エリカ「レッドさんは今日からわたくしのポケモンです」(566)

エリカ「ウツボット。つるのむち」

キエー! ビシッビシッ!

レッド「ぐぎゃぁぁぁ!!」

エリカ「そろそろかしら。ボールを投げてみますわ」

シュルルル

レッド「うわぁぁぁぁ…!」

レッド「」

エリカ「この瞬間…胸が高まりますわね」ドキドキ

ボン!

レッド「ハァハァ…」

エリカ「あぁん…もう一息でしたのに…
    もう少しレッドさんを痛めつけなくてはなりませんね」

レッド「エリカさん…なんでこんな事を…!」

エリカ「気に入ったポケモンがわたくしの目の前にいるのです
    トレーナーとして極々自然な行動だと思いますが」

レッド「ぼ、僕はポケモンじゃない!」

エリカ「ウツボット。どくどく」

キエー ブチャァァァ!

レッド「うわぁぁぁ!!痛い…全身が……」

エリカ「今度こそわたくしのモノにしてみせますわ」

シュルルル

レッド「やめろぉぉ…!」

レッド「」

エリカ「……」

レッド「……」ポン

エリカ「ふふふ、ついにレッドさんを捕まえましたわ」

エリカ「ウツボット。よくやってくれましたね」ナデナデ

エリカ「ボールに戻りなさい」キュイーン

……

エリカ「さて、ポケモンセンターでレッドさんを回復させました」

エリカ「ジムでの挑戦者もいないようですしレッドさんをボールの外に出してみますわ」

ボンッ!

レッド「へっ?こ、ここは…」

エリカ「ふふっ、ごきげんいかがですか」

レッド「エリカさん!こんなの間違ってます!」

エリカ「はい?」

レッド「人間を自分のポケモンとして捕まえるなんてどうかしてると言いたいんです!」

エリカ「ふふっ」

レッド「な、なにがおかしいですか?」

エリカ「レッドさんは本当に面白いお方ですね」

レッド「なにも面白い事は…!」

エリカ「レッドさんはウツボットに負けてわたくしに捕えられました
    ですから今わたくしのポケモンとしてボールからでてきたのではありませんか」

エリカ「それを人間だからポケモンとして捕えるのはおかしいと…
    現実に目を背けて異なる事を申されますわね」

レッド「ぼ、僕はエリカさんのポケモンになった覚えはない!」

エリカ「いいえ、レッドさんはわたくしのポケモンですわ。右手を上げて頂けますか」

レッド「はい?」スッ

エリカ「次は左手」

レッド「な?!体が勝手に…」スッ

エリカ「……」クスクス

エリカ「わたくしの言う事を従順にこなして頂けましたね
    これはわたくしとレッドさんの間に絶対的な主従関係が築かれている良い証拠ですわ」

レッド「そ、そんな…!」

エリカ「レッドさんはわたくしを主人として認めているという事でしょう?
    疑いようがありませんわ」

レッド「違う…違う……」

エリカ「これ以上進展のない無駄な問答は止めにしましょう
    そろそろボールに戻って頂かないと」

レッド「やめろぉぉぉぉ!!」

エリカ「!」

レッド「い、嫌だ!その中に入るのはもう…!」

エリカ「そう申されましてもレッドさんだけ特別扱いする訳にはいきませんわ」

レッド「僕は人間なんだ…ボールの中なんて…」

エリカ「ボールの中が気に入らないのですか?
    でしたら良い案があります」

レッド「良い案?」

エリカ「レッドさんはこれからわたくしの使用人になって頂きます
    わたくしの命令を淡々とこなして頂ければボールの中には入れないであげますわ」

エリカ「勿論ポケモンバトルにも参加させません
    レッドさんはわたくしの言いつけを守るだけで今まで通り人間としての生活が保障されますわ」

レッド「……」

エリカ「渋い顔をされますね。いいですかレッドさん。
    このような制約を掲げなくてもレッドさんはわたくしの命令にはもともと逆らえないのです
    これは言わばレッドさんに対するわたくしの温情と受け取って感謝して頂きたいですわ」

