神崎蘭子『光速の拳だと?』 (124)
アイドルのライブ───
華々しく歌い、踊るアイドルを幾千にも及ぶファンの声援(声)が叩くッッ───!!!
彼は───これによく似た体験をごく最近、堪能した───
原始の時代からよみがえった戦士──ピクルとの闘い───門下生から送られた正拳突きの圧力ッッ!!!
克巳「すげぇもんだな……アイドルって」
克巳「こんな重圧の中で歌って踊って…輝いてやがらぁ…」
克巳「なぁ、末堂?」
末堂「L・O・V・E・蘭子!!!ヤ ミ ノ マ !!!!!イェーイッッッッ!!!」
克巳「ハハハッ───」
聞いちゃいねぇ───
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三日前───
克巳「……」
克巳(バキさんとオーガが闘ってから何日かたった───俺は今、何をしているッッッッ!!!?)
克巳は───迷走(まよ)っていた──
ピクルとの闘いにおいて失った──否、得た隻腕というオリジナリティ──
オリジナリティを利用した───愚地克巳だけの空手──未だ発見できず──ッッッッ!!!
独歩「迷ってやがんなぁ…克巳」
克巳「おわッッ!?」
独歩「なんでぇ、でけぇ声だしやがってよ」
克巳「アンタに背後とられたら──どんな空手家だって驚くってのッッ!!」
独歩「なぁ克巳よ───
────女ぁ、紹介してやろうか?」
克巳「は──?」
現在───
独歩「んで──どうだったんでぇ? 」
克巳「親父…アンタも人が悪いなぁ」
克巳「女紹介するって──アイドルじゃんかよ」
克巳「触れ合うどころか──近寄れよもしない」
克巳「それに───俺は今、空手だけが恋人だぜ」
克巳「アイドルに浮気してる暇なんか───」
独歩「神崎蘭子」
克巳「ッッッッ!!!!?」
独歩「やっぱし、あの娘に目がいったかい」
克巳「───流石だ、親父─ッッ!」
独歩「武神だの言われてたらよぉ──芸能人だ、歌手だ、モデルだ、アイドルだ───色んなやつと会う機会が何度ももうけられるんだがよ」
独歩「あの娘は───今まで見てきたどんな奴よりも──」
『可愛いッッ!!!』
克巳「圧倒的な可愛いさ───見事だった」
克巳「あれはまさしく…愛される人(アイドル)を完成させているッッッッ!!!」
独歩「オーガ──勇次郎が、世界最強を夢見た雄の憧れだとすりゃ───」
独歩「ありゃぁ──世界で一番可愛いを夢見た雌の憧れ────」
独歩「女版、勇次郎だわな─」
女版───勇次郎───
それすなわち────
アイドル界のオーガ───
地 上 最 強 の ア イ ド ル !!
克巳「ッッ!!!」
独歩「どうでぇ──克巳よ、」
独歩「会ってみたかぁねぇか?
神崎蘭子にッッ!!」
克巳「会うって親父───またライブかよ?」
独歩「ヘヘヘッッ──」ニヤニヤ
独歩「これ見てみな」
バサッ
克巳「ッッ!!!?親父──本気かアンタッッッッ!!!?」
独歩「テレビマンの野郎が置いていきやがったんだ──受けるか、克巳ッッッッ!!?」
克巳「この話を受けちまったら──俺はもう空手家じゃなくなる──」
克巳「そして俺は空手家じゃなくていいッッッッ!!!!!」
独歩「───今回ばかりは、同感だぜ」
ハラリ…
『企画書、アイドル神崎蘭子の神心会一日体験入門!!プロデューサー、打ち合わせと違うじゃないですかぁぁッッ!!』
神崎蘭子───神心会体験入門決定ッッッッ!!!
──シンデレラアイドル事務所
ちひろ「いったいなに考えてるんですか!?」
モバP「そんな怒らなくても…どうしたんですか?」
ちひろ「蘭子ちゃんの空手一日体験ですよ!危ないじゃないですか!」
モバP「大丈夫ですよ、ちゃんと有香に聞いて大手のところにアポとりましたから」
ちひろ「大手だからって安全っていうわけでは…」
蘭子『同胞よ、魔王の体は一条の傷もつかぬ』(大丈夫ですよちひろさん!)
蘭子『鍛えられし闘士の技、我が力とせん』(それに私もすごい空手家の人の技を見てみたいんです!)キラキラ
ちひろ「あの…プロデューサーさん」ボソボソ
モバP「はい?」ボソボソ
ちひろ「蘭子ちゃんって空手好きとかじゃないですよね…?」ボソボソ
モバP「俺も最初は拒否されるかと思ったんですけど何故かノリノリでして…」ボソボソ
蘭子『闘士達の技、すべてを見届けん!!』(早く見たいなー、空手家さんの技!)ホンワホンワ…
─回想─
有香「えーと…神心会といえばやはり虎殺しの武神、愚地独歩さんが…」
蘭子「虎殺しッッ!!!」キラキラ
有香「あとはやっぱり空手会の最終兵器(リーサルウェポン)の克巳さんも」
蘭子「リーサルウェポン!!?」キラキラ
有香「お二人ともそれぞれ過去の闘いで眼帯と隻腕で…」
蘭子「隻腕と眼帯ッッッッ!!!」キラキラ
─回想終わり─
蘭子『魂が猛るわッッ!!!』
モバP「ほんとどうしたんですかねぇ…」
─撮影日─
モバP「ここが神心会かぁ、ド派手な看板だな」
蘭子「」ソワソワドキドキ
蘭子(会える…武神と最終兵器さんに!!) ワクワク
克巳「ようこそ、神崎さん、スタッフの皆さん」
克巳「神心会の代表、愚地克巳です」ニコッ
モバP「あ、どうも初めまして!神崎のプロデューサーです」名刺スッ
克巳「これはどうもご丁寧に──すいませんね、武術家という職業ゆえに名刺など持ち歩いていないもので──」
モバP「いえいえ、かまいませ…」
ヒュバッッッッッ!!!
モバP(はやっ───拳───突き────ッッ────!!?)
