夏海「よっしゃー! 彼女ゲーット!!」グッ
このみ「わー歳の差カップル誕生だね~」
夏海「いや~遂に出来ましたよウチにも彼女が!」グイ
このみ「おーなっちゃん積極的だな~」
夏海「ではではこのままベッドインと行きましょうかねぇ?」グヘヘ
このみ「えー今日は普通の下着つけて来ちゃったよ~」
夏海「って、ウチ先走り過ぎだろー! まずキスだよキス!」ビシッ
このみ「そうだねーキスしたいねー」
このみ「…しよっか?」
夏海「え」
チュッ
夏海「……」
このみ「…ふぅ。あはは、ホントにしちゃったー」
夏海「え、え~っと…これはどういったご冗談で?」ダクダク
このみ「も~なっちゃんは冗談でキスとかするー?」
夏海「ですよねー!!」
このみ「それに私さっきのがファーストキスだったんだよー?」
夏海「いや、それはウチも初めてなんですけどね!?」
夏海「うわー…やけにノリがいいと思ったらこのみちゃん本気だったのかー…」
夏海「つーか、ウチら女同士じゃん! たった一度の青春を女に捧げちゃってホントにいいん?」
このみ「いいのいいのー、男の子なんてこの辺りじゃ眼鏡君だけだし!」
夏海「oh…そうでした……」
このみ「そもそも私なっちゃんだからOKしたんだよー」
夏海「は…今なんと?」
このみ「なっちゃんって実は自分がこの辺りでモテモテなの全然知らないでしょ~?」ウフフ
夏海「なんですとー!!?」
このみ「まー気付かないのも無理ないかー。なっちゃん小さい子とばっかり遊んでるし」
夏海「言われてみれば確かに…」
夏海「ハッ」
夏海「いかんいかん、騙されるとこだった! 超ー騙されるとこだった!」ゼェゼェ
このみ「別に信じてくれなくてもいいけどー」
夏海「そんじゃまぁ、ウチそろそろその小さい子らと遊び行きますんで──」ガシッ
夏海「ぐぉ!?」
このみ「おんや~? 彼女を前にして堂々と浮気かな~?」ニコニコ
夏海「うおぉっほぅー頭割れるぅ~!!」ギリギリギリ
夏海「離してよこのみちゃん! れんちょん達が私が来るの待ってんだからさー!」ジタバタ
このみ「え~でもこの前小鞠ちゃん達3人だけで遊んだって聞いてるよ~?」
夏海「うっ」
このみ「なっちゃん居なくていいんじゃない?」
夏海「居なくていい言うな!」ブワッ
夏海「このみちゃんホントにウチのこと好きなん!?」
このみ「うん、大好きだよー。もっぺんキスするー?」
夏海「あ、あはは…ウチ中学生だよ? これって犯罪なんじゃ…」
このみ「んーなっちゃんが大人になるの待っても私まだ20代だし、全然余裕だよねー」
夏海「口じゃ勝てねぇ!!」
夏海「あ~はいはい分かった付き合う付き合いますよ~」オテアゲ
このみ「やっと観念したか!」
夏海「うん、けどさーこのみちゃん。こんな田舎でウチと付き合って一体何がしたい訳?」
夏海「まさかその歳にもなって意味なく山登ったり川飛び込んだりなんてしないっしょ?」
このみ「しないね~」
夏海「あーんじゃウチ無理だわー退屈過ぎて死んじゃうわー」
このみ「よし、そういうことならデートしよう!」
夏海「どぇ~とぅ?」
このみ「もしそれでなっちゃんが退屈だったら別れてあげる」
夏海「その話、乗ったぁ!!」
夏海「え~右手に見えますのが田んぼでございます」
夏海「左手に見えますのも田んぼでございます」
このみ「この辺昔からずっと田んぼだよね~」
夏海「おっ、成ってる成ってる~」プチプチ
このみ「こーら、人んちの稲にイタズラしちゃ駄目でしょ!」
夏海「別にいーじゃん、こんなんいっぱいあんだからさー」パクッ
このみ「そういう問題じゃないよ、なっちゃん」
夏海「…あ~夏海ちゃん早くも退屈してきたわー」
このみ「も~デートを楽しむ気全然無いでしょ!」
夏海「だってこれただの散歩だし…。つーかこんな田舎でデートって言われてもねぇ──」ギュッ
夏海「おおおぅ!?」ビクッ
このみ「ほーら、手繋ぐだけでもけっこう雰囲気出るじゃん!」ニコッ
夏海「……」
夏海「…ふ~んだ、ウチそんなことじゃ誤魔化されませんよ~だ!」プイ
このみ「はぁ~なっちゃんの手はあったかいなー」ギュー
夏海「このみちゃんの手が冷たいだけなんじゃない?」
このみ「私は普通だよー」
このみ「でも良かった、寒くなる前に恋人出来て」
このみ「よーし、今年の冬は手繋ぎ防寒だー! やるぞー! おー!」
夏海「しっかり厚着しといてよく言うよー。ウチなんて部屋着だし」
このみ「え、なっちゃん寒いの? 上着貸そっか?」ヌギ
夏海「いいよいいよ! ウチそんなヤワじゃないから!」
このみ「あそっか、こういう時はアレだよね……ていや~♪」ピトッ
夏海「ひっ、冷゛たぁぁぁ!?」ビクゥ
このみ「あれ? あー私のほっぺの方が冷たかったかー」クスッ
夏海「つめた~いジュース押しつけられたかと思ったわー!!」
このみ「う~ん、じゃマフラー代わりに私の髪でも巻いとく~?」クルクル
夏海「おお、これはいい感じ──」ピットリ
夏海「って、いい感じにされてたまるかー!!」ブン
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{ ヽ\ ヽ: >‐一: :'´ : : : : : : : {'^つ \
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トミ|/ l人:「\_「|∧──- '´ ∧/| /
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`ー-ヘ、 \ ∨
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夏海「ねーこのみちゃん、そろそろ手離してくんない?」
このみ「だーめ、デートなんだから最後まで繋がないとー」
夏海「でもこんなとこねーちゃん達に見られでもしたら…」
このみ「いーじゃん、恋人なんだし。いっそ見せつけちゃえ!」
夏海「だーからウチら女同士だっての! どう見てもシスコン姉妹だよ」
このみ「まーなっちゃんとは姉妹みたいなもんだったし」
夏海「過去形ですか…」
このみ「今となっちゃねー」
夏海「……」
夏海「…あのさ、もしこのデートが終わってウチと別れたらさ」
夏海「そしたらこのみちゃんウチと元の姉妹みたいな関係に戻ってくれるん?」
このみ「う~ん、それはなっちゃん次第かなー?」
夏海「は…?」
このみ「ほらほら、デート中に別れ話なんかしない! ダッシュダッシュー」ズンズン
夏海「ちょ、答えんなってないし……てか結局手ぇこのままかーい!!」
このみ「──日が落ちて随分と寒くなったねー」ピットリ
夏海「マイガ!? いつの間にか完全にくっつかれてるし!」
このみ「だってなっちゃんあったかいんだもーん」
夏海「私はカイロか!!」
夏海「つーか、このみちゃん寒いんだったら無理せず帰ろうよー」
夏海「こんなこと続けてても時間の無駄だって」
このみ「それ私とのデートが退屈ってことー?」
夏海「う~ん…このみちゃんと2人で出かけるの珍しいし、まぁそれなりに楽しいよ」
夏海「女同士で付き合うってーのも悪くないかな~なんて思っちゃったりなんかり?」
夏海「でもそれは今日1日だけの話で、これが毎日ともなると流石に飽きるかな~って……あはは」
このみ「…もういいよ、なっちゃん。私諦めるから」スッ
夏海「え」
このみ「はいは~いこれにてデート終了! ん~今日は楽しかったな~。じゃ、帰ろっか──」ガシッ
夏海「いや、ウチ全っ然デートし足りないんスけど!? つかこんなとこで終わんの絶対やだし!!」
>>32
ドカッ! バキッ!
