あかり「あかりもヤンデレさんに愛されたいなぁ……」(174)

あかり「あかりもヤンデレさんに愛されたいなぁ……」

結衣「ふぅ、今日もいいお天気だね」ダラー

あかり「あかりも……」

結衣「あーもううるさい、さっきからどうしたんだよ」

あかり「だって……結衣ちゃんはあかりのこと好き?」ジッ

結衣「な、なに言ってるの、今さらだろそんな……」

あかり「……ぇへへ、ちゃんと好きって聞きたいなぁ」

結衣「……うるさい、もう静かにしてろ」

あかり「じゃあ結衣ちゃん、いつもみたいにぎゅーってして?」

結衣「……はいはい、ほんと甘えん坊さんだなあかりは」ギュッ

あかり「んっ……あかりは甘えん坊でもいいの」

結衣「まぁ私も甘えられて悪い気はしないけどさ……ふふ」

あかり「持ちつ持たれつっていうのかなぁ、こういう関係……」スリスリ

結衣「……かもな、あかりがいなかったらきっと寂しかった」
   
あかり「うんうん、正直なのが一番だよぉ」

あかり「……♪」ギュッ

結衣「あかり、ちょっと本が見づらいからどいてくれ……」

あかり「えー、嫌だよぉ。あかりはひざの上から動かないから」

結衣「あーもう……」

あかり「どこかにいいヤンデレさんがいないかなぁ、結衣ちゃん?」ギュッ

結衣「そうだな、あかりを好きでたまらない人は目の前にいるけど」

あかり「……ぇへへ」スリスリ

結衣「……にしてもずいぶんヤンデレネタを引っ張るね。
   なにかあったのかな……」

結衣「あかり、ヤンデレなんてろくな事がないと思うけど」

あかり「ううん、あかりはむしろ憧れちゃうなぁ……」ギュッ

結衣「……憧れる、ねぇ」

あかり「だってね、京子ちゃんってばほんと幸せそうだったんだよぉ~」

結衣「あれ、京子の身近にヤンデレなんていたか?」

あかり「ちなつちゃんに愛されてるんだな、ってとっても伝わったよぉ」ニコッ

結衣「ち、ちなつちゃん!?」

あかり「それはそれはすごかったよぉ、羨ましいくらいに……」スリスリ

結衣「にわかには信じられないけど……」

結衣「あの二人はいたって健全なカップルだと思ったんだけどな……」

あかり「……ほんと、幸せそうだったよぉ」スリスリ

結衣「あのさ、具体的になにを見てヤンデレだって考えたの?」

あかり「えっと、ちなつちゃんのことかな」

結衣「うんうん、もしかしたらあかりの見間違えだったかもしれないし」

あかり「見間違えなんかじゃないよぉ、しっかり朝に見たもん」ニコッ

あかり「どこかの誰かさんに、ちなつちゃんの姿勢を見習ってほしいな~」ギュッ

結衣「……誰のことやら」

あかり「あー、結衣ちゃんみたいな抱き枕が欲しいなぁ」ギュッ

結衣「もう、ほんとコアラみたいだなあかりって……」

結衣「そうだ、京子とちなつちゃんの詳しく聞かせてくれない?」

あかり「もちろんだよぉ、結衣ちゃんもヤンデレさんになるかもしれないしね」

結衣「……ならねーよ」

あかり「むむむ……」プクー

あかり「いい、あかりのお話しをよーっく聞くこと、おっけー?」

結衣「……はーい」

~朝の回想~

京子「……おはよー」ゲッソリ

あかり「わわっ、京子ちゃん!?……ずいぶんやつれちゃったね」

京子「いやちょっとね、最近寝不足なんだよ」

あかり「夜更かしなんかしたらダメだよぉ、体にも悪いし」

京子「……はぁ、私としては早めに寝たいんだけどね」

あかり「えっと、また同人誌の〆切でも近いの?」

京子「……いや、えへへ、むしろこれは喜ばしいことなのかな
    でもなぁ、さすがに愛が重いよちなつちゃん……」

京子「どうもちなつちゃんってさ、みんなの前ではツンツンするんだ」

あかり「そうだね~、京子ちゃんに対しては特にって感じだよぉ」

京子「でもさ、もう付き合ってるんだから私としては常に甘えて欲しいワケ」

