クリスタ「マフラー」(60)
地味に立てた『ユミル「ゆたんぽ」』の続き
もう落ちてる
――とある朝
クリスタ「うわぁ…」
サシャ「あっ おはようございます、クリスタ」
クリスタ「おはようサシャ」
サシャ「何見てるんですか?」
クリスタ「ほら、見てサシャ 窓の外」
サシャ「どれどれ…」ヨイショ
サシャ「雪が結構積もってますね…」
クリスタ「うん」
サシャ「昨晩凄い吹雪いてましたしね 今日は丁度お休みの日ですし、この雪で遊べますね!」
クリスタ「何して遊ぶ?」
サシャ「男女混合雪合戦なんてどうでしょう?」
クリスタ「うわあ、それいい!」
サシャ「でしょう…」
サシャ「」ヘッキチ
クリスタ「大丈夫?」
サシャ「大丈夫ですよ 最近夜がめっきり寒くなりましたからね」
サシャ「健康管理は兵士の基本ですから 気を付けないと」
クリスタ「寒かったら、私のゆたんぽ、使う…?」
サシャ「とんでもない!」
サシャ「あれはクリスタが使うべきですよ だってユミルがクリスタにって渡したプレゼントですし」
サシャ「それに、私が使ったらユミルにこっぴどく叱られそうですし…」ボソッ
クリスタ「? 何か言った?」
サシャ「いえ、なんでもありません…!」
クリスタ「本当に大丈夫? 貸して欲しかったらいつでも言ってね」
サシャ「その心使いだけで今日は温かく寝られる気がします」
サシャ(やっぱり女神は違いますね)
クリスタ「そ、そう…?」
サシャ「ええ」
サシャ「さて、そろそろ朝ごはん食べに行きましょう!」
クリスタ「うーん 私はユミルが起きるまで待っておくわ」
サシャ「そうですか」
サシャ「私的にはユミルに色々強奪されかけるのでとっとと食べたいんですよ」
ユミル「だぁれが強奪だって?」
サシャ「ひいい本人が登場しました!!」
クリスタ「あ、おはようユミル」
ユミル「おう、おはようクリスタ」
ユミル「なんだサシャ? お前クリスタにパンをたかってるのか」
サシャ「違います、ちーがーいーまーすー!」
サシャ「ユミルにたかられるのが嫌ってクリスタに愚痴ってたんですよ!」
ユミル「何言ってんだ いつもコニーやらのパンをとろうとする癖に」
サシャ「それはそれ、これはこれ、です」
クリスタ(どうちがうんだろう)
ユミル「へっ 言ってら」
ユミル「何にせよ私の方がお前に比べて体躯が大きいんだからお前よりエネルギーが必要なのは当たり前だろ」
サシャ「体躯が違う…って数センチしか変わりませんよー!!」
ユミル「はいはいそうだねそうだね」
サシャ「うー…」
クリスタ「ユミル」
ユミル「なんだ?」
クリスタ「そんなに欲しかったら、私のパンあげるよ」
ユミル「なっ…」
ユミル「それは、駄目だ お前は他の訓練兵に比べて細いし、小さい まだあと2年訓練兵団に居るんだから、これからの事を考えてもっと栄養をとった方がいい」
ユミル「わかったか?」
クリスタ「…」
クリスタ「…うん」
ユミル「さて、食堂に行くか」
サシャ「今日はとらないでくださいよ」
ユミル「あー… 覚えてたらな」
サシャ「絶対しらばっくれる気満々ですね!!」
クリスタ「…」
「ゆみたんぽ」の続き……だと?大歓迎だ!