克巳「この正拳を名刺がわりとさせていただきます」ニヤッ
モバP───愚地克巳との接触わずか30秒で悟る───
モバP(生 き て い る ス テ ー ジ が 違 う ッッッッ!!)
蘭子「あ、あのっ!!!」
克巳「──はい?」
蘭子「貴方が…最終兵器さんですかッ!?」
神崎蘭子から投げ掛けられた疑問───
克巳はその疑問に答えるのに───間が空いたッッッッ!!!
克巳「あ、あぁ…そう言われてるよ」ニコッ
神崎蘭子という生物ッッッッ!!
それは空手に人生を捧げたハズの克巳の───
心を揺るがせたッッッッ!!!
蘭子「す…すごいです!!克巳さん!!」
克巳「ッッッッ!!!?」
──何度も聞いた、自身を讃える『すごい』という言葉
聞きなれたその言葉さえ──神崎蘭子の口から放たれればたちまち────
克巳「あ、ありがとうッッッッッッッッ!!!」
必殺の言葉と化すッッッッ!!!
愚地克巳───空手に人生を捧げた男───
アイドルに恋をするッッッッ!!!
独歩「なに大声だしてやがんでぇ」
克巳「お、親父ッッ!!?」
独歩「おう嬢ちゃん、俺が神心会の長だ」
蘭子「武神さん!!」
独歩「ハッハッハッ!空手家以外の女にそう言われるのは久々だぜ」
独歩「今日は俺の倅───克巳がおめぇさんの世話役だ、遠慮せずに頼りな」
蘭子『魂が猛るわッッ!!』
克巳「ッッ───!!?」
克巳(口調はキャラじゃなかったのかッッッッ!!!)
個性を出しすぎれば淘汰される社会において───
神崎蘭子の強すぎる個性(オリジナリティ)ッッッッ!!!
それを恥じることなく生き抜く剛胆ッッッッ!!!
克巳は───歓喜した───
まぎれもなく───
今、目の前に立つのは───
アイドル神崎蘭子ッッッッ!!!
克巳「蘭子ちゃん、今日はビシバシいくぜッッ!!!」
蘭子『のぞむところよッッ!!!』
モバP「なんか…馴染むの早いな蘭子」
加藤「見ろよ末堂」
末堂「……」
加藤「アイドルだがなんだか知らねぇけどよ───」
加藤「空手をなめてやがる───ッッ!!!」
加藤「神心会の汚点になるぜ───アイドルに空手ごっこを教えたってよ」
加藤「おい、末堂───?」
末堂「」
加藤「末堂ぉぉぉぉッッッッ────!!!!!」
末堂───憧れを目の前にし構えたまま気絶ッッッッ!!!
ドンッ!!!
克巳「これが空手の基本中の基本──正拳突きだ」
克巳「初心者でも達人でも虎殺しでも最終兵器でもまずはこの技から一日の鍛練を始めるのさ」
蘭子『ククク…造作もない』
克巳「良い自信だ、胴着も似合ってる」
克巳「それじゃ、ちょっとやってみなよ」
蘭子『せぁ!!!!』シュッ
克巳「ふむ…初めてにしては軸もぶれてないし上出来だぜ」
克巳「ただ拳だけで打つんじゃなくてな──関節をイメージするんだ」
蘭子「関節…?」
克巳「突きは体で打つもんだからな──突くときに使用する関節をしっかりと意識して出来るだけ動かすようにイメージして打ってみな」
蘭子『…やぁ!!』ブォッ!
克巳「な──?音が違うだろ?」
蘭子『…生命の昂り!!』(人間の体ってすごいですね!)
独歩「おうおう克巳の野郎───いっぱしに師匠してやがるぜ」
モバP「お若いのに立派な息子さんですね、やはり伝説の男の息子となれば空手の腕も遺伝してるんですねぇ」
独歩「遺伝?ハッハッハッ──馬鹿いっちゃいけねぇや」
独歩「俺と克巳は血なんざ繋がって無くてよ、遺伝もくそもありゃしねぇやな」
モバP「…すいません、軽率な発言でした」
独歩「かまいやしねぇよプロデューサーさん」
独歩「確かに血は繋がってねぇけどよ───克巳には俺の空手すべてを授けたつもりだ」
独歩「武人が技術を授けるってこたぁ──男が女に種いれるのとおんなじだぜ」
独歩「克巳は間違いなく───この愚地独歩のひとり息子だ」
モバP「なるほど……すいません、独歩さん」
モバP「俺は正直…貴方達のことを勘違いしていました」
モバP「貴方も克巳さんも、思っていたよりもずっと小さかったからです…ですがそれは思い違いで…貴方達はやはり大きくて……男達の憧れです!」
独歩「克巳はたっぱはそこそこでけぇと思うが──」
モバP「いえ…ちょっとアイツのせいで麻痺してて…」
???「うきゃ────ッッッッッッッッ!!!はぴはぴッッッッ!!!!!するにぃッッッッ!!!!!邪ッッッッ!!!!!」
───甘い、蜜月の時間はじきに過ぎた
神崎蘭子が新人空手家でなく───アイドルに戻る時がきた
克巳「蘭子ちゃん──なかなか才能あると思うよ」
蘭子『それは真か?』(本当ですか?)キラキラ
克巳「あぁ───アイドルというものは厳しい世界だと思うけど、忘れないでほしい」
克巳「君は空手会のリーサルウェポンの弟子だって事をね───あの正拳突き、あれが君と俺の絆だ」ニコッ
蘭子「あ、あの…!」
蘭子「ありがとうございましたッッ!!」
蘭子「克巳さん、もうすぐ私…ライブするんです」
蘭子「良かったら見に来てください!」
克巳「あぁ───」
克巳「必ずッッッッ!!!」
─その日の夜─
独歩「どうだったんでぇ、あの娘は」
克巳「どうだったって…可愛かったさ」
独歩「んなこと聞いてるんじゃねぇや」
独歩「お前の空手──見つかりそうかい?」
克巳「女にうつつを抜かし───それで進化する──」
克巳「空手がそんな簡単なもんなら──俺はとっくの昔にアンタを越えてるぜッッ!!!」
独歩「わかっちゃねぇな、お前さんはよ」
独歩「克巳ぃ───もう空手家やめろや」
克巳「─なんだって──ッッ?」ギリギリ
独歩「のびしろがねぇって言ってんだよ」
克巳「本気で言ってんのか、空手をやめろって──ッッ!!」
独歩「今のお前にかつて感じられたサイノウガ感じられねぇ」
独歩「このままだらだらと空手を腐らせるくらいなら───」
克巳「でぁぁッッッッ!!!!!」ブォッ…
父の──虎殺しの──武神の言葉を遮るマッハ突きッッ!!!
