はい
紅莉栖「えっ、ええっ!?」
岡部「どうした助手、急に変な声を上げて。ブラクラでも踏んだのか?」
紅莉栖「ち、違う!そうじゃない!い、いま岡部が」
岡部「俺が?俺は何も言っていないが」
紅莉栖「へっ?で、でもさっき確かに」
岡部「ふん、機関の精神攻撃でも受けたのか?」
紅莉栖「ちげーよ!厨二病乙!」
紅莉栖(き、気のせいだったのかな……そう、よね。岡部がそんな事言う筈が)
岡部「ふむ、将来的に紅莉栖と住むなら日本とアメリカ、どちらになるのだろうか……」
紅莉栖「!?」
岡部「やはり紅莉栖の研究を考えればアメリカで家庭を築くのが無難か……くっ、そうなるとやはり英語の習得は必須となるな」
紅莉栖「わ、私は日本でもいいわよ!」
岡部「はっ?」
紅莉栖「えっ?」
岡部「またか、クリスティーナ。どうしたのだ?いきなり大声を出して」
紅莉栖「えっ、いや、だって岡部が……」
岡部「俺は何も言っておらん。本当に大丈夫か?体調が悪いならホテルに戻れ。どうせ、今日はまゆり達は来ないしな」
紅莉栖「だ、大丈夫よ。問題ないから」
岡部「ならいいが……」
紅莉栖(い、今のは確かに岡部が……疲れてるのかしら、私)
岡部「紅莉栖が可愛いすぎてつらい……」
紅莉栖「はぅ」
紅莉栖(や、やっぱり言った!岡部が、わ、わたしのこと、かわ、可愛いって……)
岡部「出来れば今すぐにでも後ろから抱きしめてあの首筋をペロペロしたいが、そんな事をすれば間違いなく嫌われるな……」ハア
紅莉栖「」ガタ
紅莉栖(ま、待て!ここで反応してはダメよ。もう少し泳がせてから問い詰めてやるっ)
岡部「紅莉栖……愛してる」
紅莉栖「わ、私も愛してるよ、岡部!」
岡部(紅莉栖・・・愛してる)
紅莉栖(岡部・・・直接脳内に!?)
紅莉栖(し、しまっ……)
岡部「……」
紅莉栖(あれ?何も反応しな……)
岡部「お、お、おお俺だ。い、いいいま機関からの強烈な精神攻撃を受けた!」
紅莉栖「なっ!」
岡部「あ、ああ、大丈夫だ、も、問題ない。こ、これしきの精神攻撃、俺には、える、ぷさいこんがり」
紅莉栖「お、岡部?」
岡部「ど、……ドクペ買ってくる」
バタン
紅莉栖「あっ……」
紅莉栖「行ってしまった……」
紅莉栖「愛してる、か……えへへ」
紅莉栖「って、なんで岡部が動揺してんのよ!恥ずかしいのはこっちよ!」
紅莉栖「岡部からあ、愛してるって言ってきたくせに……」
紅莉栖「……もしかして」
紅莉栖「無意識に言ってた、とか?」
紅莉栖「いやいやねーよwwwそんな馬鹿な事ありえな」
紅莉栖「あれ?岡部の座ってた所に何か落ちてる……」ヒョイ
紅莉栖「なっ、これは……!」
紅莉栖「試作未来ガジェット『分かり合う事で未来を築くんだ!』……脳波を感知して対象者が何を思っているか勝手に音声再生(CV宮野真守)されるガジェット」
紅莉栖「昨日完成させてそのままあそこに放置してたんだった……」
紅莉栖「ふむん……近くに居た岡部に反応して起動したのかしら」
紅莉栖「……あっるぇー?」
紅莉栖「岡部の思ってる事が再生された?」
紅莉栖「つまり……」
紅莉栖「岡部は私と思いっきりいちゃいちゃしたくて将来私と住むにあたってアメリカか日本か迷ってて私が可愛いすぎてつらくて私の事を愛してるって事?」
紅莉栖「……Oh」
紅莉栖「Fooooooooo!!!!」
紅莉栖「きた、きたきたきたきたきたきたきたきたキタアアアアアアアアアアアアア!」
紅莉栖「お、岡部が私を……!」ハアハアハア
紅莉栖「い、いちゃいちゃしたい?ペロペロしたい?するばいいじゃない!かもん!さあ!かもん!」
紅莉栖「し、しかもけ、ケコーンまで考えてるなんて!日本でいいに決まってるだろ常考!」
紅莉栖「おかべ可愛いよ!おかべ!」
紅莉栖「岡部ええええ好きだああああああ結婚してくれええええええええええ!!」
紅莉栖「………」ハア、ハア、ハア
紅莉栖「……ふぅ」
――――
――
ガチャ
岡部「も、戻ったぞ、クリスティーナ」
紅莉栖「あら、遅かったわね」
岡部「あ、ああ。機関の精神攻撃により甚大なダメージを受けてな。それの回復に手間取ったのだ」
紅莉栖「ふーん、そ」
岡部「ところで、助手」
紅莉栖「助手じゃない」
岡部「なんでイヤホンを付けているのだ?しかも片耳だけ」
紅莉栖「いま開発中のガジェットの調整でちょっとね」
紅莉栖(これで岡部の心の中をいつでも聴ける……!)
