けいおん!の短篇集
スレタイのままです
形式はゆるゆりの某短編SSに影響を受けていますが、そこの1とは無関係です
多謝
大学生の律梓、唯純がそれぞれアパートの一室で暮らしている
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1386322427
第1話 さむい
唯「寒いねー」
純「そっすねー」
唯「もー、こんな寒い日に買い物行こうなんて言ったのは誰だー!」
純「先輩です」
唯「まったく、すぐ人のせいにして、純ちゃんはー」
純「あー。そこのコンビニで肉まん買ってこうかと思ってたけど、やっぱりやめとこっかな」
唯「ああん、ごめんなさーい!……ううっ、さむさむー」
純「寒いっすねー」
唯「純ちゃんや」
純「はい?」
唯「ぴと」
純「手つめたっ。ちょっと、コラ! なにすんの!」
唯「わははー!くっつきあえば暖かろうなのだー!」ぎゅー
純「やめてください、コラ、ちょっと!」じたばた
唯「もこもこー!」
純「もこもこ言わんでくださいー!もおーっ」
梓「純……」
純「あ、あずさっ。いつからそこに!?」
律「往来でお熱いことですねー、あっついあっつい」
唯「りっちゃん!?」
純「あ、え、えっと、二人も買い物?」
梓「うん……行こっか、律先輩」
律「ほいよ。人前でいちゃつくのもほどほどになー」
唯純「……」
純「あー。肉まん、食べましょうか」
唯「うん、そうだねー」
純「先輩、やっぱり荷物ひとつくらいもちますよ」
唯「いいよべつにー」
第1話 師走 終わり
第2話 冷たい
律「しっかしさー、唯は相変わらずだなー」
梓「純はなんか変わった気がします」
律「でも仲良きことはいいことだよなー、うん」
梓「羨ましいんですか?」
律「いや、私はあそこまでする気にならん」
梓「ですよねー」
梓「だけど唯先輩もちょっとは変わったのかもしれませんよ」
律「唯が?」
梓「昔の唯先輩なら、あーいうとこ見られても照れてなかったと思うんです」
梓「やっぱり恋をすると変わるのかな」
律「え? 唯照れてたっけ?」
梓「明らかに照れてたじゃないですか。目が泳いで無口になって後頭部いじってたし」
律「……よく見てんなー」
梓「先輩、また焼き餅やいてる」
律「焼いてません。それよりさー、あずさー」
梓「はい?」
律「スーパーの袋、ひとつくらい持ってくんね?」
梓「いやですけど?」
律「ですよねー」
第2話 冷たい 終わり
第3話 楽しい大学軽音部―野球拳編
~軽音部室~
ガチャ
唯「やっほー、遅れてごめーん」
澪「唯、面倒なところに来たな」
梓「……」
律「……」
唯「どうしてりっちゃんを床に正座してるの? 修行?」
唯「どうしてあずにゃんはスカートで脚組んでるの? サービス?」
紬「それがね……」
澪「梓のいない飲み会で律が『野球拳』をしたことが問題になってるんだ」
唯「やきゅーけん? やきゅーけんって、あの『やーきゅーうーすーるーならー』……」
梓「……いかがわしいことをしたと言って怒ってるんじゃないです、分かってますか律先輩。」
梓「何故私がその場にいなかったのかと言ってるんです。」
梓「私なら先輩を生まれたままの姿にしてあげたのに……」
唯「なるほど、めんどくさいところに来ちゃったみたいだね」
澪「だろ?」
律「あのー、下着くらいは残してほしいなー、なんて……」
梓「誰が口を利いていいと言いました!」
律「はい……」
唯「んー、私ならりっちゃんより、晶ちゃんと野球拳やりたいなー」
晶「おいコラやめろ私をそっちの騒ぎに巻き込むな」
菖「ねーねー、あずにゃんちゃんさー、靴下は残したほうがよくない?」
梓「私もそう思ってたところです」
律「え、なに、なんなの? 私今からここで脱がされるわけ?」