独歩「チェェリヤァッッッッ!!!!!」ヴォンッ!!!
しかし───
マッハ突きを相殺させる武神の菩薩の手の突きッッッッ!!!!
決まり───勝負を決められぬ事はあろうとも───
誰もとめるのこと出来なかった克巳のマッハ突き(オリジナリティ)────
それが──父(でんせつ)に止められたッッッッ!!!!
克巳「!?!?!?」
独歩「もういっぺんだけ言うぜ──」
独歩「空 手 家 や め ろ や 」
─シンデレラアイドル事務所─
ちひろ「知ってますか、Pさん?」
モバP「何をですか?」
ちひろ「この前蘭子ちゃんが行った神心会…代表の愚地克巳さんが空手家をやめちゃったらしいですよ」
モバP「ええ!?やはり隻腕では厳しかったんですかねぇ…」
ガシャーンッ
モバP「うおっ…ビックリした!」
ちひろ「蘭子ちゃんがティーカップ落としちゃったみたいですね…大丈夫?怪我してない?」
蘭子「克巳さんが…リーサルウェポンが…やめた…?なんで……」
ちひろ「…蘭子ちゃん?」
蘭子『重力…まだ我に逆らうか!!』(す、すいません!落としちゃいました!すぐに片付けますね!)カチャカチャ…
モバP「蘭子…?」
ちひろ「様子がおかしいですね…」
モバP「ところで、なんでエナドリとスタドリを大量に発注してるんですか?」
ちひろ「あぁ、外部の人から注文を受けたんですよ!すっごく大きくて丸坊主のカナダ人の男性に」
──東京
────秋葉原
──この地に集まるのは、闘いなどとは縁遠き愛好家(マニア)達
自分のコレクションをうるおすもの──
女(メイド)との逢瀬を楽しむもの────
───誰もが、違う目的を持ってこの地へと集っている
アイドルオタク(31歳)──根っからのドルオタ
アイドルオタク(ブス…ブサイク…ブサイク…ブスッッ!)
街ゆく通行人を値踏みし──見下す──
そんな悪癖を持った彼──
アイドルオタク(やっぱり──美しいのは君だけだよ、卯月)
アイドルショップ────
普段から行きなれた馴染みの店───
ドアを開ければ店員がいつものように『いらっしゃいませ』と微笑んでくれる───安住の地───
しかし───ッッ!!
ウィィン…
アイドルオタク「~~~~ッッ!!?!!?」
自動ドアが開いた瞬間に悟る──ッッ!!
───はりつめられた店内の空気ッッ!!!
普段は微塵も感じられぬほどの覇気ッッ!!!
アイドルオタク(い つ も と 違 う じ
ゃ ん ッッッッ!!!!!)
アイドルオタク「な、なんなんだよこれェ~~ッッ!?」
店の中央に───立つ圧倒的存在が二人ッッッッ!!!!!
烈「空手家をやめた───と、聞きました」
克巳「ハハッ…、さすがは烈師範よくご存じで…やめろと言われちまいましたよ」
烈「武神──愚地独歩に言われ、すぐに諦めるほど空手を軽んじている───」
烈「500年の先──501年目を築いた貴方とは思えないッ──」
烈「恥 を し れ ッッッッ!!!!!」
克巳「恥…か」
克巳「今までかけるだけの恥はかいたもんだと思ってましたけど───まだかける」
克巳「ただ───肩の荷が降りたように楽になったのも事実」
克巳「烈師範、ここはアイドルファン達が集まり、目当てのアイドルのグッズを買うところです…そして俺も今、ただのアイドルファンの愚地克巳としてここにいる」
克巳「空手会のリーサルウェポンなんて呼ばれた俺は────もういないんですよ」
烈「…そこまで堕ちたか、愚地克巳」
烈「武を捨てて、アイドルなどという小娘にうつつを抜かす」
烈「もとより貴方は空手を統べる器ではなかったッッッッ!!!!」
烈「失礼する──ッ!!」カッ
アイドルオタク(中国人が…向かってくるッッ!!?)
無論、烈海王は彼に危害をくわえるつもりなど毛頭なく───
ただ──アイドルオタクは初めて見るタイプの人種──烈に驚愕ッた(ビビった)ッッッッ!!!
──急激な方向転換、アイドルオタクが烈から避けるように身をよぎった時に
カランッ…
アイドルオタク(ア─────ッッ!!?)
落としてしまった──最愛の嫁(アイドル)の缶バッチッッッッ!!!
それは運悪く───烈の義足の下へ滑るッッッッ!!!!
粉砕される───島村卯月ッッッッ!!!!
アイドルオタク「あぁぁぁぁぁぁぁッッッッッッッッ──────ッッッッ!!!!!?」
烈「す、すまないッ!!君の大切な物を壊してしまった…!」
アイドルオタク「あ…あぁぁぁぁぁ…ッッッッ!!!!」
アイドルオタク「なんて…なんてことするんだよッッッッ!!!!」
烈「弁償をさせてくれ──それくらいでしか償えない…」
克巳「そりゃ島村卯月ちゃんの缶バッチか──」
アイドルオタク「そ、そうだよッッ!!!!俺の最愛だッッ!!!!」
烈「島村卯月──」
スッ
砕かれた──最愛の証───
いわば己で考えれば──武を踏みにじられたとも同義ッッッッ!!!
烈「本当に…すまない──」
アイドルオタク「もういいよ…弁償してくれ」
烈「あぁ…」
烈「ん…?」
武に人生を捧げた男──烈海王
彼があるものに視線を奪われたッッ!!!!
