妹「私は誰だっけ」 兄「おっ、思春期特有の…?」 (14)

妹「誰だっけ」

兄「わっはっは!」

妹「……?」

兄「お前は父さんの愛する娘であり、母さんが腹を痛めた娘であり」

兄「何より、俺の妹じゃあないか」

妹「ふーん」

兄「どうしたんだあ、急にぃ」

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妹「じゃあ。私は何者?」

兄「さっきと同じじゃあないか…」

妹「さっきよりも詳しく!」

兄「詳しく?」

妹「うん」

兄「そうだなー。お前は…」

兄「成績優秀で人当たりも良い。それにとびっきり可愛いだろう」

兄「それだから、人も集まる。誰からも好かれている」

妹「ふーん」

兄「違うか?」

妹「分かんない!」

兄「弱ったな」ハァ

妹「どうして?」

兄「ん? それはお前が変なことばかり言うからだ」

妹「どうして変なの? 何が基準で何が変なの?」

兄「お、おいおい…」

妹「分からない!」

妹「分からないよ…」

兄「様子が変だな。何かあったか?」

妹「いや、それがね…」






妹「頭が真っ白なの!」





兄「へえ」

妹「驚かない?」

兄「今度はどんな冗談だ」

妹「冗談じゃないの。朝起きたら…」

兄「真っ白か?」

妹「うん、真っ白」

兄「全部か」

妹「ううん。だって私はお兄ちゃんを知ってるよ」

兄「ああ、そういえばな」

兄「ではどこが真っ白になってしまったんだ?」

妹「分からないの…」

兄「そうか…。では病院に」

妹「それは、嫌!」

兄「おいおい、それでは分からないままだぞ」

妹「良いの。もう分からないでいいの」

兄「真っ白でいいのか? ずっと何かを忘れて生きるのか」

妹「良いよ。だって人は何かを忘れて大人になるの」

妹「それに白は素敵な色だよ。雪のように穢れを知らない…」

兄「じゃあ…」

妹「お父さんとお母さんには」

兄「言わないさ」

妹「ありがとう、お兄ちゃん!」

兄「ではどうしようか」

妹「どうしよう」

兄「勉強して身に付けたものは覚えているか」

妹「ちょっと待ってね…」ウーン

兄「どうだ」

妹「うん、大丈夫だよ!」

兄「じゃあ、人は。顔と名前が一致するか」

妹「ちょっと待って…」

兄「どうだ?」

妹「大丈夫みたい」

兄「一体何を忘れたんだ…」

妹「重要なことじゃなければ良いのだけど…」

兄「よし」

妹「どうしたのお兄ちゃん?」

兄「外へ行こう」

妹「それはまた…どうして?」

兄「ここに居るよりは良いだろう。さあ!」

妹「あ、待ってまだ寝巻きなの…」

兄「その服がか?」

妹「うん」

兄「そうは見えない見えない! 大丈夫だ」

妹「じゃあ…」

兄「行こうか」

ガチャッ

トコ…トコ…

兄「こうして二人で歩くのは久々だ」

妹「そうだね」

兄「お前が中学生になってから。めっきり会わなくなったな」

妹「だって…」

兄「まさか…会うのが恥ずかしいと思っているのか?」

妹「もう大人だもん」

兄「大人だろうが老人だろうが。兄弟は会うものさ」

兄「それにお前は、俺から見ればまだ子供だ」

妹「お、大人っぽいってよく言われるよ!」

兄「世辞だな。真に受けるな」

妹「もう!」

兄「そうやって悔しそうに地団駄踏むところが」

兄「更に子供らしいな。実に…」

妹「知らない!」

兄「それで」

妹「何っ?」

兄「おいおい、随分語気が鋭いな」

妹「それはもういいよ。で、何?」

兄「いや。何か感じたかと思って」

妹「うーん、残念だけど。外に出ただけでは何も…」

兄「そうか…」

妹「うん」

兄「では頭を叩いてみたらどうか」

妹「ブラウン管じゃないんだから…」

兄「吃驚するとか」

妹「どうやって?」

パンッ!

妹「!」ビクッ

兄「こうやって」

妹「い、今のは?」

兄「んー。驚かせても駄目か」

妹「ねえ。今のは?」

兄「知らないよ」

兄「だったらこうしている意味も無いな…」

妹「うん…」

兄「帰ろうか」

妹「いや、もうちょっと歩こう?」

兄「忘れたものを思い出せそうか」

妹「…きっと。うん」

兄「だったら歩こう」

妹「うん歩くっ」コクッ

兄「でも時間が時間だ。公園までな」

妹「あの近くの公園?」

兄「その公園」

妹「行こっか」

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