いち
律子「さあ、今週もはじまりました」
『いまさら人に聞けない人の怒らせ方』
律子「司会は私、秋月律子が」
律子「そして解説をして下さるのが」
教授「はぁい、よろしくお願いします」ペコリ
律子「こちらの、東京東海大学言語学 教授・碑文谷 潤(ひもんや じゅん)先生です」
律子「さて教授、今週は先週からの続きと言うことで」
教授「そうですね。アイドルの皆さんに、近しい人間を怒らせてもらおう、という企画でした」
律子「先週までに、春香が担当のプロデューサーを。そして響が、友人の貴音を」
律子「それぞれ怒らせることに成功していましたね」
教授「そうですね。……お二方とも、演技力だけでなく、教えたテクニックを駆使して見事に怒らせていました」
律子「はい。そして今週なんですが……」
律子「スタジオには先週に引き続き、こちらのメンバーに来ていただいています」
春香「あ、あはは~……よろしくお願いします」ペコリ
響「う……ううぅ~……」グスッ
貴音「ひ、響……わたくしはもう怒ってなどおりません。泣き止んでください……」
P「感情が昂ぶりすぎてるんだな。しばらくは貴音がそばにいてやってくれ」
貴音「は、はい……」
律子「えー、こちらのメンバーは先週怒らせた、そして怒らされた方々ですね」
律子「そして今週、実際に人を怒らせるのはこの二人です」
伊織「ハァ……よろしくお願いします」
美希「とにかく……が、がんばるの……」
教授「え~、ではまず伊織さんから始めてみましょう」
教授「伊織さんに怒らせてもらうのは……ご友人の『高槻やよい』さんですね」ニッコリ
伊織「ぐっ……予想はしてたけど……」
伊織「まさか本当にやよいだなんて……」
律子「やよいが本気で怒る所、ましてや伊織を相手にだなんて……」
P「普段の二人の関係を考えたら、不可能に近いかもな」
教授「ええ、それだけ仲が良い……お二人の関係は素晴らしいものだと言えるでしょう」
教授「しかし……『怒ったところ』を見たことが無い……」
教授「果たしてそれで、真の友人であると胸を張っていえるのでしょうか」
伊織(なにもっともらしいこと言ってんのよ……)
教授「相手を怒らせ、相手の普段は見えない面を見ることで、より友情が深まるのではないでしょうか」
律子「……まぁ、そこに関しては先週分の貴音と響のドッキリで、少しは伝わったんじゃないでしょうか」
教授「そういうことです」ニッコリ
伊織「ハァ……わかったわよ、やればいいんでしょ、やれば」
伊織「この私が、やよいと『真の友人』だと言えるように」
伊織「やよいをブチギレさせてやろうじゃないの!」
―――
モニタールーム
律子「今回は、やよいと一緒に休日のプランを話し合う……ということらしいですね」
P「そう言ってやよいを呼び出した、ってことか」
教授「伊織さんはすでに部屋にスタンバイしていますね」
美希「……コレって…………逆だったら、すっごくカンタンだったのにね」
春香「逆って?」
美希「やよいが、でこちゃんを怒らせるの」
P「あぁ~………………簡単……かなぁ?」
律子「普段ならまだしも……やよい相手に、伊織が怒るかしらねぇ」
美希「そう?……でこちゃんっていっつも怒ってるカンジだから……カンタンだと思うの」
律子「そりゃあアンタ限定でしょ」
美希「…………ムーッ」
―――
ガチャ
やよい「伊織ちゃんおはよー!」
伊織「おはよう、やよい」
やよい「今度のお休みは、伊織ちゃんと一緒に遊べるんだよね!」
伊織「……えぇ。だから、どこに行きたいかやよいに聞こうかと思ったの」
やよい「うっうー!二人で遊ぶなんて久しぶりだね!」
伊織「そうね。……やよいは、どこか行きたいところある?」カチカチカチカチ
カチカチカチカチカチカチ
やよい「え?……うーん……」
やよい「たまには、近所の公園とかでもいいかなーって。……あとはぁ……」
伊織「」カチカチカチカチカチカチ
やよい「あ、あうぅ……えーと、その……」
伊織「」カチカチカチカチカチカチ
やよい「え、と…………」
伊織「」カチカチカチカチカチカチ
―――
律子「なるほど、『ペンカチカチ』ですね」
教授「基礎の基礎、ですね。入りとしては非常に有効でしょう」
・怒らせるテクニック
⑯ペンカチカチ
持っているペンを常に「カチカチカチカチ」言わせ続ける。
その耳ざわりな音が、相手を非常に不快にさせる、怒らせ方の基礎テクニック
―――
やよい「……伊織ちゃん、きげん悪いの?」
伊織「なんで?別に悪くないわよ?」カチカチカチカチ
やよい「そ、そう?……ホントに?」
伊織「機嫌悪いように見えるかしら?」カチカチカチカチ
やよい「あ、あうぅ……えっと、あのぉ……」
―――
P「やよい、止めてほしいけど言いだせないみたいだな」
律子「やよいの人の良さが原因でしょうね」
―――
伊織「そうねぇ……公園で散歩するのも、悪くないかもね」カチカチカチカチ
やよい「…………」
伊織「……どうしたの、やよい?」カチカチカチカチ
やよい「あ……あの、伊織ちゃん!」
やよい「そ、その……ペンを一回、置いてくれないかなーって……」
やよい「なんかその……えっと……怒ってるみたいで……ちょっと怖い、から……」
伊織「あら……そんなつもりなかったんだけど……」
伊織「でも不安にさせて悪かったわ。……はい、止めたわよ」ニッコリ
やよい「あ、うん……ありがとう」ホッ
―――
律子「さて、怒らせる下地は作ったわよー」
春香「問題はこの後ですね……」ゴクリ
P「しっかし伊織もやるなぁ。『そんなつもり』でしかペンカチカチやってないのに」
律子「春香と響が全力も全力でしたからねぇ……。演技も本気にならざるを得ないんでしょう」
765プロ全員をブチギレさせるにはやよいをボコボコにするのが一番手っ取り早そう
伊織「それじゃあ午前中は、公園で散歩でもしましょうか」
やよい「……う、うん」
伊織「他に、何かやりたいこととかないかしら?」
やよい「え、と……」
やよい「……あ!そう言えば伊織ちゃん、この前おいしいケーキ屋さんがあるって言ってたよね!?」
やよい「長介たちにも食べさせてあげたいし、そこに
伊織「は!?過去のことはどうでもいいじゃない!」
やよい「…………」
伊織「?」
やよい「い、伊織……ちゃん……?」
伊織「どうしたの、やよい?」
やよい「え……だ、だから……おいしいケーキ屋さんがあるって、この前
伊織「やよい!」
やよい「はひ!」ビクン
伊織「……過去のことをどうこう言ってもしょうがないじゃないの。……忘れましょう」
やよい「伊織ちゃん……やっぱり怒ってるの?」
伊織「え?何か怒るようなことあったかしら?」
やよい「え、だって今……」
伊織「怒ってないわよ?……わたしが、怒ってるように見える?」ジッ
やよい「そ、その……」チラッ
伊織「」ニコニコ
やよい「あぅ……見えない……けど……」
伊織「やよいってば、変なことばっかり気にしすぎなのよ。怒ってるように見えないでしょ?」
やよい「…………」
やよい「……う、うん……ゴメンね……」
伊織「気にしないわよぉ。……で、何がいいかしらね?」
やよい「…………」
やよい「……」ビクビク
やよい「け、ケーキ屋さんに
伊織「……まだ過去に引きずられてるの?」ハァ
―――
P「うぜぇ……」
教授「これは『過去嫌悪』と呼ばれるテクニックですね」
・怒らせるテクニック
⑰過去嫌悪
過去の話、昔の話になったとたんに、人が変わったようにその話を終わらせようとする。
どのような会話の流れ、状況でも無理やりに終わらせるのが望ましい。
―――
やよい「あ、あぅ……」ジワァ
伊織「……!?」
伊織「そ、そうね……ケーキ屋さん、いいんじゃないかしら?」
やよい「え、でも……」
伊織「いいわよ、行きましょう?」ニコッ
やよい「……………う、うん……!」
やよい(伊織ちゃん、今日はなんだか怖いけど……)
やよい(…………うん、きっと気のせいだよね!)