烈「おそれながらも…彼女の名を聞かせてはもらえないか?」
アイドルオタク「彼女…?」
烈「あの壁に貼られたポスター 、あれに写っている少女の名を…是非ッ!!」
アイドルオタク「あ、あぁ…佐久間まゆだけど」
烈「佐久間まゆ ───ッッ!!!」
黒曜石のように…鈍い光を放つ瞳ッッ!!!
触れれば折れてしまいそうなほど華奢な体躯ッッッッ!!!!
烈「ファンクラブ──というものがあると聴いたことがある」
アイドルオタク「は…?」
烈「彼女…佐久間まゆのファンクラブへの入門の許可を───是非ッッッ!!!」
烈海王───
アイドルへと魅了されるッッッッ!!!!
克巳「烈師範──」
克巳「歓迎しますよ、こっちの世界への入門!!」
─メイド喫茶─
メイド(はぁ…だっりぃ……帰りてぇ)
メイド(客もキモいやつばっかだし…やめよっかな…)
カランコローン…
メイド(ちっ…来んなよくそ)
メイド「おかえりなさいませご主人さ…ッッッッ!!?」
異様な光景だった───
客の中の一人は、いつも来るような客と変わらない風体だったが
───残りの二人があまりにも異様ッッッッ!!!
メイド喫茶よりもリングの中の方が似合いそうな───筋肉質な二人ッッ!!
烈「私は…君の主になった覚えはないが」
克巳「そういうサービスですよ、烈師範」
その三人は───明らかに収まりきらないであろう小さな席へと着席した
アイドルオタク(な、なんで俺まで巻き込まれて…ッッ!?
烈「君の大切な物を壊してしまったこと、それは弁償くらいでは償えないことは私にもわかる」
烈「せめてのも気持ちです、食事を御馳走させていただきたい」
克巳「えーと…メイドさん、注文いいかな?」ニコッ
メイド「は、はい!承りますご主人様!」
メイド(こっちのお兄さん…イケメンじゃん!!)
克巳「俺はあんまり腹へってないから、コーラね」
アイドルオタク「お、俺もコーヒーで…」
烈「スペシャルケーキにゃんにゃんセットを」
メイド「~~~~ッッ!?」
メイド(この中国人──ッッ!!よりにもよってそれをッッ!?)
メイド「そ、そちらのセットはご主人様と私が一緒に『にゃんにゃんソング』を歌うセットになっておりますけど……」
烈「私は一向にかまわん」
克巳「いいんですか烈師範?にゃんにゃんソングですよ?」
烈「私は一向にかまわん」
アイドルオタク「あの…やめといた方が…」
バンッッッ!!
烈「私はッッッッ一向にかまわんッッッッッッッッ!!!!!」
メイド「ご、ご注文承りましたー!」
烈「チョコプレートに書く名前は烈永周と──」
克巳(本名かよッッ!!!)
烈「克巳さん──本当に武を諦めるつもりで?」
克巳「あぁ──今の俺は空手よりも蘭子ちゃんへと人生を注ぎたい」
克巳「蘭子ちゃんに正拳突きを教えたあの日…俺は最愛が増えたのを感じました」
克巳「二人の母に……一人のアイドルです」
克巳「空手を愛したように──蘭子ちゃんを愛している」
烈「先ほどの言葉──訂正します」
烈「克巳さん、貴方はやはり空手界を担うべきだ」
烈「その蘭子というアイドルを守るためにも───空手を続けるべきかと」
アイドルオタク(蘭子ちゃんって…そういえばこの兄ちゃん前にテレビで蘭子ちゃんに空手教えてた愚地克巳ッッッッ!!?)
アイドルオタク(それでこっちは…確か異色のボクサー、烈海王ッッッッ!!?)
アイドルオタク(なんでこんな有名人が俺とメイド喫茶にいるわけッッッッ!!?)
克巳「空手をやめたのは───蘭子ちゃんのせいじゃない」
烈「では、何故?」
克巳「烈師範───、貴方はボクシングという新たな武への一歩を踏み出した」
克巳「今度はあのボルト選手とも試合をすると聞いています」
克巳「しかし───俺には今さら他の武を目指す事も出来ず、隻腕という個性(オリジナリティ)をもて余している」
克巳「わかりますか?烈師範────」
克巳「俺はもう───あの時の俺に戻れないッッッッ!!!」
克巳「あの頃の俺を越えることも叶わないッッッ!!!」
克巳「だから…空手をやめたんです」
烈「………」
克巳「それに…毎日、蘭子ちゃんのテレビを見て、ライブDVDを見てCDを聞いてる…この生活も悪くはないんですよ、ハハッ」
克巳「明日、ライブもありますしね!」
烈「克巳さん──貴方はそれで───」
メイド「お待たせしましたご主人様!コーラとコーヒーとスペシャルケーキにゃんにゃんセットです☆」
克巳「おお、ありがとね!」
烈「これが…スペシャルケーキにゃんにゃんセット…」
メイド「それじゃいきますよ!にゃーんにゃーん♪」
烈「にゃんにゃんッッッッ♪」
メイド「にゃーんにゃーんにゃんにゃん♪」
烈「にゃんにゃんにゃんッッッッ♪」
メイド「うー…にゃー♪」
烈「フンッッ…ハッッッッッ!!!」
克巳(中国拳法を極めた男がにゃんにゃん言ってらぁ…)
アイドルオタク(ウサミンすすめたらハマりそうだな…)
メイド「お会計3600円になりまーす!」
烈「なかなか楽しめた──謝謝(シェイシェイ)」
克巳「仕事、頑張ってね」
カランコローン…
メイド(この仕事…もうちょっと続けてみるかぁ…今日みたいな面白いことあるかもだし)
烈「克巳さん、アイドルオタクさん…今日は良き出会いに巡り会えました、またいずれお逢いしましょう──再見(サイツェン)」
克巳「ええ、烈師範もご無事で」
アイドルオタク「ファンクラブは会費さえ払えば誰でも入れますからね」
アイドルオタク「克巳さん…ですよね?」
克巳「あぁ、そうですが」
アイドルオタク「明日のライブ──俺も行くんです、卯月も出るから」
克巳「事務所全アイドルが出演する夢のライブだからね──」
アイドルオタク「また、明日…会いましょう」
克巳「──必ずッッ!!」ガシッ
