雪歩「誕生日なんですぅ!」 (11)
P「そうか、おめでとう」
雪歩「あ、あの~」
P「ん?」
雪歩「誕生日なんですぅ!!」
P「おめでとう、めだたいな」
雪歩「……」
P「打ち合わせに行くかな」
雪歩「選べ!スコップで頭をかち割られるか、わたしと誕生日デートするか」
P「誕生日デートします、せてください」
雪歩「はい!」
P(こうして、俺と雪歩の悪夢の一日が始まった…)
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雪歩「デートですぅ、どこ行きますか?どこ行きたいですか?」
P「雪歩が行きたいところでいいよ」
雪歩「ひどいですー彼氏ならちゃんと前もって選んでくれてるはずです」
P「俺はプロデューサーで雪歩の彼氏じゃないぞ」
雪歩「おかしいな、おかしいよ、絶対におかしいよね」
P「わかったよ、今日だけはおまえの彼氏でいいから」
雪歩「はい!あなた♪」
P「ほら、恋人なんだ腕組め」
雪歩「はい」
P「いいにおいだな」
雪歩「恥ずかしいですぅ」
P「色白だし、肌のキメも細かいし、雪歩は絶対美人になるぞ」
雪歩「う~恥ずかしい」
P「かわいいやつめ」
雪歩「あう」
P「そうだな、とりあえず何か食うか」
雪歩「そうですね、デートの定番です」
P「そういわないでくれ」
雪歩「あう」
P「定番中の定番、吉牛でいいか?」
雪歩「スコップがお怒りです」
P「冗談だよ、そうだな…なにがいい?」
雪歩「彼氏さんが決めるって、お父様がいってました」
P「あーあーそうだよね」
雪歩「どこ連れて行ってくれるのか楽しみですぅ」
P「こんな混雑してる時にどこ連れていきゃ喜ぶんだよ」
雪歩「ラブホテル?Pの部屋?この二つなら大喜びですよ」
P「その二つはもう少し時間がたったらな」
雪歩「仕方ありませんね、それじゃ人目のつかないところで…」
P「誕生日なんだから、海辺のレストランで食事かな」
雪歩「そうですね、夕日を見ながら将来を語り合いたい」
P「きっと、寒いよ」
雪歩「Pが暖めてくれます」
P「こういう時にコートじゃなくてダウンを着てきた俺のバカ…」
雪歩「自販でホットのお茶買っていいですか?」
P「え、いいんじゃないかな」
雪歩「お金だしてください」
P「…どうぞ」
雪歩「まずはわたしが一口飲んで、次はPが一口飲んでください」
P「わかったよ、ごくり」
雪歩「はわわ、間接キスです!誕生日にキスです!」
P「タクシーだと渋滞してそうだし、電車しかないのか」
雪歩「はい、おそろいの黒縁めがねとマスクです」
P「これで変装するのか?」
雪歩「はい、真ちゃんがこれなら絶対にバレないって」
P「むしろバレたいための変装だろ」
雪歩「ですよね…ううう、わたしなんかわたしなんかちんちくりんなんです」
P「大通りでそういうことはやめようね」
雪歩「わたしだって恥ずかしいんです、穴掘ってうまりたいくらいなんです」
P「こんな都会で穴掘ったら、大事件になって芸能活動出来なくなるからな」
雪歩「わかってます~春香ちゃんにきつくいわれましたから」
P「しょうがない、電車で海までいくぞ」
雪歩「あの、お父様の部下に送ってもらえばいいんじゃないかと」
P「ごめんな雪歩、おまえん家の力は極力使いたくないんだよ」
雪歩「…二人ならどんな困難でも乗り越えていけますよね」
P「電車が来たぞ、これ乗って、東京駅で乗り換えてるんだな」
雪歩「みんなが見てます、恥ずかしいですー」
P「変装が逆効果になってるんだよ」
雪歩「真ちゃんは嘘つきです」
