涼「冬馬さんってかっこいいですね……」 冬馬「へっ!?」(302)

涼(僕もこんなイケメンになれたらなぁ……)

冬馬(こ、こいつもしかして俺に惚れてる!?えっ!?)

涼「あっ、そろそろ私行きますね!それでは!」

冬馬「ぉ、ぉぅ」



冬馬「うぁぉおああああああああああああああ」

冬馬(きょ、今日も876と仕事か……!またあいつと!)

絵理「あの人ずっとこっち見てる……」

愛「あっ!!あの人はこの前も一緒に仕事した鬼ヶ島羅刹さんじゃないですか!」

涼「本当だ。何か用かな?」

冬馬「!!」サッ

絵理「……逸らした?」

冬馬(うわあああああああああ、やばいやばいやばいやばい!!!!)

翔太「冬馬君、さっきから何向こう見てるの?」

冬馬「べ、別に見てねえよ!!」

北斗「もしかしてあの娘達かい?確かに皆可愛いね」

冬馬「そ、そんなんじゃねえし。ただ敵事務所の奴らはどんなもんかって見てただけだ」

翔太「ふーん……」

冬馬(神様、あの天使と巡り合わせてくれてありがとう……!)

冬馬(しかも今日は料理対決……!俺の腕を見せるチャンス!)

冬馬「……」チラッ

涼「ん?」

冬馬「!」サッ

涼「……?」



冬馬「961プロからは当然俺が出るぜ!!誰が相手でも楽勝だぜ!」

涼「876プロからは私が!精一杯がんばります!」

冬馬(な、なにいいいいい!?こいつが出てくるなんて予想してなかった!!)

冬馬(ここは負けてやるべきなのか!?それとも勝って腕を見せつけるべきなのか!?)

スタート!!

冬馬(なんてこと考えてたら始まっちまった!)

冬馬(むこうは……)

涼「……」トントントントントントン サッサッ

冬馬(な、なにいいいいいいい!?かなり料理上手じゃねえかああああ!!)

冬馬(あれだけ可愛くて家庭的とか最強じゃねえかああ!!)

北斗「動かないな」

翔太「何ボケッとしてるんだろ」

絵理「楽勝……?」

愛「涼さんがんばれええええええ!!」

冬馬「でも俺はオリーブオイル!!」ダバァァ

翔太「出たっ!!必殺技!」

北斗「これで勝つるっ!」

シューリョー

涼(冬馬さん、料理うまいんだ……前半何もしてなかったのにあれだけのものを)ジー

冬馬(うわっ!こっち見てる!!視線が突き刺さる!!うおおおおおお)

愛「さっすが涼さん!」

絵理「オリーブオイルをものともしない」

涼「ううん、今回はたまたま勝てただけだと思うな。冬馬さんが本気出してたら負けてたかも」



翔太「ちょっとー、あれだけ自信満々にやったのにダサすぎるよ」

冬馬(エプロンが似合う女って良いな……)ホッコリ

北斗「なんかイっちゃってるぞ」

冬馬(休みの日に2人で料理作るんだ……キャッキャしながら……)

翔太「今日はおつかれー!」

絵理「あっ、どうも……」

北斗「エンジェルちゃん達、今日は楽しかったよ。また会えると良いな」

愛「はい!でもあたし達の中にエンジェルちゃんって名前の人はいませんよ!」

冬馬「お、お、おう!きょ、今日は負けたぜ。料理得意なんだな」

涼「そんな……私なんてまだまだです。冬馬さんの方こそあの短時間ですごいです」

冬馬「そ、そ、そ、そうか!?た、大した事ねえよ!」

翔太「何、あのドモリ具合」

冬馬「は?」

北斗「目線も泳いで、顔も真っ赤で声が上ずって」

冬馬「誰がだよ」

翔太「冬馬君しかいないじゃん。涼さんと話してる時かなり気持ち悪かったよ」

冬馬「な、なにいいいいいいいい!?」

北斗「自分で気付いて無かったのか?」

冬馬(や、やばい……このままじゃ童貞キモ男だと思われちまう……)

冬馬(もしかしてもう終わりか……!?)