伊織(さ、さっきの流れは危なかったわ)
伊織(……)
…………
律子「やよいの場合、強気の態度で出るだけだと『恐怖心』が『怒り』を上回って……」
律子「怒るより先に泣き出す危険性があるわ」
伊織「ええ、そこが不安なのよ……やよいを泣かせずに、かつ怒らせる」
教授「そうですねぇ……でしたら、この辺りのテクニックが効果的なんじゃないでしょうか」
…………
伊織(…………そろそろ、使う必要がありそうね)
伊織「……そう言えば、やよいはどんなケーキが好きなのかしら?」
やよい「わたし?うーん、おいしいケーキだったら、みーんな好きだよ!」
伊織「ふふふ、やよいらしいわね」
伊織「わたしだったら、StrawberryかOrangeを使ったCakeが好きね」
やよい「……え?」
伊織「?どうかしたの?」
やよい「え、えっと……伊織ちゃん、今なんて言ったの?」
伊織「?だから……StrawberryかOrangeを使ったCakeが好きね、って」
やよい「あ、の……す、すたらぅべりぃ?……おぉうれんじ?」
伊織「ええ、StrawberryとOrange……あ、そっかゴメンなさいね」
伊織「『ストロベリー』と『オレンジ』って言わなきゃ、通じなかったわよね。日本じゃ」
やよい「え……」
伊織「ちょっと私ってば、英語も堪能だから……こういう時って、つい本場の発音になっちゃうのよ」
伊織「聞き取りづらくて悪かったわね」ニヒヒッ
やよい「え、あ……うん……」
伊織「そうねぇ……公園行って、Cake買って……だと、他に行けるところが限られちゃうから」
伊織「なんなら、Cakeは最後にしてもいいんじゃない?」
やよい「け、けぃく……」
伊織「……あ、『ケーキ』って言わなきゃ通じなかったわよね、ゴメンなさい」
やよい「…………」
伊織「?」ドヤァ
やよい「…………」
―――
春香「やよいがイラついてる……ように見える……」
律子「ここまで持ってきただけでも大したものね」
P「しかし……何でしたっけ?『帰国子女アピール』でしたっけ?」
P「伊織のキャラに合いすぎてて、わかって見てるこっちまでイラついてきますね」
教授「ええそうですねぇ。ご自分の性格や特徴を把握し、より効果的なテクニックを使う」
教授「そういう意味で、このテクニックを一番使いこなせるのは伊織さんしか居ないでしょう」
・怒らせるテクニック
⑱帰国子女アピール
英語の発音をやたら流暢に言う。
指摘された際は、「海外だと~」と自分の外国経験をアピールするのがベター
さらに「日本だと……」とわざとらしくカタカナ語に言いなおすのが最も効果的
やよい「伊織ちゃん……やっぱり今日はなんだかおかしいよ」
伊織「…………急にどうしたのよ、やよい?」
やよい「あの……うまくは言えないけど……なんかおかしいです」
伊織「……どこが?」
やよい「……それは…………」
伊織「もうやよいってば……どこがおかしいのか言ってくれないと、こっちも対処のしようがないわ」
やよい「あうぅぅ……」
伊織「……」
伊織「……公園、でもいいんだけど…………」
やよい「?」
伊織「いっそ遊園地に行く、ってのはどう?」
やよい「え……えぇ!?ゆ、遊園地ぃー!?」
伊織「わたしのオゴリ、でいいわ。やよいはお金出さなくていいわよ」
やよい「えぇ~!?そそそそんなのダメですっ!伊織ちゃんに悪いし、わたしだって遊園地に行くお金くらいなら……」
伊織「違うわよ。……さっきからやよいに心配かけちゃってるみたいだから、そのお詫びによ」
やよい「はぇ?」
伊織「別に私はおかしくないけど……やよいにはそう見えた、って言うなら、そうだったのかもしれないわ」
伊織「心配かけちゃったし、私から遊ぼうって言いだしたんだし……」
伊織「その日くらいは、私が全部なんとかするわ」
やよい「伊織ちゃん……で、でも……」
伊織「私がやりたいからやる、のよ。いいでしょ?」
やよい「…………うん、わかった……。伊織ちゃんゴメン……」
伊織「気にすることないわ。私の意思なんだから」
伊織「それに……やよいって貧乏じゃない?」
やよい「…………」
やよい「…………伊織……ちゃん……?」
伊織「……?貧乏でしょ?」
やよい「そ、そうだ……けど…………」
伊織「やよいってば……ほんっとうに貧乏だものね」
やよい「……」
伊織「やよいがすーっごく貧乏なのもあるし……ちょうどいいんじゃないかしら?」
やよい「伊織ちゃん…………」
やよい「たしかに貧乏だけど……でも……」
伊織「もうほーんと、すっっっっっごく貧乏なんだから、私にお金出させなさいよね」
伊織「送迎は……早く着くし、ヘリコプターでいいかしら?」
やよい「ぇええ!?」
伊織「まぁお兄様たちに土下座の一つでもすれば、1台くらい借りられるわ」
やよい「……ど、どげ……!?」
伊織「すーーーーーーーーーっごく貧乏なんだから、それくらいの贅沢はさせてあげたいのよ」
やよい「や……そんな……だ、ダメだよ……!」
伊織「そうね……もう、遊園地一日貸し切っちゃうのがいいわね」
やよい「か、かし……!」
伊織「5000万くらいあれば足りるかしら?」
やよい「ごせ……ごせん……!?」
―――
教授「なるほど。『強調』と『ヘビー』を併せて使ってきましたね」
P「やよいの貧乏部分には触れると思ったけど……こういう使い方もあるのかぁ」
・怒らせるテクニック
⑲強調
相手の苦手とする部分、気にしている部分を強調して言う。
何度も言い、その度に語気を強くしていくのが基本。
⑳ヘビー
相手からすると重すぎるような行動を取る。
相手を巻き込むのではなく、自分が一方的に不利益を被るような行動にするのが注意点。
―――
伊織「やよいほどの、もう有り得ない貧乏さを考えたら……このくらいの贅沢してみるものよ?」
やよい「…………や……」
伊織「大丈夫よぉ!私の持ってる宝石とか売り払えば、それくらいは何とかなるわ」
伊織「だから、やよいも気にしないで
やよい「やめてよ伊織ちゃん!」
伊織「……何?」
やよい「……いやだよぉ。……伊織ちゃんが、そこまでする必要ないないよ」
伊織「……ハァー」
伊織「やよいがぁ……もう本当に、どうしようもなく……絶望的なくらい貧乏だから
やよい「もうやめて!」
伊織「…………」
やよい「……たしかにうちは貧乏だけど……伊織ちゃんにそこまでしてもらう理由なんてない」
やよい「だからもうやめてよ。……そんな伊織ちゃん、見たくないです……」
伊織「……どこが不満だって言うの?」
やよい「……」
やよい「……なんか、今日は最初からおかしかったかなーって……ペンをカチカチしたり……」
伊織「フゥー……はいはい」
やよい「それに……普段は言わないようなことばっかり……」
伊織「それで?」
やよい「わたしは貧乏かもしれないけど、伊織ちゃんはそんなこと気にしないでくれてるんだと思ってた……」
伊織「はいはい」
やよい「なのに……わたしが貧乏だからって無理して
伊織「わかったわ、わかったわよ」
やよい「……!」
やよい「ちゃんと聞いて下さい!」
ドンッ
伊織「痛っ!」
やよい「……ごめんなさい。……でも、ちゃんと聞いてほしいんです」
伊織「……」
やよい「伊織ちゃんには、わたしのことで迷惑かけたくない……」
やよい「だから
伊織「はいはいはい」
やよい「!」ブチッ
, ‐、 ,- 、
ノ ァ'´⌒ヽ ,
( (iミ//illi))) | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ l
)ノ`リ・ω・ノ( l キレてないですよ? l
_, ‐'´ \ / `ー、_ _ノ l
/ ' ̄`Y´ ̄`Y´ ̄`レ⌒ヽ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
'い ヾ`ー~'´ ̄__っ八 ノ
ヽ、 ー / ー 〉
`ヽ-‐'´ ̄`冖ー-く
ドンッ
伊織「……痛っ……たいわねぇ。どういうつもりよ、やよい」
やよい「…………どういうって……」
やよい「どうかしてるのは伊織ちゃんの方です!」
やよい「……どうしてまじめに聞いてくれないんですか!?」
伊織「…………」
やよい「わたしは、ふつうに伊織ちゃんと遊びたいだけなんです!」
やよい「なのにわたしが貧乏だからって……遊園地かしきるなんておかしいです!」
やよい「わたしは貧乏だからって、伊織ちゃんみたいになりたいなんて思ったことない!」
伊織「…………」
やよい「伊織ちゃんはわたしの大切なお友達だけど……」
やよい「そんなことしてほしくないし、そんなこと言わないでほしいです!」
伊織「…………」
やよい「……ハァー……ハァー……」
伊織「……気が済んだ?」
やよい「…………」
やよい「……ごめんなさい」
やよい「もう……今度のお休みは……うちにいます」
やよい「伊織ちゃんと遊びたくない……です……」
伊織「……」
やよい「……」
伊織「……」
やよい「……」
ガチャ
教授「失礼しまぁ~す」
やよい「?」
伊織「……やっと……やっと解放されるのね……」グッタリ
やよい「え!?だ、誰ですか……?伊織ちゃん……?」
P「俺らもいるぞー」
律子「伊織……よくぞまぁクリアできたわね」
やよい「プロデューサーも、律子さんも……どうしたんですか?」
律子「そうね……伊織の名誉のためにも、ちゃんとネタばらししてあげましょう」
―――
やよい「うぁう~……うわぁーん!」
伊織「や、やよい泣かないでよ……」
やよい「だって……伊織ちゃんがあんなひどいこと言うなんてって……」
やよい「それに……ヒック……が、ガマンしてたけど……」
やよい「伊織ちゃんにきらわれたらどうしようって」
やよい「そ、それ……そればっかり考えて……」
伊織「やよい……」ジーン
伊織「謝らなきゃいけないのは私の方よ。本当にゴメンなさい」
伊織「そして……そこまで私のことを思ってくれて、本当にありがとう」
やよい「うわぁ~ん!い、伊織ちゃぁーん!」
伊織「……やよい……」
教授「いやぁ、やはり素晴らしい友情でしたねぇ」
律子「そうですね。やよいの怒るシーンなんて滅多に見れるものじゃありませんでしたね」
教授「はいぃ。普段怒り慣れていない人でも、テクニックを駆使すれば簡単に怒らせることができるんですねぇ」
律子「ちなみに教授、伊織が最後に使ったのは……」
