エレン「ぼっち」※現代パロ(891)
俺は最近流行りの『ぼっち』という人種だ
別に流行りではないか
いつの時代も『ぼっち』という存在は有るのだから
ただ最近はそれが頻繁に流行語のごとく聞くというだけ
そして、俺がなぜぼっちなのかって・・・?
そりゃこの悪い目つきと・・・
説明すると長くなりそうだ・・・
まぁ、これは入学初日のことだ。
アルミン「・・・・以上。新入生代表アルミン・アルレルト」
パチパチ・・・パチパチ・・・
『あんなヘタレそうな奴が今期の試験の1位だ?』
『有り得ないな。きっとコネでも使ったんだろ』
あははははっ!!
~入学式後~
アルミン「は、はい・・・?」
不良A「だから、俺たちの宿題をやってくれねえか?って言ってんだよ」
アルミン「え、えっと・・・宿題は自分でやらな
不良B「俺たちは頭がアルミン君みたいに良くないからさ~」
あー。いつの時代にもあんな奴らはいるんだな・・・と、遠目から眺めていた
高校じゃこういうのは平凡なのか?
新生活のスタートに、内心少し心踊っていた
アルミン「なら、尚更自分でしたほうがいいんじゃないのかな・・・」
不良A「宿題をお前が俺たちの代わりにやれば良いって話なんだよ!!」壁ドンッ
アルミン「ビクッ・・・!?」
不良B「なあ、いいだろ?頭の良いやつはこんな即効で終わるだろ?」
アルミン「で、でも・・・」
不良A「そうか。痛みと時間、お前はどっちを選ぶ・・・?」
アルミン「・・・・・・・」ブルブル
溜息と共に俺は「見てらんねえ・・・」と無意識に呟きながら、不良の隣に立っていた
不良B「あ?なんだよお前」
不良A「ん?」
「あ、あー。悪い悪い・・・アル・・・ミン?だっけか・・・・」
アルミン「・・・・っ!?」
不良A「はっ?誰だよ」
エレン「俺は・・こいつの・・・えーっと・・・・知り合いだったかな・・」
不良B「何を意味わかんねえこと言ってんだよ。お前には関係ないだろ?あっち行けや!」
いや、不良の言う通りだ。俺は本当に無関係な人間だ。
ただのヒーローのような自己犠牲の精神で不良達の前に出ただけなのだから
ザワザワ・・・ザワザワ・・
なんて、俺は不良をどう処理しようか考えていて、周りに人が集まっていたことに気付かなかったのだ。
前しか見えてない。つまり俺は怒りで少し頭に血が上っていたのか・・・
『ねー。あれって・・・』
『怖いね。入学初日から喧嘩?』
『あんな不良達と同じクラスになりたくないね・・・』
俺も気付いてれば良かったのかもな・・
エレン「ふん、雑魚が・・・」
不良A「お、覚えてろよ!」ボロボロ
不良B「今度はお前の死ぬ番だからな!」ボロボロ
エレン「はいはい・・・で、アルミンだっけか・・・怪我はって、逃げたのか。まぁ巻き込まれずに済んだようだしな」
言葉通り。俺は自分は面倒事には首を突っ込むものの、
面倒事に人を巻き込むことは逆に好きではない
なんてな。こんなことをするのは、俺くらいか・・・
ザワザワ・・・ザワザワ・・
エレン「ん・・・・?」
『ひっ!こっち見た!?』
『関わらないほうがいいよ・・・早く教室に行こ!』
『こえー!あいつ、同じクラスのエレンって言う奴だよな』
『え!?同じクラスじゃん』
エレン「・・・・やっちまったか・・」
というわけだ。
俺は入学初日に喧嘩を起こし、男二人を無傷で倒したという伝説を作った
俺は生まれ持った、この筋肉質な体型と腕力のせいだとも言えるだろう
特別、過去にスポーツをしていたという訳ではないんだけどな・・・
多分・・・いや絶対に新入生で、この伝説を知らない奴はいないだろう
まあな。別にいいんだよな
中学の時もこんな感じだったしな
目付きと口調が悪いだけでクラスを浮いてたし・・・
だが言っておこう。
これだけは知っといてほしい。
俺は望んでなる『ぼっち』ではなく、
皆から避けられるほうの『ぼっち』である
違いはわかるだろうか?
つまりはだな。
可哀想なほうの『ぼっち』なのである
可哀想だと感じている人物はいないだろうけどな
~体育~
『エレン君は、今日も体育いないね』
『不良はさぼるのが平常運転なのよ』
『あまり話さないほうがいいよ。これを聞かれたら何をされるかわからないよ』
エレン「はぁ・・・別にさぼりたくて、さぼってんじゃねえんだけどな・・」
俺も学校入りたての頃はまだしっかり体育に参加していた
そうだな・・・
あれは、サッカーで飛んできたボールが俺の脇腹にあたった時・・・
「ご、ごめんなさい!わざとじゃないんだ!」
エレン「え、いや分かってるけど」
「ごめんなさい!ごめんなさい!」
エレン「だから、いいって」
『どんだけ頭下げさせてるの・・』
『こらっ!エレン君に聞こえたらどうするの!』
『あっ・・・あぶなかった・・』
下げさせてねえよ・・・
勝手にペコペコしてるだけだよ
あとは・・・
野球している時はこんなのがあったけか・・・
「じゃあ、投げるからね・・?」
エレン「おう」
「そりゃ・・・」
ゆるゆる~・・・パシュッ『ス、ストライク』
エレン「・・・・・」
「ご、ごめんね!次はもっとゆるく投げるから!」
エレン「いや、逆にもっとちゃんと投げてくれよ」
「そ、そうだよね!あはは・・・・」
エレン「・・・・はぁ・・・」
分かっていたさ。
俺は完璧に浮いている
邪魔なんだよな
まるで周りは真っ白の猫なのに、俺は真っ黒な不吉な黒猫のよう・・・
皆から、ひとつ壁を置かれているような
軽蔑されてるような・・・
いや『ような』ではないな。
もう、そうされているんだ。
だから、俺は体育に参加しないんだ
皆に気を使わせる
邪魔だと思われてる
怖がらさせる
俺の良心はそんなことを無視して生活なんて出来ないんだ
それのためなら自分の体育の成績なんて余裕で捨てれる
テストを全力で取り組めばいいと思っているからな。
でも、そんな妥協している自分がたまに悲しくなる。
そう心の片隅で思いながら体育の時間は、
俺は今日も屋上でただずっと空を眺めている
~放課中~
誰もが知っているだろう
ぼっちが放課中にすることは・・・
とりあえず、自分の机に伏して寝たフリをするということだ
ちなみに、俺は授業の最後のほうで伏せるということで、眠たかったから寝ているというアピールをしている
そのぼっち行為を察されたくないがため、眠っているんだぞってことをアピールしているんだ
俺が寝ている時を狙ってか、
机に伏している時、俺の噂をよく聞く
『ねぇ、知ってるかな?エレン君の話!』
『知ってる知ってる!市内の高校の生徒を怪我させたんだってね!』
『病院送りにした人は数知れず、だってさ』
んなことしてたら、俺は今頃少年院入りして、こんなとこに来てないわ・・・
と、俺は寝ながら腕を強く握り締める毎日
『そういえば昨日、近くのコンビニにさ不良が溜まってたじゃん?』
『うん!怖かったよね・・・』
『あれをまとめてるのは、エレン君なんだって!』
『えっ・・・ホントに!?』
『ホントホント!みんな言ってるよ』
何が『ホント』だよ・・・
俺はまずそのコンビニにすら行ったことねえぞ・・
証拠らしいことを言ってやろうか?
俺の家はコンビニとは反対側なんだからな
つか、なんでそんなガセ情報が出回るんだよ。
俺は別にそんな悪いことしたことねえぞ?
俺が人に拳をあげたのは入学初日のあれが最初で最後だぞ
他に悪いことしたっていったら、昔いた友達に膝カックンしたり、昔いた友達にデコピンしたり・・・
ああ。昔の話さ・・
ということで、俺の悪態は知らぬ知らぬのうちに新型ウイルスのように風の早さで広まっていくのさ・・・
あっ。1つ言っとくぞ。
俺には友達がいたんだ
でも中学の時、地区の関係上、その友達とは学校が違ったんだ
で、今高校では、同じ中学の奴はいても、昔からの友達っていう奴はいないんだ
まさに『ぼっち』だな
さて、『ぼっち』とは自分で名乗るものなのか?
僕は天才だ。と名乗るのは変だと感じるように、ぼっちも名乗るのは変なのだろうか?
俺は自分の立場が分かっている上で、それを名乗るという行為は自分の心を癒しているということになっているからであって・・・
まあ、つまりは、保険をかけているということだ。
自分で分かっている。誰か言われているのとじゃ心のキズの大きさは違うからな
自分のダメなとこが分かってる人間と自分のダメなとこが分かってない人間の違いは、
俺は『ぼっち』であるかないかだと思っている
ぼっちは自分しか見えない
だが、ぼっちじゃない奴はなんだ?
友達がいる。周りしか見てないじゃないか
なんてな
俺は、とてつもなく、ひねくれているようだ
ワイワイ!がやがや!ワイワイ!
なんだなんだ?こんな放課中に騒がしい・・
アルミン「うん!この問題は二次方程式の応用でね」
「あ、ありがとうございます!」
アルミン「うぅん!どういたしまして」
「アルミン君!今度の日曜日は空いていますか?」
アルミン「え・・・別に何もないけど」
んー・・・あれは俺とは真逆の人間か
天国と地獄が俺とあいつでぴったりか
あいつは、ただただこの教室に入っただけであんな囲まれてな・・・
人気者とはこのことだ。
成績優秀、容姿端麗。
新入生代表として入学初日に皆の注目を浴びた人間だからだな
知られて当然、人気出て当然の人種だ
自慢じゃないが俺も入学初日に皆の注目のまとだったがな
っと、まったくを持って言葉通り自慢じゃないな
アルミン「あ、あぁ・・・ごめんね。僕は好きな人がいるから、デートとかはちょっと・・・」
「えー!好きな人いるんですか!?」
「でも、そのほうが燃えるんじゃない!?」
「そうね!アルミン君、好きです!」
「ちょっと!抜けがけなんて許さないわよ!」
アルミン「ま、まぁ・・・落ち着いてよ。デートじゃなくて、普通に皆で遊ぶとかなら大丈夫だからさ」
「アルミン君優しいのね!」
あー。正直に言おう
あいつら、どっか行ってくれねえかな?
つか、クラスの男子共も、積極的にアルミンの友達になりに行ってるし・・・
こうやって人脈というのは広がっていくのか?
友達の友達は所詮他人なのにな・・・
まぁあいつには、人を惹きつける何かを持っているんだよな
別に俺にとっちゃ憧れも感じないがな
だって、この生活に慣れているのだから
とりあえず、ここは耳にイヤホンでもさして、周りの音を遮断しようか・・・
こんなことして、授業に遅れないかって?大丈夫さ
チャイムの音くらいは聞こえる程度の音量だから
・・・・ンっ・・・ンっ・・・・・
なんだ?もう時間か?
音楽以外の音が俺の鼓膜に振動を与える
って・・・こいつ・・
アルミン「エレン君!エレン君!」
俺は徐ろにイヤホンを外し
「なんだ?」と一言
こんな中の下の人間に、上の上の人間がなんのようだ
アルミン「エレン君と話したいことがあって」
ザワザワ・・・ザワザワ・・
『あのアルミン君がエレン君に!?』
『アルミン君が怪我しちゃったらどうしよう!?』
『どうする?すぐ先生を呼べるようにする?』
あー!やだやだ・・・
こうやって無駄な注目を受けるのは・・
俺はもうクラスでは空気みたいな存在でいることを決めていたのに・・
エレン「なんだよ、手短にしろよ?」
アルミン「こ、ここでは話しにくいから、屋上に行かないか?」ボソッ
エレン「別にいいが・・・」
俺は朝のホームルームで席に着いてから、トイレと帰りのホームルームになるまでは、ずっと座っているのが基本なのだが
今回、初めてそれ以外の理由で席から立ち上がった
エレン「じゃあ、行くか・・」
アルミン「うん」
『アルミン君がエレン君に連れてかれてる!』
『アルミン君殴られちゃうのかな・・』
『エレン君なんのつもりなんだろ・・・』
教室を出ようしている時に聞こえてくる声
俺が呼び出されてるんだよ・・
で、なんだ?教室戻ったら、また俺の事でざわつかれるんだろ
考えただけで、つらいわ・・・
今回、ここまで
トリつけたほうが良いならつけますので
BLか?
書いてるの女かな?
女同士って便所行く時手を繋いで行くけど
そういうの男同士でやるなよキモイから
あくまで例えだけど女が書く男の友情はキモイ
~屋上~
春の風は暖かい・・・
屋上から見る外の景色は本当に好きだ。
だなんて、今の状況と関係ないことを考えている
だって、俺の目の前には、俺が絶対に知り合えない人間がいるのだから
こいつは、なぜか唇を噛み締めている・・・
苦しいのか?何かを悔やんでいるのか・・?
エレン「で、なんだ?」
アルミン「謝りたいと思って・・」
はいはい。そういうことね
僕があの時絡まれさえしなきゃ、エレン君はクラスで浮く存在にはならなかったのに。とか、そんな謝罪を俺に述べるのだろう
アルミン「僕のせいでエレン君は、クラスから孤立する形になってしまった」
ほらな。85%は正解だ。
でもな、アルミンとやら?
俺がぼっちになったのは、お前のせいじゃねえぞ
きっと時間さえ経てば俺はいつの間にか孤立した人間になってたに違いない
考え直してみれば、ただその現状が早まったに過ぎないだけだからな。
っと、考え込んでないで返事しなきゃな・・
エレン「そんなことはないぞ。俺が孤立するのなんて時間の問題だったからな」
アルミン「それは違うよ」
エレン「いいや、俺は見た目通り、目付きが悪くて短気そうだろ?皆から怖がられるんだよ・・」
アルミン「例えそのエレン君の言う通り、時間の問題で孤立したとしよう。でも、ここまで酷い悪評は広まらなかっただろう?」
確かに・・・
アルミンの言う通りだ
実際に殴る蹴るの行為を見たから、みんなはこんな悪評を広めた
それがなかった場合、俺はただの話さないクラスの空気となっていただろう
見た目だけで人を批判するほど、人間の良心は腐ってないからな
エレン「はいはい、確かにお前の言う通りだ。で、なんだ?」
アルミン「なんだ?って・・・?」
エレン「お前はこれだけの為にわざわざ屋上に俺を呼び出したのか?」
アルミン「・・・・・・違うよ」
エレン「言ってみろよ」
アルミン「ホントは謝罪をしたかったんじゃない・・・友達になりたいんだ」
エレン「・・・・・。無理だ」
アルミン「どうしてさ・・?」
エレン「お前が俺の友達とやらになって何の得がある?」
アルミン「得なんて必要ない」
エレン「逆に俺はな!お前の友達に・・なると・・・得が・・って、お前!?」
こいつ、俺が友達になれば、俺はアルミンの友達ということで好評が広がり、孤立しなくなると思って・・・
無関係な俺が絡みに行っただけなんだよ
お前が責任を負うことはねえのに・・
アルミン「ち、違うよ!?」
エレン「違わねえわけねえだろ」
アルミン「・・・・・」
エレン「俺の事は気にしなくていい」
アルミン「・・・・」
エレン「俺はな、人に心配かけられるのは嫌いな質なんだよ」
アルミン「エレン君・・・」
エレン「はぁ・・・お前はお礼を言うだけでいいさ。責任を負う必要はない」
アルミン「ありがと・・」
エレン「おう」
アルミン「・・・あのさ。これで僕らは少なくとも友達ではなくても、知り合いにはなれたんだよね・・・?」
エレン「・・・・・。そうだな。でも気安く話しかけるなよ?」
アルミン「どうしてさ・・・?」
エレン「下手したらお前が傷付くことになる。俺なんかといると、いくらお前でも不良といるという悪評が付く」
アルミン「逆はないのかい・・・?」
エレン「不良の隣に天才が居てみろ。ただいびってるだけにしか見えねえぞ」
アルミン「・・・・・」
エレン「お前はそのまま変わらなく生きろ。そして、今日の話もなかったことにしろ。そうだな、友達にこのこと聞かれたら『いびられた』と答えろよ」
アルミン「ね。エレン君は寂しくないの・・・?」
エレン「寂しいなんて感情はとっくの昔に忘れたよ」
俺が感情任せに、こんな話したのは久しぶりだ・・・
後々に響くことは言ってないだろうかと後悔している
俺は常に考えてから行動していたのにな・・
なんで、友達という俺にとっては昔話のようなことで、熱くなってしまったのか・・・
まぁいいや。
これで、俺はアルミンとやらに完璧嫌われた
こんだけ言われて食い下がってくるやつなんて、逆に尊敬に値する
と、まぁ・・・本音、俺は胸が熱くなるのを感じていた。
『友達になろう』なんて何年前に言われたことなのだろうか・・・
懐かし過ぎて涙が出そうだ
いや、出ないんだがな?比喩表現だ
って、俺は焦っているのか!?
なんで、どうでもいいことを考えているのだろう・・・
エレン「じゃ、またな」
アルミン「僕はアルミンだからね!名前だけでも覚えてよ!」
名前は知ってる・・・知らない奴を逆に知りたいくらいだ
エレン「・・・アルミン、じゃあな」
アルミン「じゃあね・・・エレン君」
俺のある意味大きな事件
生活も性格も何もかも変わらない・・・
唯一変わったことといえば、俺があの優等生を『アルミン』と呼んでいいということになったことだけだ
そういえば、家族以外とこんなに話したのは久しぶりだったな・・・
そう考えながら、俺は教室までの道のりを少し早足で進んでいた
今回、ここまで
>>39
書き手としてそんな喧嘩腰でなく、もうちょっと抑えた言い方をした方がいいと思うぞ
「ホモじゃないです」「僕は男です。でも忠告ありがとう、そうならない様には注意します」くらいの事を言っとけばいいだろ
図に乗った>>1だって見られて荒らされる事もあるんだからな
乙
乙
荒らしは出て行けと言ったら反感買って物凄い荒れたスレは記憶に新しい
そういう匿名掲示板の悪意には気を付けた方がいい
承知いたしました
荒らしというものは無視するべきものなのですね
読んでくださっている方々も、これからは、その荒らしというものは黙殺してくださることをお奨めしたいと思います
そしてこちらも、無慈悲な言葉遣いで折角質問をして頂いた方々を傷付けてしまい、そして周りの方々も酷い印象を受けたことでしょう
申し訳ありません
誠に申し詫びあげます
そして、このことに対して触れないで頂ければ、書いているこちらとしても嬉しい限りです
では、更新しますね
そうして、アルミンとの会話を終え教室へ戻り、いつも通りの生活を過ごした・・・
家に帰ると家族がいる
俺は少し重めの扉を引いた
「お兄ちゃん」
この単語を聞いただけで、俺を幸せ者と感じた奴らを呪いたい
実際、妹なんてなんの恋心を抱けないものさ
だって、家族は家族であって、異性として見れないのだから
俺には妹がいる
そして俺の父さんは外国の発展途上国で医者をしに出張中
母さんは俺をかばって交通事故で亡くなっている
だから、敢えて言おう。
そんな実際のとこ唯一の家族の妹を恋愛対象として浮ついた目で見えないのだ。
いや、見たくない
大好きだ。愛している。それは家族として当然に感じる感情だと俺は思っている
「もう!お兄ちゃんたら、帰ってきたら、ただいまでしょ?」
そう平々凡々なセリフを吐く妹
二つに縛ったその髪はまるで時代を感じさせるよう・・・今じゃあまり見かけない髪型。
でも、お前らしくて可愛いな
それが違うだけで、俺はお前じゃなくなる気がするくらい、お前らしい・・・
でも正直、見た目で特徴はそれ以上のない
でも、内面の特徴を上げてゆけばいくらでも出る。
何年お前のこと世話してきたと思っているんだよ
寧ろ、お前の知らないことがあったら驚くくらい俺はお前を見てきた
当然、お前も同じこと言われたら、そう答えるだろう
エレン「あぁ、ただいま。ミーナ」
ミーナ「お風呂にする?ご飯にする?」
エレン「またベタなこと聞いてきやがって・・・」
ミーナ「どうする?」
エレン「ミーナはご飯食べたか?」
ミーナ「まだだよ」
エレン「じゃあ、一緒にご飯を食べようか」
ミーナ「お兄ちゃんはいつも同じことばっか・・・」
それが人間の性だ。
いつも通りを演じるのが平凡な日常を迎える第一歩だと俺は思っている。
エレン「俺が先に風呂入ったところで、何になる?どうせ、お前は俺が風呂から出て、食卓に着くまで、ご飯は食べる気ないだろ?」
ミーナ「お兄ちゃんは、やっぱ優しいね・・・」
エレン「違うだろ。ご飯は家族一緒に食べるっていうルールをお前ただは守ってるだけだ」
亡くなった母さんはいつも言ってた
『ご飯は皆で食べるから美味しい』と。
こういう昔から言われてきたことは、そうだと信じてしまう
そうだと思っているから、寧ろ逆のことを言われてしまうと、いくらそれが正しくてもそれが違うと思い込んでしまう。それが人間の思考
今まで食べてきた鶏肉が、実は豚肉だったと言われても、すぐには信じることは出来ないだろ
と、また無駄なことを考えてしまった
エレン「それに俺は人に迷惑をかけたくないからな」
ミーナ「・・・じゃあ、早く食べよっか」
エレン「おう。今日はなんだ?」
ミーナ「えっと・・・里芋の煮物とほうれん草のおひたしと味付けご飯」
エレン「いつもいつもありがとな」
ミーナ「いつもって、一週間交代の食事じゃん」
エレン「俺は自分で作ったものより、作ってもらった料理のが好きだからさ・・・それに特にミーナの作ったものだしさ」
ミーナ「私もお兄ちゃんの下手なのか上手なのか分からない料理好きだよ」
エレン「そこはお世辞でも上手な料理って言うんだぞ。俺はそれだけだったら、素直に喜べたぜ」
ミーナ「お兄ちゃんの作る上手な料理は私大好きだよ」
エレン「今頃じゃ遅いっつーの・・・。まあ、ありがとな」
ミーナ「うん」
これもいつも通り。
ミーナを褒めて頭を撫でる
この時のミーナの幸せそうな笑顔を見るのが俺は好きなんだ
俺は本当に家族が好きだ
現状が現状なだけに、そうなったのかも知れないが・・・
だって俺は1日にミーナに何回『ありがとう』と言っているのか分からないほど言っている
まあ、これも母さんの教えだ。
『お礼を大事にする』って・・・
それに習い、今日はアルミンにお礼を言わせたのかもしれないな
ただ俺はそれを今まで言われなかったことに釈然としていなかっただけかもしれないが・・・
今回はここまでですので
お前◆VRLKsgM.hUか?
胸糞だったら胸糞注意って書いておけよ
>>77
人違いですよ
世は4月を超えて、5月を迎えた
桜も散り、年中五月病みたいな俺には後押しをされてる気分になっている
そして俺の悪態だらけの噂は絶えない
あれから、アルミンは俺に言われた通り話しかけない
というか、俺と学校で話した人間はアルミンと先生以外にいないだろう
俺に話しかける人間のが相当なレアものなのだから
と、これは一種の現実逃避
今は俺は考えることを諦めているんだ
現在、俺は結構な全身粉砕骨折並の危険的な状況に立たされている
本気で頭を抱えることになっている
それは・・・
『班分け』というものだ
ぼっちにとっては、最も辛くて、どう仕様も無いこと
体育同様さぼればいいかと考えていたのだが、そうはいかなくなってしまった
なぜなら、今回のこの班分けは『校外学習』の為のものだからだ
さすがに大きな行事には参加しなくてはならない。
仮病で休んで皆勤賞を貰わないというのは、さすがに理由が理由だけに酷い
進学や就職に響くことは間違いない
百歩譲って俺が休んだとしよう。
もし、同じ班とかなった人達は、それこそ迷惑だろう。
だが、俺が行くことでさえも迷惑だろう。
まさか、これは詰んだ・・・のか・・
頭が回らない。回避方法が全く全然微塵も思い付かない
試験学年順位4位、クラス順位2位の脳はここまで異常事態に対応できないのか・・・?
因みに順位は個表で渡されるから、俺が2位ということを知るものはいないだろう
俺の日常は、妹と会話、睡眠、食事、勉強の主に4つしか存在しないからな・・・
違う。そんなことじゃな「・・・・ねえ。一人でしょ・・?」
という人の声のようなものが、考え事をしている俺の方へ向かって聞こえてくるが、きっと俺へ向けたものじゃないだろう
伏している俺の前に人がいる気がする
でも、きっと俺に話しかけているんじゃないだろう。
さっきも考えたはずだ、相当なレアものしか俺に話しかけないって・・・
ここで起き上がって、違うなんてことがあれば俺は一生ものの恥だ
勘違いという恥ずかしい汚名を受けたくない
そういえば昔に似たようなことがあったっけな・・・?
あれは、中学三年の頃の文化祭だっけか・・・
司会『素晴らしい有志発表でしたね!さて、生徒の皆さんに意見を聞いてみましょうか?』
この時、俺はこんな公開処刑を受けることになろうとは決して思いもしなかった・・・
と、渡る世間みたいな始まりなのだが、これは本気で俺は過去に戻ってやり直したいと思える事件だった
司会『じゃあ、一番前の目が大きくて黒髪で体格のいい男の子!』
これは・・・・俺か?
ゆっくり言葉を思い返したら、俺だと判断できた
そして、パっ!とライトが俺に当たり、皆の注目がライトの先に集まる
少し恥じを感じつつ、これは俺のリア充への第一歩なのではないか?と期待を胸に膨らめ思いつつ・・・
俺は足に力を込め、立ち上がった
エレン「はいっ
隣の少年「はい!」ガタッ
隣の少年「僕達、軽音楽部後輩は先輩達の演奏にとても感動しました」
司会『ご、ごめんね。隣の方は座ってもらえるかな?感想を言う人はこっちで決めてたからさ』
そのあと、俺が「気分悪くなったから保健室に行く為に立ったんだよ」とミエミエの嘘を吐き会場を去ったことは本当に思い出したくない過去だ・・・
会場の出口間際で聞こえた笑い声は今でも俺の耳に残っている
思い出したくない過去と言いつつ、俺は思い出している訳だ
ああ。そういえば、その日の夜はミーナが慰めながら一緒に添い寝してくれたっけ・・・
あの頃は中三でミーナと一緒に学校通ってたし、兄の羞恥を目の前で見るなんて思いもしなかっただろうな・・・
人間とはそういうものだ。
トラウマは消えないものなのだ
人間は学習し、未来へそれを繋げていく
過去の失敗を元に未来は成功させていく
世の中の便利な発明品はそうやって進化や革命をしていく
でも俺を便利な発明品と比べたら、その発明品に失礼だろう
話はズレたが、つまりはそういうことだ。
なのでさっきの声。
俺は呼ばれた気がするだけで、俺は呼ばれてはないという結論になった
なんだかクラスが騒がしくなってきた気がする・・・
ザワザワ・・・がやがや・・
きっと皆、仲良しの友達同士で班編成でもして盛り上がっているのだろう
俺には分かり得ない幸福感が、『ぼっち』ではない人間にはあるのだろう
心底不思議に思う・・・
これが常識だろうと言わんばかりに騒ぎが収まらない
「私はあんたに話しかけているんだよ・・・エレン」
・・・・・・エレン?
聞き覚えのある単語だな
ああ。俺か・・・俺か!?
予想外過ぎる事態に俺は考える余裕も無く抵抗なしに顔を上げた
上げた先には、長い睫毛をし、スラっと通った鼻が目の前にあった
俺の前髪に、その長睫毛の女の前髪が重なる
ふあさっ・・と、柔らかい前髪が俺の額に、小指でなぞるかのように触れており、少しばかりか、くすぐったい・・・
思わず、非常事態に非常事態が重なってしまい身も心も硬直してしまう
9秒ほど俺の体は動きを停止した
クラスの全員も俺の行動に合わせたのかと思える程タイミングよく、物音が一つ聞こえないくらい静かになり、俺とその長睫毛の女を注目していた
俺の目の前にある真っ白な肌が少し紅色になるのが見て感じれる
その時間や空間さえも止めたかのような世界を崩したのは、ある一人の言葉であった
『おい・・・冷血委員長とエレンの正面対決だ・・・』と・・
その言葉が聞こえたと同時に、冷血委員長と呼ばれる女が忘れていたものを思い出したがごとく、口を開いた
委員長「あんた・・・顔が近いよ・・」
それにしても、この女は委員長という言葉が合い過ぎている
後ろ髪はコンパクトにまとめられており、眼鏡を着用。
眼鏡の奥のその瞳は、キリッと俺を見つめている
エレン「俺が好きで近寄ってんじゃねえよ。お前が近いんだろ。さがれよ」
委員長「私は命令されて、それに従うという行為は好きではない」
口調といい態度といい、それはまさに委員長を絵に描いたよう。
広辞苑に載せたいくらいの完成度の高さ
だが、少し厳し過ぎるのではないかと思える
そうか。だから『冷血委員長』なのか
エレン「じゃあどうしたら、俺から離れてくれるんだ・・?」
委員長「簡単なことさ・・・あんたが下がればいい事だよ」
だが1つ。委員長らしからぬ表装
未だ俺の額に触れているその前髪は、漆黒とは決して似ても似つかない色
親の遺伝だろう。好意的に髪を染めるという行為は校則で禁止されていることだからな
俺はついその髪に見惚れて・・・
エレン「・・・綺麗な金色だな・・・・・」
俺は相手の受け答えに関係無しに一言。
あ、やっちまった・・・
俺は言ってすぐに、とてつもない失態を犯してしまったと気付いた。
ふいに、それはまさに無意識に言葉として発してしまっていたのだ
話したことのない人間に初めての会話で、これは下心があると思われるに決まっている。
俺のたまに読む、小説ではこういう軽いキャラはいつもそういう立ち位置のキャラとして処理されてるしな
つまり、俺はこの冷血委員長に『下心がある軽い最低男』と思われた。ということ結論だ
俺の脳内電算機能をフルに活用した答えに少し涙が出そうになったが、ここは耐え忍ぼう
『エレン君、今何か言ってた・・・?』
『俺、聞こえかった・・』
『私も』
ぼそぼそと周りの奴らが呟く
どうやら、俺の声は皆には聞こえなかったようだ
とりあえず、安心で心が落ち着いた
ように思えた・・
冷血委員長をよく見ると・・・
冷血委員長は目線を下ろし、先程以上に頬を真っ赤に染め、スラっした鼻までもが紅くなっていた
そして、拳を握り締めてプルプルと携帯のバイブレーションのように腕が細かく震えていた
この冷血委員長だけ、俺の失態で発してしまった言葉を聞いていたのだ
そりゃそうだ。なんせ、目の前にいたのだもの
多少難易度が高いがここは弁解をして疑惑を解いた方がいいだろう。なんて、考えてたら・・・
パシっ!!
俺の左頬目掛けて、冷血委員長の右手が驚きの速度で向かってきていた
瞬時に察知して、俺は右手首を掴むように止めた
再び、クラスがざわつき出す
この冷血委員長とやら・・・途轍もなく力が強い
この平手打ちを防がなかったら、俺の頬は風船のように真っ赤に膨れ上がっていたことだろう
エレン「いきなり何すんだよ・・・?」
委員長「あ、あんたが変なこと言い出すから・・・」
その通りだな。謝っとくか・・
エレン「・・・・・・。そうか・・すまん。悪かった・・・忘れてくれ」
委員長「・・・え・・?」
何で不思議そうな反応をしてんだよ
俺が謝ったらおかしいか?
『初戦はエレンの勝ちだな』
『いいや、攻撃を防いだだけだしな・・・』
委員長「は、早く離してよ!」
掴んでいた右手首を、冷血委員長は振り払うようにして腕を振った
細く白い女の子らしい腕をしているのに、どこからあんな力が湧いてくるんだよ
委員長「あのさ・・・聞くの忘れてたけど」
エレン「ん?・・・あぁ。そういえば何か用が有って話しかけてきたんだっけ・・」
委員長「わざわざ聞く事でもないんだけど、聞くよ」
じゃあ聞くなよ!と心の中でツッコミを1つ
委員長「あんたは班編成で一人でしょ?」
エレン「ああ。そうだが」
分かってて皆の前で晒し上げにでも来たのか?
委員長「私があんたと同じ班になってあげるよ」
エレン「やだ」
俺としては当たり前の反応だ
委員長「・・・・は?」
エレン「嫌だっつってんだよ。いきなり殴ってくる奴と一緒の班になんかなりたくねえよ」
委員長「あんたには選択肢はないよ」
エレン「どうしてそんなこと決めつけてるんだよ・・・?」
委員長「友達・・・いないんだよね・・・?」
エレン「だからなんだ?」
委員長「私しか、あんたを誘う人は居ないよ?」
エレン「余計なお世話だ」
委員長「・・・・・・・」
どうした・・・急に黙り込んで・・
唇を噛み締めてる・・・?
この前に、似たようなことをしたやつを見た気がするな・・
何か後ろめたいことでもあるのかよ
そして話はつかないままチャイムは鳴り
俺はアニに屋上へ呼ばれた
またかよ・・・俺は屋上と何か縁でもあるのか?
厨二世界でいう特異点というものか?