岡部「ほう、新しいガジェットか。一体どんな機能なのだ?」
岡部『くっ、紅莉栖にあんな事を言われてはまともに目を合わせられん……』
紅莉栖「Oh……」
岡部「クリスティーナ?」
紅莉栖「えっ?あっ、ま、まだ試作だから機能は秘密よ。楽しみにしてなさい」
岡部「むっ、そうか……では、開発に励むがいい」
岡部『たまに見せる年相応の反応をする紅莉栖もいいが、こうやって何に打ち込む紅莉栖が一番いいな……』
紅莉栖「はぅ」
紅莉栖(こ、これが岡部のデレ!なんて破壊力なの!?)
岡部『しかし、ガジェットの開発をしているのなら邪魔をしては悪いか。メイクイーンにでも行って時間を潰すか』
紅莉栖「なっ、ダメよ岡部!」
岡部「な、なに?」
紅莉栖「あっ、えっと、その……ねえ、岡部」
岡部「なんだ?」
紅莉栖「少し話でもしない?ちょっとガジェットの開発に行き詰まって気晴らしがしたいの」
岡部「別に構わないが……」
岡部『く、紅莉栖は俺と一緒に居たいのか?いや、そう考えるのは早計か……』
紅莉栖(一緒に居たいに決まってるだろ!)
岡部「しかし話すと言っても何を話すのだ?討論するにしても題がなければ……」
岡部『そう言えば、紅莉栖とこうやって実験以外で話す事など滅多になかったな……』
紅莉栖「な、何って、別に普通の事でいいわよ。だいたい、討論なんてしたら私があんたを論破して終わるって決まってるでしょ?」
岡部「な、なにを!?」
岡部『まあ、否定はしないがな……』
紅莉栖(えっ?)
岡部『脳科学の希望の星、若き天才科学者牧瀬紅莉栖。俺には釣り合わんかもな……』
紅莉栖「そ、そんな事ないから!」
岡部「はあ?」
紅莉栖「えっ、と……わ、私は岡部と討論じゃなくて普通に会話がしたいの。岡部と話してると気が楽だし」
岡部「ふっ、当然だ!何故ならラボメンのリーダーである俺は常にお前たちに最高のコンディションを用意する為に話術を心得ているからな!フゥーハハハ!」
岡部『紅莉栖のこういう所も好きな理由なんだよな……』
紅莉栖「あぅ」
紅莉栖(す、好きって!いま好きって言った!)
岡部「さて、では改めて何を話す?」
紅莉栖「そう、ね。じゃあ――」
――――
――
岡部「ふぅ、結構話したな」
紅莉栖「ええ、そうね。話してみるとお互い、知らない事って多いものね」
岡部「全くだ。有意義な時間だった、紅莉栖」
紅莉栖「……ふぇ?」
紅莉栖(あ、あれ?いまの、岡部の口から)
岡部「か、勘違いするな。あくまでもラボメンの近辺状況を聞けて有意義だったと言ったまでだ」
岡部『紅莉栖の事をたくさん知れて良かった。こうやって、もっと関係を深める事ができれば、いずれは……』
紅莉栖(口では強がってても脳は素直ね岡部!可愛いよ、岡部!)
風呂
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〃 ノル人( _ _ 乂込\ト
ムイ( /Ⅵ ≧ェz-ミ ,彡xz≦ ル'Y ト、「`
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八 ゙,  ̄ ∧  ̄ / ノ 从
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紅莉栖「まあ、これで開発も捗りそうだわ。いい気分転換になった。サンクス岡部」
岡部「う、うむ。それならいい」
岡部『こんな事で紅莉栖の力になれるのならいつでも話相手になるのだがな……』
紅莉栖「あ、あと!」
岡部「なんだ?」
紅莉栖「ま、また気分転換したくなった時はその、岡部、相手になりなさいよ!」
岡部「!……ふっ、無論だ」
岡部『紅莉栖……』
岡部『このツンデレめ……可愛いすぎるだろうが、全く』
紅莉栖(だ、誰がツンデレか!てっ、ま、また可愛いって、岡部が私を可愛いって!)
