P「という訳で、今日から杏の家に住む事になった」杏「……え?」(296)


P「これで明日から遅刻の心配はないな。あと、逃走の心配も」

杏「え……ちょ、冗談だよね?」

P「ちなみに、ご両親から許可は貰ってある」

杏「」

P「さて、とりあえずかたづけるか」

杏「いや、いやいやいや……えっ?」

P「うん?」

杏「プロデューサーが、杏の家に住む?」

P「うん」

杏「……えっ?」

P「どうした?」

杏「正気?」

P「うん」

杏「……あぁ、プロデューサーは働きすぎて疲れてるんだよ」

P「いや、超元気だから。余裕余裕」

杏「うるさい帰れー!」

P「俺には帰る家がある……ここだ」キリッ

杏「かっこつけんなぁ!」

杏「いやよくないっしょ、刑法的に」

P「大丈夫だって、杏相手だし」

杏「……ねぇ、仮にも17歳の乙女だよ?」

P「あー、雫とかだったら理性がヤバいだろうな」

杏「……結局胸かぁ」

P「おっぱいはいいものだ」

杏「……」ペタペタ

P「どうした?」

杏「別に」

杏「だいたい乙女の私物を勝手にかたづけようなんて……」

P「ここらへんのは捨てていいのか?」

杏「人の話を聞いてよ!」

P「聞いてるよ、聞いたうえで無視してる」

杏「なお悪いよ! 帰ってよ!」

P「だからここが俺の帰る家だよ」

杏「あーっ! もうっ! なんなの!」

P「プロデューサーだけど」

杏「そうじゃなくて!」

P「だってほら、最近は杏の遅刻がひどいし」

杏「じゃあ明日から気をつけるから帰って!」

P「逃走する日も増えてるし」

杏「明日から本気だすから!」

P「あと……」

杏「なに?」

P「俺の家、無くなったし」

杏「……は?」

杏「え、家が……なんだって?」

P「マンションがさ……」

杏「う、うん」

P「火事で……死人とかは出なかったけど、俺の部屋は完全に焼けてちゃったんだよ」

杏「……」

P「保険とか入ってないしもう困っちゃって困っちゃって」ケラケラ

杏「そんなに明るくいうことなの……?」

P「まぁ、そういう事情もあるんだよ……頼む」

杏「……じゃあ条件をいくつか」

P「おう、ばちこーい!」

杏「そのいち、杏の頼みは聞くこと」

P「仕事サボらせろ以外ならいいぞ」

杏「……」

P「代わりに飴を普段より多めにやろう」

杏「……この条件は話しあう必要がありそうだね」

P「そうだな」

杏「そのに、必要以上の干渉をしないこと」

P「例えば?」

杏「家の中でまでお仕事中みたいなこといわれたらたまらない、ってこと」

P「あー。うん……善処する」

杏「政治家じゃないんだからきっちり誓ってよ」

杏「そのさん、嘘をつかないこと」

P「俺はいつも正直だぞ」

杏「聞いてなかった仕事とかいれるよね?」

P「まったく記憶にございません」

杏「……そういうの、うちに住むなら無しだから」

P「わかった。杏、明日は知らせてなかった仕事が3つある」

杏「えぇーっ……」

P「これでいいんだろう?」

杏「いや、うーん……ねぇプロデューサー。明日は体調が悪くなるから……」

P「飴5つ」

杏「……考えとく」

従姉妹きた
ごめんなさい

保守スレにするのも申し訳ないし落としてくれ
従妹は当分帰らないし、杏ときらりは誕生日SS書くから勘弁

杏「……ところで、プロデューサー。聞きたいんだけど」

P「どうした?」

杏「なんでうちなの? 他の子の家でもよかったと思うんだけど」

P「うん? ……そうだなぁ」

杏「……」

P「まず、実家暮らしの家にいくのは気まずいだろ?」

杏「大人の男が転がりこむのはちょっとめんどくさそうだね」

P「そうなると一人暮らしや下宿組の家に頼み込むことになるだろ」

杏「まぁ確かに、杏も実家から出て夢の一人暮らしだけど……」

P「だけどなぁ、男がアイドルとひとつ屋根の下にっていうのは……な?」

杏「……間違いを起こしそうって?」

P「まぁ俺だってプロデューサーだしそんなことはない、とは思うんだが……」

杏「……」

P「おっぱいは魔法だ」キリッ

杏「……軽蔑してもいい?」

P「はっはっは、杏相手なら万が一も無いって思ってるんだぞ」

杏「それってバカにしてるよね? 17歳だよ? 乙女だよ?」

P「いろんな意味でそういう対象にはならないから安心しろ。な?」

杏「……はぁ。信用はできても信頼はできなくなりそうだよ」

P「そういうわけで俺の居住スペース確保のためにかたづけを始めたいんだが」

杏「待って」

P「どうした?」

