P「正妻戦争……?」(865)


美希「そうだよ!」

P「なんだ、それ?」

美希「ミキ以外にもね、きっとハニーのこと好きな女の子っていっぱいいると思うんだ」

P「はは、そんなわけないだろ。そんなにモテたりしないよ」

美希「だから戦争なの」

P(聞いちゃいない)


P「美希が言ってるようなことはありえないよ。だから戦争なんて物騒な言葉を使うのはやめなさい」

美希「えー。ハニーってばノリわるいの……」

P「悪かったな……もしかして美希、暇なのか」

美希「うん」

P「じゃあ寝てなさい」

美希「もういっぱい寝たの。それで、こんな夢を見たから、不安になっちゃったんだ……」

P「……」

美希「ハニーがお話に付き合ってくれないと、ミキ不安で一日8時間しか眠れなくなっちゃうかも……」

P「それでも多いわ」


美希「とにかく、付き合ってよ!」

P「……わかったわかった、仕事あるからちょっとだけな。それで?」

美希「?」

P「その……正妻戦争? ってのは具体的になんなんだ? まさか誰かと喧嘩とかするんじゃ……」

美希「そ、そんなことしないの! 765プロのみんなはみーんな友達だよ」

美希「だから、ミキ的には、痛いのもカナシイのも、や! って思うな」

P「……」

美希「だからこれは、ちょっとした調査なの」

P「調査?」

美希「うん! ハニーの心を本当に射止めるのは誰なのか想像してみて、ケンカを……ミゼン? に防ぐんだよ」

P(よくわからないな)


P(まあ、話に付き合うだけならいいか)

美希「ねえねえ。ハニーが結婚するとしたら、どんなタイプがいい?」

P「……そうだなあ」

美希「うんうん!」

P「優しくて、気立てがよくて……あまりガミガミ言わない人がいいかな」

美希「ガミガミ?」

P「ほら、俺の仕事って時間的に不安定だろ? そういうので文句言われるのはちょっとな」

美希「ハニーは縛られるのがやなんだね」

P「そういう言い方はあれだけど……」

美希「でもでも! それならミキはぴったりだって思うな! おっぱいも大きいし!」

P「む、胸の大きさは関係ない!」


P「大体な、俺は美希とは結婚しないよ」

美希「え……?」

P「だってお前、まだ15歳じゃないか。法律で決まってるだろ、女の子は16歳以上にならないと結婚しちゃだめってな」

美希「そーなの!!? ど、どど、どうしよう……」

P「どうしたんだよ?」

美希「15歳だから結婚できるよ☆ って歌っちゃってたの……」

P「あー、まあそれは……美希のキャラ的にそうさせたというか」

美希「……」

P「……」

美希「ま、そんなことはどーでもいいの」

P「そうか……」

美希「じゃあじゃあ、ハニー的には、16歳以上の子じゃないとダメってカンジ?」

P「うん、まあ……そうだな」


美希「へー……そっかー……なるほどなの」

P「……意外と、ショック受けたりしないんだな」

美希「え? なんで?」

P「いや、15歳とは結婚しないとか言ったからさ」

美希「だってそれって、16歳になったらホントのホントに結婚してもいいってことでしょ?」

美希「あと一年なんてすぐなの! ミキだってもうオトナなんだから、それくらい待てるよ」

P「ははは……」

美希「……も・し・か・し・て~」ニヤニヤ

P「な、なんだよ」

美希「ミキが嫉妬しちゃうって思った?」

P「い、いやべつに、決してそんなことは……」

美希「あは☆ ハニーってばカワイイの!」


美希「16歳以上となると~……でこちゃんとかやよいはもうアウトだね」

P「やよいに関してはいくつになってもアウトな気がする」

美希「? なんで?」

P「いや……」

美希「とにかく、高校生しかハニーは結婚しないってことかな」

P「そういう言い方はよせ。高校生以上、ってことだよ」

美希「じゃあじゃあ、雪歩とか?」

P「……うーん……雪歩か……」


【雪歩と結婚したら……】

雪歩「おかえりなさいですぅ、プロデューサー」パタパタ

P「ただいま、雪歩。……お、良い匂いがするな」

雪歩「えへへ……今日は美味しい秋刀魚が手に入ったんです」

P「秋刀魚か! ああ、それはいいな。さっそく夕食にしようか」

雪歩「……!」

P「どうした?」

雪歩「あうぅ……あ、ああ、アレを言うのを忘れちゃいましたぁ……」

P「アレ?」

雪歩「今日こそは、今日こそは、って思ってたのにぃ……!」

P「な、なんだよ。それなら今からでもいいから、言ってごらん」


雪歩「……」モジモジ

P「……」

雪歩「あ、あの……プロデュ、じゃなくて……あ、あなた……?」

P「う、うん」

雪歩「その……おかえりなさいです」

P「え? ああ、ただいま」

雪歩「ご、ご飯にしますか? お風呂にしますか? そ、そそ、それとも……」

P「……」ゴクリ

雪歩「わ、わた……し?」


―――
――



P「雪歩で。雪歩でお願いします」

美希「むー! ハニー、妄想はもう終わりなの!!」


P「良い……雪歩はいいな。こう、夫を立てる妻というか……」

美希「今まで見たことない良い表情をしてるの……」

P「……ごほんごほん! ま、まあ、こんな感じだよ。とても良かった、可愛い」

美希「……ハニー、もしかして雪歩のこと好きなの?」

P「え? 当然好きに決まってるだろ」

美希「!」ガーン

P「雪歩だけじゃない、765プロのみんな好きだけどさ」

美希「あ、そーいうこと……」

美希「そんなお決まりな台詞はいらないの!」プンプン

P「な、なんだよ。急に怒るなよ……」

美希「……ま、とにかく! こんなカンジで色々妄想していって、ナンバーワンを決めるのが正妻戦争なの」

P「なるほど……」

ご飯タイム


美希「でもでも、雪歩にはミキ負けないって思うな」

P「へえ、自信満々だな。その理由は?」

美希「だって、雪歩は男の人苦手でしょ? だからきっと、夜にハニーを満足させてあげられないかなって」

P「ブッ!!!!」

美希「ひゃあっ! き、きちゃないの……」

P「お、おま……アイドルがそういうことを言うんじゃない!」

美希「んっふっふー! ミキだってもう、ハニーが思ってるほどコドモじゃないんだよ? もう心も体もオトナなの」

P「え、そう……なのか?」

美希「そーだよ! だから、夜眠れないときでも、ハニーに添い寝してたっぷり寝かせてあげられるの」

P「……夜って意味、わかってるのか?」

美希「え? 一緒にオヤスミするってことでしょ?」

P「……ま、いいか」


P「美希って意外と……いや、そうでもないのか……?」ブツブツ

美希「それで、次は? 次は?」ピョンピョン

P「え、まだ続けるのか?」

美希「あったりまえだのクラッカーなの!」

P「いくつだよ……」

美希「15歳だよ? さっきも話したでしょ?」

P「はは……うん、そうだな。でも、次、って言ってもなあ……」

美希「ハニーが決められないなら、ミキが決めていい?」

P「ああ、いいぞ」

美希「それじゃあ次はね~……響なの!」

P「なるほど響か……」


【響と結婚したら……】

ガチャ

P「ただいま響~! 良い子にしてたか~!」

P「……って、あれ?」

シーン

P「……」

P「いつもだったらピョコピョコ飛び跳ねて来るのに……」

P「まぁ少し遅くなっちゃったからな、もう寝てるのかもしれない……少しさみしいな」


P「……音を立てないように……」

ソローリソローリ

P「……」

いぬ美「……ばうっ」

P「!」ビクッ

P「い、いぬ美……ただいま。今日は中にいるのか」

いぬ美「……」クイクイ

P「え? こっちに来いって?」

いぬ美「……」グイグイ

P「わかったわかった」


テクテク

P「一体何が……」

P「あ」

響「……すぅ、すぅ……」

ぶた太「……ブヒヒ」

P「ははは……ぶた太を枕にして寝てるな」

響「むにゃむにゃ……えへへ、ぷろりゅーさー……」

P「……おや、これは?」

ゴチャア……

P「……縫いかけのマフラー」


P「響……」

いぬ美「ばうばうっ」

ぶた太「ブヒ」スック

ガタン

響「ふごっ!? な、なに!!?」

P「……おはよう、響」

響「え、え!? ぷ、プロデューサー……」

P「こんなところで寝てたら風邪ひくぞ。さ、ベッドに行こう」

響「……えへへ……」

スリスリ

P「どうした?」

響「起きたら目の前にプロデューサーがいたから……幸せなのさー」


P「……よい、しょっと」グイ

響「!? な、なにすんの!?」

P「何って、まだ響は夢の中みたいだからさ。布団に連れてってあげようと思って」

響「だ、だからって……お、お姫様抱っこなんて……」

P「いやか?」

響「うー……いや、じゃないけど……恥ずかしいぞ……」

P「じゃ、行こう」

響「……うん……」

ギュッ


P「……あのマフラー、もしかして俺に?」テクテク

響「ええっ!!? み、見ちゃったの……?」

P「ん? ああ、目に入ったから」

響「うぎゃー! み、みみ、見てもみてないフリしてよっ!」

P「ええ!? す、すまん」

響「うぅ……せっかく、サプライズにしようと思ったのにぃ……」

P「……毎年毎年、ありがとな」

響「! ……えへへ……」ギュッ

P「完成したら、大切に使わせてもらうよ」

響「……うんっ。楽しみにしててよねっ!」

P「ああ……おっと、寝室に着いたな」

―――
――


P「今夜は寝かさないぞ……響」

美希「もー終わり終わりおわり~!!!」


美希「……まずいっこ、いい?」

P「う、うん」

美希「長いの」

P「いやあ、つい夢中になっちゃって……」

美希「……でも響って、意外とカワイイところあるんだね」

P「やっと気付いたか! そうなんだよ、響はかわいいんだ!」

P「編み物趣味で料理もカンペキ、その上優しくて素直で……」

P「でも夜なんかは、緊張してガチガチになって……またそこもいいなって」

美希「むー……」プクー

P「も、妄想の話な? そんな顔するなって……」

美希「ミキだって、お望みとあらばガチガチにハニーを締め付けて寝ることもできるよっ!」

P「そういうことじゃないんだけど……まあいいか」


美希「……えーと……うーんと……」

P「どうした?」

美希「響に勝ってるとこ、探してるの」

P「……」

美希「お料理は……負けちゃうかも。おっぱいもけっこーあるし……」

P「最近また縮んだけどな。なんでなんだろ、あれ」

美希「フシギなの……」

P「……なあ、美希」

美希「なあに?」

P「もしかしてこれってさ、美希がみんなに勝ってるところ探して、俺にアピールしたいってだけ?」

美希「そ、そそ、そんなことないの」

P(目が泳いでる)


P「……美希だって、決してみんなに負けちゃいないよ」

美希「!」

P「美希には美希でいいところはたくさんある。純粋だし、思いやりも持ってるし」

美希「えへへ……そう、でもあるけど~……♪」

P「最近は色々、頑張ってくれてるしな」

美希「ねえねえ、見た目は? 響より好き?」

P「……いやいや、見た目に関して、どっちのほうが好きって言うのは控えさせてもらうよ」

美希「え~。なんでー!?」

P「そんなこと言えるか。俺はみんなのプロデューサーなんだぞ」

美希「……なーんてね。ミキ、ホントはわかってるの」

P「……」

美希「……ね、ねえ、次は?」

P「あ、ああ。そうだな……」


【真と結婚したら……】

真「プゥロデューサー! へへっ、今日は何がたべ

―――
――


美希「ダメなのダメなのダメなの!!!!」

P「えっ」

美希「おしまいおしまい!!」

P「まだ始まったばかりなのに……」

美希「真くんとのことは、妄想でも絶対ダメーっ!」

P「……そんなに真のことがお気に入りなのか」

美希「お気に入りっていうか、ミキの王子様ってカンジ。だから……」

P「だが断る」

美希「えっ」

P「せっかくここまで来たんだ。語らせてくれよ」

美希「ええー……」


【改めて、真と結婚したら……】

真「プゥロデューサー! へへっ、今日は何が食べたいですかっ?」

P「うーん、そうだな。真が作る料理だったら全部うまいから、なんでもいいよ」

真「な、なんでもいいって、そーいうのが一番困るんですよっ!」

P「あはは、でも本音だからな。真を嫁に出来て本当に良かったと思ってるよ」

真「! ぷ、プロデューサー……」

P「おいおい、何年経ってもこういうのには慣れないのか?」

真「だ、だって……もうっ、プロデューサーが慣れすぎなんですよっ!」プイ

P「……じゃあ、肉じゃがなんてどうだ? 真が作る肉じゃがはもう最高の最高だから」

真「!」パァァ

真「わかりましたっ、それじゃあ腕によりをかけて、最高のごはんを作りますねっ!」

P「かわいいなあ」

真「え」

P「いや、なんでもない……」

真「ぷ、プロデューサー!?」


カァ、カァ……

P「……」

トントントン

P「夕暮れ、包丁がまな板をたたく音、食欲をそそる良い匂い……」

P「いいなあ。こういうの……」

真「? なにか言いましたかー?」ヒョコ

P「ああいや、こっちの話だよ。真、なにか手伝うことはあるか?」

真「大丈夫ですっ! こっちはボk……私にまかせて、あ、あなたは休んでいてください!」

P「……ああ、わかったよ」

真「さーって、次は、っと……」


P・真「「ごちそうさまでした!」」

P「いやあ、やっぱり美味いな」

真「へへ、ありがとうございますっ!」

P「最初の頃より、見栄えも味もかなりレベルアップしてるじゃないか。最高だよ」

真「そりゃーもう! いっぱい練習しましたからね!」

P「……」

真「プロデューサー? どうしたんですか、ボーっとして」

P「あ、いや……なんか、新婚の頃を思い出してしまってな」

真「……大変でしたよね」

P「ああ……美希が包丁もって

真「プロデューサー」

P「……すまん」


真「そ、そんなことより! お風呂沸いてますよ、入っちゃってください!」

P「あ、ああ」スック

真「いってらっしゃーい……」

P「……」

チラ

P「なあ、真」

真「……な、なんですか?」

P「一緒に入ろうか」

真「……」

真「えぇええええ!!?」

真「おいプロデューサー!早くケツ出せよ!!」

P「やめて!マジ痛いからそれやめてって!!」


真「そ、そんな、いきなり……!」

P「結婚したての頃は、いつも一緒だったろ?」

真「そそ、そーですけどっ! その色々、じゅ、準備というか……」

P「準備なんて必要ないさ」

真「あ、あなたはそうかもしれないけど、わ、私には必要なんですっ! お、女ですから……」

P「……」

真「……わ、私、ご飯の後片付けしないと!」

P「真」

ぎゅっ……

真「わぷ」

P「無理して女っぽくしなくてもいいさ」

真「え……」

P「頑張って良い奥さんであろうとしなくても、真は昔のままで、十分かわいかったんだから」


真「……プロデューサー、気付いてたんですか?」

P「当たり前だろ? 今までツッコまなかったけど、その『私』っていうのもさ」

真「……ボク、なんて……この年になって、恥ずかしいですし……」

P「夫婦に恥ずかしいも何もあるか。いつだって元気な、素の真が、俺は一番好きだよ」

真「!」

P「……ダメか?」

真「だだ、ダメって……?」

P「一緒に風呂」

真「……」

ぎゅっ……

真「ダメなわけ、ないです……」


真「ねえ、プロデューサー?」

P「どうした?」

真「……今週の日曜日、どこかに連れてってください」

P「ああ、もちろんさ。久しぶりのデート、楽しみにしててくれ」

真「へへっ……」

P「嬉しそうだな」

真「もちろんですっ! で、デートもそうですけど……」

真「……ボクは、あなたのお嫁さんになれたことが……本当に嬉しいんです」

―――
――


P「俺もだよ、真……」

美希「……」

P「……ってあれ? ツッコミがない……美希?」

美希「…………」

P(泣いている……)