涼(はぁ……冬馬さんかっこよかったなぁ)

涼(どうしたらあんな風になれるんだろ……)

涼(何かアドバイスもらえたら……)



冬馬(落ち着け、まだ挽回するチャンスはある)

冬馬(冷静になれ。要は普通に接したらいいんだ)

冬馬(そうだ、北斗や翔太を相手するみたいに自然な感じで)

冬馬(……それが出来たら苦労しねえええ!!)

涼「あ」

冬馬「あ」

涼「どうも、こんな所で会うなんて思いませんでした」

冬馬「お、俺もだ。何してるんだ?」

涼「これから愛ちゃん達と買い物なんです」

冬馬「そ、そうか……じゃあ急がないとな」

涼「あっ、そうですね」

冬馬(ちくしょおおおおおおおおおおお!!)

涼「あの……よろしければメールアドレス教えて頂けないしょうか?」

冬馬「……あぇ?」

涼「そ、その!ご迷惑なら全然いいんです!ごめんなさい!急にこんな事!」

冬馬「あ、え、お、良いよ。うん」

涼「本当ですか!?ありがとうございます!」

涼(これでアドバイス貰えるかなぁ)

涼(でも急にイケメンになるためにはどうしたらいいですかとか変だし……)

涼(うーん……)



冬馬「んおおおおおおおおおおお」ゴロゴロ

冬馬「なんだあああああああああ」

冬馬「やっべええええええええええええええ」

冬馬「これなんてエロゲ!?こんな事あんのか!?何!?俺もうすぐ死ぬの!?」

[From]秋月涼
[Sub]秋月涼です
―――――――――――――――――――――
こんばんは、涼です。
急に失礼な事を申し訳ありません。
これからもっともっと冬馬さんとお話しできたら嬉しいです。


冬馬「ぬはああああああああああああああああああ」

冬馬「涼ちんマジアリス!」

冬馬「可愛さがギルティイイイイイイイイ!!」

[To]秋月涼
[Sub]冬馬
―――――――――――――――――――――
全然迷惑じゃないから気にすんな!
お互いトップアイドル目指して頑張ろうぜ!



冬馬「やっぱりお友達からの関係が大事だよな!急に遊びに行こうとか変だもんな!!」

冬馬「黒井のおっさんの方向性とかもう関係ねえ!」

冬馬「こうなったら誰にも俺を止める事は出来ないぜええええ!!」

涼「まさか私達の料理対決がここまで好評だなんて思いませんでしたね」

冬馬「ああ、専用コーナーまで出来るなんてな」

冬馬(最高のスタッフだな。うん)

涼「今日は負けちゃうかもしれません」

冬馬「ん、んなことねえよ。りょ、りょ、りょ、涼」

涼「?」

冬馬「ほ、ほら秋月って765プロの竜宮小町のプロデューサーと被るからさ!!だから涼の方がな!」

涼(律子姉ちゃんのことだぁぁぁ……)

冬馬(今日はカッコいい所見せてやる!!)ゴゴゴゴ

涼(す、凄い迫力……僕にはあんな迫力出せない……)



冬馬「……」ジャッジャッ ジュワァァァ

涼(この前とは全然違う……これが冬馬さんの本気……)

冬馬「ここで追いオリーブ!!!」ダバダバ

涼(なんて大胆なんだぁぁぁあ!やっぱりイケメンアイドル冬馬さんはすごい!)