思わず溜め息が出てしまうほど面倒くさい
あいつの考えていることが全くを持って理解が出来ないから
先読み出来ないから計算的会話も出来ないんだよ
~屋上~
エレン「早く話を済まそうぜ」
委員長「・・・・・」
エレン「お前には後ろめたいことでもあるんだろ?」
委員長「・・・私は・・」
エレン「言うのかよ・・・」
委員長「私はあんたと同じで、友達という存在がないんだよ・・・」
はぁ・・・と思わず溜め息が出てしまう。
一瞬は驚いたものの、考え直したら・・・
エレン「嘘も大概にしろ。委員長というクラスの中心人物に友達がいないなんてことありえないんだよ」
俺の言葉通りである。
クラスの委員長である者に友達がいない?そんなわけねえだろ
委員長なんて、何もしなくても皆から頼られていく役職なんだからな
委員長「嘘じゃない・・・・」
エレン「百歩譲ってお前に友達がいなかったとしよう。なんで、俺を班に誘ったんだ?俺以外を誘った方のが友達の輪も広がるだろ」
委員長「そんなこと・・・できない」
エレン「俺に話しかけることは出来るくせに、他の奴は無理なのか?意味わからん」
委員長「周りはもう友達同士で組んでいる。その中に入るなんて、私は邪魔扱いされるだけ・・・・」
俺と考えが同じじゃねえか・・・
エレン「確かにな。で、同じ『ぼっち』である俺のとこに来たというわけか?」
委員長「悪い・・・?」
エレン「ああ。悪いね・・・そのせいで、こっちは理由の無い暴力を受けたのだからな」
委員長「防御したじゃないか」
エレン「守れば攻撃した事は無しって事になるのか?」
委員長「そうだけど?」
エレン「無茶苦茶だな・・・」
委員長「あのさ・・・私と同じ班になってよ」
エレン「本当に友達いないのか?」
委員長「いないよ」
エレン「他のクラスにもか・・・?」
委員長「いない」
エレン「お前はなんで『ぼっち』なんだよ・・・?」
委員長「答えたくない」
エレン「まあ大体は分かるけどな。その見た目と性格だろ・・・?」
委員長「分かっているなら、聞かないでよ・・・」
一見、普通の美人と取れるだろう
でも、金髪で目付きが鋭い、口調も性格も厳しい・・・
つまりは、近寄り難い人間というわけだ
初対面の俺でさえ、あんな態度してきたんだし・・・・しかも、今回はそれをクラス全員の前で晒したというわけだ
これを期にさらに浮いた存在になることだろう
エレン「だが、悪いな。俺はお前と同じ班にならないからな」
委員長「もしかして、本当はもう決まって・・・?」
エレン「いるわけねえだろ。俺はお前が嫌いだから、ただ単に同じ班になりたくないだけだ」
委員長「・・・・・・」
これで、さすがに諦めただろ・・・
ん?あいつの足元に水滴が落ちて・・・
委員長「・・・・・グズッ・・・・・・・ングッ・・」
って、おいおい・・・こいつまさか
エレン「ま、待て!?泣いているのか・・・?」
委員長「わ、私はエレン君と話すために勇気を振り絞ってたくさん頑張ったのに・・・恥ずかしいのも抑えて」
エレン「エレン君!?つか、落ち着け!」
委員長「なんで断るのよ!私はずっとエレン君を見てきたの!入学式のあの日だって、エレン君は男を襲ったんじゃなくて、あの学年1位を助けたってことも分かってる!」
エレン「!?」
アニ「エレン君が優しい人だって私は知っている・・・この前は学校裏で先生達とゴミ拾いをしているのも見たし、屋上で1人ホウキで掃いてたし、放課後の窓閉めもエレン君がしているのも」
エレン「は、はぁ!?」
・・・・・・失態だ・・・
いつも誰にも見られて無いことを確認してからするって注意してたのに・・・
屋上の掃除はただ単に寝るにあたって汚いのは嫌だったからしてたに過ぎないが
アニ「私はエレン君を見てきたんだよ!!」
エレン「落ち着けって!お前、キャラがおかしいぞ」
アニ「・・・・っは・・・」
とりあえず・・・・逃げるか・・・
弱みを握られるなんて考えもしなかった・・・
こいつとの接触を切ろう・・・
俺はこいつとは関係性を持ってはいけないんだ
これから、俺はこの冷血委員長にこう言われるだろう
これを皆に言われたくなければ私と班を組め。と・・・
この班決めは今週まで・・・今日は木曜。
今日を入れて二日間はこいつとの接触を一切無くす。
なあに、簡単だ・・・
エレン「落ち着いたなら、教室へ戻れよ」
委員長「えっ・・・待っ!」
続きなんか聞くかよ!
分かってて条件に乗るほど俺はバカじゃねえんだからな
二段飛ばしで階段を駆け下りていく・・
追い掛けてくることはないだろう。
屋上の扉を閉じる瞬間、冷血委員長を見たらあいつはただ立ち尽くしていたし・・・
委員長がいつのまにかアニなってる。
リコ「その子はアニっていう子だよ」
エレン「そうなんだ」
リコ「で、話を聞くに会いたくないから保健室でサボリということか?優等生さん・・・」
エレン「はい・・・かくまってくれ。ということだ」
リコ先生。ほとんどの時間を保健室で過ごしている保健医の先生だ
その通りといっちゃ、その通りのことだ
保健医が保健室にいるなんて
銀髪で眼鏡で身長小さめ・・・
裏情報として1つ
先生達のほとんどは俺が不良でないということを知っている
なぜなら、俺の成績を知っているし、学校のボランティアにも参加しているからだ。
さっきの冷血委員長もといアニも言っていただろう。学校裏での掃除の件を・・・
リコ「なんだ?そんなジッと見て・・・もしかして、私はまた頬にご飯粒でもつけてしまってるのか!?」
エレン「何も付いてないが。えっ・・・また?」
>>112
本当に申し訳ありません!
アニと思って書いてたら、いつの間にか事故ってました
リコ「はっはは!『また』なわけないだろ。この私だぞ?」
エレン「じゃあ鼻の上のケチャップは、どう説明するんだ?」
リコ「うえ!?私はまたもやそんな平凡なミスを・・」ゴシゴシ
エレン「まぁ嘘だ。でも、釣りにかかった魚は卵持ちだったようだな・・・。またもやね・・」
リコ「はめたな?」
エレン「別に勝手にリコさんが勝手に秘密をばら撒いているだけだろ?」
リコ「っく・・・・そ、そのだな!私は先生だ!先生に対して、その態度はなんだ!敬語を使え、敬語をな!」
エレン「話をずらしたな・・」
リコ「う、うるさい!エレンなど知らん!」
プイっと頬を膨らめて、そっぽを向くリコさん
一応言っておこう。
この人は昔からの知り合いとか、家が近所の人とかそんな類の関係性は全く持っていない
ただの先生だ
高校で初めて会い、高校で知り合った人間
俺の真実を知っている数少ない人でもある
そして、俺を最も認めてくれる人だ
だが言っておこう。
『友達』ではないからな
あくまで『先生』と『生徒』だ
先生を友達として見るなんて、とんでもない勘違い。
それは調子乗りすぎだ。と言えよう
学校でしか出会わない人物を・・・しかも目上の人だぞ?
それは、馴れ馴れしい。
え?俺の態度も充分に馴れ馴れしいって?
気のせいだろ
リコ「エレン、そういえば話は戻すぞ?」
背けていた顔を再び俺のほうへ戻し、話を始めた
エレン「アニの話か?」
リコ「敬語で話せ」
エレン「はいはい、うちの委員長の話スか?」
リコ「勘違いしているのは、お前だと思うぞ」
エレン「そんなわけないでしょう。あいつ、急に殴りかかってきたり急に泣き出したりするんスよ?」
リコ「私が思うにあいつは感情を表すのが苦手なだけだろうな」
エレン「そうっスか?」
リコ「エレン・・・それは敬語のつもりか?その三下みたいな『~っス』口調はやめろ。嫌いだ!ですます口調にしろ」
今回のミスは誠に申し訳ありません
ここまでです
カプ何?ハーレムなの?
>>121
率直に言いますと考えてません
考えなきゃまずいですかね・・?
それから午後の授業の時間はリコさんと話し込み、サボるという結果に至った
エレン「つまりはこういうことだな?アニは外面は完璧委員長を演じてるだけで、実際のところは弱い人間ということか?」
リコ「容易に訳せばその通りだ」
エレン「凄い人格してるな・・・」
弱い自分を見せたくないが為に強い自分を演じている
分からないこともない。
強い自分を見せれば、自分の弱いとこをバカにされることはないのだから
でも、アニのは極端すぎる
褒め称えても良いと思えるほど、裏表が激しいのだ
強がることで寧ろ、その弱みを広げる結果を生み出していることになってるのだから
だが急転直下、それを変えることは99%無理だろう
それまで暗い性格として生きてきた人間が急に「おっはよー♪」とか不慣れなハイテンション姿を見せてきたら、逆に引かれるという事故を起こすだろう
リコ「エレンが言えたことか?」
顎を人差し指と親指で挟み、いかにも考えている。と感じられる状態で呟く
聞き捨てならないな
俺が同じだと言いたいのだろうか?
エレン「どういう意味だ?」
リコ「そっくりではないか。エレンは外面は捻くれ孤独人で不精者」
エレン「酷いな・・」
図星である点に心打たれる
自分で分かっていながらも、これは辛い
リコさんは鋭く見抜き、良い事でも悪い事でも何でも言ってしまう点には、俺も一目置いている
リコ「でもな・・・努力家で親切だよな」
エレン「違うだろ?それに俺が努力家というのは間違いだ。例えば俺は勉強を頑張るということはしてない。何もすることがないから勉強するだけだ」
リコ「常人にはそれが出来ないのが最近の若者たちの傾向だ」
エレン「そりゃ遊びや恋やらで時間を呆けてる奴らと、俺は違うからな」
リコ「私は友達はいたが、そんなことあまりしたことない。友達とはあくまで学校だけの関係だったからな」
意外だった。
この人はアルミンと同じで容姿端麗、才色兼備という人に好かれる質の人間であるのに
そして恋愛を知らないというは、これまたど肝を抜かれた
まあ見た目が見た目であるからな
エレン「真面目だったんですね」
リコ「いきなり敬語になるなよ!そうだな、私は勉強が好きだったからな」
そんな人間が日本に存在するということを、世界に自慢したい
だって、勉強が好きなんて人間・・・俺は今まで生きてきて初めて聞いた
エレン「それで大学も主席で卒業したんでしたっけ?」
リコ「よく知ってるな」
エレン「リコさんに会って、初日に自慢してきたことじゃないですか」
リコ「そうだな・・・・あの時は・・・」
入学初日、俺がアルミンを助け不良を制裁した後の保健室のこと
エレン「失礼します」
リコ「ん?入学初日から怪我か?」
エレン「いえ、ここにアルミンという人は来ませんでしたか?」
アルミンがもしかしたら怪我をして、ここに来ているのか?と思い、保健室に来た
リコ「今日のお客はお前が初めてだ」
エレン「お前じゃない、エレンです」
と、まあ来てなかったのか・・・
怪我をしてなくて、良かったよ
無性にほっとした・・・
巻き込まれて怪我していたと思ったら、気が気ではなかったのだ。
うん。安心した・・・
リコ「おお。お前がエレンか!今回の入学試験は4位だったやつだよな?」
俺を知っている人間がいるとはな
にしても・・・
エレン「それは言っちゃいけないことなのでは?」
リコ「いいんだいいんだ。私は先生だからな!何を言っても誰からも責められん!」
この人は無茶苦茶だ。初めて受けたこの人の印象は、これでした。
なんて、最低の印象であろうか
エレン「職権乱用ですね・・・というか、先生?」
リコ「私はリコだ。リコお嬢様と呼べ」
これはネタやボケというものだろうか?
にしては、気にもならない程のネタだな
エレン「リコさんでいいですね」
とりあえずネタは無視をしよう
黙殺はさすがに可哀想だからな
リコ「私は1回お嬢様と呼ばれてみたかったのだ」
何を真面目な顔で言っているんだ!?
眼鏡に白衣の如何にも人生の勝利者みたいな人間がなんてことを!?
ギャップがありすぎる・・・・
エレン「バカか?」
リコ「むっ!バカとはなんだ、バカとは!私はこう見えて、大学をトップの成績で卒業しているのだぞ!」
エレン「えっ・・・」
なんだろう・・・
第一印象は今言われた通りに、頭が良さそうな感じ
話してみたら、バカだと思った・・・
のに、本質は天才だと!?
リコ「はっはっは!」
エレン「なぜそんな人が保健医になんかなってんだ?弁護士とか目指せば良かったのに」
まったくを持って理解が出来ない
そういう人間は世界に出たり、日本を背負って立つ人間なのではないか?
こんなとこで燻っている人間ではないと思う
リコ「急にタメ口になったじゃないか優等生さん」
エレン「敬語というのは、敬う言葉・・・なぜ敬わなければならないと?」
だが、なぜか尊敬できないのが事実
ホント・・・小学生に知識を与えたような人間だ
リコ「むっ・・・聞き捨てならん!私は年上なのだ!これ以上、私をバカにするのなら、私のこの教育者という立場を使って!!」
話し方といい格好といい、そこは男勝りなとこもあるがしっかりとしているのに、なぜだろう・・・
頭のいいくせに、バカだ
俺は何回、この短時間にこの人をバカと思っただろう
エレン「ははっ面白い人だな・・」
リコ「なんだと!?」
エレン「そういえば、リコさんの座ってる椅子はネジが外れかけてて壊れそうだし、そろそろ雨降りそうだから布団を中に入れた方がいいし、水道の前は濡れてて滑りそうで危険だぞ」
リコ「!?」
エレン「なんか大学首席さんも抜けてるとこがあるんだな。意外と平凡・・・またはそれ以下だぞ」
リコ「エレン・・・・お前なかなかやるではないか」
エレン「俺がただ捻くれた見方で人や環境を観察したに過ぎない」
リコ「捻くれたって言えば捻くれてる・・・でも、私にはエレンの言ったことは『親切』として、なかなかやるなと答えたのだ」
エレン「なんだ、その目は・・・」
リコさんの眼鏡の奥の目が何かキラキラと輝かせながらニヤついている
リコ「ふっ・・・図星であったか?それとも『無意識に』ということか?」
腕を組み、右斜め下から覗き込むように見つめてくる
何もかもを察したかのように、頬を上げ『ふふふ』と大人の笑いを浮かべている
エレン「俺はただおちょくる様に・・」
リコ「ほうほう、それはそれで良い性格をしているではないか?」
眼鏡をクイと上げ、勝ち誇った顔をする
エレン「あっ・・・えっ・・?」
しまった。これでは俺は自分を自然に優しいことをしていると肯定していることに・・
斜めに下から覗き込む角度のせいで、蛍光灯の明かりがリコさんの眼鏡に反射して目が見えない
リコ「気に入った。お前は実は優しいやつなんだろ」
エレン「・・・俺が論破されるなんて・・」
リコ「だから言っただろう?私は大学を首席で卒業した秀才だってね」
これが俺とリコさんとの出会いであった
エレン「今思い直せば、リコさんはナルシストなのか・・・?」
リコ「そんなわけなかろう!私は自分を褒めておるわけではない。自分とはこういう者だ、教えてやっているのだ」
エレン「そうなのか」
リコ「私は自分が可愛いとか断言したことないだろ?別に可愛いわけでもないが」
エレン「じゃあ、それはこれから断言してもいいんじゃないか?」
リコ「・・・・ふぇ・・そそっそれは!それはないな!!私はかっこいい仕事のできる女性だからな!」
エレン「冗談だ」
リコ「ま、待ってくれ!そこで冗談と言われたら、私はかっこいい仕事のできる女性と断言した、ただのナルシストになってしまうではないか!」
エレン「ごめん・・・」
リコ「謝らないでくれ!私は、ああ!どうすれば良いのだ!?どうすれば、私の言葉は前言撤回できるのだ!?」
エレン「そんなことは置いといてな」
リコ「置いとくな!ばかものぉ!!」
エレン「はぁ・・・じゃあ、俺は帰るんで」
リコ「そうか。送ってやろうか?」
エレン「ありがとな、でも結構だ。リコさんは仕事がんばれ」
リコ「私は今、仕事が無いからエレンとこうダラダラと雑談をしていのではないか」
エレン「それだけ、この高校も平和なんだな・・・」
リコ「そうだな。怪我や病気が無いということは、大変素晴らしいことだ。あっ・・・」
エレン「ん、どうした」
リコ「アニのこと・・・考えとくんだぞ?」
エレン「おう・・・・」
リコ「じゃあな、エレン。また明日」
今回はここまで
色々状況回避、理解などでリコとの絡みは増えることになります
ご了承の上お願いします
リコの「はめたな」にムラってした俺を殴ってくれ。
後、これオリジナル設定で読みたい気がする。
>>148
オリジナルとは
男「ちょりっす」
幼馴染み「男、ちっす!」
みたいな感じのですか?
登場人物が全て『男』『女』とかのですか?
聞き直してしまい申し訳ありません。
文章が上手いので、普通のラノベ読んでるみたいだからそう思っただけで、特に注文とかではないですよ。
>>151
そういう意味でしたか
ありがとうございます
人はなぜ悩むのか
原因、過程、結果の3つだ
そうなる元となる原因があり
それに沿って働く過程があり
そして、全ての総まとめ、結末、結果がでる
そしてそれが今回のことでいう、結果=悩みが発生する
これは『悩み』だけの製造過程ではない
何が起きるにも、それが存在する
『幸せ』を作るにしても、『悲しみ』を作るにしても同じことだ
原因があり、過程があるから、結果に結び付けれるのだ
例えば、来週テストがある
なら、テスト勉強をしよう
頑張った結果、良い点がとれた
まあそもそも、勉強は毎日の授業の積み重ねなのだから、俺はその考えは好きではない
高校へ来ている理由は、進学または就職をする為の踏み台
なので、俺はテストはその進学や就職などの為の過程と思っている
テストで良い点を取るために勉強をするなんて、何の為に学校へ来ているのか?と感じる
考えが小さいと感じる
俺も幼い頃はテストで良い点をとって妹に自慢して「お兄ちゃんすごい!」って言われのが好きだった
妹がキラキラさせた目をして褒めてくれるのが好きだったからかもしれない
お兄ちゃんは凄いんだぞと自慢したかったのかもしれない
そうだな。考え直したら俺はテストで良い点を取ることを過程にしていたな
テストが来週ある
テストで良い点を取る
褒められる
俺はなんてバカで単純だったのだろう
褒められたいが為にしていた
でもそれが、子供の考えというものなのだろう
子供は単純であり『悩み』なんて存在しないだろう
そう考えると、俺はずっと子供でいたかった
結論。つまり俺はこういいたい
子供になって、今抱えてる悩みを忘れ去りたい
,
エレン「ただいま・・・」
ミーナ「おかえり~って!お兄ちゃんどうしたの・・・?辛そうだよ・・」
最低な気分だ
オートセーブのゲームに慣れて、ローディング後にそのまま切り、その後これはセルフでセーブしなきゃいけないゲームと気付いた後のような虚しさと脱力感
エレン「あ、あぁ・・・」
ミーナ「ご飯にしよっか!」
エレン「そうだな・・」
ミーナ「お兄ちゃん・・・・」
ミーナ「お兄ちゃんどうしたのさ、ご飯中もぼんやりしてたし・・」
ミーナは眉にしわを寄せ、心配そうな顔をして俺を見つめて、そう言った
心配かけたくない・・・
心配かけたくないのに、話したい・・・
話したら楽になれそうな気がする・・
宿題を忘れた時に、同じ宿題を忘れたい者を探す時のような・・
エレン「ミーナは俺のことどう思ってる・・・?」
ミーナ「ええっ!?いきなり」
ガタッと机の下に膝をぶつけた妹
ミーナ「いつつ・・・」
ミス
宿題を忘れた時に、同じ宿題を忘れたい者を探す時のような・・
訂正
宿題を忘れた時に、同じ宿題を忘れた者を探す時のような・・
エレン「もし、俺とお前が兄妹じゃなくてクラスのただ同じなだけの関係だったとしよう」
ミーナ「う、うん・・」
エレン「お前は俺と仲良くしたいと思うか?」
ミーナ「多分、しないと思うかな」
そうだよな・・・
エレン「・・・・そうか。もし、お前が俺と同じで友達がいなくてもか?」
ミーナ「だからと言って、仲良くしようとも思わないよ」
そうだ。当たり前だ
類は友を呼ぶというが、所詮は赤の他人なのだからだ
それにそれはケースバイケースだ
俺やアニのような『ぼっち』は、それが通じない。
だって友達を作らないのが本職なのだから
ミーナ「でも、お兄ちゃんの本当を知れば、私は是が非でもお兄ちゃんの傍に行くよ」
エレン「・・・・」
今、ミーナはなんて言った・・?
聞き間違いだろうか
ミーナが、アニと同じことを言うなんて・・・
ミーナ「優しく頼もしくて・・・こんなに理想的な男の人、世界に一人といないんだもの」
聞き間違いじゃない・・
・・・・・・・そうか・・・
エレン「ははっ・・ありがとな」
俺のことを気にかけて、こんな庇うこと・・・
ミーナ「こんな尊敬できるお兄ちゃんの妹として生まれてきて私は本当に幸せだよ」
なんて違うよな。
こんなに真剣な顔をしているミーナの言葉を疑うなんて、俺は最低だな
エレン「それは母さんに言う言葉だぞ」
ミーナ「私が言っているのは、お母さんへの産んでくれた感謝のことじゃないよ。お兄ちゃんが自分で作り上げた本質の心優しさに感謝しているんだから」
エレン「・・・・・。お前は本当にできた妹だな」
ミーナ「でも私は強がって人を拒絶するお兄ちゃんはあんまり好きじゃないかな」
エレン「ぷっ・・・あはは!言ったな!」
ミーナ「お兄ちゃんの笑顔はかっこいいんだから、もっと学校でもムスーってしてないで笑えばいいのに」
エレン「ありがとな」
ミーナ「・・・お兄ちゃん元気になった?」
エレン「ああ。にしても、妹に慰められるなんてな・・・」
ミーナ「あの日以来だね・・」
エレン「ば、ばか!あれは、その・・・忘れろ!あの文化祭は俺の最大の黒歴史だ」
ミーナ「今日も添い寝してあげよっか?」
エレン「結構だ」
ミーナ「じゃあ、私からひとつだけお願い」
エレン「ん、言ってみろ?」
ミーナ「久しぶりに一緒に寝たいな」
エレン「気にするなって・・・俺はもう本当に大丈夫だからさ」
ミーナ「私からのお願いなの・・・今日はお兄ちゃんと寝たい気分なの。何回も言わせないでよ・・・お兄ちゃんのばーか・・」
エレン「そうだな。今日は一緒に寝ような」
ミーナ「じゃあ、お風呂が沸いたからお兄ちゃん先にいいよ」
エレン「一緒に入るか?」
ミーナ「ええっ!?」
またもや机の下に膝をぶつけた妹
ミーナ「うぅ~・・・」
エレン「なんてな。俺達も大きくなったんだしな」
ミーナ「う、うん・・・全く持ってその通りだよ・・私達ももう大人な身体になりつつあるんだし・・・」
エレン「だな。さすがに狭いもんな」
ミーナ「・・・・・・。あ、あはは!そうだよね、うちのお風呂小さいもんね」
エレン「また今度、旅館の大きな風呂で一緒に入るか」
ミーナ「お兄ちゃん!?」
エレン「今お小遣いも貯めてるし、夏休みくらいに2人でどっかの温泉にでも行きたいな」
ミーナ「夏に温泉って・・・」
エレン「大丈夫だ。高地のほうの温泉は少し気温も低くて温泉に入っても十分に気持ちいい。寧ろ、汗をかいて疲れた後に入る湯のほうが俺は好きかな」
ミーナ「お兄ちゃんは何でも知っているんだね・・・」
エレン「何でもは知らないぞ。知っていることだけだ。なんてな」
俺は自分でいうのもなんだが、
俺の本質は人を惹きつけやすいようだ
あいつも、ミーナと同じなのだろう
アニは、こんな俺を頼ってくれてたんだ・・・
アニの気持ちを考えると俺の行動に対して怒りが湧いてくる
俺って最低だ・・・
俺は、これを察した上で対処しなくてはならなかったのか!?
俺はそんな高性能じゃねえよ・・・
って、その場から逃げた俺が悪いとも言えるけどな・・
というか、俺はアニとは初対面なんだぞ
あいつがどれだけ俺を見てきたか知らないが、俺はあいつの何も見てきてない
俺はどうしてこんな赤の他人の為にこんな悩んでいるんだよ・・・
あっ・・・
・・・はぁ・・・・そうか・・俺とアニは・・
もう赤の他人ではないな・・・
「これで僕らは少なくとも友達ではなくても、 知り合いにはなれたんだよね・・・?」という言葉を俺は、ふいに思い出していた
今回はここまで
読んでいただいてる方、ありがとうございます
俺は心の収集はついた
だが、俺はどうすればいいんだ?
リコ「それは自分が決めることだ」
エレン「俺は全くを持って、それが分からないんだ」
昨日は夜遅くまで考えに考えた
アニ気持ちがこうであるという考えには達せれたが、何をどうすれば良いのか分からない
なんせ俺はアニを放置して逃げたのだからだ
言い訳のしようがない
リコ「そんなこと知らん!私は怒っているんだぞ!」
それはつい五分前程から感じ始めてた
眉を寄せ、髪を何度もわしゃわしゃしていたし・・・
何か落ち着きのない苛立ちを見せていた
エレン「何にだ?」
リコ「お前・・・朝から1日ずっと保健室に居座ってるじゃないか!私はお前の担任になんて伝えればいいんだよ!」
担任には体調が悪いから保健室に行きますとしか言ってないからな
深く追求されたら困るな・・
エレン「適当に風邪でいいだろ?」
リコ「昨日の午後も風邪で保健室に居たよな?それで治って、今日来てまた風邪で1日倒れただ?そんなことだったら、私は早退させてるぞ」
エレン「じゃあペストと赤痢と腸チフスを併発して死にそうだったと言えば良いだろう」
リコ「尚更、早退だ!病院送りだ!というか何か聞いたことあるような・・・」
エレン「じゃあ俺から担任の先生に伝えとく。それでいいだろ・・・?」
適当に寝不足と頭痛で立つのも困難で帰るのも難しかった。と、でも言えば良いだろう
リコ「おお!そうかそうか!」
エレン「それで話を戻すが、悩みのほうなんだが・・・」
リコ「さて、なんだっけ?俺はどうすればいいんだ?だっけか・・・」
エレン「そうだ」
リコ「お前がもし逆の立場だったらと考えてみろ」
エレン「それは一度考えた。恥ずかしい、とても勇気がいるという考えに至った」
リコ「その勇気を讃えてみたらどうだ?お前は人の為にそこまでしてくれた者に、放置という形で応えたのだろう?」
讃えるか・・・
エレン「・・・・・・」
リコ「今からでも遅くない・・・今の正直な気持ちを返事にしてやれ」
俺もそうしたい。
それが一番最初に思い付いた、一番解決に持っていきやすいやり方だと思った
けど・・・
エレン「あいつは俺の逃げるという行動が答えだと思っているに違いない」
リコ「『かもしれない』という考えはないのか?お前は確かに逃げた。けど、アニはお前の行動を『逃げた』ではなく『返事を待ってくれ』と感じ取れたのかもしれないな」
というか、アニの返事には1度までか2度までも嫌と答えている
その上での、あの告白だ。
それで俺が心変わりしたか、どうかの話なのだ
実際、俺はベタに心変わりをしてしまったわけだ・・・
エレン「多少無理があるが・・・」
リコ「逃げたのではなく、返事を考えるために去った。ということにするのだ」
なるほど。アニはそれが逃げたということが事実だと分かっていないからな
エレン「つまり事実を勘違いにさせるということか」
リコ「逃げた事実は、私とエレンしか知らない訳だ」
エレン「確かに・・・・でも、なんか卑怯な感じが・・バレなきゃいいみたいな感じで・・・」
リコ「優等生さんには分からないのか?これはバレたらバレたで一番に傷付くのが誰か分からないのか?」
クワっと目を見開き俺に少し睨みを利かすリコさん
いつもと違い真剣そのものだ
わかってる・・・それは、アニだ
リコ「分からないのなら、優等生なんて名乗るな!」
エレン「名乗ったことは無いが・・・。でも、リコさんの言いたいことは分かった」
リコ「ならよし」
さっきとは打って変わって、腰に手を当てニコッと笑顔を見せる
自慢げなその顔がどこか幼い感じの可愛さが感じられる
エレン「騙すというのは心が傷付くがな・・・」
リコ「そういえば、秘密にしてたことを1つお前に教えてやろうか・・・?」
エレン「秘密・・・?」
リコ「私がなぜアニの存在を知っていたのだと思う?」
エレン「そりゃ先生だから生徒全員の名前を覚えてるからか?」
リコ「私はそんな無駄なこ・・・私は覚えるのが苦手でな、そういうのはしないのだ」
エレン「今のはさすがに聞き逃したことする。というか、リコさん墓穴ほり過ぎだぞ・・・リコさんは大学トップで卒業なんだろ?人の名前を覚えるくらい勉強に比べたら」
無駄なことと言いかけてたぞ
先生は言葉の大切さについて考えた方が良さそうだ
口が滑りすぎて、これからもそれが心配になる
リコ「話は戻す!!アニはな、入学初日に保健室に来たんだぞ」
エレン「は?リコさんは、俺が初めてのお客さんだって・・・・」
リコ「エレンの後に2人来たんだよな・・・」
エレン「その1人がアニだったというのか・・・?」
リコ「ああ。驚いたか?エレンの口からアニのことを聞いた時は、私もワクワクしたぞ」
エレン「どうしてだよ・・・アニは体調が悪かったんじゃないのか?」
リコ「アニは絆創膏と消毒液を持ってきたんだよな・・・ここ、保健室なのにな。あはは!」
保健室に医療品を持ってくるというネタにリコさんは口を開けて笑っている
アニは、ああ見えてドジなのだな
少し意外だな・・・
エレン「それって・・・・」
リコ「そうだ、エレン・・・・お前のためにな」
エレン「そんなこと・・・」
リコ「あいつはエレンのこと心配してたんだぞ・・・待ってろ。持ってくるからな・・。・・・・・・・・・あったあった!」
エレン「ちょっ・・・それ、あるのか!?」
リコ「渡してくれと言われてたけど忘れ・・・時が来たら渡してくれと言われててな」
エレン「忘れていたんだな」
リコ「それが、今さ!」
ドヤ顔を見せるリコさん
嘘が下手すぎるんだよな・・・
嘘が苦手なくせに、中途半端な見栄を張る
何か抜けているんだよな・・・この人は
エレン「はいはい・・・追求しちゃいかんかったな」
リコ「エレン!!これでアニと話す内容も出来たな。会って、これを見せて『ありがとう』の1つでも言って、いい雰囲気に持っていけ」
粋なことを・・・
エレン「・・・・・何から何まで、ありがとな・・」
リコ「私は先生だからな」
エレン「今回は本当に感謝している」
リコ「それはこの問題が解決してから言うことだ、エレンよ」
エレン「前払いだ。あとで返金してもらうかもしれないが」
リコ「失敗したら愚痴を聞け・・・ということか?」
エレン「そうだな」
俺はそう言い保健室を後にした
今回はここまで
それでは、ありがとうございました
教室へと足を進める
アニに伝えなきゃならない
リコさんが言うにアニは委員長の仕事で今は教室にいるとのこと
タッタッと廊下を歩く俺の足音が廊下を響かせる
誰も居ない・・・話し声も何もかもが聞こえない・・
そりゃそうだ。とっくに帰りのホームルームを終え、放課後になってから2時間程
アニはまだ残っているのかと不安になる
そんな不安をよそに不愉快な声が聞こえてきた
『うるせえなぁ!』
とドスの効いた男の大きな声が学校中に轟かせた
誰か喧嘩でもしているのか?
今の声の奴は相当キレているようだし
割って入って止めようか・・・
でも、そんなことしている間に、アニはどっか行ってしまうのではないか?
そんなことになってしまったら、ゲームオーバーだ
期限は今日までなのだから
ガダッガタッ!!と何かが崩れるような、物の倒れる音のようなのが聞こえた
「はぁ・・・」と思わず俺の癖というのか十八番といえる溜め息が零れた
アニごめんな・・・。
今はそっちに行けないようだ
少し遅れるがどうかそこに居ていてくれ
俺は音のする教室を探し全力疾走で廊下を駆け抜けた
廊下の掲示板に『廊下は走らない!』と書いてあるポスターが目に入った
生徒会、訂正しろ!『ただし、時と場合によっては走るのも可』とな・・・
ハァハァと息を上げ、階段を駆け上がり
1つ1つの教室の前で聞き耳を立てる
俺は何の為に走っているのか不思議になる
これが皆の言う、俺の本質というものだろうか・・・
いや、俺は最初からわかっていた。それが自分のアイデンティティだと分かってた
『俺は自分は面倒事には首を突っ込むものの、 面倒事に人を巻き込むことは逆に好きではない』の考えは、親切心が元で働いているのだろう
今回の無意味な行動のおかげで、俺は気付かされた気がした・・・
そしてゴールは見えた。
この教室だ。男の憤怒に満ちた声だけが聞こえる
バカかよ・・・学校で喧嘩なんて、バレるの当たり前だし進路に影響しか与えないぞ。
と、不良のこの先を心配している俺もバカなのだろう
一旦、息を落ち着ける為に教室の扉の前で座り込む
何も考えずに来てしまったが、どうしようか・・・?
そんな5、6人も男がいたら、さすがに俺でも手がつけられん
作戦を組んでから、入り込もう
アニメの主人公ならこういう時でも、所構わず突入するのだろう
そして、相手の力も関係なしに全員倒すという流れだ・・・
『撤回してくれ!』
という少し聞き覚えのある声が聞こえた
『お前には関係無いだろ!』
双方とも相当キレるようだな
これはさすがに流血騒ぎにでもなるか?と、その後の心配をしてみる
この扉の奥の空気はかなりピリピリしていることが、ここにいても伝わる
だが声の元、息の音から察するに1対1のようだ
『僕が巻き込んだんだ!だから僕がケジメをつける』
男らしいじゃねえか・・・
でも、学校一の優等生さんが何をしたんだ?
