照「腕が回転しなくなった」(134)

照「むむむ……」ギュルギュル

照「………」シュルシュル

照「どうしよう菫」

菫「私に聞くな」

淡「こんにちはーあれ?何かあったんですか?」

照「あっ、淡。大変、腕が回転しなくなったの」

淡「それが普通なんじゃないでしょうか」

菫「そうだな。腕が回転させるのは柱の男にでも任せておけばいい」

照「これじゃ麻雀出来ない……」

菫「腕が回転しないと麻雀出来ない人なんて聞いたこともないぞ」

淡「あ、試しに三麻でもやります?」



1時間後――


淡「半荘3回打って和了れたのがゴミ手3回だけだなんて……これは酷い」

菫「能力抜きのお前がここまでダメ子だったとはな……」

照「みんな酷い……」

菫「3日後にインハイが控えてるというのに、うちのエースときたら……」

照「ごめんなさい……」

淡「直す方法とかないんですか?」

照「ないこともないが……」

淡「それなら問題ないですね」

菫「……一応聞いておくがどんな方法だ?」

照「咲ちゃんペロペロちゅっちゅ」

淡「え?」

菫「よく聞こえなかったな」

照「だから、咲ちゃんとエッチすれば治るの!」

淡「弘世先輩……」

菫「ああ、仕方ないな……」

照「wktk」

菫「インハイ3連覇は諦める方向で」

淡「ですね」

照「えぇ!?『こんなこともあろうかと咲ちゃん連れてきた』って流れにならないの!?」

菫「なるわけないだろ」

菫「大体お前、今は『咲断ち』中じゃなかったのか?」

淡「『咲断ち』……?」

菫「照はな、おもむろに妹のこと考えて一人エッチしだすド変態なんだがな。ある時、何を考えたのかすっぱりそういうのを止めた時期があってだな……」

淡「へ~」

菫「私も友人が変態行為を止めるようになって一安心してたんだ。そしたら突然『咲ちゃんのこと考えるの1週間我慢して一人エッチしたら凄くキモチいいの!』とか往来で口走りやがった」

淡「」

菫「『次は高校卒業まで我慢する』って、言ってなかったか?それに、妹はいないだとか、東京に来た妹を無視してたのは全部その日の為じゃなかったのか?」

照「確かに卒業まで我慢するのも魅力的。しかしながら我慢出来ない」

菫(ダメだこいつ……)

淡(どうするんですか?このままだと長野まで行って妹さんに性的暴行、うちの出場停止もあるかもですよ?
)ヒソヒソ

菫(その辺は心配ない。照はすぐ迷子になるからな、長野まで辿り着けん)ヒソヒソ

照「………?」

菫「しかし困ったな……照をこのままにしておく訳にもいかんしな……」

照「咲ちゃんはよ!」

菫「少し黙れ」

照「はい!」

淡「あのー……」

菫「ん?どうした?」

淡「宮永先輩をあそこに連れてったらどうでしょうか?」

菫「あそこ?……照をか?」

淡「はい、ここで性欲ぶちまけられても困りますし」

照「……?」

菫「まぁ他に手は無さそうだが……なぁ照、今から出掛けるぞ」

照「えー」

菫「えー、じゃない!行き先はな――」照「長野!」

菫「残念、奈良だ」

照「えー」

照「奈良に一体何の用?」

菫「着けば分かる」

淡「キモチよくなれる所ですよ」

菫「なんだ、大星まで着いてくる気か?」

淡「ほら、宮永先輩が暴れだしたら弘世先輩一人じゃ大変そうですし」

菫「どうだかな……大方、練習サボるいい口実になったとか考えてるんだろ?」

淡「えへへ、バレてました?」

菫「やっと奈良か……」

淡「まさか新幹線車内で迷子になるとは思いませんでしたね」

菫「まぁ、想定はしていたが」

照「あれは迷子じゃない。トイレを探していただけ」

菫「乗務員に泣きついた奴が何を言ってる」

菫「着いたぞ」

照「なにここ?」

菫「公共浴場だそうだ」

照「銭湯?」

淡「まぁ、お風呂はありますね」

照「なんでわざわざ奈良にまで来て銭湯なんて……」

菫「いいから行くぞ」

「いらっしゃいませ。ご予約の宮永様でございますね」

照「えっ?えっ?」

菫「はい、この子が宮永です」

淡「私たちは付き添いでーす」

「……かしこまりました。どうぞ中へ」

「それでは準備が整うまで少々お待ち下さいませ……」

菫「ったく、照の為とはいえ高くついたな……」

淡「それにしてもよくカンパ集まりましたね~」

菫「人望だけはあるからな」


「お待たせしました……どうぞこちらへ」

菫「ほら、行ってこい」

淡「愉しんできてくださいね~」

照「……?」

「こちらのお部屋になります。どうぞごゆっくりお楽しみに下さいませ……」


照(訳もわからず案内されるまま来ちゃったけど……なんのお店なんだろ)

