妹「兄さん、もうやめにしましょう」 (46)

妹「兄さん、ひたすら無抵抗のレイロフを殴って隠密のレベルだけ上げるのは辞めにしましょう」

兄「今回だけ!暗殺者プレイがしたいんだ!」ポチポチ

レイロフ『グフッ!グフッ!』

妹「はぁ…そういえば兄さん」

兄「ん?」ポチポチ

妹「私のパンティ知りません?」

兄「しし知らんな」ポチポチポチポチ

妹「心情が行動に如実に表れてますけど」

妹「最近は下着泥棒が多くなっているようですね。婦女子たる私たちにとっては甚だ迷惑な話です」

兄「そ、そうだな」

妹「ところで兄さん」

兄「あによ」

妹「今日の同窓会、何を着ていくべきでしょう」

兄「中学んときの奴らとか?高校生の身分で同窓会たぁませてんなお前ら」

妹「私は別に行きたくもないんですけどね」

兄「着ていく服なぁ……。ジャージでいいんじゃねぇの」

妹「却下ですね。馬鹿なんですか?」

兄「うぐぐ……。じゃ、クラスTシャツとかあんだろ。それ着てけよ」

妹「ダサいので却下です。そもそもそのTシャツも貰ったその日に行方不明なんですよね。何か知りませんか?」

兄「しししらん」

兄「じゃあ今年の正月に買ったよそ行きの超高かった服でも着てけよ」

妹「たかが同窓会でそこまでしたくないです。それに」

兄「それに?」

妹「兄さん以外にそんな姿見せたくもないですし」

兄「とと唐突にデレんのやめろ」

妹「ふふふふ」

妹「兄さんの服飾のセンスは皆無でしたね、そういえば。仕方ないのでこの前御殿場で購入した服を着て行くことにします」

兄「アウトレット行ったっけ」

妹「もう、何を言っているんですか。兄さんが下着屋の脇のベンチで爆睡した時ですよ」

兄「だってお前ら買い物長ぇんだもの」

妹「なんだかんだ言って一日中付き合ってくれましたけどね」

妹「下着屋といえば、私のパンティ知りません?」

兄「何この焼き回しのような展開は」

妹「大人しく私のパンティを脱いでください」

兄「うんえっとなんで履いてると思ったのかな」

妹「私も兄さんのトランクスをたまに履いてるからです」

兄「果たして我が妹に下着泥棒云々を語る資格はあったのだろうか」

妹「何はともあれ、これで私たちはシェアパンティの恋人ですね」

兄「上手く無いし俺はパンティを履いていない」

妹「恋人には突っ込まないんですね!変態!」

兄「沸点がわかんねぇ!」

妹「さて兄さん」

兄「なんだい」

妹「いつになったら部屋から出て行ってくれるんですか?」

兄「あぁ、すまん……ってここ俺の部屋なんだけど」

妹「これは失敬。私としたことが豚小屋と人間様の部屋の見分けがつかないなんで」

兄「豚小屋に毎日飽きもせず常留してるお前はなんなんだろうね」

妹「気分は屠殺者です」

兄「やめろ」

妹「いつになったら兄は心の殻を打ち破って外の世界に飛び出してくれるのでしょうか。今では殻を厚くするばかりで兄は部屋から出ることすら叶いません」

兄「ご近所に俺がニートだとか吹聴してるのは貴様か。大学の夏休みは長いんだよ」

妹「そもそも大学行ってましたっけ」

兄「お前がそこまで家族に無関心だったとは知らなかったよ」

妹「父
銀行勤務。1964年4月生まれ。好きな食べ物はすき焼き。好きな人はお母さん

看護師。1965年10月生まれ。好きな食べ物はお父さん。好きな人は山P

味噌カス」

兄「俺だけに無関心なのかよ!というか母さんの好物が生々しいからやめてくれ!」

妹「では、行ってきます」

兄「ああ、行ってらっしゃい。事故んなよ」

妹「徒歩でどういうことをすれば事故に繋がるのでしょう。私に曲芸をしながら歩けとでも言うんでしょうか」

兄「車に気をつけろって意味だわい。あと……」

妹「?」

兄「わ、悪い虫にもな」

妹「……」ニヤニヤ

兄「同窓会か……。俺も何べんか誘いは来てんだよな」

兄「正直、連中が高校の時分で酒飲んでしょっ引かれるとは思わなかったぜ。本当に行かなくてよかった」

兄「あいつも、変なことに巻き込まれなきゃいいけどな」


三時間後