裏ではかなりの悪者だったり・・・なんてな。
あいつに限ってそんなことありえないか
『俺はお前にはなんの興味もねえんだよ!』
『でも、僕は君のする行為が許せない!だから止めさせる!』
ほらな。あいつが悪いことなんてするわけ無い
悪行をする者を止めようとしているだけか
でも『巻き込んだ』とは何のことだろう?
『はっ、そんな非力なお前がか?笑わせるぜ!』
『そんなことどうだっていい!なんでそんなことをするんだい!?』
『俺は面白いからしているんだよ!最も復讐も兼ねてな』
復讐とな・・・?
学生の裏世界は荒れに荒れてるなぁ
事実、どこの高校でもこんなもんだろう
中学の頃なんて、ブログやらメールやらで虐めが酷かったしな・・・
特に女と女の喧嘩は怖いからな
ミーナは、女であるがそんなことないよな
ミーナは携帯をまだ持ってないから、そういうネットやメール関係のはないだろう
そうだ。ミーナに携帯を買ってやるか
明後日の日曜に俺のお小遣いで携帯を買ってやろう
温泉旅行のほうは、バイトでもして貯めることにしよう
ミーナの喜ぶ顔を想像すると日曜日が待ち遠しいな
『復讐なんて馬鹿な真似は止めなよ!』
『馬鹿な真似をしているのは、お前だよ!!』
俺の携帯の電話帳に父さん以外の人間の名前が入るなんて、嬉しいな
ある意味革命と言えよう
とりあえず、ミーナとどこでも連絡取れるとは良い事だ
危険な時、緊急事態でも連絡が取れるから安心だ
そうだな。あとは学校帰りに買い物を頼まれれば家に帰ってから、また出かけるということもなくなるしな
ガダッンッッ!!!
無駄な事考えてたら、凄い物音がした
いや、今のは決して無駄な考え事なんかじゃない
その音が聞こえた0,5秒後くらいに、ガタンガタンと机か椅子の倒れる音が廊下の響かせる
『お前はあいつのなんなんだよ!!』
『ただ知り合いだよ!』
その巻き込んだ知り合いの為に、喧嘩までふっかけて、その『何か』を止めようとしているのか
あいつは見た目の割には本当に男らしいやつだということが理解できた
だがどうする。相手はキレて頭に血が上っている
別に俺には関係の無いことだがな
『あのクソ野郎が嫌われることに、知り合いのお前は関係ねえだろ!』
『エレン君を馬鹿したような呼び方で呼ぶなぁ!!』
どうも、一級フラグ建築士のエレンです
即効フラグ回収完了しました
エレン「俺かぁ・・・」
俺のことで、裏ではこんな修羅場のような嵐が引き起こされていたと思うと自分の存在が非常に悲しくなる
『良い人ぶってんじゃねえよ!』
『僕は自分の引き起こした失態にエレン君を巻き込んでしまった。その罪滅ぼしの為、こうして動いているんだ!』
アルミンは俺を『何か』から守るためにこんなことをしているのか
考えてみるか・・・・もうほぼ答えは出ているがな。
・・・・・全ては合点がいった
アルミンの言う『失態』と『巻き込んだ』というのは、入学初日に起きた暴行事件で、俺が巻き込まれたといつこと
相手の言う『復讐』は、入学初日に俺に無惨になぎ倒されたことへのお返し
そして、その『何か』というものは、俺の一向に収まりようを見せない『悪態付きの噂』だ
そうだよな。最近はさすがにおかしいと思わり始めていたんだ
俺は学校の奴らとの関わりは本当に少ない。
最初はその見た目だけで酷い噂も立つだろう
だが、ほとんどの関わりを経ち、俺の事なんて気にする奴なんているだろうか?
俺が逆の立場だったら『関わらなければ安心』という考えに至る
つまりは、俺の悪態が消えず風船のように大きくなり続けたのは、相手もとい・・・あの日の不良が原因だったのか
そう考えるとあの不良はどんだけ根に持っているんだよと、少ししつこいさを感じる
そういえば『覚えとけよ』みたいな捨て台詞吐いてたっけ?
見事に忘れてた
『じゃあ体をはって、罪滅ぼしでもしてもらおうか!』
『それで君が辞めるというのなら僕は受けて立つよ』
『おう、考えてやってもいいぜ!』
男の『クソったれ!』という言葉と共に、拳がアルミンの顔に向かって吸い込まれていく
アルミンは苦虫を噛み潰したような表情をし、涙目を浮かべ今にも拷問を受けるかのような体勢をとっている
バゴッ!と深みのある太い音が教室内に響き渡る
時が止まったかのように、この場にいる者、俺以外は口を開けて唖然としている
「なあ、知ってるか?『クソったれ』ってな、『クソ』は糞便で『たれ』は軽侮を強意する接尾辞だ。因みに『軽侮』は人を馬鹿にしたり軽蔑すること。『教意』は強調を意味する」
アルミン「え・・・・・」
「お前にアルミンを『クソったれ』と言う資格があるのか?」
咄嗟に扉を開き、現場へ向かい、俺は右手でアルミンの顔面へ向かっていた拳を掴んでいた
あと1秒でも判断が遅れていたらアルミンは怪我を負っていただろう
俺は別に焦らしていたやヒビっていたのではない・・・・アルミンの覚悟を確認したかっただけなんだ
逃げるなら逃げろと、ずっと思ってた
助けて欲しいのなら『助けて』と叫んでいればよかった
でも逃げなかった。俺はド肝を抜かれた
それほど俺のことを思ってくれていたことに驚きが隠せなかったのだ
アルミンは、それほど覚悟を見せていたのだ
不良A「て、てめぇ!!」
アルミン「エレン君!」
エレン「アルミンも考えてから行動しろ。あいつは『やめる』とは言ってない。『考えてやってもいい』と言ったんだぞ?」
不良A「ッチ・・・・」
バレたか・・・と完全に察しられるような態度をとる不良
アルミン「・・・え・・・・・・」
未だに何を言われているのか分からず混乱させている優等生
エレン「学年1位の脳みそも非常事態には対応出来ないのか?よく考えろ。それだと、あいつは考えるだけで、やめるわけではないんだよ」
アルミン「あっ・・・・」
エレン「お前の殴られた損で終了だ。だろ?不良さん」
不良A「なかなか頭が回るじゃねえか」
エレン「ははは、だろ?俺は試験順位学年4位だからな」
不良A「はっ!?」
今まで生きてきた人生でこれ程、瞼を開いた人を見たことないという程に、目を開け驚いている
当然の反応だ
エレン「それじゃあ法的手段として自己防衛という手を取らせてもらうな。殴りかかってきたのは事実なんだし」
不良A「ま、待て!お前が勝手に割り込んでッッ!!」
エレン「歯を食いしばれよ!!」
しばらく、深く聞きなれない肉が肉を叩く心に響かせる音が教室を包む
アルミン「また守ってもらっちゃったようだね・・・」
何か床に今世紀最大のゴミのようなモノが転がっている
俺はこんな汚いものをさっきまで殴っ・・・自己防衛の為、制裁していたと思うと大変気分が悪い
エレン「なあ、アルミン?」
アルミン「何かな・・・エレン君?」
エレン「エレンでいいぞ」
アルミン「えっ・・・」
エレン「俺も前は悪かったな・・・俺はアルミンに変な勘違いをしていたようだ」
アルミン「・・・・」
エレン「本当・・・友達思いなんだな」
アルミン「友達思い・・・・?」
エレン「俺も昔こんなことがあってな。友達守るためにアルミンみたいに体を張ってな・・・・それで何か心に引っかかるものがあって・・。ああ、これかって・・・・」
アルミン「ねえ、エレン!」
エレン「アルミンは、俺と本気で友達になりたかったんだな」
アルミン「・・・・・うん。罪滅ぼしの為なんて正直、嘘。僕はエレンと友達になりたかった。ずっとずっと思ってた・・・」
涙目になっていた目を擦り、涙を払った
全てを悟ってもらえた。と、そんな天使のような安らかな表情を浮かべている
エレン「たったあれだけの事で俺のことを、なぜそんなに・・・?」
アルミン「僕は中学校の時は、ずっとあれだったんだ・・・悪い人から、いびられて・・でも抵抗出来なくて・・・・・周りの人は見て見ぬ振りで・・・」
学校に一人は存在する人物
それがアルミンような非力で頭のいい奴はその対象になりやすかったのだろう
エレン「そうなのか」
アルミン「初めて・・・守ってもらえた・・。あの日は、また高校でもこういう生活をしていくんだって諦めていた。でも守ってもらえたおかげで、僕は明るい高校生活を過ごせてる」
両手の指と指を絡ませ胸の前に置き、まるでお祈りをしているかのような格好で語っている
アルミン「エレンのおかげだよ。ありがと」
そして目を見開き俺を見つめた
場を盛り上げるかのごとく、3階の音楽室から金管楽器の音色が聴こえてくる
練習のため何度も何度も同じとこの音色が聴こえる
エレン「あ、あはは・・・・俺はなんて返事をすればいいんだ・・・」
ダメだ・・・
色々なんかあり過ぎて・・
色々嬉し過ぎて・・・何も言葉が出てこない
アルミン「あっ!そ、そうだよね・・急にそんなこと言われても・・・」
エレン「そうだ!とりあえず、俺はすぐに行かなきゃならんとこがあるから・・・・」
思い出した。アニのとこへ行かなくては
アニが帰ってしまっては今日の俺の覚悟が全て海の藻屑へとなってしまう
アルミン「その前にこれだけは言わせて!」
エレン「ん、なんだ?」
アルミン「僕はエレンのことをもう友達だと思っていいんだよね・・・・?」
エレン「当たり前だろうが!」
そして再び扉を横にスライドさせて、廊下に足を踏み出した
俺の後ろ姿を教室の中から見つめるアルミン
アルミンには気付かれてないと嬉しい・・
俺が幸せ過ぎて目から涙をポタポタと落としていたことに・・
男として涙を流すなんて、恥ずかし過ぎる・・・
どんだけ『エレン』という存在を大切に思ってくれていたのか実感した
泣くなんて行為は久しぶりだ
それより友達が出来たというのも、本当に久しぶりだ
ありがとな
そういえば、アルミンに悪い噂がついたら・・・
なんて無いな。アルミンは友達思いな奴だ
そんな奴の友達は簡単に裏切るような奴らではないだろう
そんな噂が立った時は、今度は俺が守ってやる
そう俺は心に誓い、涙を拭い、また誰もいないこの廊下を歩き、教室へ向かった
今回、ここまて
ありがとうございました
>>204ミス
「なあ、知ってるか?『クソったれ』ってな、『クソ』は糞便で 『たれ』は軽侮を強意する接尾辞だ。因みに『軽侮』は人を馬鹿に したり軽蔑すること。『教意』は強調を意味する」
訂正『教意』→『強意』
誤字脱字が大変多くて申し訳ありません
ガラガラと扉をスライドさせた
周りを見渡してみた
一番後ろで一番左の窓際の席にアニが座っている
他には誰もいない
窓から西日が差し込み少し暖かみを感じさせる雰囲気
扉を開いた瞬間にアニは驚いたように肩をピクっとさせ、一瞬前髪の隙間からこっちに目を向けた
アニは俺の存在に気付いたようだ
そして何やら顔を服の袖でゴシゴシと、猫が顔を腕で洗うように拭っている
エレン「お前・・・・泣いていたのか?」
アニの机の上には、紙が1枚にシャーペン1個
机の他前には涙が零れた後なのか、そこの周りだけ湿っており、木が少しばかりか黒くなっている
アニ「・・・・・」
何も答えない・・・まるで動かぬ美術品のようだ
アニの机の上に置いてある紙は名簿であった
一人一人の名前の隣には、1班や2班と書かれていた
ただし、アニ・レオンハートという名前とエレン・イェーガーという名前の隣だけは真っ白の空白であった
誰でもここまで説明証拠を知れたら流石に気付けるだろう
この紙は、校外学習の班分けをする為のものだ
俺とアニの空白の欄には、1度『10班』と書かれて消された後が残っている
今回の班分けはクラス29人で3人ずつの10班を作るものであった
割り算をすれば簡単にでる答え・・・1つの班だけは2人になってしまう
必然的にクラスの省かれ者の俺とアニが、そうなってしまうのは決まっていた
だが、俺はアニとだけは班になりたくないとアニに言ってしまったのだ
アニは俺にそれを言われた上でこれを書き、校外学習の日は一緒に行動することになる
アニはどんな気持ちでこれを書くことになるだろうか
アニ「私のこと・・・・嫌いなの・・・?」
唐突にアニが口を開く。
予想通りの涙声
せっかくさっき拭ったにも関わらず、また二度で間のごとく目から大量の涙を流している
俺と目を合わそうとしてくれない。
伏せたまま、そう呟いていた
俺がなぜ涙を流しているのが分かったのか・・・
それは、机にポタポタと滴り落ちる透明な液体を見えたからだ
俺は自分の全てを伝えるタイミングは今だと感じた
エレン「嫌いなわけ無いだろ」
アニ「嘘だ・・・」
風の音にも負けそうなくらい消えそうな声
あの日、初めて聞いた強気のアニの声が嘘のかのように・・・
エレン「なんで俺が嘘をつく必要がある」
アニ「・・・・・・それは、無いけど・・・」
俺は制服のポケットに手を突っ込み、あるものを取り出した
エレン「アニはこの絆創膏と消毒液は何か分かるか?」
アニ「わからない・・・」
伏せたまま答えたアニ
エレン「それは見てから言え」
俺の言葉で、アニはやっと顔を上げた
真っ赤になった頬、少し充血させた目
人前に出せるような顔ではない
アニ「それは・・・」
エレン「ありがとな」
俺はアニを安心させる為に精一杯の笑顔を浮かべた
さて、ここまではリコさんの計画通り
ここからは俺の男としての精一杯の見せ所だ
エレン「アニは本気で心配してくれてたんだな・・・・すごく嬉しかった」
アニは袖を目に当てたまま顔だけは俺を向いている
エレン「俺は知ったんだ。アニって、凄く凄く・・・優しいってことに」
アニ「そんなわけない・・・エレン君が頑張ってる中、私は見ていることしか出来なかった・・・・『手伝うよ』の一言さえ言えなかった根性無し・・・」
アニは俺の事気が落ち着いてない時は『エレン君』で、猫かぶってる時は『あんた』なんだよな
今は関係ないが聞き慣れないことに唐突に疑問に感じた
エレン「別にいいじゃねえか。お前の勇気は俺の為に使うもんじゃねえよ・・・自分の為に使え」
アニ「自分の為だよ!」
エレン「自分の為・・・・?」
それをされて得するのは俺だけだろう?
なぜだ
アニ「エレン君の為じゃない、エレン君と一緒にしたかったという自分の願い」
エレン「・・・・そうなのか」
アニ「でも勇気出して言ったのに・・・断られちゃった・・」
なんか・・・心が張り裂けそうな程、痛い・・
エレン「ごめんな」
アニ「何を謝っているの・・・?私が悪いだけなのに・・」
普段の俺だったら、その返事に対し『そうだ』と答えていただろう
でも今は違う。俺は思い直した結果、全て俺が悪いと解釈した
全て俺が悪いというのは少しおかしいかもしれないことだが、俺の良心はそんなこと決して許さないことだろう
アニが可哀相と感じている俺がなんとも許せ難い
その意味も込めての謝罪でもあった
エレン「・・・・俺は勘違いしてた。それだけなんだ」
アニ「それだけ・・・?」
エレン「アニの性格が中途半端なのが、そもそもの原因なんだからな・・・」
アニ「ごめん・・・」
エレン「・・・・もっと・・・普通に言ってくれよ。俺も困るだろうが・・」
何をアニのせいにして罪を擦り付けているのだろう
アニ「緊張し過ぎてて私・・・・頭が回らなくて・・・取り乱してたから」
まさに俺はアニのその状態と同じだ
俺は昔から本番には強いタイプだと思ってた
けど、こんなに自分が駄目になるなんて思いもしなかった
エレン「・・・・まっ。こんなしんみりした話はここまでだ」
アニ「え・・・・」
エレン「ごめんな、色んなこと考えていたんだけどな・・・。1つ、伝えたいことだけを考えていたら、他のこと忘れちまったよ」
恥ずかしいことだが、その通りだ
ああ、かっこよく決まらねえな。俺って・・・
アニ「なに・・・?」
エレン「俺と友達になってくれ!」
アニ「うん・・・。・・・・・え・・?」
エレン「俺は俺を思う奴のことを裏切るなんてしたくない」
エレン「残念ながら、俺の悪意に耐えかねる心身の許容範囲はとう越している」
エレン「悪いが、俺はアニに『はい』と答えてもらわない限り、俺はずっと諦めないからな」
エレン「これが俺の精一杯の誠意だ」
『ありがとうございました~!またのご来店を』
ミーナ「お兄ちゃん携帯ありがとね」
キラキラ輝かす目を俺はただただ見つめている
エレン「ミーナの笑顔の為なら安いもんだ」
待ち望んでいた日が遂に来た
そして、満面の笑みを浮かべるミーナを見て、心休まり幸せな気分になるこの時間が大好きだ
ミーナ「お、お兄ちゃん!そんな恥ずかしいこと、どうして平然と言えるの!もう・・・」
もじもじと人差し指と人差し指をくっつけたり、離したりを繰り返す妹
エレン「そうだな・・・ミーナも年頃だからな。俺みたいな男にそんなこと言われるの嫌だよな」
きっとミーナにも好きな人はいるだろう
にも関わらず、俺の無神経な今の言葉は嫌だったろうな
そういうのは好きな人に言われてなんぼのものだからな
ミーナ「そういうことじゃなくて・・・」
ここで話を切ろう
これ以上、ミーナのプライベートに触れると嫌われる可能性がある
だから辞めておこう
エレン「こんな俺で悪いが、俺の携帯にお前の連絡先教えてくれないか?」
ポケットから携帯を取り出し、電源を付け、電話帳を開いた
ミーナの連絡先を登録するために
ミーナ「こんなって・・・。いいけど・・・って、あれ?お兄ちゃんの電話帳の中にお父さん以外の名前が!?」
目をこれでもかってくらいに開き、周りの目も気にせず大声で驚くミーナ
周りの人々が、一斉にこっちに目を向けた
そして一度見たら再び歩き始めた
エレン「ミーナの名前も入るから、これで3人目だな。って、ミーナ聞いているのか?」
ミーナ「これ女の人だよね?お兄ちゃん誰なのかな?どんな関係なのかな!?」
ミーナが言葉通りのアタフタという行動を見せる
手がおぼつかない・・・俺の携帯落としそうだぞ?
声が少し裏返ったり、眉毛が上がりきっていたり・・・
なんか可愛いな・・・
そういえば小さい頃にもこんなことあったな
小学生の頃、初めて家に友達呼んだら、ミーナ慌てながら、その友達に俺との関係性とか色々聞いていたっけ?
エレン「俺の携帯に他人の連絡先が出来たからって、なんでそんな挙動不信になってんだよ」
ミーナ「誰なの。アニって人は?」
深呼吸を数回し、一度落ち着き、ニコッと頬をあげながら俺に質問をしてきた
笑顔なのに笑ってないと思えるのは俺だけだろうか
エレン「友達だ。あともう一人入る予定もあるけどな」
ミーナ「お兄ちゃん、アニといつそんな関係に?」
エレン「ああ、それはな
アニ『いいよ』
エレン『え・・・そんな簡単に?俺はお前の態度に対し自分勝手な行動をとったんだぞ』
アニ『だから、いいって。逆に私はその選択肢しかないよ』
エレン『・・・・・』
アニ『あと、私は言われて従うことが嫌って言ったでしょ?だから・・・これはエレンに言われたから、そうしたんじゃない。私がずっとそうしたいと思っていたから、そうしたに違いないんだから』
エレン『・・・・』
アニ『ん、どうしたんだい・・・?』
エレン『もう元のアニだなって・・。気持ちは落ち着いたか?』
アニ『元って何さ・・・私は元からこれだ』
エレン『まさか・・・無意識だったのかよ』
アニ『それより、ほらこれ』
エレン『携帯・・・?』
アニ『友達なら、交換するものでしょ』
エレン『・・・いいのか?』
アニ『当たり前だよ・・・あんたも出しな!どんくさいね・・』
エレン『・・・はぁ・・可愛くねえな』
アニ『じゃあ、私の送っておくから、私はこの名簿の紙を担任の先生のとこへ渡してくるから』
そう言いながら、名簿のエレンとアニの名前の隣に『10班』と書くアニの姿が幸せそうに見えた
これは消しゴムで擦っても消えないんじゃないか?と思えるくらい強い筆圧で書かれており、アニもこの幸せを踏みしめていたのだろう
俺らのような人間に、友達が出来ることは本当に革命的であるからな
ミーナ「お兄ちゃん頑張ったね」
エレン「ああ!」
ミーナ「お兄ちゃんよかったね!友達出来たんだ」
エレン「俺と友達になってもあいつらには得はねえんだけどな」
ミーナ「ふふっ・・・そんな考えだと、その友達いなくなっちゃうよ?」
エレン「ミーナがいれば俺は別にいいけどさ」
ミーナ「そ、それは嬉しいけど、ダメだよ!?」
悩んでいるような喜んでいるような微妙な表情を見せている妹
両手を小さく左右に振って、俺に行動でもダメだと伝えている
エレン「分かってるよ・・・冗談だって。俺はものは大切にする主義だからな」
ミーナ「お兄ちゃん・・・」
エレン「あっ、今の冗談ってのは、別にミーナが大切じゃないってことじゃないからな?」
その後は2人で街を久しぶりに一緒にまわった
ミーナのやつ服を選ぶのに時間かかり過ぎなんだよ
あと、服くらいなら俺のお小遣いで買ってやるのに
いつも『心配しないで』や『大丈夫だから』って、自分で何から何までこなすからな・・・
まったく・・・出来た妹だな。感心する
3時くらいを迎えた頃くらいに、空の雲行きが怪しくなったので家に帰ることにした
そして時は過ぎ行き、ミーナとおやすみを済ませて、自室の布団の中へ入った
さて眠ろう。と思った時に・・
俺の携帯が光と音を発した
妹
件名:お兄ちゃんへ
本文:
お兄ちゃんありがとね
一生大事にする!
おやすみなさい
なんとも言葉に出来ない幸福感が込み上げてくる
エレン「さっき聞いたぞ・・・2回目の『おやすみ』だな・・」
ついつい無意識に独り言を言ってしまう
というか、一生って・・・2年後か3年後にはまた変えなきゃならないんだから
まあ・・・それほど大切にしてくれるのか
ミーナのメールを何度も読み返していたら、突如また携帯から光と音が発せられた
突然過ぎて、少しピクッとなってしまった・・・なんとも恥ずかしい
アニ
件名:無題
本文:
明日は学校よ
おやすみ
エレン「ぷっ・・・あははは!」
なんだよ!このメールは?
思わず吹いちまったじゃねえか
明日が学校あるってことくらい分かってるわ
本人にツッコミをいれてやりたい
分かりきったこと送ってきてなんのつもりだよ
いかん。シュール過ぎて笑いが止まらない
取り敢えず落ち着いてみた
なんでこんなメールをわざわざ送ってきたのだろうか?
いや、そんなことは別どうでもいいか
アニの気持ちを察しようとすると酷い目に合うというトラウマを抱えてしまっている俺は考える事を止めた
というか
アニのやつ、絶対にメールとかしたことないだろ!
エレン「・・・・・あっ・・・それは俺もか・・・」
自分を棚上げにしてたことに虚しさと切なさを感じる
外の雨の音が俺の気持ちを、さらに心の暗みへと追い込みをかけるようだった
,
ミーナ「あっ!お兄ちゃんから返信きた!えっとえっと・・・どうやって開くのかな・・?」
ミーナ「これかな・・・・やった!開いた!」
お兄ちゃん
件名:ミーナへ
本文:
それが俺だと思って大事に使ってくれ
なんてな
じゃ、おやすみ
ミーナ「お兄ちゃん・・・えへへ・・」
ミーナ「あっ・・・そうだ」
ミーナ「えっと・・・メールって保護機能があったんだよね?説明書説明書っと・・・・」
アニ「・・・!!」
エレン
件名:無題
本文:
遅刻するなよ?また明日な
アニ「・・・・・・あっ・・・」
アニ「う、うん・・・・また・・・明日に会おう・・・」
アニ「これは約束というものなのか・・・?どうなのか・・」
今回ここまで!
しめ方にしっくり来なかった、すみません
書いてる本人もそれを感じてますので
アニ「ここ座っていい・・・?」
「は、はい・・・どうぞ・・」
遠慮なさげに席を譲る少女
俺の前の席を譲ってもらったアニ
いそいそと微妙な作り笑いをし、友達の元へと駆けていく少女
へその向きを俺の方へ向けて座り込んだアニ
アニ「エレン」
エレン「ん、どうした・・・?」
ざわざわ・・・
耳障りな周りの雑音
なんで一々このクラスは俺とアニが話すだけでザワつくんだよ
『戦争か?』や『流血はままならないな』とヒソヒソと誰が言ってるのか分からないが、明らかに聞こえる声
まったく・・・・このクラスは俺とアニが話したら、ザワつく呪いにでもかかっているのか?
アニ「今日の国語の単語意味調べやってきた・・・?」
エレン「当然だ。やってきたに決まってる」
アニ「見せてくれない?」
エレン「アニにしては珍しいな」
アニ「机の中にノート忘れたんだよ」
エレン「へぇ。いいぜ」
エレン「ふぅ・・・・・」
なんだこれ!?
平和すぎる・・・・平和そのものだ
俺が平和になった気分だ!いや、意味が分からん!
はたから見ると、教室で2人、ノートを開き勉強を教え合う学生の在るべき姿
これが友達なのか。放課中に寝たふりをしないのが久方ぶりだ
教室の扉が開かれる音が聞こえたが、俺の世界ではそんなの道端に落ちている小石のように全く気にするようなことであった
それが世界を破壊する程の爆発物であったとしても、今はこの平和を謳歌するためなら、いくらでも無視し続ける
ざわざわ・・・・きゃーきゃー・・
ただのザワつきではなくキャッキャと女性のどこから出しているのか分からない程の喜びを表す高い声が聞こえてくる
だが、俺はそれは気にもかけないほどのことであった
エレン「アニのシャーペン可愛いな」
アニ「普通だよ」
エレン「いや・・・・アニの性格からして、それはなんか」
アニ「それは私にピンクのシャーペンはそぐわないと言いたいの?」
エレン「つまりは、そういうことだな」
アニ「・・・何色が似合うと思う?」
エレン「黄色」
アニ「それは髪の色から連想しただけでしょ」
なんて、特に波もなく平和に平和をかぶせたような平凡かつ普通の会話をしていた
自然と和んでしまう
「エレン?」
俺を呼ぶ声が聞こえた
エレン「アルミン?なんだ・・・?」
アニ「学年主席か・・・」
アルミン「ぼ、僕も一緒に話してもいいかい?」
エレン「別にいいが・・・アニもいいか?」
アニ「・・・・・・い、いいですけど・・」
エレン「ですけど?」
アルミン「僕はアルミンっていうんだ」
アニ「知って・・・ます」
なんだアニのやつ緊張してるのか?
アルミン「そうだよね」
よし。緊張をほぐしてやるか
エレン「こいつはアニだ。性格キツイから気をつけろ。ほら、たったこれだけの事で俺の人差し指をあらぬ方向へ曲げようと痛い痛い痛い!」
アニ「口を閉じな」
アニの小さく柔らかい手はテコの原理をフルに活用し俺の人差し指を苦しめている
アルミン「へ、へぇ・・・」
殺意のようなものを前から感じ
少し引き気味なオーラを優等生の方から感じ
周りからは視線という名の拳銃で四方八方から乱射されている
なぜか注目を受けることには慣れたようだ
アルミン「なんかこのクラス騒がしいね。いつもなの?」
エレン「いや、特別な条件が揃った時にこの現象は起こるんだ」
アルミンはキョトンと何も気づいていない様子
ここに特殊な有名人が3人揃っているからこんなことになっているのだろう
『アルミン君とエレン君達って、何かあったの?』
『アルミン君大丈夫かな・・・』
『例の委員長もいるし・・・』
無駄なアルミン贔屓のこのクラスに苛立つ
別にアルミンには苛立ってはない
だからと言って、俺がそう言われてイラついてるわけでもない
俺と友達成り立てのアニが俺と同じ扱いを受けていることに苛立っているのだ
そりゃ、アニだって皆の前で俺に暴力をふるったが、あれは勘違いなわけで・・・
アルミン「エレン・・・」
エレン「ん、やっと察したか」
さすが神童と名だたきアルミンだ
周りを気にしキョロキョロした後、俺とアニにしか聞こえてこないようなコソコソきた声で話してきた
アルミン「も、もしかしてクラスで飼ってた亀が死んだとか・・・?」
エレン「・・・・・」
ああ。天然なんだな
クラスで亀なんて飼ったことねえよ・・・
俺らは小学生なんかじゃあるまいし・・
まるで触れてはいけない掟に触れてしまったかのように少し申し訳な下げな表情を見せる
アニ「クラスで亀なんて飼ったことないよ」
紙を破くようにアニはズバッとアルミンの推理を切り裂いた
「あ、あれ・・・?」と頬を掻きながら目線をそらすアルミン
アルミン「・・・そうなの?じゃあ何かあったの・・・?」
エレン「アルミンがここにいるから」
まあ、俺とアニがいるからでもあるが
アルミン「ご、ごめんね!そうだったのか・・・ちょっと待っててね・・」
ついに、理解したか
エレン「何を待つんだ?」
アニ「・・・・?」
アルミンは人が沢山いる方へ振り向いた
そして拳を握り締め、息を吸った・・
アルミン「僕のことで騒いでいるのなら静かにしてください!僕はただエレン達と話したいだけなんだ!」
誰もが聞こえるような大声を出した
それを言われて周りの全員が呆気に取られる
それは俺もアニも含まれている
言葉通りのシーン・・・という状況
『今、アルミン君。エレン君のこと「エレン」って・・・』
『二人は友達だったの!?』
『そういや、数日前くらいにエレン君がアルミン君のこと屋上に呼び出してて』
『違うわよ。あれは本当はアルミン君がエレン君を連れてってたのよ』
俺に『友達』が出来ただけでこんな騒ぎになるのか
これからは簡単に『友達になってくれ』なんて言えないな
アルミン「えへへ・・・言っちゃった・・」
自慢げな顔をして、俺の隣の空いている席に座り込む
エレン「俺にはさらに騒ぎを大きくさせたように思えるな」
アニ「同感だよ」
アルミン「エレンもアニさんも酷くない!?」
慌てふためくアルミンに、ついにやけてしまう
いくら頭のいい人間だからって、性格やら人格は平凡なんだな
俺は平凡以下だがな
別に俺は自虐したとこで傷付いたりはしない
アニ「アニさんって、やめてくれよ。アニでいいさ」
アルミン「じゃあ、僕もアルミンでいいよ」
あれ・・・・?
こいつらはこれで、もう友達なんだよな?
なんか・・・腑に落ちない
俺は昨日、学校中を走り回り、弁解など勇気など色々疲労して、友達になれたのに!?
と、まあ・・・・この考えがいけないんだな
これが友達を無くす原因になるのだろう
ミーナの言ってたことは、こういうことだ
だから俺は捻くれているのか
すみません。ミスですね。
昨日というのは間違いで、
訂正→昨日×先日〇です
エレン「ははっ、これでアニもアルミンも友達だな」
空気を読んでみたが・・・どうだ?
アニ「と、友達・・・・」
アルミン「うん、よろしくね。アニ」
普段からやり慣れてるような笑顔を見せるアルミンに対しアニは微妙な表情を見せる
エレン「せいっ」
アニの額にデコピンを一発
アニ「宣戦布告ね・・・」
額に片手をあてながら、殺気を放つ金髪美人
エレン「えっ・・・」
俺は空気を読んだだけなのに・・
そして緊張をほぐしてあげたくて・・・・
ただそれだけなのに・・
アニ「〇〇〇」
アニが何やら口を動かしていた
えっと何を言ったんだ?
・・・・し・・に・・・・な?
アニ「死にな」
エレン「ッッッ!!??」
声が出ないほどの痛みが身体に電撃のように流れる
足の小指を的確に踏み抜かれたんだ
エレン「クッ・・・・アッ・・!」
アルミン「えっ、えっ!?」
アニ「エレン怖い・・・急に苦しみ出して・・」
お前のせいだろうが!って、言いたいが言葉が発せれない
大声が出せないかつ物凄い痛みを感じる小指を狙ってきやがって
本当は内面なんて無くて、そのキツイ性格がアニの全てなんじゃないか!?
アルミン「エレン大丈夫かい・・・?保健室行く・・?」
苦しむ俺に救いの手を差し延べる
エレン「だ・・・大丈夫だ・・」
アニ「あんたが悪いんだからね」
エレン「さっきのデコピンはアニのこと思って、やってやったんだぞ」
アニ「ふん・・・余計なお世話」
エレン「それ前に俺がアニに言ったことと同じじゃねえか」
アルミン「ふふっ・・・2人とも仲良いね」
エレン「そう見えるのなら、アルミンの目は節穴だと決めつけていいな?」
アニ「全くをもって、エレンの言う通り」
アルミン「あ、あれ?2人とも友達なんだよね?」
エレン「なんか後悔してきた」
アニ「・・・・・え・・」
急にそんな顔すんなよ
エレン「なんてな!嘘だよ、嘘。アニと友達になれて、俺は嬉しいぞ」
アニ「急にどうしたんだい?気持ち悪いね・・・」
俺のフォローを踏みにじりやがって!
