ドゴーン
あかり「うわぁ…すごい」
まどか「ティヒヒ、大丈夫だった?」
あかり「あ、はい」
マミ「その制服、あなたも七森中ね。何年生?」
あかり「あの…あかりは」
あかり(あ、そ、そうだ!ここはひとつ印象に残る自己紹介しないと!)
あかり「魔法少女のハートにドッキューン!」
あかり「はじめまして、七森中1年!赤座あかりだぴょん!」
パアアアアアア
マミ「……え?」
まどか「うわぁ…」
あかり「……」
あかり(も、もしかして…滑った?)
QB「今のはまずかったよ赤座あかり」
QB「もし魔法少女なら一瞬でソウルジェムが濁ってただろう」
マミ「赤座さん、元気ね」
まどか「ウェヒヒ、元気なのは大事だよね」
あかり「ぁ…はい…」
まどか「もう!ダメだよそんな顔しちゃ!」
マミ「そうよ、今の自己紹介、結構イケてたけど、でももっと練習が必要よ」
あかり「…え?」
マミ「初登場シーンなんだから、ほら、もっとこう、こんな感じで!」
あかり「あ…その…」
まどか「マミさん、まだ混乱してるからそのへんで」
マミ「あら、ごめんなさい。そうよね、魔女に襲われてたんですものね」
あかり「あの…魔女って…」
まどか「魔女っていうのはね、人間を襲う悪い敵なの」
マミ「赤座さん、結構危ない所だったのよ」
マミ「さっきのやつが魔女」
マミ「出会ったら最期、ほとんどの人間は助からないわ」
あかり「そ、そんな…そんな悪い敵さんがいるなんて…」
マミ「普通の人は知らなくて当然、魔女に襲われた人間は現実世界では事故や行方不明よ」
まどか「あの、あかりちゃんって呼んでいいかな?」
あかり「あ、はい」
まどか「私は鹿目まどか。ティヒヒ、よろしくね」
マミ「私は巴マミよ」
あかり「鹿目さんに、巴さん」
まどか「私のことは、まどかでいいよっ」
あかり「そ、それじゃあ、まどか先輩」
まどか「ウェヒヒ」
マミ「さ、ここじゃなんだから、私の家で少しお話しましょう」
まどか「はーい」
マミ「はい、どうぞ」
あかり「わぁー、ケーキ」
まどか「マミさんのケーキはいつもおいしいんだよっ」
マミ「さ、遠慮しないで食べて」
あかり「いっただっきまーす」
マミ「うふふ、赤座さんおかわりもあるからね」
あかり「あ、でも…」
マミ「遠慮しないでいいのよ、たくさんあるから」
あかり「あ、はい!」
__________
あかり「あの、二人はいつもあんなのと、戦ってるんですか?」
まどか「うーん、いつもって…」
まどか「マミさんはベテランだけど、私なんて先週QBと契約したばっかりだし」
マミ「でも今日の戦い方、以前よりずっとうまかったわよ?」
まどか「ティヒヒヒ」
あかり「でも、あんな怖いのと戦うなんて…」
まどか「うん、確かに怖いけど」
まどか「でも魔女を倒せば沢山の人が助かるわけだし」
まどか「やりがいはある、よね」
マミ「ええ、でも鹿目さんには、ワルプルギスの夜が来る前に一人前になってもらわないとね」
まどか「はいっ」
QB「赤座あかり、君には魔法少女になる素質があるようだ」
あかり「え?」
QB「ボクはQB。君の願いを何でも叶えてあげる代わりに」
QB「魔法少女になって、魔女と戦って欲しいんだ」
あかり「え?願い事がなんでも?」
QB「うん、だからボクと契約して、魔法少女になってよっ」
あかり「あ、あかりが…魔法少女?」
マミ「ちょっとダメよQB、契約を急ぐような真似をしちゃ」
マミ「願い事は一つしか叶えられないし、魔法少女になるとあの魔女達と戦うことになるわ」
あかり「あかり……」
まどか「うん、あかりちゃん、じっくり考えたほうがいいよ」
まどか「今日お家に帰ったら、じっくり考えるといいよ」
あかり「は、はい」
あかり「ただいまー」
あかね「おかえり、あかり」
あかね「今日の晩ご飯はイヌカレーよ」
あかり「わぁいイヌカレー、あかりイヌカレー大好き」
あかね「うふふ、すぐにお風呂も沸かすわね」
あかり「うん」
あかり(どうしよう…お姉ちゃんに相談した方がいいかなぁ)
あかり(でも、魔法少女なんて話、お姉ちゃん信じないかも)
あかり(そうだ、明日京子ちゃんと結衣ちゃんに相談しよう)
~次の日放課後~
京子「でさー、昨日のミラクるんがさー」
結衣「はいはい、わかったから」
ちなつ「京子先輩さっきからずっとその話ばっかです」
京子「えー、だってすごかったんだよー」
結衣「今日何回目だと思ってんだよ」