妹「た、ただいま帰りました」

兄「帰ってきたな……出迎えてやるか」

兄「おかえ、り……?」

妹「あ、ああ、兄さんただいま」

イケメン「こんばんはお兄さん。夜分遅くにすみません」

兄「ちょっと待ってくれ」

イケメン「何か?」

兄「妹に……いや、妹の同級生だよな。送り届けてくれてありがとう」

イケメン「いえいえ。では」

妹「あの、兄さん」

兄「ん?」

妹「私のパンティ知りません?」

兄「壊れたカセットテープかよ!分かったよ部屋にある分返すよ!」

妹「……」

兄「……」

妹「あれは、ですね」

兄「イケメン君のことか」

妹「あれは、……悪い虫です」

兄「ひでぇなお前!」

妹「今日も、やたらボディタッチが多かったような気がします」

兄「平野を愛でる趣味でもあるのかな、イケメン君は」

妹「殺すぞ」

兄「すみませんすみませんすみません」

妹「……で、その彼なんですがね。相当のクズらしいんです」

兄「ほーう?」

妹「ヤリ捨ては当たり前、強姦まがいの事や妊娠させては堕胎させるなどかなり悪辣な行いをしているそうです」

兄「救いようがねえな。でもま、お前ももう会うこたねぇだろ。高校だってお前は進学校だし、なんだか奴はちょっと頭が足りなさそうな顔してたしな」

妹「……メールアドレス、知られちゃったんです」

兄「なんてこったい」

兄「メール来ても返さなけりゃいいじゃんか。着信拒否とかもできるだろ」

妹「そう、ですね。それでいいと思います」

妹『強姦まがいの事』

兄「あー、ちょこっとアイス買ってくら」

妹「私はハーゲンダッツでお願いしますね」

兄「贅沢はエネミーです。おとなしくガリガリくんで我慢しなさい」

兄「あー、財布忘れた。まぁいいや」タッタッタ

兄「お、みっけ。おーい」タッタッタ

イケメン「……?」

兄「君、案外健脚なのね。おじさん疲れちゃった」

イケメン「あの、何か用ですか」

兄「いやね、まぁ兄としては妹の無事を何より願ってる訳よ。その点君は妹を送り届けてくれたりして、感謝の念が絶えないわけよ」

イケメン「はあ」

兄「つまり何が言いたいかというと」

兄「妹に近づかないで貰いたいのね」

イケメン「何を言っているのか、よくわかりません。僕は下心無しに妹さんを送り届けたんですよ。純粋な厚意からね」

兄「まぁ、そりゃあれだわ。己の女性遍歴を省みてから言って欲しいもんだぁね」

イケメン「はっ!彼女たちの事は関係ない。勝手に股を開いて勝手に破滅しただけですから」

兄「強姦まがいって話もあるみたいだけど」

イケメン「あなたに咎められるような事じゃあ無いですよ」

兄「そりゃ肯定だよな」

疲れちゃった

イケメン「だからなんなんですか?警察にでも訴えるんですか?物的証拠も状況証拠も無いのに?」

兄「スカかお前は。俺にとっちゃそんな事は些事でしかないから。重要なのは、てめーが俺の妹に怖い思いをさせたってこと」

イケメン「何を言っているのか」

兄「あんなにオドオドした妹を見んのは初めてだ。よっぽどてめーにベタベタ触られたんだろうよ。もうそれだけでジャージを着て行かせなかった自分をぶん殴ってやりたくなるぜ」

イケメン「勝手にぶん殴ってください。僕があなたの妹とどうなろうと所詮兄の貴方には関係ありませんから」

兄「今、妹とどうなろうととかほざきやがりましたね。ダメだこりゃ、抑えが効かん」

イケメン「ククフッ、何をいっ」

兄「ただいま」

妹「お帰りなさい、兄さん」

兄「ガリガリくん途中で食べちゃった」

妹「……もしかして、兄さん」

兄「……」

妹「財布忘れただけなんじゃ」

兄「ですよねー!勿論そうですとも!」

妹「冗談ですよ。……ありがとうございます」

兄「……なんのことやらだぜ。さ、もう寝ようぜ。もしかしたら不慮の事故でイケメン君が改心しているかもしれねーしな」

妹「ふふっ」

男同士の絡みばっかり見せてごめんね寝ますおやすみ

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