八幡「それでも俺はやってない」 (95)
アニメ版“やはり俺の青春ラブコメはまちがっている”を元にしたSSです。
また内容は裁判についてです
時系列がバラバラです。内容的には矛盾がないよう頑張ります。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1384172962
民主主義について
比企谷八幡
民主主義とは罪であり、悪である。
民主主義とは一見、平和的・平等な主義だと誤解されがちである。
だがそれは無個性至上主義による他思想弾圧政策であり、平等という名の個々人排他運動なのである。
ここで過去の出来事として“地動説”を唱えたニコラウス・コペルニクスを例としてあげてみよう。
波蘭出身の天文学者であるコペルニクスは当時主流であった天動説に疑問を抱き、一五三五年には地動説を確信していた。
しかし天動説が掲載された“天体の回転について”は彼の言により氏の死後一五四三年まで陽の光を浴びることはなかった。
なぜ天文学史史上最大の再発見と言われる名誉をコペルニクスが生前に賞賛されることなく没したのか。
それはコペルニクスが民主主義の基軸たる“多数主義”を恐れたからである。
教会が推進していた天動説は当時の主流説であり、それはつまり多数主義が天動説を推進していたということである。
多数主義からの民主主義という名の弾圧を恐れたコペルニクスは、苦渋の決断として正義である“地動説”を封じたのである。
つまりこれはコペルニクスが得るべき称賛の機を“民主主義”の基軸である“多数主義”によって奪われたことにほかならない。
このコペルニクス氏の事案は日本国憲法第十九条の“思想・良心の自由”を著しく奪うものであり、決して許されるものではない。
よってここに多数主義を根幹とする民主主義は、個人弾圧主義という名の犠牲によって成り立っている。
ということは民主主義は悪であり、その反対に位置する個人至上主義〈別名、ボッチ至上主義〉こそが相対的に正義であると言えるのではないか。
結論を言おう。
リア充爆発しろ
そのタイトル、元ネタは痴漢冤罪の話なんだぜ・・・
>>4
胸糞とかにはならないです
● ● ● 公判
陽乃「それではこれより“比企谷八幡覗き事件”の公判を行います。まず初めに人定質問を…」
八幡「ちょっと待って!なんで俺が体育館で縛られてるんだよ!」
雪乃「被告人には反省の意思が見られません。よって懲役二十年を求刑します」
八幡「おまっ!ふざけんな!縛られて懲役二十年とかどんなドMプレイだよ!」
陽乃「被告人がキモいので検察官の求刑通り懲役二十年とします」
八幡「ふざけんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
体育館の壇上で手錠をかけられて公衆の面前で叫ぶ男子高校生の姿がそこにはあった。と言うか俺だった。
なぜこうなってしまったのか思い出してみよう。
● ● ●
From:平塚静
To :比企谷八幡
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
比企谷くん。花の金曜日の夜をどうお過ごしでしょうか。
私はこれからラーメンを食べに行こうと思っているところです。あ、別に運転をしながら今メールを打っているというわけではありませんよ(笑)
ところで比企谷くんが週末だからといって、ゲームで夜更しをして不規則な生活をするのではないかと先生は心配になります。
私が学生の頃も土曜日になると翌日が休日ということでついついハメを外しがちになっていました。“お前が言うな”と比企谷くんは言うかもしれませんが、そういう経験があるからこそ生徒である比企谷くんには規則正しい生活を送って欲しいと思います。
そう言えば先月末に“モン狩りⅣ”が出ましたね。比企谷くんはどこまで進んだでしょうか?先生は先日カルルカをソロクエストで倒せるようになりました。やはり耳栓と風圧ミニは必需品ですね。一度パーティープレイというものをしてみたいです。今度よかったら先生と一緒に狩りに行きませんか(笑)
さてそろそろ本題に移りましょう。
実は明日学校でデモンストレーションがあるのですが、そのデモンストレーションに出てもらえないでしょうか?