夏海「あ。…あれ?」パッ
このみ「お~自分の発言に驚いてる。これは面白いよー」マジマジ
夏海「ウチ、なんでこんな心にもないこと…」
このみ「んー寧ろ心にあって頭になかったんじゃない?」
夏海「…ひょっとしてウチのこと馬鹿にしてるん?」
このみ「そんなんじゃないよ~」
このみ「それよりなっちゃんもデート楽しんでたのかーそっかそっか、それは良かったー」
このみ「あ、もしかしてホントはあの告白の時からずっと私のこと本気だったとか?」クスッ
夏海「いやいや、アレは普通にジョークっしょ! いくらウチでも女に告白しないって!」
このみ「え~でもなっちゃんだしなー」
夏海「ウチのイメージって一体…」
このみ「……」
ギュッ
夏海「な゛っ!!?」ビクッ
このみ「まだなっちゃん中学生だもん。自分の気持ちに気付けないのも無理ないよ」ナデナデ
// / / ./.l .l ト ! ヘ\ ヘx.\
/// / // / .l .ト iヽ! \ ヘ \ .l ヘ ` ヽ
,/ / .l ./ i/― v.lヽ .ト x-ヽヘ-.V l 丶 ヘ
/ / | ./ | v \ l\ ` V.l l i ヘ
//l |Λ| x‐‐ 、\ ` \! /r‐‐ x リ .l l iヘ.ヘ
| i i /ィチ丁ヽX X チ丁υ\l 从l l `
l.l 、、 iX うーイ彳 三三三 廾几リ メ/ / l l
l! |\ΝX 乂セ少 三三三三三 乂心メ リ ./| ソ
l トミ、. l ノツl/ l
l |l .:.:.: .:.:.: !| | あ?
l !ル iy .l
l |ヘ △ ∥l l
l ! 、 /∥ l
l v ! . ゝ イ l / 从
.l ! vi l .个 个 l l / 人人
/ /! !vi .l .| ` | l l/ |` ー
このみ「私だってホントはなっちゃんにちゃんと自覚のある告白をして欲しかったんだよー?」
このみ「けどそんなん待ってたらきっと眼鏡君の時みたいに気持ちが風化しちゃうからさ…」
このみ「だったらなっちゃんの恋心が消えちゃう前に自分からキャッチしちゃえーって!」
このみ「あの時、キスされてなかったら私のことなんてずっとただのお隣さんだったでしょ~?」
夏海「むぐぐ…言いたい放題言ってくれちゃってくれてるけど、ウチほんとに恋心なんて…!」
このみ「あるよ、あるある。絶対あるって!」
夏海「ないよ、ないない。絶対ないから!」
このみ「でもなっちゃんもう私とは別れたくないんでしょ?」
夏海「う…」
夏海「…だ、だってこのみちゃんウチのこと諦めてくれそうにないし~」
このみ「さっき一度諦めたけど? 今度はちゃんと愛してくれなきゃ本気で諦めちゃうかもね~」ニマニマ
夏海「このみちゃんホントにウチのこと好きなん!?」
このみ「うん、大好きだよー。もっぺんキスするー?」
夏海「……」
夏海「…ホント、このみちゃんに口で勝てる気しないわ///」チュッ
─ 帰り道 ─
このみ「私って年下が好きなんだよねー。なっちゃんとか小鞠ちゃんとかホント可愛し!」
夏海「うわ…このみちゃん、まさかウチらのことずっとそういう目で……?」
このみ「やだな~誤解だよ~。女の子と付き合いたくなったのは今日が初めてだもん」ポフッ
夏海「てかウチとこのみちゃん身長差ないなー。これでウチのこと可愛いはないんじゃない?」
このみ「え~なっちゃん可愛いよー?」
このみ「例えばほら、告白する時だってなっちゃん私と2人きりになるの待ってたみたいだし」クスッ
夏海「…は?」
夏海「いや、だからアレは冗談だって言ってんじゃん! タイミングだって偶然だよ」
このみ「じゃあきっとなっちゃんの恋心がチャンスは今しかない! と思って言わせたんだね!」
夏海「oh…このみちゃんの中ですっかりウチとウチの心が別人だよ。いっそ名前でもつける?」
このみ「いいよ、どっちもなっちゃんだし。ねー、なっちゃん?」サワッ
夏海「あーっ!! 今わざとウチの胸揉んだっしょ!? やっぱこのみちゃん絶対そっちの人だー!!」
このみ「こんなん友達同士だって普通にするよ~。なっちゃんってホント初々しくて可愛い♪」ニコッ
小鞠編へ続く
小鞠(なんだか最近うちの妹の様子がおかしい)
夏海「ねーちゃん、新しい歯磨き粉知らなーい? 洗面所にはどこにも置いてないんだけど」
小鞠「は~? アンタ歯磨き粉なんて使ってないじゃん」
小鞠「この前だって私に歯磨き粉で楽するな! 2倍磨け! とか意味分かんないこと言ってたし」
夏海「それいつの話だよ。とにかくこのみちゃんが来る前にさっさと磨いて出とかんと…」
小鞠「?」
小鞠「まぁいいや、探してきてあげる」
夏海「すまんね、ねーちゃん」
スタスタ
小鞠(夏海いつの間に歯磨き粉なんて使い始めたんだろう? ま、別にそんなんどーでもいいけどー)
小鞠(…けど、なんか引っかかるなー。姉として本能では妹のこと何でも知っときたいのかも)
ガララ
このみ「おっはよーーございまーーす!!!」
小鞠「あれ、このみちゃん?」
夏海「んー? ねーちゃん誰か来たん?」シャカシャカシャカ
このみ「なっちゃん、洗面所でしょ~?」ヒョコ
夏海「ぶほっ!!」
このみ「わービンゴビンゴー! なっちゃん何をするにも時間ギリギリだもんねー」
夏海「このみちゃん!? 何うち入って来てんの、朝は外でこっそり会う約束でしょうが!!」
このみ「だって外寒いしー。そもそも私が越谷家に入って来たって誰も気にしないじゃん」
夏海「そりゃ入るだけならいいけど……ウチ、絶対うちでは“朝の日課”しないかんね!」プイ
このみ「え~大丈夫すぐやればバレないよー。ほら、なっちゃん早くガラガラぺっして」
夏海「このみちゃんが出てくまで出ーしーまーせーんー。どうしてもってんならこのまますれば?」
このみ「よし、じゃあこのまましよう!」グイ
夏海「ちょ…やだ…このみちゃん汚いって……んっ///」ピクン
小鞠「このみちゃん、おはよー。夏海歯磨き粉──」
ポトッ
小鞠「え…嘘…なんで……?」
小鞠「なんでこのみちゃんウチの夏海にキスしてる~~ん!!?」
小鞠(その時、私の中で何かが弾けた)
ごはん食べゆ
小鞠「はぁぁぁ~!? 夏海とこのみちゃんが付き合ってる~~!!?」
夏海「まぁ…」
このみ「お付き合いさせて頂いてま~す!」
小鞠「頂いてま~すって……だって、2人とも女じゃん!」
このみ「愛さえあれば女同士だって付き合えるんだよ~。ね、なっちゃん?」
夏海「つーか、現状女同士でしか付き合えんし。男なんてこの辺りじゃ兄ちゃんだけだもんな」
卓「……」ウンウン
小鞠「うんうんって……まさかお兄ちゃんも知ってたの!?」
夏海「いや~居間でこのみちゃんともみ合ってるとこ兄ちゃんに見られちゃってさ…」
小鞠「呆れた。なんだよ、愛とかなんとか言っといて全然上手くいってないんじゃんか~」
夏海「いや、それがそのもみ合うじゃなくてですね…///」テレ
小鞠「?」
このみ「えへへ~♪」モミモミ
小鞠「な゛っ!!?///」ボッ
小鞠「お、お、お前ら不潔だーっ!! 見てろ、みんなに言いふらしてやるからな~~!!!///」ダッ
タッタッタ
小鞠「あーーっムカつくムカつくムカつくムカつく!! なんだーーアイツらーーー!!!」
小鞠「どーして私に隠れてこそこそ付き合ってんだ!? 私は夏海の姉なんだぞーーー!!!」
小鞠「このみちゃんもこのみちゃんだぁ!! どーしてよりにもよって夏海なんかと──」ハッ
小鞠(…あれ? 夏海が私と登校しなくなったのいつからだっけ?)