杏「かたづけをするのはいいけど、捨てていいかどうかはちゃんと聞いてよね?」

P「それはもちろん。勝手に人のものを捨てるほど常識無いわけないだろう」

杏「人の部屋に勝手に同居を決めたのに?」

P「それはそれ、これはこれだ」

杏「……」

P「よーし、バリバリいくぞー」

杏「ま、いいや……うまくやれば家をかたづけたり飴を定期的にもらったりできそうだし……」

P「おーい、これ捨てていいか?」

杏「なんで積みゲーをピンポイントでさすのかなぁ、もう! だめだめ!」

P「じゃあこっちの雑誌の山は?」

杏「たぶん読みかけのがいくつかあるからおいといて」

P「……」

杏「どうしたの?」

P「この布切れの山は捨ててもイイノカナー」

杏「あっ、それは……」

P「ヨゴレテルナー。ナニカナー」

杏「……服だよ、杏の服! 触らないで」

P「ワァソウダッタノカー」

杏「わざとらしい棒読み……いっておくけど、今のプロデューサーは完全に変態だからね?」

P「なん……だと……?」

杏「当たり前でしょ、乙女の服を大量に抱えた男なんて変態だよ変態!」

P「……杏相手にはそんな風にならないし大丈夫だぞ?」

杏「杏がイヤなの! 」

P「えー……まぁとりあえず洗濯しとくぞー」

杏「プロデューサーの服を一緒に洗うのは別料金だからね」

P「はいはい……」

P「……とりあえず、こんなもんか」

杏「だいぶかたづいたね、ご苦労様!」

P「さりげない上から目線ありがとう」

杏「たまにはプロデューサーもいい仕事するね?」

P「なぁに、明日の仕事で返してくれればいいさ」

杏「……そういえばさ、プロデューサー」

P「うん、なんだ?」

杏「人間の代謝って結構すごいらしいよ」

P「へぇ……それで?」

杏「1日で身体の細胞はかなり作り替えられるんだって」

P「ほうほう……」

杏「だから今日の杏と明日の杏は半分以上別人だし、返す義務はないよね?」

P「その理屈だと俺は明日から杏の機嫌をうかがわなくてよくなるぞ? 飴いらないのか?」

杏「あっ」

P「まぁ、そうハードな内容じゃないし安心しろ」

杏「プロデューサーの基準で考えないでよ……」

P「いや、そう辛くないはずだぞ? 取材とグラビアはいつもの感じだしサイン会も……」

杏「待った」

P「うん?」

杏「……サイン会?」

P「うん」

杏「なにそれ、聞いてないよ?」

P「まぁ、言ってなかったし」

杏「やだよ! だってあれ目の前でなんかニコニコして言われたとおりに名前とか書かないとダメなんでしょ?」

P「人数は絞ったし、握手も無いし大丈夫だ。たぶん」

杏「えぇー……」

本当にすまんかった
従姉妹を帰したからここからはPCつける

P「さて、俺の寝るスペースは確保できたな」

杏「え、プロデューサー……まさか床で寝るの?」

P「うん? まぁな。ソファはなんかいろいろとものが乗ってるし」

杏「……」

P「どうした?」

杏「ソファの上のもの、片づけるよ」

P「えっ?」

杏「なに? 杏が片づけをするなんてそうそうないことなんだから感謝してよね」

P「お、おう。ありがとう……」

杏「流石に床で寝たせいで体調崩した、みたいなこと言われたら後味悪いしね……」ガサガサ

P「ははは、それぐらい余裕だぞ?」

杏「うーん、これはいらないかな……あとこれは向こうに投げといて」

P「あいよっ!」ポーイ

杏「なにやってるの!?」

P「え、投げろっていうから」

杏「あ……捨てといて、ね。拾って捨てといて」

P「うん? わかった……」

杏「……方言が出ちゃうなんてなぁ、油断してたかな」

杏「さーてと、あとは……」

G「Hello」カサカサ

杏「っ……!?」

杏「きゃああぁぁっ!?」

P「どうした杏!?」

杏「ご、ごごご、ごご……」

P「ジョジョか!」

杏「ち、ちがうよ! ゴキ、ゴキゴキ、ゴキブリぃ!」

P「ゴキブリ……?」

G「Good evening」カサカサ

P「おぉ、本当だ。新聞紙とか……ないか。まぁとりあえずスリッパで軽く」

P「ていっ」ペシッ

G「Ouch!」

P「杏ー、ティッシュくれ。潰してないから床も汚れては……杏?」

杏「……やだやだやだやだやだ」ガタガタ

P「お、おい大丈夫か?」

P「ゴキの始末は完了した……けど」

杏「ほ、本当? もういない?」

P「……まさか杏がゴキブリダメだったとは」

杏「だ、だって北海道にあんなのいないもん……」

P「ほう、そうなのか」

杏「うん……」

P「杏は怖いもの無しなイメージだったけどなぁ」