学校初の試みとなるので臨機応変に対応できる比企谷くんに是非ともでて欲しいと先生は思っています。
休日に登校するというのは億劫かもしれませんが、この大舞台を成功させることができるのは比企谷くんしかいないと私は思っています。
あ、もちろん休日に登校してもらうのですからそれ相応の報酬は用意するつもりです。
予定がないのであれば午後一時にそちらに迎えに行くので、それまでに制服に着替えてを待っておいてください。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
八幡「…さて、徹夜でゲームするか」
朝の光を浴びてから眠りについた俺はいつの間にか制服に着替えさせられ、目隠しをしたまま体育館の壇上に手錠をかけたまま座らされていた。
● ● ● 役割配分
八幡「…いや、マジで理解できないんですけど…。雪ノ下さんマジで今の状況を教えてください」
陽乃「えっと簡単に言うと“みんなで比企谷くんを捌こう会”かな?」アハッ
八幡「…“裁く”のニュアンスおかしくなかったですか?」
陽乃「意味は違っても行動は一緒だからいいと思うんだけど…ダメ?」
瞳を潤ませて尋ねる陽乃さんは確かに可愛かった。まぁ強化外骨格だけど
八幡「いや、確かに結果はそうなるだろうけど…。つまり模擬裁判ってことですか」
陽乃「比企谷くんは理解が早くて助かるなぁ」
まぁあれだ。ちゃちゃっと裁判して有罪が確定して、さっさと帰ればいいだけだな。
陽乃「あ、ちなみにもし有罪が確定したら刑罰はちゃんと受けてもらうから」
八幡「いや、それ普通の裁判と変わらないだろ」
陽乃「大丈夫、大丈夫。検察官も弁護団も優秀な人材を揃えてあるから」
そう言って陽乃さんは笑う。
さっきの発言から…ってか本人のキャラ的に雪ノ下雪乃が検事役だろうな。なら弁護士役は葉山辺りか?
糞イケメンは気に入らないけど、味方ならそれなりに役に立ってくれるだろ。
陽乃「それでは改めて“H・H覗き事件”の公判を行います。まず初めに人物紹介から始めます」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
裁判長:雪ノ下陽乃【美人裁判長】
被告人:比企谷八幡【ボッチ(笑)】
検察官:雪ノ下雪乃【検事】
弁護団:由比ヶ浜結衣【学生】
:海老名姫菜【弁護士】
証人 :数名
適応法:日本国憲法刑事法および千葉県学園法(仮)の併用
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
八幡「この役割配分おかしいだろ!」
陽乃「え?どこが?」
八幡「俺の職業が“ボッチ(笑)”なのも置いておいて弁護団になんで由比ヶ浜が居るんだよ!こんなの敗訴も同然だろ!」
結衣「ボッチなのはいいんだ……ってあたしが居たら敗訴と一緒ってどう言う意味!?」
八幡「日本国憲法の前文は?」
結衣「え?け、憲法の全文?…そんなの多すぎて覚えられないよ」ショボン
八幡「ほら見ろ!憲法の前文を諳んずることもできない奴に弁護が務まるか!第一弁護士以外の奴が弁護できないだろ!こんな裁判無効だ無効!もしそれが無理ならせめて他の弁護士を要求する!この際葉山とか!」
陽乃「却下だよ、比企谷くん。刑事訴訟法31条2項より地裁では他の弁護士がいる場合は弁護士以外にも選任することができるんだなぁ」ニヤニヤ
八幡「雪ノ下さん理系だろ。法律のことなんて分かるはずないだろ!」
陽乃「比企谷君のために三日三晩で六法全書全文覚えてきちゃった……///」
え?憲法って頑張れば三日三晩で六法覚えられんの?あれコンクリートブロックより厚いのに?