美希「……グスッ……」

P「お、おいおい……どうしたんだよ」

美希「どーしたもこーしたもないってカンジ……」

P「……そんなに、いやだったか?」

美希「あったりまえなの! うぇぇ……」

P「……」

美希「ま、真くんを……ハニーに取られちゃったぁ……!」

P「えっ」

http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira119787.jpg
やっと見つけた


P「……落ち着いたか?」

美希「うんっ! ありがとうなの、ハニー。頭撫でてくれて」

P(あの状況じゃ断れないもんな……)

ぐ~

美希「落ち着いてきたら、おなかが減っちゃったの」

P「自由だな……」

美希「ねえねえハニー。今ね、ミキね、とっても甘いモノが食べたいってカンジ」

P「うーん……とはいえ、もうそろそろ仕事に戻らないと」

美希「このあとどっか行くの?」

P「いや、書類仕事だけだけど……はやく終わらせないと、残業になっちゃうから」

美希「あは♪ それならミキも終わるまで待ってるから心配ないよ?」

P「そういう問題じゃないだろ……」

美希「これはミキを泣かせたバツなの」

P「うぐ……そう言われると、何も言い返せない……ケーキでいいか?」

美希「うんっ!」

>>130

  ,彡ニ三三三三三三三ニ=ヾ;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:i;:;:;:i'   _,,,,._                、-r
  ,彡ニ三三三三ニ三三ニニ;〃ヾ、;:;:;:;:;:;::;:;::;:::;:/;:;:/  .,','" ̄',〈... _,,,_   _,,,_   _,,,,,| |
 ,彡彡,'',ニ=ミミミ三三三三ニニ彡  `゙゙''ー-、;:;:;:;/;:;/   { {   ,___ ,'r⌒!゙! ,'r⌒!゙! ,.'r⌒| l
 ',彡'/ r' ノヽヾミ三三三三三彡'   _,,,,,,、ヽ;:;ィ''|   .ゝヽ、 ~]| ,i i  i l i l  i i .i i  .i .i
  彡'|.|(‐'''" 'iミニニ三彡"´ ̄     `゙゙ー'  ;;;:|    `ー-‐'"  ゞ_,.'ノ ゞ_,.'ノ ゞ__,.',、'ュ
.  彡i、ヾ ('  ヾミニ三'          __,,、 ....ノ   /          r--,      、-r
  彡ゝ `'' "  |ミミミ'       ‐'"ひi,;'´  ,ィ;;ァ'           ~`l |  _,,,_   | |,,,,,_
   '彳`ー‐i  |ミミミ'          `゙ーシ'   |、ニ'             | | ,'r⌒!゙! ..| |⌒','i
 --、/    i  |ミミ         .,,r‐''"   | ノ             | | i i  i l  .| i  .i |
 く'ノ    :i  ミミ         ´  ., '   |'               l l  ゞ_,.'ノ.. .L、-_,'ノ
 、\     .l  ヾ            .ノ(_,,、.   |            (~'-'ノ
 :\ヽ,   ヽ          /   `t‐一'        __   `~~
 ::::ヽ ヽ   `::.       ,; '      .:i          〈  ヽ
 :::::::ヘ ヽ    `::.        ''"⌒゙''一ノ           |   }
 ::::::::::ヘ.ヽ    ヽ、       ` ー'ーノ            !>'⌒ヽ、
 ::::::::::::::ヽヘ     `ー┬‐一;;''""´           /ヽ、 ,  )
 \、:::::::::ヽヽ      /::ヘ ) `゙'ー、_         /:::::::::Τ  ̄ `l
 〃`゙ー、;;;;\\   /i:::::::丿 ' , ' , '`゙ヽ、      /:::::::::::┼‐- -ノ


テクテク

P「美希は本当に真のことが好きなんだな」

美希「そーだよ! だからたとえハニーでも、真くんは譲らないの」

美希「真くんのお嫁さんになるのは、このミキなんだから!」

P「俺と結婚するんじゃなかったのか?」

美希「あ……うぅ……そーだったの……」

P「そもそも真は女だろ? お嫁さんになるって……」

美希「じゃあ、ミキが真くんの旦那さんになるの?」

P「……いや、それもなんか違うな」

美希「王子様の真くんも、お姫様の真くんも、ミキはどっちも好きだけどね!」

P「ま、たしかにどっちもかわいいな」

美希「えへへっ、ハニーもなかなかわかってるってカンジ!」


幼女「ママー、いおりん買って~」

女性「ダメよ。あなた面倒見れないでしょ?」


P「……」

美希「ハニー? 何見てるの?」

P「ああいや、あの子供連れをだな」

美希「子ども……ハッ! ま、まさかハニー……!」

P「いやいやいや! 違うから! そうじゃないから!」

美希「むー……ホントかなぁ……」

P「本当だって……それより、まだ正妻戦争? って続けるのか?」

美希「うん! 真くんを乗り越えたんだから、もうミキに怖いものはないってカンジ」

P「そ、そっか」

美希「ケーキ屋さんにつくまで、話してもいいよ?」

P「うーん……それじゃあ次は……春香かな」

美希「……春香……なかなか手ごわいヨカンがするの……」


【春香と結婚したら……】

P「……」ソワソワ

ガチャ

春香「ただいまー」

P「お、おお! おかえり、春香!」

春香「あっ、プロデューサーさん! 先に帰ってたんですね」

P「ああ……」

春香「えへへ……おかえりなさい」

チュッ

P「ん……おかえりのキス、って、こういう感じでするもんなのか?」

春香「だ、だって……毎回しないと、なんか落ち着かないんですよぅ」


P「そ、それより……どうだったんだ?」ソワソワ

春香「どうだった、って?」

P「おいおい、わかってるだろ? 今日一日、そのせいで仕事に集中できなかったんだぞ」

春香「ちゃんとお仕事しないとダメですよ? やよいたちがかわいそうですから」

P「うん……、まあ、そうなんだが……」

春香「……ふふ」

P「……」

春香「……やっぱり……できて、ました」

P「え?」

春香「……赤ちゃん。えへへ……」

P「! そ、そうか! あはは!」

春香「プロデューサーさん……グスッ……ご懐妊ですよ、ご懐妊……!」


P「いやあ……そっか、そうだったか……!」

P「おめでとう……い、いや、おめでとうってのもおかしいのかな? とにかく俺も嬉しいよ……」

春香「……パパ?」

P「そ、それはまだ気が早いだろ」

春香「でも、これから九ヶ月なんてあっという間ですよっ!」

P「……うん、そうだな」

春香「えへへ……名前、考えといてくださいね?」

P「名前か……ところで、男の子? それとも女の子だったのか?」

春香「それこそまだ気が早いですよぅ。まだ今の時点じゃわかりませんから」

P「じゃあ名前なんて……」

春香「だから、両方考えといてくれればいいんですっ!」

P「あはは……わかったよ。誰からも愛される、素敵な名前を考えておこう」


―――

春香「……あ。今、動いた……」

P「ほ、本当か!?」

春香「あ、ほら、また……プロデューサーさん、来てくださいっ!」

P「どれ……」

ピト

P「……」

モゾ

P「! け、蹴った! 蹴ったぞ! あはは、元気いっぱいだな!」

春香「ふふ、そうですね……」

P「は……はは……」

春香「……プロデューサーさん?」

P「……」

春香「……何を、考えているんですか?」

P「……春香には、隠し事はできないな」


P「俺な……もうすぐ、父親になるってことが……実はまだ、よくわかっていないんだ」

春香「……」

P「今こうして、動いているのを感じて……そこに命があるってことを実感して」

P「そしたら、急に……なんというか、不安になってしまったんだよ」

春香「プロデューサーさん……」

P「……俺、良い父親になれるかな……」

春香「……ふふ、あなたにしては、珍しく弱気ですね?」

P「……」

春香「大丈夫です。私が保証しますよ。あなたは絶対、絶対良いお父さんになれます」

春香「なんて言ったって……私が、こんなに好きになった人なんですから」

P「……それ、関係あるか?」

春香「関係大ありです。元トップアイドルの私が認める、とってもすごい人なんですよ?」

P「あはは……春香、変わったな。なんというか、強くなったというか」

春香「えへへ……。女の子は、あなたが知らないうちにどんどん強くなっていくんですよ」

春香「女子三日会わざれば刮目して見よ! です! ……あれ? 男子だったかな」

呂蒙乙


P「……ごめんな」

春香「え?」

P「いや、不安なのは俺だけじゃないはずなのに……というか、むしろ春香の方がそのはずなのに」

春香「そ、そんなことないですよ?」

P「顔が『のワの』←こんな感じになってるぞ。誤魔化しちゃだめだ」

春香「……えへへ」

P「……お互い、まだまだ、わからないことばっかりだな……」

春香「……あなた……」

チュッ

P「……」

春香「……そうですね……知らないこと、まだまだいっぱいあります」

P「……まるで、初めて会った頃みたいに」

春香「はい……でも、これだけは違いますよ?」

P「え?」

春香「初めて会った頃より、今のほうが……ずっと、ずーっと、あなたのことが大好きなんですから」


P「春香……」

春香「また、一緒に頑張っていきましょう? あの頃みたいな気持ちで、ふたりで二人三脚で……」

P「……ああ!」

春香「そしたらきっと……ううん、絶対。今よりもっともっと、良いことがたくさん待ってるはずですから」

P「そうだな……春香?」

春香「なんですか?」

P「……最近は、なかなか言えなかったけど……」


P「愛しているよ」

春香「……えへへ。私のほうが、愛していますよ……」


おわり

ん?


―――
――


美希「おわりじゃねーの!!」

P「えっ」

美希「勝手におわらすんじゃねーの!!!」

P「み、美希。言葉遣いが荒いぞ……まるで不良みたいだ」

美希「なんなのなの! なんなのなの!!」

P「いけない……美希が我を忘れていらっしゃる……」

焦った


P「どう、どうどう……」

美希「……フー……フー……!」プルプル

P「落ち着け……深呼吸をするんだ」

美希「……し、しんこきゅー……」

P「そう……俺に合わせて……そーれ、ヒッヒッフー」

美希「ひっひっふー……」

P「ヒッヒッフー」

美希「ひっひっふーってこれラマーズ法なの! もう妄想はおわりだよっ!」

P(バレたか……)

美希「うぅー……ねえ、ハニー……」

P「うん?」

美希「だんだん、なんというか……カゲキになってない?」

P「過激って……そうか? 子どもを作る描写もなかっただろ」

美希「? ……よくわかんないけど、イチャイチャしすぎって思うなっ!」


美希「春香に勝ってるとこ……春香に勝ってるとこ……」ブツブツ

P「……」

美希「……転ばないよ?」

P「そうだな……でも、それって勝ってるところなのか?」

美希「うーん……それに、ミキのほうがお洒落さんなの」

P「春香の私服だってかわいいって俺は思うよ」

美希「……」

美希「やっぱりハニーは春香のおなかに子ども作らせたいんだー!!!」

P「!?」

 ざわざわ……

  春香……? 春香ってあの……?

P「す、すいません、違います、違いますから! アイドルの天海春香とは僕たち無関係ですから!」

P「……お、おいおい美希! こんな大通りでそんなこと言うんじゃない!」

美希「ぶー……」プクー


【765プロ事務所】

美希「~♪」モムモム

P「……」

美希「しあ~せなの~……♪」

P「そっか……それは良かった。ほら、ほっぺにクリームついてるぞ」

美希「んー。取ってー」

P「はいはい」

フキフキ

P「……しかし、食べきれるのか? そのケーキの山」

美希「だいじょーぶだよ! 甘いモノはベツバラだから!」

P「明らかに美希の腹より体積多い気がするけど……」

美希「ミキはこう見えてもけっこー大食いなの。貴音には負けちゃうけどね」

P「ははは……」

P(結局、美希の機嫌を直すために、ケーキを山ほど買うはめになってしまった)

P(財布がさみしくなってしまったな……まあ、これで美希が元通りになるなら安いもんか)


美希「ふぅ……おなかいっぱいなの。ごちそうさま、ハニー!」

P「本当に全部食べきりおった……」

美希「そしたらなんだか眠くなってきちゃったの……あふぅ」

P「フリーダムすぎだろ……食べてすぐ寝たら牛になるぞ」

P(というかそもそも、眠れなくなるから付き合えって言ったんじゃ……)

美希「んー……ミキは……食べたらぜんぶ、お肉がおっぱいに行くから……問題ないの……」

トロ-ン

P「……」

美希「ねえ、ハニー……?」

P「なんだ?」

美希「膝枕、して?」

P「……」

P「いいよ。こっちおいで」


ポフン

美希「えへへ……」

P「……」

美希「あったかいね……ねえねえ、ハニー」

P「今度はどうした?」

美希「頭、撫でて? そしたら気持ちよくグッスリなの」

P「……」

ナデナデ

美希「……う~ん……きもちぃーの……zzz……」

P(はええ)


P「……」

美希「……むにゃむにゃ……」

ガチャ

P「!」

律子「ただいま戻りましたー……って、あら?」

P「り、律子……しー、しー!」

律子「……何やってるんですか?」

P「いや、なりゆきというかだな……」

律子「はぁ~……相変わらず、美希には甘々ですね」

P「そんなつもりはないんだが……」

律子「みんな言ってますよ、プロデューサーと美希は仲が良すぎるって」

P「……」

律子「もしかして、付き合ってるんじゃないか、結婚するんじゃないかって」

P「っ!」

律子「なーんて……って、なんですかその表情」


律子「まさか本当に……?」

P「……いや、違うよ」

律子「ふーむ……」

P「ただ、さっき美希とこんな話をしてたんだ。正妻戦争、とか言ってな」

律子「なんですか、それ」

P「いやまあ、俺もよくわかってないんだけどな……」

―――
――


律子「……なるほど。なんといいますか、まあ……」

チラ

P「……」

律子「妄想するのは自由よね、うん」

P(なんか恥ずかしい)


律子「美希も美希だけど、あなたもあなたよね。わざわざ付き合ってあげるなんて」

P「う……」

律子「それで、仕事は終わったんですか?」

P「いや、まだだ……」

律子「だと思った。私も手伝いますから、さっさと終わらせちゃいましょう」

P「……今?」

律子「トーゼン、い・ま・です。美希はそう簡単に起きないんだから、膝枕してないでこっち来てください」

P「……」

ソー……

コロン

美希「ふみゅ……むにゃむにゃ……zzz……」

P「……」

律子「名残惜しそうな顔してないで」

P「そそ、そんなつもりは」


―――

P「……あ、律子。その書類だけど」

律子「え? ああ、そうね。印鑑印鑑……」

P「わるいな」

律子「いえいえ」

P「……」カタカタ

律子「……」カキカキ

律子「……あ、プロデューサー。今度のミニライブですけど……」

P「ん? ああ、アレか。うん、大丈夫だ、ちゃんと先方とも話してきたから」

律子「そうですか」


美希「……」ブルッ

美希「……さ、さむいの……ハニー……」モゾモゾ

美希「って、あれ?」

美希「……」


美希「……」

ソー……

チラ


P「……それでさ……」

律子「……へえ、なるほど……」


美希「……」

美希「なんか、息ピッタリってカンジ」

美希「…………」

美希「ふーんだ」

ゴロン

美希「……ハニーのバカ……」

美希「でもべつにいーの。でこちゃんから奪ったうさちゃんがあるから、寒くなんてないもん」

ギュッ……


美希「……」

コックリコックリ

美希「……なんだか、また眠くなってきたの……」

美希「あふぅ……むにゃむにゃ……」


―――
――



美希(……ミキにはわかるの。ミキは今、夢を見てる)

