「ハギヨシって何者なんだろーな」 (44)
※掲載誌繋がり。
※SSでいう必要はないと思いますがここではあえて言います、二次創作です。二次創作です。
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一「どーしたの、いきなり」
智紀「萩原さんは執事」
純「いや、そーいうことじゃなくてさ。ほら、インハイ予選の大将戦前の話だよ」
一「何かあったっけ」
純「清澄の宮永が通りがかった時、あの時に衣よりも強いって確信出来たのっているか?」
一「まさか、とは思ったけど」
智紀「衣並とは思わなかった」
純「オレもだ。強いのか?とは思ったけどあそこまでとは思わなかった」
純「だけどな、後から衣から聞いた話だとハギヨシから言われてたらしいんだよ」
智紀「萩原さんが?」
一「なんて?」
純「『衣様でも楽勝とまではいかないかもしれません』」
一「……なるほど」
智紀「それでさっきの質問」
一「ハギヨシさんって基本的に透華や衣には確信あることしか言わないもんね」
一「ハギヨシさんは宮永さんの試合も見てたんじゃないの?」
純「清澄の試合の時って透華や衣のそばにいっつも居ただろ、屋敷の仕事もしてたし」
一「……分身の術とか」
純「……出来そうだから否定しにくいな」
一「でも確かになんでもできるよね、ハギヨシさん」
純「だろ?」
智紀「執事だから」
一「好きだねともきー」
純「やっぱ麻雀もつえーのかな」
一「弱くはないんじゃない? ネット麻雀で指導みたいなのやってるとこ見たことあるし」
純「ホントなんでも出来るなヨッシー」
ガチャリ
透華「何の話をしていますの?」
一「透華と衣。もう用事はいいの?」
透華「もう済みましたわ」
智紀「萩原さんの話」
衣「ほう」
透華「ハギヨシの?」
純「なー、ハギヨシって麻雀強いのか?」
透華「それなりに、ですわね」
一「へえ。じゃあ、衣とだったらどっちが強い?」
衣「んー……三年後なら衣だろう」
一「三年後!」
純「え、マジで? そんなに強いのか?」
智紀「今は?」
衣「別に負ける気はない……が、やってみなければ分からないな」
「「「……」」」
一「ハギヨシさんって……何者?」
衣「執事だ」
純「いや、そーいうことじゃなくて……なんか昔特殊な訓練受けてたーとか」
智紀「実は悪魔とか」
衣「衣の知るかぎりは無い」アクマ?
透華「私の知る限りでもありませんわね」
一「いや~でもなんというか、凄すぎでしょ」
純「屋敷の仕事して使用人の統率して、透華と衣の世話しながら料理も作って」
一「秘書をしながら護衛も熟して、何かあった時には準備から環境整備から何から何まで手配して」
智紀「資格は栄養士から会計士、運転免許も大型二輪大型第二種、大型特殊第二種どころか車両系建設機械運転者も持ってる」
純「んでもって雀力も衣並とか……」
一「会ってから結構経つけど、正直衣よりもミステリーだよね……」
純「しかもたまにこっちの考えてること分かってるような動きするよな」
一「実は知らない内に頭に変な機械とか埋められてたりして」
衣「本人に聞いてみればいい」
一「え?」
純「ってうおお!? いつの間に!?」
ハギヨシ「ご期待に沿えず申し訳ございません。今現在の私には未習得のスキルですが……いずれ必ずや……」
一「いやいいですから!!埋めなくていいですから!!!」
衣「ハギヨシ」
ハギヨシ「は」
衣「衣とハギヨシ、どちらが強いか気になるそうだ。久方ぶりに竜虎相搏つか?」
ハギヨシ「滅相もございません。私など……衣様のお足元にも及ばぬでしょう」
衣「ふん……」
透華(なんだか私の影が薄いですわ……)
※(竜虎相搏つ:スタローンとシュワルツネッガーが殴りあう感じ)
ハギヨシ「それでは、何かあればお呼びください」
パタン……ガチャ、バタバタ
純「まった待った、ハギヨシちょい待ち」
ハギヨシ「何でしょう」
一「追っかけてまで聞くこと?」
純「だって気になるじゃねーか」
純「なあ、ほんとにガチでやっても勝てねーの?」
ハギヨシ「無論です」
智紀「透華には?」
ハギヨシ「語るまでもありません」
ハギヨシ「給金を頂いている方に手をあげるなど……」
一「そんな理由!?」
純「あ、じゃあ主従関係解消してイーブンの状態だったら……」
ハギヨシ「賃上げ交渉をしつつも軍門に下り、改めて忠誠を誓います」キュピーン
「「「……」」」
ハギヨシ「思惑のお役に立てず申し訳ないのですが、私、透華お嬢様と衣様の大ファンですので」
純「……お、おう……」
一「……でもさ、ハギヨシさんてホント何者?」
ハギヨシ「気にされるほどのものではございませんよ」
ハギヨシ「今はただの執事ですから」
(((……今は?)))