あかり「うんうん、あかりも結衣ちゃんに甘えるのだーいすきっ!」 ニコッ

京子「あはは、案外相性良いもんね2人は」

あかり「もぉ~、案外は余計だよ、失礼しちゃうなぁ……」

京子「……その反動なのか知らないけど、二人きりのときすごいんだ、ほんと」

あかり「すごい……?」ゴクッ

あかり「きょ、京子ちゃん、具体的になにがすごいの!?」 ユサユサ

京子「頭揺らさないでぇ……」

京子「……2人になった瞬間にね、目がとろ~んとしてさ、
    猫なで声で、京子せんぱ~いって甘えるんだよ」

あかり「ふふ、それくらいだったらあかりも結衣ちゃんにするよぉ」

京子「まぁ、これくらいは可愛いカップルだよね……」

あかり「あ、まだ続きがあるんだ……」

京子「なんていうかさ、キス魔っていうのかな……ちなつちゃん」カァー

あかり「き、キス魔!?」

京子「そうそう、体という体にちゅーしてくるから……」

あかり「……ぶっひぇ~」

京子「まいったな、さすがにあそこまで求められると……えへへ」ニマニマ

あかり「ふふ、なんだかんだ言って京子ちゃんも幸せそうだよぉ」

京子「まぁ嬉しくないワケないんだ、求められてるーって伝わるし」

あかり「あれ、京子ちゃん首筋に何個も赤い点があるけど……」

京子「っ!?……ぁぁぁぁ、む、虫刺されっ!」アセアセ

あかり「そうなんだぁ、そろそろ蚊のシーズンだもんね~」

京子「……ほっ」

京子「……」メルメル

あかり「もぉー、歩きながら携帯なんて電柱にぶつかっちゃうよ?」

京子「あぁ、一時間ごとに愛してるよのメールを義務付けられてるんだ……」

あかり「えっ……?」

あかり「さ、さすがに寝ているときは送らなくても大丈夫だよね?」

京子「ふっ……あかり、私が寝不足になった理由はそれだよ」スタスタ

あかり「り、律儀に寝る間も惜しんでってこと!?」

京子「……」

あかり「これがヤンデレ……!」ゴクッ

京子「でもあかりも結衣といい感じだよね~」

あかり「……ぇへへ」モジモジ

京子「ふふん、それでお二人さんはどこまで行ったのかねぇ」

あかり「ど、どこまでいったって?」

京子「そりゃあねぇ奥さん、私に言わせる気ですか?」

あかり「お、奥さんなんてまだ早いよぉ!?
    でもでも、結衣ちゃんのお嫁さん、いいかも……」ニコニコ

京子「幸せそうだね、うんうん」

あかり「ゆ、結衣ちゃんお帰りなさい、お仕事お疲れ様……」

京子「おーいあかり、早くこっちに帰ってこい」

あかり「でも逆もありだと思わない京子ちゃん!」クルッ

京子「……知らんがな」

あかり「あかりがお仕事に行って、結衣ちゃんが家事してね……」

京子「……ほんと、幸せそうだよ」
    
あかり「ぶっひぇ~、仕事終わりの牛乳は最高だよぉ!
    ……ぇへへ、結衣ちゃんのオムライスも食べ放題」ニコニコ
    
京子「結衣も幸せだろうな、こんな手間のかかる子がいて……」

あかり「……はぁ」

京子「お、やっとこっちの世界に帰ってきたか」

あかり「京子ちゃんは羨ましいなぁ、愛されてるって分かるもん……」

京子「結衣は優しいし恥ずかしがり屋さんだからね、ヤンデレには程遠いよ」

あかり「……うーん」

京子「……ヤンデレはいいぞ、こっちにも覚悟が必要だけどね」

京子「あ、ちなつちゃんからメール着た……」

あかり「いいなぁ、結衣ちゃんもヤンデレさんにならないかな」

京子「どれどれ……ひぃっ!?」ビクッ

あかり「えっ、ちなつちゃんからどんなメールがきたの?」

from:ちなちゅー♪
題名:無題

あかりちゃんと楽しそうですね。
京子先輩は朝から8分10秒間も他の子とおしゃべりしました。
一週間で、私以外の子とおしゃべりの時間は累積114分51.4秒。
私のこと好きだっていうのも、全部都合のいい言葉だったんですか?