美希(今日はたくさんハニーとお喋りできたから、夢の中でもハニーが出てきて……)

美希(それで、ハニーってば……夢の中でも、正妻戦争とか言って……)

美希(……それで……)

10分くらい休憩

とりあえず貼っておく

新・保守時間目安表 (休日用)
00:00-02:00 10分以内
02:00-04:00 20分以内
04:00-09:00 40分以内
09:00-16:00 15分以内
16:00-19:00 10分以内
19:00-00:00 5分以内

新・保守時間の目安 (平日用)
00:00-02:00 15分以内
02:00-04:00 25分以内
04:00-09:00 45分以内
09:00-16:00 25分以内
16:00-19:00 15分以内
19:00-00:00 5分以内


【律子と結婚したら……】

律子「……――デューサー! プロデューサー!」

P「ほあ!? あ、ああ、朝か!?」

律子「そーですよ、朝です! いい加減に起きないと、遅刻しちゃいますよ?」

P「う、うん……」

モゾモゾ

律子「ほらほら、シャキっとしなさい。あなたがそんなんだと、みんなに示しがつかないでしょ?」

P「わかったよ……ふわぁ~」

律子「まったく……朝ごはん出来てますから、ちゃっちゃと食べちゃってくださいね」


P「一緒に食べないのか?」

律子「私はもう食べちゃいましたよ。女の朝は準備が山積み、戦争なんですから」

P「……そうか……」

律子「な、なーに? その顔……」

P「いや、もう少しはやく起きればよかったなーって」

律子「……なんで?」

P「そしたら、律子と一緒に朝ごはんを食べられたし……もう少し、ゆっくりできただろ」

律子「……だとしても、ゆっくりしてる時間なんてありませんよ」

P「それでも、五分くらいさ……くっついていられたじゃないか」

律子「……」

P「昨日の夜みたいに」

律子「ば、ばば、バカ言ってんじゃないの!」

律子「もー……まだ夢の中にいるんじゃないの……」カァァ


P「さて、それじゃあそろそろ行こうか」

律子「ええ」

ガチャ

律子「あ……プロデューサー」

P「ん?」

律子「……ネクタイ、曲がってますよ」

キュ、キュ

P「ああ、悪いな」

律子「ちゃんとカッコつけてくださいね」

P「な、なんだよカッコつけるって……」

律子「あなたがカッコ悪いと、みんなやる気でないんですから」

P「……そーいうもんか?」

律子「そーいうもんです。はい、出来上がり!」

ポンポン


テクテク

律子「……こうして、あなたと一緒に出勤する日が来るなんて、前までは思ってもいなかったわ」

P「どうしたんだ、いきなり」

律子「……」

P「律子?」

律子「朝起きて、夜寝て……仕事中も、四六時中一緒ってわけじゃないけど……顔を合わせられて」

律子「……私、今の生活がとっても幸せなんです」

P「……」

律子「あの……それ、だけ……」

P「……らしくないじゃないか」

律子「……そーよ、今日の私はいつもの私らしくないのよ……」

律子「だから……」

ギュッ

P「!」

律子「……こうして、手をつなぐことだって、出来ちゃうんです」


P「何かあったのか?」

律子「……あえて何があったのかといえば、昨日ね」

P「昨日?」

律子「昨日、あなたがあんなにするから……それで、今朝もあんなこと言うから」

P「あはは……」

律子「あの……プロデュ……じゃなくて……あなた?」

P「うん?」

律子「……私、普段はあんまり、こういうの得意じゃないから……言えないけど」

P「……」

律子「あなたが言ってくれるように、私だって……あなたのことを想っています」

P「律子……」

律子「だ、だから……!」


律子「うぅー……だ、だから……」

P「……」

律子「……明日からは、もう少し……」

律子「早起き、しましょうか……」モジモジ

P「!」

律子「……あーもう……なんでこんなこと……」

P「……律子」

律子「は、はい!? なーに、へんだって言いたいんでしょ!?」

P「そんなつもりはないよ」

律子「じゃ、じゃあ何を……」

P「……今日はこのまま、手をつないで事務所まで行こうか」

律子「! な、なんで……?」

P「そういう気分なんだよ。いやか?」


律子「いやとか、そーいう問題じゃ……み、みんなに何を言われるか」

P「言わせておけばいいさ。結婚してるのはみんな知ってることなんだから」

律子「……本気?」

P「本気だよ。見せ付けてやろう」

律子「……」


律子「……わ、わかりました……」


―――
――



美希「そんなのってないの!!!!」ガバッ

P・律子「「!?」」


美希「ハニー!!」ドタドタ

P「お、おはよう美希」

美希「おはようございますなの! それよりも~……!」

律子「どーしたのよ、血相変えて……」

美希「むぅ……律子っ!」

律子「さんを付けなさい」

ペシッ

美希「あうっ。……律子……さん……」

律子「よろしい。で?」

美希「で? ってなに?」

律子「なにか、この人に言いたいことがあったんじゃないの?」

美希「あっ、そーだったの! ハニー!」

P「な、なんだよ」

美希「律子……さんとイチャつくのはいい加減にして欲しいって思うな!」

P・律子「「……は?」」


美希「律子さんも律子さんなの……ミキがハニーのこと好きって知ってるのに、手なんてつないで……」

律子「ちょ、何言ってんの!?」

美希「ミキ見たもん! あれでしょ、コイビトつなぎって言うんだよ! 指と指を絡ませて……やん」

律子「勝手に言って勝手に照れてるんじゃないわよ……」

P「……なあ、美希。それなんの話だ? 本当に心当たりがないんだけど」

美希「むむ。ハニーも誤魔化す気?」

P「とは言っても……なあ、律子?」

律子「え、ええ。そんなのまったく記憶にないわ」

美希「それなら教えてあげるよ! だってだって、さっき夢の……中……で……」

美希「……」

P「……」

律子「……」


美希「夢だったの。あは☆」


律子「そんなこったろーと思ったわ……」

美希「正直スマンカッタと思ってるの」ニコニコ

律子「本当かしら……あーもう、憎ったらしいわねこの顔」

プニプニ

美希「いひゃいの~……」

P「おいおい律子、あんまり美希をいじめるなよ」

律子「あなたは美希に甘すぎですっ!」

美希「えひぇひぇ……」ニコニコ

律子「……美希、さっきからなんで笑ってるのよ」

美希「と、とにかくはにゃして欲しいって思うな……」

律子「はいはい」パッ

プルン

美希「あふぅ。……えっとね。夢だったから嬉しいんだ」

律子「……なにそれ?」

美希「律子さんとハニーが仲良かったのが、ホントのことじゃなかったから……だから、嬉しいの」


P「美希……」

美希「でもでも、そこでユダンするミキじゃないよ? ハニーは渡さないんだから!」

ギュー

P「……」

美希「あれ? いやがらないの? もしかしてもしかして、ついに想いが通じた!?」

P「調子に乗らない。……ま、今だけな」

美希「今だけでも嬉しいの~……♪」

スリスリ

律子「……まったく、あんたには敵わないわね」

美希「? それってどーいう意味?」

律子「なんでもないわ」


律子「あんたの素直さがたまに羨ましいわね……」

美希「あは♪ 律子……さんも、素直になったときはカワイイのに」

律子「んなっ……どこで見たのよそんなの!」

美希「夢の中だよ」

律子「……はぁ……」

美希「それよりハニー、お仕事おわったの?」

P「ん、ああ。律子が手伝ってくれたおかげでこの通りな」

美希「それじゃあそれじゃあ、一緒に帰ろ! 律子さんも!」

P「……だそうだ」

律子「……私は遠慮しておくわ」

美希「え~。なんでー?」

律子「もうおなかいっぱいで砂糖吐きそうなのよ。だからもう、ひとりにしてちょうだい」

美希「律子さんお砂糖出せるの!? スゴイね! ずっとずっと甘いモノ食べられるの!」

律子「……まったく、素直なのかただのおバカさんなのか……」


美希「それじゃあね、ばいばーい!」

律子「はいはい。また明日~」

バタン


P「……なあ、美希」

美希「なあに?」

P「……帰りに、ご飯でも食べていこうか」

美希「えっ、いいの!?」

P「ああ。まあ、ケーキ食ったあとだから入らないかもしれないけど」

美希「んっふっふー! 甘いモノはベツバラって言ったでしょ?」

美希「ミキの胃袋は宇宙なの。おにぎりならまだまだ入るよ!」

P「ははは……というか、その笑い方、気に入ったのか?」

美希「うん! それに亜美たちの出番はないっぽいからね。んっふっふ~」

P「?」


美希「ハニー、なんかいつもより優しいね?」

P「そうか?」

美希「そうなの。いつもだったら、寄り道せずにまっすぐ帰りなさいって言うのに」

P「……まあ、今日だけな」

美希「今日だけでも嬉しいって思うな……」

P「……」


P(……今日色々と美希と話していて、嬉しい気持ちを感じなかったわけじゃないからな)

P(まあ、少しだけ、だけど……)

P(それに、もう……この子の涙は見たくはないし。だから……自然と、優しくなってしまうのかもしれない)


P「……なーんて、言ってやらないけどな」

美希「なんの話?」

P「こっちの話だ。なんでもないよ」


―――

美希「送ってくれてありがとね、ハニー!」

P「いいってことさ。気をつけて帰るんだぞ?」

美希「あは、ハニーってばおかしーの。もう玄関だよ?」

P「うぐ、ま、まあそうだけど……」

美希「……泊まってく? えへ」

P「バカ言ってんじゃないよ。親御さんもいるのに」

美希「いなかったらオーケーみたいな言い方だね?」

P「……」

ペシッ

美希「あうっ。三時間ぶり二回目のチョップなの……」

P「……それじゃあな。おやすみ」

美希「うんっ! おやすみなさいなの!」


P「さて……俺も帰ろうかな。車の鍵車の鍵、っと……あったあった」

ガチャ バタン

P「……」

チラ

美希「……」フリフリ

P「……」

……プルルル

美希『はいなの! もしもしハニー、どーしたの?』

P「いつまでも手を振ってないで、家の中に入りなさい」

美希『でもでも、ハニーをお見送りしたいんだもん』

P「……」

美希『あ……ダメ、だった?』

P「いや……そういうわけじゃないんだけどさ」


美希『あは! それなら、問題ないね♪』

P「……美希が帰るまで、俺は動かないぞ」

美希『ミキだって、ハニーが車出すまではここを動かないの』

P「……」

美希『……』

P「……わかったよ」

美希『!』

P「美希を風邪引かせるわけにはいかないからな。俺はもう行くよ」

美希『う、うん……』

P「じゃあ、今度こそ……おやすみ、美希」

美希『……おやすみなさいなの……』


P「……」

美希『……』

P「……最後に」

美希『え? な、なになに?』

P「今日色々と話をしてさ……それでいま、なんとなく思ったんだ」

美希『……?』

P「将来、美希と結婚して……それで旦那さんになる人は、幸せだなって」

美希『!』

P「うん、まあ……ありていに言ってしまえば、羨ましくもあるよ」

美希『そ、それって――

ピッ


P「よーし、帰るか」

ブロロロ……


美希「なんなのなの! なんなのなの!!」プンプン

少しコーヒー休憩
そのあと二日目を書いてく


【翌日 765プロ事務所】

P「うーん、今日も良い天気だ。さてと……」

ガチャ

美希「……おはようございますなのー……」

P「おはよう、美希。……どうしたんだ、その顔」

美希「あふぅ……寝不足ってカンジ」

P「昨日あれから、すぐ寝なかったのか?」

美希「うん……7時間しか眠れなかったの……」

P「……ま、まあその量が多いか少ないかはともかく。一体どうして?」

美希「どうしてってそんなの決まってるの!」

美希「ハニーが昨日、あ、あんなこと言うから……!」

P「……あんなのことって?」

美希「……もーいいの! ふーんだ」

P(顔が赤くなってる)

P(こんなに照れる子だったっけかな……かわいい)


美希「ねえねえ、今日のお仕事はなあに?」

P「えっと、今日の美希は……あずささんと一緒に、ラジオの収録だな」

美希「あずさと!? やったやったやった~♪」

P「嬉しそうだな。まあ、そういえば美希はあずささんのこと大好きなんだっけ」

美希「うんっ! ミキのお姉ちゃんだよ」

美希「いつもは竜宮小町があるから一緒にいられないし、こーいうときに会えるのは嬉しいの」

P「それは何よりだな。……よし、それじゃあ行こうか!」

美希「えっ、もう?」

P「ああ。まだ収録まで十分時間はあるけど……それとは別に、仕事があるから」

美希「……?」

P「あずささんを発見するという大仕事がな……」

美希「なるほどなの……」


  クエックエックエックエ……

 バサ…… グサッ

        ウオォオオ……!