杏「家に帰って来てドアあけたら顔めがけて飛んできたのがファーストコンタクトだよ?」

P「うわぁ……」

杏「あ、あんなのトラウマにならないほうがどうかしてるよ! もう意味わかんない!」

P「ちなみにその時はどうしたんだ?」

杏「きらりにお願いした……」

P「……あぁ、うん」

杏「うぅ……」

P「大丈夫か?」

杏「だ、だめかも。もうやだ、明日休む……」

P「いや、それはダメだけど」

杏「……鬼、あくまぁ……」

P「……怖かったのは演技とかじゃないみたいだな。どうする?」

杏「どうって、何が……?」

P「ゴキブリって1匹みたら30匹はいるっていうけど」

杏「え、えぇっ!?」

P「あ、足元!」

杏「やだぁっ!」ギュッ

P(あ、楽しい)

P「なんて冗談だよ、大丈夫だろ。たぶん」

杏「……」

P「そろそろ寝ないと明日に響くぞ? そう辛いスケジュールじゃないはずだけど……」

杏「……」ギュッ

P「……杏? どうした?」

杏「プ、プロデューサーのせいだよ……」

P「はい?」

杏「プロデューサーが来なかったらゴキブリなんてみつけなかったもん! そしたらいないってことのままだったのに!」

P「いや、そのりくつはおかしい」

杏「うるさいうるさーい! このままじゃ不安で寝れないよ!」

P「じゃあ後29匹探せばいいのか?」

杏「そしたらあと870匹いる計算になるじゃん、馬鹿なの!? どうかしてるよ!」

P「いや、杏こそどうした? 冷静になれ!」

> P「じゃあ後29匹探せばいいのか?」

> 杏「そしたらあと870匹いる計算になるじゃん、馬鹿なの!? どうかしてるよ!」


これが天才か…

P「あぁもう、どうしてほしいんだ!」

杏「いっしょに寝て!」

P「は?」

杏「も、もし枕元にでたりとかしたらって思うととてもじゃないけど寝れないし、ね?」

P「……うん?」

杏「……ダメ、かな」ギュッ

P「杏……」

杏「明日はまじめに働くから……今日だけでいいから……」ガタガタ

P「……わかった。まぁ杏相手なら問題ないか」

杏「本当!?」

P「まぁ、別に何をするってわけでもないしな……明日まじめに働いてくれるんだよな?」

杏「う、うん……ありがと、プロデューサー」

杏「じゃあ、寝間着に着替えるから……」

P「わかった。ちょっと出てるな」

杏「待ってよ!」

P「えっ?」

杏「も、もし服を脱いでる最中に出たらどうする気なの? 足とかに……うわぁぁもう想像しただけで気持ち悪い!」

P「あぁ、わかったわかった。落ちつけ。な?」

杏「落ちついてられる方がおかしいの!」

P「そんなこと言われてもなぁ……」

杏「そこでみてたらいいから。ね?」

P「はいはい……」

杏「……乙女の生着替えがタダで見れるなんてプロデューサーったら役得だね?」

P「やっぱり俺、外に……」

杏「あぁもう待ってよ!」

杏「まずは下から……」

P「……」

杏「……ねぇプロデューサー。シャツ1枚だけってなんだかマニアックじゃない?」

P「今からお前を置いて出て行ってもいいんだぞ」

杏「あぁもう、話でもしてないと気がまぎれないの!」

P「じゃあそういう話はやめとけ。な?」

杏「……やっぱりプロデューサーは杏のことそういう対象には見ない?」

P「そりゃそうだろ。というか他のアイドルだってそういう対象にはしないぞ」

杏「……今の杏と同じ格好を雫がしたら?」

P「……上はシャツ、下ははいてなくてプールみたいにタオルまいて隠している状態……か……」

P「ふっ、愚問だな……」ツゥ…

杏「プロデューサー、鼻血出てるよ?」

P「なんと」

杏「下は大丈夫、あと上を……」

P「上を脱ぐ時ってどうやっても視界が塞がるな……」

杏「うん、だから気をつけてよ? もしいたりとかしたら杏が気づかないうちにどうにかしておいて」

P「はいはい……」

杏「タオル巻いて……あ、これってちょっとマントみたいでかっこいいかも」

P「小学校のころはよくやったなぁ……」

杏「……小学生みたいって思った?」

P「まぁ少し」

杏「失礼しちゃうなぁ……追い出すよ?」

P「そしたら今夜は眠れないんじゃないのか? ん?」

杏「くっ……本当にいい性格してるね、プロデューサー」

杏「……すぅ、はぁ……」スポッ

P「……」

杏「……」モゾモゾ

P「……あっ」

杏「え、えっ!?」

P「足元!」

杏「え、やだっ!? うそ、待ってまだ腕っ……」ジタバタ

P「なにもいないぞ」

杏「ちょっ……」ドタッ!