結衣「聞いてる方の身にもなれよな」
ちなつ「そうです、結衣先輩もっと言って下さい!」
京子「ちなちゅー、そんなこと言ってー」ダキ
ちなつ「きゃああああああ!離して!」
結衣「おいいい加減にしろ」ゴツ
京子「いたー!」
あかり「あはは、京子ちゃんは今日も元気だねぇ」
3人「「「……いたんだ」」」
あかり「もおおおおおおおおお!」」」プンプン
あかり「あの、今日はみんなに相談があって」
京子「影が薄いこと?」
結衣「おい」
ちなつ「あかりちゃん…そんなに気にして…」
あかり「ちがうよぉ!!」
京子「もー、じゃあなんだっていうんだよー」
あかり「あの…その…」
結衣「何か言い難い悩みなのか?」
ちなつ「あかりちゃん、何でも相談して!」
ちなつ「京子先輩はあてにならないけど」
京子「ちょっとちなちゅー」
結衣「おいいい加減にしろ」
あかり「も、もし…」
あかり「もし願い事が何でも一つ叶ったら、みんなは何お願いする?」
結衣「え?それが相談?」
京子「うーんうーん」
京子「ミラクるん限定フィギュアも欲しいし、限定ボックスも捨てがたいし」
ちなつ「わ、私は結衣先輩と…け、けっこ…きゃああああ///」
結衣「ちょ、ふたりとも」
あかり「でもね、その代わり」
あかり「魔法少女になって、悪い敵さんと戦わなくちゃいけないの」
京子「魔法少女?!」
ちなつ「……あかりちゃんまで毒された」
結衣「えっと…、アニメか何か?」
あかり「ううん……ほんとの話だよぉ」
結衣「あかり、前みたいに頭打ったんだな」
あかり「ち、違うってぇ!」
京子「ねえねえ、あかり、魔法少女って?!」
京子「ほんと?!ほんとにいるの?!」
あかり「う、うん」
京子「どこどこ!ねえどこにいるの!」
あかり「それは…その…」
京子「教えてよあかり!」
QB「その必要はないね」
あかり「え?」
京子「ん?」
結衣「えっと…」
まどか「もう、酷いよあかりちゃん、ナイショって言ったのにー」
あかり「ま、まどか先輩」
まどか「ティヒ」
京子「ミラクるん?!」
まどか「え?」
京子「ミラクるんだあああああああ!」ダキ
まどか「ひゃああ!」
京子「こんなところにいるなんてー!」
ドゴ
結衣「いい加減にしろ」
京子「いたー」
結衣「ごめんね、こいつ頭おかしくね」
まどか「う、うん…」
結衣「えっと確か、同じ学年の…」
まどか「鹿目まどかです、よろしくね、ティヒ」
結衣「船見結衣です。よろしく」
結衣「それでこいつが歳納京子。頭おかしいけどよろしく」
京子「よろしくー!ミラクるーん!」ダキ
ドゴ
結衣「はぁ…」
まどか「あ、あはは、元気だね」
ちなつ「あの、吉川ちなつです、よろしくお願いします」
まどか「ティヒヒ、よろしくね」
結衣「確かに、ふたりともすごい似てるね」
ちなつ「そうですか?」
結衣「うん、髪型も体型もそっくり」
まどか「なんだか恥ずかしいね」
ちなつ「は、はい」ドキ
QB「さてと、そろそろいいかな」
QB「魔法少女について、知りたいんだろう」
_________
結衣「えっとつまり、まとめると」
結衣「何でも願い事が一つ叶う代わりに、魔性幇助になって魔女と戦わなくちゃいけないと」
京子「なるなる!私魔法少女になる!」
結衣「おいこら落ち着け、話聞いてたのか」
ちなつ「願い事が何でも叶うのは確かにすごいけど…」
ちなつ「でもその魔女っていうの、強いんですか?」
まどか「うん、魔女との戦いはいつも命がけだよ」
まどか「だから、願い事は真剣に考えたほうがいいよ」
結衣「ほら京子、お前本当に命がけで戦えるのか」
京子「大丈夫だってー!だって、魔法使えるんでしょ!」
まどか「うん、魔法少女それぞれ使える魔法は違うけどね」
京子「ほらー!じゃあ無敵じゃん!」
まどか「無敵ってほどじゃ…ないんだけどね」
結衣「京子一度冷静になれよ」
京子「えー、なんでー」
結衣「何で、じゃないだろ」
結衣「本当に死ぬかもしれないんだぞ」
京子「だからー、魔法でなんとかなるってー」
まどか「京子ちゃんは、魔法少女そのものに憧れてるんだね」
京子「うん、ずっと夢だったから!」
ガラ
マミ「話は聞かせて貰ったわ」
京子「え?」
まどか「ま、マミさん?」
マミ「そんな気持ちじゃ、あなた滅亡するわよ!」
結衣「またなんか来たわ…」ボソ
マミ「私は3年生の巴マミ、鹿目さんと同じ魔法少女よ」
京子「おおお!ここにも魔法少女が!」
