真「雪歩とプロデューサーが最近あやしい……」(129)

雪歩「プロデューサー、今日も大丈夫ですかぁ?」

P「今日もか?」

雪歩「はい、おねがいしますぅ」

真「何を話してるんですか?」

P「うぉ、真!?」

雪歩「な、なんでもないよ!」

真「そ、そう」


真「あの二人あやしい……」

真「雪歩、今日はこれから暇?」

雪歩「こ、これから? な、なんで?」

真「いやー、暇だったら買い物に付き合ってもらいたいなーって思って」

雪歩「ごめんね真ちゃん。今日は用事があってぇ……」

真「そうなんだ、じゃあしょうがないね」

雪歩「はいぃ~、ごめんね真ちゃん」

真「いいよいいよ。けど、最近雪歩忙しい?」

雪歩「えっ、な、な、なんで?」

真「最近、ずっと用事があるっていってるからさ」

雪歩「うぅぅ、それは……い、家の用事があるの」

真「そうなんだ……」

真「じゃあしょうがないね」

雪歩「本当にごめんね」

真「ううん、気にしないで」



雪歩「あの、プロデューサー……」ボソッ

P「分かってる分かってる、仕事終わるまで待っててくれ」ボソッ

真「……」

真(また、二人でどこかに行くのかな……)