小鞠(確か…)
夏海『わりぃねーちゃん、私毎朝ジョギングしてから登校することにしたんで先行っといて』
夏海『だ~から待たなくていいってば、遅刻して怒られるは夏海ちゃん1人で十分ってね!』
小鞠(あの時だ、あの時から私は夏海に違和感を覚え始めて…!)
小鞠(あっ、そっから夏海が休みの日にも全然遊びに来なくなったんだ!)
小鞠「あぅ…」
小鞠(なんだよ、探せばいっぱいヒントあったんじゃんか…)
小鞠(どーしてもっと早く気付けなかったんだろう…もしあの日に気付けてたら私は…)
小鞠(私はどうしてたのかな…?)
小鞠「…あーーっもう!! 考えるの止める!! 私は無心のマラソンランナーだーーーい!!!」
しえ
蛍「えぇ~!? 夏海先輩とこのみさん付き合ってたんですか~~!!?」
小鞠「今朝、私が見てる前で思いっきりキスしてたよ」イライラ
れんげ「おお、遂になっつんにも春が来たん!?」
小鞠「女同士だけどね。しかも今は冬だし」
蛍「あああのぉしぇんぱい! この辺りでは女性同士でお付き合いするのが一般的なんですか~?」
小鞠「んな訳ないじゃん! 夏海とこのみちゃんが異常なだけだよ!」
蛍「ひぃ! そう…なんですか……ですよね~」シュン
小鞠「ねぇ、蛍は女同士で付き合うとかおかしいと思わない…?」ズイッ
蛍「え」ドキッ
小鞠「女同士でキスしたり胸揉み合ったりしたいだなんて気持ち悪いだけだよねぇ!?」
蛍「」
蛍「…そんなの気持ち悪いに決まってるじゃないですか~身近にそんな子居たら引きますよ…」シラー
小鞠「蛍…」パァァ
れんげ「……」
れんげ「…こまちゃんホントにそう思ってるのん?」
小鞠「!」ドクン
小鞠「…き、決まってんじゃん! 女同士なんて絶対普通じゃないし!」
れんげ「それなら別にいいんよ」
小鞠(? 何だろう、今れんげの言葉に胸がきゅ~って)
蛍「それで先輩これからどうするんですか…?」
蛍「その……やっぱり夏海先輩とこのみさんを別れさせたい…とか?」
小鞠「そんなの当たり前だよ! あっ、もしかして蛍も協力してくれるの?」
小鞠「え!? いえ…それは……その」モゴモゴ
れんげ「ほたるん、駄目なん! 人の恋路を邪魔する子は馬に蹴られてビッグバーーン!! なのん」
蛍「れんちゃん…」
小鞠「なんだよれんげ、さっきからヤケに向こうの肩を持つな~!」
小鞠「じゃあ、れんげは夏海と付き合えって言われたら付き合えんの!?」
れんげ「なっつんにだったらウチとしてもやぶさかではありませんが?」
小鞠「!!?」
れんげ「なっつん面白いし、付き合ったら毎日楽しそうな~ん!」
れんげ「ま、結婚となるとまた話は別ですが…」
蛍「わ~れんちゃん色々な意味で大人だな~…」チラッ
小鞠「うぅぅ…私はどうせ子供だよーーっ!!」プイ
小鞠(う~ん、例えが悪かったなぁ…どうせならかず姉とかひか姉にしとけば良かった…)
小鞠(そしたられんげにも私の言いたいことが分かったのに──)ハッ
小鞠(ウチの言いたいこと…? ウチの言いたいことって一体何なん!?)
小鞠(あ~もう、さっきからウチ自分で何がしたいんだかさっぱり分かんないの~~ん!!!)
小鞠「……」
小鞠「…分かった。納得出来ないけど子供扱いされるのもヤダし、別れさせるのは諦める」
蛍「先輩!」ホッ
小鞠「だけど気持ちの整理はつけたいし、今度の休みこのみちゃんとどっか出かけて来るよ!」
小鞠「その時は蛍とれんげで夏海の足止めしてくれる?」
蛍「そういう前向きな話なら私いくらでも協力しますよ!」ニコッ
れんげ「ウチはこまちゃんのそういう言葉が聞きたかったん!」フンス
蛍「夏海先輩、今度の土曜日わたしのうちで遊びませんか…?」モジモジ
夏海「お、蛍から誘ってくるなんて珍しいじゃん!」
れんげ「なっつん、ウチもお供するん!」
夏海「おーれんちょんも来んのかー! じゃあ、当然ねーちゃんも──」
小鞠「あ、ごっめ~ん。私もうこのみちゃんと遊ぶ約束しちゃったから行けないや~」
夏海「え」
小鞠(ま、嘘だけどね♪)フフッ
夏海「おっかし~な~、ウチこのみちゃんからそんな話聞いてないけど…」
蛍「わ~残念ですね~でも先約なら仕方ないです~(棒)」
れんげ「こまちゃんの分までウチが盛り上げますのん!」
夏海「お、おー…れんちょん期待してるぞー…」ソワソワ
小鞠(夏海の奴あからさまに動揺してやんの。今朝のお返しだ、ざまーみろー!)ベー
小鞠(後は夏海にバレないよう、さっさとこのみちゃんに遊ぶ約束取り付けなきゃ!)
こまこま~
先生「富士宮さん、お友達から電話が掛かってきてますよ」
このみ「はいは~~い!」
ガチャ
このみ「もしも~し、このみで~す!」
小鞠『わ、私だけど…』
このみ「あー小鞠ちゃ~ん? あはは、よく私の学校の電話番号分かったねー?」
小鞠『えと、それはかず姉に教えて貰って…』
このみ「ふ~ん。で、何の用~?」
小鞠『次の土曜わたしと2人きりで町の方へ遊びに行けないかな?』
小鞠『あー夏海はもう蛍たちと遊ぶ約束してるって──』
このみ「うん、おっけー今週の土曜日だね? わー楽しみ~」
小鞠『わ、ヤケにあっさりOKしたな…。このみちゃん、ホントに夏海と付き合ってるの?』
このみ「やだな~、なっちゃんと付き合ってるからって小鞠ちゃんと遊ばない訳ないでしょー?」
このみ「…それに、私も小鞠ちゃんとはちゃんと話がしたかったしね」
小鞠『……』ゴクリ
夏海「はぁ~…息白」
このみ「あ、なっちゃん…」
夏海「お、このみちゃん帰って来た!」
このみ「え、なになに? なっちゃん、こんな寒い中わたしのこと待っててくれたの~?」ギュー
夏海「てへへ、ちょ~っとこのみちゃんに話したいことがあって──」
このみ「あ、そうそう! 私、今週の土曜なっちゃんとは遊べないんだ~」
夏海「知ってるよ。でさ、このみちゃんが遊べないからって訳じゃないけどウチも土曜は──」
このみ「そこで提案! 私達しばらく会うのやめよう!」
夏海「」
夏海「…は?」
夏海「え…なに…なんで?」
このみ「んーやっぱなっちゃんにはこういうの分からないよね~」クスッ
夏海「…ねーちゃんのこと?」
このみ「ほ~なっちゃんにも分かるようになったか! 偉い偉い、嬉しいからチューしちゃえ♪」チュッ
夏海「……」
夏海「ただいまー! う~コタツコタツ」ススッ
夏海「…あれ、兄ちゃん居たんだ?」
卓「……」
夏海「聞いてよ兄ちゃん、このみちゃんウチとしばらく会わないって言うんだよ~」
夏海「付き合ってから毎日会いに来てたのに、休みの日だって一緒にグダグダやってたのにさー」
夏海「人に浮気すんなって言っといて、自分はねーちゃんと買い物行く約束とかしてるし──」ハッ
夏海「もしかして、このみちゃんウチじゃなくても年下なら誰でもいいんじゃ…?」ガクブル
夏海「まさかウチ、このみちゃんに捨てられたん!!?」バンッ
夏海「やっぱキス渋ってたのがマズかったかー!? それとも下着がてきとー過ぎたから!?」ワシャワシャ
夏海「どう思う兄ちゃん!?」バッ
卓「……」
卓「」コポポポポ
卓「」スッ
夏海「あ、どーもどーも」ズズズズズ…
夏海「…ふぅ。そう、考えるのはウチには似合わんね。ありがと、兄ちゃん」フッ
シーン
小鞠「……」
小鞠(冬の夜ってな~んか静かでヤなんだよね…)
小鞠「……」
小鞠(…夏海もう寝たかな? ちょっと様子見てこよっと)スクッ
ススー
小鞠「夏海…起きてる?」ボソ
夏海「くぅーっかぁーっ」
小鞠「うわっ熟睡してるし…。ホント夏海の寝付きの良さは羨ましいよ」モゾモゾ
小鞠「……」ピットリ
トクントクン
小鞠(夏海の鼓動が聞こえる…。私と同じ? いや、私の方がちょっぴり速いかな?)トクトクトク
夏海「くぅーっかぁーっ…んん……」
小鞠(…夏海の唇、柔らかそう。このみちゃんはもうここにいっぱいキスしたんだよね?)