● ● ● 人定質問・黙秘権
陽乃「では被告人が納得したようなので改めて人定質問から始めます。氏名・年齢・職業を教えてください」
八幡「比企谷八幡。十六歳で学生やってます」
陽乃「結構です。では次に検察官は起訴状を朗読してください」
雪乃「被告人、比企谷八幡。被告人は六月某日、女学生二人が着替えている所に乱入しました。」
雪乃「これは軽犯罪法23条に抵触する行為です」
八幡「」ダラダラダラ
陽乃「はい結構です。では次に被告人に対して黙秘権の説明をします…って比企谷くんすごい汗だけど大丈夫?」
八幡「だ、大丈夫です。ハハハ……」チラッ
おいこれ、金髪縦巻きロール達とテニス勝負したときのことじゃねーか…?
雪乃「」ニッコリ
結衣「……///」
陽乃「被告人には黙秘権があります。自分が不利になるようなことは言わなくてもいいです。また黙秘権を行使したからといって被告人が不利になることはありません」
陽乃「というわけで比企谷くんは黙秘権があることを念頭に置いて発言してね」
八幡「はい」
不幸だ……ってこれは某上条さんの専売特許か
● ● ● 被告人・弁護人の陳述
陽乃「それでは被告人は本件・起訴状について是否、何か言うことはありますか?」
八幡「…確かに俺は結果として女生徒二人の着替えを覗いてしまいました…」
ザヷザワ ザワザワ ヤッパリ ザワザワ ヒキタニクンパネー ザワザワ
八幡「…ってちょっと待て!これ模擬裁判だからな!あと“やっぱり”って言った奴後で俺のところに来いよ!」
陽乃「つまり被告人は“覗きたくて覗いてねーよ!自意識過剰女!”と言いたいのですね?」ニヤニヤ
八幡「えっ……いや…その……」
雪乃「」ジー
結衣「」ジー
八幡「“模擬”裁判の中で言うと結果的に覗いたというだけであって、二人に対する印象は載っていないのでわかりません」
陽乃「ふーん…。まぁ今はそういうことにしておいてあげようかな~」
…強化外骨格のくせに
陽乃「何か言ったかな比企谷くん?」
八幡「…いえ、なんでもないです」
陽乃「では陳述を続けてください」
八幡「つまり結果的には女生徒二人の着替えを覗いてしまいましたが、あくまでも覗くつもりはなく事故です」
陽乃「分かりました。では弁護側は何か言うことはありますか?」
結衣「」プイッ
姫菜「…ないみたいです」
八幡「え?ちょ!?」
陽乃「では弁護側はないようなので証拠調べに移りたいと思います」
八幡「え?マジでこれで終わりなの?」
● ● ● 証拠調べ
検察側
陽乃「それでは検察側は冒頭陳述を始めてください」
雪乃「はい。被告人は女生徒の更衣を覗いた時に、女生徒によるラケットの投擲を受けて病院にて治療を受けています。診断書を裁判所に提出します」
え?雪ノ下さんもしかしてガチで検事やってません?
雪乃「また投擲に使われたと思われる血痕の付着したラケットもあり、こちらも提出します」
陽乃「検察側の陳情は以上ですか。では次に弁護側の陳情を始めてください」
おい、由比ヶ浜。ゲームならここで『異議有り!』ってカッコよく反論する場面だぞ!
結衣「…えっと……“ちんじょう”……あった!“枕のほとり”…?今枕関係あったかな…?」ポチポチ
おい馬鹿!それは“枕上”だろ!
弁護側
結衣「難しいからわかんないや…うーん……特にないでーす!」
おいもっとがんばれよ由比ヶ浜!お前なんで弁護側やってるんだよ。検察側行けよ、そしたら俺でも勝てるから!
やっぱりアホの子はアホの子だな!もういいよ、がんばれ海老名さん!海老名さんならユキペディアにもきっと勝てる!