マミ「歳納さん?あなた、魔女との戦いがどういうものかわかってるの?」
京子「そんなの、魔法でちょちょーいでしょ?」
マミ「全然違うわ、さっきから鹿目さんが言ってる通り、本当に命がけなのよ」
京子「うーん、でもなあ」
マミ「いいわ、イメージが沸かないのなら、一緒に魔女退治に付き合ってみない?」
京子「え?いいの?!」
まどか「マミさん、いいんですか?」
マミ「ええ、自分の目で見たほうがいいと思うから」
京子「行くいく、いきまーす!」
結衣「はぁ、全く、それじゃあ私も行くよ」
ちなつ「も、もちろん、私もです!」
マミ「それじゃあ、さっそく行きましょう」
あかり「……」
まどか「マミさん、ここに反応が」
マミ「いたわね。それじゃあみんな、準備はいい?」
京子「もっちろん!」
結衣「おい京子、邪魔するなよ」
ちなつ「結衣先輩のことは、私が守ります!」
結衣「あ、あはは…」
マミ「それじゃあ、行くわよ!」
ヒュウウウウン
あかり「ま、待ってあかりもー!」
マミ「おっ!」バンバン
まどか「えい!」バヒューン
京子「おー!すげー!すっげえ!」
マミ「みんな、大丈夫?!」
京子「もちろん!」
結衣「はい、大丈夫です」
ちなつ「す、すごい…」
まどか「マミさんあれ!」
マミ「ようやく魔女の登場ね」
マミ「それじゃあ行くわよ!」
-Gertrud-
京子「おおー!あれが魔女!」
ちなつ「うわ、気持ち悪いです」
結衣「あんなのと…」
マミ「みんなは危ないからここで待っててね」バッ
まどか「ティヒ、大丈夫だよ、すぐ倒してくるからね」
あかり「はぁはぁ…追いついたよぉ」
まどか「あかりちゃんも、ここで待っててね!」バッ
あかり「え?あ、魔女…」
京子「あかり遅いぞー」
あかり「置いてくなんてひどいよぉ!」
ちなつ「あ、始まった!」
ドゴオオオオオオン
マミ「ふぅ」
まどか「やりましたね」
京子「おおおおおおおおお!すっげえよ!」
ちなつ「ほんと、すごいです…」
結衣「あの二人、すごい強い」
あかり「ほんとに、すごいよぉ」
まどか「ティヒヒ」
マミ「さ、それじゃあ感想を私の家で聞きましょうか」
~マミの家~
マミ「さ、どうぞ」
京子「おー!ケーキだー!」
ちなつ「おいしいです!」
結衣「あの、ありがとうございます」
あかり「わぁいモンブラン!」
マミ「いいのよ、気にしないで」
まどか「魔女退治の後は、だいたいマミさんの家でケーキを食べるんだよ」
京子「おおー!」
結衣「おい京子、まだお前魔法少女になる気なのか」
京子「もっちろん!」
結衣「お前も今日あの戦い、見てただろう?」
京子「すごかったよ!あれこそ魔法少女って感じ!」
マミ「魔女との戦いを見ても怖気づかないなんて、歳納さんは才能あるのかもね」
京子「えへへー」
結衣「京子!少しでもミスしたらゲームじゃないんだ、死ぬんだぞ!」
京子「だからー、大丈夫だって」
結衣「なんでそんなこと言えるんだよ!」
京子「結衣は心配性すぎなんだよー」
ちなつ「結衣先輩、もう京子先輩はほっときましょうよ」
結衣「いや、京子は全然わかってない!」
まどか「あの、もし魔法少女になったら、私達もサポートするし」
マミ「ええ、どうしてもっていうなら、私達も歓迎するわ」
京子「ほらー、仲間もいるんだからさー」
結衣「いいから、一晩落ち着いて考えろよ」
QB「ボクとしても、早ければ早いほどいいんだけどね」
あかり「京子ちゃん…」
~あかりの家~
あかり「京子ちゃん、契約しちゃうのかなぁ」
QB「あかりは魔法少女になるのは怖いのかい」
あかり「うん…だって、あかり、あんなのと戦うなんて…」
あかり「あかり達は普通の中学生だったんだよ」
あかり「それなのに、あんなのと戦うのは怖いよぉ」
QB「でもあかり、君は魔法少女として最強に近い能力を持っている」
あかり「え?」
QB「なぜかはボクにもわからない」
QB「因果が集まっているのか、それとも君のことを強く思う人がいるのか」
QB「だからあかり、君の願いはどんな途方もない願いも叶うだろう」
あかり「でも、あかり願いなんて…」
QB「決まったらいつでも言ってよ。すぐに魔法少女にしてあげるから」
あかり「あかり…あかり…」
あかり「やっぱり、魔女と戦うの怖いよぉ…」
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