らく六巡目までが勝負か……?)

ナレーター「だが、僧我みつみ。この局は波に乗る……!
それも大波……!」



二巡目ツモ
     
 ┌─┐
 │⑦│
 │筒│
 └─┘


三巡目ツモ

     
 ┌─┐
 │.1 │
 │索│
 └─┘


五巡目ツモ

     
 ┌─┐
 │.1 │
 │索│
 └─┘


ナレーター「つまり、僧我手牌……!」

                                                     
 ┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐
 │四│四│四│五│五│五│六│⑦│⑦│⑦│.1 │.1 │.1 │
 │萬│萬│萬│萬│萬│萬│萬│筒│筒│筒│索│索│索│
 └─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘

僧我(四暗刻単騎……ダブルはないが16000オール……勝負の趨勢を
決める一撃や……)

僧我(六萬はいずれ切り替えたいところやが……)

照「……」タンッ

     
 ┌─┐
 │七│
 │萬│
 └─┘

僧我(何ィ……!?)


恒子「……チャンピオン宮永選手、捨てたのは七萬! 僧我選手の当たり牌ですが……これは、無視!」

健夜「さすがに四暗刻が三暗刻のみというのは辛すぎますね……」

玄「……」(これ、今なら大丈夫な気がする……!)
     
 ┌─┐
 │六│
 │萬│
 └─┘

僧我(ぐっ……六萬……!)

恒子「そして松実選手が捨てたのは六萬! 僧我選手の当たり牌ですが――」

健夜「同巡の捨て牌である以上、和了れませんね」

怜「……」ニッ

怜「ポン」

             
       ┌─┬─┐
 ┌──┤六│六│

 │六萬│萬│萬│
 └──┴─┴─┘



恒子「そして園城寺選手が六萬をポン! これで和了り目はなくなったー!」

僧我(上等……次で待ちを変えれば、それでええんや……!)

ナレーター「僧我、次の巡目で引いてきたのは――」

     
 ┌─┐
 │  │
 │北│
 └─┘


僧我(一枚切れの北……! よっしゃ、これなら……!)

照「――――ロン」

僧我「!?」

                                                     
 ┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐
 │一│二│三│七│八│③│④│⑤│.5 │.6 │.7 │.9 │.9 │
 │萬│萬│萬│萬│萬│筒│筒│筒│索│索│索│索│索│
 └─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘


赤木「あらら……」

原田「熱くなりすぎだ、僧我の奴……。元々生前から割と血気盛んなとこ
あったけどな……」

赤木「オレを生かすために命を賭けるくらいだからな」

銀「この女子高生の体が悪いんだよ。ジジイだった頃と違って、どうしても
遮二無二走っちまう……」ペタペタ

赤木「リーチかけときゃ、一発もついて満貫。裏ドラ乗るから跳満だったのにな」ヤレヤレ

原田「……そんなもんが分かっちまうのは、おどれしかおらんわい。
何じゃい、その裏ドラ乗るからって」

赤木「そうかい?」

煌「香津美ちゃんはあのヤクザみたいな口調を何とかすれば、
モテるでしょうに……すばらすばら(タメイキ)」


照「平和のみ。1000点」

僧我(……あの七萬はワイの手牌を読み切って、なおかつ六萬に狙いを絞った一手だった
っちゅう訳か……ワシとしたことが……!)

僧我(いかんな、今ので流れが変わったかもしれん……)

ナレーター「僧我の予想通り、この振り込みをきっかけとして、流れは劇的に変化する……!」

ナレーター「この後、僧我はひたすらな防戦を強いられる。配牌も悪く、ツモも悪く、流れも悪い。
あまつさえ――」


僧我「……」タンッ

玄「ロ、ロン! 倍満16000です!」ヤキトリヌケター

恒子「すすすす凄い! 倍満! たった……たった八巡で倍満の直撃ぃぃぃ!」

健夜「これはひどい」

僧我「くっ……!」

ナレーター「七巡目で密かにテンパっていた玄の当たり牌を出してしまうという
交通事故のような振り込み……!」

原田「これがあるから、ドラゴンロードっちゅうのは厄介やな……」

赤木「しかしまあ、最下位になったお陰でやっと頭が冷えたようだぜ……
僧我のジジイ……じゃなくて、みつみちゃん……」


阿知賀  95900
千里山 102400
新道寺  69300
白糸台 132400

ナレーター「かくして後半戦も終盤……南三局へ」

ドラ
     
 ┌─┐
 │.6 │
 │索│
 └─┘
恒子「ラス前、トップは白糸台で132400点、新道寺のみが大きく凹んで69300点。
千里山と阿知賀はほぼ原点というところ!」

健夜「僧我選手はあの四暗刻を和了れなかったのが痛かったですね……」

健夜(ただ……僧我選手はこのまま終わるタイプじゃない……)

僧我「……」


怜(チャンス……! チャンピオンは玄ちゃんの16000でリセットが掛かって、また1000点から。
振り込みを恐れず真っ直ぐ行けば、勝機は見えてくる……!)

