恋物語で戦場ヶ原さんの株が急降下したので絶望展開を
時期は恋物語ラスト後、撫子をアララギさんが連れて帰るところから
ガハラさんバッド、貝木も・・・アララギさん壊れで
貝木『お前はその娘の為に何をしてやることもできないんだよ。お前がいたら、その娘は駄目になるだけだ』
・・・ちくしょう・・・アイツに・・・あんな奴に、何がわかるんだよ!、ちくしょう・・・
解っているんだよ、僕の考えが甘かったことぐらい・・・それでも!それでも千石をあんな風にしてしまった
のは僕のせいなんだ!そのせいで、関係のない戦場ヶ原まで!・・・どうすれば良かったってんだよ!
貝木のおかげで神から人間に戻った意識のない千石を、気付かれないように彼女の自宅前に置いて「女の子が
千石さんの家の前で倒れている」と110番通報して、逃げるようにここを離れた。
もう僕は千石と関わらないほうがいいのだろう、悔しいけどあんたの言うとおりだ・・・貝木。
そんなもやもやした気持ちのまま家に向かって歩いていると後ろから声をかけられた。
扇「おや?先輩ー!、阿良々木せんぱーい!」
暦「あれは?、扇ちゃん?」
忍野 扇、忍野メメの姪を名乗る直江津高校1年の女子、2学期に後輩の神原から紹介してもらった子だ。
扇「いやあ、探しましたよ阿良々木先輩、いったいぜんたいどこにいたんですか、もう」
相変わらず人をくったような態度、正直僕は扇ちゃんが苦手だ。なんだか彼女と話しているといつも
余計な事までしゃべってしまう、いやしゃべらされてしまう様な気がするから。
暦「どこってまあ、ちょっと散歩だよ散歩、ここのところ勉強漬けだったからな」
扇「勉強ですか、そう言えば阿良々木先輩残念でしたね、センター試験」
ぐっ・・・正直痛いところをつかれてしまった。 まあ千石の事とかいろいろあったからな。
けれど、それを言い訳には出来ない・・・
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暦「まあな・・・でも、次で必ず通ってやるさ。それより扇ちゃん、僕に何か用があったんだろう?
というか君は何をしていたんだ?」
扇「阿良々木先輩・・・そんないっぺんに質問されても答えられませんって。まあ何をしていたかと言うと
ですね、実は最近私が通る道に質の悪いカラスがいてですね、知り合いの男子中学生に退治を頼みまして、
まあその立ち合いというか。それにしてもカラスって思った以上にしぶといですねぇ、動かなくなるまで
10発くらい叩きましたよ」
暦「カラスって・・・あれって不吉の象徴っていわれてなかったか?そんなのを殴り[ピーーー]とかやばいんじゃ」
扇「ああ、確かに不吉なカラスでしたねぇ、でも普通の鳥、生き物でしょう、まさか祟りとか信じちゃってます?
阿良々木先輩はほんとに愉快な方ですねぇ」
暦「・・・・・・」
扇ちゃんと話しているといつも僕が年上であることを忘れてしまう、というか先輩先輩というわりに全然僕を
先輩と思っていない態度だ。忍野の血筋は皆こういう人をくった奴なのか?
扇「ああ!もう、話が横に逸れまくりで忘れてましたよ阿良々木先輩。ビッグニュースというか阿良々木先輩には
ショッキングなニュースなのでお知らせするか迷いましたが・・・」
ん?何だ?ものすごく気になることを言ったなこの子、ショッキングなニュース?
扇「実はですね阿良々木先輩、私、昨年の大晦日から沖縄旅行に行ってまして、それでですね、元旦に空港の喫茶店
でくつろいでいたんですが何と!とんでもない光景を見てしまいましたよ」
やたらとハイテンションで話す扇ちゃん、ショッキングというわりにやけに楽しそうだ・・・僕の中でなんとも
言えない嫌な予感が、胸騒ぎがした。
暦「ち、ちょっと待ってくれよ扇ちゃん、ショッキングなというのは僕にとってはって意味だよな?例えばその、
元旦の沖縄で僕がショックを受けるような光景を見たんだよな?」
扇「ご明察、良く出来ましたよ阿良々木先輩。丁度撮影してきたのでお見せしますねっ、ほらこれっ」
暦「なっ!?、これは!・・・いったい・・・どういう事・・・なんだ・・・・・・」
そこに写っていたのは、アロハ服を着ていたがまちがいない。あの不吉な男、貝木泥舟と・・・そしてその
向かい側に座る、僕の彼女、戦場ヶ原ひたぎの姿だった。
なぜ?・・・なぜ戦場ヶ原があいつと・・・貝木とこんなところに?・・・
確か元旦は用事があると言って一日いなかったはずだ・・・まさか、そんな。
あの男に会いに、沖縄まで行っていたというのかよ戦場ヶ原っ!なんで、なんでだよ!