教授「はい、あれは『ダメだしつぶし』と呼ばれるテクニックですね」
・怒らせるテクニック
?ダメだしつぶし
相手からの説教、ダメだしに対して、喰い気味で相槌を打つ。
真面目に話を聞いていない姿勢だけでなく、喰い気味の相槌自体が持つウザさが怒りを倍増させる。
P「なるほどぉ。教授、参考になります」
美希「……絶対なるわけないの」ボソッ
教授「さぁ、次はそんな美希さんの番ですよ」
美希「……すっごくやりたくないの」
P「さっきから黙りっぱなしだったもんなぁ」
美希「もう不安でしょうがないの……」
千早さんかしら
教授「さて、そんな美希さんの相手は……この方ですね」
律子「…………小鳥さん……」
P「ウチの事務員ですが……そうか、小鳥さんですか……」
美希「小鳥かぁ…………なーんだ」
美希「てっきり真くんとか、千早さんとか……そういう人たちが来ると思ってたの」
美希「あの二人は怒らせたくなかったけど……小鳥だったら大丈夫そうなの」
律子「……既に相手を見下してるわねぇ」
P「ひどい言い草だ。これ聞いただけでも怒られそうだな」
教授「ふふふ、しかし自体はそんなに甘くはありませんよぉ」
美希「なんで?」
教授「相手は美希さんがやる気がないのは、すでに知っています」
教授「またわがままであり、気まぐれである、ということも」
教授「そして資料によりますと、そこまでアイドルに強く出れない性格や立場でもありますねぇ」
律子「……確かに。注意することはあっても、本気で怒っている姿はあまり見ないです」
P「美希の性格を知ってる……ってとこからしても、意外と強敵かもなぁ」
BBAで
美希「む……か、関係ないの!ミキが、小鳥を怒らせてやるの!」
律子「……まあ、頑張りなさい」
美希「律子、さんは安心して見ていればいい、って思うな!……いってきますなのー!」
―――
教授「さて、今回は事務所で怒らせてもらいましょう」
P「まぁ事務員ですからね。二人が基本的に会う場面も、必然的にここでしょう」
律子「仕事の報告と、次の仕事についてのスケジュール確認……が美希のやることですね」
春香(美希頑張れ!……って、応援はコレでいいのかなぁ……)
―――
ガチャ
美希「ただいま帰ったのー!」
小鳥「あら、美希ちゃんお帰りなさい」
小鳥「今日のお仕事はどうだったかしら?」
美希「うん、えーとね……」モグモグ
美希「まぁまぁ楽しかったの!」モグモグ
小鳥「そう。えーと……もうちょっと具体的にお願いできるかなー……?」
美希「うーんとね……」モグモグ
美希「雑誌の撮影だったんだけど」モグモグ
美希「カメラマンさんにも……モグモグ……ほめられたし……モグモグ……」
美希「モグ……モグモグモグ……」
小鳥「あ、あははー……おにぎり、ちゃんと食べ終わってからでいいわよー?」
美希「モグモグ……良い写真いっぱいとれたって思うな……モグモグ」
―――
教授「まぁ軽いジャブみたいなものでしょうね」
律子「私ならアレ、すぐにひっぱたいてますね」
・怒らせるテクニック
22:ながら報告
何かをしながら、その片手間に相手への報告を済ませる。
食事以外にも、雑誌を見ながら、ゲームをしながら、などのバリエーションがある。
―――
美希「……以上なの!」モグモグ
小鳥「……あ、ありがとうね。美希ちゃん」
美希「じゃあ明日の予定教えて」モグモグ
スッ
小鳥(……?iPodなんか取り出してどうするのかしら……)
小鳥「……えーとね、美希ちゃんは明日は」
スッ
美希「~♪~♪」モグモグ
小鳥「…………」
小鳥「トーク番組の収録なんだけど……」
美希「~♪~♪」
美希「」モグモグ
小鳥(……完全に聞いてないわよね……)
―――
律子「続けざまに来たわね。『ながら』シリーズで」
P「ちなみに律子だったら?」
律子「イヤホン引っぺがして、おにぎり没収して、床に座らせてお説教です」
・怒らせるテクニック
23:ながらリスニング
相手の話を、何かをしながらの片手間に聞く。
食事の席での話で、食事をしながら……など、それが当然である状況では効果が薄い。
―――
小鳥「美希ちゃん、美希ちゃ~ん」フリフリ
美希「~♪……なんなの?」モグモグ
小鳥「……も、もぅ~。スケジュール確認したがってたのは美希ちゃんでしょお~?」
小鳥「そんなイヤホンなんてしてたら、聞こえないんじゃ
美希「ちょっと黙ってなの」
小鳥「……へ?」
美希「いいから黙ってなの」
―――
教授「美希さんは凄いですねぇ。一気に畳み掛けてきました」
律子「この状況ですぐさま『裏切り』を出しに行くとはねぇ……」
律子「これはすぐに小鳥も怒るかしら」
春香「……ちなみに律子さんだったら……」
律子「ビンタの一発くらいはやむを得ないでしょうね」
P(怖ぇ~)
・怒らせるテクニック
24:裏切り
相手に意見・発言を投げかけておいて、全く予想しえない返答を行う。
相手に発言を促す、という点から、「黙って」がもっとも効果的であり基本である。
―――
小鳥「か、確認してきたのは美希ちゃんの」
美希「黙ってなの」
小鳥「…………」
美希「…………」
小鳥「……明日は
美希「黙ってなの」
小鳥「…………」
美希「…………」
小鳥「……どういう
美希「いいから黙ってなの」
小鳥「…………」
美希「…………」
―――
律子「空気がピリピリと張りつめてきましたね」
春香「なんかもう……見てるのも怖いですよ……」
―――
美希「……わかったの、小鳥」
小鳥「……何が?」
美希「ジャンケンしよう?……なの」
小鳥「はい?」
美希「だからぁ……ジャンケンすればいいと思うな」
小鳥「え?な、なんで?なんでそうなるの?」
美希「小鳥も困ってるみたいだから……ジャンケンして、ミキが負けたら」
美希「ちゃんと小鳥の話、すなおに聞くことにするの」
小鳥「……は、はぁ…………」
美希「いい?」
小鳥「い、いや、まぁ……いい、わよ?」
小鳥(……いつもの気まぐれかしら……まぁ、しょうがないから付き合ってあげますか)
小鳥(子供相手に、こんなことで目くじら立ててもしょうがないものね……)
小鳥「じゃあ、さーいしょーはグー」
小鳥「じゃーんけーん」
美希「」プククッ
小鳥「…………」
小鳥「………………え?」
>>小鳥「……何が?」
小鳥さんこわいよ…
>>小鳥「……何が?」
小鳥さんこわいよ…
美希「こ、小鳥……」クスクス
美希「ま、マジ?……マジなの?」
小鳥「…………どういうことかしら、美希ちゃん?」イライラ
美希「え、だって……クスクス……小鳥ってば……ま、マジなんだもん……」
小鳥「……マジじゃ悪いのかしらねぇ」イライラ
小鳥「大体、勝負をしかけてきたのは美希ちゃんの方じゃないの?」
美希「ちょ、ちょっともう……ククク……や、やめてほしいの……!」
美希「ま、マジすぎるの……!小鳥ってば……マジすぎるの……」
小鳥「美希ちゃん……お姉さんもそろそろ怒るわよ?」
・怒らせるテクニック
25:マジ指摘
ジャンケンなどの勝負事をする相手に対し、執拗に「なに、マジなの?」と問い詰める。
自分から切り出した勝負、より相手をバカにした口調などであれば効果は高い。
おばちゃんもそろそろ怒るわよ?
美希「え、なに?キレてるの?」
小鳥「…………」
美希「ひょっとして……マジな上に……キレてるの?」クスクス
小鳥「…………」
小鳥「今はまだだけど……もうそろそろしたらキレそうよ」
美希「やっぱりキレるの?」
小鳥「……大人をからかうのもいい加減にしたらどう?美希ちゃん」
小鳥「どういうつもりかは知らないけど……あんまり良い行いとは言えないわよ」
小鳥「今だったらまだ我慢してあげるから……」
小鳥「謝れ、とは言わないわ。……もうやめてちょうだいね」
美希「……キレてる?」
小鳥「…………」
美希「やっぱりキレてるの?」
小鳥「…………いいえ。美希ちゃんがそういう言い方しなくなれば、キレないわ」
美希「……あっそ」
小鳥「…………フゥー」
美希「小鳥は我慢強いんだね!」
小鳥「……そうかしら、ね……」
美希「やっぱりオバサンになると、我慢強くなるのかなぁ?」
小鳥「…………」
小鳥「…………は?」
美希「ミキ、そんなに我慢強くないもん。小鳥みたいなオバサンになれば、我慢強くなるのかなぁ」
小鳥「……美希ちゃん?」
美希「あれ?オバサンなのに……キレてるの?」
小鳥「…………」
美希「ひょっとして……本当にキレてるの?」
美希「我慢強いオバサンなのに……」
小鳥「……………よぉ……」
美希「?何か言ったの?」
小鳥「オ………けど……レて……よ……」
美希「?」
小鳥「オバサンだけどキレてるわよぉ!」
美希「……」
小鳥「悪い!?オバサンでいて何か美希ちゃんに迷惑かけた!?」
小鳥「オバサンでいて何が悪いのよぉ!私だって好きでオバサンになったわけじゃないわよぉ!」
小鳥「そりゃあ美希ちゃんはいいでしょうね!これからオバサンになるかもしれないけど、まだまだ若いんだから!」
小鳥「私だってねえ、できることなら美希ちゃんみたいな若くて我慢強くなかった頃に戻りたいわよぉ!」
小鳥「我慢強さなんてあったってオバサンじゃほとんど何の役にも立たないんだからぁ!」
美希「……」
小鳥「いっつもいっつも美希ちゃんたちのことばっかり考えて、自分のことなんて放ったらかしてさぁ!」
小鳥「その結果がコレよ!この我慢強いオバサンの末路よ!」
小鳥「でももうこんなに怒っちゃってるから、我慢強くなんてないわよ!」
小鳥「そうよ、オバサンよ!わたしなんてただの我慢強くもない普通のオバサンなのよ!」
小鳥「美希ちゃんみたいに人の話聞きながらおにぎり食べる度胸もないし」
小鳥「勝負かけられたら2×歳にもなってマジでジャンケンするような……」
小鳥「そんなしょうもないオバサンで悪かったわね!」
美希「…………」
小鳥「フゥー……フゥー……」
美希「…………」
小鳥「……笑いたきゃ、笑えばいいわ…………」
小鳥「こんな哀れなオバサンでよければ、ね……」
なんか胸が痛む
美希「……小鳥…………」
小鳥「何かしら?」
美希「ミキ、さすがにひどいこと言いすぎたの」
美希「だから、セキニンとって死ぬことにするの」
小鳥「…………へ?」
美希「ごめんね、小鳥……」ダッ
ガチャ
バタン
小鳥「……み」
小鳥「美希ちゃん!?」サァーッ
小鳥「ちょ、み、みき、み、みきき、美希ちゃん!?」
ガチャ!