小鞠(女同士でキスするなんて絶対間違ってる。けど、私アンタとだったらキス…出来るよ?)ソーッ
蛍「……」
このみ「それじゃおばさん、小鞠ちゃん借りてきま~す!」
雪子「このちゃん、小鞠を宜しくね」ニコッ
小鞠「も~2人して私を子供扱いしないでよー!!」プンスカ
夏海「行ってらっしゃい、ねーちゃん…」
このみ「うん、行ってきまーす!! お土産楽しみにしててね、なっちゃん♪」ブンブン
夏海「」プイ
小鞠「え」
このみ「ありゃ? お~い、なっちゃん聞いてる~??」
スタスタスタ
このみ「ちょっとちょっと、無視は良くないよ無視は! ねぇ、なっちゃ──」グイッ
小鞠「ほら、夏海と関わると時間かかるし早く行くよ!」グイグイ
このみ「う、うん…」ガララララ
ピシャ
小鞠(なんか夏海の様子おかしかったなぁ。今日このみちゃんが来るまでは普通だったのに…)
小鞠(…今日はそれより自分のこと、私は私の気持ちにきちんとケジメをつけるんだ!)
ザクザク
小鞠「うっわ、雪積もってる! そろそろ降る頃だとは思ったけど、まさかこの日に来るとはね」
小鞠「これ電車動くの?」
このみ「んー降ってたのは昨日の夜だし、大丈夫なんじゃないかな~?」
小鞠「だといいけど」
小鞠「……」
小鞠「このみちゃん、休みの日はやっぱこうやって夏海と一緒に出かけたりするの?」
このみ「ううん、最近はよく2人でおコタ入ってみかん食べさせあったりしてたけどー」
小鞠「え、なにそれ? そんなん恋人じゃなくて友達じゃん!」
このみ「別に恋人だからって特別なことする必要ないんだよ。ただ同じ時間を一緒に過ごせればね」
このみ「あ、でも“朝の日課”だけは毎日したいな~。なんたって恋人同士だし♪」クスッ
小鞠「それってキスのこと?」
小鞠「…キスだってしようとすれば姉妹でだって出来るし」
このみ「え」
小鞠「わーわー例え話だよ! 私が夏海とキスなんかする訳ないじゃん!!///」アセアセ
夏海「……」
れんげ「ほたるんちエアコンついてて快適なーん。これずっとついてるのん?」
蛍「ううん、これはお客さん用で普段はこま着ぐるみを着てるんだよ♪」ズモモ
れんげ「なんか出たん!!」ビクッ
蛍「これを着ると先輩と一体化して……はぁぁ…先輩の中あたたかいです……///」コマコマー
れんげ「ほたるんがこまちゃんに食われてるようにしか見えないのん…」ガクブル
蛍「先輩が私を食べるだなんてそんなっ!! 想像したら…あん、先輩もっとよく噛んで!!///」クネクネ
夏海「……」
れんげ「なっつんさっきからどうしたん?」
夏海「へ? いや、ウチ別にどーもしとらんけど……はぁ」ボーッ
れんげ「……」
れんげ「……」
れんげ「…突然ですが、実はウチなっつんのことが好きなんよ」
蛍「え」ピタッ
夏海「は?」
こま着ぐるみほしい
ガタンゴトン
小鞠「うわ~どこまで行っても真っ白だなー。電車の窓から見渡す雪景色って新鮮かも!」
このみ「雪積もった日にわざわざ電車で出かけようなんて思わないもんねー」
小鞠「……」
小鞠「ねぇ、このみちゃんは夏海とどうやって付き合い始めたの?」
このみ「あ、なっちゃんからそういうの聞いてないんだ? う~ん、掻い摘まんで話すと…」
このみ「なっちゃんがすご~~く遠回しな告白をして、私が真っ正面から応えてあげたって感じ♪」
小鞠「そのすご~~く遠回しな告白って何なの?」
このみ「えっと、例えばその人のこと好きなのに自覚がなくって変な行動起こしちゃったりとか?」
このみ「周囲には当然バレバレで、よっぽど鈍感じゃなきゃ本人にだってバレちゃうくらいにね」
小鞠「ぷっ、夏海ってばそ~んな恥ずかしいことやっちゃったんだ! やっぱアイツ子供だよねー!」
小鞠「女だったらそんなアヤフヤな告白より、ガツーンと好きだーって言って欲しいじゃん?」
このみ「え~私はそういう面倒くさい告白の方が可愛くて好きだよ?」
このみ「だからなっちゃんの告白にも思わず応えなきゃって思った訳だし!」
小鞠「前から思ってたけど、このみちゃんってちょっと変わってるよね…?」
夏海「はは…なんだよれんちょん、ウチがこのみちゃんと付き合ってること知ってたんだ?」
夏海「で、ウチのこと女子供構わず付き合うような変態女子中学生だと思っちゃったりなんかり?」
れんげ「く…くく……あーはははは、残念でしたー夏海ちゃんお子様には興味ありませ~~ん!!」
れんげ「がーーん」
れんげ「思ったよりあっさりフられましたん…」トホホ
蛍「れんちゃん、アレ本気だったんだ…」
れんげ「でもいいん、ウチの好きなんてこまちゃんの好きと比べたら大したことないのん!」
蛍「えっ!!?」コマ!?
夏海「おいおい、さっきから何なんだよれんちょん! 昼ドラごっこならもうその辺に──」
れんげ「ハッキリ言いますが、こまちゃんはなっつんにゾッコンラーーーヴ!!! なのです」
蛍「」
夏海「…あのな、れんちょん。こまちゃん女だし、そもそもウチとねーちゃんは姉妹で──」コマァ…
蛍「れんちゃんどうして…? 邪魔するなって言ったのれんちゃんなのにどうして言っちゃったの…? 」
蛍「せっかく…せっかく先輩が諦めてくれるって言ったのにぃぃぃいいあああああ!!!」コマォォォオオン
夏海「うわぁ、どうしたほたるん!? 落ち着け、どーどー!!」
ほたるん……
このみ「はー冬物いっぱい買っちゃったね~!」
小鞠「まだ着てない服あるにどうしよう…絶対お母さんに怒られるよ…」
このみ「古いのをれんげちゃんにあげちゃえばいいんじゃない?」
小鞠「ちょっとぉ! どうして真っ先にれんげが出て来んの!?」
こまり「だって、なっちゃんじゃ小鞠ちゃんのお古なんて着れないでしょ~?」
小鞠「まぁそりゃそうだけど…」
こまり「そういえば、今日のなっちゃんご機嫌斜めだったなー」
小鞠「」ピクン
こまり「へへへ、お土産とは別に何か買ってっちゃお~♪」
小鞠(ご機嫌斜め…? アイツの表情はそんなもんじゃなかったのに、このみちゃん──)
このみ「あ、これ可愛いー。絶対なっちゃん気に入るよー。うん、これにしよー!」スッ
小鞠(違う、夏海はあんな可愛いのがついた髪飾りつける訳ないよ…)
小鞠(そっか、このみちゃん夏海のこと何も分かってないんだね。それなのに付き合ってるんだ)
小鞠(…それっておかしくない?)