姫菜「……八×平は四流………八×材は三流…………八×戸は二流……………隼×八こそが一流…………くはぁっ!」タラー
姫菜「…………あ、今とてもいい所なので特にないです」フキフキ
おい!腐れ腐女子がんばれよ!お前今模擬裁判中だぞ!裁判中にBL考えて鼻血垂らす弁護士なんて聞いたことねぇよ!
陽乃「……えぇ、弁護側も特にないようなので被告人の陳情に移りたいと思います」
雪乃「」フッ
え?これで弁護側の冒頭陳述終わりなの?嘘だろ?
被告人
八幡「検察側の言った診断書についてですが、確かに俺はその日に顔面を負傷しました。しかしそれは練習試合を行った時にぶつけて出来た怪我です」
雪乃「異議有り」
陽乃「検察側の異議を棄却します」
雪乃「…なんて男なのかしらっ」ギリッ
八幡「」フフン
何とでも言うが良いか。この模擬裁判で負ければ俺は更衣室を覗いた変態として針の筵の上を歩くことになるんだからな!
八幡「また、血痕のついたラケットについてですが、それは事件当日についたものではありません」
雪乃「異議有り!」
陽乃「検察側の異議を棄却します」
雪乃「……くっ」
八幡「事件前後に学校の授業ではテニスをしており、証拠としては不明瞭なものだと推測されます」
八幡「よって検察側の物的証拠は証拠能力が低いと思われ、そこで裁判所にラケットの鑑定を請求ます」
陽乃「請求を許可します。ではこれで被告人の陳述は終わりですね」
ククク、勝てる。勝てるぞ!あの雪ノ下に!ハハハハ!
結衣「……あ」
陽乃「弁護側何かあるならどうぞ」
ちょっと待て由比ヶ浜。いま良い雰囲気なんだから壊さないでくれよ…!
結衣「それでもヒッキーはやってないと思います!」ビシッ
陽乃「……くすっ。分かりました。では次に証人喚問に移りたいと思います」
結衣「」ニコニコ
由比ヶ浜……それ、有罪フラグだ……
残り半分は明日書きます
あと出るのはあーしと戸塚です
人増えたらサキサキ・葉山・相模書く
こういうSSって需要ない?アホみたいに甘いSSのがいいのかな?
なんか色々完全に間違ってるけどいいの?
● ● ● 証人喚問~三浦優美子~
陽乃「では検察側から証人喚問を行います。検察側は証人を召喚してください」
雪乃「被告人の同級生である三浦優美子さんでお願いします」
三浦「で、あーしは何を言えばいいわけ?」
おい。よりによってなんで金髪縦巻きロールなの?お前ら仲悪かったんじゃないのかよ。
雪乃「三浦さん。被告人は女性の更衣を覗くような人物でしょうか?」
由比ヶ浜!ここだろ!
結衣「あっ」フリフリ
なんで俺に手を振ってんだよ!手を挙げろよ!
海老名さん頑張れ!今こそその隠された姿を現す時だろ!
姫菜「…隼×八……?それとも……八×隼………?」
まだ悩んでんのかよ!もういいよ!お前もう帰れよ!お前の腐女子っぷりは前から見えてるよ!