ドンッ
小鳥「うわっ」
P「えー、あのー……小鳥さん……」
小鳥「いつつ……は……ぷ、プロデューサーさん、ですか……?」
小鳥「ハッ!そ、そうだ、美希ちゃんは!?美希ちゃん知りませんか!?」
P「えーと…………美希なんですが……」
美希「ここだよー」ヒラヒラ
小鳥「……美希ちゃん……フゥー」ヘロヘロ
律子「えー、小鳥さん……わけがわからないと思うんで……一から説明しますね」
小鳥「……律子さん、ですか……?…………一から……?」
P「教授!教授も小鳥さんを抑えて下さい!」
教授「いえぇ、すいませんねぇ。わたくしは美希さんのテクニックについて解説しなければいけませんので……」
春香「小鳥さん!小鳥さん落ち着いてください!」
小鳥「死ぬ!死にます!あ、あ、あんな醜態を世間様に見せるくらいなら、今この場で死にますぅ!」
小鳥「音無小鳥、この場で2×歳の人生に幕を下ろしますぅ!」
律子「小鳥さん早まらないで!どうしてもアレならお蔵入りにしますから!」
教授「えぇ~ちなみに、美希さんは最初から最後まで、フルスロットルでテクニックを駆使していましたね」
教授「特に最後の連続技は……見事、と言うしかありませんね」
・怒らせるテクニック
26:キレ指摘
相手の語気が強くなった瞬間に、「キレてんの?」といきなり指摘する。
それに反論してきた場合も同様に「キレてんの?」と繰り返すことでフラストレーションを溜めることができる
27:直球
オブラートに一切包まずに発言する。相手が気にしていること、普段はタブーとされる言葉であれば最高
例:「母さん、息子たちの前でなんだが……今晩セックスしないか?」
教授「これらを巧みに使い分け、小鳥さんをこのような状況にまで追い込んだ……」
教授「美希さんはまさに、『人を怒らせる』という分野においても、その天才的な素質を開花させたようですね」ニッコリ
教授「さて……次回も、アイドルの方々を呼んでのレクチャーをしたいと思います」
教授「それでは皆様、ごきげんよう……」
小鳥「せめて!せめて親にだけはこんな姿見せたくないんですぅ!」
小鳥「この番組の存在を一切伝えないで!お願い、お願いしますぅ!」
美希「わ、わかったの!み、ミキが、ミキが全部悪かったの!……だから落ち着いてなの小鳥~!」
……来週もお楽しみに!
なんか勝手にパートスレにしそうな終わり方にしちゃったけど、今から他のアイドルたちのも書きます
足痛いんで、ちょっと休憩
律子「みなさま、いかがお過ごしでしょうか」
『いまさら人に聞けない人の怒らせ方』
律子「司会の秋月律子です」
律子「そして解説には、お馴染み碑文谷 潤(ひもんや じゅん)先生をお呼びしています」
律子「よろしくお願いします」
教授「はい、よろしくお願いしますぅ」ペコリ
律子「……さて教授、今回も、前回までに引き続きアイドルたちにレクチャーされるということで……」
教授「はいそうですね。厳しい芸能界を勝ち抜いていくためにも……」
教授「人の怒らせ方を学ぶ必要があるのではないでしょうか」ニコリ
律子「……わかりました。では、今回のメンバーをご紹介しましょう……この方々です」
真「よっし。とりあえず、よろしくお願いしまーっす!」
亜美「んっふっふ~、よろチクねぇ~ん」
千早「……」ペコリ
律子「はい、今日はこのメンバーでお送りしていきましょう」
真「なぁ律子……これって、本当に役にたつの?」
千早「私もそう思うわ……怒らせずにすむ方法を、そのまま学んだ方が効率が良いんじゃない?」
教授「!」
亜美「あれ、教授っち先生、怖い顔になってるよぉー……」
真(……怒らせちゃったかなぁ……)
千早(怒らせる権威の方が怒るなんて……本当に凄い人なのかしら……)
律子「まぁまぁ二人ともそう言わずに」
律子「……人によって効果は様々だけど、春香・響・伊織には良い効果があったわ」
真「ふーん……」
教授「……」ニコニコ
亜美「今度は笑ってるけど……やっぱり何か怖いよぉ」
千早(……不愉快な笑顔ね)
律子「とりあえず、まずは講習を受けてみましょう。……教授、お願いします」
教授「はいぃ~、ではまずは基礎の怒らせ方から……」
…………
律子「とまあ、これで大体のテクニックは覚えたわね」
亜美「……面白い……面白すぎるよぉ教授っち先生!」
亜美「亜美、こんなに怒らせ方があるなんて知らなかったよー!」
教授「はっはっは。いやぁ、亜美さんには楽しんでいただけたようで、何よりですよ」ニッコリ
真「なんかまぁ……試してみたくは、ありますね」
千早(まったく……あんな講習で本当に効果があるんだか…………)
律子「……よし、では……早速実践に移りましょう」
律子「まずは真からよ」
真「!ぼ、ボクからか……よーっし、誰なんですか?」
教授「えー、真さんに怒らせていただくのは……」
教授「ご友人の『萩原雪歩』さんですね」
千早「…………まぁ、予想通りかしらね」
亜美「ゆきぴょんが、まこちんに……怒るかなぁー」
真「雪歩……を、怒らせなきゃいけない……のかぁ……」
律子「先週、伊織がやよいを怒らせたんだけど……それと同じ注意点があるわね」
真「……やよいと同じ?」
律子「雪歩も人のことを悪く言えない人間だから……『怒る』より先に『泣く』可能性があるわ」
真「……!」
律子「もちろん激怒しながら、感情が昂ぶって泣くことはあるでしょうけど……」
律子「なるべくなら、『泣かせずに怒らせる』のを意識してね」
真「うわーっ、何か一気に難しくなった気がするよぉ……」
真「でも……怒った姿を見ずに真の友情なんて語れない……ですよね、教授?」
教授「ええ、その通りです」ニッコリ
真「……わかりました。……全力で怒らせてきます!」
―――
モニタールーム
P「よろしくお願いします」
律子「……というわけで、ここからはすっかりこの番組のファンとなった……」
律子「わが社のプロデューサー殿も一緒に参加します」
P「律子、雪歩がまだ来てないようだけど」
律子「えー、今回はですね……真が雪歩を事務所に呼ぶ、ということになっているようです」
教授「待ち合わせの時間ですので……そろそろ来ることでしょう」
―――
ガチャ
雪歩「あ……真ちゃんおはよう」
真「おはよう雪歩。……ゴメンね、わざわざ事務所まで呼び出したりして」ペラリ
雪歩「ううん大丈夫だよぉ……それで、どうしたの?」
真「あぁそれがさぁ……」ペラリ
雪歩「……何読んでるの?」
真「?コレ?……雪歩の詩集だよ」ペラリ
雪歩「…………」
雪歩「………………え?」サァーッ
真「けっこー面白いね」ペラリ
雪歩「な!え、ちょ……ちょっと!」
バッ
真「あれ」
雪歩「ひぃぃいん!よ、よま、よま読まないでよぉ!」カアァ
真「あれー……」
雪歩「な、なん……え?ど、どこから?どこから持ってきたの……?」
真「ああそれ?雪歩のロッカーに入ってたのを持ってきたんだよ」
雪歩「ひぃい……な、なんでロッカー開けちゃうのぉ!?」
真「あれ?ダメだった?」
雪歩「だ、ダメに決まってるよぉ!……いくら真ちゃんでも、ダメなものはダメ!」
真「あー、そっかー……」
・怒らせるテクニック
28:無神経
他人の日記や手帳、携帯を無神経に覗き見する。
父親から娘に対してやるのが、一番効果的。
―――
教授「入りとしては素晴らしいですねぇ」
律子「もう『怒ってる』ようには見えますからね」
千早「……萩原さん、本当に怒ってしまうのかしら……」
―――
雪歩「真ちゃん……次からは本当に止めてね……?」グスッ
真「あ、あぁうん……ゴメン雪歩……」
真(ダメだ。泣かせちゃダメなんだ……)
真(……でも、ボクの使うテクニックを考えれば……こうせざるを得なかった)
真(そうだ!恥は捨てろ……恥は捨てるんだボク……!)