――食堂
ザワザワ
ウワー ヨシヤッター
ユミル「ん?なんの騒ぎだ?」
クリスタ「さあ…」
サシャ「ちょっと近づいてみましょう」
ジャン「なんで俺がしなきゃいけないんだよ!」
コニー「俺は大丈夫だったぞ」
マルコ「僕は大丈夫だったよ その、御愁傷様だね…」
ジャン「クソッ!」
>>9
誤:マルコ「僕は大丈夫」
正:マルコ「僕も大丈夫」
サシャ「一体何の騒ぎですか?」
コニー「これか? どうやら宿舎の屋根の雪かきの当番決めらしいぞ」
マルコ「そう 訓練兵皆でくじを引いて決めるんだって」
ユミル「ふーん それであの馬面は当たったから嘆いてんのか」
マルコ「そうみたい…」
クリスタ「訓練兵みんなって事は私達も引かなきゃ」
ユミル「んなもん大丈夫だろよ 雪かきなんて面倒くさい」
クリスタ「ユミル!」
サシャ「因みに当たり籤はどれほどですか?」
マルコ「うーん 本当に104期から上の先輩まで訓練兵全員でひくからね そっから15人ほどだから当たる確率は少ないと思うよ」
ユミル「それで当たるなんざ、ジャンもついてねえな」
サシャ「あの人は悪運だけ強いですからねえ」
ジャン「なんとでも言え」
ユミル「しゃあねえ、引かなかったら女神様に怒られる 引いてやるか」
サシャ「よーし、私もはずれ引いちゃいますよ」
クリスタ「教官、私達の分の籤ください」
キース「レンズ訓練兵達か これが籤の入った箱だ 各々引け」
クリスタ「どれにしようかな…」ゴソゴソ
サシャ「うーん 迷いますねえ…」ゴソゴソ
ユミル「ばぁか こんなのは直感だろ直感」ゴソゴソ
サシャ「無駄に籤がハイクオリティなのがいやですね…」ペリッ
サシャ「何も書いてないです」
アルミン「何も書いてなかったらはずれだよ」
サシャ「よしっ! アルミンはどうだったんですか?」
アルミン「僕のにも、何も」
サシャ「お互いいい籤ひきましたね」
ユミル「これ、一晩で教官が作ったのか?」ペリッ
クリスタ「なんていうか、教官も大変だね…」ペリッ
ユミル「いや逆に暇人だろって突っ込みたいな」
ユミル「っし、私も何も書いてねえ って事ははずれだな」
ユミル「クリスタはどうだ?」
クリスタ「…」ピラッ
『当たり! 屋根の雪かきするべし』
ユミル「…」
クリスタ「ごめんねサシャ 今日はちょっと遊べないや…」
サシャ「また終わってから遊べばいいんですよ」
ユミル「なんだお前ら、遊ぶつもりだったのか?」
サシャ「はい 皆で雪合戦したいですねぇって」
ユミル「だったらクリスタ、私の籤と変えてやるよ」ヒョイ
クリスタ「えっ」
クリスタ「だ、駄目駄目! これは私がやれって言われたんだから私がする!」
ユミル「でも遊ぶんだろ?」
クリスタ「遊ぶだけならいつでも遊べるし」
ユミル「…もしお前が雪かきしていて屋根から落ちたらどうする?」
クリスタ「屋根から…」
ユミル「きっと骨折はするだろうな それに、クリスタが大好きな奴等から暴言飛ぶだろうに」
ユミル「それに比べりゃ私だってお前より体力はあるし、力だってある 落ちたって大丈夫だし、暴言を言う奴なんかいねえ」
クリスタ「で、でも駄目!」
クリスタ「私から籤をやるって言って私が当たったんだもん、私がするに決まってるじゃない!」
ユミル「…」ハァ
ユミル「わかったよ、雪かき頑張れ」
クリスタ「うん、勿論!」
サシャ「本当に大丈夫ですか?」
クリスタ「なんの! 私だって訓練兵団に入って少しは体力もついたんだし、いつもこの宿舎にはお世話になってるから、やらないと」
サシャ「頑張ってくださいね」
サシャ「あっ、ユミルどこ行くんですか?」