───アイドルオタクは、初めてアイドルでない他人を『ブサイク』だと思わなかった
───夜、人の滅多に通らぬ街灯の無い裏道
本来ならば良からぬ考えを持つ変質者などが喜びそうな道ではあるが───
神心会の本部裏の道であるため、恐れられ───この界隈ではもっとも安全な道とも言える
克巳(そんな道に来ちまうなんて…俺も女々しいな───)
──無論、闇討ちをしにきたわけでは無く
許しを乞い、空手をもう一度始めるつもりでもない
ただ───気づけば来ていた、というだけだ
克巳(でっけぇな…親父は…)
看板に描かれた『虎殺し』───
それが誇りだった───
自身が武神の息子だということがなによりも───嬉しかった
克巳「ところで───そこに隠れてるのは誰だい?」
ガサッ…
克巳「バレてるんだ、出て来いよ」
ガサッガサッ…
蘭子「…克巳さん」
克巳「こりゃ── 驚いたな
克巳「今をときめくトップアイドル神崎蘭子、熱愛報道…お相手はハンサムな空手マン」
克巳「週刊誌に書かれるとしたら…こうだな、ハハッ」
蘭子『なぜ…極めた道を棄てた』
克巳「………」
────難解な言葉であったが、理解できた
この少女はたった一度しか会っていない自分のために───駆けつけたのだと
───14歳、アイドル…悪くすれば地位を失うかもしれない、そんな危険(リスク)も怖れず駆けつけたのだと
克巳「蘭子ちゃん…」
蘭子『我が友から…おとぎ話のごとき真実を聞いた』
蘭子『古き神話など踏みつけるがように…新たなる神話をつくりだす闘士(グラップラー)がらいたと!!!』
蘭子『その闘士(グラップラー)は…野獣を蹂躙し、罪人を裁き、太古の戦士に向かった!!』
蘭子『そして…その拳は光と音を置き去りにすると!!』
──理解(ワカ)る…
────少女の言いたいことが…
蘭子『我は…闘士では無い』
蘭子『しかし……その夢物語を体現するかのような存在に胸が踊った…』
蘭子「あ…憧れたんですッッ…!!!」
蘭子「いつも…私が想像しているようなお話を…実現していた克巳さんにッッ!!!」
克巳「俺は元々…そんなたいした人間じゃないよ」
克巳「たった20と少ししか生きていないガキが天才だ──神童だ、そう持ち上げられた」
克巳「人よりも少しだけ才能があった───その才能も隻腕になり人並みになっちまった」
克巳「俺の拳は──二度とマッハを越えられない───ッッ!!」
蘭子「…明日のライブ、約束しましたよね」
蘭子「来てくれるって…」
克巳「あぁ、必ずいくつもりだよ」
蘭子「貴方が──私に教えてくれた正拳突き」
蘭子「そのお返しをしてみせます───歌でッッ!!!」
蘭子『宵明けに会おうッッッッ!!!』タッ
───武道館、そこに集まった……
一万を越えるほどのアイドルファン達ッッッッ!!!
その中に──彼もいた──
アイドルオタク「まさか克巳さんが一緒に行こうって誘ってくれるなんて…」
克巳「どうせ行くなら楽しく行きたいだろ?烈師範も帰国してなければ誘ったんだが──」
アイドルオタク「俺の推しアイドルはもちろん卯月ですけど、ニュージェネレーションのユニットソングも歌うらしいですから楽しみなんですよ!」
克巳「俺はとにかく───蘭子ちゃんだな」
昨夜再びかわした約束───
『お返しをする』と彼女から伝えられた
克巳(蘭子ちゃん…君の歌───楽しみにしてるよ)
武道館───
シンデレラガールズオールライブッッ!!!
この空前のライブを前にアイドルファン達の熱気は 今まさに沸点へと達しようとしていたッッッッ!!!!!
そして───MCが入場したとき───
今や完全に沸点へと達したッッッッ!!!!!
ファン『と・く・が・わ~~~~~~ッッッッ!!!!!』
ファン『御老公ォ~~~~ッッッッ!!!!!』
ファン『みっちゃ~~~~~んッッッッ!!!!』
ワァァァァァァァッッッッ!!!!!
徳川「…」スー…ッ
徳川「地上最愛のアイドルを見たいか─────ッッ!!!」
ファン達『オ──────ッッッッ!!!!!』
徳川「ワシもじゃ、ワシもじゃみんなッッッッ!!」
ちひろ『全アイドル登場ですッッ!!!!』
ちひろ『シンデレラは生きていたッッ!!更なるレッスンを積み、初代王者が甦ったッッ!!!』
ちひろ『シンデレラガールッッ!!十時愛梨だァ───ッッ!!!』
愛梨「ちょっと暑くないですか───?」
ワァァァァァァァッッッッ!!!
ちひろ『アイドルダンスは既に私が完成させているッッ!!!』
ちひろ『ニュージェネレーション、本田未央だァ───ッッッッ!!!!!』
未央「本田未央で───すッッッッ!!!!!」
うぉぉぉぉぉぉぉッッッッ!!!!!
ちひろ『話を聞き次第わかりまくってやるッッ!!!』
ちひろ『アンチエイジング、川島瑞樹だァッッ!!!』
瑞樹「わかるわ」
わかるわァァァ───ッッッッ!!!!!
ちひろ『ゆるふわ雰囲気なら私の個性がものを言うッッ!!!!!』
ちひろ『お散歩カメラッッ!!!高森藍子ッッ!!!』
藍子「ゆっくり楽しんでくださいね♪」
ワァァァァァァァッッッッ!!!!!
ちひろ『普通の女の子の可愛さを知らしめたいッッ!!!』
ちひろ『ニュージェネレーション最年長ッッ!!!島村卯月だァッッ!!!』
卯月「がんばりますッッ!!!」
アイドルオタク「卯月ィィィッッッッ!!!!!」
ちひろ『だじゃれはいまいちだが大人の可愛さなら彼女のものだ!!!』
ちひろ『ミステリアスビューティーッッ!!!高垣楓ッッッッ!!!!!』
楓「このステッキ…やっぱり素敵、フフ♪」
アハハハハハハッッッッッ!!!!!(苦笑)
ちひろ『体調管理は完璧だッッッッ!!』
ちひろ『トライアドプリムスの花嫁乙女、北条加蓮ッッッッ!!!』
加蓮「皆も倒れないようにね────ッッ!」
おおおおおおおおォッッッッ!!!!!