真「……ゴメンよ雪歩。……お詫びにと言っちゃアレだけど……アイス食べない?」
雪歩「アイス?」
真「うん。一緒に食べようと思って、買ってきたんだ。……雪歩のは抹茶味だよ」
雪歩「あ、うん……。……わかった……一緒に食べよ?」ニコッ
真「よっし!今持ってくるよ」
真「はい、お待たせ」
雪歩「ありがとう真ちゃん。……いただきまーす」
真「いただきまーす」
カパッ
真「あちゃー、フタにアイスついちゃってるよぉ」
雪歩「ふふ……そういうことってあるよね」
真「……しょうがないなぁ」
ベロン
雪歩「……!?」
真「……!うん、美味しい美味しい!」ベロンベロン
―――
律子「真……よりにもよって『ソレ』をやるなんて……」
教授「これは『信用クラッシュ』と呼ばれるテクニックですね。長期戦、短期戦どちらにも有効ですが……どちらなのでしょう」
亜美「うわーまこちん…………うわー…………」
・怒らせるテクニック
29:信用クラッシュ
その人の信用を無くすような、常識知らずな行動をとる。
やる人、受ける人によっては、与えるダメージも甚大である。
―――
雪歩「ま、真ちゃん……!」
真「どうしたのー、雪歩?」ベロンベロン
雪歩「……あ、あの……」
雪歩「や、止めてよぉ!……真ちゃん、はしたないよ!」
真「……そう?」
雪歩「そうだよ!」
真「……そっか。わかった、やめるよ」
雪歩「……フゥー……」ホッ
真(……)
真(今のは……『強く注意した』だけだ……怒ってはいない)
真(雪歩……ゴメン……。でも……ボクも雪歩の本気で怒った顔を見ないと、止められないんだ!)
……
真「ふぅ~、ごちそうさま」
雪歩「ごちそうさま。美味しかったよ、真ちゃん」
真「へへっ、そう?」
雪歩「それで……話って何?」
真「ああ、雪歩この前さぁ、スタッフの人たちと上手くコミュニケーション出来ないって言ってたよね?」
雪歩「え?……う、うん……」
雪歩「この前は四条さんが一緒に居たからよかったけど……」
雪歩「普段は、男のスタッフさんたちと全然しゃべれないし……」
雪歩「それに……そのことで、『挨拶もできない』って陰口言われたり……」
真「あぁ、それは良くないなぁ。……殴っちゃおうよ」
雪歩「え……えぇ!?だ、ダメダメダメ!そんなの出来ない……っていうか絶対ダメだよぉ!」
真「……でもさぁ、上手くしゃべれないし、そのことで悪口言われるんでしょ?」
雪歩「そ、それはそうだけどぉ……」
真「殴っちゃおうよ。……今から殴りに行く?」
雪歩「ダメだってば真ちゃん!」
雪歩「な……殴る、なんて無暗に言っちゃダメ!」
真「いやでもさぁ、殴るしかなくない?」
雪歩「それは……わ、私が……もっと積極的になればいいだけだから……」
雪歩「だから殴っちゃダメ!」
真「そう?……殴った方がいいと思うんだけどなぁ……」
雪歩「…………」
雪歩「真ちゃんって……そんな人じゃないよね……?」
真「何が?」
雪歩「…………」
雪歩「………………何でもない」
・怒らせるテクニック
30:チンピラ思考
人への不満があると、「殴る」という結論にすぐ結びつける。
どんなに小さい不満でも、それが人物に関係する場合、すべてに結びつけるのが一般的
―――
P「真はアレですね。徹底的に自分を落としていくタイプですね」
教授「そうですねぇ。……おそらく、この後は『アレ』につなげるのでしょうか」
律子「真ってば、結構怒らせるプロセスの組み立てが上手いじゃないの」
―――
真「あ、そうそう……それで、この前は貴音に助けてもらったんだ?」
雪歩「!そ、そうだよ」
真「何があったの?」
雪歩「え、とね……私が上手くしゃべれなくて、小さな声で愚痴を言われてたんだけど……」
雪歩「それをたまたま見てた四条さんが、」
『不満があるのならば本人に直接言えば良いのではないですか!?』
雪歩「って、私の代わりに怒ってくれたんだよ」
雪歩「あの時の四条さん……すごく凛々しくてかっこよかったんだ」キラキラ
真「へぇ~……ていうかそれってボクでしょ?」
雪歩「…………え?」
真「いやだって……『凛々しくてカッコいい』なんて……それボクでしょ?」
雪歩「え?……いや、あの……」
雪歩「ま、真ちゃんも四条さんもカッコいいけど……それぞれの良さがあるから……」
真「……貴音のカッコいい所って、例えば?」
雪歩「……し、四条さんは……」
雪歩「その……い、いつも流されないで、しっかりしている所とか」
真「いや、それボクでしょ?」
雪歩「え……あの、違うわけじゃないけど……ま、真ちゃんともちょっと……」
真「いやいやいや……ボクでしょ?」
真「ていうか他には?」
雪歩「えぇ!?……え、と……ちょっとミステリアスで……優雅な所とか……」
真「いやいやいやいやいやいや……」
真「それ、ボクでしょ?」
雪歩「真ちゃんは……ち、違うよ……」
真「いやぁー、違くないよー…………ボクでしょ?」
雪歩「ち、違うよぉ……」
・怒らせるテクニック
31:俺ダウト
誰かが他人を褒めている場合、その褒めた全てを自分にも当てはめようとする。
「それ俺も一緒だって」と言った際にドヤ顔を決めれば完璧。
雪歩「ま、真ちゃんには……!」
雪歩「真ちゃんには、真ちゃんのカッコいいところ、たくさんあるよ!」
雪歩「私と違って積極的だし、運動神経もいいし、どんな時も私を守ってくれるし」
雪歩「だ、だから……四条さんと比べたりしないで!」
真「……」
雪歩「……ハッ!?ご、ゴメン!……いきなり怒鳴ったりして……」
真「いや、いいよ……」
雪歩「そう……?」
真(……まだだ…………。今のは怒鳴ってはいたけど……キレてはいない……)
真(……)
真(覚悟を決めろ、ボク……!)
真「あぁ、それで話なんだけど……」
真「雪歩、ボクのお父さんと会ってみない?」
雪歩「!?ま、真ちゃんのお父さん……!」
真「そう。お父さんがさぁ、『友達の一人でも連れてこい』って言うから、今度雪歩を招待しようと思って」
雪歩「ままま、真ちゃんの家に……!?」
真「そうなんだよ。……それに、雪歩が男性とのコミュニケーションまだうまく取れないって聞いてさ」
真「ボクのお父さん相手に、ちょっと練習してみないかなって」
雪歩「ま、真ちゃんの家で……真ちゃんのお父さんと会って……」
真「あはは、大丈夫だよ。お父さんも雪歩みたいな娘には優しいからさ」
雪歩「…………」ドキドキ
真(…………)
真「……どう?雪歩」
雪歩「う、うん、行く!お邪魔させてもらうよ!」
真「そう?いやぁ良かったよぉ」
雪歩「た、楽しみだね……」
真「そうだねぇ……それに、雪歩も良かったよね」
雪歩「そ、そうだよね」
真「うんうん、ボクみたいな友達思いの最高の親友が持ててさ……雪歩も幸せだよ」
雪歩「…………」
雪歩「ま、ことちゃん……?……い、いま……何て……?」
真「え?……だからぁ、ちゃんと雪歩のこと考えて家に招待してあげたんだよ?」
真「雪歩みたいな、暗くてジメジメした子と、こんなに仲良くしてくれる人いないよ?」
雪歩「……う、うそ……うそだよね……?」
雪歩「真ちゃん……うそ、なんだよね……?」
真「……嘘って何がだい?」
真「雪歩のことを考えて招待してあげたんだよー?へへっ嘘つくわけないよ」
雪歩「や、やめて……」
真「友達のできない雪歩のために、ここまでしてあげる……ボクってば友達思いだろ?」
真「雪歩もさ、もっと僕に感謝してくれても
雪歩「もうやめて!」
真「…………」
真「……どうしたの雪歩」
雪歩「……真ちゃんおかしいよ!」
雪歩「普段の真ちゃんは、絶対そんなこと言わない!」
雪歩「確かに私のために何かしてくれるけど……」
雪歩「そんな……わざわざ私のために、なんて言ったりしないもん」
雪歩「それに私の悪口だって言ったりしない……四条さんと自分を比べたりもしない……」
真「…………」
雪歩「真ちゃんおかしいよ!どうしちゃったの!?」
真「どうもしてないよ……ボクはボクだよ」
真「…………」
真「雪歩の方が……ボクに勝手な期待をしてただけなんじゃないの?」
雪歩「……!そ、んな……」
真「……まったく……感謝こそされるはずなのに……なんでボクが怒られなきゃいけないのさ」
雪歩「……」ギリッ
雪歩「……真ちゃん……それ……本気で言ってるの……?」
真「ん?そりゃそうだよ」
真「むしろ怒られる理由が知りたいくらいだね」
雪歩「…………」
雪歩「……最低だよ…………真ちゃん……」
真「…………」
雪歩「そんな人だなんて、思わなかった。……最低だよ…………」
真「あ、そう……」
真「…………」
真「ボクのこと……嫌いにでもなったかい?」
雪歩「…………」
真「…………」
雪歩「……嫌いだよ」
真「…………」
真「……そう、か」
雪歩「…………」
雪歩「……真ちゃんが、こんなに酷い人だってわかったはずなのに……」
雪歩「それでも…………嫌いになれない……」
雪歩「そんな自分が……大っ嫌いだよ……」