レッド「あぁ、わかったよエリカさん」

エリカ「レッドさんの主人はわたくしです。それをいかなる時でも胸においてください」

レッド「……」

エリカ「よろしいですか」

レッド「はい」

エリカ「ふふっ…」

……

レッド「…zzz」

レッド「むにゃ…」

レッド「……」

レッド「はっ!もうこんな時間!」

レッド「こ、これはまずいぞ!早く着替えて向わなければ…!」

レッド「エリカさんを怒らせてしまったら大変な事になりそうだ…!」

タッタッタ

レッド「おはよう!エリカさん!」

エリカ「遅すぎますわ。初日から遅刻するなんてありえませんわ」

レッド「……」

エリカ「わたくしの使用人兼ポケモンという立場を理解しておられます?
    またボールの中に戻りたいのですか?わたくしは別に構いませんが」

レッド「す、すみません!それだけは…!」

エリカ「でしたらもう少し自覚をもって勤めて頂かなければ困ります
    わたくしを失望させないでほしいですわ」

レッド「……」

エリカ「返事がありませんが、不満でもあるのですか?」

レッド「いえ、ありません…これからは気をつけます」

エリカ「遅刻の事はもういいです
    朝食の準備をしてください」

レッド「えっ?…えっ」

エリカ「もうおなかペコペコですわ。早くしてください」

レッド「いや、あの…」

エリカ「…まさか作っていないのですか?
    主人であるわたくしの食事管理はあなたの役目だと
    そう昨日教え込んだ筈ですが…」

レッド「(すっかり忘れてた…!!)」

エリカ「……」

エリカ「はぁ…」

レッド「す、すみません!今すぐに用意を…!」

エリカ「いえ、もういいですわ
    あなたに過度に期待を寄せていたわたくしが間違っていました」

レッド「(こ、これは…まずいぞ…呆れて怒りもできないパターン…)」

レッド「そんな事言わず…!朝ごはん食べないと体に悪い…」

エリカ「誰のせいでそうなったのですか?
    主人であるわたくしに対して命令するのですか?」

レッド「うっ…(僕は心配して言っただけなのに…)」

エリカ「朝食ができる時間を待っていたら生け花に間に合いませんわ
    着物の準備をしてください」スッ

レッド「(よ、よく見たらエリカさん薄いTシャツにふりふりのハーフパンツ…
     そうだよな…寝る時くらいは楽な格好で…)」ジー

エリカ「……」

エリカ「二度言わせないでください
    早く着物の用意をしてください!」

レッド「は、はい!」

エリカ「わたくしが呼ぶまで後ろを向いていてください
    もし途中でこちらを向いたら…わかりますよね?」

レッド「は、はい…エリカさんの着替えてるところは見ません!」

エリカ「当然ですわ」

レッド「……」ドキドキ

エリカ「もういいですわよ。こちらを向いてください」

レッド「(…エ、エリカさんはやっぱり着物が似合うな
     まさに大和撫子…)」

エリカ「なにをしているのですか?
    はやく手伝ってください」

レッド「はい?これで完成じゃ…」

エリカ「帯結びをお願いします」

レッド「(帯…結び?)」

エリカ「まさか分からないのですか?」

レッド「だって着物とかよく分からないし…」

エリカ「わたくしに従うという事はこの様な場面を迎えると予想できた筈でしょう?
    予め学んでおこうという機転は働かなかったのですか?」

レッド「すみません…」

エリカ「この短時間にあなたはどれだけわたくしを失望させれば気が済むのですか…?」

レッド「(なにも言えない…)」

エリカ「甘い目で見るのはこれが最後です
    次、なにか不手際を起こしましたら許しませんからね」

エリカ「もう帯結びはいいです。お母様にやっていただきますわ」

レッド「……」

レッド「(完全に怒らせちゃったぞ…これはまずい展開だ…)」

……

レッド「このままでは本当にボールの中に監禁されかねないな…」

レッド「もっとちゃんとしなくては…エリカさんの役に立たなくては…」

レッド「といってもどうすればいいんだ?エリカさんがいなくなればやることもないし…」

レッド「ん?これは置手紙…エリカさんの字だ」

レッド「筆で書いてある…達筆だなぁ…なんか果たし状みたいだな」

わたくしが戻ってくるまでに以下の事を終わらせておくように
・床間、茶室の掃除
・わたくしのポケモンの世話 庭園で遊ばせてあげてください
・寝具、和服の洗濯
・夕食の買い物及び準備