京子「ち、ちなつちゃん、いま近くにいるの!?」キョロキョロ

あかり「……すごい熱心だよぉ、ほんと大切に想ってるんだね」ホロリ

あかり「ね、結衣ちゃんもヤンデレの良さが……」

結衣「いや、さっぱり分からん」

あかり「ど、どうして!?……あかりのこと何とも思ってないの?
    あかりは病むほど愛して欲しいのにっ!」

結衣「はぁ……あかりがその二人の関係に憧れるのは分かるよ」

あかり「……」ギュッ

結衣「全部私が悪いんだ、恋愛に関して奥手で臆病だからさ……」

あかり「ち、違うよぉ、結衣ちゃんは何も悪くないもん」ギュッ

結衣「……うーん」

結衣「それじゃあこうしよう、明日一日私はヤンデレになりきる」

あかり「ほ、ほんと!?」

結衣「あかりがいくら止めて言っても、私はヤンデレを続けるから……」

あかり「ううん、やめてなんか言うわけないよぉ~」

結衣「……ふーん、それなら家に帰って作戦会議かな」スッ

あかり「えぇっ!?今日はもう帰っちゃうの……?」グスッ

結衣「……うっ」

結衣「分かったよ、もう少し一緒にいるから子犬みたいな顔やめてくれ……」ギュッ

あかり「くぅ~ん……」スリスリ

~結衣ちゃん家~

結衣「ヤンデレ、ねぇ……」グダー

結衣「そりゃあかりのことは好きだけど、理性を失うほどって……」

結衣「で、でも、このままあぐらをかいてたら、誰かに」

結衣「……」ギリッ

結衣「はっ!?……なんだろういまの気持ちは」

結衣「心の中にモヤモヤが出来て、すごく嫌な気分だ……」

結衣「……独り占め、したい」

結衣「あぁ、ダメだダメだ……このままじゃ本当に!」ブンブン

結衣「……ヤンデレなります宣言したから一日だけ本当になりきってみようかな」

結衣「って言ってもどんなことをすればいいのやら」

結衣「ふふ、こんな時はパソコンだね」カタカタ

結衣「……ふむふむ、これは参考になるな」

結衣「……いや、心中はダメだろ」

結衣「うんうん、あかりを傷つけるのだけはNGだ」

結衣「か、監禁!?……ストーカーも当たり前なんだ」

結衣「一応……」メモメモ

~あかりちゃん家~

ピピピピピピピ……

あかり「うぅぅ、う~ん、ふぁ~よく寝た……」クシクシ

あかり「あ、今日は結衣ちゃんがヤンデレさんになってくれる日だよぉ!」

あかり「ぇへへ、どんなことしてくれるの楽しみだな~」

あかり「……あ、メールが来てるね、どれどれ」パカッ

新着メール 60件

あかり「わぁ、全部結衣ちゃんからだ……」

あかり「あ、愛してる、大好き、結婚しよう……」

あかり「あわわわわ……」プシュ‐

あかり「……ぇへへ、結衣ちゃんってば朝から大胆すぎるよぉ!」

あかり「もぉ~、直接口で言えばいいのにね、恥ずかしがり屋さんなんだから」ニコニコ

あかり「ふふ~ん、朝からあかりはご機嫌だよぉ」

あかり「でもでも、結衣ちゃんいつになったらヤンデレさんになってくれるのかな……」

あかり「楽しみだよぉ、あっかり♪あっかり♪」トテテテ

あかり「それじゃー行ってきまーすっ!」バタン

結衣「……」

あかり「わわっ!?……ゆ、結衣ちゃんお迎えにきくてくれたの?」

結衣「うん、あかりと二人きりで登校したいから、朝の5時からずーっといたんだ」ニコッ

あかり「えぇっ!?」

結衣「あかりを誰にも渡したくないからね、当然だよ」

あかり「……や、ぁ、ぅ」モジモジ

結衣(照れてばかりで朝の5時については突っ込んでくれない……
    病みの部分がまだ足りないんだろうか)