P「あ……」

杏「っっ~~~~!」

P「あはは、いや、まさかこけるとは……上、ちゃんと着ろよー」

杏「さいてー! ばかばかばーかっ!」

P「杏、ごめんな?」

杏「……」

P「ちょっと悪ふざけがすぎたよ、ごめん」

杏「……飴」

P「飴?」

杏「飴、ちょうだい」

P「ん……はい」

杏「……食べさせて」

P「は?」

杏「さっき転んで腕ぶつけたから痛い。袋あけるのも無理」

P「いや、ちゃんと服着替えてたし……」

杏「……」ジッ

P「……はい。ごめんなさい」

P「……ん。口開けろ」ガサガサ

杏「あー……」

P「……はい」コロン

杏「……ん、これこれ」コロコロ

P「……」

杏「なに?」

P「いや、なんでもない。ごめんな?」

杏「杏の家で暮らすんだから、ちゃんということは聞いてよね。条件出したでしょ?」

P「うん……」

杏「今回は許してあげるけど、次にやったら追い出すよ?」

P「以降気をつけるよ。ごめん」

杏「まぁ、杏は心が広いから許してあげよう」

P「さて、着替えも終わったし……寝るか」

杏「うん」ガシッ

P「……うん?」

杏「どこいく気なの?」

P「いや、寝ようと思って……」

杏「いっしょに寝てって言ったでしょ。約束」

P「いやぁ、ほら……1匹みたら30匹っていうのは俗説だし。出たリビングと寝室は離れてるし……」

杏「もし本隊が寝室にいたらどうするの?」

P「それは流石に考えづらいんじゃないかなぁ……」

杏「ないって言える? 絶対?」

P「……わかった。添い寝か?」

杏「うん……お願い」

P「……」

杏「……プロデューサー、もっとこっち寄ってよ」

P「ん、すまん」

杏「もしまたでたりとかしたら、お願い」

P「あぁ、まぁ任せとけ」

杏「うん……い、今はいないよね?」

P「大丈夫大丈夫」

杏「嘘ついてないよね……?」

P「俺が嘘ついたことあるか?」

杏「数えられないぐらい」

P「……そうだな」

杏「自分で言っておいておかしいと思わなかった?」

P「いや、自分では誠実なつもりだった」

杏「ちっともだよ……詐欺師レベルだよ」

P「……杏、だいぶこうしてるけど落ちついてきたか?」

P「……杏?」

杏「……すぅ……すぅ……」

P「寝たか……じゃあそろそろ……」

杏「……んっ」ギュッ

P「……杏?」

杏「……んん……」

P「寝てるよなぁ……どうしよう、無理に引きはがすと起こしちゃいそうだし……」

杏「……ん……」

P「……まぁ杏相手なら万にひとつもありえないし大丈夫か。おやすみ、杏」



――

―――

P「……ん、んんっ……?」

P「なんか寝苦しい……

杏「……」ギュゥ…

P「……あ、杏……? あれ?」

杏「……」

P「……そっか、今、杏の家に泊まってるんだっけ……あれ?」

杏「……」

P「杏……?」

杏「……んっ……」

P「寝てる、よなぁ……なんか、杏が掛け布団がわりみたいになってるんだが……」

P「……あ、甘いにおい……飴のにおい、じゃないよな……」

P「本当に、ぐうたらのくせに才能はあるし……こいつは……」

杏「……すぅ……すぅ……」

P「……寝顔はかわいいんだよなぁ。というか、大人しくしてればかなり……」

杏「んん……ぷろでゅぅさぁ……」

P「あ……起きたか?」

杏「……ふへへぇ……あめぇ……」

P「……寝言か、まったく……」

杏「……んー……」

P「……はぁ、寝るか……」

P「まったく。杏以外だったら間違いを起こしかねないシチュエーションだった……」



ピピピッ ピピピッ ピピッ

P「……ん、もう朝か……」

P「……とりあえず……」

杏「……んー」

P「……杏が俺の上に乗っかってる以外異常なし、か。 起きろー」ユサユサ

杏「……ん、ぁ……? あー。おはよー」

P「うん、おはよう。今日の仕事はまじめにやるんだよな?」

杏「……んー。ちゅーしてくれたらかんがえる……」

P「は?」

杏「……んんー?」