ちひろ『全アイドルのベスト・バストは私の中にあるッッ!!』
ちひろ『巨乳アイドル界の神様が来たッッ!!!及川雫ッッッッ!!!!!』
雫「も~も~ですよ~♪」プルルンッ
もぉぉぉぉもぉぉぉぉぉぉオッッッッ!!!!!
ちひろ『タイマンでもライブでも絶対負けんッッ!!!』
ちひろ『元暴走族のライブ見せてやるッッ!!!特攻隊長、向井拓海だァァァッッッッ!!!!!』
拓海「いくぜ野郎共ッッッッ!!」
ワァァァァッッッッ!!!!!
ちひろ『ラテンのダンスならこいつがスゴいッッ!!!』
ちひろ『ブラジルのピュアダンサー、ナターリアだ!!!』
ナターリア「ナターリアがんばるよー!!!」
ワァァァァァァァッッッッ!!!!!
ちひろ『台湾からお団子娘が上陸だッッッッ!!!!!』
ちひろ『ffdy 、フェイフェイッッッッ!!!!!』
フェイフェイ「フェイフェイダヨー!!!」
フェイフェイダヨーッッッッ!!!!!
ちひろ『世界レベルのパフォーマンスがしたいからアイドルになったのだッッッッ!!!!!』
ちひろ『世界レベルのライブ見せてやるッッ!!!ヘレンッッッッ!!!!!』
ヘレン「つまり、そういうこと」
ワァァァァァァァッッッッ!!!!!
ちひろ『花屋の娘とはよく言ったもの!!!』
ちひろ『蒼が好きなクールアイドルの歌が爆発するッッ!!!ふーん、アンタが私のプロデューサー?ニュージェネレーション、トライアドプリムス掛け持ちッッ!!!渋谷凛だァァァ───ッッ!!!』
凛「残していこうか…私たちの足跡」
しぶりィィィッッッッんッッッッ!!!!!
ちひろ『スウィーツ好きこそが女子力の高さの題名詞だッッ!!!!!』
ちひろ『彼女がいなきゃ始まらないッッ!!!三村かな子ッッッッ!!!!!』
ウォォォォォォォォッッッッ!!!!!
ちひろ『休みたいからここまで来たッッ!!!明日は休みだ!!!』
ちひろ『自室警備員アイドルッッ!!!双葉杏だッッッッ!!!!!』
杏「帰ってもいいー?」
エェぇぇぇ~~~~~~ ッッッッ!!!!!??
杏「ですよね~…」
ちひろ『僕はアイドルで一番可愛いんじゃありません、人類で最も可愛いんですッッ!!』
ちひろ『ご存知自称天使、輿水幸子ッッッッ!!!!!』
幸子「きききき、緊張なんてするわけ無いじゃないですかッッッッ!!!?」プルプル
カワイイイイイイッッッッ!!!!!
フェイフェイは香港ダヨー
ちひろ『アイドルの可愛さは今や机の下にあるッッ!!!』
ちひろ『彼女が逃げ出せる日はくるのかッッッッ!!?!?森久保乃々だッッッッ!!!』
乃々「むぅ~~りぃ~~…」
がァんばれェッッッッ!!!!!
ちひろ『デカアァァァァァァァいッッッッ!!!!!説明不用ッッッッ!!!!!』
ちひろ『186センチッッ!!!諸星きらりだァァァッッッッ!!!!!』
きらり「ハピハピしてぅぅ~~~ッッッッ!!?」
にょわぁァァァァァァァァァッッッッ!!!!!
ちひろ『アイドルは全存在に歌えてナンボのモンッッ!!!』
ちひろ『霊へも歌えるアイドルッッ!!!白坂小梅の登場だッッッッ!!!!!』
小梅「きょう…あの娘も来てる…エヘヘ」
ざわざわざわざわざわ…ッッ!!!
ちひろ『恋路を叶えるのは私ッッ!!!邪魔するやつにはこっちも邪魔して後からドジるだけッッ!!!』
ちひろ『ヤンデレポンコツアイドルッッ!!!佐久間まゆッッ!!!』
まゆ「うふふふ…まゆですよぉ…?」
ワァァァァァァァッッッッ!!!!!
>>87
マジかよ烈海王と一緒か、すまん
ちひろ『アイドルの可愛さは今や机の下にあるッッ!!!』
ちひろ『彼女が逃げ出せる日はくるのかッッッッ!!?!?森久保乃々だッッッッ!!!』
乃々「むぅ~~りぃ~~…」
がァんばれェッッッッ!!!!!
ちひろ『デカアァァァァァァァいッッッッ!!!!!説明不用ッッッッ!!!!!』
ちひろ『186センチッッ!!!諸星きらりだァァァッッッッ!!!!!』
きらり「ハピハピしてぅぅ~~~ッッッッ!!?」
にょわぁァァァァァァァァァッッッッ!!!!!
ちひろ『アイドルは全存在に歌えてナンボのモンッッ!!!』
ちひろ『霊へも歌えるアイドルッッ!!!白坂小梅の登場だッッッッ!!!!!』
小梅「きょう…あの娘も来てる…エヘヘ」
ざわざわざわざわざわ…ッッ!!!
ちひろ『恋路を叶えるのは私ッッ!!!邪魔するやつにはこっちも邪魔して後からドジるだけッッ!!!』
ちひろ『ヤンデレポンコツアイドルッッ!!!佐久間まゆッッ!!!』
まゆ「うふふふ…まゆですよぉ…?」
ワァァァァァァァッッッッ!!!!!
ちひろ『自分を試しにアイドルになりにきたッッッッ!!!!!』
ちひろ『雪国の妖精ッッッッ!!!!!アナスタシアッッ!!!!!』
アーニャ「アー…みなさん、スパシーバ、です」
スパシーバァァァッッッッ!!!!!