涼「すごいです。完全に負けちゃいました」

冬馬「いや、お前も俺に本気を出させるなんて大した奴だ」

涼「……私も冬馬さん……に……たら……」

冬馬「はぇ?」

涼「あっ……な、何でも無いです!今日はありがとうございました!失礼します!」タタッ

冬馬「あっ」



涼(女のアイドルの僕が『冬馬さんみたいになれたら』って言ったらおかしいじゃないか)

涼(あくまでさりげなく教えてもらわないと……危なかった……)



冬馬「あいつ何て言ったんだ!?冬馬さんに……たら……?」

冬馬「……冬馬さんにだったら抱かれて良い!?おおおおお!?」

冬馬「ま、まさかそんなわけねえよな!うん!何考えてるんだ!!!」

涼「こんな事送って失礼じゃないかな……?」

涼「大丈夫かな……?」

涼「……いっちゃえ!」ピッ

[To]天ヶ瀬冬馬
[Sub]失礼します
―――――――――――――――――――――
こんばんは、今日はお疲れ様でした。
冬馬さんの料理の腕には本当に驚かされました。
よろしければ、今度お暇な時に私に指導して頂けませんか?



涼(1日一緒に行動して……イケメンの秘訣をたくさん盗むんだ!)

涼(OKが出ればだけど……)

冬馬「こ、こ、これ」プルプル

冬馬「これデート!?デートだよなぁおい!?」

冬馬「指導とか……指導とかいかがわしい響だな……」

冬馬「これ、もう俺の事好きなの!?あの天使!?」


[To]秋月涼
[Sub]分かった
―――――――――――――――――――――
向上心があるやつ俺は好きだぜ!
最近そういうやつが少ないからな。
そっちが空いてる日教えてくれないか?


冬馬「す、好きって別にそういう好きじゃないからな!」

冬馬「別にLOVEの方の好きじゃねえから!!だから良いんだ!!」ピッ

冬馬「……送っちまったあああああああああああ!!」

涼「あっ、冬馬さん!」

冬馬「あれ……何でこんなに早いんだ……絶対俺の方が先に着くと思ったのに」

涼「先輩をお待たせするのは流石にどうかと思うので」

冬馬「そんなに気を遣わなくても大丈夫だぜ?」

涼「そ、そうですか……?でも……」

冬馬「肩の力抜けって。とりあえず食材見に行こうぜ」

涼「は、はい!」

冬馬(うわああああああああああ服装可愛いいいいいいい!!清純な感じがたまらねええええええ)

冬馬(しかも俺より先に待ってるとかどれだけ健気なんだよ!!良い娘すぎる!!)

冬馬「そうだな、市販のやつだったらそのオリーブオイルが一番だと思う」

涼「そうなんですかー、知りませんでした」モゾモゾ

冬馬(そんなお尻突きだされて商品見るなよ!!目のやり場に困る!!)



涼「そ、そんな荷物は私が持ちます。付き合ってもらってる方なのに……」

冬馬「大丈夫だ。俺が持ちたくて持ってるんだからよ」

涼「で、でも……後輩の私が……」

冬馬「じゃあ先輩命令だ。俺に持たせろ」

涼(か、かっこいい!こういう所を真似しないと……今度やってみよう)

冬馬(デート!!!めっちゃデートっぽい!!こんなに可愛い娘とデート!!)

冬馬「丁度いい時間だしあの寿司屋に入ろうぜ」

涼「あっ、そうですね。お昼にしましょう」

冬馬「食材持ったままだけどまあ大丈夫だろ」



冬馬「ハンバーグ……」ピッピッ

涼(い、イケメンはまずハンバーグを頼むんだ!子どもっぽいかなって思ってたけど……)

涼(冬馬さんが食べるぐらいだから業界ではカッコいいお寿司って事で有名なんだ!)

冬馬「何か食いたい物あるか?」

涼「じゃ、じゃあ私もハンバーグお願いします!」

冬馬「おっ、マジで!?趣味が似てるな!」

冬馬「えんがわにするか」

涼「私もえんがわで!」



冬馬「うーん、甘エビ」

涼「私も冬馬さんと同じのを!」



冬馬(さっきから俺と同じの食べてる……何、俺のハート崩壊させようとしてんの?)

涼(えーっと、何食べたっけ……ちゃんと覚えておかないと……)ムー

冬馬(一々仕草が可愛すぎるんだよ!!ああああああ、もうううう!!)

