マミ「マジカル・ミルキーウェイ」(152)
マミ「みんなー、こんにちはー!」
「わーい、マミせんせーだー」
「きょうも、おはなししてくれるの?」
マミ「みんなは今日が何の日かしってるかな?」
「しってるー!」
「たなばたー!」
マミ「うん、そうだね。今日は七夕なの」
「じゃあ、たなばたのおはなしなの?」
「おりひめとひこぼしでしょー?」
マミ「うん、でもみんなの知ってるの七夕とはちょっとだけ違うお話しかな?」
マミ「いい?みんな、始めるよ?」
「はーい!」
マミ「そのお話しはね?まだ先生が子供の頃で―」
―――
ほむら「………」
杏子「ほむら、何してんのさ?」
ほむら「星を眺めていたの」
杏子「星?」
ほむら「ほら、見てみて?」
杏子「あっ…」
ほむら「綺麗でしょ?」
杏子「うん…そうだな…!」
ほむら「………」
杏子「でもどうしたのさ?星なんか眺めちまって」
ほむら「…こうして見ていると、彼女を感じることができるの」
杏子「……そっか」
ほむら「………」
杏子「…そういや、今日は七夕だっけ?」
ほむら「そうね」
杏子「七夕ねぇ…たしか織姫と彦星が1日だけ会える日なんだよな」
ほむら「ええ、夫婦の2人がたった1日だけ再開できる特別な日」
杏子「なんで夫婦なのに1日だけしか会えないんだろうな?」
ほむら「…たった1日だけでも会えるのなら……」
ほむら「それだけでも…十分羨ましいわ」
杏子「ほむら…」
キュゥべえ「不思議だね」
杏子「ん?キュゥべえか」
キュゥべえ「1日でも会うチャンスがあるのなら、そのまま一緒にいればいいじゃないか」
キュゥべえ「なのにどうしてまた離れ離れになってしまうのかな?」
杏子「さあね…ま、年に一度天の川で、ってのがロマンチックなんじゃないの?」
キュゥべえ「わけがわからないよ、会いたいのなら会えばいいじゃないか」
ほむら「会いたくても会えない…単純なことよ」
キュゥべえ「それなら僕と契約して祈ればいい」
キュゥべえ「きっと2人はずっと一緒にいられる」
キュゥべえ「ハッピーエンドってやつじゃないのかな?」
杏子「あんたは何にもわかってないね、それじゃロマンがないじゃん?」
キュゥべえ「ロマン…ね。君たち人類は本当によくわからないよ」
キュゥべえ「そもそもロマンって何なんだい?」
杏子「そのくらい自分で考えな」
キュゥべえ「やれやれ」
杏子「まぁ…ヒントくらいならくれてやるよ」
キュゥべえ「ヒント?」
杏子「ああ、ほむらを見てみなよ」
キュゥべえ「ほむらを?」
ほむら「………」
キュゥべえ「わけがわからないよ、ただ黙って星を眺めているだけじゃないか」
杏子「ただ眺めてるだけじゃないんだって」
キュゥべえ「そうなの?」
ほむら「………」
マミ「みんなー」
杏子「おっ、マミじゃんか。どこ行ってたのさ?」
マミ「ふふっ。これの準備をしていたの!」
杏子「準備?」
マミ「じゃーん!」
杏子「あっ、これって…」
キュゥべえ「これは何なんだい?」
マミ「短冊よ!」
杏子「へぇ…懐かしいな」
キュゥべえ「短冊?よくわからないよ」
キュゥべえ「これは何につかうのかな?」
マミ「ふふ、短冊はね?願い事を叶えてくれるのよ!」
キュゥべえ「願い事を…?」
マミ「うん、そうよ。願い事を叶えてくれるの」
キュゥべえ「へぇ…こんな紙切れが僕たちの力と似たシステムを持っているんだ」
キュゥべえ「なかなか君たちの国は面白いね」
マミ「どう?凄いでしょ?」
キュゥべえ「でも本当に願い事が叶うのかな?」
キュゥべえ「紙切れで願い事が叶うのならインキュベーターはいらないよ」
杏子「何拗ねてんだよ」
キュゥべえ「別に拗ねてなんかないよ、ただ気になっただけだ」
杏子「ふーん?」
マミ「キュゥべえ、この願いはたしかにあなたのように確実に叶うとは限らないわ」
キュゥべえ「だろう?」
マミ「でもね?信じていれば何時かきっと叶うはずなよ」
マミ「私はそう信じてるから…!」
キュゥべえ「そうなんだ」
マミ「ね、佐倉さん?せっかくだし願い事を書いてみましょうよ」