結衣「……」ギュッ

あかり「あ、ぇへへ、結衣ちゃんから手を繋いでくれるなんて……」

結衣「あ、あのさ、あかり」

あかり「なぁに、あかりは朝からとっても幸せだよぉ……」ホワーン

結衣「メール60件送ったけど、何とも思わないの?」

あかり「……へ?」

結衣「いやいや、朝起きて友達からそんなにメール来たら普通びっくりするでしょ!?」

あかり「ううん、だって結衣ちゃんは恋人さんだもん」ニコッ

結衣「ま、まぁそれはそうなんだけどさ……」

あかり「結衣ちゃんの愛が感じられて、ほんと嬉しかったよぉ」

結衣「あ、そ……」

あかり「あのねあのね、特に嬉しかったのが32通目のメールで……」

結衣「全部覚えてるんだ……」

あかり「あかりのことを本当に想ってくれてるんだ、って伝わったな~」ニコッ

結衣「はぁ、あかりがそんなに愛に飢えてたとは……」グスッ

あかり「……結衣ちゃん、それでいつになったらヤンデレさんになってくれるの?」

結衣「えっ!?」

結衣「い、いや、この時点で結構な病みだけど……」

あかり「ふふ~ん、でもお楽しみは後にとっておくものだよね」ニコニコ

結衣「くっ、最初に京子とちなつちゃんを見たからヤンデレに耐性が出来たか」

あかり「結衣ちゃん、今日は楽しい一日になりそうだねっ!」クルッ

結衣「……先行き不安だよ」

あかり「……♪」スリスリ

結衣「よしよし、あかりはいい子いい子」

あかり「……ぇへへ」

結衣「……あかり、私って嫉妬深いんだ」

あかり「そ、そうなんだぁ」

結衣「……だからさ、言わなくても分かるよね?」ジトッ

あかり「そ、そんなに見つめられたら照れちゃうよぉ……」

結衣「私以外の子とは、あまり喋らないでほしいな、ふふ」

あかり「うん分かった、あかりは今日学校で一言も発言しないよぉ!」ニコッ

結衣「いや、そこまでとは言ってないです……」

綾乃「おはよう船見さん、今日もいい天気ね」

結衣「やぁ綾乃、本当すがすがしいくらいだよね」

綾乃「ふふ、あまり朝からいちゃついてたら遅刻するわよ」タタタ

結衣「い、いちゃついてなんかないって!!」

結衣「……ふぅ、まったく朝から茶化されるなんてね」クルッ

あかり「……」ギロッ

結衣「ひっ!」

あかり「……どうして、あかり以外の子と話したの」

結衣「しょ、しょうがないだろ、日常の会話なんだから!」

あかり「あかりは他の子とお話しないのに、結衣ちゃんはするんだ?」ズイッ

結衣「だ、だから、お互い極力って約束でしょ……」

あかり「……」ムスッ

結衣「ね、あかり、他の人と一切しゃべらないっていうのは社会じゃ生きていけないよ?」ナデナデ

あかり「それはそうだけど……ぇへへ、結衣ちゃんのナデナデ大好き」スリスリ

あかり「そうだよね、誰とも喋らないなんて無理だもん」

結衣「分かってくれてよかった、えっと、それじゃ……」

結衣「他の子とは百合百合しない、これは二人のお約束、おっけー?」

あかり「おっけー……」ホワーン

結衣「ふふ、朝から惚けた顔して可愛いなぁ」

あかり「……んー、結衣ちゃんのヤンデレさん楽しみだよぉ」スリスリ

結衣「……正直もうやり尽くしたんですけど」

結衣「それじゃまたねあかり、また放課後」

あかり「ばいばーい、結衣ちゃんっ!」フリフリ