これくらいでしたら無能なあなたでもこなせるでしょう
これをわたくしに命令されてやるという事を恥じてください
今日はジムの挑戦者によっては帰宅するのが遅くなるかもしれません

エリカ

レッド「……」

レッド「僕ってそうとう株落としてるんだな…」

レッド「やるか…」

……

レッド「立派な和室だよなぁ」

レッド「これを掃除するとなると気合いを入れてやらないとな!」

レッド「よし、やるぞ!」

レッド「……」ゴシゴシ

レッド「……ん?」

レッド「高そうな茶碗だ…いくらくらいするんだ」

レッド「これも磨いておくか」キュッキュ

ガシャン…!

レッド「……」

レッド「庭に埋めておくか…」

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      ,--、、_     .|.¨''‐、     { .^>           ,-v._
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       ゙'-、「   .ノ _.<)''ー┐    !  }            |  .:|
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     ゙'--'''^゙_   .| .¨,,,,フ! 「 个v-''^| .|           ,ノ  .i'′    .}  ノ
     ._,,v-''⌒゙> [ 「゙,,/  .,ノ   } |          .,/′ │     .}  }
     .゙\-‐''^′..、ノ ゙゙゙,.r') .,rミ^''ー< .! .!         / ノ|  |     .!  .|
    ._,,_ r-‐''゙^''v)!,,,./`/′ ! \ .| 〕 }       / .,/`.!  !     } │
    .〔 .゙'ミ‐'゙}  ノ   ,ノ゙_、 .|   ^''´ ! .|       /′.,/′ |  |     .!  .|    ,,ノア
    .), 〔 } :|  .,r'゙,/|  〕     |  |       } .,/゙ _ .}  |     .|  .゙ー-ー'^/
     .} .゙''^゙ _,,.フ.,r(>'″ .}  }    .|  |       .゙'″ (¨′ !      \___,,,/′
     ミ.,/'¨ ̄  ^′ .<''''′ .|   ,、、..(  !           \ .,|
              .\  .}   \  .}           .゙ー'′
               .^‐┘    .\.丿

……

レッド「ウツボット、おまえのせいで僕は…僕は…!」

ウ「キィ?」

レッド「リザードン。かえんほうしゃ」

グォォォォ!

ウ「~~~~~ッッッ?!」

レッド「悪いなウツボット。負けっぱなしは性に合わないんだ」

死ぬぞ

ラフレシア「ンキャー!」

レッド「ん?なんだ?おまえもバトルしたいのか?」

ラ「ラァァァ!」

レッド「いいぜ!いいバトルしよう!リザードン。だいもんじ」

ブフォォォォォ!

ラ「~~~~?!」

レッド「草系なんてこんなもんだぜ!…ん?」

レッド「オイ!もういいんだリザードン!もうやめ…」

ブォォォォォ!