杏子「願い事…ね。あたしは魔法少女になった時点で願い事を1つ叶えてるんだ」
キュゥべえ「僕の力でね」
杏子「だからさ、これ以上望むのは野暮ってやつなんじゃないの?」
マミ「そうかしら?私はそうとは思わないわよ?」
杏子「……」
マミ「それに、何かを願うのは悪くないことだと思うわ」
マミ「あたなもそう思うわよね?暁美さん」
ほむら「………」
マミ「暁美さん?」
ほむら「あっ…マミ」
マミ「暁美さんもそう思うわよね?」
ほむら「…ごめんなさい、話を聞いてなかったわ」
マミ「あら?そうだったの?」
杏子「ほむらはずっと星を眺めてたからね」
ほむら「ええ、天の川よ」
マミ「星を…あっ!たしかに綺麗ね…!」
マミ「綺麗なミルキーウェイ…!」
ほむら「………」
マミ「暁美さんは何かを感じているの?」
ほむら「…こうして星を見ていると、彼女が星の向こうにいるような気がするのよ」
ほむら「そして向こうで彼女が笑顔で私たちを見守ってくれている…そんな気がするわ」
ほむら「いえ、きっとそうだって信じてるわ」
マミ「そう…暁美さんは信じているのね」
ほむら「ええ…!」
杏子「星の向こう側…ね」
杏子「ひょっとしたら、星の向こう側にあいつもいるのかもしれないな…!」
キュゥべえ「星の向こう側には僕たちの故郷があるよ」
キュゥべえ「それに、君たち人類なんていやしないよ」
ほむら「………」
杏子「ほんとわかってねぇな」
マミ「もう、キュゥべえにはロマンの良さがわからないのね?」
マミ「ロマンのない男子は嫌われちゃうぞ?」
キュゥべえ「え?僕は本当のことを話しただけだよ?」
キュゥべえ「それに僕には性別なんてないんだけどな」
マミ「それでもよ」
キュゥべえ「わけがわからないよ…」
マミ「さーて、ロマンのないキュゥべえはほっといて、私たちは短冊に願い事を書きましょうよ!」
キュゥべえ「えっ?酷いよ、マミ!」
ほむら「………」
マミ「はい、暁美さんの分よ」
ほむら「短冊…」
マミ「ええ、それに願い事を書きましょう?」
マミ「そうすれば、暁美さんの願いだって叶うかもしれないわ!」
ほむら「私の…願い…」
マミ「うん、暁美さんにだって叶えたい夢はあるでしょ?」
ほむら「…でも、私の夢はもう……」
マミ「大丈夫」
ほむら「えっ?」
マミ「大丈夫よ!信じましょう?きっとまた会える日が来るはずよ」
マミ「彼女に…!」
ほむら「………」
マミ「星の向こうから…ミルキーウェイから暁美さんに会いに来てくれるかもしれないわ」
マミ「だから、ねっ?信じましょうよ!」
ほむら「マミ…」
マミ「ねっ?」ニコッ
ほむら「…ふふっ、そうね」クスッ
ほむら「信じていれば、また会えるかもしれない…」
ほむら「うん、信じるわ」
マミ「ええ。はい、暁美さんの短冊よ」
ほむら「ありがとう」
杏子「……」
マミ「ふふ、佐倉さんも我慢しないで書いてみましょうよ」
杏子「…いや、でもさ」
マミ「契約して願い事を叶えることと、短冊に願い事をとじゃ話が違うじゃない?」
杏子「そりゃまあ…そうだけどさ…」
マミ「でしょ?」
杏子「でもさ、あたしは…あたしの願い事はさ」
杏子「叶わない…つーか…その、さ」
杏子「あいつともう一度だなんて…無理だし…」
マミ「あいつって…」
杏子「…マミにもわかるだろ?あいつはもう…消えちまったから…」
マミ「…たしかに、いってしまったのかもしれないわ」
マミ「円環の理に導かれて…」
杏子「だろ?だからさ…」
マミ「でもだからって、絶対に会えないと決まったわけじゃないわ!」
マミ「どんな形になるかはわからない…」
マミ「でも何時か信じていればきっと会えるかもしれないわ」
マミ「いえ、会えるはずよ!」
杏子「……!」
マミ「だから…佐倉さんも信じてみましょうよ?」
杏子「…ま、まあ…書くくらいならやってもいっか」
マミ「ふふっ。はい、どうぞ」
杏子「…な、なんか照れるなぁ」
マミ「うふふっ」
キュゥべえ「マミ、マミ」
マミ「どうしたの、キュゥべえ?」
キュゥべえ「僕も…」