岡部『紅莉栖……』
岡部「……愛してる」
紅莉栖(今度は愛してるって!愛してるって言っ……あれ?)
岡部「あっ」
紅莉栖「えっと……その!わ、私も愛してる岡部!二度も言わせんな!」
岡部「えっ?」
紅莉栖(しまった!岡部の場合、素直に告白すると必ず鳳凰院モードになって逃げ)
ギュッ
紅莉栖「ふぇ?」
岡部「ありがとう、紅莉栖」
紅莉栖「えっと、その……」
岡部「一度目は、その、……ただの聞き間違いいかと思っていた」
紅莉栖「うん」
岡部「だが二度目はしっかりと聞いた。俺も、愛している紅莉栖」
紅莉栖「うんっ」
岡部「良かった、やっと聞けた……お前の、口から」
岡部『あの世界線で聞けなかった、お前の最後の言葉をやっと!』
紅莉栖「岡部……」
紅莉栖(もう、このガジェットに頼る必要はなさそうね)
岡部「紅莉栖……?」
紅莉栖「岡部……ごめんなさい」
岡部「な、何故謝るのだ?ま、まさか、告白は迷惑だった、か?」
紅莉栖「違う!そうじゃない!告白は嬉しかった!けど、私あんたに謝らないといけない事がある」
岡部「何を?」
紅莉栖「これよ……」ヒョイ
岡部「これはお前が先ほどからしていたイヤホンではないか」
紅莉栖「これが私の開発していたガジェットなの。対象者の脳波を読み取って考えている事を音声出力するガジェット」
岡部「また大層なものを造ったのだな……」
紅莉栖「これで、その……実は岡部の心の声、聴いてたの」
岡部「なるほど……だから、今日はやけにタイミングの良い言葉がお前から出てきた訳か」
紅莉栖「ごめんなさい……人の心を勝手に、しかも大好きな人の心を勝手に聞くなんて、最低よね」
岡部「そんな訳あるか……」
ムギュ
紅莉栖「あっ」
岡部「誰だって自分の好きな人が何を考えているか知りたがるものだ。俺だって、お前が普段何を考え、俺と話す時はどんな事を思っているか気になる」
紅莉栖「おかべ……」
岡部「それに、お前が俺の心を聞いたお陰でこうして抱き合っている訳だしな……」
紅莉栖「う、うん…」
岡部「紅莉栖」
紅莉栖「なに?」
岡部「目を閉じろ」
紅莉栖「えっ……?」
岡部「いいから、目を閉じろ」
紅莉栖「そ、そ、そ、それって、まさか、その、き、き、」
岡部「それとも開けたままするか?俺は構わないが」
紅莉栖「は、はいっ」パチリ
岡部「う、うむ……では、いくぞ」
紅莉栖「う、うん……」
岡部「紅莉栖……大好きだ」
紅莉栖「わ、私もだよ?おか、……りんたろ……んっ」
岡部「んっ、く、紅莉栖…いま、名前で」
紅莉栖「っ、あ、あんただけ名前呼びじゃフェアじゃないから!だから、その……」
岡部「あー、うん、そうか……」
紅莉栖「い、いや、だった?」
岡部「俺はあまりこの名前は好きじゃないんだがな。だが、お前になら呼ばれても、その、……いいと、思う」
紅莉栖「じゃ、じゃあこれからは倫太郎って呼ぶねっ」
岡部「あ、ああ。なら俺もこれからはちゃんと名前で呼んでやらねばな。紅莉栖」
岡部「紅莉栖……」
紅莉栖「倫太郎……」
岡部「多分だが、今俺たちが考えている事は一致していると思う」
紅莉栖「き、奇遇ね、私もよ」
岡部「今日は他のラボメンは来ない」
紅莉栖「下のブラウン管工房も閉まってる」
岡部「外は暗い」
紅莉栖「今からじゃ終電は間に合わない」
岡部「……紅莉栖」
ムギュ
紅莉栖「んっ、倫太郎……」
岡部「今度は、キスだけじゃ許さんからな」
紅莉栖「ふふっ、望むところよっ」
おわり
書き溜ないから遅くてごめんね
保守してくれた人、読んでくれた人、ありがとニャンニャン
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