僧我「……」

照(ツモがよれている……嫌な予感がする。園城寺の手牌次第では、鳴いてでも流そう)

玄(うん、流れ次第では行けるはず……!)

玄(次のお姉ちゃんのためにも、少しでも点棒を多く……!)

僧我「……」

僧我(ここが桶狭間っちゅうところか……)

六巡目

園城寺怜――手牌

                                                     
 ┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐
 │二│二│三│三│四│四│五│五│五│六│六│七│八│
 │萬│萬│萬│萬│萬│萬│萬│萬│萬│萬│萬│萬│萬│
 └─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘

待ち

                          
                                 
 ┌─┐ ┌─┐ ┌─┐ ┌─┐ ┌─┐

 │一│ │四│ │七│ │六│ │九│
 │萬│ │萬│ │萬│ │萬│ │萬│
 └─┘ └─┘ └─┘ └─┘ └─┘


怜(よっしゃ、最高手ならタンヤオピンフイーぺーチンイツ……倍満や)

怜(そして……)カッ

怜(次の、次の巡目でツモれる……一巡待てばリーチ一発、ツモもつく!)タンッ


僧我「……カン」

                                                             
 ┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐          ┌─┬─┬─┐
 │  │  │  │  │  │  │  │  │  │    ┌──┤  │  │  │
 │  │  │  │  │  │  │  │  │  │    │  西│西│西│西│
 └─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘    └──┴─┴─┴─┘


怜「え……!?」

玄(やった! ドラが増えたー!)タンッ

僧我「失礼、それもカンですわ……!」


                                                                          
 ┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐    ┌─┐    ┌─┬─┐       ┌─┬─┬─┐
 │  │  │  │  │  │  │  │    │⑧├──┤⑧│⑧│ ┌──┤  │  │  │
 │  │  │  │  │  │  │  │    │筒│⑧筒│筒│筒│ │  西│西│西│西│
 └─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘    └─┴──┴─┴─┘ └──┴─┴─┴─┘


玄「え? え? え?」オロオロ

恒子「な、こ、これは……!? 僧我選手、暗刻を大明槓……!」

照(リンシャン? ……いや、彼はまだテンパってもいない)


怜(どういうこっちゃ……?)

照(まさか……いや……この子なら……!)

玄「……」タンッ

僧我「カン……!」

                                                                                      
 ┌─┬─┬─┬─┐    ┌─┐    ┌─┬─┐    ┌─┐    ┌─┬─┐       ┌─┬─┬─┐
 │  │  │  │  │    │.9 ├──┤.9 │.9 │    │⑧├──┤⑧│⑧│ ┌──┤  │  │  │
 │  │  │  │  │    │索│.9 索│索│索│    │筒│⑧筒│筒│筒│ │  西│西│西│西│
 └─┴─┴─┴─┘    └─┴──┴─┴─┘    └─┴──┴─┴─┘ └──┴─┴─┴─┘


怜「な……!」

玄「うそー!?」

恒子「な、何と三暗刻が三槓子に……!」

健夜「それより恒子ちゃん、カンドラが……!」

恒子「こ、これは……!?」

※彼→彼女w
ドラ
                 
 ┌─┬─┬─┬─┐
 │.6 │七│⑤│  │
 │索│萬│筒│発│
 └─┴─┴─┴─┘


松実玄――手牌
                                                     
 ┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐
 │.5 │.6 │.6 │.6 │五│七│七│七│⑤│⑤│⑤│  │  │
 │索│索│索│索│萬│萬│萬│萬│筒│筒│筒│発│発│
 └─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘
   赤              赤              赤


僧我(ドラゴンロードの性質……遠慮のう利用させて貰うわ……!)