マミ「えっ?」
キュゥべえ「…いや、なんでもないよ」
マミ「キュゥべえ…ふふっ」
キュゥべえ「ん?」
マミ「はい、これ」
キュゥべえ「えっ?」
マミ「ふふ、こんなこともあろうかと思ってキュゥべえの分も用意してきたの」
キュゥべえ「な、何を言ってるんだよ、マミ!」
マミ「照れちゃダメよ?キュゥべえだって自分の願い事も叶えたいでしょ?」
キュゥべえ「……」
マミ「遠慮なんていらないから、キュゥべえも書いてみましょうよ」
キュゥべえ「…ま、マミがそこまで言うなら…」
マミ「はい、ペンは持てる?」
キュゥべえ「大丈夫だよ」ピョコッ
ほむら「………」
杏子「…よし、こんなもんかな?」
マミ「さーて、私も願い事を書かなきゃ!」
杏子「マミの願い事は何なのさ?」
マミ「私?私の願い事は…」
マミ「何時までも、ずっとみんなと一緒にいたい…かな?」
マミ「高校生になっても、大学生になっても」
マミ「大人になっても…」
マミ「佐倉さんや暁美さん、それにキュゥべえもね」
マミ「こうやってみんなと仲良くしていたいわ」
杏子「マミ…」
マミ「…ふふっ、叶うかしら?私の願い…」
杏子「…ああ!」
ほむら「叶うわよ」
マミ「佐倉さん、暁美さん…」
杏子「あたし達、魔法少女はさ…こうして友達になれたんだ」
杏子「…今は3人になっちまったけどさ」
マミ「……」
杏子「でも、もうこれ以上友達を失いたくなんかない…!」
杏子「失ってたまるか!」
マミ「佐倉さん…」
杏子「だからさ、マミの願いは絶対に叶うさ」
杏子「あたしが叶えてやる!」
マミ「…ありがとう、佐倉さん」ニコ
杏子「へへっ」
ほむら「…私もよ」
マミ「暁美さん…!」
ほむら「私も…もう二度と仲間を…友達を…」
ほむら「あなた達を失いたくはない…」
ほむら「…だから、私も叶えてみせるわ」
ほむら「マミの願いを」
ほむら「そして…私の願いも…!」
マミ「暁美さん…ありがとう」ニコッ
ほむら「ふふっ」
杏子「これからもあたし達3人で頑張ろうな」
ほむら「ええ」
キュゥべえ「……」
マミ「ううん、3人と1匹ね」
キュゥべえ「…マミ」
杏子「ははっ。そっか、キュゥべえも一緒にだもんな」
ほむら「そうね」
キュゥべえ「君たち……」
幾多のキュゥマミSSを見たがいまだにこのネタを使ったキュゥマミSSはない
パターン1
マミ「あなた誰なの?」
QB「確かに “この僕” は、三時間ほど前まで君のそばにいたのとは別の個体だよそちらは暁美ほむらに撃ち殺された」
黒い魔法少女。暁美ほむら。あの女だけは、絶対に許さない。
まどか「わたしの願いでマミさんのそばにいた子を蘇生すれば、ほむらちゃんのこと許してあげられませんか?」
マミ「今日も紅茶が美味しいわ」
パターン2
QB「うううっ……マミ、どうして、死んじゃったんだよ、マミを蘇らせて欲しい」
まどか「私の願い事はマミさんの蘇生。叶えてよインキュベーター!」
パターン3
マミ「あなた誰なの?」 QB「前の個体は処分した」
QB「『前の僕』、は精神疾患を『患い』かけていたからね。『僕達』にとっては、『煩わしい』存在でもあったしね」
こんな感じの旧QB蘇生キュゥマミ魔法少女全員生存ワルプルギス撃破誰か書いてくれたらそれはとってもうれしいなって
1. 初恋ばれんたいん スペシャル
2. エーベルージュ
3. センチメンタルグラフティ2
4. Canvas 百合奈・瑠璃子先輩のSS
5. ファーランド サーガ1、2
6. MinDeaD BlooD
7. WAR OF GENESIS シヴァンシミター、クリムゾンクルセイド
8. アイドルマスターブレイク高木裕太郎
SS誰か書いてくれたらそれはとってもうれしいなって
マミ「ふふっ。よかったわね、キュゥべえ!」
キュゥべえ「…べ、別に僕はそんな…」
杏子「あははっ!照れんなって!」
ほむら「ふふっ」
キュゥべえ「……ふふ」
マミ「あ、そうそう。キュゥべえは何を願ったの?」
キュゥべえ「えっ?」
ほむら「たしかに気になるわね」