小鞠「このみちゃん…このみちゃは夏海のこと本当に──」
このみ「はー冬物いっぱい買っちゃったね~!」
小鞠「まだ着てない服あるにどうしよう…絶対お母さんに怒られるよ…」
このみ「古いのをれんげちゃんにあげちゃえばいいんじゃない?」
小鞠「ちょっとぉ! どうして真っ先にれんげが出て来んの!?」
こまり「だって、なっちゃんじゃ小鞠ちゃんのお古なんて着れないでしょ~?」
小鞠「まぁそりゃそうだけど…」
こまり「そういえば、今日のなっちゃんご機嫌斜めだったなー」
小鞠「」ピクン
こまり「へへへ、お土産とは別に何か買ってっちゃお~♪」
小鞠(ご機嫌斜め…? アイツの表情はそんなもんじゃなかったのに…このみちゃん?)
このみ「あ、これ可愛いー。絶対なっちゃん気に入るよー。うん、これにしよー!」スッ
小鞠(違う、夏海はあんな可愛いのがついた髪飾りつける訳ないよ…)
小鞠(そっか、このみちゃん夏海のこと何も分かってないんだね。それなのに付き合ってるんだ)
小鞠(…それっておかしくない?)
小鞠「このみちゃん…このみちゃんは夏海のこと本当に──」
蛍「はぁ…はぁ……」ヘナリ
夏海「やっと落ち着いたか。今日のほたるんおかしいぞ? …一番おかしいのはれんちょんだけど」
れんげ「なっつんニブちんだから気付かないけど、こまちゃんなっつんのことしか頭にないのん!」
夏海「しつこいなーそんなんれんちょんの妄想じゃん! 頭ん中なんて本人にしか分からないっての」
れんげ「逆なん、こまちゃんには自分がなっつん好きなの分かってないん。恋心は複雑なんよ…」
夏海「恋心? あは、なにそれ? んなもんないよ、ないない。絶対ないって……」
夏海「あ」ピタッ
れんげ「なっつん、なにか心当たりでもありましたん?」ジトー
夏海「え~と…つーか、どのみちウチにはねーちゃんがウチのこと好きだなんて話信じられんし!」
夏海「それにもしホントだったとして、ウチには既にこのみちゃんという立派な彼女が──」
れんげ「このみ姉、なっつんのことホントに好きなん?」
夏海「」
夏海「…はは、いくら優しい夏海ちゃんでもいい加減にしないと怒っちゃうぞ~?」フルフル
れんげ「なっつんはウチのこと相手にしなかったん。それはウチがお子様だから仕方ないのんな…」
れんげ「けど、このみ姉から見ればなっつんもお子様じゃないん?」
小鞠「夏海のこと本当に、心の底から好きなん? 一生一緒に居たいって思ってるん?」
このみ「……」
このみ「…私はずっと好きでいられると思うな、なっちゃんのこと」
小鞠「好きでいられる…? 好きでいられるって何…? そんなに冷めた感情が本当に“好き”なの?」
小鞠「私はもっと、そいつのこと考えるだけでイライラしてモヤモヤしてフワフワしちゃうような」
小鞠「そんな言葉に出来ない感情を“好き”だっていうんだと思ってたよ!!」
このみ「それって今の小鞠ちゃんのこと?」
小鞠「へ」
このみ「ほ~んと、越谷家って姉妹揃って面倒くさい告白好きだよね~。そこが可愛いんだけど♪」
小鞠「このみちゃん、さっきから何を言って…?」
このみ「あはは、私の負けだよ。負け負け大負け。おまけになっちゃん返してあげる♪」
小鞠「夏海を返す? …あ、違っ! 別に別れてなんて頼んでないし! ただもっと夏海のことを──」
このみ「うん、だからなっちゃんのことは宜しくね。新しい彼女さん!」ポン
小鞠「……」
小鞠「なふ///」ボッ
蛍「!!!!?」
夏海「……」
夏海「……」
夏海「…ホントは何となく分かってたんだ、このみちゃんがウチに本気じゃないってこと」
夏海「いや、このみちゃんは本気のつもりかもしんないけどさ。ウチを見る目が妹なんだわ」
夏海「ごめんな、れんちょん。1人でイライラして酷いことたくさん言って…ほんっっとごめん!」
れんげ「ウチだって辛かったん。ずっと泣かないように我慢して……うぅぅぅ」ポロポロ
れんげ「うわぁぁぁぁぁあああん!!!」ギュッ
蛍「!」
蛍「…よしよし、れんちゃん頑張ったね。本当に大人だね」ナデナデ
夏海「ほたるん、ねーちゃんのことホントなんだろ? ていうか、もう信じるしかない…よな?」チラッ
れんげ「う…ぐす……」
蛍「……」
蛍「夏海先輩、れんちゃん…ごめんなさい。私、今の関係を壊したくなくてずっと逃げてました」
蛍「れんちゃん1人を悪者にして…最低ですよね。もう遅いけど私も本当の友達になりたいです」
蛍「なので言います。夏海先輩、小鞠先輩と付き合って…幸せにして…あげて……ぐだざい゛」グスン
今夜はここまで
えええええええ
ザクザク
夏海「…ねーちゃんたち帰ってくんのもうそろそろかなー?」
夏海「はぁ…にしても、ねーちゃんがウチのことをねぇ~……」ペタン
ザクザク
小鞠「うぅぅ…///」
このみ「もー小鞠ちゃんまだ照れてるの~? そんなんじゃ上手に告白出来ないよ?」
小鞠「だだだだって~///」
小鞠(まさか妹のこと好きだなんて思うわけないじゃん! しかもこれからすぐ告白~!?///)
小鞠(今だって夏海のこと考えると頭真っ白になっちゃうのに、顔見たらパンクしちゃうよ!!///)
夏海「お」
このみ「あれ、なっちゃん?」
小鞠「え、嘘、夏海ぃ!!?///」サッ
夏海「へへ~、2人が来るの待ってたんだー。ちょっと言いたいことがあって」スクッ
このみ「小鞠ちゃんもなっちゃんに言いたいことあるんだよね~? あ、でもまずは私からだ!」
このみ「ごめんね、なっちゃん。私たち一緒に居てもダラダラしてるだけだしもう別れよ?」
夏海「…うん、いいよ。ウチもこのみちゃんとこのままの関係が続くのは嫌だったし」
このみ「あはは、やっぱなっちゃんには私なんかじゃ物足りなかったか~。う~ん、残念!」
このみ「ではでは私たちの反省会は後にして、次は小鞠ちゃんの番!」グイ
小鞠「えぇ~ヤダよ! 私まだ心の準備が出来てないし…///」ササッ
このみ「だいじょーぶ! 告白なんて気持ちさえ伝わればそれで十分なんだから!」グイグイ
小鞠「でも~…///」ギュー
夏海「まだかよねーちゃん。ねーちゃんが言わないならウチが先に言っちゃうぞ?」
小鞠「あぁー言う! 言うからアンタはちょっと黙ってて!!///」バッ
小鞠(うぅ~夏海にも私が夏海のこと好きなのバレバレだよ~///)
小鞠(私、知らない間に遠回しな告白してたのかな? うわー超ー恥ずかしいーー!!!///)カァァ