恒子「松実選手のて、手牌が全部ドラ……こんなの、あるんですか……?」

健夜「可能性はゼロではありませんが……しかし、これは……」



玄(どどどどどうしよう……ツモ含めて全部ドラだなんて……!?
捨てたら、次の局はドラが無くなっちゃう……い、いやそれよりも怜さんが
テンパってる感じがする。安全なのは、ええと、ええと……)

恒子「松実選手、赤ドラの5索を捨てました……!」

玄(うう、お母さんごめんなさい、ごめんなさい……!)

怜(くっ。あの無茶カンのせいでしばらくは無駄ヅモになるわ……。こうなったら、
流れは……)

――三巡後。

僧我「ツモ。三槓子のみ。2300・1200……!」

怜(ぐちゃぐちゃになった流れから、強引にもぎ取りよった……)

健夜(……さりげなく、あの三槓子で宮永選手が欲しい牌を全部握り潰してた……。
運……というよりは、力技……だって、最初にカンしたときリンシャン牌で暗刻が
できなかったらどうしようもなかった……!)


阿知賀  94700
千里山 100100
新道寺  74000
白糸台 131200

迎えた南四局――親は松実玄。

玄(駄目だ……やっぱりドラが一つ残らず無くなってる……。次の試合、どうしよう……!)

玄(ううん、それよりわたしが持ってないなら、一体誰がドラを……?)

怜(確か、ドラを捨てたらその後ドラが来なくなるっちゅう話やったか……?
その割に、ウチにドラが来てない。となると、チャンピオンか……いや……)ゾクッ

照(私はまた千点からスタートをかけなきゃならない。必然、こちらにドラが来るはずがない……。
 つまり、新道寺の狙いは……!)

僧我「……」ニッ


ドラ
   
 ┌─┐
 │.5 │
 │索│
 └─┘

――六巡目

僧我「……6索、カン」

恒子「え……!?」

照「……!」

玄「……あ、あわわわわ」ゾクッ

恒子「ドラ表示牌は4索、つまり……5索がダブドラです!」

僧我「リーチ」

照(間に合わない……!)

怜(く、鳴くこともできへん……!)

玄(あ、あの人の手牌が怖いよぅ……!)ガタガタ

――十巡目

僧我「来たわ、ぬるりとな……ツモ!」

                                                                      
 ┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐ ┌─┐    ┌─┬─┬─┬─┐
 │五│五│④│⑤│⑥│.5 │.5 │.5 │  │  │ │  │    │.6 │  │  │.6 │
 │萬│萬│筒│筒│筒│索│索│索│北│北│ │北│    │索│  │  │索│
 └─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘ └─┘    └─┴─┴─┴─┘
       赤      赤      赤


僧我「裏ドラ数えるまでもなく、16000・8000……!」

ナレーター「リーチ・ツモ・三暗刻・ドラ6・赤ドラ3……裏ドラ無しでも文句なしの
数え役満である」

ビーッ


恒子「きききき決まったああああああああああ! まさかの数え役満!
 そしてこれで先鋒戦は終了です……!」

健夜(何なのこれ……まるで流れを体一つで押し留め、呑み込むような役満……!)

健夜(半荘一回か二回なら、運次第で勝てるかもしれない……だけど、まぎれを無くすために
半荘二十回やったら……私は……勝てるの……?)

照「……」

玄「……ひぅぅぅぅ」

怜「……」

ナレーター「闇から這い出た魔人は、運命を暴風のように蹴散らし……ねじ伏せた。
剛腕、そして傲慢なツモ……人ならざる領域に存在する魔人の数え役満……!」


阿知賀  78700
千里山  92100
新道寺 106000
白糸台 123200

僧我(……まあ、まずまずやな。後は次鋒のすばら先輩に託すか……)

僧我「お疲れさん。楽しかったで」

玄「……ドラ捨てちゃった……」ドンヨリ

怜「三巡先も見てないのに……ごっつ疲れたわ……」グッタリ

照「……」

照「あれが僧我みつみ……。麻雀の……『闇』……!」

玄「……」

怜「……」

怜「み、宮永さん……もしかして、中二病っちゅうやつか……?」シンパイ

照「」エー


ひとまず、カン(続けられたら続く)!


終わったー。次鋒戦は何とかなりますが、中堅以降はとりあえず本編で
出てきてくれないとどうにもこうにも……まあ、その内に続きを書ければと思います。

>208
基本的にこの四人で縛っていきたいかな、と。
ぶっちゃけ、他の面子を書く余裕がないからですが……

>209
なるべく分かりやすく
照「赤木……しげ子……」赤木「ククク……」
くらいでいきたいかと

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