夏海「夏海ちゃん最強化計画」 (27)
夏海「母ちゃん母ちゃん。寒いよ寒い。暖房つけよう暖房」
雪子(夏海母)「うるさい!あんたは何でここに呼ばれてるかわかってるの!?」
夏海「…あっ…はい。この前のテストを隠してたのが…見つかって」
雪子「は?隠してた?」
夏海「ち、ちがいます。たまたま畳の裏に落としちゃって…あはははは」
雪子「はぁ~…まぁ、その事に関しては、とりあえず置いておいて」
夏海「あっ、終わり?じゃあ遊びに行ってくるね」
雪子「まだ終わってない!!」ドンッ
夏海「!!」ビクッ
雪子「で、なんなの?このテストは?ほとんど0点じゃない」
夏海「…うん、変なんだよね。名前はちゃんと書いてるのに採点間違ってるんじゃ」
雪子「名前で点数が貰えるわけないでしょう!!!!!」バンッ
夏海「ひ、ひぃ」
雪子「しかもこの答えは何なの!?答える気がないんでしょ!?」
夏海「い、いえ…ちゃんと真面目に」
雪子「数学のテストで…1問目の答えは『ごぼう』。2問目は『わかりません』。3問目は『かんべんしてください』」
夏海「か、かんべんしてください」
雪子「あなたは『勘弁』も漢字で書けないの!?」
夏海「か、勘弁してください」
雪子「しかも5問目の『あかん』って何よ!ふざけてるの!?」
夏海「い、いえ真面目に…その…ですね」
雪子「6問目なんて『え?』って何よ!『え?』って!……こっちが『え?』って言いたいわよ!」
夏海「え?」
雪子「ふざけてんの!!!?」
■30分後
夏海「うぅ…」
雪子「母ちゃんはね。アニメ化すっごく嬉しかったの。姉ちゃん兄ちゃん、それにあんたがテレビで放送されるのすっごく嬉しかったの」
夏海「そういうメタ発言はちょっと」
雪子「テレビ見て改めて頭が悪いってわかったけどね。それでも母ちゃん元気ならいいかな?って思ってたの」
夏海「は、はぁ…」
雪子「でもね。ご近所さんから『夏海ちゃん大変ね~。でも成績悪くても畑があるし、生きていけるから問題ないわよ』って励まされたのよ!」
夏海「まぁ、生きていけるね。うん」
雪子「あんた完全にバカキャラ扱いされてんのよ!」
雪子「あんたには良い所いっぱいあるのにバカキャラ扱いされて、母ちゃん悲しいやら怒りやらで」
夏海「さすが母ちゃん!ウチって勉強以外はパーフェクトだよね!」
雪子「ふざけてんの!!!?」
■30分後
夏海「はい存分に承知しました」
雪子「あんたはやれば出来る子なんだから」
夏海「…はい」
…………………………
夏海「って事があってさー。もう母ちゃんもいちいちうるさいんだよなー」
蛍「で、でも勉強はちゃんとやった方がいいと思いますよ?」
夏海「でもかず姉って寝てばかりでしょ?それでも社会人やれてるしー」
蛍「ま、まあ、先生はあまり参考にしない方が」
楓(駄菓子屋)「ん?お前らセンパイの事なんだと思ってるんだ?」
夏海「寝てる人?」
楓「はぁ~。あのな…じゃあ、宿題とか誰が用意してるんだ?」
夏海「ん?」
楓「テストに行事関連の準備、ほけんだよりだっけ?ああいう紙。授業の日程」
夏海「ん~んん?」
楓「あの学校ってセンパイ一人だからな。全部センパイがやってるんだぞ」
蛍「え!?そうなんですか…でも、言われればそうかも…」
夏海「あれ?でもいつも寝てる…」
楓「だから眠いんだろ。放課後とか家とかで準備やってて忙しいんじゃないか?」
楓「それにドリルとはいえ、小学一年、五年、中学一年~三年まで、バラバラに面倒見てるし結構大変なはずだぞ」
夏海「そ、そんな…ウチ…」
楓「センパイをバカ扱いでもしてたのか?大学出て先生になれるくらい頭いいんだぞ」
蛍「先生ってすごいんですね。見直しました」
夏海「あれ?かず姉がいるから安心って思ってたけど…もしかして…ウチ…ウチだけ」
楓(全部、たぶんだけどな。昔から起きてる所、ほとんど見たことないし)
…………………………
夏海「というわけで勉強を教えてください!」
小鞠「嫌」
夏海「何で!?せっかく人がやる気出してるのに!」
小鞠「だってあんたばかだし」
夏海「姉ちゃん!姉ちゃんしか頼りになる人がいないの!お願いします!」
小鞠「うーんでも…来週期末テストだし自分の分で忙しいから」
夏海「え…?期末…?テスト?」
小鞠「まさか存在自体忘れてたの?」
夏海「いえ、あの…その…中学初めての冬だし…」
小鞠「先週、テストの範囲の発表があったと思うんだけど?」
夏海「いえ、あの…その…放課後に何して遊ぶか思考するのに忙しくて…」
小鞠「じゃあ、明日テストの範囲を確認すること」
夏海「はい…って、姉ちゃん何してるの?」
小鞠「ん?息抜きに日記書いてるの」
夏海「へぇ~、姉ちゃんがねー」
小鞠「蛍が交換日記しましょう~って、まぁ、大人の女性なら誰でもやってるよね交換日記くらい」
夏海(女子小学生がやってると思うんだけどなー)
夏海「見せて見せて♪」
小鞠「ちょっと!勝手に取らないでよ!」
夏海「いいじゃんいいじゃん。えへへ~」
夏海「えーとなになに…」