純「……やっぱり正体隠してるな」
一「まだ調べるの?」
純「国広くんは気にならねーの?」
一「……まあ、気にはなるけどさ」
純「智紀は?」
智紀「気になる……」
純「よっしゃ!」
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翌日、我々は龍門渕家執事、萩原某のことを調べるべく動き出した
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一「このナレーションみたいなの必要?」
純「雰囲気だろ雰囲気!」
智紀「気分は大事」
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AM 7:20 使用人朝食、主人の料理含め今日もいつも通りハギヨシが作る
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純「(相変わらず美味いな)」
一「(以前はシェフだった……とか)」
純「(えー安直だろー)」
一「(むっ……ともきーはどう思う?)」
智紀「(お母さん)」
「「……」」
純「(……いや、どっちかといえばお父さんじゃ)」
一「(純くん、そういう問題では無いと思うよ)」
純「(……子供いたらどーする?)」
一「(いや……無いでしょ……と思う……うーん)」
智紀「(もし居たら結婚相手を見てみたい)」
純「(並みの精神じゃムリだろ-な)」
一「(ちょっと完璧すぎるからねー)」
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AM 7:43 屋敷の掃除、ハギヨシは現れたり消えたりしている
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純「どんだけ掃除しても終わる気しねーな」
智紀「本館は広いから……」
一「別館も十分広いけどね」
純「ヨッシーは本館掃除して、ほぼ同時に別館も掃除してるからな……言ってて訳わからん」
一「別館はハギヨシさん一人で管理してるからね。ボクたちもたまに手伝うけど、ほんとたまにだし」
純「衣が他の使用人入れたがらないからな。本来は透華付きだけどほぼ衣付きみたいになってるよな」
智紀「最近はちょっとずつ変わってきてるけど、身近なところでは相変わらず」
一「まあ仕方ないよ。ボクだって初めて付いた使用人がハギヨシさんだったらハードル上がりすぎて他の人は難しいと思うし」
純「でも年頃の娘に男のお付だけってのもな。オレらがいるとはいえ」
智紀「純、お父さんみたい」
一「ね、お父さんみたい」
純「オレは女だ!」
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AM 7:57 透華が龍門渕家として出かける、ハギヨシはそれに付いていく
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智紀「私達は衣とお留守番」
純「これには流石に付いていけねーしなー」
一「最低限は学んでるとはいえ、付き人としての礼儀は無いに等しいしねー」
衣「ハギヨシー、衣のあの服は何処にあるー?」
一「衣、ハギヨシさんはいま」
ハギヨシ「こちらでよろしいですか?」
「「「!?」」」
衣「おお、流石ハギヨシ、精明強幹なるは見事!」
純「ちょ、ちょっとまてっ、なんでここにいる!?」
一「え、あれ!? 透華と一緒に行ったんじゃないの!?」
智紀「というか、透華は……」
ハギヨシ「ご安心下さい、現在進行形で透華お嬢様の安全は確保しております」
一「ぶ……分身の術、とかですか」
ハギヨシ「いえ、恥ずかしい話ですが分身の術は習得にいたらず……」
一「えぇー……」
純(なんかもう、分身の術の方が現実味がある気がしてきた)
※(精明強幹:仕事のできることハギヨシの如し)
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PM 11:40 透華帰宅後、ハギヨシ外出。尾行を開始
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一「ハギヨシさんたまに一人で外出するけど何しに行くんだろうね」
純「それを今から調べるんだろ」
智紀「左に曲がった」
純「しっかし、さっきから通りがかる人間全てに挨拶されてる気がするんだが」
智紀「近所づきあい」
一「お金持ちの執事が近所づきあい良いって変な感じだけどね」
純「近所って言っても屋敷の敷地がデカイせいで全然そんな気がしないしな」
智紀「2つ先を右に曲がった」
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PM 12:01 見失う
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智紀「見失った……」
一「あれは仕方ない……」