八幡「異議有り!」
陽乃「被告人の異議を認めます。検察側は質問を変えてください」
雪乃「では三浦さん。被告人はクラスではどのような人物ですか?」
三浦「え?ヒキオがクラスでどうかなんてあーし興味ないし」
雪乃「あえて言うならばどのような人物ですか」ニコリ
三浦「ヒキオ?……あ。あーしのことクラスで時折チラチラ見ててキモかった。あと友達が居なくて一人でなんかニヤニヤしててキモい。あ、あと目が死んだ魚の目みたい」
雪乃「ありがとうございます。つまり女学生のことを性的な目で見てニヤニヤする、友達のいない人物ということですね」
八幡「異議有り!」
陽乃「被告人の異議を棄却します。ただし検察側も不適格な表現は控えてください」
雪乃「以上です」ニッコリ
陽乃「主尋問を終わります。弁護側・被告人は反対尋問を行ってください」
八幡「三浦。お前は自分の性格をどのように思う?」
雪乃「異議有り。被告人は無関係なことを聞いて、証人の意識を逸らそうとしています」
陽乃「そうなのですか?」
八幡「いいえ。この後の質問のために必要なことです」
陽乃「検察側の異議を棄却します。ただし被告人は速やかに本件と関係する質問をするように」
八幡「物事をはっきり言うか、それとも相手に合わせるか?」
三浦「あーし?はっきり言う方だし」
八幡「友達は多いか、少ないか?」
三浦「まぁ、多い方じゃん?」
八幡「証人はクラスで人気者であり、また容姿も端麗であるというわけです」
三浦「ば、バカにすんなし///」
雪乃「」イラッ
結衣「」ムッ
陽乃「」ニヤニヤ
こえーよ。雪ノ下はともかくなんで由比ヶ浜が俺を睨むんだよ。お前俺の弁護団じゃねーのかよ。
あとなんで陽乃さんがニヤニヤするんだよ。
八幡「つまり人気者である証人のことを見てしまうのは人間として仕方のないことというわけだ」
八幡「また検察側の言ういかがわしい目というのはあくまでも検察側の主張であり、本件とは関連性が低いと思われます。以上です」チラッ
三浦「…ひ、ヒキオのくせに///」ダダダッ
陽乃「……えっと、では次に被告人側の証人喚問を行います」
おい、もう裁判長が弁護団を無視してるじゃねーか……。
● ● ● 証人喚問~戸塚彩加~
陽乃「それでは被告側は承認の使命をお願いします」
八幡「同級生の戸塚彩加さんにお願いします」
戸塚「八幡がんばれっ」フリフリ
八幡「戸塚……」ニヤリ
雪乃「被告人がとても気持ち悪いので承認の変更をお願いします」ニコリ
陽乃「面白そうだから却下♪でも比企谷くんも自重するように」
八幡「……はい」
せっかく心のオアシス戸塚と会えたんだからもう少し逢瀬を楽しませてくれてもいいだろうに…
八幡「戸塚…彩加さん」
戸塚「なんでも聞いてね、八幡!」
八幡「あとで飯でも食べに行かね?おごるからさぁ」グヘヘ
雪乃「」ブチッ
結衣「」イラッ
陽乃「被告人は関係のないことを聞かないように」
八幡「へーい…。彩加さんは被告人が犯行に及んだ時、あなたは何をしていましたか?」
戸塚「ゆき…女生徒たちにお礼を言おうと思って、被告人と一緒に部室に向かいました」
八幡「はたして被告人は本当に犯行を行おうと思ったのでしょうか?凶行に及ぶ人間が他人を連れて行くでしょうか」
雪乃「異議有り」
陽乃「検察側の異議を認めます。今の発言を取り消し、必要なことだけを述べてください」
八幡「つまり被告人は確かに着替えを覗いたという結果になりました。しかし被告人に悪意・計画性はなく、あくまでも不慮の事故であったと推測されます。証人が一緒にいたという事実がそれを物語っています」
陽乃「次に検察側の反対尋問を行います」
雪乃「戸塚彩加…さん。あなたは男性でしょうか、それとも女性でしょうか」
戸塚「い、一応…ボク、男の子です」
エッ マジカヨ オレ ホモデモイイ BLシントウ キタ━(゚∀゚)━!ブシャー
雪乃「ありがとうございます。つまり証人にも異性に対して一定の関心があると思われます」
戸塚「えっ……///」
雪乃「被告人は証人を共犯者に仕立てるために彼と一緒にいたということです。つまりこれは一般男性の心理を利用した卑劣な計画的犯行だと思われます」
八幡「異議有り」
陽乃「意義を却下します。ただし検察側は先入観を植え付けるような発言は控えてください」
雪乃「以上です」ニコリ
なんなのあいつ模擬裁判で本気になりすぎだろ…。しかもさっき違って殺気みたいなもんまで感じるんだけど…。何を怒ってるんだよユキペディアさん
陽乃「それでは論告求刑に…」
姫菜「ちょっと待ってください!」フキフキ
陽乃「えっと…あ、弁護側も尋問があるならどうぞ」
今陽乃さん、海老名が弁護士役ってこと素で忘れてただろ…
姫菜「いえ尋問はありません」
陽乃「尋問以外があるっていうことかな?」
姫菜「はいっ!」
なんだこの嫌な感覚は…。これ以上海老名さんの口を開かせてはいけないと俺の過去の経験が警鐘を鳴らしている…!