ちひろ『お姉ちゃんを越えるカリスマアイドルギャルになりたいッッッッ!!!』
ちひろ『ロリ枠ッッッッ!!城ヶ崎莉嘉ッッッッ!!!!!』
莉嘉「みんなァァ!見てる───ッッ!?」
ウォォォォォォォォッッッッ!!!!!
ちひろ『タブレットを持てば死角は無いッッッッ!!』
ちひろ『小さなイチゴの女王様ッッ!!!橘ありすッッ!!!』
ありす「こんなに集まるなんて……来てくれてありがとうごさいます」///
チョロドルッッッッッッッッ!!!!!
ちひろ『キノコ大好きメタル娘が今ッッッッ!!!ベールを脱ぐッッッッ!!!!!』
ちひろ『彼女も机の下からだぁッッ!!!星輝子ッッッッ!!!』
輝子「ふひ…ゴートゥヘェェェェェルッッッッ!!!!!」
ヒャッハァァァァァッッッッ!!!!!
ちひろ『ファンがいればみくはいつだって猫キャラだッッッッ!!!!!』
ちひろ『失みフ辞はもうさせないッッ!!!前川みくッッ!!!』
みく「猫ぱぁーんちっ☆」
ファンやめぇぇぇッッッッ!!!!!
みく「なんでにゃッッ!?!?」
ちひろ『ギャルらしさはどうしたッッ!!!?清純ギャルッッ!!!いまだ根強いッッッッ!!!!!』
ちひろ『城ヶ崎美嘉ッッッッ!!!!!』
美嘉「みんな今日はヨロシクねー!!」
ウォォォォォォォォッッッッ!!!!!
ちひろ『アイドルになる理由なんて特にないッッ!!!(ツンデレ)可愛い衣装が着たいからアイドルになったのだッッッッ!!!アニメも録画済みだッッッ!!!』
ちひろ『トライアドプリムスのツンデレ娘ッッ!!!神谷奈緒が来てくれたァァァッッッッ!!!!!』
奈緒「き、来ちゃわるいかよッッ!?」
ワァァァァァァァッッッッ!!!!!
ちひろ『イタズラで磨いた小悪魔の可愛さッッッッ!!!』
ちひろ『デビルクイーンッッ!!!小関麗奈だァァァッッッッ!!!!!』
麗奈「アーハッハッハッハッゲホゲホッ…!!」
麗奈様ァァァッッッッ!!!!!
ちひろ『ロリアイドルならこの娘は外せないッッ!!!』
ちひろ『超A級ロリアイドルッッ!!!龍崎薫だァァァッッッッ!!!!!』
薫「やっほーっ!!」
ワァァァァァァァッッッッ!!!!!
ちひろ『超一流イケメンのッッ!!!超一流アイドルだッッ!!!』
ちひろ『生で拝んで腰を抜かすなッッッッ!!!!!元祖イケメンアイドルッッ!!!東郷あいだッッッッ!!!!!』
あい「さぁ、楽しもう!」
ウォォォォォォォォッッッッ!!!!!
ちひろ『守ってあげたい女の子はこの娘が完成させたッッッッ!!!!!』
ちひろ『キュートの切り札ッッッッ!!!!!緒方智絵里ッッッッ!!!!!』
智絵里「ちえりんチョップ!…えへへ」
ちえりぃぃぃぃッッッッ!!!!!
ちひろ『若き魔王の凱旋だッッッッ!!!!!』
ちひろ『シンデレラはここにいるッッッッ!!!!!』
ちひろ『我々は君を待っていったッッッッ!!!!!』
ファン「蘭子ッッ!!!蘭子ッッ!!!」
ファン「蘭子ッッ!!!蘭子ッッ!!!」
ちひろ『神崎蘭子の登場だァ─────────ッッッッ!!!!!』
蘭子ッッ!!!蘭子ッッ!!!蘭子ッッ!!!
蘭子『我にひれ伏せッッッッッッッッ!!!!!』
ワァァァァァァァッッッッ────!!!!!
克巳「ハハハッ───すごいな、ほんとに」
克巳(14歳の少女が───この観客の中心にいるッッッッ!!!)
蘭子『狂宴を楽しむが良い!!』
オォォォォォォォォォッッッッ!!!!!
一万人ものファンに囲まれた少女は───
堂々と───華麗に歌い踊る
克巳(そんな君を…本当に誇らしく思う───)
何度も何度も反復して見た───映像の中の彼女───
今、現実(ステージ)で踊る彼女は映像などよりも───より鮮や──
蘭子「ハッ!!」ブンッ
克巳「ッッ!!!?」
ファン「今の動きって…ダンス?」
ファン「いや…あんなフリなかったような…」
ファン「空手…?」
蘭子「せやッッ!!」ブンッ
克巳(な、なにやってんだよ…蘭子ちゃん───)
克巳(俺に───メッセージを送ってるつもりかッッ!?)
ファン達の中ので彼女が行った───正拳突き──
アイドルのダンスとはかけ離れた動き…武道家の動き───
彼女は今ッッ!!!
アイドルを捨ててまで、武道家になってまで克巳にメッセージを送るッッ!!!
蘭子(どうか…どうかやめないでください克巳さんッッ!!!)ブンッ
蘭子(空手を…すてないでッッッッ!!!!!)ブンッ
愚地克巳は思い出していた───
かつて彼女と交わしたたったひとつの絆───
正拳突きという絆ッッ!!!
克巳(今の俺に───君に答える資格はない、空手家じゃない俺なんかに───)
克巳(君の正拳突きを───返すことなんて───)
パァンッッ!!!!
克巳「な、なんだッッ!!!?」
暴徒「ふざけんなよ…黙ってみてたらダンスも踊らねーでよ…」
暴徒「そんなに空手家が忘れられないなら俺が無にもどしてやらァッッッッ!!!!!」
先程の渇いた音が銃声だったと克巳が気づくまでおよそ2秒────
暴徒「蘭子ォォォォォッッッッ!!!!!」グッ…
暴徒が蘭子に向かい引き金を引くまで残り約5秒
蘭子「ッッ─────……!!!!」
蘭子が叫び声をあげるまで残り──同じく約5秒ッッッッ!!!!!
克巳(傷つけさせねェ──最愛をッッッッ!!!!!)