杏子「どんなんだー?」
キュゥべえ「ちょ…ちょっと!見ちゃダメだよ!」
杏子「照れない照れない」
キュゥべえ「ダメだって言ってるじゃないか!」
杏子「まあいいじゃねーかよ…っと」ヒョイ
キュゥべえ「あっ!返してよ!」バッ
杏子「ほら、マミーパス!」
マミ「オッケー」
キュゥべえ「マミっ!」ピョン
マミ「暁美さんっ」
ほむら「ええ」
キュゥべえ「ほむらー!」ジタバタ
杏子「さあほむら、読みな!」
ほむら「わかっ…!?」
マミ「何て書いてあるの?」
ほむら「…」クスッ
キュゥべえ「うわぁー!」
杏子「ほむら?」
ほむら「自分の目で確かめるといいわ」
杏子「ん?」
キュゥべえ「やめてよぉー!」
杏子「…へへ、そっか。なるほどね」
マミ「?」
杏子「マミも見てみなよ」
マミ「ええ」
キュゥべえ「期待しちゃダメだよ!全然大したこと書いてないから!」
ほむら「ふふっ、その割には慌ててるわね」
マミ「まあ!キュゥべえ…あなた、こんなことを…」
マミ「宇宙が何時までも平和でありますように」
マミ「なんて書いちゃって」クスッ
キュゥべえ「だ、だって仕方ないだろう?僕はインキュベーターなんだから!」
キュゥべえ「むしろ、宇宙の寿命の為に僕たちは存在するんだよ!」
キュゥべえ「だからそう願って当然じゃないか!」
マミ「ふふっ。はいはい、その通りね」
キュゥべえ「あー!今笑ったよね?マミ!」
マミ「んーん?笑ってないわよ」ニヤニヤ
キュゥべえ「いやいや!笑ってるじゃないか!」
杏子「幻だよ幻」
マミ「そうよ、ロッソ・ファンタズマよ」
キュゥべえ「嘘はよくないよ!」
ワイワイ
ほむら「…ふふ」クスッ
ほむら「キュゥべえ、変わったわね」
ほむら「そして私も…」
ほむら「…私たちはこうして変わることができたわ」
ほむら「それも…あなたが新しくこの世界を作ってくれたおかげよ」
ほむら「あなたが作ってくれたこの世界には…」
ほむら「たしかに、あなたの姿はないわ」
ほむら「…でも、私は信じてる」
ほむら「きっと、今もあなたは私たちのすぐ側にいてくれるって」
ほむら「私たちに優しく微笑みかけてくれているって」
ほむら「そして…何時かはまた私と…」
ほむら「………」
ほむら「本当に綺麗な天の川…」
ほむら「……?」
ほむら「!?」
杏子「ん?どうしたんだよ、ほむら?」
杏子「流れ星でもあった?」
ほむら「…ううん」
杏子「?」
マミ「まあ!さっきよりも夜空がとっても綺麗になってるわ!」
キュゥべえ「星のみんなも見ているのかな?」
杏子「たしかにすっげー綺麗だな…!」
杏子「あいつも…向こうで見てんのかな…」
ほむら「……ふふっ」
ほむら「あなたはやっぱり側にいてくれたのね?」
ほむら「ありがとう…!」
杏子「えっ?誰と話してるんだ?」
マミ「暁美さん?」
ほむら「…ううん、気にしないで?」
ほむら「ただ、本当に願い事を叶えてくれるのね」
ほむら「七夕は…!」
杏子「…!」
杏子「そっか…そうだよな」
マミ「私もそう思うわ、七夕が…短冊が」
マミ「そしてあのミルキーウェイが願いを叶えてくれるのよ」
キュゥべえ「たしかに、あの星空を眺めていると」
キュゥべえ「宇宙が平和であり続けてくれるって思えるよ」
杏子「ああ…きっと、そうなんだよ」
マミ「あのミルキーウェイが私たちに魔法を書けてくれてるのかもしれないわね」
キュゥべえ「魔法を…天の川が…?」
マミ「ええ…!」
ほむら「うん…私もそう思うわ」
杏子「そうだな」
マミ「ねえ、みんな」
杏子「ん?」
キュゥべえ「なんだい?」
ほむら「……」ニコ
マミ「こうして来年も再来年もずっとずっと…」
マミ「みんなでこのミルキーウェイを見ましょうね」
キュゥべえ「うん」
杏子「ああ!」
杏子「ただ…できれば…あいつを入れた4人と1匹で…見たいな」
杏子「…いや、見られる気がする」
杏子「見れるんだ!」
杏子「そう信じてるから…!」
マミ「ええ、そうね」
マミ「絶対に見れるわよ…!」
キュゥべえ「短冊は僕たちと同じ力を持っているんだよね?」