梓「そうされたいですか?」ニッコリ
唯「あ、晶ちゃん、脱ぐのってロッカーぽくない?」
晶「私らのバンドはそういう方向性じゃねえよ!」
純(このカオスの中でつくづく思う……)
純(私って普通の人だよね)
幸「鈴木さん、よかったらお菓子どうぞ」
純「あ、ども」(あんまり話したことないけど、この人はまともそうだな……仲良くなれるかも)
幸「鈴木さん、ひとつ聞いてもいい?」
純「何ですか?」
幸「鈴木さんは脱ぐのと脱がすの、どっちが好きなの?」
純「アナタも連中の仲間か!」
第3話 楽しい大学軽音部―野球拳編 終わり
だいたいこういう感じです
>>1に書き忘れたけど、たぶん唯純、律梓に関係ない話も書きます
第4話 夜食を欲する先輩
唯「ねー、純ちゃんや。ピザって10回言ってみて?」
純「今Dr.スランプ読んでるんですけど」
純「ピザピザピザピザピザピザピザピザピザピザ」
唯「じゃあ、私がいま食べたいものは?」
純「……ピザ?」
唯「大正解! ぱんぱかぱーん!」
唯「見事正解した純ちゃんには、ピザを注文する権利をあげましょう。わーい」
純「えー」
唯「…だめ?」
純「先輩も私も今月厳しいって話したばかりじゃないですか。節約しないと……」
唯「そんなあー。そこをなんとかお願いできないでしょうか」
純「宅配ピザ一枚分のお金でお菓子山ほど買えますよ? 後でチョコかなにか買ってきますから」
唯「甘いものじゃないのー!ピザが食べたーい!」
純「えー……あ、そうだ。自分で作るのはどうです?」
唯「なんと! ピザって作れるんですか!」
純「小麦粉もチーズもあるし、たぶん大丈夫でしょ」
純「こないだ梓も家で作ったって言ってましたもん」
唯「そっかー、あずにゃんが作れるなら私たちでも大丈夫かなー」
純「そうですよ、梓が作れるんだし私たちでもできますよ」
唯「よーし、やっちゃいますか!」
純「私あれやってみたかったんですよねー、生地を回して延ばすやつ」
ピザはできませんでした。
第4話 終わり
第5話 指先からレッド・アイ
純「痛っ」
唯「どしたの純ちゃん」
純「紙包丁で指切っちゃいました。いてて」
唯「貸して、消毒しなきゃ」
純「消毒って……」
唯「ちゅ」
純「なにするんですか!? ばっちいですよ!」
唯「純ちゃんにばっちいとこなんてないよ。それに大事な純ちゃんの指に傷が残ったらたいへんだからね」キリッ
純「……きゅん」
純「ってなるかー!ほら、洗って絆創膏巻くから放してください」
唯「ぶー、恋人になったらこういうことするの夢だったのにー」
純「はいはい」
純「……っていうことがあったんだけどね」
梓「なんだそれ」
純「あのときはああ言っちゃったけど、正直唯先輩に指なめてもらえてドキってしたんだ……」
純「あ、ごめ、やっぱ今のなし///」
梓(なにこの子)
純「梓はそういう話ないの?」
梓「えー…」
梓「っていうことがあったんですけど、律先輩は私の血を舐めれますか」
律「なに言ってんのこの子」
律「まー、普通に消毒した方がいいと思うけど……梓がそうして欲しいならしてもいいよ」
梓「へー」
律「梓はどうなの?」
梓「は?なんで私が律先輩の指のことなんか心配したりしなきゃいけないんですか」
律「おいこら。そんな他人ごとみたいにな、お前」
梓「愛があっても他人はひとなんですよ……」
律「愛はあるのか」
梓「はい」
律「……」
梓「胸キュンしました?」
律「いや……」
第5話 終わり
第6話 兄
唯「そーなんだよー、わかんなくってさー。今度英語教えてよー」
純(唯先輩がずっと電話してる)
唯「あ、私もとろろ蕎麦好きー」
純(相手は誰だろう…)
唯「3人でセッションとかしちゃう?」
純(軽音部の人?)