レッド「うわぁぁぁぁ!!庭の木に炎が燃え移って…!!」

レッド「カメックス!キミに決めた!」カメー

これでなんでエリカに負けたんだよ

……

レッド「ふぅ…なんとか鎮火できたな…」

レッド「えーと、あとは…洗濯か」

レッド「エリカさんの寝室に…」

レッド「毛布とシーツを…」ゴソゴソ

レッド「……」

レッド「(エリカさんの使ってる布団か…)」ゴクリ…

レッド「ちょっと匂いでも嗅いでみるか…」

レッド「……」クンカクンカ

レッド「こ、これは…!」

レッド「なんていい匂いなんだ…少し草花の甘い匂いがするぞ」

レッド「枕も嗅いでみよう…」クンカクンカ

レッド「これがエリカさんの髪の匂い…なんかクラクラしてしまうな…」

レッド「もっとなにかないか…なにか…」

レッド「!」

レッド「あ、あれは…!」

レッド「今朝までエリカさんが来ていた薄いTシャツとハーフパンツ!」

レッド「綺麗に折りたたんであるぞ。さすがエリカさんは真面目な…」

レッド「!!!!」

レッド「下着もある…」

レッド「誰も…見てないよな…?誰も…」キョロキョロ

レッド「……」

レッド「!」

レッド「(パンツの内側に黄色いシミが…まさかこれはエリカさんの…)」

レッド「(これは匂いを確かめておかないと…鼻を近づけて…)」スー

エリカ「レッドさん」

レッド「!!!!!!!」

エリカ「何をされているのですか?」ニコ

レッド「エ、エリカさん!」

エリカ「聞こえませんでしたの?何をされていたのか聞いたのです」

レッド「(み、見られたのか?!いや…でも…)」

エリカ「……」ニコニコ

レッド「(この怖いくらい眩しい笑顔はなんなんだ?
     今朝とはうって変わって上機嫌…この表情なら僕がした事は…)」

レッド「せ、洗濯だよ!エリカさんの服を洗おうと思ってね!」

エリカ「そうでしたの。ちゃんとわたくしの言いつけを守っている様ですね」

レッド「ははっ!ま、まあね」

エリカ「……」

エリカ「はぁ…」

レッド「エ、エリカさん?」

エリカ「あなたにはつくづく呆れさせれますわ」

レッド「えっ?いやっ…」

エリカ「わたくしがなにも知らないと思っているのですか?」

レッド「な、なにを言ってるのかさっぱり…」

エリカ「高価な茶碗を割り庭に埋め、わたくしのウツボットとラフレシアをひんしにさせ庭園に木を一部焼き払い
    極めつけにはわたくしの下着を手に取り匂いを嗅ごうとし、それら全てをわたくしに隠し通そうとするなど…」

レッド「なっ…なぜそこまで…」

エリカ「レッドさん。わたくし言いましたよね」

レッド「えっ?」

エリカ「これ以上不手際を起こしたら許しませんと」

レッド「……」

エリカ「もう堪忍袋の緒がきれましたわ。あなたが泣き叫ぼうとわたくしがあなたを許すことはありません」

レッド「そ、そんな!」

エリカ「ボールに入れたまま谷底に投げ捨ててあげましょうか
    サントアンヌ号に乗って海の真ん中で重りをつけたまま投げ捨てるのも良いですわね」

レッド「ちょっ…それは!」

エリカ「それともウツボット達の練習台の方がお好みでしょうか
    裸で棒に括りつけてひんしになりましたらポケモンセンターを永遠と続けてさしあげますわ」

レッド「お、落ち着いてエリカさん!」

エリカ「わたくしは至って冷静ですわ」

保守感謝です

エリカ「いずれにせよ人としての生活はもう諦めてください」

レッド「そんな事って…!」

エリカ「当然でしょう?あなたはポケモンとしても使用人としても役目を全うできないのですから」

レッド「ボールだけは…ボールに入れられるのだけは…」ガタガタ

エリカ「レッドさんはボールの中がよほどお嫌いなのですね」

レッド「それだけは勘弁してください…」

エリカ「そうですか。心中察します」

レッド「エリカさん!」

エリカ「ボールの中に入れて差し上げますわね」

レッド「…はっ?」

エリカ「聞こえなかったのですか?ボールの中に入れて永遠に閉じ込めます」

レッド「エリカさん…それだけは…!それだけは!」

エリカ「往生際が悪いですわ。嫌な事という事は十分に伝わってきます…ですが」

エリカ「嫌な事をしないと意味がありませんものね?」ニコ

レッド「(怖い…この笑顔が……!)」ブルブル

エリカ「さようならレッドさん。もう二度と会う事はありませんわ」

キュイーン…

レッド「やめろぉぉぉ!!うわぁぁぁぁぁ…!」

レッド「」

エリカ「……」

エリカ「ふふっ…」ゾクゾク

……

レッド「……」

レッド「暗い…狭い……」

レッド「あれからどれくらい経ったのだろうか…」

レッド「今頃僕のボールはどこかに捨てられているんだろうか…
    誰の目にもつかないひっそりとしたところで…」

レッド「……」

レッド「もう二度と日の光を浴びる事はできないんだろうな…
    なのにポケモンフードを悔い漁って生き延びて…僕はどうかしてるな」

レッド「寂しい…誰か話し相手がほしい…」

レッド「もう死んでしまおうか…どうせ生きていても」

レッド「…」

レッド「……」

レッド「………」

レッド「ぷっ…はは……」

レッド「あははははははははぁぁぁ!!!!」

レッド「なんで俺がこんなとkくぇrちゅいおp!!!」

ガタン!