キュゥべえ「なら大丈夫、見られるよ」
杏子「ああ…!」
ほむら「……」ニコニコ
マミ「さーて、帰りましょうか!」
マミ「今日は七夕だし、ご馳走を作ってみせるわ!」
杏子「おっ!マジで?」
マミ「ええ。ほら、暁美さんも帰りましょう?」
ほむら「ううん、私たちはもう暫くここにいるわ」
ほむら「だからあなた達は先に帰ってて?」
キュゥべえ「え?」
杏子「…!」
ほむら「お願い」ニコ
マミ「…ふふっ。ええ、わかったわ」
マミ「さ、佐倉さん、キュゥべえ。帰りましょう」
杏子「うん、そうだな」
キュゥべえ「ほむらは1人で何をする気だい?」
マミ「うふふ、なんでしょうね?」
杏子「さぁ?わかんねーや!」
キュゥべえ「?」
マミ「佐倉さん、帰ったら2人でお料理よ!」
杏子「オッケー!」
ほむら「………」ニコニコ
―――
マミ「―と言うことがあったの」
マミ「もう何年も前のお話だけど、本当のお話よ」
「じゃあ、マミせんせーと、きょーこせんせーと、ほむらせんせーのおはなしなんだ!」
マミ「うん、そうだね」
「ねーねー!マミせんせーのねがいはかなったの?」
マミ「うん!だって今もこうして杏子先生とほむら先生と…そしてみんなと一緒にいられるからね」
「なら、おそらがねがいをかなえてくれたんだー」
「まほうみたーい」
マミ「魔法…うん、そうね」
マミ「マジカル・ミルキーウェイね」
「まじかるみるきーえー?」
「なにそれー?」
「ちろひなーれのともだち?」
マミ「ふふ、マジカル・ミルキーウェイはね?」
マミ「年に一度だけ私たちの願いを叶えてくれる」
マミ「魔法のお星様なの」
「すごーい!」
「きせきもまほうもあるんだー!」
マミ「うん、奇跡も魔法もあるんだよ」
「あたしも、おほしさまにおねがいすればかなうの?」
マミ「うん、きっと叶うよ」ニコッ
「わぁー!ならおほしさまにおねがいするー!」
マミ「なら、今日の夜になったらお星様にお願いしようね」
「うんっ!」
マミ「どんなお願いをするの?」
「んーと…ないしょだよ!」
マミ「ふふ、そっか」
「マミせんせー次はなにするのー?」
マミ「次は歌を歌いましょうか」
マミ「今日はほむら先生はお休みだから、マミ先生と歌いましょうね?」
「はーい」
マミ「それじゃあ、いくわよ」
~♪
マミ「サールティー」
「ろーやーりー」
「たまりーえー」
マミ「パースティアラーヤー」
「れーすちんがー」
~♪
杏子「……マミ先生は園児に何歌わせてんだか」
杏子「ま、これも平和の1つの結果…とでも言うのかな?」
杏子「…ふふっ」
杏子「さーて、今日はほむら先生は休みだし、あたしもその分働かないとね!」
杏子「それに、可愛い園児にカッコ悪いところ見せられないからな!」
―――
マミ「んーっ…」ノビー
杏子「お疲れさん、マミ先生…いや、園長先生」
マミ「ありがとう。でも、もう園児たちは帰ったんだから」
マミ「いつも通りマミでいいわよ?杏子さん」
杏子「へへ、それもそうだね」
マミ「ふふっ」
杏子「それにしてもさ、やっぱ2人だときっついよなー」
杏子「ただでさえ3人でギリギリなのにさ」
マミ「ふふ、まぁいいじゃない」
マミ「それに、ほむらさんには七夕を心の底から楽しんでもらわないとね」
杏子「ああ、年に一度だけ…だもんな」
マミ「うん、だから今日くらいは…ね?」
杏子「そうだな」
キュゥべえ「本当に七夕は不思議だね」
杏子「うわ、ぬいぐるみが喋った」
マミ「ふふ、奇跡ね」
キュゥべえ「ちょっと!ここのぬいぐるみを全部僕に似せて作ったのは君たちじゃないか!」
杏子「あはは、ごめんな」
マミ「でも、園児には大人気よ?」
キュゥべえ「そ、そうかい?」
杏子「外見だけは可愛いもんな、キュゥべえ」
キュゥべえ「だけってなんだよ!」
マミ「ふふっ」
キュゥべえ「もー」
杏子「ははっ。さてと、あたしは庭の花に水やってくるよ」
マミ「ええ、お願い…いつも悪いわね」
杏子「いいって、いいって、仕事だしさ」
杏子「それに結構楽しいんだ」
マミ「ふふ、そっか」