P「杏ー、大丈夫か?」

杏「……え、あれ……あれ? プロデューサー?」

P「おう、おはよう。大丈夫か?」

杏「い、今のは忘れて!」

P「今の? あぁ、チューってか?」

杏「っ……忘れてっ!」

P「はいはい、寝ぼけて飴玉お化けにでも見えたか?」

杏「……そういうことでいいから」

P「……?」

杏「はぁ、もう……」

P「そうだ、杏。起きないと仕事の時間だぞー」

杏「はいはい……あっ」

P「ん?」

杏「……」

P「どうした杏?」

杏「今、プロデューサーは杏の下敷きだよね」

P「まぁ、そうだな」

杏「……」ニヤァ

P「おい?」

杏「このまま杏が起き上がらないでプロデューサーの上に乗ってたら、お仕事いけないよね?」

P「……」

杏「ふっふーん。今日はこのままサボろうよ」

P「杏、お前……」

杏「サボるって約束してくれるなら、一緒にゲームするためにどいてあげなくもないよ?」

P「ほう……」

P「いい度胸だ。昨日働くって約束したよな?」

杏「私のログには何もないな」

P「……」

杏「どうするの、プロデューサー? ふっふーん。そうだ、飴を5個くれたら考えるだけ考えてみようかなー」

P「……」

杏「まぁ、考えるだけ、だけどねー。普通の飴じゃなくてあのロイヤルキャンディーがいいなー」

P「後悔するなよ」ガシッ

杏「へっ?」

P「……」グイッ

杏「きゃ、ちょっ……どこ触ってるの!? セクハラで……」

P「……」コチョコチョ…

杏「きゃふっ……!?」

P「……」コチョコチョコチョ…

杏「ひっ、あはっ、あははははっ!? ひぃっ、ちょっ、くひゅっ、あははははっ!」

P「……どうする杏? 俺の上からどいて、今日はまじめに働くか?」コチョコチョ

杏「やっ、あはははっ! ぜ、ぜった、はひっ、はららかっ、んひゃははははっ、ひぃっ!」

P「そうか……じゃあまだくすぐるぞ?」コチョコチョ

杏「ひゃ、やぁっ、あはははは、くるひっ、ひぃっ、ひひひっ、くひゅっ、あははははは!」

P「脇の下とかも結構くすぐったいよなぁ?」コチョコチョ…

杏「ひぁっ!? ん、くはっ、あははっ! ひっ、あはっっ、っ~~~! あっ、くっ、あはっ、んっ!」

P「こっちのほうが弱いのか? やめてほしかったらどいて、働くって言えよー」コチョコチョコチョ…

杏「ゃぁっ! あははっ、ひっ、っく、あははははっ! ひっ、っくぁ、あははははは! ど、どかにゃっ、あはは、ひぃっ!」

P「どかない? そうか、困ったなぁ……」コチョコチョ

杏「ひっ、くるっ、あははははっ! やめぇっ! あははっ、ひっ、ひひっ、ひんっ、あっ、あははははは!」

P「……」ピタッ

杏「くっ、ぁ……っふ、あ、はぁっ、んっ……ふっ……」

P「……」

杏「……ぁ……ふぅ、はぁ……はぁ……ぷろ、でゅ……さ……」

P「杏、ギブアップするか?」

杏「ギブ……アップ……?」

P「そう。まじめに働くか?」

杏「……やだ……」

P「そうか。どいてくれないのか?」

杏「絶対、やだ……はたらかない……」

P「そうか……」

杏「……あきらめて、休めばいいよ……そしたら、どいて、あげる……」

P「……だけどな、杏」

杏「なに……? 飴なら、10個はくれなきゃ……」

P「杏の体重なら……」グルッ

杏「きゃんっ!? え、あれっ……」

P「簡単に上下逆転できるんだよ」

杏「……あ……」

久々に性癖が暴発したんだけど無かったことにしちゃダメですか

P「なぁ、杏。働け」

杏「……」

P「……杏」

杏「……やだ」

P「そうか……なら……」

杏「……っ」ビクッ

P(……あれ?)

杏「絶対、働かない……」

P(くすぐられて頬が上気して、少し涙目で……)

杏「……」

P(……ヤバいな。ちょっと脅してまじめにやれっていうだけのつもりだったのに)

P(興奮してきたかもしれない……)

P「……なぁ、杏……」スッ

杏「……プロ、デューサー?」

ドンドンドンドンドン! ドンドンドンドンドン!