ユミル「ちょっとな」
ジャン「ったくなんで俺が…」ブツブツ
ユミル「よう、馬面」
ジャン「あぁ? …なんだお前か」
ジャン「なんだ?どうせお前も俺の不運を笑いに来たんだろ」
ユミル「笑って欲しいのか? だったらお望み通り笑ってやるよ… と、言いたいが、今日はそんな気じゃねえ」
ジャン「だったらなんだよ…」
ユミル「その籤、私のはずれのと交換してくれ」
ジャン「はぁ?」
誤爆してやる気がうだうだしてましたが、更新します
長く更新出来ずにすみません…
ジャン「…」サッ
ユミル「何隠してんだよ」
ジャン「た、確かに有難い… けれど、なんだ!?お前が無駄に優しいとか裏があるんじゃないのか!?」
ジャン「か、金か…? 俺の金を巻き上げるつもりなのか? それとも飯を引ったくるのか…?」
ユミル「なんだよひでえな この慈悲深い私が哀れなお前のと交換しようと…」
ジャン「やめてくれ!外面が良くても、内心何を思ってるかわからねえお前が、後々何するか怖いんだよ!!」
ユミル「…」ハァ
ユミル「交換しろってんだろ!!」
ジャン「いだいいだい!! 掴むな!!俺の髪の毛掴むなぁああ!!」
パシッ
ジャン「あっ」
ユミル「ふん」ペラッ
ユミル「女子に負けるなんざ、ざまあねえな」
ジャン「お前なんか女子の部類に入んねえよ!女子っつーのはもっとこう…」
ユミル「はいはい」
ユミル「この籤は頂いた じゃあな」スタスタ
ジャン「って…まてよ!!」
サシャ「」モグモグ
ミーナ「ねえ、サシャ 何して遊ぶ?」キャッキャッ
サシャ「もちろん雪合戦でしょう!」モグウ
クリスタ「」モグモグ
クリスタ「」チラッ
クリスタ(いいなあ…)ハァ
クリスタ(じゃあ私もユミルに任せて遊べばよかった?)
クリスタ(ううん、それは絶対嫌)
クリスタ(私も雪かき、頑張らないと!)
ユミル「クリスタ、横空いてるか?」
クリスタ「うん」
クリスタ(そういえばユミルはどこに行ってたんだろう?)
クリスタ「ね、ねえユミル」
ユミル「なんだ?」
クリスタ「さっきまd」
サシャ「あ!!ユミルが帰って来てます!」
ユミル「うるせえなサシャ…」ボソッ
サシャ「ユミルも朝ごはん食べ終わってから雪合戦どうですか?」
ユミル「雪合戦、なあ…」
ユミル「悪い、私も雪かきがあるんだ」ピラリ
クリスタ「!」
サシャ「雪かき…?あれ、ユミルってハズレ籤じゃ…」
ユミル「ばぁか、これの何処がハズレに見えるんだよ」
サシャ「ですよね…」
サシャ「あっ 実はクリスタのだったりします?」
クリスタ「ううん、私のはここにあるよ」ペラッ
サシャ「あ、あれ…?」
サシャ「まあ雪かきならしょうがないですね!」
クリスタ「…」
クリスタ「ユミル」ボソッ
ユミル「なんだ?」
クリスタ「そ、その籤どうしたの?」
ユミル「これか?…馬面野郎と交換してきた」
クリスタ「なんで…?ユミル、雪かき面倒だって…」
ユミル「クリスタみたいなか弱い女子がやるんだ 私がやらなくてどうする」
クリスタ「でも…」
ユミル「なんだ?私と雪かきするのは嫌か?」
クリスタ「ううん、全然…!」
ユミル「だったらつべこべ言うな 私がするって言ってんだからよ」
クリスタ「…」コクリ
クリスタ(ユミルは私を気にかけている節がある)
クリスタ(ちょっと気にかけすぎかな、て思うときもあるけど、私にとってはそれが嬉しい)
クリスタ(ゆたんぽだって、雪かきの事だって…)
クリスタ(何か私にお返しが出来ないかな…)
クリスタ「うーん…」モグモグ
ユミル「どうしたクリスタ、悩んで」
クリスタ「な、 なんでもないよ…!」