唯「バカリズム? ううん、知らない。あのねー、憂が好きって言ってたのは、バナナ……そう、バナナマン!」
純(話題がつかめねえ)
唯「じゃあ今度ライブ観に来てよ。あ、お蕎麦屋さんも連れてってね」
唯「じゃ、またねー」ピッ
純「もー、部屋で二人きりなのにずっと電話される身にもなってくださいよ」
唯「ごめん、ごめん。さびしかった? よしよし、ギューッとしてあげよう」
純「で、誰と電話してたんですか?」
唯「お兄ちゃんだよー」
純「あれ? 唯先輩、お兄さんなんかいましたっけ」
唯「なに言ってるの、純ちゃん」
唯「純 ち ゃ ん の お兄ちゃん だよ?」
純「ははは、ちょっとそんな冗談……」
唯「お兄ちゃんもベースやってるんだってねー」
純「いつ知り合ったんですか!!聞いてないですよ!!」
唯「えへへ、ちょっとねー。お兄ちゃんと私は友達だから!」
純「いや、ちょっと、ほんと、マジで、ええ、マジなんですか?」
唯「純ちゃん汗かいてるー。あ、お兄ちゃんのこと、私もお兄ちゃんって呼んでいい?」
純「もうすでに呼んでるっていうか……この話やめません?」
唯「あ、そっか。純ちゃんは『あっちゃん』って呼んでるんだもんね」
純「兄の話はやめましょう」
唯「ねーねー、ちっちゃい頃、お兄ちゃんと結婚するって言ってたってほんと?」
純「やめろ!」
第6話 終わり
第7話 年末
梓「あー」ゴロゴロ
律「梓ー、せっかくの年末なんだから元気だせよ」
梓「元気ですにゃん」
律「そうは見えないぞ」
梓「あずにゃん元気でちゅう」
律「ちゅうってどこから出てきたんだよ」
梓「あー、ミカン取ってください」ゴロゴロ
律「梓は年々唯に似てくるな……ていうか唯にこの様子を見せてやりてえ」
梓「ダメです。唯先輩の前での中野梓はマジメでかわいいあずにゃんなんですから。このキャラは崩せません」
律「キャラって言ったか。ああ、昔のかわいい梓よいずこ」
梓「今もかわいいですよ?」
律「……よく考えたら昔から別に可愛くはなかったような、そうでないような」
梓「あ?」
律「なんでもねっす」
梓「あー」ゴロゴロ
律「おい、しゃっきりしろって。荷造りして実家帰るんだろー。ほら、手伝ってやるから」
梓「だるい……帰りたくないですー……」
梓「同性の先輩とレズ同棲してる娘に気を使って理解を示そうとする母親との会話がつらい……」
律「あー。ふーん、はあ。なるほど。ふーむ」
梓「先輩の家はどうなんですか」
律「うちの親は別に……そういえば『梓ちゃんと一緒にお風呂入りたい』とか言ってたな」
梓「律先輩のうちの子になろうかな」
律「どこに魅力があった。言っとくが父親の台詞だぞ」
梓「私、気にしないです」
律「私が気にする!っていうか気にしろ!」
第7話 終わり
第8話 しりとり
唯「純ちゃん、しりとりしよう!」
純「負けませんよ」
唯「コアラ!」
純「ラッコ」
唯「コアラ!」
純「ラッコ」
唯「コアラ!」
純「ラッコ」
純「コアラ!」
梓「もう、ふたりとも!それじゃいつまでたっても勝負がつきませんよ!」プンプン
澪「(梓がまたわかりきったツッコミを入れている)」
紬「(梓ちゃんがまた言わないでいいことを……)」
律「(うちの子がまた余計なことを)」
唯「あはは、そっか~。あずにゃんもいっしょにやる?」
梓「し、しかたないですねえ~」
純「(梓、しりとりがやりたかったんだな)」
唯「じゃあ、あずにゃんからね。はい、どうぞ」
梓「シド・ヴィシャス」
唯「す、す、す…スイカ!」
純「カメ」
梓「雌(めす)」
唯「す~……ストロベリー」