八幡「異議有り!弁護側は本件とは関係ないことを発言しようとしています!」
姫菜「確かに関係はないけど、有罪か無罪かはっきりさせる方法を知っています!」フンフン
八幡「ふざけんな!これは模擬裁判だろうが!」
姫菜「真実を明らかにしたいでしょ、ヒキタニくん!」
陽乃「被告人は弁護側と喧嘩しないように。彼女はあなたのために頑張っているんだよ?」ニヤニヤ
いいや絶対に違うね!しかも陽乃さんも分かっててやってるだろ。
陽乃「あまり騒ぐようであれば退廷処分にしちゃうよ?というわけで弁護側は発言してください」
姫菜「つまり被告人が異性に興味を持っていなければいいんです!それはつまり同性を好きになればいいんです!それを証明できればいいんです!隼×八とか!…次点で八×彩でも可!」ブシャー
八幡「」
雪乃「」
結衣「」
葉山「」ゲッソリ
平塚「」ハァ
陽乃「」ププッ
姫菜「大丈夫だよヒキタニくん!はじめは無理って思っていてもそれがだんだん…」
三浦「はいはい姫菜帰るよ。ちゃんと擬態しろし」ズルズルズル
いいぞ女王。そのままご退場下さい
三浦「」チラッ
八幡「?」
三浦「……///」
陽乃「それでは論告求刑に移りたいと思います」
雪乃ってSSとかでこういう悪役多いのに、あまり嫌われないのは何故だろう
そして何故ガハマさんはゆきのんよりこんなに人気が低いんだろう
最後書き上げてから投下します
あとちょっと
● ● ● ~論告求刑・最終陳述~
雪乃「被告人の行った凶行は極めて悪質であり、なおかつ本人に反省の意思が見受けられません」
雪乃「よって軽犯罪法二三条に抵触するものとし、学園法(仮)より無期懲役を求刑します」ニコリ
ちょっと待てよ。なんで覗きなんかで無期懲役なんだよ。
笑顔で求刑する検事なんて聞いたことねーよ!
陽乃「では被告人の最終陳述です。被告人は何か言い残すことはありますか?」ニッコリ
あ、今わかった。この姉妹の血だわ。
そう悟った俺は小さくため息を一つ吐く。
体育館の照明器具が全て俺に降り注いでいる。
全生徒からの視線が俺に突き刺さる。
別に嫌われるのなんてそれこそ中学の時に嫌って言うほど経験したからな。
高校に入ってからも千葉村や学園祭でももう充分に嫌われてる。
だから俺は最後をこう締め括ろう。
八幡「それでも俺はやってない!」
誰かの笑った声が聞こえた気がした。
● ● ● ~判決~
陽乃「では最後に本件の判決に移りたいと思います」
八幡「」ゴクリ
雪乃「」ジー
結衣「」ギュー
いくら模擬裁判とは言っても、自分の判決を待つっていうのは落ち着かないもんだな
陽乃「確かに被告人は覗くという結果にはなりました。しかしそこに悪意があったとは言い難く、あくまでも不注意による事故であったというのが今回の判決です…」
八幡「…うっし」
無罪が確定した俺は小さく握りこぶしを作った。
陽乃「…判決ですが…」
八幡「は?」
陽乃「結果的に女性二人の心を傷つけたという結果には変わりなく、グラウンド百周の刑とします」
八幡「え、ちょ…っ」
陽乃「なお本裁判が終わり次第、被告人は走り始めるように♪」
それって結局有罪ってことじゃねーか!