小鞠(でも、夏海から言うってことは私をフる気はないってことでいいんだよね…?///)ドキドキ
小鞠(つまり、それって両想いってこと~~!!?///)ボッ
小鞠「ぅ…別にアンタじゃなくてもいいんだけど、丁度フられたみたいだし、付き合ったげる///」プイ
夏海「ねーちゃん…」
このみ「ふふふ、めでたしめでたしだね。じゃあ、お邪魔な元カノは退散するよ~!」ザクザク
夏海「ねーちゃん…ウチ……嬉しい!!」ギュッ
小鞠「ちょちょちょちょっとなになになにぃ~~!!?///」ドキーン
トクトクトク
小鞠(あ、夏海の鼓動が私の鼓動とシンクロしてる…。そっか、私たち結ばれたんだ…///)トクトクトク
小鞠(はぁ、あったかい…。夏海の腕に包まれてると小さく生まれたことに感謝しちゃいそう…///)
小鞠(えへへ、今日から毎日こうやって抱き合えるんだ。明日も明後日も死ぬまで毎日…///)ギュー
小鞠「夏海…そろそろ離して……続きは家でいっぱいしよ?///」ジトッ
夏海「……」
小鞠「…夏海?」
夏海「」ニヤリ
小鞠「な゛…」フワッ
バフッ
小鞠「……」
小鞠「…えっ?」
夏海「一本~! 夏海ちゃんの見事な一本が決まりましたーーっ!!」
小鞠「あ、あれ? なんでウチ雪のお布団で寝んねしてるん?? 夏海は…? ねぇ夏海……」チラ
夏海「やーい、引っかかった引っかかったー! ウチねーちゃんとなんか付き合いませんよーだっ!」
小鞠「……」
小鞠「……」
小鞠「は?」
小鞠「え、え、なんで、なんでなん!? ウチとアンタ両想いじゃなかったのん!!?」ムクッ
夏海「両想い? なにそれ? ウチめっちゃフる気だったんスけど~?」
小鞠「じゃあ、アンタが先に言おうとしてたことって……」
夏海「ごっめ~ん、ねーちゃん。ウチどーしてもねーちゃんのこと恋愛対象には見れないんだわ~」
夏海「なんつったってねーちゃんお子ちゃまだし! な~はっはっはっは!!」
小鞠「」
小鞠「フるにしたって自分のことを好きな相手にそこまで言うことないじゃん…」ジワリ
夏海「ふ~んだ、夏海ちゃん悪くないも~ん。ウチなんかを好きになるねーちゃんが悪いんだ!」
夏海「…じゃ、ねーちゃん。母ちゃんにウチは遅くなるって伝えといてちょー」クルッ
ザッザッザッ
このみ「はぁ~今頃なっちゃんと小鞠ちゃんイチャイチャしてるんだろうな~」
このみ「あー羨ましい、私も若い内に全力になれる恋がしたかったよー!」ブンブン
このみ「って、あれ? 買ってきた服2人んとこ置いて来ちゃった! 通りで腕が軽い訳だ~!」アハハ
このみ「……」
このみ「…手、冷たいな」ソッ
ザッザッザッ
このみ「え」
夏海「うおぉぉぉおおこのみぃぃぃいい好きだぁぁぁああウチと付き合えぇぇぇええ!!!」
このみ「な──っ!?」
野ウサギ「」ピョコ
夏海「うわぁぁぁああ!? うさぴょんそこどけぇぇぇええ!!!」ピョーン
このみ「うわぁ~」
バフッ
このみ「……」ポカーン
このみ「…なっちゃん?」
夏海「ふぅ~野ウサギ踏まずに助かった~……ん?」フニフニ
夏海「あーやっぱこのみちゃんの胸は落ち着くわ~」スリスリ
このみ「ちょ、なっちゃん! おっぱいこしこしする前にどいてってば!」ジタバタ
夏海「別にいいじゃ~ん! ウチとこのみちゃん恋人同士なんだし!」ヘヘッ
このみ「嘘! さっき別れたばかりでしょ! なっちゃんにはもう小鞠ちゃんが……んむぅ!?」チュッ
夏海「……」
このみ「……」
夏海「…はぁ。ねーちゃんのことなら即行フったよ。ねーちゃんはウチのタイプじゃないし」
このみ「そんなの駄目だよー! 小鞠ちゃんなっちゃんのことすっごく好きなんだよ!?」
このみ「ホントにホントに大好きなんだよ!! なっちゃん今からでも謝りに行って……やん!」チュッ
夏海「ん…んん……はぁ、ウチのことこんな変態女子中学生にしといて勝手なこと言うなよ!」チュッ
このみ「やー…ちょ、まっ…ちゅ……はぁ、なっちゃん舌入れるキスなんてどこで覚えたの?」
夏海「そんなの知らないし、ウチはただこのみちゃんにウチのこと恋人だって認めて欲しくて…」
夏海「ウチこのみちゃんが居なきゃ駄目なんだよ! このみちゃんはもうウチのこと要らないん?」
このみ「そんなこと…ないよ。まだ好き……ううん、ずっとずっと大好きだよなっちゃん!///」チュッ
シーン
小鞠「……」
小鞠(…私、な~んで夏海に告白なんてしちゃったんだろう?)
小鞠(このみちゃんに取られたのが悔しかったから? アイツが女とも付き合えるって知ったから?)
小鞠(アイツが…私のことを受け入れてくれるって信じてたから……?)
小鞠(はは、馬っ鹿だな~私。女を好きになれるからって私のことを好きになる訳ないじゃん)
小鞠(アイツにとって私は生まれた時からず~~っとお姉ちゃんなんだもん)
小鞠「……」
小鞠「はぁ~…息白」
ジワジワ
小鞠(ああ、夏海に貰った暖かさが雪の冷たさに奪われてく)
小鞠(…いいや、このまま夏海への想いも置いてっちゃおう)
小鞠(私の13年間の初恋はここで終わったんだから……)
ザクザク
小鞠(足音が二つ聞こえてくる。…大丈夫、もう平気だよ。私は1人でも立ち上がれるんだ!)
─ 姉妹 ─
小鞠「ふわぁ…う~ん、あったまるぅ~♪」ザバー
小鞠「冷めた心を癒すにはやっぱお風呂だよねー」チャプチャプ
夏海「冷めるどころかこまちゃん冬眠しかけてたっしょ。ウチら引き返さなきゃ今頃死んでたよ?」
小鞠「はぁ~!? 私が死にかけたのはお前のせいだろうがーーっ!!」バシャー
夏海「あはは、そんなに怒るなよねーちゃん! 別にウチとなんか恋人同士じゃなくてもいいだろ?」
夏海「こうして2人でお風呂入れる関係以上の何を望むってーのさ?」
小鞠「…そっか、それもそうだね」フッ
小鞠「なんか夏海も恋をしたら私の全然知らない子になっちゃうんじゃないかって思ってた」
夏海「ないない、恋したくらいでウチは変わんないって!」
小鞠「夏海、こんな妹のこと本気で好きになっちゃうようなお姉ちゃんでもずっと妹でいてくれる?」
夏海「そんなん決まってんじゃん。考えてもみなよ、このみちゃんの方がウチらより先に死ぬ訳で」
夏海「そしたらウチねーちゃんと暮らすしかないだろ? 一緒に長生きして長寿番組目指そうぜ!」ニヒッ
小鞠「死ぬまでタカる気~? ホントしょうがないなぁ~…でも、ちょっぴり楽しみかも♪」クスッ