P「っ!?」ビクッ

杏「!?」ビクッ

P「あ……す、すまん杏」スッ

杏「ん、え……あ……」

P「誰か来たみたいだけど……どうする……?」

杏「……この時間なら、たぶん……」


きらり「あれれー? 杏ちゃんおるすなのかにぃ……」

きらり「でも杏ちゃんそろそろおっきしないと、遅刻しちゃうし……うーん……」

ガチャッ…

杏「……や、きらり」

きらり「あ、杏ちゃん! ……と、Pちゃん?」

P「よ、よう……」

きらり「あれあれ? なんでPちゃんが杏ちゃんのおうちにいるの?」

P「いろいろあって、うん……家が焼けちゃって転がり込んだんだよ……」

きらり「うきゃっ!? Pちゃんのおうち無くなっちゃったの!?」

P「……うん。だからその、杏の家にお邪魔してるんだ」

きらり「そかそかー。杏ちゃんやっさしー☆」

杏「ま、まぁ……ね」

きらり「……んにぃ? なんか2人とも元気なしー?」

P「そ、そんなことないぞ、うん」

きらり「そかそかー。きらりんパワー☆ちゅーにゅーすぅ?」

杏「い、いいよ。大丈夫だから」

きらり「そーかにぃ? あ、2人ともお着替えしないとダメ?」

P「あっ……」

杏「えっ、う……」

きらり「うきゃ? だいじょぶ? なんだか2人ともよれよれだよ?」

P「だ、大丈夫だよ。うん……」

杏「き、着替えてくるから……」

きらり「りょーかい☆ じゃあきらり、待ってるにぃ!」

P「す、すまんな」

P「……杏、その」

杏「……」

P「……すまん、ちょっと意地になってた」

杏「……ううん、杏は今日は働くって言ったのにやっぱり嫌だってワガママ言ったから……」

P「でもその、流石にやりすぎた。すまん」

杏「別に……」

P「……いや、でも」

杏「……着替えようよ。遅刻してもいいの?」

P「あ、うん……」

杏「……」

P「じゃあ、向こうの部屋借りるな」

杏「……ん」

P「……杏、準備できたか?」

杏「うん……まぁ」

P「……その、だな」

杏「……なに?」

P「ごめんな。やりすぎた」

杏「……いいから仕事いこう、ね」

P「杏……」

杏「そのいち、杏の頼みは聞くこと」

P「……」

杏「杏の家に暮らしてるんだから……条件は飲むんでしょ」

P「……あぁ、わかった」

ガチャッ……

杏「……お待たせ」

きらり「あ、杏ちゃん! Pちゃんも……」

P「……どうした?」

きらり「……んー。ひょっとして2人ともケンカしたー? ダメだにぃー。そーいうの、悲しくなっちゃうにぃ?」

杏「別に、そういうわけでもないよ……ほら、事務所いこ」

きらり「でも……」

P「……すまんきらり。先にいってくれ。用事があるんだ」

きらり「Pちゃん……んー。わかったにぃ……」

杏「ほら、きらり。いくよ? ……乗せて」

きらり「あいあいさー☆ よいしょっ」

杏「ゆっくり、だからね?」

きらり「わかってるにぃ☆」テクテク…

杏「……」

きらり「ねぇねぇ杏ちゃん?」

杏「なに、どうしたの?」

きらり「杏ちゃん、Pちゃんとケンカしちゃったの?」

杏「別にそういうのじゃないよ、ただちょっと、やりすぎそうになったっていうか……」

きらり「やりすぎ?」

杏「……やりすぎっていうか、やられそうにっていうか。杏も意地張ったのが悪いんだけど」

きらり「ふーん、そーなんだぁ……」

杏「……」

きらり「ねぇねぇ杏ちゃん」

杏「なに?」

きらり「ごめんねって言えば、ケンカって終わっちゃうよ?」

杏「……」

杏「……あ、もう事務所?」

きらり「そうだよー☆ 杏ちゃん、元気足りないならいっしょにハピハピすぅ?」

杏「いや、いいよ……大丈夫だから」

きらり「……んー」

杏「プロデューサーはそのうち来るかな……その時にでも……」

きらり「ぎゅー☆」

杏「うわっ……な、なにするのさ!」

きらり「杏ちゃん、やっぱり元気がないし……きらりんパワー☆でハピハピしよっ?」

杏「そんなの別に……」

きらり「ぎゅー☆」

杏「……」

きらり「うぇへへへー☆ 元気でたー?」

杏「うん、大丈夫……ありがと。今日も一日、だらけていこう!」

――

―――

――――

杏「はい、ありがとー。杏の印税生活、応援してねー」

「ありがとうございますぅっ!」

杏「うん、次……名前は?」

「じゃあ、太朗丸でおねがいします……」

杏「はいはい、たろーまるへ、あんずより……はいどうぞ」

「いっしょうの宝にします!」

杏「はいはい、ありがとー。次の人ー」

「ぼ、ぼくは……」

杏「あー、疲れた……サイン会のイベントなんて二度とやらない……」