レッド「アハハハハ!!フザケンジャネエォォォォ!!」

レッド「アヒャヒャヒャヒャ!」

レッド「ハァハァ…」

シーン

レッド「……」

レッド「誰でもいい…人と会って…話がしたい……」

………

エリカ「……」

レッド「……」

エリカ「レッドさん」

レッド「(また…夢か……)」

エリカ「レッドさん。おひさしぶりですね」

レッド「周りが明るい…夢……なのか?」

エリカ「夢じゃありませんよ。ボールから出してあげました」

レッド「ほ、本当に…!」

エリカ「えぇ。これは現実ですわ」

レッド「やった…はは……また外に出れて…」

エリカ「わたくしレッドさんに謝らなくてはいけませんね…
    身勝手なわたくしのせいでレッドさんにこんな思いを…」

レッド「うっ…あぁ…(言いたい事がいっぱいあるけどうまく喋れない…)」

エリカ「レッドさんを閉じ込めている間に深く反省しましたわ…
    今日この日をもってわたくしはレッドさんを解放しますわ」

レッド「あっ…うぅ…」

エリカ「お迎えの方もいらしてますのよ」

グリーン「おいレッド!早く俺のピジョットに乗れよ!」

レッド「ぐ、ぐり……ん」

グリーン「じじいも心配してるぞ!早くマサラタウンに帰るぞ!」

レッド「ははっ…グス」

レッド「やったぁぁ!!」ガバッ

レッド「……」

シーン………

レッド「グリーン…?」

レッド「ははっ…」

レッド「……」

レッド「死のう…もうこれ以上…」

夢とかやめてくれよ…(絶望)