美希「……」

P「はい、はい……え!? さっき言ってたのと居場所が……この短時間でどうやって……!?」

美希「……」

P「……わ、わかりました、そういうことなら……。絶対にそこを動かないでくださいね!」

ピッ

美希「……見つかったの……?」ゲッソリ

P「ああ……」

美希「ね、ねえハニー……ここどこ?」

P「群馬だ」

美希「……」

先住民「……」ギロ

美希「……も、もう行こ! ここ、なんか怖いの!」


―――

ブロロロ……

P「……ふぅ……。ようやく都内に戻ってきたぞ……」

美希「まさかあんなことになるとは思ってなかったの……」

美希「ハニー、服どうするの? パンツとシャツしか着てないけど」

P「あずささんと合流したあと、一回事務所に戻るよ」

美希「そっか……ごめんね……ミキを守るために……」

P「プロデューサーとして、当然のことさ」

美希「……ハニー……」

美希「えへへ……やっぱりハニーは、ミキの王子様なんだね」

P「どうした、突然?」

美希「ううん、なんでもないの……でももう、昨日のことは許してあげる」

P「……そっか」


ブロロロ……

プスンプスン

P「うう……新車だったのに……もうガタがきてる……」

美希「……ねえねえ!」

P「ん?」

美希「昨日の続き、して?」

P「続きって……正妻戦争ってやつか?」

美希「うん! 今のミキなら、なんだって乗り越えられる、そんな気がするの!」

P(昨日もそんなこと言って、途中から我を忘れてた気がするけど……)

P「……まあ、美希がそう言うなら。あずささんのいる場所に着くまで、まだ時間あるしな」

美希「それじゃあ、お願いしまーす♪」

P「そうだな……それじゃあ、ちょうど今話題になってる、あずささんかな」


【あずささんと結婚したら……】

あずさ「……それで、そのとき春香ちゃんったら……ふふっ」

キーンコーンカーンコーン

あずさ「あら? あの学校のチャイムが鳴って……まあ大変! もうこんな時間だわ」

あずさ「もうお昼休みも終わりじゃない……」

スッ

あずさ「……プロデューサーさん……」

あずさ「また、来ます」

あずさ「ふふっ、今度はどんなお土産がいいですか?」

あずさ「あなたの大好きだった、コーヒー? それとも……」

あずさ「……」

あずさ「……そう、ですね。あなたなら、きっと……こう言ってくれますよね」

あずさ「私が来てくれるだけで、十分だ、って……」

あずさ「……」


テクテク

お婆ちゃん「……おや、またあんたかね」

あずさ「あら、おばあちゃん。お元気そうでなによりです~」

お婆ちゃん「あっはっは! 元気なのはいいけど、いい加減に迎えに来てほしいもんだね」

あずさ「もう、またそんなこと言って……」

お婆ちゃん「もうこの年になったらね、天国のジイさんに会いにいけることが一番の楽しみなんだよ」

あずさ「……」

お婆ちゃん「……あずさちゃんは、まだ違うけどね。でもだいぶ顔色もよくなったみたいで、アタシも嬉しいよ」

あずさ「……もうあれから、随分、経ちましたから……」

お婆ちゃん「……旦那も幸せだろうね。こんなに若くて綺麗なお嫁さんに、ここまで想ってもらえるんだから」

あずさ「ふふっ……」


ブォー……


あずさ「……」

あずさ「……プロデューサーさん……」


あずさ「ふふっ、なんだか思い出してしまいますー」

あずさ「あの頃のあなたは、いつもハラハラした顔で……私の手をにぎっていてくれましたよね」

あずさ「あずさが迷子にならないように、って……」


カンカンカンカン……


あずさ「……」

あずさ「……電車……」

あずさ「踏み切り……」


あずさ「……――っ!」


ガタンガタン……

  ガタンガタン……


あずさ「……っ……。はぁ、はぁ……」

ドックン、ドックン

あずさ「……」

ギュッ

あずさ「う、うぅ……」

あずさ「……どうして、あなたは……ここにいないんですか……!」

あずさ「私は……いま……こんなにも……!」

プルルルル

あずさ「……」

プルルルル

あずさ「……電話? 誰からかしら……」


律子『……あずささん! 今どこですか?』

あずさ「その声は……律子さん?」

律子『そうです、律子ですよ。家にいってもいないから……』

あずさ「……すみません、でも、今戻っているところですから」

律子『……迎えにいきます』

あずさ「ええ? でも、もうすぐそこよ?」

律子『だとしても……お願いです、わかってください』

あずさ「……」

律子『私だって、もう……目を離した隙に誰かがいなくなってしまうのは……いやなんですよ』

あずさ「……わかりました。それじゃあ……、お願いします」


―――

あずさ「……」

律子「……行きましょう」

あずさ「ええ……」

ギュッ

あずさ「手をひっぱってもらわなくても、いなくなったりしないわよ?」

律子「……」

あずさ「……そう、ですね。ごめんなさい」

律子「……」

あずさ「……律子さん」

律子「なんですか?」

あずさ「……ありがとう……」

律子「……これくらい、お安いごようです」


あずさ「……いつも、こうして歩いていたんです」

律子「え?」

あずさ「プロデューサーさんに、手をつないでもらって……」

あずさ「私たちの居場所……765プロへと続く、この坂道を……」

律子「……そう、ですか」

あずさ「ふふっ……それで、ひとりだと、どうしても思ってしまうんです」

あずさ「この坂道を登るたびに……あの人がすぐ、隣にいるように……」

律子「……」

あずさ「……律子さん、私はいま――


―――
――



美希「いい加減にして欲しいの!!!」

P「うえっ!? な、なんだよ、まだ途中だろ? ここからあずささんのアイドル復帰までの道のりをだな」

美希「そこまで凝ってたの!? 妄想でも、して良いことと悪いことがあるって思うな!」


美希「うぅ……グスッ……」

P「美希……」

美希「な、なんでハニーが死んじゃってるのー……」

P「いや、深い意味はないんだけど……あずささんにはそういうの似合うかなって……」

美希「深い意味もなく勝手にいなくなっちゃダメなのっ!」

P「……すまん」

美希「謝って!」

P「ごめん……反省してるよ。妄想でもちょっと、やりすぎた」

美希「そうじゃないの! ミキじゃなくて、あずさに謝って!」

P「え?」

美希「だ、大好きな人が突然いなくなっちゃったら……そんなの、想像するだけで、や、なの……」

P「……」

美希「だから……」

P「……ああ、わかった」

P(俺としたことが……また、美希を泣かせてしまった……)


―――

あずさ「……あ、プロデューサーさん! すみません、またご迷惑……を……」

P「あずささん……」

あずさ「……ず、随分、ワイルドな格好ですね? 何があったんですか~……?」

P「いえ、大したことではありませんから。すみません、下着一丁で」

あずさ「い、いいんですけれど~……」

美希「……」プンプン

あずさ「美希ちゃんもなんだかご機嫌ナナメみたいだし……」

あずさ「んー……何がどうなって……?」

P「そんなことより、あずささん!」

あずさ「は、はい!」

P「申し訳ありませんでしたっ!」

あずさ「……え~……?」


P「俺、勝手にいなくなったりしませんから!」

あずさ「……? い、いつもいなくなるのは、私のほうじゃ……」

P「いいえ、俺なんです! 俺があのとき……!」

美希「うぅ……グスッグス……」

P「……もうあなたをひとりにはさせて、悲しい思いをさせたりしませんっ!」

あずさ「え、ええ!?」

P「ずっと目を離さずに、あなたのことを見守っています!」

あずさ「ちょ、ちょっと……突然なにをおっしゃるんですか!?」

美希「ミキもなの! ずっとずっと、あずさのそばにいてあげるからね!」

ギュー

あずさ「美希ちゃん……」


P「すみませんでした……っ!」

美希「あずさ……ハニーもこう言ってるから、ここはどうか許してあげて欲しいの……」

あずさ「……」

あずさ「な、なんだか、よくわからないですけれどー……」

あずさ「でも……」


P「あずささん……!」

美希「あずさ……」


あずさ「……ふふっ。大丈夫ですよ、ふたりとも」

あずさ「私たちが離れることはありません。だって……」

あずさ「私のことを想ってくださっている気持ちは……、痛いほど、この胸に伝わりました」

あずさ「そして……それは、私だって、同じ気持ちなんですから」

あずさ「……ありがとう」


―――

P(……それからしばらく、俺と美希は大いに泣いていた)

P(あずささんは、どこか不思議そうな表情をしていたけど……俺のことは、許してくれたみたいだった)

P(……あれ?)

P「な、なんで謝ってるんだっけ……」

P「こういう方向のあれだったっけかな……」


美希「うわぁ~ん!!」

あずさ「よしよし……」


P「でも……まあ、いいか」

P「どんな方法であれ、俺達の絆はより深まったみたいだからな」

P「さあ、仕事だ仕事……うん、気を取り直そう」


美希「それでね、正妻戦争ってのは……」

あずさ「まあ、そんなことを~……ふふ。プロデューサーさん?」

P「な、なんですか?」

あずさ「私のことは、どんな新婚生活を描いてくれたんですか?」

P「!!!」

あずさ「憧れるわ~……やっぱり結婚は、女の夢ですから」

あずさ「私もいつか、運命の人と出会って、それで……ふふ、ふふふ♪」

P「……」

あずさ「もしかして、あんな感じ? それとも……ふふっ♪」

美希「……」

あずさ「……あら?」

P「すみませんでした」

あずさ「ええ?」

P「言えないです、すみません。でも、いつか必ず……」

美希「こればっかりはミキにもなんとも言えないの……」


―――

P(色々とあったが……何はともあれ、ふたりはラジオ収録の仕事に行ってくれた)

P(今日がテレビの収録とかじゃなくて良かったな……美希の目、真っ赤だったから)

P(そして俺はいま、局のロビーで暇を潰しているところである)


千早「……あ」

P「ん? おお、千早じゃないか!」

千早「ふふ、おはようございます、プロデューサー」

P「こんなところで、奇遇だなあ! あっはっは!」


P(事務所以外でちーちゃんに会えたぞっ! なんてツいてるんだ俺は!)

P(ひゃっほう!)


千早「今日は、ラジオですか?」

P「うん、美希とあずささんのな。えっと、千早もそうだったっけ?」

千早「ええ。……というか、これだってプロデューサーが取ってきてくれた仕事じゃないですか」

P「そうだったそうだった! あっはっは!」

千早「ふふ……プロデューサーは、いつも元気ですね」

P「それは君の前だからだよ!」

千早「え?」

P「千早を目の前にしたら、気分も高まるってもんさ!」

千早「そ、そういう冗談はよしてください! 私、そういうの慣れてないから……」

P「冗談なんかじゃないぞ! 俺は本当に……」

千早「ほ、本当にやめてください! もう……いつもこうなんですから」モジモジ


P(出た! 両手の人差し指と人差し指を合わせてモジモジするポーズ!)

P(俺はこの照れ千早が特にお気に入りなのである!)

P(やっぱり千早はかわいいなあ!)


P「それでな、あのとき美希ったらさ……」

千早「……プロデューサーは」

P「ん? どうした?」

千早「前々から思っていましたけど……随分美希のこと、気に入ってるんですね」

P「ああ、そりゃまあな。美希は良い子だし、素直だし」

千早「……」

P「お、おい、千早?」

千早「……す、素直なほうが、好きなんですか?」

P「え? うん、まあそうかな……」

千早「そうですか……まあ、なんでも、いいですけれど」

P「それがどうしたんだ?」

千早「……いえ」プイ

P「……?」

千早「じゃ、じゃなくて……そっぽ向くのは違うわ……」ブツブツ

P(なんだかよくわからないけど……、良いな、今の仕草)


美希「……」ジー

P「でさ、さっきの話の続きだけど……」

千早「……あら? ふふ、プロデューサー?」

P「今度はどうした?」

千早「……いえ、なんでもないです。それで、美希がどうしたんですか?」

P「ああ、それがさ。いきなり正妻戦争なんて言い出して……」

美希「……」ジー

千早「正妻戦争? なんですか、それ」

P「なんでも、美希いわく、俺のことを気に入ってる女の子は何人もいるらしくてさ」

P「まあ、そんなことないとは思うんだけどな。それで……」

千早「……なるほど……ふふ、ふふふ!」

P「さ、さっきからどうしたんだよ? 突然笑ったりして」

千早「……プロデューサー、後ろを見てください」

P「え?」クルン

美希「うりゃあ! なの!」ブスッ


P「目があああ! 目があああ!」ゴロゴロ

美希「ハニーってば、千早さんと仲良くしすぎって思うな!」

P「そ、その声は……美希か!?」

美希「そーだよ! ミキなの!」

千早「おはよう、美希」

美希「えへへ、おはようなの、千早さん」

千早「大丈夫かしら、プロデューサー……」

美希「ふーんだ」プイ

千早「……美希? ちょっと耳を貸して」

美希「なあに?」

千早「……私はさっき気付いたんだけど――

P「あああああ」ゴロゴロ

千早「ちょっと静かにしてください」

>>1こんな夜遅くにお疲れ様です
りつまこ好きすぎて幸せでした・・・睡魔に負けそうです今のうちに志宴。
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org3479316.png
皆とても良い子だから、まさに戦争になるよねコレは。


P「ひどい……」メソメソ

千早「……ごほん!」

千早「それでね。私はさっき、あなたがここにいることに気付いたんだけど……」ヒソヒソ

美希「ふんふん」

千早「……美希は本当は、いつからいたの?」

美希「……けっこー前からなの」

千早「やっぱりね……」

美希「知ってたの?」

千早「いいえ、そういうわけじゃないけど……なんとなく、かしら」

美希「……」

千早「それじゃあ、プロデューサーがどんな話をしてたかも、聞いてたわよね?」

美希「! そ、それは……」

千早「……ほとんどが、あなたの話よ。だから照れくさくて、出てこれなかったんでしょう?」

美希「……」

美希「…………はいなの」


美希「千早さんはなんでも知ってるんだね……」

千早「ふふ、なんでも知っているわけじゃないわ。知っていることだけ」

美希「それはどっちかというとミキのセリフだって思うな! ブレイク的に考えて!」

千早「なにを言っているの……?」

美希「……さあ?」

千早「……とにかく。照れ隠しで目潰しなんて、少し過激すぎるわ」

千早「ちゃんと、プロデューサーに謝りましょうね」

美希「……うん」


P「ふう……ようやく視界が戻ってきたかな……」

シパシパ

美希「ハニー」ズイ

P「どわあ!? み、美希!? 近いって……」

美希「ごめんね……ミキ、ちょっとカゲキすぎたの」

P「え? ああ、目潰しのことか」

美希「うん……目、見える?」

P「……大丈夫だよ。それに、亜美たちにいつもやられて慣れてるからな!」

美希「……」

P「……心配するなって。でも、理由を聞かせてくれないか?」

美希「……えっとね……」


美希「ハニーが千早さんと仲良さそうにしてるのを見て……ちょっと、モヤモヤしたんだ」

P「……それならそうと、最初から普通に出てきてくれればよかったのに」

美希「でもでも、ハニーはその……ミキのこと、いっぱい話してくれてたから……」

美希「なんか、ずっと聞いてたくなって……」

P「……」

美希「それでもモヤモヤは止まらなかったの。でも、聞いていたかったの」

美希「だから、それでね……よくわかんなくなっちゃって」

美希「ミキの胸のあたりが、ぐるぐるきゅーってなっちゃって……」

P「それで、ついつい目潰しを?」

美希「そうなの、ついつい……」

P「そうか……それなら仕方ないな」

千早(ついついで済まされることなのかしら)

読んで追い付いた!…描くと疎かになって辛い。
皆 良妻過ぎるだろ…年少組の方も将来性有望だろうし。
2828しますなあ


美希「……ねえ、ハニー」

P「ん?」

美希「あのね……ハニーって、千早さんのこと、好きなの?」

P「当たり前だろ。昨日も言ったようにだな……」

美希「みんなのこと好き、ってこと?」

P「ああ、そうだよ」

美希「……それにしては、トクベツお気に入り、ってカンジ」

P「……もしかして、嫉妬してるのか?」

美希「……そーだよ! 千早さんにハニーを取られるのが、や、なの!」

P「ははは……そんなことはないって」

美希「え……?」

P「たとえ仮に、俺が千早のことを特別気に入ってたとしたって……」

P「相手はあの千早だぞ? 俺のことなんか眼中にないさ」

美希「そうかな……」

千早(あの、私ここにいるんですけれど……なんてリアクションしたらいいのよ、もう……)


P「まあ……千早がかわいいっていうのは否定しないけどな」

美希「!」

千早「!」

P「なんなら、千早への想いをここで熱く語ったいい」

千早「い、いや、その流れはおかし

美希「そ、それは……」

P「……なんてな。さすがにそんなことしないよ」

千早「……」

美希「……いいよ」

P「え?」

美希「千早さんとのこと、ここでミキに話してくれてもいいよ」

美希「それでも、ミキは……ハニーのこと、好きな気持ち、変わらないから」

美希「それで、ハニーに知って欲しいの。ミキの気持ちの強さを……」

P「美希……わかった」

千早(どうしましょう……なんだか大変なことに……)