杏「……」

杏「いつもならそろそろ……」

杏「おーい、サボってないかー。飴やらないぞー」

杏「……みたいなこと言って見張りに来るのに。プロデューサー遅いなぁ……」

prrr prrr

杏「あれ、電話……? 事務所から?」

杏「あー。さては見に来るのは面倒だけど釘だけはさしとこうって魂胆かな? やれやれ……」ピッ


杏「はいはい、どうしたのプロデューサー。仕事なら……」

ちひろ『あ、杏ちゃん? プロデューサーさん、そっちにいってないですか?』

杏「えっ?」

杏「どういうこと? プロデューサー、そっちにいるんじゃないの?」

ちひろ『それが、朝から顔を見てなくって……家も焼けちゃったって言ってたし……』

杏「……」

ちひろ『あの、杏ちゃん?』

杏「……わかった。大丈夫」

ちひろ『え、大丈夫ってなにが……もしもし、もしもーし!』

ピッ

杏「……プロデューサー、なにやってるんだか……」

杏「……」

杏「あー、今日の仕事は疲れたなー」

杏「次の仕事、めんどくさいし移動を手伝ってくれる人はいないしー」

杏「しょうがないからサボろーっと……これは不可抗力だよねー」

杏「……家に着いた、けど……」

杏「……やっぱりいないか。それにプロデューサーの私物がない……」

杏「いや、元々ほとんど持ってきてなかったっけ。火事が本当だったなんて……」

杏「……てっきり、杏の生活を正す気にでもなったかと思ったのに」

杏「……バカだなぁ。真剣に悩んでるならもう少しまじめな話もしたのに」

杏「……」

杏「あー。この新作ゲームはGPS機能とリンクしてて遊んでる位置によって出現モンスターが変わるんだっけー」

杏「家から出るのは嫌だけどいろんなモンスターをみるためには歩かないとなー」

杏「不可抗力だよ、不可抗力……」

杏「……どこにいるのかなー。レアモンスター」

杏「いつもの公園……いない」

杏「事務所は……さっき電話してきたぐらいだし、いまさらいったとは思えない」

杏「じゃあ、あとは……」

杏「……家のあった場所? そういえば、プロデューサーの家ってどこにあったんだろう?」

杏「電話で聞く……めんどくさいし、サボったのバレたら……」

杏「……いいや。もう少し歩こう……」

杏「はぁ……疲れた……暑い……だるい……」

杏「……」

杏「見つけたら、飴……たくさんもらわないと」

杏「あと、心当たりがあるとしたら……」

杏「杏が、初めてサボらなかった時にごちそうしてもらった」

杏「この、店ぐらいしか……」

杏「……あ」

P「……」

杏「プロデューサー?」

P「……えっ?」

杏「なにやってるの? こんなところで」

P「あ、う……ちょ、ちょっと待ち合わせをな……」

杏「ふぅん。じゃあ杏もいっしょに待ってあげるよ」

P「いや、仕事のトークとかがあってたぶん聞いてて面白い話じゃないし……」

杏「……ねぇ、プロデューサー」

P「な、なんだよ」

杏「どう? 今の気分は」

P「……杏、お前」

杏「……暑いし、疲れてる?」

P「……あぁ、少し。あの、杏……本当に……」

杏「まぁ、今日みたいな日は働く気も無くなるよねー。わかるよ?」

P「っ……」

杏「あ、口止め料はいいよ? 杏も今、絶賛サボり中だから」

P「杏、お前……」

杏「今のプロデューサーには言われたくない、かなぁ?」

P「……それもそうか。本当に……」

杏「そのに、必要以上の干渉をしないこと」

P「えっ?」

杏「今はお互いサボり中の共犯なんだから。仕事のことはおいといていいの」

P「……いや、俺が言いたいのは……」

杏「……えいっ」グッ

P「んんっ……!?」

杏「たまには棒付きキャンディーも悪くないね」

P「ぷはっ……あ、杏?」

杏「……」

杏「プロデューサー。家ってさ」

P「あ、あぁ……あれはジョークだったんだよ。杏の生活が大丈夫かなーって気になってさ、ははは……」

杏「本当に火事になってたんだね。無理しないでいいよ」

P「……・」

杏「それで、家に泊めてもらえるほど仲のいい友達がいなくて困って……杏なら大丈夫だと思って頼りにしてきた?」

P「いや、友達ぐらい……」

杏「そのさん、嘘はつかないこと」

P「……いません」

杏「だよね。お仕事相手はともかく、普通に友達っていう相手ができるほどオフの時間があるように見えなかったもん」

P「……」

杏「はぁ。杏も割とダメ人間だけどプロデューサーはもっとダメな人間だね」

P「……そうか?」

杏「うん。もっと人間らしい娯楽とか、そういうのを楽しむべきだよ。働きすぎ。もっと休もう?」

P「だけど皆が……」