P「真は嘘いってないぞ、ただ変装テクが古かっただけだ」
雪歩「そうなんですか?」
P「ああ、こんな黒縁めがねにマスクだなんて、昭和の変装だ」
雪歩「昭和ってなんですか?」
P「昔の年号だよ」
雪歩「そうですか、Pとお泊まりが出来て楽しみです」
P「日帰りだから」
雪歩「おうちに連絡したら、止まるところ確保してくれましたよ」
P「なんでも家に連絡するのやめようね」
雪歩「はい…でも、泊まらないことになったら、Pが冬の寒中ダイビングです」
P「雪歩の誕生日なのか、俺の命日になるのか分からないよ」
雪歩「二人の門出の日ですね」
P「だといいですね~」
雪歩「はい♪」
P「これに乗り換えるのか」
雪歩「わーオレンジと緑ですね」
P「ほら乗るぞ」
雪歩「はい、まるで愛の逃避行みたいですね」
P「全然ちがうからね」
雪歩「あ、あの席空いてますよ」
P「二人並んでしまった」
雪歩「クリスマスイブなのに電車空いてますね」
P「まだ昼前だからな」
雪歩「あの…」
P「なんだ?」
雪歩「Pの手、握ってもいいですか?」
P「雪歩の誕生日だし、いいよ」
雪歩「うれしいです」
P「藤沢か、降りるぞ」
雪歩「次はどうするんですか?」
P「江ノ電で江ノ島行く」
雪歩「江ノ島ですか」
P「クリスマスの江ノ島はなライトアップしていて、おしゃれなんだぞ」
雪歩「う~あまり人がいるのは苦手です」
P「心配すんな、ライトアップだから海岸から見ればいい」
雪歩「さすがあなたです、頼りになります」
P「いそげ江ノ電の駅にいくぞ」
雪歩「待ってください」
P「江ノ島に着いた」
雪歩「海です」
P「すまん、まだ昼間だったな」
雪歩「散歩でもしましょう」
P「そうするか、ほれ手貸せ」
雪歩「え?」
P「手を繋ごう」
雪歩「はい、そうでした」
P「雲一つない冬空だな」
雪歩「ホワイトクリスマスがよかったです」
P「南関東じゃこの時期に雪はちょっとな」
P「ちょうどいいところにイタリアンレストランがあるな、入ろう」
雪歩「はい、あなた」
P「適当にピザ二人前とそれに合う弱めのワインをボトルで」
雪歩「お酒なんて無理です~」
P「ワインなんて水だよ」
雪歩「Pがいるから酔っても安心です」
P「そうそう、俺がいるから」
雪歩「ちゃんと既成事実を作ってください」
P「まかせとけ、添え膳食わぬはなんとやらだ」
雪歩「はい!ちゃんと新品のパンツ履いてきました~」
P「そっかー楽しみだなーハハハー」
雪歩「このあたり、あの、えっちなホテルがいっぱいですぅ」
P「そ、そうだね、まー落ち着いてピザでも食べようか」
雪歩「はい」
P「食ったけど、日が暮れるまで、まだあるな」
雪歩「お腹いっぱいです」
P「追加でいろいろ注文するからだ」
雪歩「せっかくPに連れてきてもらったから、がんばりました」
P「イタリアンなんて東京でいくらでも連れて行ってやるのに」
雪歩「約束ですよ」
P「忘れなかったらな」
雪歩「心配いりません、今の音声録音しておきました」
P「え?」
雪歩「お父様が口約束の時はちゃんと録音しておけといってたので」
P「さすが、雪歩のお父さんだね」
雪歩「はい、約束が反故になったら追い込みをかけるそうです」
P「こわいねー」
雪歩「Pが約束を守れば、こわくないです」
P「俺が約束破るわけないだろ、もーいつでも連れて行ってやるぞ」
雪歩「誕生日プレゼン一個目です」
P「お、おう、プレゼントだ」
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