真「んー、じゃあ、僕先に帰りますね」

P「おう、お疲れ様」

雪歩「また明日ね真ちゃん」

真「うん……」

バタン



真「あーあ、今日も一人で帰りかー」

真「けど、あの二人は何をやってるんだろ」

真「……」

真「ははは……」

真「付き合ってる……のかな?」

真「男が苦手の雪歩が? ない、絶対ない……とは言い切れないかも」

真「男の中でもプロデューサーは大丈夫だし」

真「そうだとしたらショックだな……」

真「ん? ショック?」

真「いやいや、雪歩に彼氏が出来たなら喜ぶべきだよ! うん」

真「けど、なんでショックだなんて思ったんだろ?」

真「……付き合ってるのを隠されてるからかな?」

真「……うん、そうだよ。きっと隠されてるからショックなんだ!」

真「もー、プロデューサーも言ってくれればいいのに」

真「ホント……言ってくれればいいのにさ……」

―――――――――――――――――

真「ねぇ雪歩? 僕に隠し事とかしてない?」

雪歩「ふぇ!? な、何も隠し事なんてないよぉ!!」

真「本当に?」

雪歩「……本当ですぅ」

真「……じゃあ、雪歩は好きな人いる?」

雪歩「えっ……すきなひと?」

真「そう。LOVEの方の好きって意味ね」

雪歩「わ、私にそんな人いないよぉ」

真「……」

雪歩「ま、真ちゃん?」

真「……なんで」

雪歩「えっ?」

真「なんで、ちゃんと言ってくれないのさ?」

雪歩「ど、どうしたの真ちゃん!?」

真「僕達、友達だろ?」

雪歩「そうだよ、真ちゃんは大切なともだちだよ」

真「ならなんで……僕知ってるんだよ! 雪歩が好きな人!」

雪歩「えぇ、ほ、本当にいないよぉ」

真「もうっ! じゃあいいよ!」

雪歩「ご、ごめんね真ちゃん。けど本当に私には……」

真「……」

真「僕の方こそゴメン。感情的になっちゃって」

雪歩「ううん」

真「けどね、僕は雪歩が好きな人がいるなら応援するよ。誰が相手だろうとね」

雪歩「うん、ありがとう真ちゃん」

雪歩「真ちゃんは……」

真「ん?」

雪歩「真ちゃんは好きな人はいるの?」

真「僕の好きな人……」

真「僕が……」

真「あっ!」

雪歩「?」

真「い、いないいない。今、僕に好きな人なんていない」

雪歩「そ、そうなんだ~」

真「そっ、だから僕が次に好きな人が出来たら雪歩にはすぐ相談するよ」

雪歩「う、うん……つ、次?」

真「あっ、いや、僕に好きな人が出来たらだね」

雪歩「そ、そっか……」

真「だから雪歩もだよ~?」

雪歩「分かったよ真ちゃん」

真「へへっ」

P「おーい、雪歩」

雪歩「は、はいぃ」

P「おっ、真も一緒か」

真「……はい」

P「ほら、春香がクッキー持ってきてくれたって」

雪歩「そうなんですか

真「ははっ、じゃあ行きましょうか」

P「あっ雪歩はちょっといいか?」

雪歩「あっ、はいぃ」

真「……じゃ、じゃあ僕は先に行ってますね」

雪歩「うん」



「じゃあ今日は無理なんですか?」

「すまんな、今日中に終わらせきゃいけない案件があってな」

「それならしょうがないですぅ」

――――

真「……」

――――――
――――
――

真「……はぁ」

P「どうした溜息なんてついて?」

真「うわっ、プロデューサー驚かさないでくださいよ」

P「はは、すまんすまん」

P「で、どうかしたのか?」

真「な、何もないですよ」

P「本当かー?」

真「本当ですっ」

P「けどなー、最近の真を見てると落ち込んでるように見えるんだよな」

真「そんな事ないですよ」

P「ふーん、けど俺が知ってる菊地真はもっと明るくて、元気で可愛らしい女の子なんだけどなー」

真「何言ってるんですかプロデューサー///」

P「本当の事だよ」

真「も、もぉーっ///」

P「だからさ、何か悩みがあるなら相談してほしいんだ」

真「でも良く分かりましたね、僕が悩んでるって、雪歩にも気付かれてなかったと思ったんだけど」

P「うっ……まぁなんとなくな」

真「ホント、プロデューサーは僕が悩んでる時にはすぐに来てくれますね」

P「そうか? そういってもらえると嬉しいよ」

真「でも、言えませんよ。乙女には男の人に言えない悩みもあるんです」

P「そりゃ女子高生だもんな。俺が聞いてもダメなはずだ、ははは」

真「もープロデューサー……ぷ、ははは」

P「はは、やっと笑ったな。真はやっぱり笑ってる方がいいぞ」

真「へへ、本当にプロデューサーは優しいですね」


真「ホント、そんなのだから僕は……」ボソッ

P「ん?」

真「なんでもないですよーっだ」

真「今日の仕事もこれで終わり―」

P「お疲れさん。午前中で終わるとは思わなかったな―」

真「ですね」

P「よーっし、じゃあ事務所戻るぞ」

真「はーい」

真「……」

真「プロデューサー」

P「なんだ?」

真「プロデューサーって彼女とかいるんですか?」

P「はっ?! な!? 何言ってるんだ!?」

真「そんなに焦んないでくださいよ」

P「お、お前がいきなり変な事をいうからだろ!」

真「あはは、でいるんですか?」

P「いない、いない」

真「ホント―ですか?」

P「本当だ」

真「ふーん」

真「でも好きな人はいますよね?」

P「はぁーー? そんなの」チラッ

真「?」

P「いないよ」

真「はぁ、そうですか」

P「そうだよ」

P「っと、ちょっと俺の家に寄っていいか? 資料忘れてな」

真「いいですよ、ドライブ楽しいですし」

P「えぇーっと、確かデスクに……」

P「あったあったっと」


真「へー、意外と綺麗なんですねー」

P「!?」

真「あっ、料理もちゃんとしてるんだー。オーブンもあるし」

P「真、車で待っててくれって言ったろ?」

真「だって、面白そうだったんですもん♪」

P「はぁーー」

P「ほら事務所に戻るぞー」

真「わぁ。、もうちょっといいじゃないですかー」

P「ダメダメ―」

真「分かりましたよ……えっ」

P「ん、どうかしたか?」

真「あっ、いえ」

P「じゃあ行くぞ」

真(なんで? なんで雪歩の髪飾りがプロデューサーの家にあるの?)