エレン「お前なぁ・・!」
アルミン「エレン!僕は僕は?」
なついた犬が『わんわん!』と擦り寄ってくるように俺に視線と言葉をぶつけてくる
エレン「アルミンとも友達になれて嬉しいよ・・・・って!なんか恥ずかしいからやめてくれ!」
アルミン「ふふふ~・・・」
エレン「なんだよ。その目は・・・?」
アルミン「僕は小学生以来、友達なんか出来た事ないから本当に嬉しいんだ」
エレン「・・・・・・はい?」
アルミン「言っちゃ悪いかもしれないけど、僕の周りにいる人とは、なぜか壁が1つあるっていうかね・・・」
エレン「へぇ・・・・」
アルミン「エレンみたいに、そんな僕に気持ちを寄せてくれる友達は初めてなんだ・・・そういうの本当の友達っていうのかな・・」
お前は色んな人に囲まれていて『リア充』を形にしたような人間だと思ってた
広辞苑に、リア充と調べると例文にアルミンと出てくる程に・・・
だが違ったのだ
決して『ぼっち』なのではないが『本当の友達』というのは存在しなかったのか
アルミン「えへへ・・・本当に嬉しいな・・」
頬を掻きながら笑顔を浮かべている
でも俺は見えてしまった
目尻が涙で少し光を放っていたことに
これが友達の在るべき姿なのだと改めて理解した数分間であった
ここまで
今回あんまりな感じですので、本当にすみません
ある店内の一角
「そこを頼みます!」
「ひとつ買うのならばあげてもいいわよ」
「あう・・・そんなこと言わずに・・」
「ダメよ」
とある戦いが行われていた
,
エレン「・・・玉ねぎにジャガイモと・・・・」
なるほど・・・今日の夕飯はカレーか・・
ミーナのやつ、にんじんを抜いてるな?
食わず嫌いはダメだっていつも言ってるのに・・・
携帯を片手に食品売り場を立ち歩いて、頼まれたものをカゴに入れていく
単純作業・・・だが、しかし
この単純作業が最も大切なことだ
良い食品を見分け、品質の完璧なものを買う
人間関係もそんなものだ
人を見極めなきゃ良い人物とは出逢えない
この地球上には人類の最底辺のような人間は山程いる
仮に友人となったとしても、いつ裏切るか分からない
ましてや、相手がそれだけの人間であったとしたら自分がその相手を裏切るかもしれない
だから俺は常々疑問に思う
リア充共はなぜそんな広く浅い人間関係を作るのかと
狭く深い人間関係のがよき友人関係を築けると俺は思う
人脈が広い人間が全てが全ての人に平等に深く関係を築けるわけではないだろう
俺は寧ろそんな人間がいたら、その人間の人間性を疑うであろう
一人一人になぜそこまで移入出来るのが疑問となる
それは本心ではなく、形の為の偽装。
俺はそう思う
人当たりが良いイコール、プラスなイメージのつく・・・人望高き人など思われるだろう
まあ少し言い過ぎな点はあると思うがな
例えば、ぼっちの人が、たとえどんなに良い人間だったとしても、リア充・・・つまり友人関係の多い人間と客観的に見比べたら、リア充のがぼっちより良い人間として見られるだろう
つまり、俺がいいたいのは
リア充であればある程、友達を大切に出来ていない
ということだ
自分の対応できる許容範囲をハッキリさせたほうがいい
仲良く出来る人がいれば、逆に厳かになってしまう人もいるだろう
だから、リア充は自分を過剰評価し過ぎているのだ
アニメの主人公だって、ハーレムを作ったとしても一人一人のイベントがしっかりしているだろう?
沸いて出たような友人関係など取るに足らない存在だ
だから俺は偽装だと思っている
エレン「・・・ん?」
「だから言っているでしょ。買うしか食べる方法はないわよ」
「そこをなんとかお願いします!お姉さん!」
「お姉さんなんて媚を売ってもダメよ」
顔見知りのエプロン姿のおばちゃんが、何やら若者に絡まれて困っている
最近の若者は堂々と道の真ん中に座り込むのか?
けしからんな・・・
だから最近は、ゆとりだなんだと社会的に若者はバカにされる時代になってきたんだよ
エレン「おばちゃん?」
店員「あらあら、ごめんなさいね。今ちょっと面倒な客に絡まれちゃって」
ふう・・・と、ため息と共に額の汗を拭うエプロン姿のおばちゃんは、The働いている人という感じがひしひしと伝わってくる
エレン「おばちゃんも大変だな」
店員「どうにかしてくれないかね?」
本当に困っているようだ
これは一種の営業妨害だからな
エレン「どうにかしたら安くしてくれるのか?」
店員「スマイルなら無料よ」
エレン「・・・・・・」
一言で表すのなら『誰得』と答えよう
店員「はいはい、サービスするよ。10%引きね」
エレン「ありがと、おばちゃん」
さて、任されたし・・・さっさと終わらせるか
「えうぅ・・・試食させてくださいよ・・」
今にも泣きそうな声でそう呟く少女
試食・・・?そんだけのこと・・?
いや、聞き間違えだよな
だって普通の人間だったら『たったそれだけ』のことで、ここまでするわけないから
エレン「そんなとこで座り込んでどうしたんだ?」
少女「おばちゃんが試食させてくれないんです・・・」
そうか、聞き間違えではないのか
俺の妙なセンサーは察知した
こいつは普通の人間ではない
関わったら面倒な人間の類だと
エレン「試食ならここに山程あるだろ?」
店員「この子には、もういっぱいあげたんだよ。にも関わらず商品を買うわけでもなく・・・」
それは試食を提供している側としたら、とても腹立たしいことであろう
少女「試食は食べ放題と同じなんでしょう?」
エレン「そんなわけないだろ・・・はぁ・・」
思わず溜息が漏れてしまう・・・
こいつはただの世間知らずかただのバカかのどちらかだ
少女「そ、そうなのですか!?」
反応から察するに『バカ』であろう
店員「バカじゃないのかい?」
おめでとう。その通りだ、おばちゃん
エレン「ええ。これは近年稀に見る『バカ』という人種だ」
少女「そんなっ!バカじゃないですよ!」
エレン「さぁ、そうと分かったのなら、早く買うか店を出るか選択しろ。そうしなきゃ営業妨害で訴えられるぞ?」
少女「むぅ・・・・もっと食べたいです・・」
ハムスターが頬にエサをほおばるように、この少女もほっぺたをプクーと膨らませ、いかにも拗ねてる感を魅せている
この姿はよく『お兄ちゃん!』って怒る時のミーナの姿によく似ている
エレン「どんだけだよ・・・いっぱい食べたんだろ?ならもう満足したろ」
「やーです!食べたいですー・・・」
なんか・・・・もう・・・疲れてきたな・・
・・・・・うん・・・しょうがない・・・
エレン「・・はぁ・・・・なあ、おばちゃん?」
店員「ん、なんだい?」
エレン「この、蒸かし芋2袋ください。勿論、10%引きだよな?」
店員「・・・・・・。あんたも、相当のお人好しのようだね」
おばちゃんは優しい笑顔を向けてくる
こういうのを営業スマイルというのだろう
エレン「片方はレンジで温めておいてくれないか?」
店員「はいはい・・・じゃあレジの前で待ってて」
エレン「ちょっとお前もついてこい・・・」
少女「わわっ・・・」
少女の手を握り、近くにあった今晩と明日のお弁当の具をカゴに詰め、そのままほぼ無理矢理に少女をレジ前まで連れていった
ぴーぴーうるさく、周りからは『静かにさせろ』という冷たい視線をくらった・・
俺はこいつの保護者でも友人でもないのに・・・なんて、とばっちりだ・・
『ありがとーございましたー』
自動扉を過ぎ、店のすぐ隣にベンチがあった
エレン「はぁ・・・俺もバカだな・・」
とりあえず座り込む
少女「はうぅ・・・愛しい愛しいじゃがいもさんが・・」
店を出てもまだ店内のほうへ目線を送り続けている少女
どんだけ食い意地を張っているのだよ・・・
さすが『バカ』だ
エレン「ほら、これ食えって・・・」
少女「・・・・ふぇ・・?」
ふいに見せた疑問符の顔は少し小動物のような愛らしさを感じた
今まで見せてきた行動が俗に言う『キチガイ』というものであったから・・・何と言うのだろう?
こういうのを『ギャップ萌え』というものか?
いや・・・違う・・
一応、人間なのだと安心しただけだ
エレン「好きなんだろ・・・?早くしろ。折角温めてもらったんだ。」
袋から、温められた芋を取り出し、少女の前に差し出した
少女「あ、あっ!」
目と口をおおっぴろげにし涎を垂らし、なんともだらしない顔に・・・
お前は結構整った顔立ちをしているのだから、そんな顔をするのは全国の不細工達に失礼だぞ
エレン「ん、いらないのか・・・わっ!?」
少女「はむっ!」
急に俺の手ごと口に含んできやがった
エレン「ストップストップ!」
少女「ふぁ、ふぁい・・・?」
エレン「ちょっと待てよ・・・離せ」
少女「はい」
エレン「よし、いい子だ」
なんだこれ?犬のしつけをしている気分なんだが?
エレン「今からちぎってやるから、少しずつ食べるんだぞ?芋だから急いで食べると喉に詰まるしな」
少女「は、はい!」
返事だけは、いっちょ前だな
エレン「ほら、口を開けろよ・・・」
少女「あむっ・・ハフハフ・・・」
うわっ・・・従うのかよ・・
今更ながら自分で言っといてこれはどうかと思い始めた
エレン「おいしいか・・?」
少女「はい!」
エレン「じゃあ、よし・・・ほら」
少女「あー・・・っむ」
エレン「お前なぁ・・・・指まで食べて良いなんて俺は一言も言ってないぞ」
芋と共に俺の指を口に含んでいる
甘噛みと共に、指の第二関節を舌の先がくにくにとあたる
少女「知ってまふか?」
指を咥えながらの上目遣いで質問された
そんな姿を見て、あの日のことを思い出した・・
確かあれは俺が小学2年生になった頃
俺が初めて自炊というものに挑戦した際に、ピーラーで人差し指の皮を削いでしまったのだ
だけど俺は焦ってしまい何も考えれずアタフタしていたら、ミーナが急にその指を咥えてきたっけ・・・
そして『お兄ちゃん!早ふ早ふ!』って言われ、ミーナを引き連れながら、どたどたと家の中を二人で走り、救急箱のとこまで行ったっけ・・・
今思えば俺もミーナも何をしていたんだよっていう笑い話になるな
自分で咥えれば良いことじゃないか
と・・・また無駄なことを考えてた
いや!無駄なことではない
エレン「何をだ?」
少女「じゃがいもと塩は絶妙なんですよ!」
エレン「つまり俺の指は調味料と言いたいのか?」
少女「寧ろ主食でも構いません」
エレン「怖いぞ・・・」
指を食べるとか正気の沙汰か?
人間の発汗成分をなんだと思っているんだよ・・・
少女「まっ、冗談ですよ。私も私でじゃがいもを目の前にして、ちょっとばかしか気が狂っていました」
エレン「冗談はよせよ。ちょっとじゃないだろ?」
嘘つきは良くないよな
お前の食への狂いようは限度を超えていた
なんせ指まで食べようとしていたのだからな
少女「それは『相当』と申し上げたいのですか!?」
エレン「どうかな?よし、ほらまたあげるぞ」
少女「ふぇ!?あ、あー・・・」
エレン「・・・・・」
少女「あ、あー・・・?」
エレン「アホっ面だな」
俺は差し出した芋をひいた
目を閉じひたすら大口を開けている姿は本当に無防備そのものだ
少女「あえっ・・・ひ、酷いですよ!乙女の気持ちを乱暴に扱って!」
ん?疑問に思ったことがある・・・
ちょっと釣ってみるか
エレン「お前の可愛い姿を見てると、つい和んでしまってな・・・」
少女「そうなんですか?特に興味ありませんが」
釣り成功。やはりな・・・
こいつに『乙女の気持ち』など無いだろう
いや、自尊心がそもそも無い
芋に釣られるような奴だしな・・
最近の女は『乙女心』とかいう可愛げのあるワードを使えば優しくしてもらえると勘違いしているんだよな
そんなので釣れるのは『単純』もしくは『モテない男』だけだ
だが、生憎俺は釣れなかったようだな
別に自分で俺はモテないと断言したところで傷付いたりはしないからな
とうに理解したことを棚上げにしたって俺の精神は鋼のように硬いから傷がつくはずもない、あはは本当だぞ?
エレン「お前に乙女の気持ちなんて無いことが今理解できた」
少女「そ、そんな酷いことをっあむ!」
エレン「食べながら話すなよ」
少女「ごくん!で、私はバカじゃありませっはむ!って、お兄さんのバカ!無理矢理食べさせけほっけほっ!!」
エレン「だから言っただろ?食べながら話すなって・・」
少女「はいぃ・・・」
エレン「よし、もう袋ごとやるよ。元々そのつもりだったし・・・」
少女「ありがとうございます!」
某有名作品、猫の恩ナニガシの主人公が白猫にお菓子を与えるシーンを彷彿とさせる
エレン「俺はもう帰るからな。暗くなってきたし早く帰れよ。別にここは治安が悪いというわけではないが、夜の男は少し危険だから」
「モグモグ・・・・ごくん!はいっ!わかりましたぁ!」
食べながら俺の忠告に答えた
ほらほら・・・またむせちまうぞ?
少女「けほけほっ!」
ほーら、いわんこっちゃない・・・
エレン「気をつけて食べろよ。じゃ、またな」
「さよならですー!」
シャトルの切り離し作業に移る
やっと面倒事から開放される・・・
そろそろ帰らないとミーナに心配される・・
少女は幼稚な子供のように人の目も気にせず大きく腕を振る
小さい頃のミーナと姿が重なる
俺が小学校入る初日に『お兄ちゃん帰ってきてねー!』って登校の時、涙目で全力で手を振っていたよな
事件や事故に巻き込まれない限り俺はお前の元に絶対に帰ってくるのにな
なんか今の少しかっこ良かったな・・
そんなこと言われてみたいな・・・・高望みだろうけど
あれ?そういえば、さっきも似たようなこと思った気が・・・
何も似ていないのに、共通して何か似ているところがあるのか?
というか、俺はやはりさっきの子を送り届けたほうが良かったのかもと後悔しているところだ
正直、あいつは『ご飯をあげるから一緒に来ない?』と言われたら100%ついていくに決まっているからだ
世の中はそこまで平和ではない
皆が皆、俺みたいに無償で優しさを提供するのような人間ではないとだけ、あいつに教えてやりたい
そうすればもう少し無防備な行動を控えるだろうな
でももうそれは後の祭り・・・
振り返っても、あの少女の姿はなかった
今回ここまでです
更新遅くて申し訳ありません・・・
今回はぼっち回というわけではありません。すみません
乙&紫煙
某有名作品の猫の恩ナニガシって、ジブリのあれ?
これ処女作?
じゃなかったら前の作品URLくれ
書き溜めが多い分、更新が遅いのか?
待ってる乙
お兄ちゃんが学校から帰ってきて数時間・・・
お兄ちゃんがお風呂から出てきて数分後のこと
私の人生にとっての最も重要な登場人物
『エレン』という一人の男性
私の兄に存在する人物です
常に凛としていて、どこか大人びているのだが少年のような幼さも持ち合わせている
子供が大人ぶっているという訳ではない
大人が子供らしさを見せている・・・そんな感じ・・
そこがミソなんです
たまに見せる少年みたいな可愛さが・・・なんとも・・・・まあ・・あれなわけなんですよ・・・・
私は別にアレじゃないんですよ?
別に兄だから尊敬してるとか兄だから少しくらい甘えていいとか・・・
そんな感じでお兄ちゃんの傍にいるだけなので・・
その上でのさっきの考察なわけで・・
妹だからお兄ちゃんのことは、しっかりかっちり知っておかないと、というホント仕方無くやっていることでして・・・
私は別にツンデレぶってるわけではありませんから・・・それを踏まえたうえで言わさせてもらいます
か、勘違いしないくださいね!
私は別にお兄ちゃんに恋心なんて大層な物、抱いてませんからね!
だから今も・・・そのお兄ちゃんがご飯を食べてる姿を見つめているのは、仕方無い情報収集というものでして・・・
決して、見ていたいから見ているわけじゃありませんから
ミーナ「でね、友達が私の恋愛事情にたくさん言ってきてね」
エレン「うん・・・うん・・」
ミーナ「私は、お兄ちゃんといる時間のほうが幸せなわけでね・・・・そのね・・・付き合うとかまだ早いわけでね・・」
エレン「・・そうだな・・・」
ミーナ「な、なんてね!あれ・・・・?お兄ちゃん聞いてるの?」
エレン「うん・・そうだな・・・」
ミーナ「あっ!そういえば今度、うちの隣にできるケーキ屋さんの人が」
エレン「・・・・うん・・」
ミーナ「お兄ちゃん大丈夫・・・?」
どうしたのかな・・・
お兄ちゃんご飯食べながら、上の空だ
エレン「・・・・ん・・?あっ、ああ・・・ごめんな。ぼーっとしてた・・」
私の存在や言動にやっとお気づきのご様子
なにか大切なことでも考えていたのかな
ミーナ「どうしたの?悩み事・・?」
お兄ちゃんが困っているなら助けたい
エレン「ちょっとな・・・」
あっ!お兄ちゃんたら・・・
ミーナ「もう・・・ほっぺた・・」
ご飯粒なんか付けちゃって・・・
どれだけボーっとしてたのかな・・
お兄ちゃんがここまで考え込むとこなんて見たことないよ
まさか、逆で何も考えてなかったのかな?
何も考えずに空だけを、ぼーっと眺めてるといつの間にか時間がたくさん過ぎているってことは私もよくあるし・・
お兄ちゃんも同じ類かな?
やっぱり私達は似た者同士なのかな
エレン「ん、悪いな・・・って食べるなよ!?」
ミーナ「お兄ちゃんよく言うでしょ?食べ物は大切にしろって」
エレン「言うけどさ・・・でも、汚いぞ・・?」
ミーナ「もう遅いよーだ」
舌を出してイタズラな笑顔を見せた
っは!私はなんとも恥ずかしい行為をおこなってしまった・・・
無意識にやっちゃったけど・・・
お兄ちゃんもしかして、変に思ったかな・・
嫌だったよね・・・
実の妹にそんなことされるのなんてさ・・
って、あはは・・・私の気にしすぎかな・・
だって、あのお兄ちゃんだし・・・
エレン「あはは相変わらず可愛いな」
ミーナ「も、もうー・・・そんなことないよ・・うん・・・・」
エレン「そういえば、俺バイトしようと思っているんだが・・」
バイト・・・?別に家賃には問題ないし・・
お小遣い集めかな・・・・
そういえば、携帯をお兄ちゃんに買ってもらったし・・
それでお小遣いが無くなったから・・・
どうしよう・・・お兄ちゃんやっぱ迷惑だったのかな・・
ミーナ「もしかして私の携帯のせいで・・」
エレン「違うって・・・違わないけど・・。2人で温泉旅行行こうって約束しただろ?」
そういえば、前に言ってた
でも、そんなことまでして無理に行かなくてもいいのに・・・
また冬休みとかになれば、私もお兄ちゃんもお小遣いが貯まるし・・
ミーナ「そんなわざわざバイトまでして行かなくても・・・・」
エレン「ミーナは・・・・俺と行きたくないのか・・・?」
えっ・・・なにこれ・・顔が急に火照ってきて・・・・
ミーナ「わわっ・・お兄ちゃん、そんな可愛らしい子犬みたいな目を私に向けないで」
斜め下から覗き込むように私を見つめてくる
断ったら泣きそうな目をしている
実際に泣くことはないけど、そんな目をしている
・・もう・・・・・お兄ちゃんったら・・・・
『反則』の一言に尽きます
エレン「ん、どうして赤くなってるんだよ?もしかして、夕食に料理酒入れ過ぎたか・・・?」
ピンポーン・・・と呼び鈴が鳴らされた
私とお兄ちゃんはピクンと音が鳴らされたと共に身体を反応させた
2人で顔を見合わせ首を傾げた
お兄ちゃんのキョトンとした顔とさせ、話を切り替え、口を開いた
エレン「こんな時間にお客?・・・宅急便か?」
宅急便なんてうちにはそんな来ないのに・・・
私は通販なんてしてないし・・
お兄ちゃんのお届け物かな・・・?
ミーナ「私は何も頼んでないよ」
エレン「俺もだ・・・じゃあ、父さんかもな」
お兄ちゃんも違うとなると、お兄ちゃんの言う通り、お父さんの外国のおみやげだね
ミーナ「そうかもね」
エレン「ちょっと行ってくる・・・」
1人リビングを出て、玄関のある方へ歩みを進めていく
お兄ちゃんはとうに食事を終えていたようだ
お兄ちゃんが歩く後ろ姿を見つめ、私はご飯の残りを口に入れる
しかし・・・・
これが私の見た最後のお兄ちゃんの姿とは思いもしなかった
もっと話していれば良かった・・・と、後悔だけが募る
私はお兄ちゃんに『ありがとう』も伝えれなかった・・・・
なんて、嘘なんだけどね
そんなシリアス感のあるホラーな話に急展開しないよ
あくまで私とお兄ちゃんは家庭内のほほん平和ストーリーだよ
そんな殺伐としたワケアリ話じゃないよ
かちん・・かちん・・・・
玄関の方から鍵をあける音が聞こえる
本当にそういう誘拐犯とかだったらどうしよう・・
別にこれはフラグじゃないからね!?
ガチャ・・・ギィ・・・
玄関で扉の開かれた音が聞こえた
今回ここまで
読みにくかったら、申し訳ない
そして、よ読んでいただいてる方、ありがとうございます
次からトリを付けます
遅れて誠に申し訳ありません
今夜中には急いで書き上げて出したいと思いますので
書くの遅くて話作るの下手なので、それを理解していただければ嬉しい限りです
トリを付けるということだけ把握してもらいたいと思います
エレン「はい、どちら様でしょうか?」
「え・・・弟さんですか?」
俺の目の前に知ってはいるものの決して深くは知らない人物が立っていた
一度見た夢を記憶には残っているものの、追求し思い出そうとするとほぼ記憶に残っていないような感覚である
つまりは、記憶の片隅の存在
エレン「いいえ。俺の上には兄も姉もいませんが」
「じゃあ、隠し子ですか?」
意味不明な質問を問い掛けてくる
俺に主語なしにこれを理解しろというのか?馬鹿馬鹿しい・・・
エレン「うちはそんな複雑な家庭事情じゃありませんが」
「えっ・・・じゃあ」
エレン「いえ、そんなことより・・・なぜぺトラ先生がうちに?」
ぺトラ「先生って・・・まさか、あなたはうちの生徒なの?」
なんとも微妙な表情を浮かべているこの女性はペトラ先生という、確か国語の教員だった気がする
気がするというのは、ペトラ先生のことはあまり知らないから、うる覚えの記憶上
視線には入ったことがある程度の人間
エレン「そうですが?」
ぺトラ「そうなの・・・もしかして先生と生徒の垣根を超えた禁断の恋を・・」
ゴニョゴニョと何か言っている
だから主語無しに何を語っているのだ
しかも、お前は国語の教員であろう?
言葉の使い方くらいマスターしているだろ
少し面倒な人だなと感じたのは口に出さないでおこう
エレン「何を言っているのか、全く分かりません」
ぺトラ「リコ先生が飲み潰れて、送るからって言って教えてくれた家がここだったのよ?」
エレン「リコさん気が狂ったか・・・」
あの人も相当に面倒な人だな
ぺトラ「そういえば、あなたは名前を聞いてなかったわね」
エレン「俺はエレンです」
ぺトラ「あなたがあのエレン君かぁ・・・実物は眼鏡を掛けているのね」
そんなジーッと見つめないでください
そして、そんな顔を近付けないでください
いや、マジで。
その照れるとか恥ずかしいとか・・・
そんなんじゃなくて
酒臭いんで、本当に近付かないでほしい
エレン「あっ・・・学校ではコンタクトなんですが、家では面倒なので眼鏡を掛けているんです」
ぺトラ「そう、なんかイメージと違うわね・・・それだと、本当の優等生みたいね」
妙に顔が近いことに苛立つ俺を許してくれ
そしてその気に障る言い方にも苛立った俺を許してくれ
エレン「そりゃどうも、です」
「おおい!えりぇーん!」
銀色の髪の毛を淫らに荒らさせ、ふらふらと千鳥足をし現れたのは、俺の最も信頼している人ではないか
エレン「うわっ・・・リコさん・・」
リコ「ひっく・・・えりぇん・・」
いつもと違う、あられもない姿
眼鏡は少し位置がずれており、服は乱れて、何よりその純白で綺麗であった頬が紅に染まっており・・・見ていて大変見苦しいというか・・
簡単に言うと酔っぱらいの極みといったとこか
エレン「リコさんも酒臭い・・・」
ぺトラ「あはは・・ごめん、私が飲ませ過ぎた」
舌打ちをしようとしたが何とか我慢できた
教師に対してその態度はいけないことと知っている
俺は人間としての常識はしっかりと持ち合わせているからな
エレン「はぁ・・・・バカばっか・・」
リコ「何をいうかー!私はぁ、十年に一度の秀才であるぞぉー!」
スーパーなどで走り回る常識知らずの子供ように、リコさんは夜であるにも関わらず周りを気にせず大声をあげる
エレン「リコさん静かにして!近所迷惑だっての」
リコ「えりぇんもそう思うだろー!なら私にイケメンでも紹介しろー!」
ダメだ。完全に理性と感情を失っている
受け答えが全くを持ってできない状態
あれだな。クマ相手に殺人はいけないぞ!と法律を語るようなもんだ
エレン「リコさんは落ち着いてって、ぺトラ先生?何を勝手に帰ろうとしてるのですか?」
俺がリコさんに手一杯である姿を見ているにも関わらず、既にもう玄関から離れ、帰ろうとしているクソ教師が俺の目の前にあった
原因は誰だか理解してるのか?
ぺトラ「なんか知り合いだと思われると恥ずかしいから、ちょっと・・・・」
そういうのは分かるよ?分かる分かる・・・
理解できる
こういうのって身内だと思われると恥ずかしいよな・・・
でも、それはケースバイケースだろ?
この現状でお前は何をすべきかわからないのか?
おおっと・・お前でもクソ教師でもないな。
ペトラ先生だった
エレン「それでも教師か?」
ぺトラ「なら、私は今は教師でなくていい」
この人も酔っているのか?
酔っているのなら許してもいいが・・・
ちゃんと受け答え出来てるけど、酔っているんだよな・・?
そんな人間のクズみたいな発言は酔ってる時にしか言わないよな?
エレン「教師辞めちまえ!って、リコさんこんなとこで、うずくまらないで!・・・ん?」
リコ「気持ちわりゅ・・・」
丸まりながら体重を全て俺に任せてくる
口元を抑えてるから察するに・・
エレン「あー!はいはい、トイレ行こうな!こんなとこで吐かれたら、こっちも困るから」
ぺトラ「あとは任せたよ!若き良き少年よ」
エレン「は、はぁ!?ちょっ行かない・・・で・・・・くださいよ・・クソ教師め・・・・。あーもう!リコさん、俺の肩に身体を任せてください」
つい本音を口に出してしまったが良いよな?
なんせ、ペトラ先生は『酔っている』のだから
リコ「えりぇん、今日も今日とてお疲れしゃま・・・うぷっ・・」
エレン「意味がわからん・・・」
お酒って、こわいな・・・。
アルコールはこれほどまで思考も理性を壊すものとは・・・とても驚いた
こんな憐れな姿のリコさんは見たくなかった
いつもみたいに腰に手をおいて、ふんぞり返って、どや顔をするリコさんがとても可愛く感じる
ミーナ「お兄ちゃん?なんか騒がしかったけど・・・?」
様子を見にかミーナがやってきた
エレン「ああ、ちょっとばかし面倒なことに巻き込まれてな・・・」
相当面倒なことだがな
ミーナ「その女の人は誰なの・・・?もしかして、その人がアニって人・・?」
ミーナは何も知らない分からないといった表情をしている
そうだよな。こんな夜に知らない人が俺にもたれかかっているのだから
リコ「んうっ・・・ハァハァ・・」
エレン「今は答えてる時間はない・・・とにかくトイレに連れてくぞ。ミーナも肩を貸してくれ」
ミーナ「う、うん・・・?」
ごめんな。言い訳は後でさせてくれ
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー
リコ「吐いたらスッキリしたぞー・・・えりぇんよ・・」
エレン「こちとら最低最悪な気分だ」
尊敬していた人の憐れな姿を見てしまったのだから・・・
幻想であってほしい
それとこの前見た、冷蔵庫裏のゴキブリも幻想であってほしい
ミーナ「で、この人がアニって人なの?」
エレン「違うぞ。この人はリコさん・・・俺の通う学校の保健の先生だ」
ミーナ「えっ・・・」
エレン「言いたいことは分かるぞ。保健の先生が酒で酔い潰れるなんて世の中終わりだよな」
ミーナ「いやいや・・・そこまでは思ってないけど」
リコ「おお、お前がエレンの一人娘か」
こんな娘が欲しいのは否定できない俺がいる
ミーナ「一人娘?」
エレン「リコさん酔ってるぞ・・・俺は結婚などしてない・・」
リコ「ならばあれかっ!がーるふれんどというものかぁ?」
口元が覚束無い。舌がまわってないんだ
ミーナ「ふぇ・・・か、彼女・・ですか・・・・」
ミーナも真面目に捉えなくていいのに
エレン「こいつは俺の妹だ。それよりリコさんは取り敢えず、風呂入って寝るか?」
リコ「えりぇんがお風呂に入れてくれるのかぁ?この変態めー!だが良いぞー」
エレン「バカは黙ってろ。ミーナ・・頼んでいいか・・・?」
大丈夫。俺の堪忍袋の緒はまだ切れてないから
今のはちょっと口が滑ってしまっただけ
ミーナ「うん。いいよ・・・お兄ちゃんのお世話になってる人だもんね」
エレン「おう、頼むぞ」
いつもごめんな。俺のことなのに迷惑ばっかり掛けて・・・
ミーナ『おにいちゃーん!』
エレン「ん、はいはい。どうしたー?」
風呂場から俺を呼ぶ声が聞こえる
ミーナ『どうしよー!』
エレン「ん?今から行くから待ってろ」
困っているご様子
リコさんが何かやらかしたのか?
ミーナ「リコさん寝ちゃったよ」
つくづく面倒な人だ
エレン「そうか・・・というか、なんでお風呂でお前はタオルなんて巻いてるんだ?リコさんは流石に他人だから分かるが」
ミーナ「さすがにお兄ちゃんに見られるの恥ずかしいから・・・」
もじもじとさせてるから察するに・・・
寒いのか?
湯冷めは気をつけたほうがいいからな
エレン「なんだよ・・・2年前までは、いつも一緒に入ってたじゃないか?」
ミーナ「そ、そんなことよりリコさんをベッドに運ぼうよ!」
エレン「ん、じゃあ俺は脱衣所出てるから着替えさせておいてくれ」
俗に言う『お姫さまだっこ』という持ち方なのだが・・・
俺が思うにこれが一番のイチャイチャ抱っこだと思っていた。
けど違う。これ以上に、おんぶや肩車はいやらしい抱っこだから・・・
つまり、お姫さまだっこ以上にいやらしくない抱っこは無いと思う
エレン「リコさん軽いな・・・」
まあ身長相応といったら良いだろう
リコさんは見た目は本当に俺より年下ととっても見分けつかない程だからな・・・
ミーナ「私からしたら重いよ」
エレン「あっ、リコさんはミーナのベッドでいいか?さすがに男のベッドで寝させるのはまずいしな・・・」
ミーナ「で、でも今日は」
エレン「一緒に寝ればいいことだろ」
ミーナ「うん・・・」
エレン「ミーナの布団ならリコさん1人くらいちょうどいいよな・・・」
ミーナ「私はお兄ちゃんのほうで一緒に寝るの!?」
エレン「当たり前だろうが。どうしたんだよ?」
ミーナ「そ、そんなそんな・・・てっきり私とリコさんで寝るかと・・・・でもお兄ちゃんがそういうのなら私はお兄ちゃんに従うよ。だってお兄ちゃんがそうしたいって言うんだもん・・・・お兄ちゃんが望むのなら私は」
エレン「・・・あっ。・・・・・・・その、無理強いだったよな。いくら俺が兄だからってそういうのは良くないよな。嫌だったら俺はリビングのソファで寝てもいいから・・あはは・・」
ミーナ「ふぇ・・・うぅん!!嫌じゃないよ・・・一緒に寝ようよ」
リコ「なんだ?エレンと妹はそういう関係か?」
俺の腕の中から急に頭をピョコっと出した
まだ目は眠気まなこで半開き
鎖骨あたりが服が乱れ肌を覗かせている
いくら酒に溺れていたからって、そうのはしっかりしてほしい
一応、教育者という立場であるのだから
エレン「うわっ・・・起きてたのかよ」
リコ「いつもいつも反応が最低だな。私は風呂に入って少し寝たら酔いが冷めたのだ」
前に都市伝説的な噂で、お酒を飲んだ後、お風呂に入るとアルコールが抜けるというどうも信じ難いことを聞いたことがあるのだが・・・
実際に目の前で起きているのだから、これは事実として捉えて良いのだろうか
それとも『そういう結果もある』ということでいいのか
よくケアものの薬用物品のCMなどで、斜め下に小さく『※個人差があります』と書いてあるが、これもその類だろう
リコさんはアルコールが抜けやすい体質であったというのが結論であろう
ただしそれまでの過程を結論へ結び付ける根拠は無いと、後書きも入れておこう
エレン「どうする?うちに泊まっていくか?」
リコ「当然だ。この私が飲酒運転などするわけなかろうが!」
よし。もう正常な判断を下せているようだ
エレン「そういえば車は?」
リコ「学校に置いたままだ」
エレン「そうか」
リコ「そういえば、私はこれから寝床へつくのか?」
まだ寝たくないということか?