結衣「……ふふ、でもあと何個かヤンデレネタを用意してるんだけどね」

結衣「それであかりを満足させられればいいんだけど」テクテク

結衣「……はぁ、でも自信ないな」

京子「……あ、朝から、キスされちゃったよぉ、ひぐっ」グスッ

結京「おっ、いいところに」

結衣「おはよう京子、朝から首筋真っ赤だな」

京子「ぁぁぁぁ……」カァー

結衣「ほんと、尻に敷かれるタイプなんだろうな……」

京子「だ、だって、ちなつちゃん力も強いし」グスッ

結衣「はいはい、でも京子も満足なんだろ」

京子「……えへへ」

結衣「お前とちなつちゃんの話し聞いて、あかりがちょっとおかしいんだよ……」

京子「……あー、昨日ヤンデレの話しで盛り上がったから」

結衣「あかりがさ、すっかりヤンデレに興味を持って……」

京子「ふむふむ」

結衣「それで、今日一日だけヤンデレを演じることになったんだ」

京子「それはそれは、結衣も難儀ですなぁ……」

結衣「お前にも原因があるんだよ……」

京子「えへへ、でも一日だけなら可愛いもんだと思うけどねー」

結衣「……京子は毎日だもんな」

京子「……はい」ゲッソリ

京子「今日一日ってことは、もうすでにヤンデレっぽいことしたの?」

結衣「……今日は寝ないで60通ほどラブメール送ってみた」ポッ

結衣「あ、あとは朝の5時からあかりのお家の前で待ってみたり」

京子「……マジ?」

結衣「ちょっと引いてるな、それが普通の反応なんだよ」

京子「いや、私もちなつちゃんがいるから耐性出来てるけど……中々だよ」

結衣「……異常だよな、ほんと」

結衣「それでもあかりは引くどころか、ニコニコしてさ……」

結衣「○○通目のメールが一番嬉しかったよぉ、って」

京子「ひ、ひぇ~……」

結衣「なんていうかさ、薄々気づいてたんだけど……あかりって」

京子「ち、違うぞ結衣、あかりは愛に飢えてるんだ!」

結衣「……なのかなぁ、でも悪い気はしないな」

京子「でしょでしょ、本当に自分のこと好きでいてくれるんだなーって分かるよね」

結衣「うん……えへへ」

京子「それで次のヤンデレ行為はどんなの?」

結衣「えっと、ちょっとベタなんだけど……」ゴソゴソ

京子「お、結衣も成りきってるな~、ふふ」

結衣「頼まれてもないのにお弁当作ってみたり……」ポッ

京子「……可愛いヤンデレだなぁ」

京子「あ、自分の髪の毛入れたり、お米粒全部にスキって書いたり……?」

結衣「ね、ねーよ、なんだそれ気持ち悪い!」

結衣「いたって普通のお弁当だよ、ほら」パカッ

京子「から揚げ、卵焼き、プチトマト、レタス……うまそう!」スッ

結衣「おいコラ、お前もちなつちゃんに作ってもらえばいいだろ」

京子「えぇ、私たちどっちもお料理できないもん……」グスッ

結衣「……知らん」

京子「でもさ、そのお弁当どうするの?」

結衣「どうするって、お昼にあかりに持っていくつもりだけど」

京子「私たちの学校、給食じゃん」

結衣「……あ」

あかり「ふふ~ん♪」

ちなつ「ふふ、ずいぶんとご機嫌だねあかりちゃん」

あかり「実はね、今日だけ結衣ちゃんがヤンデレさんになってくれるんだぁ~」

ちなつ「えぇ……ヤンデレなんてあんまりいいイメージがないけど」

あかり「そうかなぁ……」