冬馬「そろそろ行くか」

涼「はい」

冬馬「じゃあ先に出てくれ。後で金貰うからよ」

涼「分かりました」



涼「そ、そんな!そこまでしてもらうのは申し訳ないです!」

冬馬「いいから、気にすんな」

涼「うぅ……でも私結構食べちゃったんですよ?」

冬馬「じゃあ今度払ってくれよ。今日は俺の番」

涼「……はい。本当にありがとうございます」

冬馬(さりげなくまた会うような空気にしてやったぜええええええ!!俺天才じゃね!?)

涼(代金は黙って全部払う……これも覚えておかなきゃ)

冬馬「あれ……そういえばどこで料理するんだ」

涼「あ……」

冬馬「……」

涼(僕の家は……ダメだ!男だってバレちゃうかもしれない……)

冬馬「うーん……」

涼「あの……私、冬馬さんの家に行きたいです!!」

冬馬「え……」

涼「や、やっぱりダメですか……?」

冬馬「い、良いけど」

涼「ありがとうございます!わー、楽しみです!」

冬馬(な、何これ……これって……もう……マジで童貞卒業する五秒前だろ……)

涼「冬馬さんって1人暮らしなんですね」

冬馬「まあな。ちょ、ちょっと待っててくれ!部屋散らかってるから」

涼「分かりました」



冬馬(フィギュアを隠して……あと雑誌も……)ドタバタ ゴソゴソ

冬馬「……」キョロキョロ

冬馬(……良し!大丈夫だ!!)

冬馬「悪い、待たせた。入ってくれ」

涼「お邪魔します」

冬馬(お、俺の家に初めて女の子がきたあああああああああああああああああ!!)

冬馬「切れ目を斜めに入れた方が味が染み込みやすいぞ」

涼「あっ、そうだったんですか……」

冬馬(何これ幸せすぎる……俺は今可愛い女の子と一緒に料理作ってるんだ……)



涼「あっ、冬馬さん。これちょっと味薄くないですか?」

冬馬「ん?……本当だ。おかしいな、俺分量間違えたかな……」ペロッ

涼「えへへっ、冬馬さんでもミスすることあるんですね。ちょっと安心しました」

冬馬「ぇ……ぅ、まあ……な」

冬馬(だって全然集中出来ねえんだよ!!こんなに近いと!!)

冬馬「っ……」

涼「血が……出てますね」

冬馬「ああ。ちょっと切っただけだから」

涼「痛そう……」

冬馬(俺ださすぎる……何でこんな失敗を……)

涼「救急箱とかありますか?」

冬馬「そこの棚にあった気が……」

涼(たまには良い所見せないと!カッコイイ男は迅速な行動を!)ガサゴソ

冬馬(おいおい、四つん這いになるなよおおおおおお!!俺の理性をどうしたいんだよおおおお)

涼「あれー……無い……」ガサゴソ

冬馬(神様ありがとう。そして指切った俺GJ)ゴクリ

涼「大丈夫ですか?消毒液染みないですか?」

冬馬「ああ、わざわざ悪いな」

涼「いえ、私なんかが少しでもお役に立てて私嬉しいです」

冬馬(健気ええええええええええええええ!!)キュン

涼(冬馬さんに認めてもらった……!)



冬馬「後はこのまま煮込めば完成だな」

涼「はい!ご指導ありがとうございました!」

冬馬「いや、俺が教える所なんかほとんど無かったぜ。お前の方が料理上手だろ」

涼「そ、そんな……全然ダメダメで……」

冬馬(謙虚な所もたまんねえなあ!!おい!)