杏子「んじゃ、ちょっくらいってくる」
マミ「いってらっしゃい」
キュゥべえ「いってらっしゃい」
杏子「うん、雲一つない良い天気だ」
杏子「これなら花も元気になるし」
杏子「それに今夜の天の川だって綺麗に見れるな」
杏子「それに、ほむらも…」
「―よーに!」
杏子「ん?」
「あっ、きょーこせんせー!」タタッ
杏子「あれ?まだ帰ってたかったの?」
「ううん、またもどってきたの」
杏子「ダメだよ、一人じゃ危ないよ?」
「ひとりじゃないよ?だって、きょーこせんせーがまもってくれるもん」
杏子「あはは…」ポリポリ
杏子「しかたない、帰りは杏子先生と一緒に帰ろっか」
「ほんと?えへへ、やったー!」
杏子「ふふっ…」
「きょーこせんせーといっしょー!」
杏子「…それよりも、こんな所で何をしていたの?」
「おほしさまにおねがいしてたの!」
杏子「お星様にお願い?」
「うん!マミせんせーがいってたの」
「おほしさまにおねがいすれば、ねがいがかなうって!」
「それにね?いまからずっとおねがいすれば、はやくかなうかもしれないの!」
杏子「…だから昼過ぎからお願いしてたんだ」
「うんっ!」
杏子「ふふっ、可愛い子だね」ナデナデ
「えへへー」ニパー
杏子「どんな願いをしていたの?」
「きょーこせんせーとけっこんできますようにーって」
杏子「ちょっ…えっ?」
「あたしね?きょーこせんせーがだいすきなんだもん!」
杏子「…ふふっ、そっか」
「きょーこせんせーは、あたしのおよめさんになるのだー!」
杏子「……」ニコッ
「えへへっ!」
杏子「そっか、杏子先生がお嫁さんになるんだね」
「うんっ!」
杏子「ありがとう、すっごく嬉しいよ」
「わーい!」
杏子「…でも、ごめんね」
「?」
杏子「杏子先生は女だから…」
「あっ、そっか…おんなのこどうしは、けっこんできないんだ…」
「あたしってほんとばか…」
杏子「いや、ばかじゃ…」
「ふぇ…」ウルウル
杏子「あっ」
「ふぇぇぇぇん」
杏子「あちゃー…」
「ふぇぇぇん」
マミ「大人気?どうしたの?」
杏子「あはは…マミ先生…」
「ぐすっ…あ、あたし、きょ…きょーこせんせー」
「きょーこせんせーとけっこんしたいのに…」
マミ「まあ!」
「なのに…できないって…ふぇぇ…」
マミ「…ちょっと、子どもに本気で答えてどうするのよ」
杏子「いや、だってさ…この子、あいつとそっくりだし…なんかさ…」
マミ「……そっくりだから、動揺したのね?」
杏子「ああ…」
マミ「もう、しかたないわね」
「ふぇぇぇぇん」
ほむら「大丈夫だよ」
「ふぇ…?」
杏子「あっ」
ほむら「大丈夫、大丈夫だから」ナデナデ
「うぅ…ほむらせんせー…」
マミ「ほむら先生…帰ってきたの?」
ほむら「うん、ただいま」
杏子「もういいのかよ?まだ昼過ぎだぜ?」
ほむら「大丈夫、彼女もいるから」ニコ
杏子「!」
マミ「…そっか、側にいるのね?」
ほむら「ええ」
「うぅぅっ…」
ほむら「よしよし」ナデナデ
「うー…」
マミ「それにしても大丈夫って…どうして?」
杏子「いくら子どもにだからって、嘘はよくないぜ?」
ほむら「嘘じゃないわ、願うのよ」
杏子「!」
ほむら「だって今日はたな―」
「たなばただからおねがいすれば、いいんだ!」
「だって、おほしさまがかなえてくれるんでしょ?」
ほむら「うん、そうだよ」
「おしえてくれてありがとう、おねーちゃん!」
杏子「えっ?」
マミ「お姉ちゃん…?」
「えへへ、お姉ちゃんの笑い方かわいいね!」
「まねしちゃお!」
「てぃひひっ!」
ほむら「……!」
ほむら「ふふっ、うん。そっくりだよ」
数時間後
ほむら「もうすっかり夜ね」
「すー…すー…」
マミ「結局、この子…天の川見るって帰ろうとしなかったわね」
杏子「そう言うとこも含めて、あいつにそっくりだよな」
マミ「ふふ、そうかもね。それに上条さんは杏子先生になら安心して預けられるって言っていたわ」
杏子「親がそう言ってるのなら、あたしが面倒みるしかないじゃんか」