純「……椅子(いす)」
梓「煤(すす)」
唯「また『す』…? す、すごろく!」
純「……クスクス」
梓「スイス」
唯「!? うわーん! もう『す』で始まるのないよぉ~!」
純「こら、あずさぁ!うちの唯先輩をいじめないで!」
梓「そ、そんな私はなにも……そんな……」オロオロ
律「(うちの子がまたいらんことを…………)」
第8話 終わり
第9話 呼び名
梓「ねーねー、りっちゃん。」
梓「あ……すみません、律先輩。人前でりっちゃんと言ってしまいました」
純「梓、二人きりのときは先輩のこと、りっちゃんって呼んでるんだ…」
澪「あの梓がなあ…」
梓「恥ずかしいです」
律「え?なんでそういう意味わかんない嘘つくの?」
律「りっちゃんなんて呼ばれたこと一度もないんだけど」
梓「一度くらいあるんじゃないですか」
律「ねえよ」
紬「…そうよ、ここは一つ呼び方を普段と変えてみるのもいいかもしれない!」
唯「おお、ムギちゃんいいねえ!」
律「うちのほのぼの組がまたおもしろいこと言い始めたぞ」
純「(そのほのぼの組ってどこからどこまでが入ってるんだろ)」
唯「じゃあ私は普段りっちゃんって呼んでるから……律!」ビシッ
律「唯に呼び捨てにされるとなんか不思議だな」
唯「ムギ!梓!純!」
澪「新鮮な感じだ……」
紬「えへへ」
梓「ムギ先輩はうれしそうですね」
純「わたしたまに純って呼ばれてるから別に違和感ないかなー」
梓「え、ほんと?」
純「うん」
紬「私は唯ちゃんのこと、『唯』って呼ぶね、唯ちゃん!」
律「唯ちゃんって言ってるぞ」
紬「あれ?」
純「なら私は先輩方のこと、澪ちゃん、ムギちゃん、りっちゃんって呼ぼっかな」
梓「……りっちゃんはだめ!!!」
純「ごめん、あずにゃん……」
第9話 終わり
第10話 好きなところ
唯「純ちゃん純ちゃん、純ちゃんは私のどんなとこが好き?」
純「えーっと」
唯「私はね、モコモコの髪とー」
純「先輩が言うんですか」
唯「あとねー、優しいとことー、話しかけてもたまに無視するとことー」
純「すみません」
唯「えっとねー、あとねー」グウウウウッ
純「おなか?」
唯「ごはん大盛りにしてくれるとこも好き!」
純「食事にしましょうか…」
唯「わーい!」
第10話 終わり
第11話 好きなところ2
律「なー、梓は私のどこが好きなんだ?」
梓「は?好きであることが前提ですか?」
律「それ前提にしちゃいけないのかよ!」
梓「冗談です」
律「で、どうなの?」
梓「これはなんの嫌がらせなんです?」
律「ありきたりなイチャイチャがしたいだけなのに、なんでこんな険悪な雰囲気がかもしだされるんだよ…」
梓「失礼。先輩はそんなこと言うキャラだと思ってなかったんで」
律「キャラとかそういう話じゃなくて……」
梓「なんでまた急に」
律「だって、梓ったらギターのことばかりであたしにかまってくれないし……もう愛してないのかなって……くすん」
梓「そういうのいいから」
律「はい。なんか唯がそんなこと話してるの聞いたから、なんとなくです」
梓「ふーん。また考えなしに人まねですか。どうせそんなことだろうと思いました、このグズ。ろくでなし。先輩の行動には主体性が感じられません」
律「だからなんでそんなに険悪なんだよ!?」
梓「そもそも、どこが好きなんて聞かれて、答えられるものでもないですよ」
梓「部分とか特徴じゃなくて、律先輩が律先輩だから好きなんです」
律「お、おお…なんだ急に///」
梓「先輩はどうなんです?」
律「私も、梓が梓だから、かな……」
梓「そこはまじめに答えろよ」