こうして俺の模擬裁判は有罪ということで幕を閉じた。
● ● ● ~挨拶~
平塚「えー今回のデモンストレーションの責任者の平塚だ」
有罪判決を受けた俺は、雪ノ下陽乃大裁判官と雪乃大検事に挟まれた位置で平塚先生の挨拶を聞いていた。
雪乃「あら。どうしてグラウンドを走っていないのかしら容疑者くん」
八幡「あれはあくまでも模擬裁判だからな。まぁあれをマジに捉えるバカもいるだろうけどな」
明後日の登校が憂鬱だぜ
雪乃「そう…。つまりあなたは由比ヶ浜さんに謝るつもりは毛頭ないと?」
八幡「知ってるか雪ノ下。法律っていうのは秩序を守っているんであって人間を守ってるんじゃないんだぜ」
雪乃「知ってるわ。けれど加害者側の言い分としては最悪ね」
こうやって見ると平塚先生も先生なんだよなぁ。
雪ノ下の視線を逃れた先では先生がスラスラと今回の模擬裁判について喋っている。
平塚「…さて比企谷くんと雪ノ下さん。前に出てきてくれ」
突然の名指しに固まっていると陽乃さんと雪ノ下に突っつかれてゆっくり歩き出す。
平塚「検事役になってくれた雪ノ下さんに拍手を」
雪乃「全く…。こういう役柄は姉の仕事なのだけれど」
そう小さく愚痴った雪ノ下に拍手が送られる。
平塚「それから比企谷くん。今回、被告人役という嫌われ役を彼は自ら買って出てくれた。好奇の目に晒されながらも最後まで演じきってくれた彼に盛大な拍手をしてやってくれ」
平塚先生の言葉を理解する前に拍手が起こり、先生に言われたままに雪ノ下と握手をして陽乃さんの隣に戻った。
陽乃「嫌われ者から功労者への早変わりはどうかな、比企谷くん」
そう言う陽乃さんの声は実に楽しそうだ。
八幡「なれないことはするもんじゃないっすね。背中が痒くて仕方がないです」
陽乃「でも悪くはないでしょ」
からかわれることは目に見えているから俺は口を噤んだ。
あ、と陽乃さんは思い出したように口を開く。その瞳にはこぼれ落ちそうなくらいの意地の悪さが爛々と輝いている。
陽乃「今回君を被告人役に推薦したのは雪乃ちゃんらしいよ?」
雪乃「ね、姉さんなにをっ!」
わかりやすい程に狼狽える雪ノ下を気にせず陽乃さんは続ける。
陽乃「『自己犠牲を趣味にしている彼が適役だと思います。好奇の目に晒されると彼も喜ぶと思います』だってさ!」
雪乃「わ、私は心から本当にそう思って!」
陽乃「静ちゃんの性格を考えれば、こうなるって簡単に想像がつきそうなのに?」
雪乃「ち、ちがっ!」
雪ノ下家の姉妹漫才は平塚先生の挨拶が終わるまで続くことになった。
● ● ● ~後片付け~
平塚「今日はおつかれさん」
八幡「人を拉致した人のセリフには思えませんね」
閑散とした体育館の壇上で俺たち参加者は後片付けを手伝っていた。
平塚「まぁそう突っかかるなよ。後片付けまでしてもらって悪いな」
八幡「別にいいですけどね。どうせ今日は小町も模試があるから遅くなるらしいですし」
平塚「どうだ?たまには人から褒められるのもいいもんだろ?」
そう言う平塚先生の声は楽しそうだ。
八幡「別に背中が痒いだけですよ。それに俺は自賛できる人間ですから」
平塚「全く君は…。以前わたしが言った言葉を覚えているか?」
八幡「先生には説教されっぱなしで一々覚えられません」
不意に肩を掴まれて振り返れば、まつ毛が見えるほど近くに先生がいた。