真「…………ゆ、雪歩……!」
雪歩「……ゴメン真ちゃん……やっぱりお家には、行かないことにする」
雪歩「でも私……真ちゃんのこと、嫌いになれないんだ」
雪歩「がっかりしたかもしれないけど……真ちゃんがそのつもりなら……」
雪歩「私、真ちゃんのこと嫌いになれるように、頑張るよ……」
雪歩「だからゴメン……それまでは……今まで通りでいさせて……」
真「……ゆきほ…………」
雪歩「…………」
真「ゆぎほぉ……う゛……うわぁ、あ、あ、あ、あぁぁぁ……」
雪歩「ま……真ちゃん!?」
真「う゛ぅ……ボクが……ボクが悪かったよぉ……うぐぅ……うわぁああぁん……」
雪歩「え、え……?な、何……?どういうこと?」
真「うわ゛ぁああぁあぁぁぁー!」
雪歩「ま、真ちゃん!?え、え?」オロオロ
律子「それはね、こういうことなんです」
雪歩「ひぃい!!……り、律子さんですかぁ!?」
律子「……あんたには頭が下がるわ、雪歩」
雪歩「へ、え?……あの……どういうことですか?」
律子「えーとね」
カクカクシカジカ
雪歩「……そうだったんですかぁ……」
P「俺の予想では……普通に泣きながらキレるんだとばっかり思ってたんだがなぁ」
P「よく泣かなかったな。偉いぞ雪歩!」
雪歩「……あんまり嬉しくないですぅ…………」
律子「……教授、ちなみに真のテクニックとしては…………」
教授「ええ、真さんは『殿様ナンパ』を使って、雪歩さんの怒りのスイッチを押すことができましたね」ニッコリ
・怒らせ方のテクニック
32:殿様ナンパ
相手を下に見た上で、「お前みたいなヤツを誘ってやっている自分が偉い」と主張する行為
真は女性だが、雪歩からの憧れを利用し、上手く『ナンパ』に転化した
雪歩「あ、あの……このおじさんは……?」ビクビク
P「……教授については後回しだ。……雪歩」
雪歩「……はい」
P「真についていてやれ。さっきから一向に泣き止まないんだ」
雪歩「…………」
P「まぁ、いくら演技でも……あそこまで言われたら腹立つかもしれないけど……」
P「真は真なりに、お前と真剣に向き合うつもりで取り組んだんだ」
P「せめて……その気持ちだけでも汲んでやってくれないか」
雪歩「ふふ……プロデューサー……」
雪歩「言われなくても……そのつもりでしたよ」スッ
ダキッ
真「あぅ!?ゆ、ゆぎほぉ……」
雪歩「よしよし、真ちゃん。…………大丈夫、嫌いになんてならないよ」
雪歩「やっぱり真ちゃんは……とってもカッコいいもん」
真「あう、う゛ぅー……」ギュッ
雪歩「よしよし……」
千早「……俄かには信じがたい話ですが……確かに絆が深まっているように見えます」
教授「ふふふふふ……千早さんもその気になってきましたか?」
千早「……次は私ですか?」
教授「いえいえぇ……次に実践していただくのは……双海亜美さんの方です」
亜美「んおっ!?ここで亜美なのかい!」
律子「亜美に怒らせてもらう相手は……」
亜美「……真美?」
律子「その通り!」
亜美「はぁ~……それじゃあただの兄弟……じゃない、姉妹喧嘩じゃん……」
律子「まぁ極端に言えばそうだけど……じゃあ実際に、真美のマジギレ見たことあるの?」
亜美「……………んーーーーーー……んーーー?」
亜美「あれ……怒ってる、てか……喧嘩したことはあるけど…………本気の、は無いかも……」
律子「じゃあ良い機会じゃない。本当は自分のことをどう思ってるのか……」
律子「怒って我を忘れてる相手からじゃないと、心の声は聞こえないわよ」
教授「『双子のマジ喧嘩』というのも、興味が惹かれるところですねぇ」
P「……お前らももう小学生じゃないんだから……」
P「本気で怒らせるのはいいとして……殴り合いだけは止めろよ?」
亜美「んま、ダイジョーブっしょ!」
亜美「じゃ、行ってくるねぇ~ん!」
―――
ガチャ!
亜美「オッスオーッス!」
真美「んあ?亜美じゃん。どうしたの?」
亜美「んー、ちょっとねー。時間が空いたからさぁ、真美の顔でも見に来ようかと思ってさぁ」
真美「ふーん、そっかぁ」
亜美「なにしてたのー?」
真美「真美?んとねー、撮影終わって疲れたから、休んでた」
亜美「へっへぇ~……疲れたんだぁ……」
真美「……?そうだよー?」
亜美「いやぁ亜美もさぁ……最近忙しいじゃん?」
真美「……ま、そうだね」
亜美「だからさぁ……こないだなんか2時間しか寝れなかったんだよ!?」
真美「……ふーん…………」
亜美「いや~、2時間しか寝れないのは辛かったですなぁ~♪」
真美「……大変そうだね」
亜美「もう大変なんてもんじゃないよぉー」
亜美「亜美の年齢で2時間だよ、2時間!?」
亜美「こらもう大事件ですわぁー…………2時間しか寝れないんじゃなぁー……」チラッ
真美「……」イラッ
―――
P「うわ、うっぜー……」
教授「ある界隈では非常に有名な『寝てないアピール』ですね」
・怒らせるテクニック
33:寝てないアピール
執拗に自分が寝ていないこと、睡眠不足であることをアピールする。
いわゆる「地獄のミサワ」だが、本編DVDにもちゃんと収録されている。
―――
真美「も~亜美ってばそれだけ?寝てないのはもうわかったってばぁー」
亜美「んっふっふ~」
真美「…………フゥ」
亜美「…………ねぇねぇ真美!」
真美「……なにー?」
亜美「真美の目から見て……竜宮小町ってどうかなぁ?」
真美「竜宮?……いいんじゃないのー?」
亜美「うんうん、やっぱいいよねー?」
亜美「どこらへんがいいかなぁ」
真美「えーっと……衣装が可愛いしぃ」
亜美「あー、やっぱ衣装可愛いよねぇ」
真美「あとはダンスも良いし……」
亜美「ダンスねぇ、やっぱダンスも良いよねぇ~」
真美「…………」
亜美「……どしたの?」
真美「なんかさぁ……亜美ってば、テキトーに受け答えしてない?」
亜美「あ~そうなんだよねぇ。亜美テキトーに受け答えしちゃうんだよぉ」
真美「!?え、なん……何言ってんの!?」
亜美「あぁーそうそう、何言ってるんだろうね~亜美ってば」
真美「いやもういいって!」
亜美「そうだねぇ~、もういいよねぇー?」
・怒らせるテクニック
34:全同調
相手の話を全て肯定する。自分を否定するような発言が出ても、それもすべて肯定する。
例:「お前バカなんじゃないの!?」→「あぁー、俺ってバカなんですよねー」
真美「なんなのさぁ亜美!からかいに来たの!?」
亜美「いや……からかいに来たんじゃないけどさぁ……」
真美「……ハァ。じゃあもう、そういうの止めようよ」
真美「こっちも疲れてるし……亜美だって寝てないんでしょ?」
亜美「……まぁねー」
真美「……じゃあ、何も用事無いなら帰ってよ」
亜美「なんで?」
真美「今日はなんかもう、疲れたからさぁ……亜美と遊ぶのもいいけど……今はいいや、って」
亜美「……用事あるとしたら?」
真美「どんなー?」
亜美「竜宮のメンバーが一人増えるっていう話」
真美「うぇええ!?マジ!?」
亜美「うん、マジマジ―!」
―――
律子「ま、ウソですけどね」
―――
真美「それってちょースゴイじゃん!」
亜美「えっとねー、りっちゃんがそう言ってただけで、誰になるかはわかんないんだー」
真美「で、でもでもっ!メンバー増えるのは決まってるの!?」
亜美「うん、決まったらしいよぉー」
真美「へ、へぇ~…………」
真美「一人増えるのかぁ……へぇ~……」
亜美「…………」
亜美「……あれ、真美ってばひょっとして……自分がそうなんじゃないか……って思ってるでしょー?」
真美「ひょっ!?い……いやいやいやいやぁ……」
亜美「まぁ、真美は無理だろうから諦めなよ」
真美「!?」
真美「なん……いきなり何言いだすのさぁ亜美!」
亜美「いや、真美が竜宮に入るなんて……無理っしょー」
真美「そんなのわかんないじゃん!……り、りっちゃんに聞いてみないとさぁ!」
亜美「りっちゃんに聞くまでもないっしょー。真美は無理だよぉ」
真美「なんでそんなこと言えるのさぁ!亜美に何がわかるっていうの!?」
亜美「いや、だってさぁ……亜美がいるのに……今更真美を入れたりしないっしょー」
真美「ふえぇ!?」
亜美「亜美はねぇ……真美のためを思って言ってるんだよぉ……」
亜美「新しいメンバーを入れるのに……亜美に近い真美も入れてもしょうがないじゃんか」
真美「ぐ……うぐ……」
―――
律子「まあ……真美は入らないか、と聞かれたら『そんなこともない』って言いますけどね、本当なら」
―――
亜美「ちゃんと聞いてよぉ?……亜美はぁ、真美のためを思って言ってるのぉ」
真美「……も、もういいよ……」
亜美「ダメだよ。亜美は、ほんとーに……真美のためを思って言ってるんだから……」
亜美「竜宮にとらわれないでさ……真美も売れっ子になって、一緒のステージに立とうよぉ」
亜美「これは……真美のためを思って言ってるんだよ……?」
真美「もーーーー!真美のため真美のためってうるさいよぉ!」
・怒らせるテクニック
35:単刀直入