卒業編へ続く
夏海「卒業おめでとー!!」
小鞠「今度は東京の学校に進学するんだよね?」
れんげ「なん!? 東京!? 東京行くん!?」
蛍「わ~東京ですか? 懐かしいです~」
夏海「寂しくなったらいつでも帰ってきていいんだからな、兄ちゃん!」ポン
卓「……」
一穂「んじゃ、ちゃっちゃと卒業式やっちゃうよ~」
一穂「卒業生の言葉」
卓「……」
卓「……」
卓「……」
一穂「うん、いい話だったね~。みんな~拍手拍手~」パチパチ
蛍「え? 今お義兄さん何か喋ってました!?」
小鞠「気にしちゃ駄目だよ蛍」パチパチ
夏海(…そ~いや、このみちゃんも高校卒業したんだったな。進路どうすんだろ?)パチパチ
夏海「ねーちゃん、このみちゃん来月からどうすんのかって話聞いてない?」
小鞠「」
夏海「…へ? なんでねーちゃん固まってんの?」
蛍「あのぉ…先輩って、このみさんと付き合ってるん…ですよね?」
夏海「うん、まぁ…あの後は特に問題なくやってますけど…」
れんげ「じゃあなんでなっつん知らないん?」
夏海「え」
れんげ「恋人同士なのになんでなっつんが知らないのん?」
夏海「え~と……このみちゃんそういうこと一々報告しなくってさ~」タハハ
小鞠「馬鹿! そういうのは自分から興味持って聞くもんでしょー!?」
夏海「うぇぇ…なんでねーちゃんが怒るんだよう……」
れんげ「なっつんの色恋沙汰に巻き込まれたウチらの苦労は計り知れないん」
蛍「こま先輩をフっておきながらこのみさんを大事にしないなんて許しませんからね!」ギュッ
小鞠「蛍…///」キュン
夏海「分~かった分かった、ちゃんと自分で聞くよー。…あれ以来みんなウチに容赦ないよな」
夏海「ただいまー」ガララ
このみ「あ、なっちゃんおかえり~。びわ食べる~?」モグモグ
夏海「はは、このみちゃん高校卒業してからすっかりうちに居着いてんね…」
このみ「そりゃなっちゃんに一秒でも早く会いたいし。今日は眼鏡君の卒業式だったんだっけ?」
夏海「そうそう卒業と言えば、このみちゃん来月からどうすんのさ?」
このみ「あーやっと聞いてくれたな~? なっちゃんが聞いてくるまで私ずっと黙ってたんだよ!」
夏海「oh! このみーそんなビッグサプライズを用意してくれてたのかーい?」
このみ「へへー実は…なんと専門学校に受かったので春から向こうで一人暮らしするのでした~!!」
夏海「」
夏海「…へ?」
夏海「向こうって…このみちゃん、村から出て行くん?」
このみ「うん、そうだよ」
夏海「小さい頃は主婦見習いしてずっと村に残るんだって言ってなかったっけ!?」
このみ「も~なっちゃん私を嫁がせる気? …私はなっちゃんと生きる道を選んだんだよ?」ポフッ
夏海「このみちゃん…」
夏海(そっか、このみちゃんそんな先のことまで考えてんだ…やっぱウチと違って大人だな)
夏海(これじゃ行くな! とか、私が養う! なんて軽々しいこと言えんよ…)
夏海「……」
このみ「あ~あ、なっちゃん落ち込んじゃった。合格おめでとうって言って欲しかったのにな~」
夏海「ごめん」
このみ「まぁいいや、気晴らしにデートしようよ!」スクッ
夏海「デート?」
このみ「ほらー最近まで寒くてずっとうちでゴロゴロしてたじゃない?」
夏海「付き合ってんの隠さなくなってからはみんなで出かけたりしてたけど」
このみ「ねぇそれデートっていうー? やっぱデートは2人きりでなきゃ駄目だよ、なっちゃん!」
夏海「ただのお散歩になるのは目に見えてるけど、このみちゃんが行きたいんじゃしゃーないか」スクッ
夏海(それにこれがこのみちゃんとこの村でする最後のデートになるかもしれんしな)
このみ「ふぅ~いい天気だなー! こんな日は意味なく山登ったり川飛び込んだりしたいよねー?」
夏海「…それ、ウチのこと馬鹿にしてるん?」
このみ「そんなんじゃないよ~。ただ、そういうことしたいくらい天気がいいなってこと!」
このみ「それになっちゃん来月から中学二年生になるんでしょ? もう立派な大人じゃな~い!」
夏海「またそんな心にも無いことを。ウチのこと無理におだてんでもいいからさ──」ジロジロ
夏海「え」
このみ「……」グルグル
夏海「な、なに…?」
このみ「…うん、やっぱなっちゃん背伸びたよね! 私より目線がちょっぴり高いもん!」
夏海「そういえば最近こまちゃんがよりこまくなったような…」
夏海「もしかして夏海ちゃんの成長期まだまだ終わってないのかな~♪」エッヘッヘ
このみ「わー抱き寄せてみてよなっちゃーん♪」
夏海「こう?」グイッ
このみ「きゃーなっちゃんに抱かれちゃった~!」キャッキャッ
夏海(今日のこのみちゃん可愛いな……綺麗だとは思っても可愛いと思ったんは初めてだわ)
このみ「……」
夏海「……」
夏海(あれ、なんかさっきからこのみちゃんテンション下がってる?)
このみ「…ねぇ、なっちゃん。私ちょ~っと手が寂しいな~?」
夏海「あ」
夏海「そういや今日は繋いでなかったね。…これでどう?」アミアミ
このみ「お、恋人繋ぎ! 流石なっちゃん分かってるー!」
夏海「そりゃ普段から出かける度に絡みつかれてますし…」
夏海「ん?」
夏海(このみちゃんいつもは自分から指絡めてくるよな…?)
このみ「どうしたの?」
夏海「あ、いや…うちの鍵ちゃんと閉めて来たっけな~って」タハハ
このみ「んん?? それは、いつも閉めてないだろーー!! っていうツッコミ待ちかな?」クスッ
このみ「はぁ~それにしてもなっちゃんと手繋いでると気持ちが落ち着くよ…」ピットリ
夏海(ひょっとして……このみちゃん、ウチに甘えてるん?)
このみ「うわっ、桜が満開だねー!!」
夏海「そろそろ咲く頃だと思ったんだ。途中で気付いて良かったよ」
このみ「えへへーわたし恋人と桜の木の下でっていうのすっごく憧れてたんだよ~?」
夏海「そういうのホントに憧れるもんなんだ…。つーか小さい頃はウチともよくここ来てたじゃん」
このみ「そっか! わたし未来の恋人と何度もここに来てたのか! うんうん、ロマンチック~!」クルクル
夏海(もう来年からこのみちゃんは居ないけどな…)パサ
このみ「あーなっちゃん頭に花びらついてるよ~。ふふふ、とったげる♪」スッ
夏海「え」
このみ「へ」
このみ「…はぅ///」ポッ
夏海(このみちゃんウチと目が合っただけなのになんでこんな照れてるん…?)