ユミル「そうか」モグモグ
キース「えー…」ゴホン
キース「先ほどの籤で当たりを引いた奴は、朝食を食い次第男子宿舎の裏に集合しろ!繰り返す!……」
――男子宿舎裏
ユミル「さびぃ…」
クリスタ「本当…」
クリスタ「ユミルのカーディガン、綺麗な緑… ピーコックグリーンっていうのかな…」
ユミル「そんなややこしい色の名前なのか」
クリスタ「わかんないや」ハハハ
クリスタ(でもユミル、カーディガンと似合ってるな… いつもシックな色しか着ないし、少し新鮮かもしれない)
キース「全員揃ったか!」
訓練兵「「「ハッ」」」ケイレイ
キース「よし、では今から雪かきを始める!」
――――
―――――――――――
―――――――――――――――――
ガショッ
ユミル「あぁあ、しんどい…」
クリスタ「が、頑張ってユミル!」
ユミル「だいたいなんでこんなに建物があんのにこの少ない人数なんだよ…」
クリスタ「それはさっき『用具がこれだけしかない』って言ってたじゃない…」
ユミル「それはそうだけどよー…」ガショッ
クリスタ「ほ、ほらしっかりしないと、先輩がこっち見てるよ!」
ユミル「ああ? 先輩は先輩でも、多分私の方が年上だよ」
クリスタ「ユミル!」
クリスタ「よいしょ」ガショ
クリスタ「!?」グラッ
ユミル「クリスタ!!」
ガシッ
ユミル「大丈夫か?」
クリスタ「う、うん…」
ユミル「ったく、だから落ちるかも知れねえって言ってたのによ…」
クリスタ「…ご、ごめん」
ユミル「」ガショッ
クリスタ「…」
ガショッ ガショッ
ユミル「ふう…」
ユミル「この辺は大方片付いたぞ」
クリスタ「こっちもだよ」
先輩兵A「お、終わったか」
クリスタ「はい」
先輩兵B「だったらこっちのやっておけよ」
クリスタ「え…」
先輩兵A「そうだよ、俺たちは遊びたいのに、こんな事されて…」
クリスタ「で、でも、ちゃんと当たった当番の分はしないといけないと思います!」
訓練兵B「はあ? なんだこいつ 後輩の癖に俺たちに指図すんのか?」
クリスタ「ち、ちが…指図なんか…」
訓練兵A「真面目ぶって、ふざけんなよ…」
訓練兵A「お前、よく見たら可愛いじゃねえか」
訓練兵B「お、本当だ 君も一緒にサボろうよ~」ガシッ
クリスタ「いや、離してやめて、ユミルっ…!」
――バシッ!
>>35 「訓練兵」になってる
「先輩兵」です
先輩兵B「」
先輩兵A「雪かきのスコップで…!な、何すんだ…!」
ユミル「私の可愛い可愛いクリスタに汚い手で触るんじゃねえよ」
クリスタ「ユミル…!!」
ユミル「大丈夫かクリスタ?怪我はしてねえか?」
クリスタ「ううん、大丈夫」
ユミル「」ホッ
ユミル「おい先輩様よぉ?先輩なら先輩らしく私ら後輩の鑑じゃないといけねえのに、そういうのはねえだろ?」
先輩兵A「なっ、このアマ…!!」
先輩兵A「てめぇ、マジでぶっ潰す!」
ユミル「なんだ?やるか?」
クリスタ「待って!やめてユミル!」
ユミル「…こればかりは無理だ」
ユミル「私は今な、腸が煮えくり返るほどムカついてるんだ」
ユミル「すまんクリスタ 兵団の上着持っておいてくれ」パサッ
ユミル「来るなら来いよ、先・輩・様」
先輩兵A「く、クソッ、馬鹿にしやがってぇええぇえ!!」
――バキッ
――――
―――――――――――
―――――――――――――――――
ワーワー
イケー ソコダー
キース「ん…?何やら騒がしいな…」
タッタッ
キース「!?」
ユミル「はあっ!」ヒュン
先輩兵A「っ!」バキッ
――ドサッ
訓練兵A「」
ユミル「…」ハァ...