真「なんで……」

真「今日プロデューサーの家にあった髪飾りって、やっぱ雪歩のだったよね」

真「……」

真「やっぱりあの二人は……」

prrrrrrrrrrrr

真「ふぅ……」

ピッ
真「もしもしー」

P『もしもし真か?』

真「あっ、プ、プロデューサー」

P『悪い寝てたか?』

真「だ、大丈夫です寝てません、ばっちり起きてます」

P『そうか、明日なんだが午後から事務所に来てもらえないか?』

真「午後ですね、分かりました」

P『じゃ、よろしくな~』

真「あっ、プロデュ──」

プ― プ―

真「むーっ、切るの早すぎるよー」

真「……」

真「いつまでも悩んでてもしょうがないや」

真「明日、プロデューサーに直接聞こう!」

真「ちゃんと聞けば、きっと答えてくれるよね」

真「プロデューサーの口から聞ければ」

真「きっと僕も忘れられるよね……」

真「きっと……」


――――――
――――
――

真「プロデューサーのマンションに来てみたけど……」

真「この時間じゃあ、さすがにいないかな……」

ピンポーン

真「やっぱりいないのかな?」

ガチャ

P「はいはいよー、って真!?」

真「おはようございます、プロ──」


雪歩「ま、真ちゃん!?」

P「な、なんで真が!」

真「えっ、あの、その……その、えっと」

雪歩「なんで、ここに真ちゃんが……」

P「えっとな真」


真「す、すいませんでした――」ダッ

P「おい、真!?」

真「はっ……や、やっぱり……雪歩とプロデューサーは……」ボロボロ

真「ふっ……うぅ……」ボロボロ


――――――
――――
――

P「くそっ、なんで真がここに?」

雪歩「ま、真ちゃんが……」

P「俺が追いかけるから、雪歩はこのままやっててくれ」

雪歩「で、でもぉ」

P「真は俺に任せろ、後は任せるぞ雪歩!」

雪歩「は、はいぃ!」

P「つってもどこだ?」

P「影も形もない……速すぎだろ」

P「こうなればシラミつぶしに色々行くか」

――――――
――――
――


P「ダメだ、いない……」

P「事務所にも家にもレッスン場にもいない……」

P「もう、夕方じゃねーか……」

P「どこに行ったんだ」

P「わからん」

P「あと俺が知ってる所は……」

――――――
――――
――

真「……」グスッ

真「もう……やだよー……」

真「なんで逃げちゃったんだろ……」

真「ホント僕はダメだ」

真「落ち込むな……」

真「こんな時は、いつもどうしてたっけ……」

真「……」

真「そうだ、落ち込んだ時はいつも──」


P「真!!」

いつもプロデューサーがそばに居てくれた

真「なんでプロデューサー」

P「探したんだぞ」

真「なんでここに?」

P「ここは真とデートした遊園地だろ? 覚えてるよ」

真「その割には遅いですよ……」

P「だな」

真「……」

P「もうこんな時間だ戻るぞ?」

真「……プロデューサーは雪歩と付き合ってるんですか?」

P「付き合ってない」

真「じゃあ……なんで雪歩がプロデューサーの家にいたんですか?」

P「それは、言えない」

真「なんで言えないですか?」

P「……」

真「やっぱり雪歩の事が─―」

P「それは違う、俺が好きなのは……」

P「俺が好きなのは……」

真「……」

P「お前だよ」

真「えっ」

P「俺は真が好きだ、大好きだ、いつも元気で笑ってる姿が大好きなんだよ」

P「だから俺は真が落ち込んでる時にはすぐに気が付くしすぐに励ますんだよ」

真「で、でも雪歩は……」

P「その事については言えない……」

真「……」

P「一つ言えるとしたら、雪歩を、俺を信じてほしい」

真「……」

P「それじゃあダメか?」

真「ダメじゃ……ないです」

P「よし、なら行こう」

真「ど、どこに?」

P「皆の所だ」

ガチャ
      パーン
 パーン

お誕生日おめでとー

真「うわぁ、こ、これは!?」

P「事務所の皆で準備したんだ」

春香「そうだよー」

亜美「まこちん全然来ないから、お腹スキスキだよ→」

真「ご、ごめん。でも、料理なら先に食べてればよかったのに」

千早「それはダメなのよ真」

貴音「そうですよ、この料理を最初に食べるのは真。あなたなのですよ」

真「えっ、なんで?」

伊織「もーあんた分からないの?」

真美「この料理全部ゆきぴょんが作ったんだYO→」

真「雪歩が!?」

あずさ「そうよ~、どうせなら美味しい物を食べて欲しいって雪歩ちゃんずっと頑張ってたのよ~」

律子「仕事の合間を縫ってプロデューサーの家でね」

真「えっ」

やよい「このケーキも雪歩さんが作ったんですよー」

P「オーブンがあって事務所近くいのが家の家だったからな」

真「そういう事だったんですか」

美希「はやくいただきますしないとミキのお腹が背中とくっつきそうなのー」

小鳥「そうね、じゃあケーキに火をつけましょう」

雪歩「お誕生日おねでとう真ちゃん」

真「本当にありがとう、雪歩」


真(やっぱり雪歩は僕の一番の友達だよ、これからも雪歩の事を知って、僕の事を知ってもらおう……

まずは僕の好きな人について)



響「って、わー! もう真の誕生日過ぎちゃったぞ!」

おわり



1日ばかりか2日遅れだけど真誕生日おめでとう

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