主人公「なんて事だっ！　ラスボスがやられてる！？　一体、お前、ライバル……？　まさかお前が？」

ライバル（っち見つかっちまった）

ライバル「いや、なんか俺が来た時からこうだった」

主人公「え？　マジで？」

ラスボス「そ、そいつにやら」

ライバル「息の根止めておこう」ｸﾞｻ

ラスボス「ｶﾞﾌｯ……」

主人公「……なぁ、お前がやったんじゃないのか？」

ライバル「違うよ？」

ライバル「そんなに俺が信用できないワケ？」

主人公「いや、別に……」

ライバル「ならいいじゃん」

主人公「まぁ……結果的にラスボス倒せたし？」

ライバル「っな？」

主人公「……なぁおいラスボス」

ラスボス「私は、私は、ただ、娘を殺した人間に復讐を……」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

主人公「で、誰がお前をやったんだ？」

ラスボス「そいっｶﾞﾌｩｳｳｳｯ！？」

ライバル「そんなヤツの話に耳を貸すんじゃねぇどんなウソ言うか分からないぜ？」

主人公「……そ、そうか」

主人公「……まぁ、世界が平和になったと見て、いいのかな」

ライバル「ほんっとコイツあれだなもっとアレな感じにアレしとかないとな」ｸﾞﾘｸﾞﾘｸﾞﾘｸﾞﾘ

ラスボス「」ﾋﾟｸﾋﾟｸ

主人公「やめろ、そいつは生きたまま連れて帰るんだ」

ライバル「は？　ここで殺すべきだろ？」

主人公「いや、だって人々の前で処刑しないと駄目なんだって王の威厳がなんちゃらとか」

ライバル「……なるほど」

ライバル（しかし、このまま生きて連れて帰ったら確実にコイツは口を割る。なんとかしなければ）

ライバル「しかし、こいつの口から出る言葉は人を惑わせる魔力がある」

主人公「ん？」

ライバル「つまり、連れて帰るにもこいつが絶対喋ることすら出来ない状態、口を塞ぐとかじゃなくて
声帯切り取るくらいしないとな」

主人公「……」

ライバル「よし、お前ラスボスの体持っててくれ、俺が切り取ろう。どうした？」

主人公「なんでお前コイツの言葉が人を惑わせるって知ってんの？」

ライバル「え？」

主人公「俺知らなかったんだが」

ｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀ

主人公「なんだこの音」

ライバル「ん？」

獣少女「……」ｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀ

主人公「その姿……」

獣少女「わ、私、見てました……一瞬で……」

ライバル「っ！？」

主人公「何をだ？」

ライバル「こいつもぶっ殺すべきだ敵は残しちゃおけねぇ」

主人公「え？　でもまだ13歳くらいにしか見えないんだが」

ライバル「敵に年齢があるか？」

獣少女「っ！？」ﾋﾞｸｯ

ライバル「な？　禍根は残さないように……」ﾇﾗﾘ

獣少女「みっ、てない、です」

獣少女「何も、見てないです……」ｶﾞｸｶﾞｸ

獣少女「ほ、本当です……」

主人公「助けてもいいじゃないかなんか怯えてるぞ」

ライバル（これじゃまるで俺が悪人みたいじゃねーか）

ライバル「……ｯﾁ、本当に見てないんだろうな？」

獣少女「はっ、はいぃいいいい」

主人公「……」

ライバル「見たっつったら即殺す」ﾎﾞｿ

獣少女「」ﾋﾞｸｯ

主人公「……なぁ、今何言ったんだ？」

ライバル「え？　裏切るなとか後ろから攻撃するなとかそういうアレ。っな？」

獣少女「はいっ、はいっ……」

主人公「……」

ライバル「とりあえずコイツの管理は俺がするわ」

主人公「いや、俺が一緒にいよう」

ライバル「いやいやいや、お前倒すの俺、お前に死なれたら困る、ＯＫ？」

ライバル「だから、俺、こいつ、管理、ＯＫ？」

主人公「……」