冬馬「いただきます!!」

涼「いただきます」

冬馬「……うめえな……」モグモグ

涼「冬馬さんの作ったドレッシングもすごく美味しいです」モグモグ

冬馬「俺のなんか大した事ねえよ」

涼「大した事ありますよ。あ、ほっぺたにソース飛んでます」

冬馬「うそ」

涼「動かないで下さいね」フキフキ

冬馬「……」ドキドキ

涼(ふふっ、気づかいが出来る男はイケメン……)

冬馬(うひょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお)

涼「お皿洗っておきますね」

冬馬「俺もやるぞ」

涼「傷口に染みちゃいますよ?私に任せて下さい!」

冬馬「……サンキュー」

涼(今日一日で分かった事は冬馬さんは面倒な事も自分から積極的にやってる!)ゴシゴシ

涼(あと人に対する気遣いがすごい!僕も見習わないと!)ゴシゴシ

冬馬(ああ、涼は良い奥さんになれる……子供は何人が良いかな……)

冬馬(ふう……一息ついた……ここからが勝負だ……!)

涼「じゃあ今日はお世話になりました!」

冬馬「……へ?」

涼「こんなに遅くまでお邪魔してしまってすみません」

冬馬「い、いや……ちょっと」

涼「本当に今日はありがとうございました。お邪魔しました」

冬馬「う、うん……」

ガチャッ パタン

冬馬「……」

冬馬「NOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!」ゴロゴロ

冬馬「なんだそりゃああああああああああああ」

冬馬「もっと必死に呼びとめればよかったじゃねえかあああああああああああああああ」

ごめん 2時間ぐらい離れる

[From]秋月涼
[Sub]こんばんは
―――――――――――――――――――――
今日は本当にありがとうございました!
とても楽しい1日でした。
後、迷惑かけてばかりですみません……。
今度会う時は今日の分お返しできるように頑張ります!
それではおやすみなさい。


冬馬「うん、楽しかったなら良いんだ……」

冬馬「俺も楽しかったし」

冬馬「……今度会う時……?また会える……?」

冬馬「いよっしゃああああああああああああ!!終わって無い!!」

[To]秋月涼
[Sub]お疲れ
―――――――――――――――――――――
俺も楽しかった。
また遊ぼうぜ。おやすみ。



冬馬「ふぅ、こんなもんか」ピッ

冬馬「……」

冬馬「はぁぁ、今度いつ会えるんだ……」

冬馬「なぁ」

北斗「ん?」

冬馬「かっこいいって言われてメアド聞かれて」

翔太「うん」

冬馬「メールをやり取りして遊んで」

北斗「うん」

冬馬「そのまま家に来たら、脈ありか?」

翔太「ブッ……ふ、そ、そうなんじゃない……?」プルプル

冬馬「な、何がおかしいんだよ!!」

翔太「だ、だってそんな具体的な例出すとか……冬馬君……あはははは!!」バンバン

冬馬「ばっ、別に俺の事じゃねえよ!!」

北斗「まあ少なくとも好意は抱いてると思うよ」

冬馬「そ、そうか!」

翔太(ただの友達としか見られてない可能性もあるけどねー)

愛「ごちそうさまでしたー」

涼「それじゃあ今日は私が全部払うね」

絵理「良いの……?」

涼「うん!任せて!」ドン

愛「わーい!!ありがとうございます!!」



涼「あれ……?足りない……」

冬馬(今日こそ……今日こそ……俺は……涼に……)



涼「あ、冬馬さーん!」

冬馬「おっ」

涼「今日は遊園地に行くんですよね」

冬馬「そうだな、何か結構面白いアトラクションがあるって聞いたからな」

涼「そうなんですか。ワクワクします!」

冬馬(はぁぁあああああああああああん!!守りたいこの笑顔!!)

涼(冬馬さんチョイスのアトラクション!どんなのを選ぶんだろう)

冬馬「まずはジェットコースターだ!」

涼「い、いきなり絶叫系ですか……」

冬馬「時間が経つと待ち時間が長くなるからな。最初に行っとこうぜ」

涼「そうですね……」

冬馬「どうした?怖いのか?」

涼「い、いえ……そういうわけじゃないんですけど」

冬馬「大丈夫だって、俺が隣にいてやるから」

涼(こういう事をサラッと言えるなんてすごい……僕にはとても……)

冬馬(ああああああああああああ!!しまったあああああ!!今のは流石にキモすぎる!!)