キース「一体なんの騒ぎなんだ!!」
ユミル(ヤベッ)
ザワザワ
ヤベ キョウカンダ
ミツカッタ コリャダメダ
キース「説明しろ!」
ユミル「…」
ユミル「サボろうと思っていた先輩兵達が、私とレンズに仕事を押し付けようとしたので、乱闘してました…」
キース「先ず手を出したのはどっちだ!?お前か!?」
ユミル「…はい」
キース「後で教官室に来い!いいな!!」
ユミル「」ケイレイ
キース「数人の訓練兵はそこに倒れている奴を医務室まで運べ」
キース「そして、傍観していたお前らはさっさと散れ!!」
ハーイ デモスゲエナアイツ
トシウエノオトコヲ サスガダナ
クリスタ「ユミル…!」タッ
ユミル「あ、クリスタ… 大丈夫だったか?」
クリスタ「馬鹿!!無茶しないでよ!!」
ユミル「無茶なんかしてねえ… ちょっと節々が痛むが…」
クリスタ「それが無茶っていうの!!」
ユミル「私だって…最初から、勝てると思った戦いしか挑まねえよ…」
ユミル「先輩言えども、体躯は私とあんまり変わらなかった…
ユミル「それに私らはいつも真面目に対人格闘をやってる… どの年の誰もがサボるんだ そんな奴に負けてたまるか…」
ユミル「…それに、こえてきた死線の数がちげえよ…」ボソッ
クリスタ「でも…! カーディガンがこんなに伸びきってるし!」
クリスタ「そんなに激しかったって事でしょ!?」
ユミル「…」
ユミル「あいつ…引っ張りやがったな…」
ユミル「このカーディガンはもう着れねえ…」
ユミル「また女子寮に戻ったときに捨てるか」
クリスタ「えっ…」
クリスタ(せっかく綺麗で似合ってたのになあ…)
ユミル「クリスタ、私の団服返せ」
クリスタ「あ、は、はい」
ユミル「サンキュー」
ユミル「さて、まだ残ってる雪かきするか」
クリスタ「…うん」
クリスタ「」ヌーン
サシャ「クリスタ、雪掻きお疲れ様です」
クリスタ「サシャ」
サシャ「何眺めてるんですか… っと、これは…クリスタのカーディガンですか」
サシャ「いやそれにしても、大きいですし…」
クリスタ「ううん、私のじゃなくてユミルのだよ」
サシャ「ユミルのですか」
サシャ「しかしまたどうしてクリスタがそんなものを」
クリスタ「さっき、雪掻きの時に先輩訓練兵と取っ組み合いになって…」
クリスタ「伸びきってもい着れなくなったからいらないって言ってたけどなんだか勿体無くて」
サシャ「確かに、ユミルには珍しい明る色ですしね」
クリスタ「」コクリ
クリスタ「このまま捨てるって事は無いけど、節介素敵な色合いだからもっと身に付けてて欲しかったなーって…」
サシャ「うーん…」
ミカサ「何思案してるの?」
サシャ「ミカサ…」
クリスタ「実はね…」
クリスタ「…あ!そうだ!」
ミカサ「?」
サシャ「思い付きましたか?」
クリスタ「このカーディガンをほどいて、マフラーにしたらいいんじゃないかしら!」
サシャ「成る程!」
クリスタ「ミカサのマフラー見て思いついたわ! 有難う、ミカサ!」
ミカサ「?? よく解らないけど、力になれたようで嬉しい」
クリスタ「それに私、ユミルから湯たんぽ貰った時からずっとどうしようどうしよう考えてたし…」
サシャ「そうですね、きっとユミルも喜んでくれるでしょう」
クリスタ「よし、思い立ったが吉日、早速取りかかってみよう!」
サシャ「おー!!」
クリスタ「」ヌーン
サシャ「」フーム
クリスタ「…既製品のカーディガンってどこからほどけるのかしら…」