遠まわしにではなく、直接的な言葉を使って相手を否定する。
相手が薄々「無理なのかも……」と思っていながら、希望を捨てきれていない事柄が最適。
36:お前のため
説教などの際に、いちいち「お前のためを思って……」と言いながら話す。
しつこければしつこいほどよく、「お前のため……」の後の話がしょぼければしょぼいほど良い
真美「もう亜美いいよ!今日はもう帰って!」
亜美「えぇ~!?まだいいでしょー?」
真美「亜美はよくても真美はもうイヤなの!」
亜美「ちぇー……しっかしさぁ、りっちゃんも教えてくれればいいのにねー」
真美「…………」
亜美「もし新しいメンバーが真美だったらさぁ……さっきああ言ったけど、そりゃあ亜美だって嬉しいよ?」
亜美「もし違うんなら違うで、ちゃんと教えてくれれば、こんな風に言い争うこともないわけじゃん?」
真美「ん……ま、まぁね……」
亜美「りっちゃんてば、こういうところでゆーずーが利かないんだよねー」
真美「…………」
亜美「それにさぁ、いおりんはすぐガーッって怒るし、あずさお姉ちゃんは収録中にどっか行っちゃうしさー」
亜美「3人とも、そーゆーところあるんだよねー」
真美「…………」
亜美「真美はどう思う?」
真美「……ま、まぁ……りっちゃんとか……」
真美「事務所とかでも、失敗した亜美を怒ってるの見たことあるけど……」
真美「あんなに亜美のこと怒んなくてもいいのに……って思ったことはあるかな……」
亜美「…………」
亜美「ハァ?真美に何がわかるの?」
真美「え……?」
亜美「りっちゃんと亜美はさぁ、何だかんだで絆で繋がってるんだよ」
真美「え、な、なに……それ……」
亜美「それなのにさぁ……竜宮小町でもない真美に、亜美たちのことで悪く言われる筋合いないと思うんだよね」
真美「…………」
亜美「真美に何がわかるわけ?」
真美「…………」
真美「……んないよ……」
亜美「え?」
真美「…………ゎかんないよ……」
真美「わかんないよ!」
真美「そりゃそうだよ!真美は竜宮じゃないもん、わかるわけないよ!」
真美「でも亜美のことはわかるよ!他の誰よりもわかってるはずだもん!」
真美「なのになんで亜美にそんなこと言われなきゃいけないのさ!竜宮じゃなきゃ亜美とは通じ合えないの!?」
亜美「…………真美……」
真美「真美は……う……うぅ……ま、真美は……亜美の一番の理解者だって……思ってた……」
真美「なのに……なんで…………なんでそんな風に言われなきゃいけないのさぁ……」
真美「う、ううぅ……」
亜美「真美……」
真美「……もう亜美なんて知らない!出てって!……出てってよぉ!」
亜美「……わかったよ。……でももうちょっとだけ待ってて」
真美「……待たなくていい。今すぐ出てって!」
亜美「…………」
ガチャ
P「間に合ったか!?」
真美「!?に、にいちゃん!?」
亜美「ま、間に合ったよぉー…………」ヘナヘナ
律子「はぁーやれやれ……両方に泣かれたらどうしようかと思ってたけど……亜美は我慢したみたいね」
亜美「へ……へへ……」ポロ
亜美「あ、ごめん……も、もう……止めらんない……みたい……」ポロポロ
P「いいんだいいんだ。思いっきり泣いとけ」
亜美「う、うん……」ポロポロ
真美「……り、りっちゃん……どーゆーこと?」
律子「はいはい、今教えるわよ」
カクカクシキジカ
真美「…………」
亜美「…………」グスッ
真美「……亜美のいじわる」
亜美「うん……」
真美「…………亜美のひとでなし」
亜美「うん…………」
真美「亜美の……グスッ……うわぁああん!真美、すっごい悲しかったんだからね!?」
亜美「わかってるよぉ……こんなになるとは思わなかったんだよぉ……」
亜美「真美に嫌われた、って思った瞬間に……悲しくて悲しくてしょうがなかっんだよぉ……」
真美「……そんなの、こっちの方が悲しかったに決まってるじゃん!」
亜美「うん……ゴメンね、真美」
真美「許さない」
亜美「うぅ……」
真美「真美の言うこと聞いてくれなきゃ、許さない」
亜美「……なに?」
真美「真美の目ぇ見て……『信じてる』って言ってくんなきゃ……許さない」
亜美「……」グスッ
亜美「真美……ごめん」ジッ
亜美「本当は亜美は……誰よりも真美のこと信じてるし、誰よりも真美のこと信じてあげられる」
亜美「だから……許して……?」
真美「……」ジッ
亜美「……」ジッ
真美「……しばらくこのままがいい」
亜美「わ、わかった……」
教授「はい~。……今回も良い結果となったんではないでしょうかぁ」
教授「亜美さんが真美さんを怒らせる決定打となったのが……『肉親ガード』と呼ばれるテクニックですねぇ」
・怒らせるテクニック
37:肉親ガード
自分の身内、近しい人の悪口を自分で言っておきながら、相手がそれに共感すると
「お前に何がわかるの?」といきなり突き放すテクニック。
教授「友情というものもそうですが……家族愛、姉妹愛というものもまた、素晴らしいものですね」ニコリ
千早「…………」
教授「はい、お待たせしましたぁ。最後は千早さんですよぉ」
千早「……よろしくお願いします」
律子「ちなみに千早……誰を怒らせるかの予想はついてる?」
千早「…………」
千早「残っているのは、もうあずささんだけですから……あずささん、ですか?」
律子「…………」
律子「……残念、はずれよ」
千早「えっ!?」
律子「実を言うと……あずささんは、すでにドッキリにかかっているわ。以前にね」
千早「え、ということは……あずささんは、ドッキリとはいえ……激怒したの!?」
律子「まぁ、そういうことになるわね」
千早「だ、誰があずささんを怒らせたりできたって言うの……?」
律子「……」
律子「……私。この番組のMCを務める以上、最難関をクリアするくらいじゃないとね」
千早「り、律子が…………」
教授「はいぃ。見させていただいておりましたが……見事なテクニックでした」
律子「ま、映像もあるはずだから後で見せてあげるとして……」
律子「そんなわけで、怒らせる相手はあずささんじゃないわよ」
千早「じゃ、じゃあ一体……」
教授「えー、今モニターに映っていらっしゃる、この方ですね……」
冬馬「…………」
冬馬「…………遅いな……」
律子「……と、いうわけで。千早の相手は、『天ヶ瀬冬馬』よ」
千早「…………ハァ」
千早「てっきりあずささんを相手にするものだとばかり……気負って損しました」
千早「怒らせることが出来るかどうかはともかく……怒らせる行為をして、一切の罪悪感も抱かない……」
千早「そういう意味では、もっともやりやすい相手ですね」
教授「ええ、765プロと961プロの軋轢も聞き及んでおります」
教授「ですので、今回は少し趣向を変えさせていただきました」
千早「どのように、ですか?」
律子「私から説明しましょう……今回は、冬馬も『ドッキリである』ことは認識してるわ」
律子「だからこういう隠しカメラとかの存在には、気づいているの」
千早「はぁ……」
律子「企画自体は、両事務所のホープ、ライバル同士が対談するという単純なモノ」
律子「そこで『ドッキリが仕掛けられている』、というだけのぼんやりとした情報を、冬馬の耳に入るようにしたわ」
律子「だから、冬馬自身も千早を警戒した状態で、企画に臨むことになるわけ」
千早「……なるほど。ドッキリに引っかからない様に、こちらの挑発にも乗らない可能性がある、ということですね」
律子「そういうことになるわ」
千早「……先ほどまでの、真と真美の様子を見て……そしてその説明を受けて……」
千早「……久しぶりに燃えてきたわ」
律子「ふふっ……日頃の恨みを晴らすのも兼ねて……やり切って行きなさい」
千早「ええ、なんだかワクワクしてきたわ」
―――
ガチャ
千早「失礼します」
冬馬「……やっと来たか」
記者「えー、それでは対談を始めたいと思います……よろしくお願いします」
千早「よろしくお願いします」
冬馬「よろしく……」
千早「……そう、ですね…………」
冬馬「?」
千早「普段はライバル同士とは言え……こうして面と向かって話す機会もあまりありませんし……」
千早「よろしければ、『雨傘竜馬』さんの名刺でもいただけるとうれしいんですが……」
冬馬「……」
冬馬「……あ?……今何て言った?」
千早「え?……ですから、『雨傘竜馬』さんの名刺をいただけないかと」
冬馬「……」ピクピク
―――
教授「初歩中の初歩、ですね」
律子「事務所のみんなには、お互いを知りすぎていて使えないテクニックでしたけど……」
P「上手いことぶっこんだなぁ、千早」
・怒らせるテクニック
38:名前間違い
相手の名前を間違える。怒らせ方としては初歩のテクニックであり、有効になる場面も限られる。
―――
冬馬「お前……どういう」
冬馬「」ハッ
冬馬(……あ、危ないところだった……そうか、この女が仕掛けてくるってことか)
冬馬(まさかこの俺がドッキリだなんてな……北斗たちの手前、醜態を晒すわけにはいかねぇ!)