少し休憩します
>>377ありがとう、嬉しい 一万回保存したわ


【千早と結婚したら……】


ちゅ、ちゅ……


千早「……んっ……」

P「……」

千早「……はぁ、はぁ……」

千早「ぷ、プロデューサー……!」

P「……」

千早「……お、お願いです……もう……――っ!」


千早「ぷろでゅーさぁー……」

P「……おや? なんか、聞こえたような……」

千早「まだそうやって……はぁ、はぁっ……!」

P「おかしいな……ここには俺以外、『人間』はいないはずなんだけど」

千早「……うぅ……」

P「……」

ずんずん ずんずん

千早「……あうっ……!」

P「……」

千早「……わ……」

P「ん?」

千早「……」


千早「……もっと……優しくして欲しい……わん」


P「……ま、次第点ってところかな」

千早「あ、ありがとうございます……わん」

P「本当は……フンッ」

千早「っ!!」

P「人の言葉を少しでも話すのは……NGなんだけどっ!」

千早「くぅ……!」

ずんずん♪ ずんずん♪

千早「あぁっ……」

P「こうなっちゃ、難しいだろうからな」

千早「ふぅ……んっ……ふぅ……」

P「しかしなんだな、千早からこういうのを望んでくるとは思わなかったよ」

千早「……ぁ、あ……!」

P「結婚するまで知らなかったが……千早はとんだド変態だったみたいだな」

千早「」ゾクゾク

千早「ご、ごめんなさい……ふふ、ふふふ」


P「なにを喜んでるんだ? それに、その言葉……」

千早「っ!」

P「……ま、千早がそういう態度なら、俺もやめたっていいんだけど」

千早「ごめんなさいっ! ……じゃ、じゃなくて……っ」

千早「ワンッ! わんわんっ! ハッハッハッハ……」

ダラー

P「……よだれ垂らして。そんなに続けたいのか? この雌犬め……」

千早「」ゾクゾク

千早「ハッハッハッハッハッハッハ……!」

P「……まあ、しつけるのも飼い主の仕事だからな……」

千早「! ぷ、プロデューサー……」

P「ん? プロデューサー? おかしいな、喋ってもいい人間の言葉はひとつだけだったのに」

千早「…………」


千早「……ご主人……様……!」


―――

千早「……ふう。ありがとうございました。とても良かったです……」

P「あ、ああ……もういいよな? 普通にしても……」

千早「ええ」

P「良かった……さすがに、ああいう演技には自信がないからなぁ」

P「それじゃあそろそろ、寝ようか……」

千早「何を言っているんですか?」

P「えっ」

千早「明日はお休みでしょう? まだまだ、夜はこれからですよ」

P「ちょ、そんな……もう、弾切れ……」

千早「……そんなこと言って……」

P「っ!」

千早「……ふふ。まだ、頑張れますよね?」

P「……はい……」


P「……あ、そこは……無理無理無理、こわい」

千早「……」

P「き、汚いって……!」

千早「……この体に、汚いところなんてないですよ……」

P「ああんっ!」

千早「ふふふ……、いつもと、立場が逆ですね」

P「え……? ぎゃ、逆って……!?」

千早「とってもかわいいです……あ・な・た」


―――
――



P「……てな感じで、どうかな? こういう新婚生活も……」

美希「」

千早「」

P「……あれ?」


美希・千早「「……」」

P「……えーっと……」

P「!」

P(しまった! 昨日までのことを忘れたのか、俺!)

P(美希は……『夜』といっても、一緒にオヤスミするくらいの認識しかない、純粋無垢な子だったのに!)

P「あ、あのな、美希……」

美希「……」

P「今のは、つまり……うまく説明できないんだけどさ」

美希「知りたくないの……それを知っちゃったら、ミキ、汚れちゃう気がするの……」

P「そ、そうか……」

千早「……」プルプル

P「……千早?」

千早「……――しは」

P「え?」

千早「私は! 新婚早々じゃ、犬プレイなんて望みませんからっ!! 勘違いしないでくださいっ!!!」


千早「そういうのはもっとこう、段階を踏んで……!」

P「わ、わかったわかった! すまん、少し過剰に表現しすぎたよ」

千早「……わ、わかればいいんですけれど……」

P「……」

千早「……」

美希「……」


P「!」

千早「!」

美希「?」


千早「ち、違います! そそ、そうじゃなくて……そういうことが言いたかったんじゃなくて」

P「へえ?」

千早「あのっ、だから……な、なんてことを想像するんですか! 失礼です、セクハラですよっ!?」

P「そうだな……ふふ」

千早「ほ、本当にわかってるんですか!? その笑顔をやめてください!!」


美希「千早さん、ぷりぷりしながらどっか行っちゃった……」

P「少しやりすぎたかな……」

美希「もう、ハニー? あんまり千早さんを怒らせたらダメだよ?」

P「ああ……反省してるよ。ふふ」

美希「……なんかね。よくわかんないんだけど……」

P「ん?」

美希「ハニーの話を聞いてると、なんかこうね……体がポカポカしてきたの」

P「……」

美希「ねえ、ハニー……これって、なんかの病気なのかなぁ……?」

チラ

P「……っ!」


P(かわいい)

P(上目遣い 言ってる言葉 信じられん かわいい)

P(……くそっ、誰に教わったんだこんなテクニック!)


P「……と、とにかく事務所に帰ろうか」

美希「うん……」

P「そういえば、あずささんは?」

美希「竜宮小町でレッスンがあるからって、さっき律子……さんに連れてかれちゃったよ」

P「そうか……」

美希「……あのね、ハニー」

P「ど、どうした?」

P(いけないいけない、さっきの美希の仕草を見てから、少し平常心じゃいられなくなってるぞ)

美希「……ミキ、さっきのハニーの話、半分くらいしかわかんなかったけど……」

P「半分?」

美希「うん。千早さんが犬になりたいってことくらい」

P「……まあ、その認識で合ってるよ。千早は犬になりたがってる、間違いない」


美希「えっと、半分くらいしかわかんなかったけど……」

美希「でも、ハニーが千早さんのことお気に入りってことは、やっぱりわかったの」

P「……」

美希「……それでもね」

P「うん……」

美希「ミキは……ハニーのこと、だいすきだよ」

P「っ!」

美希「……そ、それだけなの! も、もう帰ろっ!」

P「……」

ドキドキ


P(……やばい)

P(今のは……やばかった……)

P(というか、もしかして、俺はもう……?)

これは、セイバールートだったか・・・スレタイからそうなのかなって。
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org3479408.png


【765プロ事務所】

ガチャ

美希「ただいまーなのー!」

小鳥「あら、お帰りなさい美希ちゃん。プロデューサーさんも……」

P「ただいま戻りました。変わりないですか?」

小鳥「ええ、特に問題ありませんよ。……でも、強いて言うとすれば」

P「え?」

小鳥「千早ちゃんが真っ赤な顔して帰ってきて、そのままウロウロしてすぐ帰宅したってことくらいかしら」

P「あはは……」

小鳥「なにかあったか、ご存知ですか?」

P「い、いえ! なにも知らないです!」

小鳥「ふーん……?」


美希「ねえねえ小鳥。正妻戦争って知ってる?」

小鳥「え? 制裁戦争……? な、なんだかこわい響きね」

美希「えー。こわくなんかないよ! ね、ハニー!」

P「うん、まあ……そうだな」

P(これのせいで何度か寿命を縮む思いもしたけれど)

P「……たぶん、音無さんは勘違いしてるんです。制裁じゃなくて、正妻」

小鳥「……正妻」ピク

美希「そーなの! ……あ、でも、ミキが考えた言葉だから、小鳥は知らないよね」

P「おお、自分でそのことに気付けたか! えらいぞ、美希」

美希「えへへ……」

小鳥「ちょっと詳しく聞かせてください」ズイ

P「えっ」

小鳥「ね、ね」ズイズイ


小鳥「……なるほど、そんなことが……」

P「まあ、美希の遊びに付き合ってるだけですけどね」

美希「むー! 遊びなんかじゃないよ! ミキ的には、けっこーシンケンなんだから!」

P「あはは、わかってるわかってるって」

小鳥「そ、それで……今まで、誰について話したんですか?」

P「な、なんだか随分食いつきがいいですね」

小鳥「あら、やだ私ったら……」

美希「えーっとね、今まで話したのは……」

・雪歩
・響
・真
・春香
・律子……さん
・あずさ
・千早

P「……あれ? 律子について言ったっけ?」

美希「? 夢の中で、ちゃーんと聞いたよ?」

P「そっか……それならそうなんだろうな」


P「残るは、貴音だけですね」

小鳥「えっ!!?」

P「だってそうでしょう? 中学生組と結婚する妄想なんて、出来ないですから」

小鳥「そ、そりゃそうかもしれませんけど……そうじゃなくて」

美希「?」

小鳥「……誰か、忘れていませんか? 合法な年齢で、まだ言っていない人を……」

P「それが、貴音でしょう?」

美希「そーなの」

小鳥「……」


美希「ねえねえハニー。せっかくだから、今話してよ。貴音のこと」

P「ええ? 突然だな」

美希「でも貴音なら、今までの……んーっと……」

美希「真くんや春香、あずさ、千早さんのに比べたら……、たぶんマシだって思うの」

P「ふーむ……」

小鳥「……」

P「……音無さんもいるのに? なんだか恥ずかしいな」

美希「千早さんの目の前で話したハニーの言うセリフじゃないって思うな」

P「ははは、まあそりゃそうか!」

小鳥「いーんです……どーせ私なんて……」シクシク

P「それじゃあ……貴音か……そうだな……」


【貴音と結婚したら……】

貴音「……あなた様、あなた様」

クイクイ

P「うん? どうしたんだい、お前や」

貴音「ふふっ、今宵は月がとても美しく輝いておりますよ」

P「……ああ、そうだね。こんなに綺麗な月を眺められたのは、いつぶりだろうか」

貴音「いかがでしょう、夕餉は縁側で頂くというのは」

P「それはいい。早速準備に取り掛かろうか。よいしょ、っと……」

貴音「ああ、いけません。あなた様はお休みになっていてくださいませ」

P「そういうわけにもいかないよ。お前の細い腕じゃあ、あそこに夕飯を用意するだけでも、ちょっとした手間だろう」

貴音「お体にさわります。どうか、横になっていてください」

P「しかし……」

貴音「……ふふ、お忘れですか? 私は、そこまで柔な女ではないのですよ?」

P「……ははは……それもそうか……」


リーンリーン……


P「では……頂くとしようか」

貴音「ええ。頂きます」

P「頂きます」


リーンリーン……


P「……相変わらず、お前の作る料理は、素晴らしいな」

貴音「有難う御座います。しかしどうなさったのです、突然に……」

P「いやね……少し、昔を思い出してしまって」

貴音「はて、昔……ですか?」

P「ああ。あれは、ちょうどこんな風に、月の光で夜闇が照らされていた日だった」

貴音「……ふふ。確かに、随分と昔の話ですね」

P「……あの日。僕は君にプロポーズをしたんだ……」

貴音「忘れもいたしません。私の人生の中でも、最も光輝いていた日のひとつですから……」


P「ふう……食った食った」

貴音「ふふっ、はしたないですよ? まるであの頃の様です」

P「ははは……しかし、お前にそうやって言われるのも、何年ぶりのことかな」

貴音「……」

P「いつも済まないな……」

貴音「……あなた様も、相変わらずですね」

P「うん? どうしてだい?」

貴音「相も変わらずに、いけずのままです」

P「ふむ……そう言われる覚えはないのだけど」

貴音「いいえ、いけずです。私の気持ちなど考えずに、そうやって……」

P「……」

貴音「……済まない、という言葉は……禁止ですよ。あなた様は、私にとって掛け替えのない連れ合いなのですから」

P「そうだったな……済まない」

貴音「もう、またそうやって……」

貴音「……でも、あなた様のそういうところに、私は心惹かれたのかもしれませんね」


P「お前も、今日は随分と饒舌だね」

貴音「夫婦とはそういうものですよ。互いが互いに、深く響き合っていくものです」

P「……ああ、確かに……」

貴音「……いかがでしょう? 食後に一杯というのは……」

P「そいつはいい。月を眺めながら、久しぶりに贅沢な気分を味わうとしようか」

…………
……


貴音「あなた様。猪口を」

P「ん……」

とくっとくっとくとく……

P「……っとと」

貴音「大丈夫ですか?」

P「ああ。それじゃあ……」


「「乾杯」」


P「……綺麗だ」

貴音「真、そのとおりですね。大変に素晴らしい満月……」

P「月もそうだが……今言ったのは、お前のことだよ。月に照らされて、より美しく見える」

貴音「ふふ、お上手ですね」

P「本気にしていないね?」

貴音「当然でございます。私だって、あの頃に比べて随分と老いました」

P「……そんなことはない。お前は……今でも……」

貴音「……あなた様? もう酔われてしまったのですか?」

P「うん……そうかもしれないな。しかし……今言ったことは……」

貴音「……わかっております。あなた様は、嘘のつけぬ人ですから」

P「……わかってるなら、いいが」

貴音「寝室へ参りましょう。今日はもう、お休みになるべきです。さあ、肩を……」

P「ああ……」

小鳥「またうちの子達をたぶらかして居るんですか?」

P「何を言ってるのか良く分からないのですが…。」

小鳥「(本当に自覚無し何ですよね…私だって)」ワナワナ

P「どうしました?小鳥さん」

小鳥「お前を蝋人形にしてやろうかっ!!!??」クワツ


P「……なあ、お前や」

貴音「どうなさいました?」

P「久しぶりに、キスをしようか」

貴音「……」

P「……そういう気分なのさ」

貴音「……ふふ。やはり、あなた様は変わっていませんね」

貴音「いつだって、唐突に……私の心を揺さぶるのです」

P「いやかい?」

貴音「まさか」



貴音「……」

P「……ありがとう。とても素敵なキスだった」

貴音「こんなに、潤いを失ってしまった唇でも?」

P「関係あるものか。お前の唇だ」

貴音「……お上手、ですね」

P「小鳥さん!?」

小鳥「貴様一体どういうつもりなのだ?」
P「小鳥さんが突然デーモン小暮閣下みたいになってしまった」

デーモン小鳥閣下「貴様~。我が輩の話を聞いておるのか?」

P「はい、聞いてますよ小鳥さん」

デーモン小鳥閣下「まて!良いか?我が輩を呼ぶ時はデーモン小鳥閣下とよべ。そうでなければ貴様を地獄に落としてやる」


―――

P「……お前や。お前はどこに……?」

貴音「あなた様、貴音はここにおりますよ」

P「おお、そうか……」

貴音「……貴音のことが、わかるのですか?」

P「うん、わかるよ……当然じゃないか」

貴音「……っ」

P「なんだか、目の前が暗くて、よく見えないが……」

ぎゅっ

P「……お前の手の温もりは、確かに感じている……」

貴音「……」

P「なあ、お前や……うん? 違うな……どうして僕は……君のことをそんな風に……」

貴音「あなた様……」


P「……貴音……」

貴音「! は、はい、私は……貴音は、ここにいます!」

P「貴音……そうだね、君の名前は、貴音だ……」

貴音「ええ、ええ。そうですとも……」

P「……なあ、貴音」

貴音「はい……」

P「……今週は、どんな仕事がいいかな?」

貴音「……っ」

P「歌か、グラビアか……テレビに出演、というのもある」

貴音「っ! あなた様……!」

P「……俺は……絶対に、君を……」

P「貴音を、トップアイドルに……」

貴音「……」


P「だから……」

貴音「……」

P「最後まで、一緒に……頑張って……いこうな……」

貴音「……ええ、ええ……もちろんです……!」

P「……ああ、でももう、なんだか……眠くなってきてしまった」

貴音「っ!」

P「済まないな……」

貴音「……いいえ、いいのです」

貴音「あなた様のそういうところに、私は心惹かれたのですから……」

P「そうか……」


P「……愛しているよ、貴音……」

貴音「……私も同じ気持ちですよ、あなた様」


おわり


―――
――


P「……」

美希「……」ウルウル

小鳥「うぐっえぐっ……ずびびっ……」


P「……」

P(どうしよう)