レッド「………」

レッド「…………」

レッド「(体が…動かない……痺れて…)」

レッド「(いよいよ最後か…12年の人生……短かったな…)」

レッド「(悔いは…ある……悔いは……ポケモン151匹あつ…め)」

「すごい汗ですわ…レッドさん…衰弱しきってますわ」

レッド「この…声は……」

「面倒はわたくしがしっかりみてあげますわ。レッドさん早く元気に…」

レッド「……」

……

レッド「……」

レッド「!」ガバッ

レッド「はぁはぁ…」

レッド「布団の上…うっ…」

レッド「縁側からの光がまぶしっ…」

エリカ「お目覚めですか」

レッド「!!」

エリカ「ずいぶん長い事眠っておられましたわ」

レッド「あっ…あぁ……」

エリカ「ふふっ…気分はどうですか?レッドさん」ニコ

レッド「うぅ…(こ、この笑顔……)」

レッド「(ふ、震えが止まらない……この人の前にいるだけで…)」ガタガタ

エリカ「はい…お粥をこしらえましたの
    お口に合えばよろしいのですが…」

レッド「お、お粥…」

エリカ「あーん」

レッド「……」

エリカ「お味はどうですか?」

レッド「(この味…ポケモンフードじゃない…
     とても夢とは思えない…だけど…)」

エリカ「ふふ…まだまだありますのよ?どんどん召し上がってくださいね」

レッド「(僕をこんなめにあわせた張本人…
     この人は…こんな優しい人では…)」

エリカ「さぁ汗をかかれてさぞや気持ちが悪い事でしょう?
    服を脱いで頂いてよろしいですか?」

レッド「そ、そんな事は…!」

エリカ「お気になさらずとも…わたくしがタオルでレッドさんの汗を拭いてさしあげますわ」

レッド「……」

エリカ「まぁ…こんなにお痩せになって…レッドさんが不憫ですわ…」

レッド「……」ガタガタ

エリカ「?」

エリカ「なぜ体を震わすのですか?」

レッド「い、いや…」

レッド「(なぜ…なぜあの時の事に触れてこないんだ?
     何事もなかったかのように…)」

エリカ「お夕飯はなにがよろしいですか?レッドさん」フキフキ

レッド「(まるで別人になったかのような…)」

………

エリカ「ふふっ、レッドさん。大分元気になられたのですね」

レッド「あっ、あぁ…看病ありがとな」

エリカ「いえ、わたくしが好きでやっていた訳ですし
    礼には及びませんわ」

レッド「そうか。それでもありがとう」

エリカ「ふふっ。レッドさんたら」

レッド「そうだ久々にポケモンバトルでもしないか?」

エリカ「あら。望むところですわ。全力でお相手致します」

レッド「よし!いいバトルをしよう!」

エリカ「えぇ」ニコ

……

レッド「体も完全に良くなったみたいだ」

レッド「いつまでもここにお世話になる訳にはいかないよな」

レッド「……」

レッド「(エリカさんの真意はわからないままだったけど…
     なんだかんだお互い詮索はしなくなってしまったな…)」

レッド「まぁ時間が解決してくれたという事か。それが一番穏便な…」

エリカ「あらレッドさん。何をされているのですか?」

レッド「あっ、エリカさん。そろそろ僕マサラタウンに帰ろうかと思って」

エリカ「……」

レッド「エリカさんにはお世話になりっぱなしだったね。いつかまた会いに来るよ。その時は…」

エリカ「なに言ってるんですかレッドさん」

レッド「ん?」

エリカ「またボールの中に入りたいのですか?」ニヤ…

レッド「……!」ゾク

キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

レッド「あっ…あぁ……」ガクガク

エリカ「なぜ…」

エリカ「なぜわたくしがあなたをボールから出し看病をしたのかわかりますか?」

レッド「わ、わかるわけ…」

エリカ「あなたにも家族がいるでしょう?大切な友人も…尊敬する博士も…
    あなたを閉じ込めている間どうしても気になってしまいまして…」

エリカ「早い話が気が変わりましたわ
    あなたをわたくしの下僕として扱ってあげますわ」

レッド「げ、下僕…」

エリカ「あなたをこの部屋から出すわけにはいきませんわ
    ただでさえジュンサーさんに疑いの目をかけられておりますので」

レッド「い、いけっ!リザードン!」

コイキング「コココココッッ!」

レッド「」

エリカ「……」クスクス

エリカ「無駄ですわ。既にすり替えさせていただいております」

レッド「うっ…あぁ…」

エリカ「実はあなたをボールの中に閉じ込め、
    極限の状態まで追い込んだのにはもう一つ理由があるんです」

レッド「……」

エリカ「わかりませんか?教えてあげますね」

レッド「……」

エリカ「レッドさんのそんな顔が見たかったからですよ」


レッド「お、俺のそんな顔、って……」

エリカ「うふふ……貴方の……」

エリカ「 怯えて 」

エリカ「 恐れて 」

エリカ「 許しを乞うような 」

エリカ「その目……その顔……」ゾクゾク

レッド(狂ってる……)

エリカ「お座り」

レッド「ッ!? ぐ、ぁッ」 ペタン

レッド(体が……勝手に……!?)

エリカ「先程……わたくしにリザードンを仕掛けようとしましたわねぇ……?」

レッド「あ……あ……」 ガクガク

エリカ「うふふ……お仕置き……しなくちゃ、ですわね?」

レッド「う、うぅぅううぅう………」 ガチガチガチガチ

エリカ「あらあら……またそんなカオなさって……」 ゾクゾク

>>344
レッドめっちゃ勃起しとるww


レッド「ぁ…む……ぅけ……」

エリカ「あら? 何か?」

レッド「頼むぅぅ………」 ハァ…ハァ…


レッド「助げて……ぐだざい゙……」 ボロ…ボロ…



 エリカは微笑むと、俺の耳にそっと口を寄せて、

 そっと、囁いた。


エリカ「 だーめ 」



レッド「ぁ……ああぁぁあ……」 ポロ…ポロ…


エリカ「貴方は下僕なんですよ?」 ヒソヒソ

エリカ「主従関係をきっちりと……」 ヒソヒソ

エリカ「教えて差し上げますわ……」 ヒソヒソ

 ゆっくりゆっくり
                                       / ̄ ̄ ̄ ̄\
 生きていることを確かめさせながら               ; /;;::       ::;ヽ
                                     |;;:: ィ●ァ  ィ●ァ::;;|
 死が近づいていることを認識させるよ。           __|;;::        ::;;|
                                  /_|;;::   c{ っ  ::;;|
 残酷なほどに 優しく                   /|   |;;::  __  ::;;;|
                                /ー、\ヽ;;::  ー  ::;;/
 切り刻む                         /  _| |∴\;;::  ::;;/ \
  ____________________|_\||ー|-ー'⌒|---------------、