平塚「他人を助けるために、お前が傷ついていい理由にはならない。今回のことでわたしは改めて君にそう言うよ」
八幡「…前にも言いましたけど、俺別に傷つくことに慣れてるから大丈夫です」
平塚「駄目だ。君もわかったはずだ。君の傷付く姿を見て、苦しく感じる者が居ることを」
平塚「ならそんな彼女たちが苦しまなくて済むようにどうするべきか、賢い君ならば答えを見付けられると私は信じているよ」
八幡「……………………」
そう言って平塚先生は俺の髪を乱暴に撫でた。
平塚「さて、話は変わるがな比企谷」
八幡「はぁ……。なんすか先生」
わざとらしくため息をついた俺は思った。
平塚先生にならもう少し素直になれるのかもしれない、と。
平塚「実は以前、着替えている所を見られた女子生徒が二人ほどいるという噂を聞いたんだがな」
八幡「え”」
平塚「いや、あくまでも噂だからな。なぁ、比企谷くん」
八幡「そっすね…そんな不届き者が居たら許せないっすね」
誰かの口から乾いた笑い声が聞こえてくる。
平塚「しかもこともあろうか“法律は規律を守る”とご高説を下さったらしい」
八幡「ははは…男の風上にも置けない奴ですね…」
口の中がパサパサと乾いていく。
平塚「もし例え事故だったとしても婦女子の着替えを覗いたならどうするべきなんだろうな?」
八幡「」
平塚「わたしは食事のひとつやふたつ、彼自ら彼女たちを誘うべきだと思うんだが、君はどう思う?」
八幡「…先生の仰っしゃる通りだと思います」
平塚「そうかそうか!なら歯を食いしばろうか」
そう言われて俺は素直に葉を食いしばり、殴りやすいように頭を傾ける。
パスッ
八幡「は?」
魂が抜けそうなほど軽い打撃音が響いた。
平塚「今回の模擬裁判と後片付けの謝礼だ。あまりハメを外しすぎるなよ」
そして受け取ったそれは千葉で使えるギフト券だった。
平塚「後の残りはわたしがやるから心配するな。悪いな、人目がある時は渡しづらくて残らせてしまった」
八幡「ありがとうございます…」
平塚「…あぁもう!お前が居ても邪魔なだけだからさっさと誘ってどっか行け!」
大げさに振舞う平塚先生の背中にもう一度礼を言ってから俺は走り出した。
平塚「ハハハ……今日は千葉市にある立ち飲み屋全部制覇するかな…!」
そして、彼の財布は静かに息を引き取った
これで終わりです
説教もう少し短くしたら良かった
一応打ち上げとあーしさんの伏線回収するつもりでした
あと>>30どこがおかしかった?
>>47
雪ノ下は正しくて、非合理的・理不尽なことしないからじゃないかな?
理不尽な行動だとイラッとくるけど、行動に正当性があると納得できるし
雪ノ下は人心象は別にして行動はいつも正解ではあるから
あと感情的に暴力振るうキャラって好き嫌い激しいと思う
ガハマさんはデレが多いからじゃない?
希少性っていうのかな
アニメも原作も雪ノ下を押してる気がする
ハマチはキャラがみんないいよね
後日談は書くとしたら別のスレ立てます
たぶんそれより先に他のを書くと思うけど
んー幾つか考えているけど、今書いてて未投下なのは
八幡「由比ヶ浜が偽装?」
雪乃「比企谷くん、バカなの?死ぬの?」
結衣「ねぇねぇ、ヒッキー!」
かなー
頭使うSSはもういいかなー
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