エレン「リビングでまだゆっくりしていく?」
リコ「いいや、私はもう眠たい」
なんだ、俺達に気を使い、まだ何かをするのか確認を取りたかっただけなのか
エレン「じゃあ自分で歩いて、妹の部屋まで行ってくれ。2階行ったらすぐ目の前に扉が2つある。そして、その扉に【みーな】という札があるから、そっちに入ってくれ」
リコ「覚えるのめんどい。もう忘れたわ」
束になっていた縄も、もうそろそろ1つの糸になりそうだ
そんな何度も何度もナイフで俺の怒りを抑える縄を傷付けないでくれよ
俺ももう限界なんだ
あんのクソ教師のせいで・・・
いかんいかん。クソ教師じゃないな・・・ペトラ先生だ
エレン「いくらリコさんだからって、怒るぞ・・・?」
リコ「このまま運んでくれないか?いいだろ、エレンの筋肉なら私を運ぶくらい蚊を潰すことくらい簡単なことだ」
エレン「蚊を潰すことは結構めんどうな行為だと思うがな・・・」
リコ「良いではないか・・・・エレンを頼ってみたいのだ・・・」
エレン「はいはい・・・・。つまりは歩くのが面倒だと言うことなんだな。分かりましたー。運べばいいんですねー。運べばー」
リコ「よし、行け!このままカリブ海へと旅に出たいくらいだ!」
エレン「突然壮大な話になったな。俺が連れていくのはベッドまでだ」
リコ「ははは、いやらしい感じに聞こえくるぞ」
エレン「大丈夫だ。俺は微塵もリコさんを襲おうなんて考えてないからな」
教師に欲情する生徒なんて・・・どこのエロゲや同人誌の主人公だよ。馬鹿じゃねえの?
妹が隣にいるのにそういうのは本当に控えて欲しい
リコ「それは・・・私とて少しは傷付くぞ・・。微塵もなんて言うでない・・・・『少し』に変更を求める」
エレン「はぁ・・・眠たいんでしょう?寝ましょうよ・・・」
少し弱気に見えるリコさんをスルーしたのは俺にそんな余裕はなかったからだ
俺は気付いていた。リコさんが人に頼る姿なんて見たことないから・・・・
だから俺は少し狂気に満ちた驚きを感じていた
狂気といっても比喩表現
1つの例を出すとすると『幽霊』の存在だ
人が恐怖に感じるのは見たことが無いものに不安を感じるからと言われている
実際に見たことがないから恐怖に感じる
一度見たものには人は耐性をつけていく
初めて猫に噛まれると想定しよう
初めはどのくらいの痛みを感じるのか分からなく不安に満たされる
けど、一度噛まれてしまえば、もう怖くはないだろう?
だって限度を知っているから
話は少しずれてしまったが、俺が言いたいのは、その恐怖に対する人間の深層心理だ
リコさんの初めての姿に恐怖を感じていたということに言い換えた方が正しいといえよう
リコ「やっと敬語になったな」
エレン「なんか下手に出ればリコさんも反抗しないかと思いまして・・・」
いつもの処方だ
ミーナ「お兄ちゃん・・いつまで立ち止まってるの?」
リコ「おっ・・・妹か。お前の名前はなんていうのだったか?」
ミーナ「ミーナです」
リコ「ほう・・・さて、ミーナはエレンと何回ほど身を寄せ合った夜を?」
エレン「それは数え切れないほどありますが」
リコ「ほうほう」
大変興味深そうに頷く
ミーナ「一回もありません!」
なぜ?としか頭には浮かばない
エレン「えっ・・・・小さい頃は毎日一緒に寝てたじゃないか。最近だって一緒に寝ようって・・」
ミーナ「お、お兄ちゃんは分からなくていいことだから触れないで」
焦るミーナの姿に対し、何も理解出来ない俺が本当に悔しい
自分の思考が間に合わないということは、なんとも残尿感のある少しもやもやが残る
リコ「楽しい家族だな」
エレン「ありがとうございます・・・って、俺も流石に筋肉が悲鳴をあげてきました・・だから、もう部屋に連れていきますね・・・・」
一応軽いと言っても、人間相応
俺も無敵超人というわけではない
体力もスタミナもMPもある
使ったら消費されるのは当たり前
MP?えっ・・・ミーナポイントだけど?
リコ「よし、行け!このまま大人の世界へと旅に出たいくらいだ!」
エレン「大人の世界・・・?アニメやゲームの話か?」
また理解し得ない言葉が・・・
さすがリコさん・・俺の知らない言葉を知っているなんて・・・
これが人生経験の差というものだろうか
ミーナ「リコさんは少し口を慎みましょう」
ミーナの笑顔が歪んで見えたのは幻覚だろうか
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー
俺のちょうど鎖骨の辺りに鼻の先があたっている
息が吹きかかって少しこしょばゆい
両手が俺の背中に回され、まるで抱き着かれているような体勢
いや、抱き着かれているのが事実なのか
エレン「なんか悪いな・・・って、そんな寒いのか・・?ごめんな、俺の布団冷たくて」
いくら夏本番が近付いているからって、夜はまだ少し冷える時期
当然、影響を受け、ホットな電気布団ではない俺の布団は少しばかりか冷えている
ミーナ「うん・・布団が冷たい・・・・。だからお兄ちゃん抱き着かせてね・・・」
より強く抱き締めくる・・・
頬が紅くなって見えるのは気のせいだろう
エレン「お前は小さい頃から変わらないな・・・」
ミーナ「・・・・体だって成長しているんだからね・・」
エレン「寒いからって無闇に人に抱き着くもんじゃないぞ」
ミーナ「・・・・・」
エレン「もしかして、友達とかにもこんなことしてるんじゃないだろうな?迷惑になるからな・・・・確認してからに
ミーナ「お兄ちゃん!」
エレン「ん、なんだ・・・?」
ミーナ「私がこんなことするのお兄ちゃんだけだよ・・・」
エレン「そ、そうなのか・・?・・それは・・・少し嬉しい・・・・・かもな・・・」
少し・・・・少しだけだぞ!?
胸が高まってしまった・・・妹になんて事を期待してしまったのか・・
とりあえず反省しよう
ミーナ「もうー、お兄ちゃん可愛いなぁ」
エレン「えっ!?」
ミーナ「あっ!噛んじゃった!お兄ちゃんと川行きたいなって言いたかったの!」
エレン「・・・・?そうか?・・・じゃ今年の夏は川遊びと温泉で決まりだな」
なんだ、そういうことか
でもなんでそんなことで、ミーナは慌てた素振りを見せるんだ?
ミーナ「お兄ちゃんがバカで良かったなんて、初めて思えたよ・・・ごめんね」
エレン「ミーナ。話すなら、面を向かって話せ。何を言ってるか聞こえなかっただろ・・・?」
俺は目を見て話さないのがとても嫌だ
やましい気持ちでもあるのか疑ってしまうから
ミーナ「ごめ・・・ん!?」
何かに気付き驚きの表情を見せている
エレン「どうした・・・?」
ミーナ「お兄ちゃんって部屋にヌイグルミとか置く人だっけ?」
エレン「俺も立派な男であり歳も相応だ。つまりヌイグルミは置いていないぞ」
ミーナ「今気付いたんだけど、お兄ちゃんの後ろ・・・なんか膨らんで・・」
そういえば先程から何か違和感を感じてはいた
だけど、ミーナに夢中であったから気に止まる程のことではなかった
この言い方だと俺がミーナに下心を持っているように思われるな・・・
俺はミーナにしか意識を寄せていなかったということにしておこう
そのせいで他の事が厳かになっしまった。そういうことだ
エレン「・・・・本当だな。なんだろうな?」
ミーナ「幽霊とかだったらどうしよう・・・」
より一層、俺のことをギュゥと強く抱き締めてくる
あはは。ミーナも力が強くなったな
あばら骨が軋む音・・・・。腕の物凄い力で押し付けてきて・・・なんとも・・苦しい・・・
エレン「ははっ、守ってやるから安心しろ。だから、少し腕の力を抜いてくれ・・・・」
ミーナ「あ、あぁ!ごめん・・・」
エレン「じゃあ捲るからな・・・」
バサッ
リコ「うぅ・・・寒いぞ・・・・布団を剥ぐな」
ミーナ「・・・・・・」
エレン「・・・・・・」
えっと・・なんだ。この真っ白な生物は?
カブト虫の幼虫か?
ああ、リコさんか
リコ「なかなかの家族愛だな!」
さっきあんだけ寝ろと言ったのに、おい
ミーナ「・・・あ、あっ・・はわ・・わ・・・プシュー・・」
真っ赤に顔を染めたかと思いきや、ショートしちまった・・
確かにこういうことは家族間でも恥ずかしいことなのかもな・・・
それを他人に見られたとなれば羞恥でオーバーヒートしてしまうのは当たり前か
俺は別にどうとも思わないがな
俺のミーナへの家族愛というものは恥ずかしいとは思ってないからな
寧ろ、恥ずかしさを見せることがミーナへの失礼極まりない行為だと思うから
リコ「面白いものを見させ痛っ!エレッ!やめっ・・やめっ!私の頭は太鼓じゃなッ痛い!」
エレン「バカ!このバカ教師!勝手に布団に入ってくるな」
こんなこと他へ情報が漏れたらどうする
そもそも男子生徒の家に、血の関係もない女性教師が泊まっていること自体、問題であることなのだぞ
そして、同じベッドで寝ただ?俺の退学、またはリコさんの停職の可能性は出てくるぞ
そして、その張本人がリコさんだ。
なんでもかんでも口を滑らせて言ってしまう人種だ
早急に何とかしなければ・・・
リコ「なら『入る』と言ってから入れば良かったのか?」
エレン「普通に許さない」
リコ「私は独身なんだ」
エレン「尚更ダメだ」
リコ「私だって寂しい気持ちだってあるんだぞ・・・私の話相手はエレンかペトラしかいないのだ・・」
エレン「え・・・えっと・・・・・・」
なんで、そんな寂しい顔しながら、悲しい話を・・・
それも人間関係の虚しい話とな?
もう・・・そんな顔されて言われたら、胸が苦しい・・
そして、そんなリコさんの気持ちを考えると涙が出てきそうだ・・・
エレン「・・・・はぁ・・・なんで俺の弱いとこついてくるんですか・・」
リコ「こういうお泊り的なのも初めてなんだ。いいだろ・・・?一緒に寝るくらいなら・・」
まぁ・・・もういっか・・
このまま拒否り続けたって、折れないことくらい俺は知ってるし
リコさんは妙に自分の意見を曲げないから・・・それ故の、この自由な性格だからな
エレン「もう勝手にしてください・・・」
リコ「うむ。それでこそエレンだぞ」
エレン「リコさんに俺の何が分かるっていうんですか・・」
リコ「そうだな。頭の先から足のつま先までアラユルことを分かりたい」
エレン「すみません。やっぱ出て行ってくださいませんか?」
『分かりたい』とは未来形か・・・
ああ。卑猥に聞こえるが・・・
リコさんはそんな人間ではないし、多分弱味でも握たいのだろう
リコ「そう、固いことを言うなって!もう保健室の出入りを禁止するぞ?」
エレン「喜んでリコさんと寝させてもらいます」
俺のベストプレイスが奪われるくらいなら、リコさんと寝るくらい安いもんだ
ミーナ「お兄ちゃん・・・じゃあ、私は自分の部屋に戻ろうかな・・?邪魔だよね・・・」
エレン「・・・・・行っちゃうのか・・・?」
この状況でミーナが居なくなってしまったら、俺がこの場で何もしなかったという証拠を言ってくれる人がいなくなるじゃないか
それにミーナがいなきゃ、俺はただリコさんと一夜を2人で過ごしたという事実が残るだけで・・・その!なんていうか!
とにかく、いろいろまずいんだよ!
ミーナ「えへへ・・そこまで言うのなら一緒に寝てあげてもいいよ」
エレン「えっ・・・そこまで言ってはないけど・・」
ミーナ「お兄ちゃんのばーか・・・」
リコ「ふふっ・・・可愛いじゃないか。エレンの妹も・・」
エレン「は?俺なんか間違えたか・・・?」
ミーナ「お兄ちゃん早く寝るよ!」
エレン「お、おう」
ミーナ「おやすみ・・」
エレン「おやすみ。ミーナ・・・」
ミーナ「うん・・・・お兄ちゃん・・」
リコ「私には無いのか?」
エレン「おやすみなさい、リコさん」
リコ「ははっ、おやすみなんて言われるの何年ぶりかな・・」
エレン「なんなら毎日言ってあげましょうか?」
リコ「むっ・・・それは・・プロポ」
エレン「メアド教えてくれればな」
リコ「だよな。エレンだもんな・・・そうだよな・・。期待はしてみたものの・・・まぁ別に私はエレンとはただの愚痴相手としか思ってないしな・・・ただ結婚したら楽な人生を過ごせそうだから、そういう期待をしていたわけだし。私は人生をどうすれば楽に過ごせるかで生きがいを感じているのか・・・・なんだ、虚しいじゃないか・・・」
エレン「お経?ぼそぼそ何を言って・・・」
リコ「エレンは私に興味があるか?」
エレン「そりゃ十二分に」
リコ「そうかそうか・・・んじゃおやすみ」
エレン「なんだよ、それ・・・」
こういう場面って眠れないのが普通だろう
だが俺はすんなり寝れた
快眠とは、気持ちよく眠ること。また心地よい眠り
俺はリコさんといることを心地良いと感じていたのか
朝起きてリコさんの寝ている姿を見ても、安眠そのものであった・・・
リコさんもそう感じているのだろう
なんて自己評価し過ぎか・・・
でも、そうであってほしい・・
もし・・・そうであったら俺は心からこの上なく嬉しい
信頼し合える関係であるから、愚痴り合える関係でもある
俺はこの人を家族同然とも思えるくらい・・・
それはまさに管鮑之交といえる程だろう
今回ここまでです
今回のは伏線回ということで捉えていただいて構いません
読んでいただき、ありがとうございます
なんかトリで事故が起こりまして
変えますね
まさか好きなキャラの名前と誕生日入れたら、他人とかぶるなんて思いもしませんでしたので・・・
本当にどうでもいいことなんですが、申し訳ありません
また変えさせてもらいます
リコさんとのお泊り会を終えたからって、俺とリコさんは関係は変わる見込みはない
変わったといえば、ミーナがリコさんに対して少し厳しい部分があるのみ
リコさんから電話来たら、聞き耳を立てて俺の会話を聞く始末
ミーナはどうやらリコさんを『危険生物』として見ているらしい
昨日なんか、ミーナから「リコさんから変なことされたら、すぐに私に言ってね!警察の知り合いがいるからさ」と言われました
俺の心配し過ぎのことについてより、なんで警察の知り合いがいるのが気になってしまった俺がいる
そんなお泊り会があってから、幾つの太陽と月が空に昇るのを見ただろうか
学校生活での時間は過ぎ行くのが早い
そういえば梅雨は雨多くて萎えたな・・・
部屋はジメジメするし、洗濯物は乾きにくいし
全く嫌な時期であった
そして・・・あと1週間すれば夏休み・・
その1週間がとても長く感じる・・・
あと3日で土曜日という水曜日に感じる独特の萎えムードと同じだ
リコ「ほら、顔をこっちに突き出せ」
ピリピリと絆創膏の剥離紙を剥がし、リコさんは両手を俺の顔に添えて近付けてくる
エレン「はーい・・」
俺はというと、猫を助けようとした結果怪我を負うという、なんとも平凡で情けない失態をおかしてしまったわけなんだが・・・
萎えるを身を持って体感している真っ最中
リコ「ん、よし・・・鼻の上を怪我するとは・・どこぞのゲームの主人公なのだ?この世はサルで溢れかえってないぞ」
空気が入らないように、ぴたっと貼り付け、語り出したリコさん
あのリコさんがゲームの話とは、これまた珍しい・・・。したことがあるんだな
エレン「懐かしいな・・・。でもサルの知性は高いからな。実際にそんなピークポイントヘルメットの発明がされたら、いつか会話が出来るようになるかもな。だがそんなサルの知性と憎悪心を活性化させる機械など発明されるとは考えられないがな」
リコ「いや分からんぞ?それに言語能力、思考力、創造性、推理力といったあたりの定義ならサルは人間に次いで高いらしいからな」
エレン「もしかしたら、いつかスペクターみたいなサルが世界を征する時がくるかもな・・・。でもその頃には逆に人間もゲットアミ以上の捕獲兵器を発明させているだろうな」
リコ「いや、それはないぞ?そんなサルが現れるなんて世の中のエンジニア達は考えもしないからな。だから発明以前の問題となるだろう」
エレン「そうか・・・。ピークポイントヘルメットの発明の可能性はあるが捕獲兵器の発明は皆無ということか」
リコ「なあ・・私達は何をゲームの空想話で盛り上がっているのだ・・・」
別にこの会話は楽しいと思ったのだがな
動物の知性向上の話は男の俺としてはかなり興味がある
イルカの脳の構造や会話能力、カラスの記憶力の高さなど俺はとても好きなのだ
エレン「そうだな・・・」
少しがっかりだな・・・
リコさんも動物の話はそこまで好きじゃないらしい・・
珍しい動物を探す的な番組も俺は大好きなわけで・・・
これが、男と女の興味の違いだろうか
リコ「そういえば、お前はなんでここに・・・」
アルミン「エアコン涼しいねー・・」
アニ「そうだね・・・」
リコ「こんなに人を連れてくるんだよ・・」
保健室に俺以外の多数が来たことに少し気を立てているようだ
アニもアルミンもエアコンの前の椅子に座り込み、冷気を全身で受け止めている
エレン「怪我をしたから・・」
リコ「なんだ小学生特有の連れションか!?女子か?女子なのか!?」
俺が『怪我をしたから、連いてきて』と頼んだと言いたいのか?
さすがにそれは勘違いも度が過ぎる
そんなどうでもいいことを、わざわざ友人達に頼んだりしないぞ
エレン「連れションは小学生に限らないと思うが」
リコ「そんなことどうだっていい」
エレン「あいつらは俺が保健室行くって言ったら勝手に連いてきただけだ」
残念。俺はあいつらにそう伝えただけなんだな
そうしたら、ぞろぞろと・・・
考え直してみたら、
こういうのも連れションと同じ類だろうか
アルミン「やっぱ迷惑だったかな・・・」
俺らの会話に割り込むように、アルミンが口論に口を挟んできた
エレン「何を言ってるんだ・・・迷惑なわけないだろ」
リコ「学年首席よ。私は迷惑している」
何に迷惑しているんだ?
待て。考えるから少し時間をくれ
アルミン「ご、ごめんなさい・・・」
エレン「なんでだよ・・・?」
リコ「エレンとぶっちゃけ会話が出来ないではないか」
エレン「アルミンもアニもゆっくりしていっていいぞ」
俺はリコさんのストレス発散相手じゃねえよ・・・
いつもの愚痴は俺にしか言ってないのか!?
クソきょ・・じゃない、ペトラ先生はどうした?そいつは別なのか?
そして、あわよくば今日もその話をするつもりであったのか?
アニ「言われなくても」
アルミン「う、うん・・・」
リコ「エレン・・・き、きさまっ!」
これはリコさんが悪いんだからな?
天然で言ったとしてたら、それはそれで悪質だからな
まぁめんどくなりそうだし、話題を変えるか
リコさん怒ると職権乱用上等になるからな
この前なんか、授業中にも関わらず校内放送で保健室に呼び出して半日公欠させられたからな
永遠と刈り上げ野郎とかいう人の陰口を聞かされたな・・・
エレン「あれ?リコさん右のほっぺたのそれは何だ・・・?」
リコ「ほえ・・・何が?どこだ?」
必死で右の頬を見ようと、黒目が右に必死に寄っている
見える筈がないのに・・・こういう天然なとこは本当に可愛・・・バカだと思う
エレン「もう少し右だ、右」
言われるがままに指で頬を撫でるように触る
リコ「わかった・・・この辺か?」
ちょっと難しい感じにしてみるか
エレン「もう少し右斜め下35度とこ・・」
リコ「んんっ?・・・右斜め下とな・・?」
エレン「逆だ。俺から見て右」
リコ「もう!紛らわしいぞ!エレンが取ってくれ」
ついに吹っ切れたか・・
エレン「仕方ないな・・・」
リコ「誠に不本意だが頼む」
エレン「ほいっ・・・」
ぷにっと頬に人差し指を突き立てる
リコ「なっ・・!」
それはマシュマロのごとく、ふわふわで・・・指が1,5cm程沈んだ
包装材のプチプチを潰すように、むにむにと何度も何度も突っつく
エレン「ははは、実際は何もついてませんでした」
繰り返していくたびに、リコさんの顔もプルプルし始め、怒る前兆を見せている
リコ「エレン・・・・・お前なぁ・・・!」
まあ、怒ることくらい読めてたけどさ・・
暇だったから、リコさんいじって遊ぼうかと思ったら、すでに堪忍袋の緒が切れそうな状態になってしまったわけだが
にしても・・・
エレン「リコさんの肌は真っ白で綺麗だな」
リコさん相手じゃなきゃ、ある意味これはセクハラだな
リコ「ん?そうか・・・?私は女性特有の肌のお手入れということをしたことないのだが」
リコさんくらいの歳になると肌のお手入れは欠かさずやらないと、荒れたりするんじゃないか?
にも関わらず、これほどの肌の良さとは・・・
エレン「へぇ・・・。肌のお手入れなんか、どうでもいいのか?」
リコ「当たり前だろ。肌のお手入れで得するものは何がある?無駄であろう」
多少、分かりきっていた反応
エレン「何もしなくて、そんな綺麗なんてな・・・ニキビのある女子からしたら喧嘩を売ってるような言葉であるがな」
アルミン『えっ・・・・ア、アニ・・・?どうしたの?寒いの・・?貧乏ゆすりが凄く激しいよ・・・』
アニ『気にしなくて・・・ッチ・・』
リコ「そろそろ触るのは止めてくれないか・・・?くすぐったいのだが・・」
無限プチプチのように、むにむにし続けていたいほど、リコさんの頬は柔らかく病みつきになる程であった
リコさんの少し恥ずかしがっている姿が道端で鹿の家族連れを見るくらいに珍しい
なんか程度の分からん例えだな
簡単に言うとな、リコさんのそんな姿はなんとも・・まぁ・・・アレだな・・・・アレ・・・
見慣れないから・・・少し動揺するじゃないか・・
つまりは俺は鹿の家族を見つけたら、動揺するとも言いたかった
いらん説明であったと自分でも反省する
エレン「・・・あ、あぁ・・」
俺は触れていた指を離した
リコ「時にエレンよ」
キリッと眉毛をあげ、見つめてくる
いつもこんな真面目な顔をしていれば、いつなんどき教師であると思えるのにな
エレン「なんだ?」
リコ「そろそろ、お前も部活などしてみたらどうだ?その・・・・・生徒会とか・・」
自然の流れで『生徒会』という強大な組織に誘ってきた
エレン「いきなり過ぎるし、ぼっちの俺には無理なことだし、生徒会は部活じゃない気がするぞ」
リコ「その・・・な。うちの学校の生徒会の現状はお前も知っているだろう?」
エレン「えっ・・・まあな。受験シーズンで生徒会役員は全く働かず、先生達で全てのやりくりをしているんだろ?」
リコ「なら察しろ」
ああ。ある程度、話しながら少しずつ察してきてたよ
エレン「ほぼ仕事のないリコさんにその仕事が回ってくるのは時間の問題。本音としては面倒だし、このままのんびりと保健室で過ごしていたい・・・・こんなとこか?」
~アルミンとアニは・・・~
エレン「アルミンもアニもゆっくりしていっていいぞ」
アニ「言われなくても」
アルミン「う、うん・・・」
アニ「それはそうと・・・アルミン」
アルミン「なに?」
アニ「アルミンは何もしてなかったの?」
アルミン「ん?どういうことかい」
アニ「部活は何をしてたんだい・・?」
アルミン「してないよ。入学当時は色々と部活の勧誘はたくさんきたけど、自分に合うのが分からないというか・・・自分のしたかったのがなくてね・・」
アニ「そう・・・因みに私は勧誘なんて1つたりともこなかった」
アルミン「そ、そうなんだ・・・」
アニ「でも私もたとえ勧誘がきていたとしても、何も入らなかったと思う・・・」
アルミン「中学は何部だったの・・?」
アニ「ガソリンスタンドでバイト・・」
アルミン「いや・・・何をしていたか聞いたんじゃなくて・・部活は何をしていたのかなって」
アニ「・・・・・・・・・帰宅部・・」
アルミン「そうなんだ。・・・・あっ・・」
アニ「油を売っていたっていう・・・私なりのボケだったんだけど・・」
アルミン「あ、あははは・・・そうだよね」
アニ「実際にバイトなんてしてない。勘違いしないでよ・・・」
アルミン「わかってるよ」
『ん?そうか・・・私は女性特有の肌のお手入れということをしたことないのだが』
アニ「・・・・・・ピクッ」
アルミン「ん・・・どうしたんだい・・アニ?」
『当たり前だろ。肌のお手入れで得するものは何がある?無駄であろう』
アニ「・・・・・・ッチ・・・」
アルミン「えっ・・・・ア、アニ・・・?どうしたの?寒いの・・?貧乏ゆすりが凄く激しいよ・・・」
アニ「き、気にしなくて・・・チッ・・いいから・・・」
アルミン「あ、あぁ・・・エレンと先生の会話ね・・」
アニ「リコ先生が妬ましい・・・」
アルミン「そ、そんなこと・・・アニも十分に肌は綺麗だと思うよ」
アニ「そう・・・。・・・・・・ありがと・・」
~戻る~
リコ「本音まで察するな」
エレン「どうせ図星なんだろ?」
「うぐっ」と如何にも明確に本心を突かれたことに反応を見せる
俺はリコさんのことならすぐに分かるんだからな
リコ「そうだが!悪いか・・・?」
開き直ってる・・・。機嫌悪いのが見て取れる
早くこの話は終わらせたい
俺の面倒センサーが敏感にそう感じ取っている
エレン「いや、別にリコさんらしくて良いんじゃないか?俺だったら、リコさんと同じこと言っていたと思うし・・・」
アルミン「ね!聞こえたんだけど、エレンは生徒会に入るのかい?」
ひょこっと首を突っ込んで話に割って入ってきた色素の薄い髪をした優等生
夏の熱にやられたせいか頬を赤くしながら顔だけこちらに向けている冷血委員長
冷えピタでも与えた方がいいか?
リコ「いや、反応から察するにエレンは入る気はないな」
エレン「リコさん・・・何を勝手に決めつけているんだよ!俺が答えてもないのにそんなこと言うなよ」
俺は考えを悟られるのは好きじゃない
大変気分が悪い
自分のことが筒抜けなんて気持ち悪いにも程がある
自分は先読みをするほうだから
あれだな。サディストとマゾフィストの関係と同じだ
サディストとサディストが一緒にいたって不毛
それはマゾフィストとて同じこと
ドSがドSを虐めたって、虐められる方は気分が悪いだろ?
ドMがドMを虐めたって、虐める方は気分が悪い
それは俺も同じで・・・嫌なんだよ
アルミン「え、もしかして?」
リコ「おお、なら入ってくれるのか!?」
エレン「入らないぞ。めんどくさい」
リコ「この馬鹿者め!私の気持ちを高ぶらせておいて、それはないぞ」
エレン「別に俺は一言も入るなんて言ってないぞ。何を期待したのか理解不能だな。そもそもなんで1年の俺を誘うんだよ。2年の先輩方を頼れ」
リコ「私にはこうやって話せる相手は
エレン「ごめんな。そうか・・・そうだったよな」
気まずくなるから聞いちゃまずかったな
今回のことは本当に反省だ
これは結構ナイーブな問題だから俺とて、こらは悲しいから
最後ミス、
こらは悲しいから
↓
これは悲しいから
アニ「入ってやんなよ。リコ先生困っているんだろ?」
腕を組み、如何にも偉そうな格好でリコさんのフォローへ回った
それに合わせるように「うんうん」とリコさんも首を上下にし、利害の一致を求めた
エレン「そんな他人事だと思って・・・」
人間は人事ならこんな事簡単に擦り付けれるからな
人間のそういう思考は本当にずるい・・
リコ「アニも入ったらどうだ?」
目線を変え、アニにも勧誘したリコさん
少しも動揺をせず即答する
アニ「入らないね。めんどくさいし・・・」
エレン「俺と同じ断り方してんじゃねえよ」
アニ「私はあんたと違って忙しいんだよ・・・休息中に意識を無くさせ休まして身体を癒したり、文字を読み取り脳内で想像する歓楽的な行為をしたり・・・」
おい・・・、よくよく考えたら!
エレン「お前な・・・ただ眠って、本読んでだけじゃねえか」
アニ「そうさ。何が悪いって言うんだい?趣味を馬鹿にされたくないね」
エレン「それなら俺だって・・・」
アニ「俺だって?」
あー・・・・うん・・・
・・・俺だってなー・・そりゃあ・・・・・あれだな・・
エレン「えと・・・その・・・・彼女と会話したりメールしたり・・あと世界平和の為に計画を練ったり・・・・地球温暖化の原因を探ったり・・お菓子を作ったり・・・」
アニ「嘘でしょ」
じとーっとしたその目で俺を見詰めてくる
まるで嘘を見透かされたような目だった
その通りなんだがな。何が『まるで』だよ・・・
エレン「ああ!そうだよ、嘘だよ!!全部嘘だよ!俺には趣味なんてないんだよ!暇があれば掃除しかすることのない人間なんだよ!」
リコ「喧嘩をやめろ!とにかく話を収束させるぞ」
リコさんが声をあげて、俺とアニの口論を止めた
少しありがたい
止めてもらわなきゃ俺はこのまま気が動転して、アニに何を言うか分からないからな
エレン「あぁ・・・。そうだな・・リコさんの為なら生徒会に入ってやる・・・」
リコ「む?妙にすんなりしてるな」
エレン「どうせ、また保健室への出入り禁止で脅して無理矢理入れさせるんだろ?」
リコ「さすがエレンだな。結果を読み解く力と瞬時の判断能力はお前は本当に優れているな」
褒められているのだが何か腑に落ちない
エレン「そんな性格をしているリコさんの脳内が読まれやすいだけだ」
リコ「ば、ばかにするな!ばかばかっ!ばーか」
ばかばか言って・・・
俺の立場からすればリコさんは俺以上のばかだと思うんだがな
まあ逆にリコさんは、俺がリコさんを思っているように、思っているのだろう
あれ日本語あってるよな・・・日本語って難しいな・・
エレン「そうですよー、俺はリコさんと同じ馬鹿者なんですよー」
リコ「覚えてろよ!生徒会の仕事を死ぬ程与えてやるからな!」
エレン「あー、生徒会は夏休み後で頼むな」
リコ「ふん・・・じゃあ夏休み明けは覚えとけよ!」
本当に覚えてればの話だがな
夏休み明けでは、さすがに俺でも忘れるかもな
リコ「私は絶対に忘れないからな!苦しめてやる!」
なんて聞こえてきたが気のせいだろう
まさか、あんな優しいリコさんがそんなきつい事押し付けてこないだろ
きっと聞き間違いだって
えっ・・・別に現実逃避とかしてないぞ?
今は別にいいかなって思ってるだけ
今日はもうそんなこと忘れたい
そんな気分なだけ・・・・
エレン「それじゃ俺は用事があるんで、ここで帰るからな」
そう言い残し、俺は保健室を去っていった
今回ここまで
トリの件は本当に申し訳ありません
テストしてからのほうが良かったですね
あと、読んでいただいた方ありがとうございました
良かった
アニはエレンに恋愛感情があるの?
アルアニなの?エレアニなの?エレミナなの?
というわけで解明はよ!!
人は何の為に『仕事』をするのか
お金が欲しい
そう答えるものもいるだろう
ましてや、仕事場での『出会い』を求めて、その職に就くという人もいるだろう
仕事内容はさまざまであり、仕事を何の為にするか?ということも、さまざまだ
仕事をすることで身に付く目に見えない資格というものがあるんだ
仕事をする上でよい成績を残そうということで、自分自身の能力が磨かれるだろう
人と切磋琢磨し合える場でもある
仕事に賭けている人間ならば、同僚は頑張っている。
なら、自分も努力せねば!という考えにいたるだろう
そして自分の努力の成果が、世の中に対して優れた成績を残すことができる
仕事内容によっては、新商品の発売や経済の景気上昇、上手くいけば特許の取得まで出来ることもある
結果自分には身に付くものがある。
仕事での困難を仲間と一緒に解決することや、一人の人間として『成長』していくことができる
まあ簡単に言えば『綺麗事のまとめ』と言っても妥当であろう
そう感じる人もいるだろう
仕事は仕方無くやっているという人間もいるからだ
敢えて言おう、俺はそんなこと語ってみたが、やはり『お金のため』であると
まさかこの流れからして、俺は『社会のために』と思って語ったと思ったか?
残念
俺は現実に忠実であるからな
だから・・・・
こんな小さなお店で学校が終わり用事として一人頑張ったって、この店の景気が良くなるとは皆無であるから
エレン「いらっしゃい」
「おい、元気がないぞ」
エレン「なんで俺が接客なんですか!ぼっちの俺からしたら、笑顔で他人と対話なんて、俺が恋愛をすることより難しいぞ」
「そんなお前のプライベートなんて知るか!というか途中からタメ口になってんぞ」
腕をムチのようにして、俺の頭を靭やかに殴ってきた
ハリセンで叩いたかのように、綺麗にパァン!!という音が響く
エレン「痛っ!す、すみません・・・ユミル先輩」
ユミル「『ユミル先輩』じゃない!『店長代理』だ」
自分で店長代理と名乗り怒鳴りつけてくるこの人はユミル先輩
一応、俺の通う学校の2つ上の先輩である
女性でありながら体格がよく、なかなかの筋力の持ち主
って、これは女性の紹介として最低な紹介文だな
でも、言えるのが本当に『男勝り』の一言に尽きる
エレン「『店長代理』とか長えよ!馬鹿じゃねえの?」
ユミル「お前はドMなのか?そんなに私に殴られたいのか?殴られる暇があるなら、お客様に笑顔を振りまいとけ」
仕方ない・・・誠意だけは見せてやるか
エレン「ど、どうですか!」
精一杯の笑顔を見せる
擬音語としては『ニゴッ』ってのがピッタリである
ユミル「その眼鏡は伊達なのか?お客様は、お前の微妙なその笑顔を見て怖がっているんだぞ。それが見えてないなら、眼鏡を買ったお店にでも訴えて来い!」
眼鏡の着用
この前のゴミ・・・いやペトラ先生の反応から察するに、俺は眼鏡を装着すると別人というか・・・真面目に見えるらしい
そして、あとは前髪を真ん中分けから、ごちゃごちゃした感じにすれば・・・
あら不思議。ただのガリ勉の完成だ
大丈夫・・・ミーナには確認がとれている
『お兄ちゃん・・・・だよね・・?』と何年も一緒に暮らしていた愛妹に疑われたくらいだからな
正直気付かれちゃダメなんだが、気付くなら完璧に気付いて欲しかった・・
まあ一応、俺は変な意味で有名人なわけだ
俺がこんなとこで働いていたら、店側にも迷惑だ
なんとなく察しれるだろ?