冬馬「意外と混んでるな……」

涼「そうですね……」

冬馬「俺ちょっとジュース買ってくる。何が欲しい?」

涼「そ、そんな大丈夫です」

冬馬「じゃあ適当にお前の分も買ってくるから待っててくれ」タタッ

涼「あ……」

冬馬(恋人の顔にいきなりジュースをピタッ!!やってみたかったんだよな!!)

涼(どうしてこんなに優しいんだろ……かっこいい人ってみんなこうなのかな)

涼(うーん……遊園地に1人って落ち着かないな……)

チビ「お姉さん1人ー?」

涼「あっ、いえっ……、ちょっと」

チャオ「俺達とちょっと遊ばないかい?」

涼「そ、その……」

チビ「良いじゃん良いじゃん!絶対楽しいから!」

涼「私は……」

チャオ「さあ、俺達と共に楽園へ……」

涼(2人ともサングラスにマスク……怪しすぎるよ……)

冬馬「おい!!てめえら何してんだ!?」

涼「あ……」

チビ「あっ、逃げろ!!」

冬馬「待てコラ!!」

涼「だ、大丈夫です。何もされてませんから」

冬馬「チッ、あいつらどっかで見た事あるような……」

涼「そういえば……私もそんな気が……」

冬馬「……悪いな。俺が目を離したばっかりに」

涼「そんなことありません、その……とってもかっこよかったです。来てくれて嬉しかったです」

冬馬「あぇぇ……そ、そうかぁ?」

涼(僕にあんな勇気があったら、絡まれても何とかできたのに……)

冬馬(かっこよかった!!!俺はかっこいいのかああああ!!いえええええい!!)



翔太「はい、もう確定」

北斗「思ったより簡単だったな」

ゴオオオオオオ

涼「ああああああああああああああああ!!」

冬馬(俺は悲鳴出したらダメだあああああああああああばばばば)



冬馬「だ、大丈夫か……?」

涼「ひゃ、ひゃい……」フラフラ

冬馬「ほら、さっき買った飲み物」

涼「ありがとうございます……」ゴクゴク

冬馬(……ペットボトルってエロイな。構造を考え付いた人に賞をあげたい!!)

涼「……あの、何か?」

冬馬「な、何でもないです!!」

冬馬「さーてお次はお化け屋敷か」

涼「お、お化け屋敷!?」

冬馬「ジェットコースターよりよっぽど楽だと思うぜ?」

涼(お化け本当に苦手なんですけど……)

冬馬「まあどうしても嫌なら無理にとは言わねえけど」

涼「い、行きます!!行かせてください!!」

冬馬「お、おう?すごい気合だな」

涼(そ、そうだ!お化け屋敷なんかにビビってたら逞しい男の子になれない!今日僕は克服する!)

冬馬(お化け屋敷で抱きつかれる!!!これ定番かつ最強!!)

ウボアアアアアアアアアアア

冬馬「うおぉ!?」

涼「ヒィッ!?」ビクッ



グアアアアアアアアアアア

冬馬「ほぁ……!!」

涼「あ……ぁあ……」ギュッ

冬馬(手を握ってくれたああああああああああああ)



ヌッ ダラーン

冬馬「うおあああああああ!?」

涼「ぎゃおおおおおおおおおおおん!!」ギュウウウウ

冬馬(だきつきいいいいいえあああああああああああああああああああああああ)

冬馬(至福の時間はあっという間に過ぎ去ってしまう。でも涼の感触は忘れない)

涼「みっともないところお見せしてしまって……」

冬馬「結構レベル高かったから仕方ねえって」

涼(はぁ……やっぱり僕はダメダメだぁ……)

冬馬「もうこういうのやめて楽しいアトラクションに行くか」

涼「はい……すみません……」

冬馬(あああああ、デートしてる感が半端じゃねえ!これぞカップルだろ!!!)