■11月17日 越谷小鞠----------------------------------------------
すきやきだった今日は。
昨日はエビカレーだったよ。
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夏海「…」
小鞠「いいじゃん!別に書く事ないし!」
夏海「じゃあ、昨日は…ほたるんが書いてるわけか…えーと」
■11月16日 一条蛍----------------------------------------------
せっかくの土曜日のお休みですが今日は雨です。冬になったら雪が積もるから防寒対策しっかりねと先生から聞きました。私雪が積もる所なんて見た事ありませ
んので非常に楽しみにしています。そうだ!雪が降ったらかまくらを作りませんか!?かまくらでセンパイと一緒にお雑煮やおもちを焼いたりするのが夢なんです!えへへ~楽しみです。
パイ!そうなんです!最近パイを焼く練習をしています。親戚がりんごを作っていて、今度頂けることになりました。りんごパイを焼こうと思うのでみんなで食べましょうね。そう
いえば、最近寒くなったせいか虫をあまり見なくなりました。みんな冬眠になったのでしょうか?東京では基本的に虫が少ないので、こういう風に季節を感じるのがとても楽しいです。でも
かぜをひかない用に注意したいですよね。そうそう季節と言えばこたつを少し前に出しました。こたつが気持ちいいのでこたつばかり入っていたらお母さんから「蛍も冬眠してるみたいね」って言われました。
わわっ、お母さんったらっ、もうっ!て思いましたけど、こたつって冬眠したくなるくらい気持ちいですよね。今度センパイ達と冬眠してみたいな~って思っちゃ
いました。あっ、と言っても本当に冬眠するわけじゃなくて、センパイとこたつで温まって寝るのも気持ちよさそうですよね♪
いい所です。季節を感じる事ができるしセンパイもいるし大好きです♪そういえばお父さんがコーヒーにハマっていてコーヒーメーカーを買っちゃいました。これがすっごくおいしいん
ですよ!私も使い方を教えてもらいました。コーヒーって甘いものと一緒に飲むと美味しいですよね♪今度ケーキを焼くので、是非コーヒーも飲みにきちゃってください♪
すこし話は変わりますが、センパイはどんな冬の料理が好きですか?私は
よせ鍋が大好きです♪みんなと一緒に食べるのが幸せです♪
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夏海「…」
小鞠「なによ」
夏海「いや、ほたるんはこんなに書いてるのに姉ちゃんは…」
小鞠「残念そうな目で見るな!仕方ないでしょ!蛍は『センパイにもっと私の事知ってほしい』って言ってくれてるんだから!」
夏海「うーん…でもこの文章は……ああっ!」
小鞠「どうかしたの?この日記が」
夏海「そうだっ!勉強!勉強だった」
小鞠「あーはいはい。お兄ちゃんに教えてもらえば?お兄ちゃんの方が頭いいんだし」
夏海「兄ちゃんはギターにハマってて教えてくれないんだもん」
小鞠「んもー私の勉強が進まないじゃん」
雪子「うっさい!」
夏海「母ちゃん!?」
雪子「夏海!姉ちゃんの邪魔をしてどうすんのよ!」
夏海「いや、その来週テストだから勉強を…」
雪子「一人でやりなさい!わかんなかったら母ちゃんが教えるから!」
夏海「は、はーい」
………
夏海「ふんふ~ん♪テニヌの王子様は面白いな~」
夏海「いつかウチも片手を上げて、ボールを自由自在に操れるようになりたいなー」
夏海「…」
夏海「ひらめいた!」
………
小鞠「えーと、方程式は…うーん…明日先生に聞こうかな…」
バーン
小鞠「夏海!?」
夏海「姉ちゃん!ウチスポーツ選手になる!」
小鞠「…はあ?」
夏海「スポーツ選手なら勉強しなくていいし楽勝じゃん」
小鞠「あっそう…頑張れば?」
夏海「ねっ?ねっ?名案でしょ?」
雪子「そうね…」
夏海「あっ、母ちゃん!どう?釣り名人もいけると思うんだけど!」
雪子「まさかウチの子がこんなにバカだったなんて」
夏海「いやーバカな子ほど可愛いって言うよねー。照れるなー」
雪子「ちょっと夏海。こっちに来なさい」
夏海「え?なんで?」
雪子「いいからちょっとこっちに来なっ!!」
夏海「え?怒ってる?あっさっきのは冗談!冗談だから!姉ちゃん助けて!」
■次の日
夏海「じゃじゃーん!最強メガネ夏海ちゃんですよ!」
れんげ「おっおぉー!最強なん!?最強なん!?」
夏海「駄菓子屋でメガネ買った!メガネ!どう?これで5割増しくらいには頭良く見えるっしょ」
れんげ「ウチもメガネ!メガネ買うん!」
小鞠「0に5割増ししても0だから」
蛍(センパイのメガネ姿見たいな~)
終わり
続きまして
小鞠「最近部屋にいると視線を感じるんだ」蛍「怖いですね」
をお送りいたします
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