   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄ ̄||_|  | | \--------------′
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                                     \     /  _/|___

                                  / ̄ ̄     |__」  / ̄\ / ̄\

                                 <_O ̄     |   /_  / \ 々)
                         ,ーーーー川 ̄|        /∥ /  )     \/
                   ___/|  ___/       ∠/  /\  /      /
          ,ーーーー ̄ ̄_____/       |       /  |。/__/|      /
        /     |   /・∥\       __|_,ーーー| | ミ/     |   _/

      /\      |   \_/   _,ー ̄ ̄        |   /     / ̄ ̄ /
    /    \__,---------- ̄ ̄               |◎ |      |     |
  /   ===/                              /   \    \    |
 /  /__|                              /∩ \  \    | ⌒\\
   ̄ ̄ ̄                               ι/ \_|_「∪   /_____>

支援


エリカ「ほら……殿方が泣くものではありませんよ? 拭いて差し上げますね」 フキフキ

レッド「………」

エリカ「……ボールの中、暗かったでしょう?」

レッド「……」 ビクッ

エリカ「暗くて、狭くて、寂しくて……」

レッド「……」 ガクガク

エリカ「このまま一生……このままかも、って……」

レッド「ぁ……あ……」 ガクガクガク

エリカ「ずっと、ずーっと、永遠ともいえる時間を……あの場所で……一人で……」 ヒソヒソ

レッド「ぁぁああぁぁあぁ……!」 ガクガクガク

 ぎゅっ

エリカ「でも大丈夫ですわ……」

レッド「ぇ……ぁ……」

 エリカが、そっとレッドを抱き締める。

エリカ「辛かったでしょう……? 苦しかったでしょう……? でも、もう大丈夫ですわ」 ナデナデ


レッド「ぁ……」

 レッドの目が虚ろになる。

 そこに希望の光が淡く揺れる。

エリカ「わたくし……もう、レッドさんを酷い目に遭わせたくありませんの」 ヨシヨシ

レッド「……」

エリカ「わたくしはもう、レッドさんをボールには入れませんわ……」ナデナデ

レッド「………」

エリカ貴方を……あの孤独から遠ざけられるのは……」

エリカ「わたくしだけ……」 ヒソヒソ

レッド「……ぁ………ぁ……」

エリカ「ねぇ、レッドさん……? レッドさんは……」

エリカ「わたくしがいなきゃ、駄目なんです」

レッド「………」

レッド「エリカがいなきゃ………」

レッド「 ダ メ ………」

少し見ないうちに展開変わったな






いいぞもっとやれ


エリカ「そう……」

 エリカがレッドを優しく抱き締め、そっと頭を撫でる。

エリカ「よしよし……いい子………いい子ね………」 ナデ…ナデ…

レッド「………」

エリカ「貴方は本当によく出来た………」

エリカ「 ポケモンだわ 」

レッド「………」 ボ~…



レッド「 はい…… 」





────
──


レッド「………やあ、おはようウツボット」

ウツボット「キィ……」

逆にモンスターボールに捕まえられて 舌で舐めるを命令されるエリカはよ


レッド「エリカ様がもうすぐ起きる頃だ……テーブルからどいておくれ」

ウツボット「キィ~」 ピョコピョコ



 ガラ…


エリカ「おはようございます、レッドさん」

レッド「ッ! お、おはようございます! エリカ様!」

エリカ「うふふ……貴方、どれだけたっても、かしこまっているのね」

レッド「は、はい……」

エリカ「あ……それとも、いい加減故郷が恋しいのですか? 一度マサラタウンに帰ってみても……」

レッド「だ、駄目です! い、いや……嫌だ!」 ガタガタ…