夏海(あぁこのみちゃんのこの顔可愛いな…もっともっとこんな顔させてみたいよ……)ムズ
夏海(うわ、なんだこれ!? 今ウチすっげーヤバいこと考えたかも!!///)ドキドキ
このみ「ねぇなっちゃん、私…キス……して欲しいな?///」ツムリ
夏海「…うん///」チュッ
夏海(それからこのみちゃんは引っ越しの準備とかでウチとはあまり会えなくなった)
夏海(ウチもウチで兄ちゃんが上京するからと毎日寄ってくるお客さんに挨拶してる)
夏海(やっぱ村で数少ない男って大変なんだな~。ウチ女に生まれてきてホント良かったわ)
夏海(そして今日は兄ちゃんが上京する日──)
雪子「じゃあ夏海、留守番しっかりしとくんよ! お客さん来たら挨拶してこれ渡す、いい?」
夏海「分~かってるって、ウチだってもう子供じゃないんだし」
小鞠「夏海も馬鹿だね~。せっかく東京行けるってのに自分から留守番するなんてさ」
夏海「いいよ~東京なんて空気汚いし、草木はないし、車は空を飛ぶしでロクなことないって」
小鞠「行ったこともないのによくそんなことが言えるなぁ…」
夏海「兄ちゃん、明日から夏海ちゃんと会えなくなって寂しいと思うけど泣いちゃ駄目だぞ!」
夏海「ウチも暇な時には電話してやるからさ。恋の相談でも何でも乗ってあげるかんね?」ニヒヒ
卓「……」
雪子「ほ~ら忙しいんだから無駄話しなさんな! もうお兄ちゃんも姉ちゃんも行くよ」ガララ
ピシャ
夏海「……」
夏海「…すぅ」
夏海「東京行きたかったスカイツリー見たかった満員電車に押し詰められてもがきたかったー!!」
夏海「けど観光なんて出来る訳ないしー引っ越し手伝わされんのヤだしー」
夏海「毎日毎日お茶出しさせやがって! だ~れが留守番するもんか! 居留守使っちゃうもんね~」
ドンドンドン
???「ごめんくださーーい!!」
夏海「はいはい、夏海ちゃんは今茶飲んでくつろいでるから出られませんよ~」ズズズズズ…
ガラッ
このみ「富士宮で~す! 引っ越しの挨拶に来ました~!!」
夏海「ぶはっ!! こ、このみちゃん!?」タッタッタ
このみ「良かったーなっちゃん居たんだー! てことは、おばさん達もまだ居るの?」
夏海「母ちゃん達なら兄ちゃんの付き添いでもう東京行ったよ。ウチ1人で留守番だし」
このみ「嘘!? なっちゃん東京行かなかったの!?」
夏海「いや、超ー行きたかったんスけど母ちゃんにこき使われるのはもう懲り懲りなんだわ」フゥ
このみ「そっか…今なっちゃん1人だけなんだ……じゃあ、お邪魔しま~~す!!」
夏海「え!? このみちゃん明日引っ越すん!?」
このみ「準備が出来次第って話だったからね~。もう向こうには住めるようになってるよ」
夏海「うわっ危ね~…ウチが東京行ってたらもう2人きりで会える機会なかったじゃん」
このみ「ホントなっちゃんファインプレーだよ!」
夏海「……」
このみ「……」
このみ「…ねぇ、なっちゃん。私たちが恋人になった日のこと覚えてる?」
夏海「……」
このみ「あの時もこんな風に2人きりだったよね。2人きりじゃなきゃあの告白もなかったのかな?」
夏海「……」
このみ「だとしたらこれってやっぱ運命じゃん! 私たち運命の赤い糸で結ばれてるんだよ!」
このみ「だから遠く離れても私となっちゃんの心が離れることはないんだよ?」ポフッ
夏海「このみちゃん…」
夏海「……だからさーウチ何度も言ってんじゃん。恋心とかそういうの全然分かんないって」
このみ「なっ…ちゃん……?」
夏海「やっぱウチこのみちゃんと離れたくないし! ウチこのみちゃんの側にずっと居たいんだよ!」
このみ「私だって…私だってホントはなっちゃんの側に居たいよ! けど女同士で一緒になるには──」
夏海「2年待って」
このみ「え」
夏海「ウチ卒業したらこのみちゃんのとこ行くから、このみちゃんに一番近い高校へ通うからさ」
このみ「ちょ、ちょっとそんなことで一生を左右すること決めちゃ駄目でしょ! ちゃんと考え──」
グイッ
このみ「あ」
夏海「もうウチこのみちゃんのことしか考えらんないし…///」ギュッ
夏海「このみちゃんの全部が欲しいし…このみちゃんの全部が見たいよ…///」モミペロ
このみ「やだ…なっちゃん、変なとこ舐めないで……はんっ、おっぱい揉むの強すぎ…///」ビクビク
このみ「はぁはぁ…なっちゃん、私をどうする気…? 何をしてるのか分かってるの…?///」フルフル
夏海「わ、分かんないよ! けど、このみちゃんのそんな顔見てるとウチ…ウチ……!///」バサッ
夏海「…あれ? このみちゃん今日の下着やけに気合い入ってるような……まさか!?」
このみ「てへへ、バレたか♪」ペロッ
「今日から私が最上級生なんだからみんな私に従ってよね!」
「このみ姉海には来ないのん?」
「しぇんぱい! わ…わた、わた……私と付き合って下さい!!///」
「今年は大雪に備えていい布団買っといたよ~……ぐぅ」
「夏海、このちゃんから成人式の写真来とるよ!」
「う~こんなんじゃ受からん! こうなったら最終兵器投入だ~!!」
「……」
「ちゃんと合格出来たかな? …なっちゃん」
このみ(──そろそろなっちゃんの乗ってる電車が着く頃だ)ソワソワ
このみ(はぁ~2年も会ってないからちょっと不安だな~)ドキドキ
このみ(プレッシャーかける為とはいえ、合格するまで絶対会わない! は言い過ぎたよ…)
このみ(でもあの時は“アレ”の後で2人ともテンションおかしかったし~…///)カァァ
このみ(やだ、体火照って来ちゃった! これからなっちゃんに会うってのにも~///)
プオー
このみ「」ビクッ
このみ(電車来た!)
プシュー
このみ(なっちゃんどこから降りてくるんだろ? せっかくの再会だし、出来たら運命的に──)ヒョコ
夏海「お」
このみ「あ」
このみ「なっちゃん…?」
夏海「このみちゃん…?」
このみ「背高っ!!」
夏海「胸デカ!!」
このみ「どうしちゃったのなっちゃん!? 身長伸びすぎだよ~!?」
夏海「いや~あの後もグングン伸びちゃいまして~」エッヘッヘ
夏海「やっぱこまちゃんの身長全部ウチが持ってっちゃったかな?」
夏海「つっても駄菓子屋は追い抜けんかったし。あー駄菓子屋見下してやりたかったなー」
このみ「それは流石に高過ぎて怖いよ!」
夏海「それよりウチはこのみちゃんの胸がエベレストになってんのが気になるんだけど…」
このみ「大袈裟だな~。確かにちょっとおっきくなったけど服のせいだってー」
夏海「早く揉みたい」グヘヘ
このみ「なっちゃん…」ジトー
夏海「いいじゃん! ウチほたるんの日々成長していくわがままボディに耐えてきたんだよ!」
夏海「勝手に触ったらねーちゃん怒られるし…この欲求不満を晴らさんでか!」ワキワキ
このみ「はいはい、家に帰ったらゆっくり揉ませてあげるから外でえっちなことしないでね」
夏海「ちぇ~付き合い始めた頃はウチに揉め揉めってしつこく迫って来たのにさ」
このみ「違うよーあの時はちょうど眼鏡君が帰ってきたから…」
夏海「え」
このみ(わ、ヤバッ!)
このみ「あの時はちょうど眼鏡君が帰ってきて大変だったよね~」
夏海「そうそう兄ちゃんと言えばウチが受験の間、毎日帰ってきてくれたんだよ!」
このみ「」ピクン
このみ「…へ? 毎日って、東京から毎日?」
夏海「まー可愛い妹に勉強教える為なら睡眠時間なんて惜しくないっしょ!」アッハッハ
このみ(……)
このみ「あのさ~せっかく2年ぶりに再会したのに眼鏡君の話ばかりしなくていいよ?」ニコッ
夏海「いや、兄ちゃんの名前を先に出したのこのみちゃんだし…」
このみ「とにかく私の家に行こ! 早くなっちゃんの届いた荷物片付けなきゃ!」スタスタ
夏海「ちょ、ウチ受験で1回来たきりで道分かんないんだからもっとゆっくり──」クルッ
夏海「え」
チュッ
このみ「…合格おめでとう、なっちゃん。私たちこれからもずっとずっと恋人同士だよ♪///」ニコッ
このみ(もうどんなことがあっても絶対なっちゃんのこと諦めてあげないんだからね!)フフッ
─ 同棲生活 ─
ピピピピピ…カチャ
このみ「ふわぁ~…起きて、なっちゃん。朝練遅れちゃうよ?」チュッ
夏海「んあ…」ムクッ
夏海「んん~! …夏休みだってのに学校来いとか部活なんて入るんじゃなかった」ポリポリ
このみ「も~学生の癖に文句言わないの! 青春謳歌しとかないと社会人になってから後悔するよ?」
夏海「青春謳歌ね~…ウチにはこのみちゃんが居れば十分なんだけど」ギュッ
このみ「ちょっと、なっちゃん! 朝練遅れちゃうって言ってるでしょ~?」
夏海「…あ、そういやウチ昨日先輩に告られたわ」
このみ「えっ、いきなりなに? ちゃんと断ったんでしょー?」
夏海「いや~断るには断ったんだけど、そいつ意外と話せる奴でさ~」エヘヘ
夏海「眼鏡かけてて髪超ーボサボサで……あっ、ちょっと兄ちゃんに似てたかも!」
このみ「」
夏海「…ちょ、このみちゃん!? ウチ朝練遅れるって!! それに会社は……んんんぁぁぁああ~///」
お わ り !
もう猿さんは懲り懲りなん…
もっとなつこま・こまなつ流行れ!
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