純「長い一本道に入る前の角で見失ったからな……」
一「普通はもうちょっと別の所で見失うよね……」
智紀「……あ」
一「どうしたのともきー」
智紀「向こうの道に」
純「あっ、ヨッシーじゃねーか! 今度こそ見失わないようにしねーと!」ダッ
一「ちょ、まってよ純くん」
純「角曲がっちまった! とりあえずオレが追う!」
智紀「あ……」
一「今度はどうしたのともきーってええ!?」
純「どうしたってうぇ!?」
一「なんで」
純「目の前で曲がったばっかなのに後ろの方にいんだよ!」
*********** 同時期・屋敷 ******************************
衣「純たちが見当たらないぞ、透華」
透華「出かけたようですわ。何やら調べていたようでしたけれど」
衣「衣たちを置いてか……」
透華「……衣、お昼を食べた後、私達も出かけてしまいましょう!」
衣「え?」
透華「私達が置いていかれたのではなく、私達が置いていってしまえばいいんですわ!」
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PM 13:36
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智紀「……」ゼハーゼハー
一「……ち」ハアハア
純「近づけん……」グハー
純「なんかもう近いんだか遠いんだか」
智紀「あっち、いったり、むこうか、ら出てきたり」ゼハーゼハー
一「無理しなくていいよともきー……っていうかこれ気づかれてるよね絶対」
純「遊ばれてる以外にあの動きに説明がつかん……」
一「道を行ったり来たりしてるだけだもんね……」
「「「……」」」
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PM 13:41 帰ろう……
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智紀「」ゼハーゼハー
一「大丈夫?ともきー。純くんが背負おうか?」
純「オレかよ!」
一「ボクじゃともきー背負えないし」
純「まあいーけどよ」
一「今頃透華達、置いてかれたこと怒ってるかなー」
純「しゃーねーだろ、あの二人いたらヨッシーは100%見つけて尾行にならねーし」
一「居なくても変わらなかったけどね」
純「っと、そんな話してたら」
一「え? ……あ、透華と衣だ」
純「二人で外出してるのを見かけるのは珍しいな。まあ二人が出る時にはいつもオレ達が一緒だから当たり前だが」
一「でも二人だけで外出って危険じゃないのかな。つい忘れちゃうけど、龍門渕家ってだけでも色々と危なそうだけど」
純「平気じゃねーの? 今までも危なかったことなんてなかったし」
智紀「あうっ」ドテ
一「うわ、どうしたのともきー!」
純「おいおい、なにもない所でコケるとか……!?」
智紀「何か、足元に……?」
一「……これ」
純「……人だな」
「ぐぉっ!?」ドサッ
純「おあ!?」
一「人が降ってきた!?」
「……」ピクピク
純「おいおい、あんた大丈夫か……てか」
智紀「……銃?」
一「……いやいや、モデルガン、じゃない?」
「くそぁ!あの執事、今日は出かけてるって情報はガセだったのか!?」ダカダカ
「標的が二人だけで歩いてるチャンスだから、ちくしょう!」ダカダカダカ
「20以上の組織が出していた刺客が、たった1時間足らずでこんな ウボァー」ドカーン
「「「……」」」
ボカーンギャードカーンギャー
純「……行こう」
一「……うん」
智紀「……」コクリ
純「……」
一「……」
智紀「……」
一「あれってつまりさ……ボク達のことからかいながら、同時にあの人達を……」
純「国広くん、やめておこう」
智紀「しかも、もしかして普段から……」
純「智紀、それ以上は言わないでくれ」
透華「あら、一に純に智紀」
衣「こんなところにいたのか!……ではなく、どうだ!衣たちは置いていってやったぞ」フフン
「「「……」」」
衣「ふあ!? し、震天動地、いきなり抱きしめるとは何事だ!?」ギュウ
透華「ど、どうかいたしましたの? 様子がちょっと変のような」ムギュ
純「いや、なんか子供って抱きしめると落ち着くよな」ギュー
衣「衣は子供じゃなーい!」ムギュウ
── その男は……ハギヨシと呼ばれている
職業……執事
備考……
【 正体不明 】 ───
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ちなみに
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透華「そういえば、昼食はちゃんととりましたの? 今日は折角ハギヨシがいつも以上に手によりをかけていましたのに」
衣「まさに太牢滋味であった!」
純「昼飯まで作りに戻ってたのかよ!」
※(太牢滋味:まこ作たまご焼き豪華料理バージョン)
カン!
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