エリカ「あらぁ、どうしてですか?」 ウフフ

レッド「エリカ様と……離れるなんて……そんな……そんな……」 ガタガタガタ

エリカ「うふふ……そう……貴方はわたくしのポケモン……」

エリカ「離れられない…… 一生……」 ニコニコ


エリカ「でも……そうねぇ……そろそろ貴方にも飽きましたし」

エリカ「ポケモンを『にがす』という選択肢も……」 ニコニコ

レッド「そ、そんな……嫌だ……! 嫌です! エリカ様ぁ!」

レッド「お、お願いです! もっと、もっと仕えます! 貴方に従います!」

レッド「だから……だから……」

レッド「捨てないで……グスッ……ください………」 ポロ…ポロ…

エリカ「………」 ゾクゾク

エリカ「……よしよし、レッド、顔をあげなさい」 ナデナデ

レッド「………」 ポロポロ…

エリカ「少し意地悪が過ぎました。 でも大丈夫ですよ……?」

エリカ「わたくしは、貴方を捨てません」 ニコニコ

レッド「本当……ですか?」

エリカ「ええ」 ニコニコ

レッド「……」 ホッ

エリカ「うふふ……では、朝食にしましょうか」


───

エリカ「では、お花のお稽古に行って参ります。 留守番を頼みましたよ」

レッド「はい!」

 ガチャ バタン!

レッド「さて……エリカ様が帰ってくるまで……部屋の掃除でもしとくか……」


───

レッド「よいしょ……」

 ガタガタ バサバサ

レッド「テーブルの上も片付けておかないと……」

 ガタガタ…


   コロ…


レッド「ん?」


レッド「これは……モンスターボール……」


レッド「モンスター……ボール……」


レッド「っ、う……閉じ込められた……記憶が……」 ガタガタ


レッド「はぁ……はぁ……」


 コロコロ…


レッド「……モンスターボール……」


レッド「投げて……捕まえ………」



レッド「なげ、て、、つか、、、ま………」



レッド「…………………………」


レッド「………」 ヒョイ

       完


良かった

>>426
あ?

サトシ「そうだ… 俺は無理やり捕まえられて…」

サトシ「いやだ… あんな寒いところは…」ガタガタ

サトシ「… … あれ… でもこのボールを破壊すれば…」

サトシ「…」

ガキンッ

コロコロ…

サトシ「…」

――――――――――――

――――――

――――

エリカ「ただいま もどりました」

シーン…

エリカ「…」

エリカ「レッドさん 帰りましたよ」

――
レッド「……」

エリカ「ただいま帰りました。綺麗になってますね」

レッド「……」

エリカ「それではお夕食の用意をしましょう」

レッド「……」

エリカ「……?どうかしましたか、レッド?」

レッド「ぅ……」

エリカ「え?」

レッド「うわああああああああああああ!!!」シュッ

エリカ「そ、それはモンスターボール!や、やめなさい!レッド!レッド!!」

ピチューン



コン……コンコン……

レッド「……エリカ、ゲットだぜ」

復讐に燃える真のポケモンマスターを目指す展開はよ

>>446
わかってねーなw
そこは抵抗して出て来た所をボコって瀕死にさせる所だろww

>>450
手に入ったんだし最初みたいにボールから出して痛めつける展開でもいいと思うんです!

うるせぇな黙ってろよ、今回はてめえらが悪いだろ……イチ書き手として言わせてもらうがな。
SSってのはな、読者に合わせてムリヤリ書くもんじゃねぇんだよ
書き手がこういうストーリーを文に書きたい、って思いを形にする為にあるんだよ
いちいち、お前らの意見がどうかとか、評価がどうとか、感想がどうとか、くっだらねぇ、どうだっていい。
こっちは、書きたい物を書いてんだわ。それを外からグチグチ文句垂れんじゃねぇ。
ストーリーや、エンドが気に食わないってんならテメェで書けや。それが出来るのがSSだろうが。
与えられたもんを食うだけ食って、いい御身分で文句垂れるしか能が無いてめぇらの方がよっぽど家畜だわ

>>462
よく分からんけど急に切れ出してワロタwww

流石SSスレ
釣れますね

正論までコピペ扱いとか・・・SS界本格的に終わったな

自分で正論って言うなよ・・・

なんかすげぇ荒れてるな

>>480
は?何で?

>>481
途中で投げ出したお前のせいだな

はっ、今更>>1が出て来た所で俺のエンドは越えられねーよ
もうあんたの時代は終わったんだよ!!

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