「ようこそお越しくださいました。本日、貴女のお相手させていただく奈良円光アコ(仮名)です」

憧「お友達に連れてこられた……?」

照「そうなの……」

憧「あ、もしかして最近不調だったりします?」

照「えっ……?」

憧「ふふ、やっぱり。そういうお客様が多いんですよ」

憧「腕が回転しなくなった?それは大変でしたね……」

照「もうすぐインハイなのに……このままじゃ……」クスンクスン

照「今まで他のことを捨ててまで頑張ってきたのに……そんな私から麻雀を抜いたら何も残らない……何も残らないよぉ」

憧「大丈夫です。きっとなんとかなりますよ」

憧「だから……私とキモチいいことしましょうね」

照「………!」ビクッ

照「嫌……っ!」

憧「え……?」

照「そんなの嫌っ!」


憧(何しにここに来たんだろ?この人)

照「初めては今まで大事にとっておいたの……」

照「妹の…咲ちゃんの為に……!」

照「ずっと……ずっとずっと我慢してきたの……」

照「でもね、決めたの。私が卒業して自立するまでは大事にしよう、って……」

照「そして、私が自立して咲ちゃん養えるようになったら……処女膜破り合うの!!」

憧「」

照「だから……だから、私から大事なもの奪わないで……」

照「うっ……ひっく…ふえぇぇぇぇぇん」

憧(さて、どうしたものか)

憧「大丈夫ですよ……」ダキッ

照「あっ……」

憧「その気持ち、分からないでもないですから……」ギュッ

照(なんだろ……咲ちゃんの匂いがする……)

憧「ふふ、落ち着かれました?」

照(どうして咲ちゃんの匂いが……)

憧「ちょっと失礼しますね~」チュッ

照(んんっ!?)

憧「ちゅ……んっ……」

照「あ……ふっ……んん」

照(どうして……どうして咲ちゃんの味がするの?)

憧「ふふ、どうでしたか?妹さんとの間接キスは……あ、これ内緒のお話ですよ」

照「……!?」

憧「何か飲まれます?」

照「いや、いい……」

照「咲ちゃんもここに来たことあったんだ……」

憧「ええ、なんでも『このままだとお姉ちゃんに破られちゃうから破る相手は自分で決めるんだ』とか」

照「そっか……」

憧「以来、何度かここに通われてるんですが、平和系の手が来なくなったとか大変満足されてましたね」

照「………」

憧「それと貴女のことを心配されてましたよ」

照「えっ……?」

憧「『お姉ちゃんの将来が心配だよ』とか『お姉ちゃんも早く彼女でも作って落ち着いてほしい』とか」

照「」

照「私……私、咲ちゃんにそんな風に思われてたんだ……ふえぇぇぇ」ヒーン

憧「そんなに泣かないで……なんだか私まで悲しくなっちゃうから……」ダキッ

照「あっ……」

照(なんでだろ……アコちゃんに抱かれると不思議と心が落ち着く……)

憧「私が妹さんの分までたぁっぷり慰めてあげますから」

照「アコちゃん……」ムラムラ

憧「いいんですよ……貴女の思うがままメチャクチャにして……」チュッ

1時間後――


憧「すごく溜まってらしたんですねぇ」

照「私は中三の頃からオナニーすらしていない……ずっと咲断ちしてたから」

憧「ふふ、なんですかそれ?」

照「我慢したらした分だけキモチよくなれるの」

憧「でももう我慢しなくてもいいんですよ?貴女には私がいるんですから」

照「アコちゃん……」

照「また来てもいいのかな……?」

憧「ええ、勿論ですよ」

照「また……必ずまた来るから……」

憧「はい、じゃあまたどこかのベッドで」チュッ

照「お待たせ……」

菫「お、終わったか」

淡「宮永先輩、おかえりなさい」

菫「身体の調子はどうだ?」

照「すこぶる調子いい。お陰さまでまた腕が回転するようになりました」ギュルギュル

菫「おお!」

淡「やりましたね!」

菫「時間も遅いし一泊してくか?」

淡「そうですね。ここまで来たらいっそのこと京都も見ていきましょうよぉ~」ギュッ

菫「調子に乗るな!腕に抱きつくな!」

照「菫、淡……ありがと……」ボソッ

菫「ん?」

淡「何か言いましたか?宮永先輩」

照「な、なんでもない!」


カン!

次は末原先輩か姫様かトシさんか

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