律「ん!?」
第11話 終わり
第12話 せいぎのそろばん
律「…………」ピコピコ
梓「朝から死んだ目でなにやってるんですか?」
律「ドラクエ3……レベル上げと種集め……」
梓「ああ、それで死んだ目を……ひょっとして徹夜でやってました?」
律「……」
梓「ふうん……先輩の身体ですから、べつに好きにすればいいですけど」
梓「私と会話中とかにちょっとでも眠そうな素振り見せたら気絶するまで殴りますよ?」
律「愛がない……」
梓「これって今どこプレイしてるんですか?」
律「一度クリアして、裏ダンジョン行くとこ」
梓「ていうかこのパーティー、リツにミオにムギにユイって」
律「ふっふっふ。見ろ、このステータス画面を。私以外全員セクシーギャルだ!」
梓「うわっ。ムギ先輩にガーターベルトとかやめてくださいよ!すけべ!先輩はどうせむっつりスケベなんでしょ。それとも人間のクズ?」
律「ねえよそんな性格。女キャラはむっつりスケベならねえし。勇者は『ごうけつ』だ」
梓「なんだ、律先輩のくせに生意気に性別女でプレイしてるのか……ところで、先輩?」
律「(あ、これなんか怒られるときの声だ)」
梓「なんでこのパーティー、アズサがいないんですか?」
律「いえ、あの、これ4人パーティーだし、その……」
梓「は? 卒業は終わりじゃないこれからも仲間だからって嘘だったんです?」
梓「え? 抜かすなら自分抜かせばいいじゃないですか。もしくは澪先輩。なんで私だけボッチですか。そうですね。はい。年下ですもんね。ナマ言ってすいません。仲間気分とか調子乗ってました、冒険の旅に中野はいらんですよね、ハイすいませーん」
律「ちょちょちょ、ストップ!怖えよ、顔とかいろいろ!あと澪になんの恨みがあるんだ!」
梓「なんですか、田井中先輩」
律「微妙に距離を置き始めるな。その、仲間はずれとかじゃないから……」
梓「え?」
律「最初はアズサも登録して連れて行こうと思ったんだけど、もしお前が死んじゃったら、ゲームのなかのこととは言え、私耐えられないなって思って……それで…」
梓「先輩……ごめんなさい、私……」ジーン
梓「先輩がそんなに私のこと大切に思ってくれてたなんて……なのに疑ったりしちゃって……ぐすっ」
律「へへ、いいよ」
梓「先輩、大好きですぅ~」ウワーン
律「よしよし」
梓「ところで先輩」
律「急に素にもどんな」
梓「ちょっと街でてラーミア乗ってくれませんか?」
律「え。なっ、なんで」ドキッ
梓「いえ、もしも世界の片隅に『アズサバーク』って名前の街があったらちょっと許せないなと思って」
律「まじスイマセンした」
第12話 終わり
第13話 人生ゲーム
純「ただいまー。いやー、遅くなっちゃってー」
唯「おかえり」カタカタ
純「えっ」
純「先輩……なにやってるんですか……?」
唯「じんせいゲーム」カタカタ
純「(ひとり人生ゲーム……しかもプレステとかじゃなくてボードゲームだ)」
純「(絵面的にかなりやばい。近づきたくない)」
唯「あ、こどもうまれた。わーい」カタカタ
純「ずっとやってたんですか?」
唯「ずっと」カタカタ
純「楽しいですか?」
唯「……」カタカタ
純「(楽しくないんだ)」
唯「……」カタカタ
純「先輩、ひょっとして私帰ってくるの待ってました?」
唯「人生ゲーム。やりたかった。ひとり。かなしい。純ちゃん。こない」
純「先輩……」
唯「だって、だってだって!純ちゃん、すぐ帰ってくると思ったのにね、帰ってこないんだもん……ぐすぐす」
唯「うえぇ~ん!純ちゃんとやりたかったのにぃ~!」バンバン!