P(なんだかしんみりしてしまったぞ……)

朝ごはんタイム

P「…それではデーモン小鳥で」

デーモン小鳥閣下「このタワケが!!」

P「えっ?」

デーモン小鳥閣下「えっ?では無い!良いか?我が輩を呼ぶ時は閣下をつけろ閣下を!!」

P「デーモン小鳥閣下…ですか?」
デーモン小鳥閣下「うむ、最近の若者は近しい人でもないのに人を呼び捨てにする輩が多すぎる!」

P「深夜のラジオ番組ではありがちですよね」

デーモン小鳥閣下「その通りだ。我が輩は近しい者ならともかく、そうでも無い人間に呼び捨てにされるような事はした覚えはない」

P「なるほど」

デーモン小鳥閣下「日本の教育はどうなっておるのだ?全く嘆かわしい」

P「凄く真っ当な事言ってる」

デーモン小鳥閣下「とにかく、最近はさん付けも出来ない。輩が多すぎるので貴様も気を付けるように!!」

P「…はあ。なんか、帰りたい」

だめかな
スレ汚し失礼しました
需要なさそうなので消えます

貴音が別格すぎる…!けど 皆歳を重ねたらそんな境地にいってるかもなあ。
妄想とは言えマジP羨ましい

最初スレタイで>>443ガチバトル想像していたら、砂糖吹いて
2828しつつ ラフ途中で>>377に描き替えたなんて言えない…
まさかこんなことに( ノД`)


P「……とまあ、貴音と結婚するならこーんな感じ!」

美希「……グスッ」

小鳥「うぇええ……! ひぐっえっぐ……」

P「なん……だけ……ど」

P「……」

美希「はに゛ぃ……」

P「お、おう! どうした美希!」

美希「なんではに゛ぃ、すぐ死んでしまうん……?」

P「ちょ、落ち着け……美希じゃないみたいだぞ」

小鳥「びぇええええ」

P「ごめんなさい、ちょっと静かにしてもらってもいいですか」

小鳥「……ひ、ひどい……」


P「……妄想の話だから、さ。簡単に死んだりしないよ」

美希「うん……わかってるの。でも……」

P「……」

美希「……貴音、羨ましいな」

P「え?」

美希「最後まで、好きな人と一緒にいれるなんて……ミキも、そういうのがいいの」

P(……まあ、死んだのは俺だったんだけど……)

P「……らしくないじゃないか。美希がそういうことを言うなんて」

美希「……」

P「……」

美希「……結婚する、って、すごいことなんだね」

P「……ああ、そうだな」

美希「ミキね、今まで……そういうとこまで、考えたことなかったの」


美希「ミキが考えてた結婚って、ただ、好きな人とずーっと一緒にいられるってことだけ……」

P「でも……大抵の人が、そうだと思うぞ」

美希「そーなの?」

P「……まあ、俺も結婚というものに直面したことないから、わからないけど」

美希「……」

P「……」

美希「あんまり簡単に、結婚、なんて言っちゃダメなのかな?」

P「……そんなことはないさ。美希がしたいこと、言いたいことを……、我慢する必要はない」

P「美希がそう言ってくれるおかげで、幸せな気持ちになる人だっているんだから」

美希「……それって……」

P「……まあ、少なくとも俺もそのひとりさ」

美希「……そっか。えへへ……」


小鳥「……」


P「美希……」

美希「ハニー……」


小鳥「……なんなの……この空気……?」


小鳥(私、なんでここにいるのかしら)

小鳥(……私はどうして、生きているんだろう)

小鳥(どこに向かって飛び立ち……、どこで……羽を休めるんだろう)

小鳥(結婚……結婚って、なあに? わからない……)

小鳥(でも、私が道に迷ったとき……そんなときは、いつだって、これが私を導いてくれた)

小鳥(私の、たったひとつの武器……)


小鳥(……妄想……!)


【音無さんと結婚したら……】

リンゴーン

 リンゴーン……


パーンパーカパーン

 パーンパーンパパーン


春香「じゃあみんな、行くよ?」

みんな「はいっ!」

春香「……せーのっ!」


みんな「小鳥さん! ご結婚、おめでとうございます!!」


小鳥「……みんな……!」


春香「えへへ……小鳥さん、とっても綺麗ですよ」

小鳥「春香ちゃん、ありがとうね……」

あずさ「ふふっ……先を越されちゃいましたね~」

小鳥「あずささん……」

伊織「まさか、小鳥が本当に結婚できるなんてね。ま、お似合いなんじゃない?」

小鳥「もう、伊織ちゃんったら、私のことをなんだと思っていたの?」

千早「素敵です、音無さん。……さすがの私でも、ちょっと憧れてしまいます……」

小鳥「……ふふ。千早ちゃんだって、すぐに良い人が見つかるわよ」

やよい「うっうー! 小鳥さんっ、赤ちゃんができたら、ぜったい、ぜーったい、連れてきてくださいねっ!」

小鳥「え、ええ? 赤ちゃんだなんて、まだ気が早いわよ」

真「いいなあ~。へへっ、次は絶対、ボクが結婚しますからねっ!」

小鳥「ふふっ。そ・の・ま・え・に~……、彼氏さんを見つけないとね?」


雪歩「あの、その……うぅ、わ、私、みんなと違って、なんて言ったらいいかわかりませ~ん!」タタッ

小鳥「ええ!? ゆ、雪歩ちゃーん!?」

律子「おめでとうございます、小鳥さん。あの人のこと、絶対に離しちゃダメですよ!」

小鳥「ふふ、わかっているわよ……」

亜美「んっふっふ~! ピヨちゃん、めっちゃ幸せそうだね!」

小鳥「そりゃそうよ……」

真美「んっふっふー! でもでも、兄ちゃんを選んじゃうなんて、ピヨちゃんちょっともったいないんじゃない~?」

小鳥「そんなことないわ……彼はとっても素敵な人よ」

響「ビヨコぉ……! う、うう……自分、涙で目の前が見れないぞ……!」

小鳥「響ちゃん……ありがとう……」

貴音「おめでとうございます……。お二人がいつまでも、末永く幸せでありますよう……」

小鳥「貴音ちゃん……ええ、そうね。いつまでも、ずっと……」


美希「……小鳥……」

小鳥「! み、美希ちゃん……来てくれたのね……」


美希「……ホントはね、今日、来るつもりはなかったの」

小鳥「そ、そう……」

美希「ふたりの幸せそうな姿見たら、きっとミキ……泣いちゃうから」

小鳥「美希ちゃん……」

美希「……でも、やっぱりそんなんじゃダメって思ったんだ」

小鳥「……」

美希「えへへ……おめでとうなの、小鳥」

小鳥「……っ」

美希「あっ、泣いちゃダメだよー!」

小鳥「でも……! わ、私……いえ、私達は……誰よりも、美希ちゃんに祝ってもらいたくて……!」

美希「……そんな顔してたら、もったいないよ? せっかくの結婚式なのに」

小鳥「……」

美希「ほらほら! あっちでハ……ううん、プロデューサーが待ってるの!」

美希「小鳥はミキに勝ったんだから、もっと堂々として欲しいって……思うな」

小鳥「……うん……!」


P「音無さん……」

小鳥「……ふふっ。もう、音無さん、じゃないでしょう?」

P「あ、そ、そうですね……小鳥」

小鳥「はい♪ なんですか、あなた?」

P「その……うまく、言えないんだけど……」

小鳥「……?」

P「綺麗だ、とても……」

小鳥「……あ、ありがとう、ございます……えへへ」

P「君と結婚できることを……俺は、誇りに思うよ」

小鳥「わ、私だって……負けてないんですから……!」


神父「……――さん。あなたは、この女性を……」

神父「健康な時も、病の時も、富める時も貧しい時も、良い時も悪い時も」

神父「愛し合い、敬い、なぐさめ助けて……変わることなく愛することを、誓いますか?」

P「はい、誓います」


神父「……小鳥さん。あなたは、この男性を……」

神父「健康な時も、病の時も、富める時も貧しい時も、良い時も悪い時も」

神父「愛し合い、敬い、なぐさめ助けて……変わることなく愛することを誓いますか?」

小鳥「……ひゃ、ひゃい! ち、誓います」


クスクス……


小鳥「うぅ……」カァァ

神父「……ごほん! えー、それでは……」


神父「……では、ベールを上げてください。誓いのキスを……」

P「……」

小鳥「……」


ドックン ドックン……


小鳥「……っ」

小鳥(やだ……心臓の音が、こんなに……)

小鳥(も、もしかして、みんなにも聞こえてるんじゃ……!?)


小鳥「あわわ……」

P「……小鳥」ボソボソ

小鳥「え……?」


P「……大丈夫。何も心配はいらないよ」

小鳥「あなた……」

P「……幸せに、なろうな。ふたりで……」

小鳥「……っ」ジワ

小鳥「はい……!」

スッ

小鳥(……ついに、ベールが上げられて……)

小鳥(私の顔は、みんなに、そしてあなたに……見られてしまう)

小鳥(……私はいま、どんな顔をしているのかしら)

小鳥(緊張してる顔? 不安な顔?)

小鳥(……いいえ、そうじゃないわ)

小鳥(きっと、いま、私は――)


P「……」

小鳥「……っ」


 ワァ……!

   パチパチパチパチ……!


P「……愛しているよ、小鳥」

小鳥「……えへへ……わ、私もです……!」


小鳥(きっと、いま、私は――)

小鳥(世界で一番、幸せな女の子の顔をしているんだわ……!)