冬馬(2人でメリーゴーランドにコーヒーカップ……ふふふ)

涼(かっこいい人とああいうアトラクション乗るって複雑な気分だなぁ……)

冬馬「やっぱりラストは観覧車だよな」

涼(最後は観覧車……これが冬馬さんの選択!)

冬馬「丁度今ぐらいの時間が夕焼けで一番綺麗に見えると思うぜ」

涼「そうなんですか、楽しみですね」

冬馬(確か北斗がこんな事言ってた気がする!!)

涼「本当に綺麗ですね……町が夕日に染まって……」

冬馬「お、おま、おま……」

涼「?」

冬馬(お前の方が綺麗だ!お前の方が綺麗だ!!)

涼「……」

冬馬(無理!!北斗の野郎、よくこんな台詞平気で喋れるな!!)

涼「……どうかしましたか?」

冬馬「い、いや!綺麗だよな」

涼「はい、この景色が見れるのも冬馬さんのおかげです!」

冬馬「別に俺は……」

涼「こういうの、大切な人と一緒に見れると幸せですよね」

冬馬(……ん!?今のって!?俺が大切な人!?そういうこと!?どうなの!?)

涼「今日も自分ばっかり楽しんで……本当私って……」

冬馬「良いんだよ。俺も楽しい!お前も楽しい!それで何か問題があるのか?」

涼「……冬馬さんは本当に優しいですね」

冬馬(……い、今言うんだ……俺……)ドキドキ

涼「あ、あの……」

冬馬「んぁ!?」

涼「その……良ければ!また少しだけ家にお邪魔してもよろしいですか!?」

冬馬(なんだああああああああああああ!?これはあああああああああああ!?)

涼(この前は料理に必死で忘れてたけど今日は冬馬さんがどんな家具を持ってるか覚えて帰らなきゃ)

冬馬「……」ドキドキ

涼(冬馬さんずっと車道側歩いてたな……やっぱり気遣いがすごい)

冬馬「お、おう!ついたぜ!」

涼「本当にごめんなさい。すぐに帰りますから」

冬馬「き、気にすんなよ!さあ入ってくれ!」

涼「それでは……お邪魔します」

冬馬(ついに俺は……今日……)

涼「お洒落な部屋ですね」

冬馬「そ、そうか!?何も考えてないけどな!」

涼「黒と白の家具で統一されてるのですごくかっこいいです」

冬馬(北斗とか翔太にはボロクソに言われたんだけどなぁ)

涼(物の配置は……ん?)

冬馬「ん?どうした?」

涼「それって……」

冬馬「ああ、これ俺達のライブの映像だ。反省点とか見直すためのな」

涼「……み、見たいです!その映像!」

冬馬「え?別に面白いもんじゃ……」

涼「お願いします!」

冬馬「……まあ、別に良いけどよ」

涼(これで冬馬さん達のステージのかっこよさの秘訣を……!)

涼「……」ジー

冬馬(黙りこくってずっと見てる……)

涼「あの……」

冬馬「何だ?」

涼「どうして冬馬さん、こんなにかっこいいんですか?」

冬馬「は……?」

涼「……すいません。急に変な事言っちゃって……」

冬馬「……」

涼「……」

冬馬「……どうして涼はそんなに可愛いんだろうな」

涼「……えっ」

涼「そ、それって……?」

冬馬(俺……がんばれ俺!!)

涼「わ、私……」

冬馬(な、何でここまで言ったのに!……言っちまえよ!)

涼「その……あ!すいません!長居しちゃいました!」

冬馬「!」

涼「そろそろ……」

冬馬「……待ってくれ!」ガシッ

涼「!?」

冬馬(……ここで言わねえでいつ言うんだよ!!)

涼「冬馬さん……?」

冬馬「……涼、好きだ!!」

涼(え?好き!?僕が!?え!?どういうこと!?何で!?どうして!?)