冬馬「は、はは、は……俺の名前は『天ヶ瀬冬馬』だぜ?……如月千早さんよぉ」
記者「……と、いうことですが……」
千早「…………フゥー…………はい」
冬馬「……何か、言いたい事でもあるんですかねぇ」ピクピク
千早「…………ハァー……いいえ」
記者「……だ、そうです」
冬馬「ふ、ふーん……」ピクピク
―――
律子「もうヤバイわね」
教授「それだけ、使っているテクニックが千早さんに合っていた、ということですね」
・怒らせるテクニック
39:ため息返答
ため息交じりに受け答えするテクニック。
ため息の種類を多くする、溜め時間を調節することが相手の激怒への近道
―――
記者「ま、まぁ……そういうわけで、名刺交換でも……」
冬馬「……チッ。これでいいか?」
千早「はい、ではこちらも……ありがとうございます」
グシャア!
冬馬「はぁ!?」
千早「…………」グ……グググ……
冬馬「……おい、いい加減にしろよ……」
千早「……」ギュウウ……
―――
律子「と、冬馬の名刺……クッシャクシャ……ふふふ……」
教授「表情も素晴らしいですねぇ。見事なしたり顔です。まさに『してやったり』感がにじみ出ていますよぉ」
P「ち、千早……そんな顔も出来るんだな……フ、ククク……」
・怒らせるテクニック
40:無惨
もらったものを即座に握りつぶす。
握りつぶしている様を見せつける、潰している最中の顔をドヤ顔にする、などの応用を入れると効果的
―――
冬馬(だめだ……怒るな俺……相手のペースに嵌るな……)
冬馬(これはドッキリ……これはドッキリ……相手に乗せられたら何されるかわからない……)
記者「え、えーと……その……」
冬馬「は……はは、はは……まぁ、言ってもライバル同士ですからねぇ」
冬馬「『お前なんかこうしてやる!』っていう……挑戦状、として受け取らせてもらうぜ……はは……」
千早「…………」
ポイッ
冬馬「!」
千早「……何か?」
冬馬「……何でもねぇよ」
記者「えー……では、対談を始めたいと思います」
…………
記者「なるほど。……お二人は、所属事務所からしてすでにライバル同士である、と……」
冬馬「ああ、……まあもっとも、俺自身は黒井のおっさんと、そっちの社長さんとの因縁とかはどうでもいいんだけどな」
冬馬「ただ、お前たちが立ち向かってくる以上……全力で潰させてもらうぜ?」ニヤリ
千早「…………」
千早「……記者さん、次の質問はなんでしょうか?」
冬馬「お、おい……何か言えよ」
千早「……」チラッ
千早「……で、次の質問はなんでしょう」
冬馬「…………チッ」
記者「えーと、そうですねぇ……」
記者「お互いのイメージについて、思っていることを聞かせてもらえますでしょうか?」
冬馬「ふむ……イメージか……」
千早「私は特にないです」
冬馬「!?」ギョッ
記者「ない、と言うのは……」
千早「文字通り、ですね」
千早「特に何の感情も抱いたことがないので。……イメージの抱きようがありませんね」
千早「ライバルだからそう感じている、と思われかねませんが……」
千早「誤解のないように言うならば、そちらのグループがどうなろうと知ったこっちゃありません」
千早「……ということです」
―――
教授「このテクニックは正に、千早さんの代名詞だと言えるでしょうね」
律子「……千早にそう言ったら、見事に怒られましたもんね」
教授「はいぃ。非常に思う壺でしたね」ニッコリ
・怒らせるテクニック
41:壁
相手と自分との間に隔たりを作る。
千早の行動以外にも、盛り上がっている場面で参加してきた対象に「いや、お前はいいから」と突き放すのもコレ
―――
記者「……と、言うことですが冬馬さん。どうでしょうか」
冬馬「…………」ワナワナ
冬馬「あっちがああ言ったんだ……こっちだって何にもねぇよ……」ワナワナ
記者「な、なるほど~……」
千早「……まぁ、どうでもいいですけれど」
―――
P「ちなみにこれ、記者の人とかは……」
律子「ええ、全員エキストラですよ」
律子「ドッキリだってわかってる以上、冬馬もそこは気にしてないと思いますけどね」
―――
記者「では、次にお二人の今後の目標などを教えてもらえますでしょうか」
冬馬(……)
冬馬(この質問は……あっちも答えざるを得ないだろう……)
冬馬「俺は……そうだな、やっぱり……すべてのアイドルたちの頂点に輝く、ということだな」
記者「ははぁ~ありがとうございます」
千早「しょうもない」
冬馬「え!?」
千早「……」
冬馬「え……え?」
記者「……どうかしましたか?」
冬馬「え、いや……だって……」
千早「?私がどうかしましたかしょうもない」
冬馬「おい!どういうことだよ、おい!」
千早「どういうこと、とは?しょうもない」
冬馬「それだよ!なんだ『しょうもない』って!」
冬馬「なに会話にちょくちょく『しょうもない』とか混ぜてるんだよ!」
記者「ち、千早さん……どういうことですか?」
千早「いえ、あの……全く身に覚えがない、と言うか……」
千早「何をおっしゃっているのか、こちらとしても、よくわからないのですが……」
冬馬「……ふ、ふざけんなよお前ぇ!」
千早「……しょうもない」
冬馬「言った!ほら言ったじゃねえか!」
千早「……何を、でしょうか?」
冬馬「あ~~~~~~~~~~~~もう!」
・怒らせるテクニック
42:しょうもない
会話に「しょうもない」を織り交ぜる。
ほかの煽るような言葉よりも、言いやすさの面で「しょうもない」が群を抜いて使いやすい
43:シラ切り
あからさまにバレバレでも、自分は「やっていない」とウソを突き通す。
ウソがバレバレであるほど効果が高く、むしろどれだけバレやすい状況であるかがポイント
冬馬「記者!記者の人ぉ!」
記者「は、はい!」
冬馬「言ったよな!?今コイツ、『しょうもない』って言ったよなぁ!?」
記者「え!?えーと……何か言ったようには聞こえましたが……小声でしたのでどうにも……」
冬馬「あ゛っ!?ったく使えねぇなあクソ!」
冬馬「お前もいい加減にしろよ!?終いには俺だってキレるからな!?」
千早「は、はぁ……」
冬馬「……なんでピンと来てねぇんだよぉ!お前だよお前!」
千早「私……ですか……?はぁ……」
冬馬「どうしてあそこまでやって身に覚えがないように振る舞えるんだよおイィ!?」
記者「と、冬馬さん落ち着いて下さい……!」
冬馬「こ、これが落ち着いて居られるかぁ!」
ガタガタッ
千早「ひっ!?や、止めて下さい!」
冬馬「……あ?」
千早「乱暴する気なんですか……警察を呼びますよ」
冬馬「……何もそこまでする気はねぇよ、おい」スッ
千早「きゃああ!や、やめて下さい」
冬馬「……」ブチン
冬馬「この野郎!じゃあ警察でもなんでも呼べばいいじゃねえか!」
冬馬「俺は帰らせてもらうけどな!……こんな対談止めだ止めだ!やってられるか!」
千早「か、帰るんですか……?」
冬馬「ああ、テメェの顔を見たらムカついてしょうがないからな!帰ってやるよ!」
記者「……冬馬さん」スッ
冬馬「……なんだよおい、止めても無駄だからな。俺はもう帰る
グイッ
冬馬「……!え、いや、おい……は、離せよ!」
記者「もうしばらくお待ちくださいね……」グググ
冬馬「な……!なんだこの力はおい、全然離れない……!離せっておい、おい!」
記者「……」グググ
千早「…………」
冬馬「……なんで急に二人とも黙るんだよ!なんか言えよ!……ていうか痛いから離せって!」
記者「…………」
千早「…………」
冬馬「ちょっとぉ~!?」
―――
冬馬「…………どういうことだよ……」
黒井「い、いや……フクク……け、傑作だったよ……プクク」
冬馬「……大体話は聞いたよ。……あの記者のオッサンは?」
黒井「ウチのボディーガードの一人だ。エキストラとして参加させた」
冬馬「……なんでアンタがここにいる」
黒井「765プロは憎いが……教授とは顔なじみだし、私も番組の一ファンでもあるからな」
黒井「今回は教授の顔を立てて、我が961プロも全面協力させてもらった」
冬馬「……で、つまり俺はドッキリに……」
黒井「見事にかかった、というわけだな。……いやぁ素晴らしい……ククク……」
冬馬「……もう勘弁してくれよ……色んな意味で……」
教授「えー、ちなみに千早さん。最後のアレは……」
千早「はい、『過剰防衛』でした。最後の締めとしてやるならば、アレしかないと考えていたので……」
教授「なるほどぉ、見事に功を奏したということですね」
千早「……最初は疑っていましたが……怒らせることの大切さ、わかった気がします」
・怒らせるテクニック
44:過剰防衛
ちょっとしたセキや振る舞いに対し、異常に「うつすなよ!」「暴力は止めろ!」と主張する行為
ちょっとしたことでヒステリックになるほど、相手のイライラも増す。
教授「はいぃ、怒らせることで、相手をよく知る……怒らせない方法を学ぶ……素晴らしいことですね」ニコリ
千早「ええ、そうですね」
律子「はい、では今週はこの辺で終わりに致します」
律子「来週からは通常通りの講義に戻りますので、みなさんもどんどん学んでいきましょう」
律子「さて、そんな来週は、『おばあちゃんの怒らせ方』について学んでいくことにします」
律子「それではみなさん、また来週ー!」
冬馬「なぁ教授のオッサン、とりあえず一発殴らせてくれよ」
教授「んふふ~、イヤです☆」
おわり
あんまり長くなりすぎてもアレなんで、今回はここまでにします
律子編もそうだけど、ちょっと違うパターンも考えてるので
次の機会があれば、そういうのも含めて一気に投下します。
長々と見てくれて本当にありがとう~。
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