サシャ「適当な所でぱちんと切るのも出来ませんしねえ…」
クリスタ「うーん…」
ユミル「何してんだお前達」
クリスタ「ゆ、ゆ、ユミル!」
サシャ「何処に行ってたんですか?」
ユミル「教官室で取っ組み合いになった事をこっぴどく怒られてた」
ユミル「か弱い女子に挑みやがって」
サシャ(アニもか弱いって言ってましたね)
サシャ(104期女子訓練兵の『か弱い』の定義ってなんなんでしょう)
クリスタ「本当に大丈夫なの?怪我してない?」
ユミル「ああ …怪我なんか直ぐに治るし」
クリスタ「それでもよ!」
ユミル「それより、お前こそ大丈夫なのか?」
クリスタ「私は全然大丈夫よ!」
ユミル「あの野郎、次にクリスタに手出したら、開拓地送りにしてやる」
ユミル「あ、そうだ」
ユミル「なんでお前ら、私のカーディガン持ってるんだよ 返せ」バッ
サシャ「あっ!」
クリスタ「ま、待って!捨てないわよね?」
ユミル「…何言ってんだ こんなに伸びきってて着れるかよ」
ユミル「さっきも言ったが捨てる」
クリスタ「…」
サシャ「うう… どうしますか、クリスタ…」
ユミル「?」
クリスタ「わ、私がそのカーディガン貰う!」
サシャ(おっ 言い切りましたね、クリスタ)
ユミル「はあ? 何に使うんだこんなもん」
ユミル「私でさえでけえのに、お前なんか着れるかよ」
クリスタ「き、着ない!ユミルの…!」
クリスタ「…」
ユミル「…私の?」
クリスタ「ゆ、ユミルの香りに包まれて寝たいから、要らなかったら頂戴!」
サシャ「…」
ユミル「……は?」
ユミル「何言ってんだお前…」
クリスタ「だから!ユミルの香りに包まれ」
ユミル「あー、二回も言わなくていい、言わなくていい」
クリスタ「別にいいでしょ?ユミル」
ユミル「解った お前にそのカーディガンやるよ 好きにしろ」
クリスタ「あ、有難う」
ユミル「…」
ユミル「…取り合えず寒いからもう一枚違うの羽織ってくるわ」
サシャ「行ってらっしゃいませー」
クリスタ「…」
サシャ「…クリスタ」
クリスタ「何?」
サシャ「もっとマシな言い訳は無かったんですか?」
クリスタ「うん…」
クリスタ「咄嗟に思いついたのがあれだった…」
クリスタ「それに、正直に『マフラー編む』って言ったら『馬鹿か』で返されそうだったし」
サシャ「まあ、そうでしょうね…」
クリスタ「それに『好きにしろ』って言われたから、合理的に好きにできるし」
クリスタ「だから好きに使う」
サシャ(その台詞、なんだか同人誌に出てきそうな台詞ですよね)
サシャ「でも、どうやってほどくんですか?」
クリスタ「うーん…」
クリスタ「あっ 確か…」ゴソゴソ
サシャ「?」
クリスタ「これで毛糸をほどける筈」
サシャ「…なんですか?このさすまたみたいなの…」
クリスタ「さすまた…?」
サシャ「知りません?さすまた」
クリスタ「う、うん」
サシャ「駐屯兵団が犯人などを捕まえる時に使うものすよ…多分」
クリスタ「へえ…」
クリスタ「でも、これはさすまたって名前じゃないよ」
サシャ「じゃあなんと言うんですか?」
クリスタ「ニッパー…?だっけ…?」
サシャ「ほう」
クリスタ「これで、カーディガンがほどける、筈!」
サシャ「でもどうやってほどくんですか?」
クリスタ「えっ」
クリスタ「…」
クリスタ「…解んないや」
サシャ「ですよねー…」
クリスタ「今度の休みに、街まで行って本を探してみよう!」
サシャ「そうですね」
このSSまとめへのコメント
o(`ω´ )oわくわく