冬馬「涼が好きだ……!」

涼(そ、そんな僕は男で冬馬さんは男で……そんなありえない……)

冬馬「……お前の気持ちを聞かせてくれ!」

涼(も、もしかして今の僕が女の子だから!?でも僕なんかより可愛い人はいっぱい……)

冬馬「……」

涼「ぁ……ぅ……」

冬馬「涼……」ズイッ

涼「ヒッ……」

冬馬「……」

涼「ぁ……あの……僕……」

冬馬「頼む、答えてくれ」

涼「……ご、ごめんなさい!!」

冬馬「ぇ」

涼「さよなら!!」ダダッ

ガチャッ バタンッ

冬馬「……」

冬馬「……」

冬馬「……」フラフラ バタッ

冬馬(あの後涼は俺を避けるようになった)

冬馬(いや、挨拶や共演する時は普通に接してくれる)

冬馬(だけど……明らかに怯えている……もう俺は……)



冬馬「……」

翔太「冬馬君あの日からずっとこの状態って事は……」ヒソヒソ

北斗「まあ、散ったんだろうね……」ヒソヒソ

冬馬「何ヒソヒソ話してるんだ……?」

翔太「い、いや!ただ冬馬君最近暗いなぁって!」

冬馬「俺はいつでも元気100%だぜ……」

北斗「そ、そうか……」

冬馬「はぁ……」

北斗「おい!冬馬、涼ちゃんが重大発表するらしいぞ!」

冬馬「は……?」

翔太「何ボケッとしてるの?ほら!早く早く!テレビ見て!」

冬馬「……」



涼『――――――。―――――――』



冬馬「……涼が……男……?」

涼「本当にごめんなさい。僕が冬馬さんの告白を断ったのは……」

冬馬「僕……か」

涼「……あんなにお世話になったのに……僕は……」

冬馬「……」

涼「冬馬さんを傷つけてしまって……」

冬馬「……俺の目が節穴だっただけだ。あんな変装も見分けられなくて何がトップアイドルだ」

涼「何度も……メールをしようとして……でも怖くて……」

冬馬「当たり前だろ。男に告白されたら俺でもビビるぜ」

涼「……僕は……僕は……」グスッ

冬馬「もう良いって言ってるだろ。男の癖にいつまでもウジウジしてんなよ」

冬馬「あー、あの時の告白はお前の事友達として好きって意味に変換しといてくれ」

涼「あ……」

冬馬「それなら問題ないだろ?俺も男に告白した過去があるとか嫌だからな」

涼「……」

冬馬「またどっか遊びに行こうぜ!もう遊園地は行かねえけどな」

涼「……はいっ」

冬馬「まあ、敵としてステージで戦う事になったら容赦しないぜ」

涼「……」

冬馬「同じ男のアイドルとしてお前には絶対負けねえからな」

涼「ぼ、僕も冬馬さんみたいになって……きっと……!」

冬馬「俺を目指してどうすんだよ。頑張っても俺にしかならねえじゃねえか。トップアイドルになんだろ?」

涼「あ……」

冬馬「お前はお前のやり方でトップを目指すんだな。俺は俺のやり方を貫く」

涼「……分かりました。冬馬さんに勝って……そしてトップアイドルに!」

冬馬「良い度胸だ。俺を失望させんなよ」

涼(冬馬さん……ありがとうございます)

翔太「冬馬君なんか元気になったね」

北斗「一時は目が死んでたからな……本当に良かったよ」

冬馬「けっ!いつまでもクヨクヨしてられるか!俺は涼だけには負けねえからな!」

翔太「へー、でも涼さんに惚れて……」

冬馬「うっせえええええええええ!もうその事は言うんじゃねえ!!」

―――――――数ヵ月後―――――――――

冬馬「なあ……」

北斗「どうした?また恋の悩みか?」

冬馬「……やっぱおかしいか?」

翔太「だから何が?」

冬馬「男でも……悪くないんじゃねえか?」

終わり☆

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