扇「・・々木先輩、阿良々木先輩っ、阿良々木せんぱーい!」
暦「っ!?、扇ちゃん?・・・」
扇「気が付きましたか?いやあまったく、まあ気持ちはわかりますよ、なんせ一年のうちの一番大切な日、元旦に
彼氏を放っぽり出して違う男と沖縄旅行なんて、ほんと酷い人ですよね戦場ヶ原先輩はっ」
暦「・・・・・・」
扇「あ、それと音声データもあるんですがお聞かせしますね」
ひたぎ『・・・私に対する埋め合わせ・・・あなたに・・・』
貝木『ほう・・・なんなら今すぐ・・・』
ひたぎ『そんなこと・・・私が・・・ここに来ている・・・』
貝木『まあ・・・お前がつき・・・い・・だろう
ひたぎ『ねえ貝木・・・本当に・・・・のかしら』
貝木『ああ・・・絶対に・・・・戦場ヶ原・・・』
ひたぎ『私・・・要求して・・・するつもりよ・・・私の身体を・・・構わないわ』
暦「うわあああああああああああ!!!!
何なんだよ何なんだよ何なんだよ戦場ヶ原!私の身体をとか言ってんじゃねえよ!!まだ僕たちだってやってないのに!
お前何なんだよ!!畜生ちくしょうチクショオー!!!」
僕の中でどんどんとどす黒いものが湧き上がってきた・・・
扇「あ、阿良々木先輩落ち着いて落ち着いて!ドードードー。全く、だからあの時言ったじゃないですか?あの方と一緒になった
のはミスだったと、ほんとにいい加減なんですから阿良々木先輩はっ」
暦「違う!僕は、僕は信じてたんだよ扇ちゃん!あの時神社で君が言っていた事も想定してはいたけれど、それでも僕は!
戦場ヶ原の事を信じていたんだよ!絶対に別れないって言ったあいつの言葉を!なのに・・・なのにこれじゃもう、
あいつとは一緒にいられねえよ!」
扇「阿良々木先輩、お怒りはわかりますけれど携帯が鳴ってますよ」
気持ちが激高して携帯が着信しているのに気が付かなかった、戦場ヶ原からだ・・・何なんだよ・・・
普段はあいつから電話がかかってくる事なんてめったにないのに・・・よりによって今かよ・・・
ひたぎ「もしもしコヨコヨ、今どこにいるのかしら?・・・・・・もしもし私よ、ひたぎよ」
暦「・・・何の用だよ戦場ヶ原・・・」
ひたぎ「何の用?恋人が用もなく電話をかけるのはいけないのかしら・・・・・・もしもし聞いてる?」
暦「ああ・・・お前からの電話なんて珍しかったから泡食ってただけだよ・・・」
ひたぎ「阿良々木君?・・・どうしたの?・・・もしかして怒っているのかしら?」
暦「今家に帰る途中だよ・・・用がないなら切るぞ」
ひたぎ「ちょ!待って阿良々木君、いったいどうしたというのかし「阿良々木先輩、せめて話ぐらいは聞いてあげたらどうです」!?
もしもし!誰かいるのかしら?阿良々木君!」
暦「ああ、僕の後輩の忍野扇ちゃんだよ・・・」
ひたぎ「忍野?扇?・・阿良々木君!今どこなの!?すぐに行くから場所を教えて頂戴」
暦「ああ、いいぜ。僕もお前に話がある、北白蛇神社の入り口でいいか?」
ひたぎ「北白蛇神社の入り口ね?わかったわ、すぐに行く。あと、その扇さんって子も一緒に残ってもらって頂戴」
慌ただしく電話を切った戦場ヶ原、家からだとしても30分もかからないだろう・・・
扇「いよいよですねえ阿良々木先輩、まだ少し時間があるみたいですので他の画像も見ますか?」
といって僕の了解も得ずに次から次へと密会画像をみせてくる扇ちゃん・・・なんだよこの枚数、多すぎだろ!
ざっと見ても50枚はある・・・沖縄の喫茶店の他に地元のMDでも会ってたみたいだ・・・
扇「阿良々木先輩、見てくださいよこの泣き顔。戦場ヶ原先輩ってほとんど表情変えなかったんですよね?
それなのにほら、貝木さんの前でこんなに表情豊かじゃないですかっ。まったくあんたいったい誰の女?て
感じですよねぇ阿良々木先輩」
もう・・いやだ・・・今までの事も、あいつに告られてから星空を二人で見たときの事も、何もかも全て・・・嘘くさい。
考えてみれば、あいつにはいつも罵倒雑言、肉体的にもいろいろとやられたよなあ・・・文房具で傷つけられて、鈍器で
頭を殴られて監禁されて、足蹴にされて屈辱的な思いをさせられ続けたよなあ・・・
扇「阿良々木先輩、なんだか凄く怖い表情してますねぇ・・・まるで人間やめちゃった吸血鬼状態じゃないですか。
まあとにかく、穏便にいきましょうオ・ン・ビ・ン・にっ」
暦「ああ・・わかってるって・・・僕だってあいつを責められる立場じゃないところもあるからな・・・それより扇ちゃん?
さっき言ってた不吉なカラスって、もしかしてもしかするのか?」
扇「ああ、さっきのね・・・まあお察しのとおりですかね。不吉なカラスのような生き物ですねぇ、その生き物っていうのは
もちろん人間もはいってますけれどねっ、どうなってますかねあのカラス、ふふふふ」
ひたぎ「阿良々木君!」
来たか・・・戦場ヶ原・・・ひたぎ!
扇「はっはーっ!始めまして戦場ヶ原先輩、忍野扇です、叔父さんからあなたの事は聞いていますよ」
ひたぎ「・・・戦場ヶ原ひたぎです・・・叔父さん?もしかして忍野メメさんの事かしら?」
扇「事かしら?って、先輩、忍野の性であなたのことを知っている人間なんて忍野メメ叔父さんしかいないじゃないで すかっ、ほんとうに迂闊な人なんですねぇ先輩はっ」
ひたぎ「随分と・・口の悪い後輩ね・・・目上の人間への態度がなってないわねあなた・・・」
扇「はっはー!元気がいいですねえ先輩っ、何かいいことでもあったんですか?。それにいくら先輩が年上だからと いって口の悪さをあなたに言われたくないですねぇ、ほんとチョーうける」
ひたぎ「・・・阿良々木君・・・何なのこの子、ていうかどうしたのよあなた?さっきから変だけれど」
暦「ああ・・戦場ヶ原、その前に2、3質問させてもらっても構わないか?」
ひたぎ「質問?構わないけれど、いったい何を聞きたいのかしら?スリーサイズ?それとも」
暦「悪い、ちょっとマジな質問なんだ・・・正直に答えてくれないか?」
ひたぎ「え、ええ、わかったわ・・・それで、何をききたいのかしら阿良々木君」
暦「じゃあまず一つ目だ・・・お前、元旦の日用事があるって言ってたよなあ?どこに行ってたか詳しく教えてくれ
ないか?
ひたぎ「元旦?ああ、一日ね、お父さんの実家よ、まあ一日でとんぼ返りだったけれど」
暦「そうか・・・じゃあ、二日に俺んちに来たとき確かお前の携帯に電話が入ったよな?誰からだ?」
ひたぎ「何よ阿良々木君、いくら彼氏だからってそんな私のプライベートまで聞き出すなんて変よ」
暦「彼氏・・ねえ・・・まあいいわ、答えられない相手だったって事で、じゃあ最後の質問だ」
ひたぎ「ま、待って!言うわ!言うわよ・・・その、実家からよ実家から。だって慌ただしかったじゃない日帰りだっ たから、それで心配して電話してくれたのよ」
暦「わかった・・・それじゃ最後の質問だ・・・冬休み中に、誰かとMDに行かなかったか?例えば・・・男と」
ひたぎ「・・・・・・・・・・・」
暦「どうして知ってるの?って顔だな戦場ヶ原・・・残念だぜ・・・」
扇「はっはー!戦場ヶ原先輩、実はですねぇ私、大晦日から一泊二日で沖縄に行ってましてねえ、そこでばっちり見て
しまったんですよ~、もう濃厚な二人の会話から全部ねえ ほらっ」
画像データを見せられて信じられないという顔をする戦場ヶ原。
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