ちなつ「その人を人格がゆがむほど愛するなんて、怖くない……?」

あかり「あかりはちょっと憧れちゃうけど、ぇへへ」

ちなつ「変わってるなぁ、……あ、京子先輩また違う子とおしゃべりしてる」ギリッ

あかり「ぶっひぇ~、やっと午前の授業が終わったよぉ」

ちなつ「……京子先輩からメール来ない、なんで、どうして」ギリッ

あかり「ちなつちゃん、そろそろ給食の時間だよ?」

ちなつ「えっ、そうだね、うんっ」

あかり「今日の献立は何かなぁ、お腹空いちゃった……」グゥー

ちなつ「あれ、今日は一年生だけお弁当の日だよあかりちゃん」

あかり「……え?」

ちなつ「確かね、生徒が上手く家庭とコミュニケーションを取れてるか調べる……みたいな」

あかり「……うぅ、先生がそんなこと言ってたような」グスッ

ちなつ「も、もしかしてお弁当忘れちゃった?」

あかり「大丈夫……あかりはお水と霞でも食べて飢えをしのぐよぉ」

ちなつ「仙人にでもなるつもりなの、あかりちゃん……」

ちなつ「安心して、私のお母さん特製のお弁当二人で食べよっ」ニコッ

あかり「……ち、ちなつちゃ~ん」

ちなつ「でもちょっと意外かも、あかりちゃんが家族と不仲だったなんて……」ホロリ

あかり「違うよ~、あかりは家族のみんなと仲良しだよぉ」グスッ

ちなつ「ご、ごめん、冗談だよあかりちゃん!」

あかり「……でも、ちなつちゃんのお弁当小さいね」

ちなつ「あ、えっと、ちょっとダイエットでもしようかなぁって」

ちなつ「べ、別にね、京子先輩のために体型を維持しようとかそういうのは一切ないから!」

あかり「……ふふ、ちなつちゃんはやっぱりいい子だよぉ」

ちなつ「ささ、どんどん食べちゃってあかりちゃん!」

あかり「……」フルフル

あかり「あかりね、あまりお腹空いてないからちなつちゃん全部食べて」

ちなつ「でも、さっきお腹空いたって……」

あかり「ううん、ちょっと保健室行ってくるあかり」スッ

ちなつ「大丈夫?……私も着いて行くよ」

あかり「ぇへへ、丈夫だよぉ、お弁当全部食べてあげてね」ニコッ

あかり「ふぅ、ここの教室なら誰も来ないかな……」

あかり「やっぱりちなつちゃんには悪いよね、せっかくのお母さんのお弁当だもん」ニコッ

あかり「……」グゥー

あかり「大丈夫、ついでにダイエットだと思えば一石二鳥だよぉ」

あかり「細いほうが結衣ちゃんもきっと喜んでくれるもんね……」

あかり「……結衣ちゃんに会いたいなぁ」

あかり「……はぁ」

ガララッ 

あかり「ひっ!ご、ごめんなさいすぐ移動します……」

結衣「ふふ、移動する必要なんかまったくないよ」

あかり「あ、結衣ちゃん……」グスッ

結衣「……まったく、ちなつちゃんも心配してたよ?」

あかり「……ごめんなさい」

結衣「ちなつちゃんからこっちの方に走って行ったって聞いてさ、探したんだからな」ナデナデ

あかり「……」ギュッ

結衣「ふふ、なんだよもう、いつにもましてハグする力が強いな」

あかり「……うっ、えっ……ゆ……いちゃん」グスッ

結衣「何となく気持ち分かるな、一人だけお弁当忘れていたたまれなくなるのが……」

結衣「……落ち着いた?」ナデナデ

あかり「うっ、うん、ぇへへ……結衣ちゃんはやっぱり優しいな……」