―――
――


小鳥「えへ、えへへ……なーんて! なーんてね!」

小鳥「あんっ、もう、あなたったら……大胆なんだから!」クネクネ

小鳥「……って、あら?」


小鳥「……」

ポツーン

小鳥「誰もいない……」

小鳥「……? 書き置きが……」


『いくら声をかけても反応がないので、お先に失礼します。戸締りをよろしくお願いします Pより』

『小鳥、とっても幸せそうだったの! 今度、何考えてたか教えてね☆ ミキより』


小鳥「……」

小鳥「いま事務所には、私しかいないのね……」


小鳥「……」

小鳥「……逆に考えるんだ」

小鳥「『これでいくらでも激しく妄想し放題さ』と考えるんだ」


小鳥「うふふふふ……♪」


―――

P「……音無さん、大丈夫かな」

美希「? なにが?」

P「いや、あの表情……尋常じゃなかったからさ」

美希「でもでも、とっても幸せそうだったよ?」

P「まあそうだけど……時折涙も浮かべてたんだぞ」

美希「きっとそれくらい、良いことがあったってことなの!」

P「……そうだな! 深く考えないで、気にしないでおこう」

おは追いついた


美希「……ねえ、ハニー?」

P「うん? どうした」

美希「ありがとなの。また今日も送ってくれて」

P「……これくらい、お安い御用だよ」

美希「……」

P「美希」

美希「なあに?」

P「……なんか、この二日で……ちょっと、変わったな」

美希「そう? うーん……そう……かも」

P「なんというか、大人っぽくなったよ」

美希「……今まで考えたことないこと、いっぱいいっぱい考えたからかな」


美希「……さっきも、言ったけど……」

美希「ミキね、今までずっと……あんまり、結婚のこと、深く考えてなかったかもしれないの」

P「……」

美希「大好きな人と、ずっとずっと一緒にいられる、ってことだけ」

美希「……でも、それじゃやっぱり、ダメなんだよね」

P「……ダメってことは……」

美希「ううん、ダメなの」

美希「だからね、もっと、もーっと……これからは、たくさん考えるようにする」

美希「……だから、それでね……ハニーにお願いがあるんだ」

P「お願い? なんだ、なんでも言ってごらん」

美希「……うん」

美希「ミキが、ちゃーんとそういうこと考えて、ちゃーんと答えが見つかるまで」

美希「待っててもらっても、いい?」


P「……まず一つな」

美希「え? なになに?」

P「待つって言うけど……そもそも俺は、美希と結婚したい! なんて言ってないぞ」

美希「……」

美希「ええええ!!?」

P「逆にこっちが驚くわ……本当にそのつもりだったのか」

美希「だ、だってだって! ハニーは、ミキのこと、好きなんでしょ!?」

P「いやまあ、そりゃそうだけど……それは、美希だけじゃなくて、みんな――」

美希「あーもう、そーいうのはいいの! そ、それで、いつか結婚したいんじゃないの!?」

P「いやいや、いつそんなこと言ったんだ?」

美希「……」ワナワナ

P「……美希?」

美希「……ガーン、なの……出鼻をくじかれたってカンジ……」


美希「うぅ……そ、そんなのってないの……」

P「……」

美希「……16歳になっても、ダメ?」

P「年齢の問題じゃないって」

美希「……そ、っか……」

P「……ただまあ、なんだ……」

美希「え?」

P「いや……昨日言ったことを、へんな意味で捉えたら、そう勘違いされるのも無理ないかもしれないな」

美希「昨日言ったことって……」


『将来、美希と結婚して……それで旦那さんになる人は、幸せだなって』

『まあ……ありていに言ってしまえば、羨ましくもあるよ』


美希「……そーだよ! じゃああれって、どーいう意味なの!」

P「そのまんまの意味だよ」

美希「どーいうことなの!」


P「ただ、羨ましいってだけ。美希みたいな子と結婚できる人はさ」

美希「……それって、違うの?」

P「……まったく違うよ」

美希「……」

P「……」

美希「そっか……そう、なんだね」

P「え?」

美希「ハニーはべつに……ほ、本当は……ミキのこと、トクベツだって……思って……」

P「……」

P「ごめん、美希」

美希「っ! う、ううぅ……! や、やっぱり……!」

P「……」

美希「……グスッ……え、えへへ……それなそーって……はやく言ってくれればいいのに」

P「……」

P「違うんだ……それも、違う。ああもう、なんて言えばいいんだよ……」


美希「なんなのなの……なんなのなの……」

P「……あの、さ」

美希「……」

P「まずな、今ごめん、って言ったのは……うまく言葉が見つからなかったことに対してだ」

美希「え……?」

P「……俺は今まで、確かに美希と結婚したいなんて、言ったことはなかった。そうだな?」

美希「うん……」

P「……だから……」


P「……今、言うよ。俺の本当の気持ちを」

美希「……? そ、それって、どういうこと……?」

いけ…いけ…


P「……なにか勘違いされて、そういう風に思って欲しくもない」

P「だから、言う。今度はちゃんと、はっきりと、わかってもらいたいから」


P「……いつになるかわからない、叶えてやれるかもわからない約束なんて、本当はしたくはない」

P「だけど、言う。いま言わないと、俺だって……苦しいから」


美希「……」

P「美希」

美希「は、はいなの……」

P「……俺は……」


P「美希のことが、好きだよ」

美希「……っ!!」

congratulationなの…


美希「……」

P「……」

美希「……えへへ、わかってるの」

美希「ハニーが言ってるのは……ミキが思ってるようなことじゃないって」

P「美希が思ってるようなこと、ってなんだ?」

美希「そ、そんなの……決まってるの。ミキだけじゃなくて、みーんな――」

P「ちがうよ」

美希「……」

P「アイドルとしての美希、じゃない」

P「ただの星井美希として、ひとりの女の子として……、美希のことが大好きなんだ」

美希「!!!」

P「……今はまだ、無理だけど……」

P「いつか、そのときが来たら……結婚だって、美希とならしていいって、本当に思ってる」


美希「……」

ペタン

P「!?」

美希「……あは……腰、抜けちゃったの……」

P「お、おい、大丈夫か?」

美希「う、うん……へーき……」

P「……」

美希「……ねえ、ハニー?」

P「どうした?」

美希「ホントにホント?」

P「……ホントだよ」

美希「ウソ、ついてない? 実はドッキリでしたー、とか……春香がよく出てる番組みたいに」

P「こんなこと、冗談じゃ言えないって」

はるるん…


美希「じゃあじゃあ……っ」

美希「ミキのこと、ぎゅってしてくれる? できる?」

P「当たり前だろ」

ぎゅーっ

美希「……っ! く、苦しいの……」

P「あ、す、すまん……」

美希「……ううん、いーの……もっと、強くして?」

P「……」グッ

美希「! ……う、うぅ……!」

ポロポロ……

美希「うぇぇん……!」


美希「ミキねっ、ミキね……っ!」

P「うんうん……」

美希「ずっと、ずーっとね……」

美希「ハニーがあの日、全部やる気なくなっちゃったミキのために……、たくさん、たくさん、言葉をくれたときからね……!」

美希「ずーっと……ずー……っと!」

P「ああ……」

美希「いつか、こうなるといいな、って……! だ、だから……!」

P「……」


美希「……うれしいの……!」

美希「ほんとうに、ほんとうに……グスッ」

美希「うわああああん!!!」

ポロポロ……


P「……美希が嬉しいなら、俺も同じくらい嬉しいよ」

美希「……っ!」

P「……絶対、幸せにしてみせるから」

美希「……」

ゴシゴシ

美希「……ち、ちがうの……そんなの、や、なの!」

P「えっ」

美希「ハニーがミキを幸せにするんじゃなくて……」

美希「……ふたりで、いっしょに幸せになろ?」

P「……ああ、そうだな!」

美希「うんっ! それが、夫婦ってものなの!」

P「それはまだ気が早い」

ペシッ

美希「あうっ」


―――

テクテク

美希「えへへ……」

ギュー

P「い、痛いよ」

美希「ねえ知ってる? これって、コイビトつなぎって言うんだよ」

P「……なんだっけ、美希の夢の中で、俺と律子がしてたっていう?」

美希「むぅ……ミキっていう、コ・イ・ビ・ト! がいながら、他の女の子の話をするのはよくないって思うな」

美希「ハニーったら律子……さんにデレデレしちゃって……あんなの、もう二度とゴメンなの」

P「い、いや、でも夢の話だろ?」

美希「夢でもなの! ハニーが夢に出てくるときは、ミキ以外の子と出演しちゃダメ!」

P「無茶言うなって……そもそも、美希の夢じゃないか」

美希「それでもやーなの!」

P「……」

P(どうやら大人っぽいと感じたのは、さっきの一瞬だけだったみたいだ)


P「まあ、そこもかわいいんだけどな」

美希「え!? な、なに? なんのハナシ?」

P「いや……なんでもないよ」

美希「もー、なんなの!」

P「あはは……」

美希「……ねえ、ハニー?」

P「うん? どうした……って、こんなやり取りも何回目かな」

美希「これから何回でもするよ! ねえハニー! ねえねえハニー!」

P「わかったわかった、ちゃんと聞くから……。それで? なんかあったのか?」

美希「んーっと……ちょっと思ったんだけど」

P「うんうん」

美希「正妻戦争は、ミキの大勝利、だよね?」

P「……そうだな」


美希「思えばこれまで、いろんな戦いがあったの……」

P「そうだっけ……」

美希「そーだよ! ハニーは楽しかっただけかもしれないけど、ミキ的には、やな思いもいっぱいしたんだから!」

P「じゃ、じゃあ、途中でやめてくれって言えばよかっただろ?」

P「そもそも大半は、美希が俺に言わせたんじゃないか」

美希「むむ……ハニー、細かいことを気にすると、頭ツルツルになっちゃうよ?」

P「髪のことは言うな!!」

美希「!? ご、ごめんなさいなの……」

P「あ、いや……俺の方こそ、急に大声出してすまん」

美希「……ミキ、ハニーはべつにまだ大丈夫だって思うな」

P「そういうのを気にしちゃうお年頃なんだよ……」


美希「……でもでも」

P「ん?」

美希「もしツルツルになっても、ミキはハニーのこと、大好きなままだよ?」

P「……うん、まあ……ありがとう」

美希「あっ、信じてないでしょ?」

P「そういうわけじゃないけど……なんか複雑でな」

美希「だってミキはこれから、一生、一生、ハニーといっしょにいるんだからね!」

美希「髪の毛のことなんて、いちいち気にしてらんないの」

P「……」

美希「……だからね、ハニーもミキと、同じ気持ちになって欲しいって思うな」

P「……どういうことだ?」

美希「んーっとね……つまり、その……」


美希「もしも、ツルツルのおじいちゃんになっちゃっても……ミキはハニーのこと、大好き」

美希「だから……もしも、ミキがヨボヨボのおばあちゃんになっちゃっても……」

美希「ハニーには、ミキのこと好きでいて欲しいの」

P「……そんなの、当たり前じゃないか」

美希「!」

P「どんなときだって、いっしょの気持ちだよ。美希が俺のことを見捨てない限りな」

美希「んっふっふー! それこそ、ありえないってカンジ!」

美希「なんといってもミキは、ハニーの正妻になる女の子なんだもん!」

P「ははは、そうだな! そうだよ、美希は俺の妻になる女の子だ!」

美希「……ねえねえハニー!」

P「今度はどうしたんだ?」


美希「ずっと、ずーっと、いっしょにいようね!」

P「……ああ、約束だ!」


おわり

一旦終わり
でも少し休憩したあと、ちょっとだけ後日談書く


イイハナシだった

長きにわたる投下 乙です!ちーちゃん犬プレイはワロタ

後日談て!おぉ…凄いですね>>1


―――
――


美希「ふんふんふ~ん♪ さーて、お次はー……」

美希「……あれ?」

美希「……」スッ


美希「これ、ハニーが使ってた手帳なの」

美希「……」


天使美希『ダメだよ! 勝手に見たら怒られちゃう!』

悪魔美希『でもでも、気にならない?』

天使美希『たしかにそーなの』

悪魔美希『あは♪ さっすがミキなの、ハナシがわかるってカンジ!』


美希「……」

美希「えーい、見ちゃえ!」


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
20XX年○月△日

先週は色々とあったが……俺と美希は、無事に付き合うことになった。
まあ、これから先のことを考えると、良いことばかり待っているとも言えないだろうけど……
でも今は、この幸せをただ、精一杯にかみ締めているとしよう。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


美希「……日記?」

美希「ハニー、こんなのつけてたんだ……」

美希「続きは……」


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
同日

しかしながら、正妻戦争……。
あれは確かに、あのとき美希が言っていたように、俺にとっては楽しいものであった。
765プロのみんなはみんなかわいいからな! 妄想も捗るってもんだ!
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


美希「……」

美希「これ以上見るのは、キケンなヨカンがするの……」


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ついては、この手帳に、美希には語れなかった部分を少しだけ書いておくことにする。
つまり……

中学生組のことだ。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


美希「!」


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
やよい、亜美、真美、伊織……。
ふふ。誰にも語らずに、ただ紙に書くだけなら、誰も咎めはしまい。
これは合法だ! あーっはっは!
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


美希「ハニー……」

ぁぁ ゃょぃ ぃぃゎぁ


美希「……」ペラ


――――――――――――――
INDEX

【やよいと結婚したら……】 1‐8

【亜美と結婚したら……】 9‐15

【真美と結婚したら……】 16‐35

【伊織と結婚したら……】 36‐78

――――――――――――――


美希「?」

美希「どういう意味だろ……ページ番号?」

美希「なんか、真美とでこちゃんのページだけすっごく多い気がするの」


美希「……」

美希「これは、試練なの」

美希「ミキの、ハニーへの愛を確認するための試練……」


美希「だから、ついついミキがこの先を見ちゃうのも、仕方ないってカンジ!」

美希「だからね、ミキは悪い子じゃないよ!」

美希「……」

ドキドキ

美希「う、うん……それじゃあまず、やよいから……」


【やよいと結婚したら……】

ガララ

P「ただいま~」

やよい「あっ、プロデューサー! おかえりなさーい!」トタタ

P「おお、やよい! 帰ってたのか」

やよい「はいっ! えへへ、久しぶりに家族のみんなと会えて、とっても嬉しかったですっ!」

P「そうかそうか……」

やよい「……あの、でもー……」

P「ん? どうし――

ぎゅっ

P「……」

やよい「……プロデューサーと、くっつけなかったのは……ちょっと、さみしかったかなーって」


P「……」

ナデナデ

やよい「!」

P「甘えん坊だな」

やよい「……そーなんです、私、あまえんぼうさんなんです」

P「まあ、実家じゃお姉さんにならなきゃだからな……我慢、してたのか?」

やよい「ガマン、ってわけじゃないですけどー……」

P「……俺はさ」

やよい「?」

P「やよいが帰ってる間、我慢してたぞ」

やよい「……そ、そーなんですか?」

P「ああ。こんな風に、帰ってきたら毎日くっついてくるのがいないと、調子も狂うってもんさ」

やよい「……えへへ……」


やよい「じゃあ今日は……いっぱいいっぱい、くっつきましょうね……」

P「……っ」

やよい「……プロデューサー? あの……」

P「……どうした?」

やよい「な、なにか言ってください……くっつくの、やですかー?」

P「……そんなわけないだろ」

ガバッ

やよい「っ!」

P「我慢してた、ってのはさ……何も、くっつくことだけじゃないんだ」

やよい「え……?」

P「……今までさ、やよいにも何回か怒られたから……アレ、我慢してたんだぞ」

やよい「あ、あれ、って……?」

やよい「!」

P「いま、やよいが想像したモノだよ……正直言って、もう限界なんだ」


やよい「はわわわ……そ、そんな……」

やよい「わ、私がいないんだから! それは、ガマンしなくてもー……」

P「そんなことして、やよいに不誠実でいたくないからさ」

やよい「……」

P「やよいは、いやなんだろ? 俺が、ひとりで――」

やよい「そ、それ以上言うのは、メッ! ですっ!」

P「……だからさ、いいか?」

やよい「で、でも……っ」

やよい「……ここ、廊下……それに、お料理もまだ途中で……」

P「我慢できないんだよ」

やよい「……どーしてもですか……?」

P「ああ」

やよい「……」


やよい「そ、それなら……しかたないかなーって……」カァァ


―――
――


パタン

美希「……これ以上は、ホントのホントにアウトなの」

美希「……でも……」

ソー……

ペラ

美希「……」

美希「!!!!」

美希「え? え、え? ……え!!?」


美希「お、お兄ちゃんって呼ばせて……? どういうことなの……!?」

美希「……こ、これは……」

美希「!!!!!」


美希「……」ゲッソリ

美希「……思っていた以上のダメージってカンジ……」

美希「まさか、やよいが……自分から……」


美希「……」

美希「毒食わばお皿ごといただきますなの」

美希「つ、次は……亜美かな……」


【亜美と結婚したら……】

亜美「兄ちゃん兄ちゃん! 今度の日曜日、暇っしょ~?」

P「ああ、そうだけど……なんだ、どこか行きたいのか?」

亜美「うんっ! あのね、遊園地行こうよ、遊園地! 夢の国!」

P「えー……あそこは混むし、行列も長いからなあ……」

亜美「ぶーぶー! そこがまたいいんじゃん! これぞ夢の国のDAIGO味ってカンジでさ!」

P「……醍醐味?」

亜美「そーいうカンジ。今ハロウィンだからさ、キーホルダーもらえるチャンスなんだよ~」

P「そ、そんな理由で……」

亜美「……だめ?」ウルウル

P「うぐっ……お前な、いつもそーやれば言うこと聞くと思って」

亜美「……」ジワァ

P「だーもう、わかった、わかったよ!」

なんか口から甘い砂垂れ流れてくるんですけど…
続けて♪


―――

亜美「んっふっふ~♪」

P「お目当てのものは貰えたか?」

亜美「うん! もーばっちしだよ~!」

P「しかし、なんだな……似合ってるな、その耳」

亜美「そっくりっしょ~? これで亜美も、ミニ――

P「バカヤロー!! それ以上言うな!!!」

亜美「ご、ごめんね兄ちゃん……今のはさすがにまずかったよ……」

P「いや、まあ……わかればいいんだ……」


亜美「兄ちゃん兄ちゃん、次、あれ乗ろ!」

亜美「ねえねえ兄ちゃん、亜美おなかすいちゃった」

亜美「わあー! ねえねえ! あそこ! 着ぐるみ! 写真撮ろう写真!」

亜美「やった~♪ 次はパレード見よ、パレード! そんでそんで――

P「ちょっと待って」

亜美「どったの~?」

P「お前本当に二十代か……?」

亜美「そだよ? ここにいる亜美は、成人した、ちゃんとしたオトナの亜美なんだから」

P「うん、まあ……そうだよな」

黒井「垂涎」


P「まったく、背ばっかり大きくなって……中身はあの頃のままだな」

亜美「でもでも、あの頃に、兄ちゃんが彼氏さんになってくれたんじゃん」

P「……」

亜美「てことは、兄ちゃんは今の亜美もスキスキってことっしょ~?」

P「そうだけど……」

亜美「んっふっふー! それじゃあ、なんも問題ないっぽいね!」

P「と、とにかく休憩させてくれよ。俺はもう若くないんだから」

亜美「えー。しっかたないなぁ~兄ちゃんは……じゃあ、三分だけね」

P「悪魔め……」

亜美「天使だよ! んっふっふ~……いつも兄ちゃんが言ってくれるじゃん」


『本日の営業時間は、間も無く終了となります――』


P「……さ、そろそろ帰ろう」

亜美「……」

P「おいおい、そんな顔するなよ……また今度、来れるだろ?」

亜美「そーだけどー……」

P「……」

亜美「……なーんか、さみしいね」

P「まあ、そうだな……お土産、見にいこうか」

亜美「うん……あれ買ってね、クランキー……」

P「わかったわかった……」


テクテク

P「……」

亜美「……ねえねえ兄ちゃん」

P「ん?」

亜美「亜美、つかれちゃった。おんぶー」

P「えっ……本気?」

亜美「本気と書いてマジだよっ!」

P「俺も割と足にきてるんだけど……開園から閉園までって、相当だぞ……」

亜美「……うん、そだよね」

P「……」

亜美「ごめんね、兄ちゃん……やっぱいいや、おんぶ。ちゃんと歩けるから……」

P「……ったく、もう……ほら」

亜美「え?」

P「おんぶ。してやるからさ」

亜美「……」


亜美「……んしょ、っと」

P「おおっと……亜美、でっかくなったなあ」

亜美「んっふっふー。ナイスバデー?」

P「背は高くなったけど、まあ……その、なんだ。その他はあれだな……」

亜美「」ガブッ

P「あ痛!?」

亜美「うあうあー! やっぱ兄ちゃんも、おっぱい大きいほうが好きなんだ~!」

P「んなこと言ってないだろ……」

            /.: : : : : : : : : : : : : : :ト、: : : : : : : : : : ヽ
            '.: : : : : : : : : : : :./'|: : : |:::Y:|: : : : : : : : : :.:.
          ./: : : : : : : : : / : :./ |: : :,'⌒´V: :.|: : : : : : : :.l