杏「皆、ね……杏以外の人にいいカッコしすぎじゃない?」

P「そんなことないさ、仕事はちゃんとしてもらってるんだしその分は返さなきゃだろ」

杏「その発想がもうダメだよ。疲れきってる」

P「だが……」

杏「杏は普段からやらないもんね。だからプロデューサーも無理して振舞ってなかったってところかな」

P「……」

杏「ねぇ、プロデューサー。杏の家に来たのはどうして?」

P「……よくわからない、かな」

杏「ふーん……まぁいいや」

P「まぁいいって……」

杏「プロデューサー、帰ろう?」

P「帰る……? いや、俺は……」

杏「……杏のことを襲いそうになったって?」

P「……あぁ、最低だ」

杏「杏に興奮するなんて万に一つもあり得ない相手だと思ってた?」

P「正直、同性の友達……ぐらいの相手だと思ってた。なのに……」

杏「なんだかそれって、乙女心は傷つくんだけどなぁ……」

P「すまん」

杏「まぁいいや。ある意味信頼されてたってことだしね……プロデューサー」

P「あ、うん?」

杏「プロデューサーなら、ギリギリ条件合格ってところだよ」

P「条件……?」

杏「うん。杏の家に住む条件は満たしてる」

P「いや、でも」

杏「事務所で寝泊まりする気? やめてよ。そんなのいつか身体壊して新しいプロデューサーとか増えそうだし」

P「……」

杏「杏のことをプロデュースしていいのはプロデューサーだけだよ。特別なんだから」

P「……飴くれれば誰でもいいんじゃないのか?」

杏「……常にロイヤルキャンディーくれるなら考えるかも」

P「おいおい……」

杏「プロデューサーらしくないよ。シャッキリして!」

P「うん……ありがとう、杏。少し元気でた。でも……」

杏「なにか不安なの?」

P「正直、だって、なぁ? 襲いそうになったんだぞ? いいのか?」

杏「まぁ、もうあんなことする気はないんでしょ?」

P「それはもちろんだけど……」

杏「それに。もし、杏の家に住んでてそういう気になったんならしてもいいよ」

P「はぁっ!?」

杏「本気で襲われたらたぶんかなわないしねー。諦める」

P「お、おい杏お前何言ってるのかわかってるのか!?」

杏「そりゃあわかってるよ。だって杏は17歳だもん」

P「いやいや、お前はアイドルだぞ? 印税生活するんだろ? いいとか冗談でもいったらダメだろ、な?」

杏「あはは、いつものプロデューサーのテンションになったね。 いやいや、でもタダじゃないよ?」

P「タダじゃないって、どういう意味だ?」

杏「簡単なこと。そういう気になって、間違いを起こしたりしたら……」

P「起こしたら……?」

杏「一生、養ってくれればいい」

P「……それは厳しい条件だな」

杏「でしょ? だから、大丈夫」

P「だけどなぁ、そんなのすっぽかして襲ったりしたら?」

杏「え、そんなことする気なの? プロデューサーってばケダモノだね……」

P「そうじゃなくて、仮にだよ仮に……」

杏「まぁ、プロデューサーはそんなことできないよ」

P「いや、だが……」

杏「だって、今日も責任とって事務所やめるべきか、他の人の迷惑になるから踏みとどまるべきか悩んでたみたいだし」

P「……お見通しか」

杏「なんとなくね。そんなプロデューサーがアイドル1人キズモノにして無責任に逃げれるわけないもん」

P「……杏にはかなわないなぁ」

杏「……杏のことを働かせられるのはプロデューサーだけだからね」

P「そうか……ありがとうな、杏」

杏「ううん、いいよ。お礼ならきらりにも言っておいて」

P「きらりに?」

杏「きらりがいなかったらたぶん、プロデューサーのことを探す気力もわいてこなかったからさ」

P「そっか……うん、わかった」

杏「さ、帰ろうプロデューサー。杏の……ううん。私達の家に」

P「あぁ……そうだ、杏」

杏「どうしたの?」

P「ところで、今日の仕事はどうしたんだ?」

杏「……」

P「杏?」

杏「さ、帰ろうプロデューサー」

P「杏ー?」

杏「……今日はサボって、明日から働かない?」

P「……よし、今からいっしょにお詫びしにいくぞ!」

杏「えぇー!? やだ! 帰る! 帰りたいー!」

P「終わったら飴やるから、ほら!」

杏「10個!」

P「5個だ!」


おわりー☆

無駄に長くなった感……あまあまだらだらは誕生日に書くんで勘弁してください
保守支援ありがとうございました


9月1日はきらりの誕生日だにぃ☆
9月2日は杏ちゃんの誕生日! ハピハピすぅー?

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