あかり「……結衣ちゃん、結衣ちゃん」スリスリ

結衣「こらこら、甘えるのもいいけど今はご飯の時間だよ」

あかり「で、でもあかりお弁当……」

結衣「はい、あかりのために朝の4時から作ったお弁当」ニコッ

あかり「あ……」

あかり「あむあむっ、はむっ、……がつがつ……」

結衣「あぁ、そんなにがっついたら喉につまるよ」

あかり「っ!……んっ、んむ!」ピクッ

結衣「ほらほら言わんこっちゃない、お茶準備しないと」

あかり「……美味しいぃ、ぇへへ」

結衣「いらない心配かけさせるなよ、もう」コツン

結衣「……げほっ、ごほ」

あかり「ゆ、結衣ちゃん風邪でも引いちゃったの?」

結衣「……う~ん」

結衣「というかさ、昨日寝てないんだ……」

あかり「えっ!?」

結衣「そりゃそうでしょ、メール60通、お弁当、朝の5時にお出向かえ」

あかり「……ど、どうしてそんなに無茶してまで」グスッ

結衣「どこかの誰かさんがヤンデレがいいって言ったからな……」ムニー

あかり「いひゃいよぉ、ほっへのばひゃないへぇ!」

結衣「……」パッ

あかり「うぅぅ、そっか今までがヤンデレさんだったんだ……」

結衣「……げほっ、ゴメンな毎日ヤンデレさんはちょっと無理みたい」

あかり「ゆ、結衣ちゃん、ごめんねっ、あかりが変なこと言ったせいで……」グスッ

結衣「ううん……ただ、あかりには分かってほしいんだ」

あかり「……?」ギュッ

結衣「私があかりのこと本当に大好きだって、大切に想ってるってこと」

あかり「……ぇへへ、あかりは幸せ者なんだね」

結衣「……そうだよほんと、あの二人が特別なの」ナデナデ

あかり「んっ……」

あかり「結衣ちゃんからたくさん好きって気持ちを貰ったから……」スッ

結衣「んっ?」

あかり「あかりからのお礼だよ、ほっぺただけど」チュッ

結衣「あっ……ふふ、お釣りがくるくらいのお礼貰っちゃったな」

あかり「……ぇへへ」ギュッ

結衣「焦る必要はないよね、私たちは私たちのペースで歩いて行こう」ギュッ

あかり「……うん、そうだね」

結衣「……にしても完全に風邪だな、これは」

あかり「結衣ちゃん、今日はもう早退した方が……」

結衣「げほっ、そうだな、……本当はもっとハードなヤンデレ行為考えてたんだ」

あかり「へ~例えなどんなのかな、気になるよぉ」

結衣「まぁ無難に手錠とか付けて私の家に監禁したりしてさ」

結衣「食事も私があ~んで食べさせて、四六時中イチャイチャ」

あかり「か、監禁……」

結衣「あーやらなくてよかった、さすがにドン引きだよね」

結衣「首輪もつけたりしてさ、あかりは私だけのモノってささやいて」

あかり「あっ……はぁ……」ゾクッ

結衣「もうここからは逃げられないよ、私とずーっと一緒」

結衣「あかりがいくら外に出してって言っても、手錠があるから逃げられないし」

結衣「涙目のあかりに私が大好きとか愛の言葉をささやき続けるんだ」

あかり「……」モジモジ

結衣「こんなのさすがにねぇ、あかりに嫌われるところだったよ」

あかり「……ゆ、結衣ちゃん、あかりのこと監禁して……ください」

結衣「……」

終わりたい

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