          /: : : : : : :./:.:/: : :/  j: : ,′  '; : |: : : : : : |: :l
         ./:.:|: イ: : :./: ム|:-ナく /: :ノ    ';.:.|: : : : : : |: :|
         ':.:イ|: :{: : :{.:./ |:/  //    '⌒ヾl、: : : : :l:.|:.:|
         |:.:..ハ:.:l: : :l:/  j'  /'           リ ヽ: : : |:.|:.:|
         |.:.:| V: :.:イ 辷 ニニミ     Yニニニ辷、 ハ:.:ハl:.:|
         |:.ノ |ハ{ヽ:l                  ハ从: .:.l
         j'   |: :ヾ ', /////     ////,'ノノ: : : :.|
           |: : : :`ハ       `        'イ: : : : :.|
           |: : : : {:弋     'ー- 一'    ハ:.|:.:. : : : |
           |: : : : |: : :>.、         ..イ: : : : : : : : :|
           |: _:_: :.l: : : : : : :>  .__,  イ_.:.:.|: : : : : : : : : |
             _,/! : : `丶、__,、/ |,!      |、\__,,.. -‐ .、 |
         /.: : :|: : : : : : : : /.: :! ヽ  /  ', : :ヽ : : : : : !:\
           /: : : : !.: : : : : : :/,.へ|  ̄` ´ ̄  i ;ハ}: : : : : : ,: : '.,
          ./: : : : : !: : : : : : '´: : :.,}       .|': : : : : : : : :/ : : :ト
         /.: : : : : : : _,,. : : : : : : /          {:、: : : :、: :,j/: : : : ! !
      /'.: : : : : /´:..: : : : : : :i'  、     ,  ', ',: : : : `く : : : : : :l
     /.: : : : : :, ': : : : : : : : : : : l   ヽ  , '   ', ',: : : : :..:ヽ.: : : : :',
   / : : : : : : /: : : : : : : : : : : : :!     Y      .l/: : : : : : : :' , : : : :',
   ',: : : : : : :,ハ.:..: : : : : : : : : : : :l      :     .l : : : : : : : : : ',: : : : ',
   ',: : : : :,/ .} : : : : : : : : : : : : l              l: : : : : : : : : : :', : : : :ヽ
    .,ゝ、: :/ ./: : : : : : : : : : : : : {              }: : : : : : : : : : : ',ヽ: : /
   ./`ヽ`i .{ :..: : : : : : : : : : : : l           j: : : : : : : : : : : : } .! イ
  /    .{ .l: : : : : : : : : : : : : : l    ;     /: : : : : : : : : : : : ' !〈
  /     .', ',..: : : : : : : : : : : : : ',    ハ.     / : : : : : : : : : : : /  | ',
. /  ,. -‐'"', ヽ._: : : : : : : : : : : : ', , '  ヽ、 /:..: : : : : : :, -一'"  ト、. ',
,' /         `t‐ 、.: : : : : : : :,く      メ、: : : : : : __i  __    ' \',


テクテク ヨロヨロ

亜美「……ねえ、兄ちゃん?」

P「ん?」

亜美「ありがとね。今日は、亜美のわがままに付き合ってくれて……」

P「……いいんだよ。ふだん、忙しくてあんまり構ってやれないからな」

亜美「……楽しかった?」

P「もちろん。亜美といっしょだったんだ、楽しくないわけないだろ」

亜美「んっふっふ~……そっか~……亜美もだよ、兄ちゃん……」

P「……」

亜美「……あのね。ついでにわがまま、もう一個言っちゃうとね……」

P「うんうん……」

亜美「本当は……兄ちゃんに、もっとおうちにいて欲しいんだ……」


P「……それは……」

亜美「でもでも、亜美もわかってるよ。兄ちゃんのお仕事は、そういうもんなんだって」

P「……」

亜美「だから、このわがままは……聞いてくれなくても、いいっぽいよ」

P「亜美……」

亜美「……あのさ、兄ちゃん」

P「ん?」

亜美「ひとりでおうちにいるの、さみしいから……ね? そろそろ、さ」

P「……ああ、そうだな。もうそろそろ……頃合かもな」

亜美「……」

P「……亜美」

亜美「なあに?」

P「……うん、その、なんだ……頑張ろう?」

亜美「……ぷぷっ! な、なに言ってんの~!?」

P「いやいや、でも、これしか言いようがないだろ!?」


―――

亜美「……兄ちゃん……」

P「亜美……本当にいいのか?」

亜美「うんっ……今日は、あれ、無くていい」

P「……それじゃあ――


―――
――



パタン

美希「さすがにこれ以上はアウトなの」

美希「……」

美希「ハニー……なんで、すぐそっちの方向に行っちゃうの……」


美希「……」

美希「……でも……」

美希「亜美、ちょっとかわいかったかも」

美希「……」

キュン

美希「……」ブンブン

美希「つ、次は……真美かな!」

美希「亜美と双子ちゃんだもんね。今のと同じくらいの、やんわりなレベルに決まってるの!」


【真美と結婚したら……】


くちゅ、くちゅ……


真美「に、兄ちゃんっ……そ、そんなに、されたら……――っ!」

P「おいおい、もうか? はは、真美は感じやす


―――
――



バッタン!!!


美希「なんなのなの! なんなのなの!!!」


美希「……フー……フー……」

美希「一瞬、亜美の続きを読んじゃったかと思ったの……!」

美希「し、しかもこれ……えーっと、さっきのページによると……」

美希「……」

ピコピコ

美希「19ページもある……」

美希「デートとか、そういうの抜きにして、亜美よりずっとずっと量が多いの……」

美希「……」


美希「キョーミないよ? ホントだよ?」

美希「でも、一応……確認はしとかないといけないって思うな」


美希「……」

美希「!!」


美希「……」ゴクリ

ペラ……

美希「!!!!!」

美希「まさか挿絵が付いてるなんて……」


美希「……」

美希「あ、真美の……もみあげが……」

美希「」

美希「ウソ、ウソ……?」

美希「か、髪の毛って……そういう風に使うものじゃ……ないの……!」


美希「……」

パタン

美希「……亜美と真美。同じ双子ちゃんなのに、なんでこんなに違うの……」

美希「どっちがいいかって言うと……それはわかんないけど」


美希「……」

美希「……あとは、でこちゃん……」

美希「なんか、読むのがこわいな……」

ちょっと休憩
少しだけの後日談のつもりが長くなってしまったスマソ

あー出掛けなくては最後まで見られなくて残念。
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org3479993.png
>>1ありがとう、本当に乙です! 志宴。



【伊織と結婚したら……】

伊織「もうあったまきた!!!」

P「それはこっちのセリフだ!!!」

伊織「はぁ~……もう、ダメね、私たち」

P「……ああ、そうだな! こんなときばっかり同じ気持ちで残念だよ!」

伊織「離婚よ、り・こ・ん!」

P「はは、そいつはいい。俺だってなあ――

―――
――


パタン……

美希「……」

美希「え? え?」

美希「ビックリして思わず閉じちゃったの」

美希「ちょ、ちょちょ……え? ホントのホントに……?」


美希「そんなのってないの……」

美希「だ、だって、今までのカンジだと……、そういうのって、ダメだって思うな」

美希「……」


美希「……もう一回、もう一回だけ……」

美希「ミキはハニーを信じてるの……」


【伊織と結婚したら……】

伊織「もうあったまきた!!!」

P「それはこっちのセリフだ!!!」

伊織「はぁ~……もう、ダメね、私たち」

P「……ああ、そうだな! こんなときばっかり同じ気持ちで残念だよ!」

伊織「離婚よ、り・こ・ん!」

P「はは、そいつはいい。俺だってなあ、もういい加減、伊織のぬいぐるみ扱いはうんざりなんだよ!」

伊織「なによ! 最初の方は嬉しがってたくせに!」

P「そうしないと、お前が泣いちゃっただろうが!!」

伊織「っ! わ、私のせいだって言うの……!?」

P「そうだよっ! 伊織がさみしくて泣くから、結婚してから毎日毎日うさちゃんの着ぐるみを着て……」

伊織「え、ちょっと……ほ、ホントに? ホントにいやだったの……?」

P「あ、いや……俺も、べつに、いやだったってわけじゃないけど……うん……」

お、おぅ…なの

支援なんだが
これ、挿絵各時点でこと……


P「……とにかく! 今度という今度は、お前の言うことは聞けん!!」

伊織「……ふんっ。それくらいのことが出来ないなら、私だってあんたなんかいらないわよ!」

P「なんだと!?」

伊織「なによ!!」

P「常識で考えてみろ! なんだよ、これ!」

伊織「あら、このかわいさがわからないなんて、やっぱりあんたは凡人なのね」

P「ふざけんな! 男のバニースーツなんて誰が得するんだ!!」

伊織「私に決まってるじゃない!!」

P「それじゃあ適当に使用人の誰かにでも着せてればいいだろ!!」

伊織「っ! な、なんで、そんなこと言うの……!?」

P「……」

伊織「わ、私は……あ、あんたに似合うと思って……」

伊織「……あ、あんた以外の男に、興味ないの……知ってるでしょ……?」

P「……今のはさすがに言い過ぎたな。すまない」

ちょっとは吐いた砂糖売ってくる

>>753
素でピヨちゃん忘れてたあ( ̄□ ̄;)!!誰かお願い


伊織「うぅ……グスッ……」

P「……ったく。お前はいつもそうだよな!」

伊織「な、なによ……!」

P「泣けば言うこと聞くと思ってやがる。そのウソ泣きに、何度だまされたことだか」

伊織「ウソ泣きなんかじゃないわよ!!」

P「じゃあ毎回毎回、本気で泣いていたっていうのか!!?」

伊織「そうに決まってるじゃない! あんたにウソをつくなんて、私のプライドが許さないわ!!」

P「……え、じゃあ、あのときも?」

伊織「あのときって?」

P「あのさ、うさちゃんの手が片方取れちゃって、急いで縫いに来なさいって泣きながら電話してきたとき……」

伊織「……なによ、悪いわけ!?」

P「悪いわけあるか! そんなことで本気で泣くとは普通思わないだろ!!」

伊織「うさちゃんはトクベツなのよ!! 知ってるでしょう!?」

P「ああ知ってるよ! お前のことならなんでも知ってるさ!! おしりのほくろとかもな!!」

伊織「その存在は私すら知らなかったわよ!!!」


伊織「え、ちょっと……ほんとにほくろ、あるの?」

P「ああ」

伊織「……大きい?」

P「いや、普通……」

伊織「やだ、もう……へんじゃないかしら」

P「そんなの、誰も見ないって……」

伊織「あんたが見るじゃない!!!」

P「そんなものがあったってお前の体の美しさは損なわれないだろ!!?」

伊織「私は完璧でいたいのよ! あんたの前では!!」

P「完璧じゃなくたって良い、そのままの伊織で良いって何度言わせるんだ!!!」

伊織「このわからずや!!」

P「それはこっちのセリフだ!!!」

この展開であのページ数…ゴクリ


パラパラパラ……


伊織「……ごめんね」

P「いや、俺の方こそ……」

伊織「離婚、だなんてウソよ……言ってみただけ。私、あんたがいないと、もうダメなんだから」

P「わかってたさ。それに、俺だってそうだ……なんだかんだ言って、俺、伊織のわがままを聞くのが好きなんだ」

伊織「……ねえ……」

P「ん?」

伊織「……すき……」

P「……ああ、俺もだよ」

―――
――


パタン

美希「あ、もういいの……うん、ごちそうさま」

美希「飛ばし読みでちょーどいいレベルだったの。ミキのさっきの気持ちを返して欲しいって思うな」


美希「……」

美希「ケンカするほど、仲がいいってことかな?」

美希「だとしたら……ちょっと、羨ましいかも」

美希「ミキたちは、全然ケンカとかしないから……」


美希「……」

美希「落ち着いて、ミキ」

美希「よく考えたら、これはゼンゼン、参考にならないって思うな」


美希「……うん、そうだよね!」

美希「ミキたちには、ミキたちのやり方があるもん! でこちゃんのことはすっぱり忘れるの」


美希「……えーっと……これで全部、かな?」


パラパラ


美希「いま思えば、正妻戦争だなんて……なんかちょっと、恥ずかしいな」

美希「でもでも、あの頃のミキは……もう、なにがなんでもってカンジだったもんね」

美希「そのおかげで、今の……」


パラパラ……


美希「……あれ?」

美希「最後……このページ、って……」


【美希と結婚したら……】


美希「……!」

┌──┐   …北か!
│    │
│ .北. │
│   │
└──┘


美希「……」

美希「ハニー……」


ペラ……


美希「……」

美希「……うん、そう、そうだったよね……」

美希「ミキたちは……」


ガチャ

P「おーい、美希……って、ここにいたのか」

美希「あ、ハニー! おかえりなさいなの」

P「ただいま。何を読んで……」

P「」

美希「……えへ。見ちゃった」

P「すいませんでした」

ズサッ

美希「なんていう綺麗な土下座なの……」

P「ほ、ほんと……取っておこうと思って取っておいたわけじゃなくて……」

美希「あ、べ、べつに、怒ってるわけじゃないよ?」

P「いや、でも……」

美希「……そ・れ・よ・り~。この、最後のページ! これってどーいうこと?」

P「う……そ、そのままの意味だよ」


美希「……これって、さ」

P「……うん。そこからは、ただの日記……というか、メモかな」

美希「……」

P「毎年、この日に何があったか覚えておけるように……」

美希「……そっか……」

ペラペラ

美希「えへへ、そうだったよね。あの年は、こんなことがあったの」

P「……美希」

美希「なあに?」

P「なんというか、へんな感じになってしまったけど……ほら」

美希「! ……ぺ、ペンダント?」

P「ああ……美希に似合うと思って」


P「……美希。今日がなんの日だか、覚えてるか?」

美希「……うんっ! 忘れるわけないの!」


美希「今日は、ふたりの、大切な……」

美希「10回目の……」



美希「結婚記念日なの!」


おわり

今度こそおわりです、読んでくれた方ありがとう
正妻はミキミキだよ 間違いない

   /.   ノ、i.|i     、、         ヽ
  i    | ミ.\ヾヽ、___ヾヽヾ        |
  |   i 、ヽ_ヽ、_i  , / `__,;―'彡-i     |
  i  ,'i/ `,ニ=ミ`-、ヾ三''―-―' /    .|

   iイ | |' ;'((   ,;/ '~ ゛   ̄`;)" c ミ     i.
   .i i.| ' ,||  i| ._ _-i    ||:i   | r-、  ヽ、   /    / / ̄7l l   ― / / ̄7l l  _|_
   丿 `| ((  _゛_i__`'    (( ;   ノ// i |ヽi. _/|  _/|    \/   ― /   \/    |  ―――
  /    i ||  i` - -、` i    ノノ  'i /ヽ | ヽ     |    |   /   _/    /     丿
  'ノ  .. i ))  '--、_`7   ((   , 'i ノノ  ヽ
 ノ     Y  `--  "    ))  ノ ""i    ヽ
      ノヽ、       ノノ  _/   i     \
     /ヽ ヽヽ、___,;//--'";;"  ,/ヽ、    ヾヽ

>>1見事な正妻戦争でした乙

まぁためしに張ってみようか

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom