由比ヶ浜「今年はサンタさん来てくれるかなぁ」 (125)
比企谷「由比ヶ浜、もしかしてお前サンタの存在信じてるのか?」
由比ヶ浜「え?ヒッキーはサンタ見たことないの?」
比企谷「そもそもな、サンタなんかいn
雪ノ下「比企谷くん」
比企谷「なんだよ」
雪ノ下「サンタはいるわよ」
比企谷「おいおい、お前までそんな事言い出すのか?」
雪ノ下「えぇ、毎年クリスマスには枕元にプレゼントが置いてあるわ」
比企谷「それで、サンタは見たのか?」
雪ノ下「見てないわ」
比企谷「じゃあそのプレゼントはサンタが置いたという事にはならないよな」
雪ノ下「なんでそうなるのかしら?私のマンションはセキュリティがしっかりしてるから、
並の泥棒ですら私の枕元まで接近するのは不可能よ」
比企谷「お前の親とか陽乃さんなら入れるんじゃねーのか?」
雪ノ下「私が寝てる間は例え家族であっても、玄関を開けた時点で大音量のブザーがなる仕組みになってるの」
比企谷「んな事言われてもいないもんはいないわけで」
由比ヶ浜「ヒッキーが悪い子だったからサンタこなかっただけだよきっと!小町ちゃんにも聞いてみればわかるよ!」
比企谷宅
小町「はいはーい、雪乃さん結衣さんやっはろー!」
由比ヶ浜「小町ちゃんやっはろー、ヒッキーの家くるの久々だー!」
雪ノ下「小町さんこんにちは」
比企谷「メールか電話でもよかったんじゃねーのか、とりあえず聞く事聞いたらさっさと帰ってくれ」
小町「お兄ちゃんせっかく雪乃さんと結衣さんがきてくれたのにすぐ帰れって、ほんとポイント低いよ……それで小町にどのような用でしょう?」
由比ヶ浜「小町ちゃんってサンタ見た事あるかな?」
小町「えっサンタですか?」
由比ヶ浜「うん、私とゆきのんはサンタが毎年クリスマスに家にきてるんだけど、ヒッキーにはきてないんだって、
小町ちゃんの所にもサンタきてるよね?」
小町(なるほど……雪乃さんと結衣さんはこの歳になってもまだ純粋な心を持ちあわせているのか)
小町「もちろん小町の所にも毎年サンタがきてますよ!」
比企谷「あのな小町、こいつらに話合わせなくてもいいんだぞ?」
小町「へ?お兄ちゃんにはサンタきてないの?やっぱ小町みたいにお利口さんにしてる子供にしかこないんだねぇ~」
雪ノ下「そうね、比企谷くんみたいな捻くれた眼の腐った人間には一生サンタなんかこないと思うわ」
比企谷「俺が捻くれてようが眼が腐ってようがサンタがいない事には変わりないんだよ」
由比ヶ浜「じゃあヒッキー、そこまで言うならさ……確かめてみようよ!」
比企谷「何を確かめるんだよ」
由比ヶ浜「サンタがくる所を!」
比企谷「はぁ?」
比企谷「それで、どうやってサンタを確かめるんだよ、どうせ無駄だろうけど一応その方法とやらを聞いてやるよ」
由比ヶ浜「まずゆきのんのマンションに皆でいって、普通にクリパするでしょ?その後そのままゆきのん家に泊まって、
夜中寝静まった時にサンタがくる所をヒッキーが物陰から見るの」
雪ノ下「由比ヶ浜さん、こんな男が同じ部屋にいるなんて何をされるかわかったもんじゃないわ」
比企谷「相変わらず俺は犯罪者予備軍みたいな扱われようだな、お前の家に泊まるなんかこっちからお断りだから安心しろ」
由比ヶ浜「まぁまぁゆきのん、私も小町ちゃんもいるから大丈夫だって!!」
小町「そうですよ雪乃さん!お兄ちゃんが暴走したら小町が止めます!」
雪ノ下「そこまでいうのなら…、比企谷くんを泊まらせるなんて非常に不愉快で気持ち悪いのだけど我慢してもいいわ」
比企谷「まだ俺は泊まるなんて一言も言ってないぞ」
小町「あ~お兄ちゃんのお年玉、私がお母さんにお願いしてあげようと思ったんだけどな~、毎年小町から言ってあげないと貰えないのに」
比企谷「よし泊まろう」
由比ヶ浜「ヒッキーなんだか情けないよ」
雪ノ下「お金で釣られるなんてさすがケチ企谷くんね」
比企谷「なんとでもいえ、正月のお年玉が俺の生命線なんだよ」
比企谷「小町、なんであんな嘘ついたんだよ?」
小町「だってサンタを信じてるってなんかかわいいと思わない?お兄ちゃん」
比企谷「かわいいかぁ?まだまだ子供って感じだとは思ったな」
小町「それでお兄ちゃん今度のクリスマスなんだけど
プルプルプルプル
ガチャ
小町「はい~はい~どもども」
比企谷「誰だ?」
小町「陽乃さんみたい」
比企谷「えっ」
サイゼ
陽乃「比企谷くん、小町ちゃんひゃっはろー」
小町「やっはろーです陽乃さん」
比企谷「こんちは、雪ノ下さんがいると嫌な予感しかしないんですけど、それで何の用ですか?」
陽乃「比企谷くん、今度雪乃ちゃんの家に泊まるんだよね?」
比企谷「なぜそれを?」
小町「さっき電話で話しちゃった」
比企谷「小町、余計な事を言ってくれたな…」
陽乃「それでさ、雪乃ちゃんにクリスマスプレゼントを渡したいんだよね」
比企谷「渡せばいいんじゃないですか?」
陽乃「私じゃなく、比企谷くんに頼みたいの」
比企谷「なんでわざわざ俺に頼むんですか?」
陽乃「それはね、比企谷くんじゃないと無理だから」
比企谷「俺じゃないと無理?」
陽乃「そう、比企谷くんじゃないと無理」
比企谷「どういう意味ですか?説明してください」
陽乃「毎年クリスマスにはね、雪乃ちゃんの枕元にプレゼントを置いてるの」
比企谷「陽乃さんが置いてたんですか?でも去年のクリスマスも雪ノ下のマンションに入って置いたんですよね?今年も同じようにやればいいんじゃないですか」
陽乃「雪乃ちゃんのマンションね、玄関にある仕掛けがしてあって夜中に入るとブザーがなっちゃうの、去年はその仕掛けをいろいろこっちでも頑張って解除できたんだけど
最近の雪乃ちゃん警戒心が強くてね、さらにセキュリティが2重3重にしてあって私の力でも夜中に進入するの無理になったんだよ」
比企谷「それで俺に陽乃さんの変わりをやれと言うことですか?」
陽乃「雪乃ちゃんかわいい所あってね、私が置いてるプレゼントをサンタさんが置いたって信じきってるのよ」
小町「なるほど、それで雪乃さんは毎年サンタがきてるって言ってたんですねぇ」
陽乃「今年は比企谷くん達は雪乃ちゃんのマンション泊まるんでしょ?それなら私が雪乃ちゃんのマンションに進入する必要もなくなるから助かるんだよねぇ」
比企谷「まぁプレゼント置くだけなら別にいいですけど……」
陽乃「今回はプレゼントを置くだけじゃ駄目だよ、サンタの格好をしてもらわないとね」
比企谷「はい??」
陽乃「雪乃ちゃんサンタの存在は信じてるけどサンタは見たことないんだよ」
比企谷「そりゃそうですよね、陽乃さんがいつもプレゼント置いてるんですから」
陽乃「それでね、雪乃ちゃんが高校卒業するまでにはサンタを1度でも見せてやりたいと思ってるのね」
比企谷「つまり俺がサンタの格好でプレゼントを置いて帰り際にわざと雪ノ下から見つかるようにするって事ですか?」
陽乃「そういう事、比企谷くん話がわかるじゃない♪」
比企谷「そんな事してバレたらどうするんですか」
陽乃「比企谷くんならうまくやってくれるって信じてるよ」
比企谷「そんな事言われても……」
小町「お兄ちゃんならできるよ!小町が保証する!」
比企谷「お前から保証されてもなんの自信も沸いてこないんだが」
陽乃「頼んだよ比企谷くん!成功したらお姉さんが良いことしてあげる♪」
比企谷「まぁ、やるだけやってみます…」
比企谷宅
小町「あ、そうそうお兄ちゃん結衣さんにもプレゼント渡さないと」
比企谷「なんでだよ、俺が由比ヶ浜にプレゼント渡す義理はねーぞ」
小町「これだからごみいちゃんは……、結衣さんも雪乃さんの家に泊まるんだよ?」
比企谷「由比ヶ浜は自分のベッドじゃないからサンタこなかったって事にしときゃいいだろ」
小町「サンタさんがそんな細かい事気にしたら幻滅しちゃうなぁ、いいから結衣さんのプレゼントはお兄ちゃんが用意すること!お金は小町も半分だすよ」
小町「あ~でもこうなると雪乃さんにもお兄ちゃんからプレゼント渡す必要があるかなぁ~、うん、雪乃さんの分も買おう!」
比企谷「おいおい、俺のお年玉がほとんど残らないんじゃないだろな…」
小町「あ、小町にもサンタこないと不審に思われちゃうかも、という事で小町の分のプレゼントもよろしくね!お兄ちゃん!」
比企谷「勘弁してくれよ」
クリスマスイブ当日
由比ヶ浜「うわぁ、どれも美味しそー」
比企谷「すごい量だな、これ俺たちだけで食べきれるのか」
雪ノ下「えぇ、こんなに家に人が来ることはあまりないから少し作りすぎたかもしれないわね」
小町「大丈夫ですよ、お兄ちゃんなら全部ぺろっとたいらげますから!」
雪ノ下「そうね、泊まらせてあげるのだから比企谷くんは最後まで食べきってもらうくらいはしてもらわないと困るわね」
比企谷「はいはい、お前の作った料理なら美味しいから意地でも食べきってやるよ」
雪ノ下「そっそう…////」
由比ヶ浜「む~、私も絶対ゆきのんみたいに料理うまくなるんだもーん!」
葉山「俺も欲しいな、ヒキタニ君からのクリスマスプレゼント。」
由比ヶ浜「楽しみだね~」
雪ノ下「何のことかしら」
由比ヶ浜「サンタさんがくる日だよ!ゆきのん忘れてた?」
比企谷 ビクッ
雪ノ下「えぇ、もちろん忘れてないわよ」
由比ヶ浜「ゆきのんはなにか欲しいものとかあるの?」
雪ノ下「そうね、欲しいものは自分ですぐ買ってしまうから、特別にこれと言ったものはないのだけれど…、由比ヶ浜さんは何かあるの?」
由比ヶ浜「うーん、私もなんでもいいかなー、サンタさんがくれるものだもん、それだけで嬉しいよ、小町ちゃんは何が欲しい?」
小町「小町も特にこれといったものはないですね、だっておにい……じゃなかったサンタさんがくれるものなんで文句は言いませんよ!」
比企谷「っまぁサンタなんかいないんだけどな」
由比ヶ浜「ヒッキーにはサンタさんこないから関係ないし!」
雪ノ下「そろそろ寝ましょうか、比企谷君はソファーでいいかしら?布団が2つしかないの」
比企谷「あぁ、毛布だけ貸してもらえればそれでいい」
由比ヶ浜「あ、ヒッキーちゃんとサンタさんが来る所見てるんだよ!絶対起きててね!」
比企谷「わかってるよ…」
雪ノ下「それじゃおやすみなさい」
由比ヶ浜「おやすみヒッキー」
小町「おやすみお兄ちゃん~、ファイト」
比企谷「あぁ、おやすみ」
深夜1時
比企谷「さすがにあいつらも寝てるよな…そろそろ始めるか」
比企谷「とりあえずサンタの衣装に着替えないとな……」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
比企谷「着替えはこれで良しろと」
比企谷「行くか」
ガチャ
小町「…………………」 スースー
雪ノ下「…………………」 スースー
由比ヶ浜「…………ヒッキー……」 スースー
比企谷(とりあえずプレゼントを枕元に置かないとな)
ガンッ
比企谷(痛っ、小指を角にぶつけたっ)
雪ノ下「んっ…………………」
比企谷(やばい起こしたか!?)
雪ノ下「…………………」 スースー
比企谷(危ねぇ)
比企谷(プレゼントは置き終わった、問題はここからだ)
比企谷(わざと去り際に雪ノ下達を起こしてサンタの存在を確認させたうえで、素早く着替えて元の場所に寝る)
比企谷(普通なら泥棒だと思ってびっくりして通報されるかもしれないが、そこは雪ノ下達の純粋にサンタを信じる心が上回ってくれる事を祈るしかない)
比企谷(いくぞっ)
比企谷「メリークリスマス!!!!」 ドンッ!!
雪ノ下「っん………誰………えっ」
由比ヶ浜「ん……ユキノン…どうしたの……あれっそこにいるのはっ」
雪ノ下・由比ヶ浜「サンタさん!!」
雪の下・由比ヶ浜「目標を駆逐する!」
ガチャッ
ダダダダダダダッ
ガチャッ
スルスル ガサゴソ キュッキュッキュ
比企谷「トイレに逃げ込んだのはいいが、あいつら部屋からでてないよなまさか……」
比企谷「俺がいないのばれるとやばいからそろそろ戻らないと………」
ユキノン サンタサン イタヨネ!!
エェ イママデノ オレイヲ イワナイト イケナイワ マダチカクニ イルカモ シレナイ カラ サガシマショウ ユイガハマサン
比企谷「やばいやばい」
由比ヶ浜「ベランダ見てみたけどサンタさんいないね」
雪ノ下「そう、玄関からは入ってこれないしだろうし、煙突もないからベランダから入ってきた確率が高いと思ったのだけれど」
由比ヶ浜「それに、ヒッキーもいないけどどこいったの?」
雪ノ下「まさか勝手に帰ったんじゃないでしょうねあの男」
由比ヶ浜「あれ、ゆきのんここに何か落ちてるよ」
雪ノ下「何かしら……このふわふわしたのは綿?でもこの形……」
小町(ごみいちゃんなにしてるんだか……)
ガチャッ
比企谷「お前ら起きてたんだな、どうしたこんな夜中に騒いで」
由比ヶ浜「あーヒッキーなにしてたの!せっかく今サンタさんに会えたのに!」
比企谷「トイレに行ってただけだ、サンタがきた?嘘だろ」
雪ノ下「本当よ、それにしても随分長いトイレだったわね」
比企谷「夕飯食い過ぎてな、少しお腹壊してたんだよ」
由比ヶ浜「ほらヒッキー、サンタさんからプレゼントもらっちゃった!もちろんゆきのんも小町ちゃんにもきてたよ!なぜかゆきのんには2つだったけど」
雪ノ下「えぇ、なぜか2つあったわね、これほんとに私へのプレゼントなのかと疑ったのだけれど」
小町「いや~ちゃんと枕元に置いてあったんで雪乃さんのだと思いますよ!」
雪ノ下「そう………」
比企谷「まぁよかったんじゃねーのプレゼントきたなら、よかったなお前らにはサンタきて」
由比ヶ浜「えへへ、ヒッキーも良い子にしてたら来年くるよ!きっと」
比企谷「まだ夜中だしさっさと寝るぞ」
雪ノ下「そうね、それじゃ由比ヶ浜さん、小町さん、寝室に行きましょう」
由比ヶ浜「うん、ヒッキーおやすみ!」
比企谷「あぁ、おやすみ」
ガチャッ
比企谷「由比ヶ浜嬉しそうだったな……、まぁこういう嘘ならついても良いのかもな」
プルプルプルプル
比企谷「ん、こんな夜中にメールか……、知らないアドレスだな」
"プレゼントありがとう"
終わり
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ゆきのん……