ほむら「とか言って、本当は面倒見れて嬉しいんでしょ?」
杏子「うっ」
ほむら「それに、この子に嫁になるのだー!って言われたときの杏子先生」
ほむら「満更でもなさそうだったわよ?」
杏子「み、見てたのかよ?」
ほむら「ええ、2人でね」
マミ「ふふ、そっか」
杏子「な…なんか恥ずかしいじゃんかよ…」
ほむら「ふふっ」
「ん…」
杏子「あっ、おはよう」
「んん…あっ、きょーこせんせー!」
マミ「もうすぐ天の川が一番よく見えるよ?」
「マミせんせー!」
ほむら「さっ、お外にでましょうか」
「ほむらせんせー!」
「おねーちゃん!」
「えっ?あ!うん!あたしもとりたいー!」
杏子「どうしたの?」
「おねーちゃんが、みんなでしゃしんとろーって!」
ほむら「そうね、みんなで記念撮影をとりましょう」
マミ「うん、ミルキーウェイをバックに…綺麗な一枚になると思うわ」
杏子「オッケー、んじゃカメラ持ってくるぜ
「あっ、あたしもいくー!」
杏子「うん、いいよ。一緒に取りにいこうね」
「わーい!」
キュゥべえ「写真をとるようだね」
マミ「あら、キュゥべえ」
キュゥべえ「なら僕も一緒にとらせてもらうよ」
ほむら「構わないけれど、キュゥべえはカメラに写るのかしら?」
キュゥべえ「あっ、そっか…」
ほむら「…そうね、あなたもカメラには…」
ほむら「えっ?信じようよって…」
ほむら「…うん、そうね」
ほむら「こうして今あたなと一緒にいることも」
ほむら「あの子が生まれ変わったのもみんな」
ほむら「あの日、そう願ったから…そうよね?」
ほむら「うん…!」
キュゥべえ「ほむらは何を話しているんだい?」
マミ「ふふ、つまりね?信じていれば奇跡は起こるってことよ」
キュゥべえ「…そっか、なるほどね」
マミ「だからキュゥべえも信じましょうよ」
キュゥべえ「うん、わかったよ」
ほむら「あなたは真ん中に…えっ?端っこでいいの?」
ほむら「でも、せっかくなんだから…え?あの子を真ん中にしようって?」
ほむら「…うん、そうね」
杏子「おーい!」
「カメラもってきたよー!」
ほむら「来たようね。さっ、とりましょうか」
マミ「ミルキーウェイをバックにね」
「わぁー!」
杏子「やっぱり綺麗だな…!」
ほむら「うん…!」
マミ「ええ…!」
「おねーちゃんもすっごくよろこんでるね」
「うぇひひ!あたしもたのしーよ!」
キュゥべえ「今の僕にならその気持ちがわかるよ」
杏子「よし…タイマー完了っと」
マミ「場所はこれで大丈夫ね?」
「あたし、きょーこせんせーのそばがいい!」
杏子「ふふっ。うん、いいよ」
「やったー!」
キュゥべえ「僕はマミの肩がいいな」
マミ「ええ、おいで。キュゥべえ」
ほむら「私たちはここでいいわよね?」
「おねーちゃんはほむらせんせーがだいすきなんだね!」
「あーっ!おねーちゃん、かおがあかいよ?」
「てぃひひっ!おもしろーい!」
杏子「そろそろだよ」
マミ「ね、フラッシュと同時に願い事言ってみない?」
マミ「たぶん、みんな同じ願い事だと思うから」
ほむら「そうね、私たちも賛成よ」
キュゥべえ「おもしろそうだね」
「あたしもいいたーい!きょーこせんせーもいっしょだよ!」
杏子「うん、わかったよ」
マミ「ふふ、ありがとう。みんな」
マミ「いくわよ―――」
カシャッ
―――
~♪
「ん?電話だ」
「もしもし?」
『あっ、上条さん。今時間大丈夫?』
「えっと…この後用事があるけど今は大丈夫、どうしたの?」
『ほら、この前上条さんが家にアルバム持ってきてくれたでしょ?』
「うんうん、持ってったね」
『そしたら上条さん全部忘れて帰っちゃうんだもーん』
「あっ、ごめんごめん!持って帰るのわすれてたわ」
『これで忘れ物したの何度目よ?』
「えーと…三回くらい?」
『バカ!もう両手で数えられないくらいよ』
「えっ?まじ?」
『まじよ、まじ』
「あはは、あたしってほんとバカ!」
『もー、次からは気をつけてよね?』
「りょーかい!」
『でさ、ちょっと聞きたいことがあるんだけど』
「ん?なに?」