純「先輩……今からいっしょにやりましょ?ね?」
唯「うん……ぐじゅぐじゅ……でももうちょっと飽きたかも……」
純「……私帰ってくるまでに何回やったんですか?」
唯「5回」
第13話 終わり
第14話 晶と純
部室
晶「……」
純「(うわー、晶先輩と二人きりって緊張するなー。このひととあんまり話したことないんだよな)」
晶「おい。茶、いるか?」
純「ありがとうございます(結構いい人だな)」
晶「……」ズズ
純「……」ゴクゴク
晶「なあ……鈴木さん?一つ訊いてもいいか」
純「あ、はい」
晶「前から気になってたんだけどさ……」
純「はい」
晶「お前らってレズなの?」
純「なんすかその質問はっ!!!!??? 違いますよ!!!!」
晶「えっ、ちがうのか!?同性愛者じゃねーの?だ、だってお前…」
純「あ、あー。あー。うん、まあ。うん。」
純「いや、私は男の人のが好きですよ?」
晶「??????」
純「そんな露骨に混乱した顔されても……。私は違いますけど、唯先輩はそうなんだと思いますよ」
晶「じゃあなんで付き合ってるわけ?いや、これ訊いていいのかわかんねーけど」
純「いいですけど……こういう話、唯先輩の前ではあんましないでくださいね」
純「私はべつに女の人が特別好きってわけじゃなかったんですけど、押し切られちゃったというか……」
晶「あー……なるほど。へー……」
純「先輩の方からすごいアプローチしてきてー、それで最初はびっくりしちゃったんですけどー」
晶「へー」
純「まああのひと結構やさしいし、あれで意外とまめで気を遣ってくれるとこもあるしー、いっしょにいて落ち着くっていうか、私のこと大切にしてくれるしー」
晶「……」
純「それにまあまあカッコイイし……///」
晶「やっぱりお前、レズなんじゃないか?」
純「違いますよ!///」
第14話 終わり
第15話 先輩の謝罪
朝
純「ん……あれ、カーテン開いてる……?」
唯「おはようございます、鈴木さん」
純「おはようございます、平沢さん。…って、なんですかそれ」
唯「まあまあ、まずは水をいっぱい。寝起きは常温の水を飲むのがいいんです」
純「あ、これはどうもご親切に」
唯「さ、どうぞこちらへ朝食の用意が整っております」
純「うわ、珍しいどうしたんですか」
唯「目玉焼きとトーストでございます。目玉焼きはバリカタです」
純「バリカタってラーメンの硬さのことじゃないの?しかもあんまり嬉しくないし」
唯「純さま、椅子をどうぞ」
純「あ、はい」
唯「トーストにバターを塗らせていただきます」
純「ジャムでお願いします」
唯「かしこまりましてございます」
純「……」もぐもぐ
唯「……」
純「先輩」
唯「はい」
純「ひょっとしてなにか言いたいことあるの?」
唯「……ごめん、純ちゃんの大切にしてたグラス割っちゃった」グスグス
純「あぁ~、なるほど……(どんだけ怒られると思ったんだろう…)」
第15話 終わり
16話 ムギ先輩
純「セミの声聴くとさー、『うわドラマと同じだ!』って思わない?」
梓「いまさら日常4コマみたいな話題で先輩受けを狙おうたってそうはいかないよ」
純「どういう相槌だよ」
梓「ごめん、この暑いのに純の気楽な顔見てたらイライラしちゃって、つい思ったことをそのまま口に出しちゃった…」
純「もー、梓はどうして私にきびしいかな…(ツンデレなのかな)」
純「あっ、でもさー、日本のドラマを外国に輸出すると、外人には蝉の声がノイズに聞こえるから『テレビから変な音がする!』って思うらしいね」
梓「へー。なにが『でも』なのかわからないけど面白いね(やっぱり日常4コマみたいな会話だな…)」
純「(またなにか変なこと考えてるな)」
紬「ねえねえ、これから3人でセミ取りにいかない?」
梓「!?」
純「うわっ、びっくりした! ムギ先輩いつからそこに?」
紬「えへへー、びっくりした?」
梓「脅かさないでくださいよー……」
紬「それでどう?私一人じゃどうすればいいのかわからなくって」
純「なんでまたセミを?」
梓「またバイトとかですか?」
紬「ううん、そうじゃないんだけど」
紬「この前唯ちゃんが『セミって油で揚げるとエビの味がするんだよ!』って言ってたから、試してみたくなって」
紬「たくさん採れたら二人にもご馳走するね!」
純梓「NO, Thank You!」
16話 終わり
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