しかし───暴徒と化したファンと克巳の距離、実に15メートル
わずか3秒で追い付ける確率は低い───
克巳は────何度も反復した構えをとる
偉大すぎる父からの期待に答えるため───
喧嘩師、花山薫に勝利するため───
魔拳、烈海王と並ぶため────
最強の戦士、ピクルを倒すため───
500年の空手の歴史の───501年を歩むため───
克巳(これを打てば…俺の拳はまた使い物にならなくなる───)
克巳(空手家じゃない俺の拳と────アイドル神崎蘭子の命────)
克巳「比べるまでもねェッッッッッッッッ!!!!!!!!」
パァァァッッッッッッッッンッッッッ!!!!!
ファン「うぉっ!!!」「ひぃっ…!!!」「だおっ…!!!」
蘭子「きゃっ…!」
───克巳が空に放ったのは、彼がたどり着いたマッハ突きの完成形『当てない打撃』
かつてピクルに放った時もそうだった──
この技は───とてつもない衝撃と音を爆発させるッッ!!!
爆音に虚をつかれた暴徒は───
暴徒「────ッッ!?」
引き金を引くことを忘れ───数秒後に意識を覚醒させ、引き金を引こうとする
数秒────克巳が、リーサルウェポンが15メートルという距離をつめるには遅すぎるッッ!!!
蘭子「克巳さん…ッッ!!!」
克巳「おおおおおおおおおォォッッッッ!!!!!」
蘭子「い~~~~~ッッッッけェッッッッッッッッ!!!!!」
克巳「ちぇりアァッッッッッッッッ!!!!!」
正拳突きを放つ際に使用する関節───それらを同時に高速で稼働させることによって人間を越えたスピードで突きを放つ男がいた
───その男は、さらにイメージにより関節を増加させてさらなるスピードで突きを放てるようになった
人々は彼を天才、空手を終わらせた男と呼び───尊敬した
愚地克巳────一度は空手を棄てた男
しかし空手は───いまだ彼を棄てずッッッッ!!!!!
その突きの名は『音速拳』
またの名を──────
マ ッ ハ 突 き ッ ッ ッ ッ ッ ッ ッ !!!!!
アイドルオタク「う、う……」
美 し い ッッ!!!
暴徒「お…ご……」
警備員「と、とりおさえろ!!!」
克巳「あんまり手荒にすんなよ、手加減はしたけど内臓グッチャグチャだろうぜ」
警備員「ご、ご協力ありがとうございますッッ!!!」
克巳「おうよ」ポンポン
蘭子「克巳さん──」
克巳「蘭子ちゃん…」
蘭子「やっぱり克巳さんは…空手を捨ててなかったんですね!!」
克巳「いや───違うよ」
蘭子「え…?」
克巳「いやぁぁ───ライブ中のゲリラ空手イベントどうだったよお前等ァァッッ?」
克巳「手に汗握ったろ?ハハハハッッ!」
蘭子「克巳さん…なに言って…!?」
克巳「音響とかにもこだわってよ、凄かった?」
ファン「なんだイベントか」「まぁそりゃそうだわな」「魔法がとけた」「普通の人間が正拳突きであんな音出せるわけないよな」
蘭子「イベントって──そんなわけッッ!!」
克巳「いいのさ──これでね」
蘭子「だって…克巳さんはほんとに凄くて…!」
克巳「あの暴徒──あれもそうだが俺と君が何かしらの関係を持っているとにおわせればまたこういうことは起きる」
克巳「だったら…ここで君と俺は他人、仕事仲間になればいい」
ファン「引っ込めよ空手家!!」「てめぇの空手みにきたわけじゃねーぞ!!」「このへっぽこ野郎!!」
克巳「観客もああ言ってる、蘭子ちゃん…さよならだ、もう二度と君と会うことも君を大切に思うこともないだろう」
蘭子「克巳…さん……」
克巳「がんばりな、小さな魔王さん」
克巳「───闇にのまれよ」
蘭子「闇に───のまれよ───ッッ!!!」グスッ…
─神心会本部─
克巳「…」ゴソゴソ
独歩「なにやってやがんでェ」
克巳「うおォッッ!!!」
独歩「いまさら空手をやらせてくれって言いにきたってかァ?」
克巳「──親父、アンタがなんで俺と彼女を引き合わせたのかわかったよ」
独歩「へぇェ~~~…」
克巳「俺はさっき彼女を守るために当てない打撃を放った──でも、見てくれよこの腕」
克巳「破裂しちゃいない──完璧に放ったのにだ」
独歩「空手家の体っていうのはよォ克巳…」
独歩「嫉妬ぶけェんだ、他のもんに浮気しようもんなら絶対にもう一度振り向かせてやるって具合でよ…知らねぇ間に強靭になってやがんだよ」
独歩「お前の体は───マッハに耐えれるようになったってこったわな」
克巳「やっぱりお見通しかよ…ハハッッ」
独歩「今のオメェは──サーカスにいた時と同じくらい魅力的だぜ、克巳よ」
独歩「明日からまた師範代だ、しっかりやれよ…俺っちはもう寝るぜ」フワァ…
克巳(ありがとう──親父ッッ!!!)
克巳(そして───ありがとう、蘭子ッッ!!!)
克巳(二度と会うこともない…もう二度と空手以外に心奪われたりもしない───)
克巳(もう───アイドルにハマることもねェ──)
克巳「…ん?」
ラジオ『えー…今日のゲストはなんと!!!μ´sのにこちゃんが来てくれましたァァッッ!!!』
ラジオ『にっこにこにっー♪』
克巳「───かっつかつみィッッ……」ボソッ
愚地克巳───にこにーファンクラブ入会決定ッッッッ!!!!!
完
すまん、皆
どーしても書きたいやつにであっちまった!
バキSSとしては二作目
モバマスSSとしてはたぶん14作目くらいかと
それと、新年あけましておめでとうございます
今年も元気にちひろさんに全てを捧げ、地上最強のプロデューサーになれるよう頑張ります
過去作
バキ
勇次郎「バキよッッッッ!!!サンタに手紙は送ったのかッッッッ!?」
モバマス
モバP「島村卯月の飼い方」シリーズ
その他もろもろ
それではお付き合いいただきありがとうございました
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