『先に謝るけどごめんっ!アルバム全部見ちゃった!』
「あー、いいよいいよ。ぜんぜん見ちゃってオッケー!」
『ありがと、でさ?アルバム見てて気になったんだけど』
『マジカル・ミルキーウェイってなに?』
「なにって…アルバムの名前だけど?」
『ならもっと分かりやすいタイトルにしなよー?』
「えー?まんまじゃん」
『まんまって…』
「魔法の天の川」
『いや、天の川は写真見ればわかるけどさ』
『魔法は関係なくない?』
「関係ないかと思った?残念!関係あるのだー!」
『えー?どうして?』
「見てわからない?」
『…もしかして、この人たち魔法使えるの?』
「えっ?」
『この人たちってさ、上条さんの幼稚園の先生たちだよね?』
「うん、あんたも会ったことあるでしょ?」
『まあね、あんたとよく一緒にいるし…とくに杏子先生だっけ?赤毛のさ』
「うんうん、杏子先生だよ」
『上条さん、未だに杏子先生とかなり仲良いもんね』
「えへへー、まあねー」
『でもさ、もう卒園して10年近くたつじゃん?あたしらもう中2よ?』
「うん、そうだね」
『最初は最近、大学とか卒業して幼稚園の先生になったばかりかと思ってたのに』
『杏子先生も、マミ先生も、ほむら先生も若すぎない?』
『全然年取ってるように見えないんだけど…』
「んー…言われてみればそうだけど…」
『それにこのピンクの女の子なんて、あたしらと同い年くらいにしか見えないよ?』
「だよねぇ」
『だよねって…上条さんが幼稚園の頃から毎年、七夕に写真取ってるっぽいけど』
『普通10年も外見変わらないとかあり得なくない?』
「あはは、奇跡も魔法もあるんだよ!」
『奇跡も魔法も…ねぇ』
「信じれば起きるんだよなー、これが!」
『…そう言うものなのかな?』
「そう言うものなの!」
『そっか、まぁ…そう言うことにしとくね』
「うんうん」
『他にもさ、マミ先生の肩に乗ってるぬいぐるみもいつも同じなんだね』
「あれはマミ先生のお気に入りだからね」
『そっか』
「そうそう」
『んじゃ、最後に聞いてもいい?』
「うん、いいよ」
『ほむら先生の横にいる女の子さ、何で七夕の時にしか写真に写ってないの?』
『上条さんが杏子先生達と一緒に写ってる写真はめちゃくちゃあるけどさ』
『この女の子だけ、どうして七夕の時にしかいないわけ?』
「それは…」
『それに、外見が中学生くらいのままから全然変わってないのがさ…』
『…何者なの?』
「……怖い?」
『えっ?いや、たしかに気にはなるけど怖いわけないじゃん』
『だってすっごく可愛い笑顔なんだよ?』
「あはは!そうだよね!」
『うん、でもやっぱり気になるのは気になるんだよねー』
『誰なの?』
「あたしも、名前は知らないんだ」
『えっ?知らない?』
「うん」
『な…なんでっ?毎年一緒に写ってるんだよ?』
「その子は、ほむら先生の…」
『え?』
「ほむら先生の織姫だから」
『…はぁ?』
「年に一度、七夕の時にだけ会いに来てくれるんだ」
『……本気で言ってんの?』
「うん」
『織姫って…七夕じゃあるまいし…』
「いやいや!七夕じゃん!」
『あ、そうだけどさ…その、何て言うか…あれは作り話でしょ?』
「わかってないなぁ」
『えー?』
「たしかに作り話かも知れないけどさ、もしかしたら本当の話しかもしれないんだよ?」
『そうかなぁ?』
「そこにロマンがあるんだよ!」
『ロマンねぇ…』
「そして、あたし達にも実際に来てくれるんだよ」
「織姫がさ」
『織姫…』
「ね?なんかそう考えた方が素敵でしょ?」
『うん…そうかもね』
「でしょ?でしょ?」
『うん…!』
「ねっ?なんなら今から呉さんも来てみない?美国さんも誘ってさ」
『えっ?』
「あたし、今から杏子先生達に会いに行くんだ」
「そしたらさ、織姫にも会えるかもよ」
『ほんと?』
「うん。だからさ、おいでよ」
「あたし達の七夕に」
「マジカル・ミルキーウェイにさ!」
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