エレン「なら笑顔はいらないですね。ユミル先輩の言ってることは二度手間ですよ?馬鹿じゃないですか?あははっ!」
ユミル「なんで私を馬鹿にする時はそんな抜群な笑顔なんだよ。あと私は店長代理だ」
エレン「残念。情報不足ですよ。ユミル先輩以外でも、俺は人を馬鹿にする時は誰でも抜群な笑顔になれる」
ユミル「なんとも言い難いな。ぼっちともなれば、人の不幸が嬉しく感じるのか?だから店長代理だ」
別に『ぼっち』はそこまで最低な人種って訳じゃねえよ
俺が特別一人に依存し過ぎて、捻くれたにすぎないから
というか、これは『ぼっち』関係あるのか?
それに・・・
エレン「俺はそんなんじゃねえよ・・・ただ、親しくなれた人と、そうやって馬鹿にし合えることが楽しくてしょうがないんだ」
俺は最近の幸せを感じ初めてきたばかりなんだ
今まで、俺の世界ではミーナしか登場人物はいなかったからな
過去には他にいたものの消えてしまった・・・
しかし俺の世界は広がっているんだ
ユミル「なんだ、お前は私と親しくなったつもりなのか?」
悪戯な笑みを浮かべ、俺の言葉の隙を突いてくる
『つもりなのか』とことは、俺の勝手な思い違いとユミル先輩は感じたのだろう
私はそうではない。というのを言葉にせず伝えたというわけか
エレン「ユミル先輩が認めないなら、それでもいい。俺は勝手になっていると勘違いしているから」
ユミル「へぇ・・・なかなか言うじゃないか。でも、まだお前とは知り合って三週間ほどなのだぞ?つか店長代理だっつってんだろ」
エレン「親密度に時間なんて関係無いだろ・・・って、今の言葉は少し寒いな」
ユミル「そうだな。というか、お前は何秒前くらいからか、ずっとタメ口になってたぞ?生意気だな」
意識してなきゃ戻ってしまう
俺も非常識な人間になってしまったものだ
エレン「あっ・・・すみません」
ユミル「年上には敬語だ。常識だろ?親から習わんかったのか」
エレン「親はぼぼ居ないのと同じですし・・・。それに、俺の周りの年上は敬語を使うに値しない人ばかりですから」
ユミル「そうかそうか。お前も苦労しているんだな」
エレン「はい!」
笑顔で完璧な元気な返事
この顔ならお客様の前に出ても恥じない姿だろう
ユミル「お前、それは本気で言っているのか・・・?」
エレン「はい!」
擬音も今回は『ニゴッ』じゃなくて『キラッ』が似合う
別に星間飛行ごとく、ランカ・ナニガシのキラッというほうのキラッではない
単に笑顔が輝いて見えるということ
ユミル「抜群の笑顔で答えてんじゃねえよ!つか、それには私も入ってんだろ!このやろっ!!」
拳が俺の頭頂部分をミサイルよろしく物凄いと速さと力を持って衝突した
『ゴンっ!』という鈍い音と共に俺の頭に激痛が走った
馬鹿じゃねえの!?痛すぎだ!力加減が分からないのか!
だから暴力を振るう人間は嫌なんだ・・・
エレン「いってぇ・・・・。酷いですよ・・・ユミル先輩・・」
いくら頑丈で屈強な俺だって・・・痛みは人並みに感じるんだぞ・・
よく格闘アニメで剣とかで切りつけられるシーンとかあるだろ?
ダメージ負った後で普通に気にせず戦っているかもしれないが、あれはきっと皆ヤセ我慢しているんだぞ?
敵に痛みを悟られたらいけないからな
ユミル「私は店長代理だっ!!」
そういや『店長代理』の説明をしていなかったな
これは俺がこの店に面接に来た日に遡る
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー
エレン「というわけで、お願いします」
ユミル「ガリ勉が高校1年でアルバイトか?」
エレン「別に俺はガリべ・・・いや俺はガリ勉です!」
ユミル「それは胸を張って言うことか?」
エレン「俺、真面目ですから」
多分、俺だとバレたら働かせてくれねえだろうな・・・
だから、こんな変装まがいのことしているんだから
ユミル「まあいいや。真面目な奴が働くことに問題はねえしな・・・。つか、お前は私と同じ学校か?」
この人の制服姿を見るに・・・どうやら同じ学校のようだ
エレン「へぇ・・・・そのようだな」
ユミル「・・・・・。じゃあ、何か部活でもやってるか?」
少し間を置いて、質問してきた
それは学校終わりにバイトに来れるかどうかという遠まわしの質問だろう
エレン「夏休み後に生徒会をしようとしてる」
ユミル「・・・・そうか。じゃあ、つまりは夏休みまで、ここでアルバイトするというか?」
一応、夏休みいっぱいまでお金は稼ごう
また何にお金を使うか分からないからな
エレン「そうだな・・・。出来れば、夜にシフトを入れるのはやめて欲しい。だから、夏休みと学校終わりの数時間で頼みたい」
ユミル「わかった。その前に1つ質問していいか?」
エレン「ん、なんだ?言ってみろ」
ユミル「お前、猫かぶってんだろ」
あははは・・・・こいつ、するどいな・・
エレン「えへへ~・・そんな、まさかぁ~」
ユミル「きもいから止めろ。お前途中からずっと馴れ馴れしく話してきたな?」
エレン「・・・勘違いだと思います」
ユミル「今頃、襟を正しだしたって意味ねえよ・・・はぁ・・」
溜息をつかれた・・・まあ、もう取り返しがつかないか・・
エレン「ダメだ・・・最近は自分のリミッターがきいてないな・・。ごめんな、なん痛ッ!!」
えっ・・・・脳天がジーン・・・って重い痛みが・・
ユミル「失礼な事をしたら1発しばく刑だからな。あと私はユミルだ。店長代理と呼べ」
嫌な刑罰だな・・
エレン「ユミル先輩」
ユミル「てめぇワザとか・・・?」
エレン「なんで店長代理なんだ!?ってツッコミ入れなきゃダメなのか?」
ユミル「おい敬語!つか、聞きたくないなら聞かんで、よし」
また殴ってきた!?
こいつ、なんのためらいもなく殴ってきやがった
エレン「痛い・・・なんで、ユミル先輩は店長代理なんですか?」
ユミル「母さんが倒れちまってな・・・。母さんが入院している、その間は私がこの店をやりくりするんだ」
エレン「意外と普通過ぎて聞くまでもなかったな・・・じゃなくて、ありませんでした。お母様、お大事に・・」
・・・・母さんか・・・
本心、早く元気になってもらいたい
母さんを失う悲しみは、どうにもならない闇に覆われるような辛い気持ちに包まれる
ユミル「因みに・・・お前は、お菓子作れるか?」
エレン「そりゃまあ。作り方の本さえあれば、大抵のもんは作れると思いますが?普段から料理してますんで」
多分大抵のことならこなせる
ある程度、料理の単語と行為は理解し出来るようになってるから
昔よくミーナが『〇〇食べたい!』って言ったら、買うには高かったりして、自分で調べて1から作ったりしてたから・・・
ユミル「そうか・・・お前には商品の並びとかレジとか頼もうかと思ったが、そっちが出来るなら・・」
エレン「ん?」
ユミル「お前には全部をこなせるようになってもらう。拒否権はない!」
エレン「それ相応の給料貰えるなら、いいけど・・・」
ユミル「じゃあそれ相応の働きをしろよな?」
エレン「ほーい・・・んじゃ、明日から頑張ります」
ユミル「挨拶は『はい』だ。わかったな」
エレン「はい・・。んじゃ」
なんで、そんな引き止めるんだよ?
早く帰って、俺の印象を残さないようにしないと・・・
ユミル「待て、まだ聞きたいことがあるんだが」
やばい・・・ばれたか・・?
エレン「な、なんですか・・?」
ユミル「私はお前に会ったことがあるか・・・?」
一歩ミスれば、この話は取り消されるかもれない・・・
・・・・失言しないように気を付けないと・・
エレン「無いに決まってるだろ?俺はあんたみたいな暴力女に会ったことないが。狂ったか?」
ユミル「今のはお前が悪いからな」
事あるごとに、ポカポカと叩いてくるな・・
タンバリン奏者になったつもりか!?
俺は打楽器じゃねえよ・・
エレン「痛いです・・・ユミル先輩のせいで頭が悪くなったら責任取ってもらいますから・・・・」
ユミル「とりま、私はお前と会ったことはないんだな・・・『エレン』って、どっかで聞いたことある名前なんだけどな・・」
そりゃな。今年の春の1位2位を争う、噂の張本人であるからな
逆に知らない方がおかしいといつも公言してるだろ
いや、別に公言はしてないか
でも、最近はそんな噂は本当に無くなって
クラスまたは同学年以外で、俺の存在は忘れ去られるような存在になっているから・・・
だから、今はこのユミル先輩の反応が正しいと言えるのかも知れないな
エレン「そうですね。歳を重ねていくごとに記憶力は低下していくからな・・・年増は」
取り敢えず、悟られないように馬鹿にしつつ話を逸らして・・
ユミル「年増じゃねえよ。私はお前の1つ上だ!・・・はぁ・・・・確かにお前みたいな失礼極まりない人間は初めて会ったな」
別にツッこむつもりはない。
だって自分でも分かっているから・・・
エレン「じゃ、今度こそ俺は退室させてもらいますんで」
ユミル「シフトはまた電話かメールで連絡する」
エレン「はい、ありがとうございました」
ーーー
ーーーーーー
ーーーーーーーーー
エレン「ユミル先輩!10円玉がきれたのですが?」
ユミル「ジェントルマンがキレた?」
年上はどうてこうも面倒くさい人間が多いのだろう
エレン「耳腐ってるのかよ・・・ッチ・・」
ユミル「おいおい、お前の耳は私のボケを聞き取れない程、老化が進んでいるのか?」
エレン「お前に言われたくなッぐは!・・・・すみません・・・・・つか、勝手にボケたくせに理不尽だ・・・」
なにかとあれば、拳が飛んでくる
なんて刑罰なんだ・・クソッ・・・
ユミル「10円玉なら、レジ横の机の引き出しに袋で入っているから出して構わんぞ」
エレン「それだけ言えば良いんだよー・・・ばーか・・」
ユミル「おい、てめぇ店長代理に向かって、バカとはなんだ?バカとは!?」
年増のくせに地獄耳とか・・はぁ・・・・
エレン「ふぇっ!?も、もう頭は勘弁してください!叩かれ過ぎて、頭のズキズキが治まらないんです」
カランコロン・・・カラーン・・♪
お店の扉が開かれた。扉の斜め上には鈴が設置してあり、それが扉が開かれた時に鳴る仕様になっている
エレン「いらっしゃいませ」
うわっ・・・うちの学校のやつが来たじゃねえか・・
印象に残らない顔を作って・・・無表情を極めろ
絶対にバレねえよな・・・?
女子A『ほらー、ここ意外とお洒落じゃない?』
女子B『ほんとほんと!ここ白とピンクで可愛いお店だね』
あっ・・・引くなよ?
捻くれぼっちの俺がこんな女の子女の子したお店で働いていることに。
ただ少しばかり家が近いからさ・・・
女子A『まだ出来て2ヶ月程の店なんだよ』
女子B『そうなんだ!・・・詳しいんだね』
女子A『私の情報網を舐めてもらっちゃ困るよ』
はいはい、リア充共は人間の輪が大きいからな
俺と違って情報が口から口へと伝わるからな
噂なんて伝言ゲームと同じさ
どこでどんなガセが混ざるか分からない
最後まで一字一句同じ結果なんてない
『砂糖が好き』というのが、噂が巡り巡って『佐藤君が好き』になるとも限らない
その上で、情報元が分からないネタを信じようと思うか?
だが、この女子生徒達の行動は正しいと思っている
情報が確かか分からないから、実際見て証拠を得る。という行動は・・・
情報は聞くより見て感じた方が、確かであろう?
人間はいつ嘘を吐くか分からないのだから
結論。俺が言いたいのは『他人の情報は必ずしも確かではない』ということだ
現代人は、流行やら最新のものに流されやすいミーハーと呼ばれる人種が増えてきたからな
流行に流されて自分を見失うような人間より、自分らしさ個人の好みを大事にする人間のが好きだ
女子B『店員さーん』
清楚系女とちっちゃい女の客が入ってきたのだが、その清楚系のほうが店員を呼んできた
エレン「ユミル先輩行ってください。俺、ぼっちなんで見知らぬ人またはリア充との会話は苦手なので」
ユミル「お前・・・それでよく接客のアルバイトに名乗り出たな?」
志望理由が『家が近いから』だからな
接客とか気にも止めなかったな
エレン「俺はレジやってるんで、お願いします」
ユミル「はぁ・・・接客以外は完璧なのが何とも憎めないんだよな・・・・・クソッ・・・」
あれだよ・・・俺の体育の成績と同じだな
ダメなとこがあるなら、他でフォローする
実技がダメなら、テストで頑張る
ダメなとこはカバーし合うのが当然
人間関係もそうである
ユミル先輩本当にあざーす
女子B『店員さーん?』
再び呼ばれ、ユミル先輩がお客様の元へ駆け寄る
さて、俺は今夜の計画でも立てるか・・・
ユミル『はい、なんですか?』
女子A『おすすめはなんなの?』
女子B『私達、この店来るの初めてで、何が美味しいか知らないんですよー?』
ユミル『あー、はい。そういうのは、あちらのレジの眼鏡に聞いてください。全部作ったのは、あの眼鏡なので。ふふふ』
エレン「今日は帰って、夕飯作って、お店の余ったケーキをミーナと食べて、明日並べるケーキの生地だけ作って、寝て・・・」
女子A「お兄さーん?」
あれ・・・・ユミル先輩が行ったんじゃないのか?
なんで俺のとこに・・・
残念だが、俺は今は仕事中なんだ
営業妨害が訴えるぞ
エレン「むっ、お兄さんに何か用か?お兄さんは忙しいんだ」
女子B「お兄さん、ただレジの前で座ってるだけじゃないですか?」
エレン「あはは、お兄さんは見ての通りお仕事中で忙しいんだ」
女子B「お兄さんおもしろーい」
エレン「お兄さんは面白いこと言ったつもりはないけど?」
女子校生のツボはこんなに浅いもんなのか?
さすがリア充。レベルの低い会話を楽しんでいるから、こうなるんだな
女子A「仕事内容に関わることだからさ。聞いてよー」
はぁ・・・・本当に仕方無い
だから、早めに終わらせてやる
エレン「仕事関係なら答えてやる。早く言え」
女子A「ん・・?急に話し方が・・・」
女子B「おすすめはなんですか?」
エレン「定番というか美味しいのは抹茶シフォンと苺ショートが良いかと。でも俺が今日実験として作った、メロンモンブランなんてどうだろうか?」
女子A「メロンモンブラン?初めて聞いた!聞いたことある?」
女子B「うぅん、聞いたことないよ。あの・・・メロンモンブランは今日限定なのですか?実験って言ってますし数が少ないし・・・」
エレン「あぁ・・・そうだな。でも新商品なんてそんなもんだ。売れれば、それはまた改めて商品として並べれる。売れなければそれまでの物であったということだ。今日のこれはその第一段階のものだ」
女子A「ふーん・・・おいしいの?」
エレン「一応、このモンブランのメロンの甘さは若い人向けのものだ。お前らみたいな結局食って太る甘いもの好きの連中にはピッタリだと思うぞ。どうだ、試食でもしていくか?」
女子B「お兄さん、ありがとうございます!」
女子A「お兄さん口悪いな・・」
エレン「るせー。ほらよ。美味しかったら買ってくれよな?そしたら、俺も給料がそれなりに昇給するからさ」
試食用にガラスケースからケーキを取り出し、一口大に切り分け、フォークと共に渡した
女子A「あっ・・・意外と美味しいじゃん」
・・・・こういうのは・・・素直に嬉しいな・・
エレン「ははっ、そっか・・・嬉しいな。あと、意外とか言うなよ?俺だって丹精込めて作っているんだからな」
女子B「美味しいです!本当にお兄さんが作ったのですか?」
エレン「当たり前だろ・・ばーか。嘘をつく必要がないじゃねえか」
女子A「本当に口が悪い店員ね・・・」
女子B「それでは、私はメロンモンブラン4つ買っていきます」
女子A「じゃあ私も3つ、弟と妹に・・・」
エレン「ほーい、庶民に優しい値段のメロンモンブラン4つと3つですね。さすが高校生、安物には目が無いな」
女子A「だー!この店員、私イラつくんだけどー!」
女子B「そう?面白いと思うよ。なんやかんやで、優しいじゃん」
代金をしっかり払ってもらい、俺は大満足
なんせ、こうやって俺の作ったものが喜ばれて買ってもらえるんだから
片方はなぜかキレてるけど、どうしてだろうな・・
エレン「おい、そこのチミっ子」
女子A「もしかして私に言ってるわけ?」
エレン「『もしかして』って・・・お前以外に誰がいるっていうんだよ?鏡見たことあるのか?」
女子A「もー!なんなのよー!」
エレン「ほら、メロンモンブランだ。包装してやったぞ」
女子A「ふーんだ・・・買うんじゃなかった!」
そんなこと言いつつ、別に返金とかする気配もなく、しっかり受け取るチミっ子
エレン「はいはい、そうかよ。あと、おまけにチョコも2つ付けといたからな・・・妹達にやれよな?きっと喜ぶからよ」
女子A「ふ、ふーん・・・余計なお世話よ」
・・・頭に血が上りすぎたのか?
顔が赤いぞ・・・?
よくリコさんも怒り過ぎて顔が真っ赤になるけど、それと同じだろうな
まだ怒っているのか?
ああ、わかった・・・
エレン「なんだ?お前もチョコ欲しかったのか?残念、これはお子様限定なんだ」
女子A「はっ!?そんなわけな
エレン「あっ!!」
女子A「どうしたのよ!?」
エレン「お子様に向かって俺はなんてことを・・・そうだよな・・。悪かった」
女子A「そこの店員さん!この眼鏡殴ってもいいですか?」
おい、なんの許可を取ってんだよ
ユミル『構いませんよー』
なんで許可してんだよ・・・ユミル先輩・・
女子B「こらこら、営業妨害よ。お兄さんなりのジョークなのよ」
女子A「まったく!おもしろくない!!」
エレン「面白いものが見たいなら、そこのトイレの鏡でも見てこい」
女子A「・・・?」
女子B「うふふふ・・・さすがにそれは言い過ぎですよ」
女子A「えっ・・・なんなのよ!?鏡に何かあるっていうの?」
エレン「深く考えんでいい。さて、ほらこっちも包装出来たぞ」
女子B「あ、はーい。ありがとうございます」
エレン「ん、家族にやるのか?」
女子B「そうですけど・・・?」
エレン「俺の作ったケーキで喜んでくれると嬉しいな」
女子B「は、はい!!良ければまた明日も来ますね」
エレン「良ければとかねえよ。なんで、店に許可もらって来ようとしてるんだよ・・・うちは朝9時から夜8時までなんで」
女子A「一生こんな店来るかー!ばかー!」
エレン「別に来なくて良いぞー。小市民」
女子B「また来ますねー」
カランコロン・・・カラーン・・♪と、また扉が開かれた音が聞こえ、そして嵐のようにうるさかった客も消えていった
俺はやっぱり間違ってたな・・・
俺は綺麗事だと思ってたことが、どうやら実際自分の本心らしい
喜んで俺の作ったケーキが食べて貰えるなんて・・・・本当に嬉しい。
金の為より人の為に思えてる自分がなんとも綺麗事の塊のように思える
実際、無料配布したチョコだって、実際は売られている商品なのにな・・・
あのチミっ子が『弟と妹』の為に買うと言ったから・・・。私的感情・・・喜んでくれるのならと思い無料であげてしまった
俺もつくづく甘いようだ
前言撤回をしよう
俺は人の為に働いて得した。と・・
あれだぞ?気持ち的な問題のほうだからな?
ユミル「お前・・・最低の接客だったな」
エレン「そりゃどうも」
ユミル「だが、なかなか良かったぞ」
エレン「そうか?チミっ子のほうは怒ってたように見えたんだけどな」
ユミル「だな。でも・・・私はあんな接客良いと思うぞ」
エレン「物好きだな」
ユミル「はぁ・・・そういうこと言いたいんじゃねえんだけどな・・。まあチョコの代金分、給料減らさせてもらうからな」
エレン「ほーい・・・すみませんでしたー・・」
ユミル「んじゃ、今日はあがっていいぞ」
エレン「明日の朝またパンケーキの生地だけ渡しとくな」
ユミル「ん、頼む」
エレン「じゃ、俺も上がるな」
ユミル「はぁ・・・敬語使えって何度言えばいいんだよ・・」
エレン「すいませんでしたー・・」
リア充の情報網とは凄いんだな・・・と、この数日後に思い知らされると、この時の俺はまだ知らなかった
そして、俺は改めて理解した
俺に接客は向いていない。と・・・
今回ここまでです
サブ枠が目立ち過ぎに、気になった方すみません
一応伏線とエレンの態度についてを確立させておきたかったので
読んでいただいた方ありがとうございました
>>466
返答忘れていました
そういうのは考えさせてください
その考えに固執してしまうとネタバレともなりますし場合によっては荒れてしまう可能性がありますので
そして、こちらとしても固執するよりか自由に書いたほうが楽しいので、大変ご迷惑と思いますが、確定というわけにはいきません
ご了承ください
保守支援ありがとうございました
次は2日になるまで更新出来ませんのでご了承の程
昨日の新作はかなりの成功作といえよう
結構売れたので、俺は内心かなり喜んでいる
本当に心から嬉しい・・
定番の物を作って売れるのは当たり前
けど・・・自分のオリジナルが売れるとなったら話は別なんだ
ただ・・俺がした『初めて』のことに、実践が残ることが、この上なく嬉しいんだ
あれだな・・・少し前に、君〇届けというぼっちのストーリーを知ったのだが、俺はその主人公と同じ気持ちになった思いだ
初めてを感じることは幸せだということが
だから常々思うことがある
自分の知りえなかった初めてを体感し、俺はこの菓子作りをして良かったと思っている
ユミル「お前な、いくら実験が好きだからって、そんな色々創作菓子作るなよ。材料バラバラだから取り揃えるのに、無駄に材料費と送料がかかるんだぞ」
エレン「すみません・・・給料から引いても構いません」
ユミル「・・・・。・・お前、何をしに働いてるんだよ?そんなんじゃ給料入っていかないぞ」
エレン「いや・・・もう別にお金のほうは大丈夫なんですけどね・・」
俺はもう十分に旅行費のほうは溜まっているのだ
ユミル「ん?そうなのか」
エレン「妹を温泉旅行に連れて行ってやれれば、俺はそれでいいんです」
ユミル「ふーん・・・お前、妹いたのか・・」
エレン「だから、もう別にお金を稼がなくてもいいんですよね・・・」
ユミル「お前、態度の割には・・・良いやつだったりするのか?」
エレン「知りませんよ。それに俺がここで仕事をするのは、ユミル先輩のお母さんが帰ってくるまでは、お店に貢献したいなって・・・ただそれだけなんです・・」
ユミル「なんで私の母親が出てくるんだよ」
エレン「なんでもクソもあるか。店が繁盛すれば、ユミル先輩のお母さんだって安心出来るじゃないですか・・・ストレスは病気を悪化させる元にもなる」
ユミル「はぁ・・・お前のこと本当に分かんねえな・・」
エレン「そもそも・・・お母さんは大事にするものなんです」
ユミル「なんだ・・・・お前マザコンか?」
エレン「あはは・・・多分そうでした。俺、母さんが好きでしたから・・・・」
ユミル「『でした』って・・・」
エレン「・・・・俺を車からかばって、もう天国逝っちゃいました・・」
ユミル「・・・・・」
エレン「妹は物心つく前でしたから、母さんに甘えたことなくて・・・。だから、ユミル先輩もお母さんを大切にしてください」
ユミル「・・・・・なかなか説得力のあること言うじゃねえか」
エレン「居なくなってからじゃ、すべてが遅いんですから・・・。あの、ユミル先輩のお母さんの好きな果物とかありますか?」
ユミル「ん・・・そういや、蜜柑が好きだったような・・って、なんでそんなの聞いてんだよ」
エレン「えーっと・・・まあなんとなく。気にしないでください」
ユミル「ふーん・・・」
エレン「よし!ほら、新しいの出来ました。にしんプリンです」
ユミル「は?」
エレン「ユミル先輩の好物入れてみましたよ?クソ不味そうですが」
ユミル「お前、いつ私の好物を知ったんだよ・・・」
エレン「この前の休日に病院に行ってきて・・・」
ユミル「ふーん・・・・って、はあ!?お前もしかして・・」
エレン「ちょっと挨拶にでも」
ユミル「お前、母親という存在に依存心でも抱いているのか?」
エレン「ユミル先輩、全然様子見に行ってないようじゃないですか。学校から帰ってきたら、すぐここで働いて、8時までずっと仕事してて・・・」
ユミル「仕方ねえだろ。私は休日だって働くし暇なんてねえんだよ」
エレン「お母さん悲しみますよ?だから、俺がユミル先輩の後輩って言ってケーキお見舞いに持っていったんですから」
ユミル「お前なぁ・・・呆れてものも言えん」
エレン「ほら、早くにしんプリン食べてください。クソ不味そうですが」
ユミル「ちょっ・・・色とか気持ち悪いんだが・・」
確かに・・・缶詰の鯡を出来るだけミンチにして組み込んで、調味料で味付けして、あとはプリンと同じ容量で固めただけだからな
見た目など気にもかけんかったな・・・
エレン「一応、砂糖あんまし入れてませんよ?塩をひとつまみかけたら美味しいかもしれません」
どっちかというと、おつまみ寄りだ
ユミル「はぁ・・・食べるよ!食べれば良いんだろ?・・・・・・あむっ・・」
エレン「おいしいですか?」
ユミル「・・・・・・おいしいぞ。うん、うまい・・」
エレン「・・・・・。・・・ありがとうございます」
エレン「ホントに・・・・おいしいですか?」
ユミル「何回聞くんだよ・・・おいしいって・・」
エレン「・・・・そうですか・・・」
ユミル「・・・パクパク・・・・ん・・ごくん。はぁ・・・これで良いんだろ?うまかった」
エレン「なんだ、ユミル先輩は意外と優しいじゃないですか・・・」
ユミル「はぁ?」
エレン「昨日、1回作って食べたのですが、さっきからずっと言ってますが、クソ不味かったんですよ。それで、また改良せずにそのままユミル先輩に作ったんです」
ユミル「は、はぁ!?」
エレン「ユミル先輩のことなら『まずい』や『材料費の無駄』とか言って俺の頭を殴ってくるんじゃないかと思ってました」
ユミル「・・・・・・」
エレン「でも、ユミル先輩は・・・優しいです。それを嘘ついて『美味しい』って言ってくれました」
エレン「・・・その優しさをお母さんにも向けてあげてください」
ユミル「ふん・・・生意気だ。何を知ったふうな口を聞いているんだよ」
エレン「俺は事実を述べただけですので」
ユミル「はぁ・・・・今週の土曜は休業だ。来たって店は開いてないからな?間違えんなよ」
エレン「ほーい・・・」
ユミル「返事は『はい』だ」
エレン「はいはい」
『店員さーん!』
ユミル「ほら、客来てるから、早く出るぞ」
エレン「俺、接客苦手なので、ユミル先輩お願いします」
ユミル「ばーか。お前がやってこい」
エレン「はぁ?バカはお前・・・じゃないですよね。調子乗りました。すみません。だからその腕を下ろしてください」
ユミル「ほら、行ってこい!お客様を待たせるな」
エレン「はいはい・・・行けば良いんでしょ・・行けば。・・年増はなんで頭がこんな固いんだよ・・・」
しぶしぶカウンターに向かい、苦手分野の接客をしようじゃないか
そもそも『ぼっち』が知らない人間と絡むなんて、無茶ぶりなんだからな・・・
ユミル「あいつの考えてることは本当に理解できんな・・・」
俺は昨日、改めて知らしめられたのに・・・
はぁ・・・俺は本当に接客は向かないんだよ
これを言い続ければユミル先輩も、諦めてくれるだろうか?という期待を少し持ってみたり・・
エレン「遅れてすみません。少々立て込んでまして・・・」
まあ話し込んでただけなんだけどな
って、また昨日のやつらじゃねえか
女子A「ちょっとー、給料泥棒。私を待たせるなんて最低よ」
エレン「おお、今世紀最大のゴミ。何の用だ?」
女子A「きー!私はゴミじゃないわよ」
来るなりギャーギャーうるさいな・・・
もう一生来ないんじゃなかったのかよ・・
女子B「お兄さん、友達連れてきましたよ」
エレン「これだからリア充は嫌なんだよ・・・連れションですかー。このやろー・・」
女子A「ふふっ、ここはトイレなの?滑稽だわ」
エレン「そうかそうか、お前は昨日トイレでケーキを食べたのか。いい趣味してるな」
女子A「うるひゃい!」
頭に血が上りすぎて声が裏返ってんぞ・・・
小さい体をジタバタと亀が裏返って慌てる姿にそっくりだ
友人A「えー、ほんとにこの眼鏡のお兄さんがケーキ全部作ってるの?マジでー?」
来たよ・・・。口調からしてバカなやつ
なんだ?それが可愛いと思ってんのか?
それが流行りというのなら、この世の終わりは近いな
エレン「お前ロクな友達がいないな」
女子B「は、はい!?普通に良い子なんですけど・・」
慌ててフォローするが、満更でもないのだろ
つか、こいつどこかで見たことある気が・・・
友人A「そういえばメロンモンブランって今日あるわけ?」
エレン「すまん。あれは昨日限定なんだ」
友人A「ないの?食べたかったのにー」
エレン「・・・・・・そうか。世界はお前中心で動いているわけじゃねえんだよ・・・」
友人B「あっ!皆見て、この青色の美味しそう」
友人A「うげ・・・変な色・・。あんた変な趣味してない・・・?」
今気づいたが、この新しく来た2人・・・俺と同じクラスの奴らじゃねえか
ギャルっぽいほうはバカそうだから良いけど・・・
もう一人の普通なやつは・・・なんか・・下手したら気付かれるかもな・・
というか、どうでもいいけど、女の子=頭が良さそう。というイメージが俺にはあるのだが
エレン「ブルーハワイって知ってるか?よくカキ氷のシロップで使われているやつを」
友人B「うん、知ってるよ?それが入ってるの・・・?」
エレン「そうだな。それを甘さ控えめで作ってみたんだ」
友人A「そんなのなんで作ったのー?」
エレン「新商品としての斬新さ、もう1つ、青色の食べ物は食欲無くすと言われてる。だからダイエットにはもってこいの食べ物だ」
友人A「へぇー!いいじゃん」
友人B「そういうことですか。視覚で食欲に訴えるということですね」
エレン「リア充のくせに察しがいいな」
リア充に偏見を持っていることは別に問題ではないだろ?
逆にリア充からしたら、俺みたいなぼっちなんて、卑下されるような存在だからな
友人B「というか、お兄さん?どこかで会ったことありませんか?」
やはり・・・察しがいいな・・・・こいつ・・
エレン「ッチ・・・・俺はお前なんて知らん」
友人B「えっ・・・舌打ちしなかった?」
友人A「そういや私も、この眼鏡にはどっかで
女子A「ねー!今日のおすすめはなんなのさー」
お前は空気吸うだけじゃなくて、空気を読むことまで出来たか。上出来だ!
エレン「チミっ子、ナイスだ!今日はプリン系のに力を入れててな・・・
ーーーーーー
ーーーー
ーー
わいわい・・・がやがや・・
ユミル「おーい。繁盛してるな」
レジのほうから話しかけてくる
エレン「ん、あぁ。客がうるさいだけだ」
ユミル「てめぇ・・・さっき店裏では、敬語だったろ?なんでまたタメ口に戻っているんだ」
ユミル先輩が『てめぇ』を使う時は怒っている時
難しいのは『お前』の時だ
少し怒っているのか、怒ってないのか分からないのだ
『お前』か『エレン』が普段なのだから
エレン「そこの席で試食を食べさせているのですが」
ユミル「そうだな。昨日のチョコと一緒で、試食の分はエレンの給料から引くからな?」
エレン「ちょっ!大きな声で言わないでくださいよ!?」
女子A「・・・・もぐもぐ」
女子B「・・・・・・お兄さん・・」
友人A「へぇ・・・これ、あんたの奢りなの?ごちになりまーす」
友人B「昨日のチョコって何ですか?」
なんでわざわざ言うんだよ・・・
エレン「・・・俺はキッチンで明日用のケーキの生地作ってきます・・。メス豚共は食って勝手に太ってろ。あとユミル先輩のバカ・・・」
ユミル「まっ、ここは野良猫にただ飯をやるような、かっこいい店ではない。とだけ言っておきますね」
友人A「なによー!メス豚なんて失礼な!」
女子A「なんだ・・おまけじゃないんだ」
女子B「ほらね♪やっぱり優しい・・・」
友人B「なーに、ニコニコしてんの?」
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー
ユミル「なぁエレン・・・」
エレン「なんですか・・・?」
ユミル「お前は本当に『ぼっち』なのか・・・?」
エレン「ん、そうですが?なんだ傷口を広げににきたのですか?残念。俺はもう『ぼっち』を受け入れてる」
ユミル「ちげえよ・・・はぁ・・」
エレン「何が違うんですか?」
ユミル「なんで昨日の限定で使った、メロンをまた注文してるんだよ」
エレン「メロンプリンにも挑戦しようかなって思って」
ユミル「はぁ・・・お前言ったよな?これはモンブランに合うちょうどいい甘さのメロンだって・・・」
エレン「そんなの覚えてるなんて気持ち悪いな・・・」
ユミル「聞こえてたぞ。あのギャルっぽいやつが、『メロンモンブラン食べたい』っつったから、また作るんだろ?」
エレン「どうして、そう思うんですか。勘違いも甚だしい」
ユミル「それは・・・私を拒否してるのか?あのお客達みたいに・・」
エレン「意味がわからん・・・」
ユミル「お前は何が目的でって、おい!待て!」
エレン「俺はもうあがりますから」
ユミル「おい、話を聞け」
エレン「妹が待ってるので・・・・」
ユミル「お前は人から好かれる質のくせして、それを拒否してる!」
エレン「!!」
ユミル「なんでだ・・・?」
エレン「俺は拒否なんかしてないし・・・・それに好かれる質でもない!嫌われて当然の人間だ」
ユミル「お前・・」
エレン「んじゃ、お疲れしたー」
確かに俺はそれに類似したことを人から言われたことがある
それがリコさんの言う『無意識の優しさ』というものだろう
ミーナの言う『本質の心優しさ』というものだろう
きっとアルミンやアニの見てきた俺はこの『本当の俺』だろうか
だが、いくらミーナやリコさんから説得されたからと言って、俺はまだ認めた気ではない
俺はそんな人間じゃないから・・・
今回はここまで
読んでいただいた方ありがとうございました
今日から出せます
早く帰ってこれましたので・・
「お兄ちゃん!お兄ちゃん!」
朝、目が覚めて俺の目の前に映った光景は
制服姿の妹でした
なんと麗しき光景だろうか
眼福の一言に尽きる
写真に収め額縁に飾りたいくらいだ
朝らしい、ちゅんちゅんと小鳥の鳴き声が聞こえる
とても気持ちの良い目覚めだ
ミーナ「お兄ちゃんが寝坊なんて珍しいよ」
ねぼう・・・?
はて・・・ねぼうとな?
ねぼうとは、なんぞや?
カーテンが開けられ東から差し込む太陽の光は非常に眩しく、ホコリが宙を舞うのが見てとれる
そして夏の日差しということもあってか、とても熱くジリジリと照り付ける
3時間コンクリートの上に肉を置いたら焼けるのではないか?と思える程に
ミーナ「お兄ちゃん、寝起きだから頭が回ってないのね・・・これ見て!これ!」
俺の前に時計を突き出してきた
長い針と短い針が、いつも朝に見る、指している場所が違う
少し見慣れないとこを指していた
いつも縦にピーンと並んだ時には目が覚めているのに・・・
ミーナ「もう8時30分だよ。あと10分で家を出なきゃ学校始まっちゃうよ」
エレン「・・・・・っは!!」
ミーナ「私はもう出るから・・・お兄ちゃん遅れちゃダメだよ」
エレン「急がなきゃ・・・いってらっしゃい!」
ミーナ「うん!いってきまーす」
靴を穿き土と床が擦れるジャリジャリという音が聞こえ、そして扉を開ける音も聞こえた
ミーナは少し小走りで学校へ向かっていった
エレン「やばいな・・・昨日は、ずっと考え事をしてたせいか夜遅くまで起きちまってた・・・」
俺がすることは
顔洗って、歯磨きして、着替えて、ケーキのパン生地を店に預けることだ
なぁに・・・簡単なことだ
逆に10分もあると考えればいい
600秒もあると考えればいい
時間に区切りと計算を組めば計画的に家を出れる
なんて、寝坊してる時点で計画的とかも関係ないのだが
2分で顔洗って歯磨きして、それからー・・・・
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー
真夏日に近い気温の高さ
額から首にかけて滴り落ちる汗
「ハァハァ・・・」と、ただただ息が漏れる
気持ちまで絶望的な暑さで埋め尽くさんがごとく、セミのミーンミンと鳴く声が耳に響く
こんな日に外を走るなんてバカじゃねえの・・・
だが、学年4位は用意周到であった
タオルと予備のTシャツを持参していた
そしてまたこの照り返しの強いアスファルトの上を駆けていく
時間は刻一刻と近付いているのだから・・
この走っている姿はまるで君の知らない物語のPVの主人公のように見えるのではないか!?と自意識過剰なコメントをしてみたり・・・
まぁ俺はあの主人公のように2人の女性から言い寄られるようなラノベ的主人公ではないからな
期待値の高さは非常に低いことだろう
けど、少し高揚しているのかもしれない
だって、夏に制服着て汗をかいて走るなんて・・・
青春してる感じじゃね?
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー
エレン「ゼェゼェ・・・着いた・・」
ほらな?大丈夫だったろ?
全力疾走すれば、この通り・・・余裕の到着だぜ
しっかし・・・恥ずかしかった
街中を全力疾走するという行為はとても羞恥心のいることだ
住民からの無駄な視線を受ける
何が高揚してるだ・・・バカじゃねえの?
数分前の俺
人間の目は、一応頭では見なくていいと判断していても、動くものには一度だけ視線がいってしまうもの
というか俺は記憶には残るかもしれないという羞恥心より、見られているという羞恥心のがまさっていて・・・
つまり見られたことを後悔してる
これからは目覚まし機能というのを使ってみよう
あれは妹にも被害が及ぶかもしれないから嫌っていたが仕方ない・・
羞恥心には変えられない
と、まぁそんなことを考えながら歩みを進めていたら、もう教室に到着だ
がらがら~・・・
エレン「・・・・ん?」
ざわざわ・・・がやがや・・
なんだ・・・この不思議と違和感の感じるこの空間は・・
いつもと違う
みんなが一度俺を見て、また普通に話し出す
いつもと待遇が違うのだ
「あれ?お兄さんじゃーん」
エレン「は、はい?」
あれ?俺が話しかけられてる?
「同じ学校だったんですね」
エレン「!?」
あいつらは昨日の友人達!?
俺に気付かれたのか!?
友人A「眼鏡のお兄さん、このクラスに友達でもいるのー?」
眼鏡のお兄さん・・・
『えっ?なになに?知り合いなのー?』
『あれだねー!The草食系男子だねー』
平然と俺に話しかけてくるクラスメイト
コンタクトレンズを付ける時間なくて、無意識のまま眼鏡できてしまったのだ
前髪は時間なくてセットする暇なくて・・・
一応、あの前髪わけはワックスでセットしているんだからな・・・?
は?キモいと思ったやつ表出ろや
って、俺は何を相手にキレているんだろうな、あはは
エレン「あ、あははは・・・お兄さん教室間違えたかな・・」
友人B「そうなんですか。にしても、偶然ですね」
偶然もクソもあるか・・・同じクラスメイトなんだからな
友人A「マジパないって!昨日知り合ったばかりの男と連続して偶然会えるなんて、けっこーすごいってー!」
相変わらずバカみたいな喋り方だな
エレン「そ、そうだな・・・ん?」
遠くから鷹が獲物を狙うかのように、睨んでいた人間がいた
それは蛍光灯の光が見事に俺の目で反射して、猫を写真で撮った時のような輝き方をしていた
アニ「・・・・・ジーッ」
それは、このクラスのクラス委員長でありながら、現役ぼっちのアニであった
相変わらず、綺麗な顔立ちをしているにも関わらず、ムスーっと複雑な表情を浮かべ・・・
なんだ、人でも殺す気か?と思わせるようなオーラを発してる(気がする)
全てを決算した結論としては『怖い』
友人B「というか、お兄さん初めて見たなました。この学校で」
友人A「だねー!私達も結構学校で来てるわけだし、見たこと無いって・・・・もしかして、眼鏡のお兄さんって不登校だったりー?あっはは!」
って、今はアニを気にしている暇はないな
こいつらをどうやって追い払うかだ。
猿、犬、キジの助けでも呼ぶか?
無念。俺はきびだんごを持ち合わせていない
って、バカか!俺は!
このまま教室を去っても良いのだが、再度入る際はどうしようか
訂正です
友人B「というか、お兄さん初めて見ました。この学校で」
友人A「だねー!私達も結構学校で来てるわけだし、見たこと無いって・・・・もしかして、眼鏡のお兄さんって不登校だったりー?あっはは!」
って、今はアニを気にしている暇はないな
こいつらをどうやって追い払うかだ。
猿、犬、キジの助けでも呼ぶか?
無念。俺はきびだんごを持ち合わせていない
って、バカか!俺は!
このまま教室を去っても良いのだが、再度入る際はどうしようか
友人B「あれ、お兄さん無視ですか・・・?」
保健室に入り浸るか?・・・でも、リコさんに迷惑だな・・
バレたら全てがゲームオーバーだ
1,俺のクラスでのイメージ
2,アルバイト場所の変更
3,アニ「クソ眼鏡は土に帰れ」
というダメージを負ってしまう
俺のイメージなんてそもそも無いと思うがな・・・
よし。こうなったら・・・
エレン「あははー、お兄さんは教室間違えたんで、戻りま
友人A「あれー?眼鏡のお兄さんって、何年生なのー?」
昨日のことといい、お前はなんで関係無いフラグを立てるんだ・・・バカ女が
下手したら死亡フラグじゃねえか
友人B「私も気になります。何年生なんですか?」
エレン「俺、遅刻するからもう行くからな!」
これは戦略的撤退だ
がらがらー・・・っと、勢いよく扉を閉め、俺はトイレへ駆け込んだ
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー
エレン「やばいかもな・・・ほとんど見えねえ・・」
でも、今日はこれしか処理方法がない
眼鏡を外し、水で前髪をわけさせてクセをつけた
視界が水の中に潜った時のようだ
しかし問題ない
教室までの歩数や段差など全ては頭の中
これは無駄な記憶力ではない
がらがら~・・・と三度もこの扉を開け閉めしたわけだが・・
空気が止まる
そうそう。この感じだよ・・・俺が教室に入る時は、緊張感が漂って微妙に話しにくくなるこの雰囲気
あぁ・・俺って迷惑かけまくりだな・・・
その空気を知らずか、普段通り挨拶をしてくる者がいる
アニ「エレン、おはよう」
エレン「ん、おはようさん」
アニ「あんた、さっきめが
エレン「なんだろうな?さっき、眼鏡の走ってく、ぼっちみたいな人を見たな!」
おいおい、何を爆弾投げつけてこようとしているんだよ
ボンバーマンか・・・こいつ・・
アニ「あんたも見たのかい?かっこよかったよな・・・」
エレン「!?」
こいつは気付いているのかと思ってた
バレたから、俺に確認を得ようとしたのかと思ってた
エレン「そ、そうかぁ・・・?」
つか、傍観席の奴・・・聞き耳立てるな
静かになってんじゃねえ・・
俺がいつボロを出すか分かんねえのに
って、この空気を作ったのは俺だったか・・・すまん
そうだよな。
話している時に、うるさい音が入るとイラつくよな
それを空気読んで皆は俺達に会話をさせてくれてるんだよな
みんな・・・ごめんな。あと、ありがとう
アニ「べっ別に好きになったというわけではない」
こいつは、この状態のこと何も気付いてないんだろうな
俺はこの状況『なにを頬を赤らめながら話しているんだ、ボンバーマンのくせに』としか思えない
でも、無口だったアニがこんなに話すようになって、内心少し安心している
エレン「よし、話はあとで聞いてやるから席に着こうな」
アニ「そ、そうだね・・・」
エレン「アニ・・」
俺はアニの服の袖を掴んだ
アニ「なんだい・・・?」
アニは前髪を揺らしながら、くるっと振り返り、俺を見つめて聞いてきた
少し困ったような表情を作り、俺はアニに告げた
エレン「俺を席まで連れてってくれ・・・」
アニ「・・・・・はぁ?」
なんとも言えない不抜けた顔で溜息と共に落ちたような意味が分からんといった声
馬鹿なことを聞いてしまい本当に申し訳ない
さすがにぼんやりとしか見えない視界でここを歩くのは危険だ
足元には物が多すぎるから・・・机にバッグに・・
エレン「ちょっと、目にゴミが入っちまってな・・・なかなか取れなくて・・それで目がぼやけるんだ・・・」
アニ「・・・別にいいけど・・?」
アニはそのまま俺を引いて席まで誘導してくれた
アニって、本当に優しいな・・・
アニと友達になれたことを心から感謝しよう
友達って・・・いいな
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー
~放課中~
『おおっと!』
ぽすっと、俺の肩に何かがぶつかった
エレン「ん?」
『おい、やばいって!早く謝れ!!』
『すいません!ちょっと遊んでたら、ぶつかって』
エレン「あぁ、いいっていいって!よけれなかった俺が悪いんだ」
俺は目の前10cm以上は何一つ見えてないからな
『…え?』
『おい、もう行くぞ!こいつが本当にすいませんでした!』
アニ「あんた・・・大丈夫かい?今のは簡単によけれたと思うけど」
当然のように俺の前に座って話しかけてくる冷血委員長
もはやそこは放課中はお前の定位置だな
ぼんやりと金色と肌色が見える点、そこにアニがいるのだな。ということが分かる
エレン「あ、あぁ・・・目にゴミが・・」
アニ「あんたの両眼はゴミ箱かい?」
エレン「確かに両眼がぼやけるくらいのゴミが入ったからゴミ箱と疑問に思うのは正しい連想かと思うが、残念。俺の目はゴミ箱ではないんだ」
アニ「別に『正しい』とは思ってないけど・・・冗談のつもりだったんだけど・・」
エレン「ははっ、俺のも冗談だ」
アニ「にしても、朝に見た人かっこよかったな・・・」
エレン「お前が人の良し悪しを語るなんて珍しいな。しかも、かっこいいだなんて・・・」
アニ「なんでだろうね・・・あんたには関係無いから、そういうの言っても良いかなって思ってさ・・・」
エレン「へ、へぇ・・・俺はてっきりアニはアルミンが好きだと思ってたけどな」
多分人違いだよな
違う眼鏡の野郎が来たんだよな
アニ「そりゃ私も友達としては好きだし」
エレン「だってこの前アルミンに『アニって美人だよね』って言われて照れてたし・・・」
アニ「私は褒められるのに慣れてないだけ」
エレン「そうか。アニって宇宙一可愛いな」
アニ「あんた舐めてるの・・・?」
エレン「ごめん・・・そうだよな、こんなので照れるわけなって、蹴るなよ!!痛いわ・・・ごめんって言っただろ?イテイテッ!」
机の下で、アニは足の先で俺のスネを執拗に蹴ってくる
まただ・・・またこれだ・・・・
またこの痛みを受けることになる・・・
また意味も分からず蹴られてる・・
このシューズのゴムは・・・・無駄に固い・・
そして・・・とても痛い・・
つか、なんで褒めて怒られなきゃなんねえんだよ
アニ「あんたは本当に・・・・ばか・・」
エレン「そういえば、アニ?今日さ、学校終わったら今日の書いたノート全部貸してくれないか?」
アニ「どうしてさ?」
エレン「アニの書くノートは綺麗だろ?俺もアニの真似をしたいんだ。その練習をしたいと思って」
アニ「そうかい・・・あんたのノートも十分綺麗にまとめられてた気がするんだけど」
エレン「俺はただ黒板に書かれたのを枠組みで分けて読み取りやすくまとめてるだけだ」
アニ「・・・・・私と同じやり方じゃないか?」
エレン「・・・・・。・・・アニ!お願いだ!ノートを貸してくれ!」
アニ「・・・まぁ別に要件は聞かないよ。勉強するのに良いも悪いもないしね・・その代わり綺麗に使うこと?」
エレン「・・・やっぱりアニは優しいな。そういうこと大好きだな」
アニ「エ、エレン君のが優しいよ・・・この前お弁当のおかずくれたし、掃除手伝ってくれたし、それに・・・っは!!」モジモジ
エレン「・・・・・・。知ってるか?弁当ってたまに片寄ったりグチャグチャになったりするよな?」
アニ「・・・あんた・・・・?」
エレン「それを防止できる方法があるんだ。あっ、これ豆知識な?出来た弁当の具の上にラップをかけるとグチャグチャにならないんだよ」
アニ「・・・・ねぇ」
エレン「これが主婦の知恵ってやつだ。すまんすまん・・・俺、主婦じゃねえか!あっははは!」
アニ「・・・・」
エレン「あはは・・・・は・・」
アニ「・・・・・エレン?」
エレン「・・・・はい」
アニ「誘導尋問とは最低な行為とは思わない?」
エレン「は、はぁ!?お前のそれは無意識じゃなかったのか!?つか、誘導尋問じゃなくてお前が勝手に照れて内面出しただけで!」
アニ「まぁいい・・・で、話は戻すけど」
戻すなよ!全力で眼鏡の野郎の話からずらしたのに
なんならこのままキレられる流れのが、まだ良かったわ・・・
アニ「あの眼鏡の人・・・・エレンは知ってる?」
エレン「知らないな。なんだ?一目惚れか?お前は意外とチョロいな・・・」
アニ「その・・・なんか私の好きな人にそっくりだったからさ・・」
エレン「・・・・・・・好きな人?」
アニ「でも私はその好きな人ってのが分からないんだ・・・・曖昧の想像の中で好意的に想っている人の顔があの人にピッタリだっただけで・・」
エレン「なんか、もにゃもにゃした恋愛模様だな」
アニ「あんたには、わからないよ・・・一目見て、『この人だ』って言うのを感じた・・」
エレン「いやいや、そうでもないかもよ?意外とぼっちで捻くれた最低最悪な野郎かもしれんぞ?」
アニ「声は・・・あんたに似てた・・」
エレン「待て待て。『そもそも』の話に戻っていいか?こういう話って普通、人には話さないだろ?つか、言ったら恥ずかしいだろ?」
アニ「・・・恋ばなって、こういうのを指すんじゃないのかい?」
エレン「恋ばなだけどさ。だが、こういうのはもっと親密な仲か、女の子同士でキャッキャしたりするもので」
アニ「あんたは私とは親密な仲とは思ってないのかい・・・?」
ずいっと真面目な顔をして、俺の顔に近付いた
この近さならアニの顔もぼやけずクッキリ見える
エレン「ア、アニとは・・・とても・・親密な仲だと・・・・・思ってる。だから、そんな顔を近付けないでくれ・・・」
アニ「あんた、さっきから私と目を合わせてくれないから・・・・あんたはいつも目を見て話すのに・・」
やっぱこいつ近くで見ると美人だな・・じゃなくて!
このネタはまずいんだ・・・社会的地位を失う原因になるかもしれない
エレン「俺のこと・・・よく観察しているようだな・・。でもこの時代、情報屋は嫌われるぞ・・・W○RKINGの神谷然り、デュラ○ラの神谷然り・・・」
アニ「でもリヴァイ先生は嫌われてない」
エレン「突っ込まんでいい。とにかく、俺は今は目が見えなくて」
アニ「・・・・・・目が見えない?」
エレン「ゴミが入っててな!?ゴミが!」
アニ「そう・・・だから目を合わせなくて。そういえば朝もだけど、あんたの目はなんでそんなゴミが集まるの?」
エレン「だーかーらっ!違うって!そんな人の目を大型ショッピングセンターみたいに言うなよ。『そんな』って言う程ゴミは人の波のように入り込んでないぞ」
アニ「あんたと話してると本当に面白いね・・・くすくす」
エレン「えっ・・・アニは今笑っているのか?」
アニ「あっ・・・わ、笑ってない」
エレン「アニの笑顔見たかったな・・・」
アニ「・・・・きもい・・」
エレン「アニの笑顔は俺、見たことないからさ・・・きっと可愛いよな」
アニ「・・・・ふん・・・・・」
少し風がふわっと、あたるのを感じた
エレン「ん?アニ?いないのか・・・・?」
気付いたら目の前には黄色い浮遊物らしき影は消えていた
つまり、アニはもう席を立っていた
というか・・・アニのああいう恋愛事情は初めて知った
まともな恋もするんだな。と、少し感心した
アニのあの性格なら、どこぞの日向の宗家の娘みたいに電柱の後ろが似合う
アニは人に素直になれず言えないことだらけの生活だからな
アニ「・・・別に・・・・・可愛いとか言われて、照れる程、私チョロくないし・・・」
今回はここまで
誤字脱字多くて申し訳ないです
読んでいただきありがとうございました
ほんと書くの上手
前作どうにか教えてもらえないか?
見えないものを見ようと努力したって、見えないものは見えない
それは俺が恋愛できないのと同じこと
まぁ努力なんてしたこともないし、する気もないけどな
俺はただただ指を咥えて見ているだけでいい
『出来ることなら』という考えにも至らない
したところでどうなるのか?という疑問を抱えるだけ
そして振られたとなれば、これまでの関係を崩してしまう
気まずい、目を合わせれない・・・そんな曖昧で微妙な関係を作ってしまう可能性があるのなら、その可能性を発生させる原因をまず作らないことだろう
それはましてや、友達だったらクラスメイトだったり同じ部活であったり・・・
人は簡単に関係を崩す事が可能なのだから
だから人間とは残酷な生き物だと古くから言われてる
戦争の原因だって人間同士の関係性からの発展だろう?
無駄な行為の末、損をすることに何の意義があるのだろうか
だが損をすることで得をすることもある
人が崖から落ちそうになってたとしよう。
自分が怪我を負った上で助けれた
だが結果として、怪我を負った
でも、人からの感謝を受けた
それに関して得や損を感じることは全くない
だが、奇奇怪怪なことに・・・それはなぜか幸福に感じるのだ
それが人間の不思議。
『感情』というものだ
機械や無機物には無い、人間にだけ許された感覚
なんか軽く連想ゲームみたいになって関係ない話になったな・・・
結論としては、俺が恋愛できないのはどう考えても俺が悪い
アニの恋愛事情を聞いた上での判断としては完璧だ
別に俺はアニの恋愛の邪魔をしようという考えではない・・・
だからといって、逆に俺はアニの助けになろうとも考えてない
普段の俺の判断ならば俺はアニの助けになろうと努力しただろう
そのような自己犠牲の精神でアニを助けたいという感情に追われていたに違いない
だが、今回はバレたら軽蔑や嫌われるかもしれない・・・アニとの関係が崩れるのを避けたい
だから俺は、アニの言う眼鏡の人とは他人ということを設定にしていく
いや、元からそのつもりであったが
俺がすることは、アニに今回のことを諦めさせてやることだ
アニ「随分とぼーっとしてるじゃない?どうしたんだい?」
エレン「んー・・・アニのことを考えてた」
アニ「・・・・・変態・・」
エレン「悪いかよ。アニのこと考えちゃ・・・結構悩んでいるんだからな?」
アニ「なんなの?私のことで悩むことって・・・?」
エレン「教えねえよ。ばーか」
アニ「・・・ばか?」
エレン「あはは・・・冗談だって」
やっぱりこの距離感だよな
バカにして、バカにされたり・・
2人で話して、笑って・・・
俺が求めていた『友人関係』とはこういうものだ
エレン「アニってさ・・・いつも無愛想じゃないか・・・?」
アニ「何よ・・・急に?」
エレン「心配してたんだぞ?」
アニ「はぁ・・・?」
エレン「俺と話してもつまらないのか?とか思ったり、頬の筋肉が硬直して表情を作ることもままならないのか?とかさ・・」
アニ「ごめんね・・・私、表情に出にくいっていうか・・その・・・・。というか、あんた。2つ目は絶対に違うって分かるでしょ?そんなのだったら私は今頃療養の為に病院通いだよ」
エレン「そうなのか・・・?」
ぼやける視界から肌色に見える影のようなものを目指し手を伸ばした
ピトっと、アニの頬に右手をそえる
アニ「ひゃっ・・・ちょっと!あんたねぇ・・・」
エレン「なんだ。ホントに違うんだな。温泉たまご並に柔らかい」
アニ「離してよ・・・バカエレン」
エレン「ははは、リコさんとどっちが柔らかいんだろな?ほれほれ・・」
アニ「いい加減にしなさいよ・・?」
むにむにと頬の肉を引っ張りを続けていたら、どうやら声から察するにアニの堪忍袋の緒が切れたようだ
背後から『ゴゴゴゴ・・』の文字が見える(気がする)
エレン「あ、あはは・・・・さて、帰ろうか・・」
多少からかい過ぎたようだ
アニ「・・・・この!」
エレン「んぁっ・・・ふぁなふぇ!(離せ!)」
アニ「あんた頬は意外と柔らかいじゃないか・・・もっと筋肉の塊でがちがちかと思ってたよ。ふふっ・・・」
エレン「うぅっ・・・」
「2人とも何をしているんだい?」
エレン「ふぁるふぃん・・・!(アルミン!)」
アルミン「もうー、アニ離してあげなよー」
アニ「私はやり返してるだけだから」
エレン「イテテ・・・」
アニ「ふふっ・・・」
アルミン「あっ!アニが笑ったとこ初めて見た」
エレン「えっ・・・」
アニ「わ、笑ってない・・・」
こんなバカで平和な日常が俺は昔からずっと待ち望んでたのかもしれない
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー
学校から家へ一度帰宅し、これから買い物へ出掛けようと家を出た時のこと
太陽は沈みかけ空はオレンジの絵の具で塗りつぶしたような色をしている
今日はミーナに頼まれものもされてるし、バイトを休むことにしたのです
『裏切りのゆーやけ・・・やっかいーに絡みつく汗をー・・切り裂く・・んっ?』
何かが、スキップして向かってくる
逆光で影しか見えず何者なのか判断つかない
『やっほー!おーにーいーさーん!!』
両腕を頭の上で目一杯に振り、存在をアピールしてる
エレン「また、お前か・・・」
ポニーテールを右へ左へにプラプラ揺らし、駆け足で寄ってくる少女
少女「また会いましたね!お兄さん」
ニコニコっと煌めく笑顔を見せ、生意気なのにも関わらず礼儀正しさの規範を彷彿とさせるような言葉遣い
エレン「出たな・・・芋女」
少女「ふぇ・・・酷いですよ!」
エレン「俺は今回は奢ったりなんかしないからな。妹のおつかいも頼まれてるし、無駄遣いは出来ない」
少女「私がお兄さんの財布を薄くする前提で話さないでくださいよ!」
相も変わらず天真爛漫
前回と同じで平然と人中で大声をあげる
エレン「つか、お前な・・・前触れもなく俺の横にくっついてくるなよ。暑苦しい・・」
懐いた猫のように擦り寄ってくる
首もとを撫でたらゴロゴロいうんじゃないか?
なんでお前はそんなずっとニコニコしてるんだよ
お前見てると、俺の性格の陰湿さが恥ずかしくなってくる
少女「お兄さんは私の命の恩人ですから」
エレン「命の恩人じゃねえよ・・・」
少女「あの時、飢え死にしかけた私を蒸かし芋くれました」
エレン「あぁ・・・あれは、なんともロマンの欠片もない出会いだったな」
訂正です。
少女「あの時、飢え死にしかけた私に蒸かし芋をくれました」
少女「私は死にそうだったのですー!」
エレン「そんなので死ぬのなら、俺は何回死んだことか・・・」
少女「似た者同士ですね」
バカは、いつまで経ってもバカなんだな
遠まわしの表現も理解できないのか
エレン「俺はお前と違って食いしん坊ではないからな?俺だってお腹を鳴らして腹が減ったことは何度もあるって言いたかっただけだかああっ!もう!抱き着くなっ!」
少女「お兄さ~ん♪」
そんな目をキラキラさせながら何を期待してるんだ?
芋か?芋なのか!?
エレン「バカ!暑苦しい!離れろ!芋女!」
少女「私、お腹空きました」
エレン「結局それか・・・」
少女「私はお兄さんがどうしてもと言うのなら、あそこのケーキ屋さんで奢って貰ってもいいですよ?」
エレン「あそこは俺の家のすぐ隣だし、店長が店長だし・・・」
少女「へぇ、じゃあその隣はお兄さんの家なのですか」
エレン「すまん。嘘だ。本当に嘘だからな」
失言をしてしまった
こんな奴が家に来たら、家の食料が1日にして無くなるだろう
少女「さてさて、嘘だと信じてもらいたいのなら、ケーキ屋さんに行きましょう」
エレン「はぁ・・・安いの一個買ったら、離れてくれるな?」
結論。
こいつはご飯さえ与えれば何でも言うことは聞く。以上
少女「お兄さん大好きですー!」
エレン「はいはい、俺も世界一好きだぞー・・」
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー
エレン「畜生・・・家を出て2分でなんで、もう時間を無駄にしているんだよ・・・」
ユミル「へぇ・・・今日は用事があるって言ってたけど、彼女とデートか?」
カウンターで肘を置き話しかけてくるユミル先輩
悪戯を今から起こさんがごとく悪魔のような笑顔でこちらをニヤニヤ見つめてくる
エレン「彼女じゃありません」
ユミル「照れんなって!ぷぷっ・・・」
少女「ふふっ・・・お上品に少しずつ・・そうすれば長く美味しくいただけます」
上から右に左にと、いろんな方向から眺めてどこから食べようか迷ってるご様子
食べるなら早く食べてくれ
早くこちらも買い物に行きたいのだから
エレン「お前なら一口でいけるはずだ!芋女!」
少女「お兄さんは私との時間を大切にしたいという気持ちは微塵もないのですか!?私はお兄さんのこと大好きなのに・・・」
何を当たり前にそれはまさしく幼馴染みの彼女みたいな質問をしているんだ
エレン「ごめんな。とても良いセリフだと思うが、俺はお前との接点はないんだ」
ユミル「お前はまたそんなことを・・・」
エレン「・・・こ、これは例外だ!こいつの勘違いだ!」
そういえば、この人と最後に話したことは、こんな俺の行動のことだったっけ・・・
だが俺が思うに絶対にこれはこの芋女がおかしい
ご飯あげただけで懐くなんて犬でもそんな簡単じゃねえよ
ユミル「へぇ・・・。なぁ芋女とやら?お前はこいつが好きか?」
エレン「嫌いと言え。嫌いとな」
少女「はい!先程も言いましたが、大好きです!」
さて・・・・落ち着け
俺は最近気持ちが高ぶり過ぎていたんだ
俺はこんな人間ではない
心を無にして・・
事実を述べればいい
そう金の斧の話だって、事実を述べたら実際得をした
なら、俺も正直に言うことで寧ろ得をするくとになるのではないか
ユミル「私にはこのどうしようもない屈託の無い笑顔は嘘をついているようには見えんのだが?」
エレン「だから例外だ・・・こいつ、飯さえあげれば誰にでもそう言う」
ユミル「だとさ、芋女?」
少女「確かにそうですが、一人の男性としてもす
エレン「ユミル先輩!代金はここに置いときますから!俺は一応ここでバイトしてる身なんで三割引ですよね!それじゃあ」
やっぱ俺には無理だ
なんの得もえれない!ユミル先輩が得をするだけだ
カランコロン・・・カラン・・♪
サシャ「行っちゃいましたね・・・」
ユミル「お前、あの眼鏡あいつと何かあったのか?」
少女「はい、前もこんなふうに私にご飯を奢ってくれました」
ユミル「そうかそうか・・・私の知らないところでも、あいつはあいつなんだな・・」
少女「私にこんなふうに優しくしてくれる人なんて、あの人を含めて2人しかいませんから・・・」
ーーーーーー
ーーー
ケーキ屋を出て再び買い物に向かおうとすると・・・
ミーナ「あっ、お兄ちゃん!」
エレン「ん?学校帰りか・・・?」
ミーナ「そんなお兄ちゃんは買い物帰りかな?」
エレン「ごめんな・・・今から向かうとこなんだ・・」
ミーナ「・・・・え!?今から?」
2つの結ばれた髪をパタパタさせて慌てふためく
エレン「どうする・・・?晩御飯遅くなりそうだし・・今日は外食にするか?ミーナの買いたいものも、ついで見て回れるし・・」
ミーナ「うん、そうだね。それのが楽だしね・・・」
エレン「このまま制服で行くか?」
ミーナ「うん・・・えへへ・・制服デートみたい」
エレン「制服でーとって何だ?そういう建築物か?」
ミーナ「おっおおお兄ちゃん!!行こっか!」
エレン「なぁ、なんで母さんは俺にミーナと歩く時は右側を歩けと言われてるか知ってるか?」
ミーナ「そういえば、どうしてだろ・・・?それが普段通りだから不思議に思わなかったな」
エレン「まっ、考えてくれ」
ミーナ「私の右手とお兄ちゃんの左手が握りやすいから・・・かな?」
エレン「えっ・・・・」
ミーナ「なんてね!ジョークだよ、あははは」
エレン「じゃあそれも正解だ。さっ繋ごうぜ・・・昔みたいに」
ミーナ「昔みたいにね・・・いいよ。繋ごっか」
エレン「ミーナの手はいつまでも小さくて可愛いままだな」
ミーナ「お兄ちゃんの手はいつまでも大きくて温かいままだよ」
エレン「ははっ、俺達昔から変わってないのかな・・・」
ミーナ「お兄ちゃんが大きくなれば、私も大きくなるのは当然だよ。平行線だよ・・・だから、私も変わればお兄ちゃんも変わる」
エレン「そうか。変わり続けているだけか・・・」
ミーナ「でもお兄ちゃんは特にそういうのに疎いから気付けないかもね」
エレン「そうか?んー・・・そういえば、昔ミーナさ」
ミーナ「昔・・・何か言ったっけ?」
エレン「『お兄ちゃんと結婚する』ってよく言ってたけど・・・」
ミーナ「わわっ・・・お兄ちゃん!過去なんか振り返ってもダメだよ!」
エレン「あははっ、そうかそうか。そうだよなー・・・ミーナにも好きな人の1人くらい出来るよな」
ミーナ「そ、そういえばさ!!さっきの右側を歩く答えは何かな・・・?」
エレン「ん、簡単なことだ。人は本能的にというか常識的に子供の頃から道路は左側を歩く」
ミーナ「うん」
エレン「つまりはだ・・・ミーナが車に轢かれそうになったら俺がかばえるようにだ」
ミーナ「え・・・・」
エレン「だから俺は死んでも良いからミーナを守る」
今回ここまでです
微妙なとこで申し訳ありません
ちょっと詰んでまして・・・
読んでいただいた方がいれば、ありがとうございます
読みにくかったら、すみません
>>612
トリを変えてますが
ミーナ「ん~・・・ふぁぁ・・」っていうのです
他にも書いてますが、多分書いたら荒れそうなので控えさせてもらいます
出来ればこれでもう勘弁してください
以降、聞かないでいただきたいです
ミーナ「多分お兄ちゃん解釈間違ってるよ」
ミーナは歩きながら、沈む太陽を見つめそう呟いた
エレン「そうか・・・?」
ミーナ「お母さんがそんなことを望むと思うの・・・?」
相変わらずの冷静さ、声と同様に眼差しも冷ややかであった
怒っているようではないが、どことなく悲壮感が漂う
エレン「・・・・望まないな」
ミーナ「そんなの私は幸せじゃないよ。私は・・・お兄ちゃんがいなきゃ生きることを諦めちゃうかもしれないよ・・・・?」
エレン「・・ミーナ・・・」
ミーナ「『かばえるように』じゃダメだよ。『助けれるように』にしなきゃ・・・私は生きていたってって全く嬉しくない。助けた末にお兄ちゃんも生きなきゃ」
先ほどの裏のあるような表情から打って変わって、少し頬を赤らめた温かみのある表情へとなった
目尻には涙が少し溜まっているように見える
エレン「そうだな。言い方が悪かったかもな」
ミーナ「お兄ちゃんに替え玉なんて無いんだからね」
よりいっそうに手を握る力が入ったのを感じた
離したくない・・・そんな気持ちが伝わる
エレン「・・・・・・・ありがとな」
ミーナ「あえ!?お兄ちゃん!こんな道の真ん中で抱き締めなって・・・あれ?お兄ちゃん・・・・?」
頭と肩に腕をまわし、やわらかく強く・・・
胸にミーナを収めた
つい最近に話したユミル先輩の母親のことを思い出した
この世で最も大切なことを知らないミーナを思うと、自分が恵まれ過ぎてて・・・
抑えきれない・・
エレン「・・・ごめんな。母さんさ、俺をかばって交通事故で亡くなってさ・・、ミーナも甘えたかったよな・・・・・母さんに」
ミーナ「・・・・・だから違うって言ったでしょ。『かばって』じゃなくて『助けて』でしょ。私はいいよ・・・だって、そういうこともあるってことだから」
自分の罪の辛さをただただ泣きじゃくる子供のようにミーナにぶつけて・・・
いつの間に、こんなに成長したのだろうか・・・
何もかもを悟っているかのように優しく、俺を決して責め立てはしない
エレン「こんな俺で良ければ、いくらでも甘えていいからな・・・?」
ミーナ「こんなって・・・もう!こんなお兄ちゃんだから・・・私は良いんだよ」
エレン「そうか、ありが
『お母さーん!あの人たち、道の上でなんでえっちなことしてるのー?』
『えっちって・・・違うのよ!見ちゃいけません!』
ミーナ「・・・・ふふっ」
エレン「・・・・さ、さぁ早く買い物行こうか」
ミーナ「えへへ・・・そうだね」
エレン「なあ・・・」
ミーナ「ん、なにかな・・・?」
エレン「いつでも俺はお前を助けてやるからな」
ミーナ「・・・・うん」
「当然でしょ」
ミーナには見られてないよな・・
俺は目をそっと閉じた。
とたん、そこからつつっと生あたたかい滴がこぼれたことに・・・
俺も涙腺が緩む歳なのかな
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー
エレン「失礼します・・・」
俺が他クラスに出向くなど珍しい
『あの人って、あの不良だよね・・・?』
『えっ!?あの一時期噂になった、あの祝い潰しのエレンっていう』
なんだそれ・・・俺、罰当たりにもほどがあるだろ
確かに俺は祝いの儀式の日に問題を起こした
けど別に俺は入学式を駄目にしたわけでもないしな
アルミン「エレン!どうしたのさ・・・?」
俺の居るクラスでは俺がアルミンと話すことは結構日常茶飯事のこととなっていたが
このクラスでこれをすることは初めてだ
一斉に夏のセミが鳴きだしたかのように、ヒソヒソがやがやと至る所から声が聞こえ、正直うるさい
こうなることは扉を引いた辺から気付いていたがな
『ア、アルミン君!?』
『もしかして・・・カツアゲ?』
『先生呼ばなきゃ・・・』
エレン「お前ってさ、うちのクラスの特に無駄にチャラい女と知り合いか?」
アルミン「特に無駄にチャラい・・・・あっ、あの人なら少し話したことあるし面識はあるよ?」
エレン「それとセットでよく隣にいる、普通の奴は?」
アルミン「その人も同じだよ・・・?」
アルミンに聞こえる程度の小声で話しかけた
それに対してアルミンは耳を傾けてくれた
エレン「じゃあ、これをそいつらに渡してくれないか・・・?」
あるものが入った箱をアルミンに手渡す
アルミン「なにこれ?」
キョトンとした顔をし、首を少し右に傾ける
エレン「中にはケーキが入ってるからさ、あまり揺らさないでくれ」
アルミン「ケーキ?どうしたのさ・・・?」
女子A「ねぇ、あのアルミンと話してる人さ・・・」
女子B「あの人はAクラスのエレンさんです。入学式の日に暴力事件を起こた張本人ですよ・・・?」
女子A「知ってるわよ。それくらい」
女子B「あの人が、どうしたの?」
っげ・・・チミっ子らはアルミンと同じクラスなのかよ・・
何か話し合っているが・・・聞こえねえな
女子A「あのアルミンに渡してる箱ってさ・・・」
女子B「私も思いました」
女子A「あそこのケーキ屋のよね?」
女子B「プレゼントでもするのでしょう?それがどうかしたの?」
女子A「あの店の店員で背の高い女の人いたじゃない?その人さ、一回だけあの眼鏡のお兄さんのこと名前で呼んだことない・・・?」
女子B「覚えてないよ」
女子A「まぁ・・・たまたまよね。エレンなんてよくある名前・・かな?」
別に無償の優しさというものではない
俺が腑に落ちないだけだ
店員が客の要望に答えられない
俺はそれが腑に落ちない
無理難題というわけでもない
出来ることだから・・・
だから俺は気持ちに整理がつかないから、直接アルミンを通し、このメロンモンブランを渡すことにした
作ったは良いが店にあの女達が来るとは限らないから
そうなっては悪循環になりかねん
アルミン「でも、そういうのは自分で渡した方がいいんじゃないの?」
軽く説得されるが、俺には俺なりの考えがあり、俺のイメージというものがある
いや、正直これを手渡しなんて無理なのは承知の上
エレン「ごめんな。理由は聞かないでくれ」
アルミン「うん・・・・じゃあ、エレンの名前は伏せて、眼鏡の人が渡してと言ったから渡したって言えば良いんだね?」
アルミンは理由も聞かず・・・面倒事を受けて
エレン「おう・・・頼む」
アルミン「友達からの頼みだからね・・・任せてよ」
アニといい、アルミンも本当に良いやつだ
エレン「ありがとな」
アルミン「僕・・・・頼られちゃった・・・」
エレン「ん?何か言っ
「喧嘩はやめなさーい!!」
エレン「えっ・・・・?」
アルミン「ふぇ!?ペトラ先生?」
扉が、ピシーン!って大きな音が聞こえるくらい勢いよく開けられ
そこには、懐かしの駄目教師が仁王立ちしていた
ペトラ「聞いたわよ。カツアゲですって?アルミン君大丈夫・・・?」
そういや野次馬の一人が『先生呼ばなきゃ』とか言ってたな・・・はぁ面倒なことを
「違う」と言おうとしたら、すかさず
ペトラ「言い訳なんて先生聞きたくありません!あなたは誰なの?名前は?クラスは?」
ペトラ先生の俺に対する面識は、眼鏡をかけたラフスタイルのほうだからな・・・
エレン「1年A組のエレン・イェーガーですが」
ピクっと反応し、少しぎこちない笑顔が先生からこぼれる
ペトラ「あ、あらあら・・・・エレン君なの?へぇ・・・・じゃあ多分・・」
エレン「あぁ。あいつらの勘違いだ」
勝手な早とちりのせいで、別の悪魔を召喚してしまった
ペトラ「私はそんかエレン君を見るのは初めてなのよ!いつもはそんな感じなの・・・?」
エレン「いつもはこれだが?あれは家や出掛ける時限定です」
アルミン「え?なにが?」
俺とペトラ先生を交互に見ながら、何も知らないアルミンはそう告げた
エレン「・・・・秘密だ」
ペトラ「はっ・・・これが『2人だけの秘密』というものなの!?ねえ!エレン君!?」
エレン「うるさい。知ってる人間は・・・確かに妹以外には、ペトラ先生だけだな」
アルミン「むぅ・・・僕にも教えてくれたっていいんじゃないのかな・・?」
風船のように頬をぷくっと膨らます
『天使だ』
『天使・・・』
『結婚しよ』
最後の一人が男の声に聞こえたのは俺の耳が悪かったってことでいいんだよな?
エレン「あはは、ごめんな。・・・こればっかりはアルミンにも話せないんだ」
ポンポンとアルミンの頭に手を乗せる
アルミン「いつか・・・話してくれるかい?」
エレン「いつかバレちまうかもしれないしな・・」
アルミン「ふーん・・・じゃあいいよ」ニコッ
ずきん・・・とした
エレン「あ、あぁ・・・」
アルミンの純粋な笑顔を見せている
そんな友達に隠し事をしていると思うと何故か胸が少し痛い
ペトラ「じゃあ一応今回の件は、外野の勘違いで良いのね?」
エレン「はぁ・・・なんでこんな先生まで出動する大惨事に・・」
ペトラ「ねえ、聞いてるの?」
エレン「はいはい!俺はこいつに頼み事をしていただけだ」
ペトラ「・・・・あっ、怒ってるの・・・?」
エレン「否定は出来ないな」プィ
ペトラ「・・・・・・・」
エレン「・・・・?俺はもう部屋に戻るからな。またなアルミン」
アルミン「うん!じゃあ・・・またね」
ぱたぱたと小さく振る手に対し、俺も小さく振り返した
俺は早くこの境遇から卒業したい
何をしても怯えられるこの境遇から
俺が席を立つだけで一瞬視線が集まるんだ
俺がアニを探すために周りを見渡したら、綺麗にみんな目をそむけるんだ
俺に触れたら、みんなまずは『すみません』って、謝ってくるんだ
小学生の頃の俺は、まだこうなるとは知らなかったよな
俺はただ笑うしかなかった
今回はここまでです
読んでいただきありがとうございます
>>668
ミス訂正です
エレン「・・・・?俺はもう教室に戻るからな。またなアルミン」
です
ミーナ「学校にお菓子持ってきちゃダメって校則に入ってるでしょ?」
「知ってますか?こんな偉大なる先人の言葉があります『校則は破るもの』とね・・・・廊下があるなら走る、それは太陽が昇りそして沈んでいくものと同じこと・・・自然の原理と同様です。そうなるものだということです」
人差し指をピンと立てて、それはまさしく博士が学説を語るかのような態度で、
学校でお菓子を食べるということを正統化させようとしている、このポニーテールの似合う女の子は
私の親友のサシャです
ミーナ「なら今から先生に伝えてくるね」
サシャ「嘘です嘘です!」
放課中にも関わらず、お菓子を平然と食していることに対して私は大変ご立腹なのです
親友としてクラスメイトとして、こういう悪いことをしちゃダメって言い聞かせてあげなくちゃ
ミーナ「そんな食べたらお腹こわしちゃうよ」
サシャ「いいえ、問題ありませんよ!私の胃袋は無限大です」
そんな食べたら太っちゃうよ
でもいくら食べても太らないのが、この子なんだけどね
なんかうらやましいな・・・
ミーナ「無限なんて有り得ないよ」
サシャ「あっ!そんなことより、ミーナ?」
机に手を起き、身体を前のめりにして
私の顔の前まで、自分の顔をグイッと寄せてきた
いきなりのことで体がピクっと反応した
ミーナ「な、なにかな・・・?顔が近いよ・・サシャ」
サシャ「まーた、告白されたようじゃないですか」
軽くにやけ顔を見せて、おちょくるように話し掛けてくる
あ、あれれ・・・・?おかしいな・・
あれは体育館裏で誰も見てないはず
ミーナ「あ、あははは・・・なんで知ってるのかな・・・?」
サシャ「そりゃミーナは裏では人気ですからね・・・謙虚で可愛い清楚だって」
それは微かに耳にしたことはあるけど・・・
私には良いとこなんて1つもないのに・・
謙虚なんて私は遠慮がちなだけ
可愛い?それは到底理解できない
清楚なんてただ礼儀を弁えているだけなのに・・・
つまり、私は特徴がないのが特徴みたいな人間なのに・・・
ミーナ「私は普通に普通で普通な特徴のない女だよ・・・・それにクラスには可愛い子なんてたくさんいるし」
サシャ「だから『裏』ではなんですよ?って、それより!」
ミーナ「な、なに・・・?」
サシャ「なんで誰とも付き合おうとしないのですか・・・?この前のサッカー部の後輩なんかは結構イケメンでしたじゃないですか?」
あぁ・・・あれは誰から見ても格好いいと捉えれるかもね
私から見ても魅力的だとは感じた
でも、感じただけ・・・
別に好意を寄せれるような人ではなかった
調子に乗った考えだと言えるだろう・・
私はこの手の話になると、いつもある人の顔が頭を横切るんだ・・・
汗が私の頬をつたう・・別に特別暑いというわけではない
これが冷や汗というものか、嫌な汗というものなのかな
ミーナ「だーかーら!なんで知ってるのよ!」
サシャ「それは秘密の情報網です。それより、なんで付き合わないのですか?」
別に付き合う気がないから付き合わないだけだし・・・
そう・・・ただ気がないだけ・・それだけだもん・・・・
ミーナ「言いたくない・・・」
サシャ「なんで言わないのですか?言ってくれなきゃ、クラスにミーナのパンチラ写真を公開しますよ?」
ミーナ「えっ・・そのベタな脅迫はなんなの!?というか、いつの間にそんなの!?」
サシャ「なんて冗談です。写真はばら撒きませんよ」
軽く恐怖を感じた私である
ミーナ「持っているのは冗談じゃないのね・・・」
サシャ「ミーナの親友として教えてくれたっていいじゃないですか」
真面目なんだかお遊びなんだか分からない態度で私に言い寄ってくる
これは誰でも言えることだけど・・・
人が好きだ嫌いだという話は言いたくないのが主流だと思うの
そんな簡単に教えて、仲が崩れたり微妙な関係になったりするのは私は嫌だし・・・
ミーナ「うぅ・・・・」
サシャ「それとも・・・ミーナにはもう付き合ってる人がいるんですかね・・?」
ミーナ「いないよ!そんなの!!」
サシャ「では・・・・好きな人がいるとか・・・?」
心臓を槍で貫かれたように、私の今頭で考えていたことを的確に言い当てられた
いや、的確に言い当てられたわけではない。
掠ったといったほうが正しい
ミーナ「ふぇ・・・い、いないよ・・。そんなの・・全く・・・全然・・・・微塵も・・」
これが『図星』ということだろう
嫌な汗が私の胸に向かって首元から流れ落ちていく
サシャ「もう素直なんですからぁ~・・・それが答えになってますよ。誰です、誰です?」
私の態度に対し察したかのように言及してくる
ミーナ「だから、いないって・・・・逆に、そんなサシャはいるの・・・付き合ってる人?」
サシャ「私とは無縁な話だと思いますが?」
ミーナ「うん・・・そうだね」
まぁそうだよね・・・
サシャはまず食べ物にしか興味を示さないのだから
サシャ「でも、優しい人にはこの前会いましたね」
ミーナ「優しい人・・・?」
サシャが人間に興味を持つなんて珍しい・・・
空から苺でも降ってくるのかな・・・?
そうしたら、食費が浮くかも
えへへ・・・考えたら幸せな気分になってきた
サシャ「私に食べ物を買ってくれました」
ミーナ「うん」
サシャ「そして食べさせてくれました」
ミーナ「えっ・・・それだけ・・?」
境遇が私とそっくりかも・・・
サシャ「むぅ・・・それだけですけど・・それだけでも、嬉しかったのは嬉しかったのです・・・」
急に口篭る
ミーナ「へぇ・・・・」
サシャ「私にこんな優しくしてくれたのは、ミーナとあの人しかいないんです・・・だから・・とても嬉しくて嬉しくて・・・・」
2年前の・・・私達の出会い
私とサシャの出会いが、サシャの言う人にそっくりなのでした
まだ桜が散る寸前の頃だっけ・・・
クラスである一人の少女がいました
そしてうちのクラスでは恒例の出来事がありました
決まって2時間目に異様な音が聞こえるという
『ぐぅ~・・・』と低音を響かせる異質とも言える音
だけど、その音は今日はなぜか朝のホームルームの時から聞こえていたのです
3時間目が終わった頃かな?
私が教科書の準備をしていたら、背中にドン!と何かがぶつかってきたの
イタズラかな?と思い、振り向いて、そこにいたのが、このサシャなのでした
どうやら遅刻しそうになり、朝ご飯を抜いてきていたらしく、お腹が非常に空いていたらしい
彼女は意識朦朧の中、ふらついていました
私はカバンに入っていた、のど飴を与えました
1つ、2つ、3つ・・・・と、欲しいというので与えていきました
いつの間にか袋丸ごと全部計15個をバリボリと食べきったのでした
「神様」や「命の恩人」と言い、私に付きまとうようになり
そしたら、もう自然と時間の成り行きで、話すようになり遊ぶようになり・・・
そして、今がその関係の成れの果てです
どうやら遅刻しそうになり、朝ご飯を抜いてきていたらしく、お腹が非常に空いていたらしい
彼女は意識朦朧の中、ふらついていました
私はカバンに入っていた、のど飴を与えました
1つ、2つ、3つ・・・・と、欲しいというので与えていきました
いつの間にか袋丸ごと全部計15個をバリボリと食べきったのでした
「神様」や「命の恩人」と言い、私に付きまとうようになり
そしたら、もう自然と時間の成り行きで、話すようになり遊ぶようになり・・・
そして、今がその関係の成れの果てです
ミーナ「サシャは食べ物のこととなると本当にそれしか見えなくなるからね」
サシャ「私は食べ物をくれる人に悪い人はいないと考えてます!寧ろ良い人しかいないと思います」
ミーナ「一応聞くけど、どういう人なの?」
サシャ「あんまり知らないです。黒髪の男性でした」
別にバカだな。とか感じてないよ?
だってこれがサシャだと私は知っているから
ミーナ「世の中には黒髪の男性は星の数ほどいるからね?」
サシャ「あと、右利きで目が2つありました」
ミーナ「ごめんね。サシャに難しいことを聞くことが間違ってたかもね・・・」
サシャ「ひどいですよ!他にも覚えてます!肌は肌色で口は1つで・・・」
ミーナ「もう大丈夫だよ・・・」
サシャ「想像湧きました?」
ミーナ「うん。人間だということは分かったよ」
別に私はサシャに幻滅とかしてないよ?
別に私はサシャに諦めとか感じてないよ?
だってこれがサシャだと私は知っているから
私はこんなサシャを受け止めているから
私はサシャの良いところをもっと知っているから
サシャ「あれ?ミーナ、空なんて見つめてどうしたのですか・・・?」
ミーナ「私は強い子だもん・・・」
サシャ「そういえば今日はミーナの為に、ミーナの大好物のカットキットをあげます!」
ミーナ「別に大好物じゃないよ・・・でも、ありがと」
サシャ「えへへ・・・半分こですよ」
ミーナ「というか普通に貰おうとしちゃったけど、学校で食べちゃダメってさっきも言ったでしょ?」
サシャ「もう遅いですー!折っちゃいましたー!袋開けちゃいましたー!」
ミーナ「・・・・・・はぁ・・・」
それを言った後に、折って開けたじゃん・・・
サシャ「ほら、あーんです」
ミーナ「ダメなのはダメなの」
サシャ「知ってますか?このお菓子は大切な人に送るものでもあるのです」
ミーナ「ん、聞いたことはあるよ」
サシャ「裏に感謝の言葉などを書いて贈るのです。ミーナには贈りたい人・・・居ますか?」
ミーナ「い、いきなり・・・?」
サシャ「私にはいますよ」
ミーナ「さっきの黒髪の人?」
サシャ「その人には贈りたいです・・・・。でも、私はミーナに一番に贈りたいです」
ミーナ「・・・・・・。そっか」
サシャ「はい!いつもいつも・・・ありがとうございます」
ミーナ「・・・うん。じゃあ・・もらっちゃおうかな・・・・サシャの期待を裏切ることなんてしたくないし・・」
サシャ「えへへ・・・やっぱ大好き!!ミーナ!」
ミーナ「きゃっ!そんな唐突に抱き着いてこないでっ」
サシャ「さすが私の親友です!」
ミーナ「はいはい・・じゃあ、いただきます」
サシャ「じゃあ、もう半分は私がいただきます!あーむっ・・」
ミーナ「というか・・・このやり取り3日前にもやらなかったっけ?」
サシャ「いいのですー!ミーナの笑顔が見れれば私は毎日だってしますよ」
ミーナ「もうー、それじゃそれをしなきゃ私はいつも笑顔を見せないみたいな言い方じゃんか」
サシャ「人の本当に幸せそうな笑顔は、結構レアなんですか。ましてや、ミーナなんていつも考え事してますし・・・ね?」
訂正
サシャ「人の本当に幸せそうな笑顔は、結構レアなんです。まし てや、ミーナなんていつも考え事してますし・・・ね?」
ミーナ「そうなのかなー・・・」
サシャ「そうなんです!」
ミーナ「ね?話変わるけど・・・私はサシャ好きな人が出来たでしょ」
急に俯くサシャ
自分がいじられるのは嫌なのかな?
サシャ「・・・・・」
ミーナ「さっき話してた黒髪の人でしょ?サシャを見てれば分かるよ」
サシャ「大好きですよ・・」
ミーナ「うん」
サシャ「あはは、でも私はあんまり好かれてないようです・・・」
ミーナ「・・えっ・・・」
どうしよ・・・地雷を踏んじゃった・・
ミーナ「・・・ご、ごめん・・。そんな辛い思いは」
サシャ「大丈夫です。私はこの恋を諦めませんから」
ミーナ「うん・・・・サシャらしいね」
サシャ「はい!私、大好きですから」
ミーナ「よし、がんばれ!」
サシャ「ミーナも大好きです!」
ミーナ「はいはい、それは毎日聞いてるよ」
今回ここまで
読んでいただきありがとうございました
>>688ー689
の連投すみません
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ーーー
時に現実は残酷で
望んでもないことが起きてしまう
ミーナ「お兄ちゃん・・・?」
望んだことが起こるのはそれは計画性のあるものだ
きっとこうなるだろうではない
こうなると先手をとっておくものだ
ミーナ「どうしたのお兄ちゃん・・・・?そんなこの世の終わりみたいな顔をして・・?」
予期せぬことが自然と起きてしまうのが現実である
空から美少女が降ってくる
朝起きたら女になっていた
可能性はないものとされている
それは確実に『奇跡』といえるもの
エレン「だけど、それは決して可能性がないとは言えない。飛行船から訳あって飛び降りたかもしれない。夜中に性転換手術と女性ホルモン注入されたかもしれない」
ミーナ「お兄ちゃん真顔で急に何を言ってるの・・・?」
だがそれは自分では望んだことではない
本人の意見を考慮してない
さて、結果としてこれは良いことなのか?
ミーナ「どうしたの・・・?急にマスクしてフードかぶって眼鏡をかけて・・?」
断じて良くない!
結果として残るのは面倒事だけだ
ミーナ「・・・どうして急に私の髪をほどいて・・・・。あれ?ポニーテール?お兄ちゃんはこういう髪型のが好きなの・・・?」
すべての事実は結果として面倒事を招く事に繋がるんだ
ミーナ「きゃっ・・・そんな私の顔を胸に押し付けてないで・・。お兄ちゃんの香りが・・・ふぁぁ・・・・」
エレン「しぃ・・・静かにしてくれ。あとでアイス買ってやるから」
ミーナ「・・・ふぁ・・・・・・はい・・」
だから何度でも言う
「おぉ!エレンではないか」
「エレン君ひさしぶりー!」
”現実は残酷”だと
エレン「人違いですこと?私はエレーナですわ」
リコ「・・・・・何をバカなことを言ってる?」
ペトラ「・・・・・エレン君、大丈夫?」
エレン「そんな痛い子を見るような目で俺を見ないでくれ」
白く綺麗な髪の女性は胸の少し下で腕を組んでおり
茶髪の分け目のはっきりとした女性は両手を腰の位置に置き、前かがみになり俺の顔をのぞき込んでくる
ペトラ「エレン君・・・・その抱き締めてる子は彼女かな?処女の私へのあてつけかな?」
リコ「落ち着け・・・何の為の慰安旅行だと思ってる?」
ペトラ「だって・・・・目の前で平然とイチャつくカップルって・・・・・ねぇ?爪って剥がすと痛いらしいよ?」
エレン「清々しいくらい危険な大人アピールだな。触ったらヤケドしそうだ」
ペトラ「最近は学校で当然のように生徒達は生徒同士でいちゃいちゃ・・・校則に『校内恋愛禁止』を足してもらいたい・・」
エレン「教師やめちまえ」
ペトラ「合法的に理由をつけて訴えてみようかな・・・あんなの見ていたら吐き気がする・・」
吐き気がするって・・・あんた女性だろ?
さっきから口が悪すぎだって・・・
エレン「ペトラ先生はそんなキャラでしたっけ・・・?」
ミーナ「お兄ちゃん・・・ふへへ・・」
胸に鼻の骨がグリグリとあたる
いかん・・押し付け過ぎたか・・・?
リコ「お前はいい加減にしろ!」
ペトラ「っあで!だってだって・・・・エレン君でさえ恋をしているのにぃ・・・」
リコさんの小さな手がペトラ先生の脳天にクリティカルヒットした
エレン「おい『でさえ』ってなんだ?『でさえ』って?」
ミーナ「はっ・・・」
リコ「こいつはエレンの妹だぞ・・・?しかもエレンが恋愛するなど太陽と月が衝突すること以上に難しい」
ペトラ「私はエレン君を信じていたよ!どう?大人なお姉さんも良いと思わない・・・?」
エレン「見事な手のひら返しに度肝を抜かれました。つか、リコさんひどっ・・・」
ミーナ「あ、リコさんお久し振りです!」
リコ「うん、久しぶりだな我が妹よ」
リコさんの妹じゃない
ペトラ「私はリコ先生の同僚で友達のペトラだよ」
ミーナ「は、はい。私はミーナです・・・・ペトラさん!」
エレン「じゃあ俺達はそこの温泉街行くので・・・それではまた」
リコ「おっ!奇遇だな」
・・・ん?何がだ・・・・
ペトラ「うん!私達も・・・」
嘘だ・・・
リコ「温泉街に行くところだったのだ」
やめてくれ・・・
ペトラ「一緒に行こっか」
笑えない冗談だ・・・
リコ「エレンは私と一緒にいたいだろ?」
俺はリコさんには逆らえない・・・
ミーナ「お兄ちゃんどうする・・・?」
リコ「いいんだぞ?断っても・・・?ふふっ・・」
この世界はとても美しい・・・
「一緒に行きましょう」
そして、とても残酷である
リコ「うむ。良い判断だぞ?」
エレン「どうせまた脅迫するだろ?」
リコ「はて?なんのことだろうな」
悪戯に笑うリコさんが・・・なぜか憎めない・・
ミーナ「お兄ちゃん辛そうだね・・?大丈夫・・・?」
ペトラ「私と混浴しない?」
エレン「嫌だ」
ペトラ「良いではないか~良いではないか~」
エレン「嫌だ」
ペトラ「もしかして照れてるの?」
エレン「・・・・・・ふん」
リコ「・・・どうした?」
ペトラ「・・・・・・・ごめん・・・」
リコ「・・・・・?」
エレン「行くなら早く行くぞ」
リコ「ん、分かった!ほらペトラ立ち止まってないで行くぞ」
ミーナ「お兄ちゃん顔色悪いよ・・・?」
エレン「心配ありがとな。でも大丈夫・・・原因は分かってるから」
ミーナ「・・・・?」
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ーーー
まぁ慰安旅行として夏休みを利用しペトラと私は温泉街へ出向いたのだが、エレン達と出会うという幸運ハプニングに見舞われた
エレンは嫌がっていたようだが、私は・・・とても嬉しい
ま、まあそんな嬉しいとか、どうでもよい!
温泉とはいいものだ
私は人間による発見のうちで電気の次に、自然原理とは素晴らしいものだと思っている
ただのお湯に治癒効果があるのだぞ?
自然の成り行きで完成された作品だ
それを見るだけではなく、身に感じることが出来るとは、これまた妙妙たることだ
酸性、中性、アルカリ性など分類され、さらにその湯によって効能が違うのだぞ?
関節痛または美容効果まで、優れた効果をたくさん持ち合わせているのも温泉の良い所
最初にこれを発見したものはとても驚いただろうな
自然がこれを作り上げたのだからな
リコ「足湯とは良いものだ。眼鏡が曇らないからな・・・・」
にしても、ペトラのやつ子供か?
エレンの妹を連れて、色々なお風呂を楽しみたいって・・・
私は別にアトラクションみたいなお風呂は好きではないからな・・・
お風呂は本来浸かってゆったりするものだ
温水プールなど滝湯など・・・
子供なんてたまに風呂で泳いだりするではないか。
まったく・・・・けしからん
リコ「おぉ!つるつるになったではないか!」
ちゃぷちゃぷと音を立て、足と足を擦り合わせたら、想像以上につるつるになっていた
リコ「こほん・・・私ともあろう者が少し大袈裟であったな」
しかし、扇風機も付いており、すぐそこには雑誌類があるではないか
ここで1日を過ごしても良いな。と思えるほど、ゆったりできる空間である
『あれ?お姉さん1人ー?』
リコ「ん・・・?」
『あー、そんな難しい顔しないでいいよ。別に怪しいもんじゃないし』
知らない人間に向かって馴れ馴れしく話してくる奴のどこに『怪しいもんじゃない』と言える口がある
『俺と2人でここまわらない?』
リコ「行かない。以上だ」
『いいじゃんか。俺ひとりでつまんないし、お姉さんもひとりだろ?なら』
リコ「1人で温泉とか寂しいな。お前」
「はぁ・・・」とため息がこぼれる
断ったのにまだ食い下がるとは・・・面倒くさい
しつこいと粘り強いは紙一重だ
「すみません。これ俺の連れなんで」
タオルとアイス2本を両手に持ち、風呂上りの男が現れ、私にしつこくまとわりついてきた奴に話しかける
リコ「エレンか・・」
『なんだよ、お前・・・彼氏か?』
エレン「・・・・んー・・そうだな。彼氏だ。だからどっか行け・・・邪魔だ」
リコ「エレン・・・?」
『・・・ッチ・・・・彼氏持ちかよ・・』
こ、これはアレだよな・・・
こう言えば、あいつも諦めるだろう。という建前だよな
捨て台詞を吐き男は去っていった
エレン「にしても、リコさんがナンパされるなんてな・・・ははっ」
リコ「な、何を言うか!私だって夜の街を歩けば、男の一人や二人くらい・・・」
エレン「ごめんな。勝手に彼氏とか言っちまって・・・」
そう言いながら私の隣に座り、足を湯に音を立てずに浸かした
リコ「別に大丈夫だ。わかってる・・・そう言わなきゃあいつも諦めなかったしな」
エレン「そうか。リコさんは本当に察しが良いな・・・妙な誤解をされずに助かる」
それは私を信頼していることとって良いのか?
エレンは私のことをなんでも知ってるような言い草だな
リコ「逆に私が誤解したら・・・お前はどうする?」
エレン「そんなの言い訳するしかないだろ。別に好きでもない奴に彼女扱いされたらイラつくだろ?」
リコ「むぅ・・・そうではなくてな・・」
エレン「リコさんがそれを本気にしたら・・・ということか?」
リコ「どうだ?・・・・逆にエレンも好きでもない女にそんなこと思われるのは嫌か・・?」
エレン「俺はリコさんなら良いですよ・・・それくらい」
え、えっと・・・・つまりは!つまりはそういうことだよな・・・
私もしっかり恋愛対象としても取れるということだよな・・
リコ「は、はぁ?それはそれは・・・寧ろ、違う意味で困るぞ・・・・・ばかぁ」
エレン「だって、リコさんは頭がいいですから。そんな俺の態度を見れば、段々と気付いていくに決まってるしな。『勘違いしている』って」
リコ「・・・・・・。だ、だよな!私は頭が良いからな」
そうだな。エレンはエレンだ
何を期待していたのだ
エレン「あはは、それは自分で言う事か?前々から気になってるけどさ」
リコ「いいのだ。これが私の唯一の取り柄でもあるし・・・アイデンティティだからな」
エレン「唯一の取り柄って・・・・もっとあるじゃないか?こう・・・可愛いとかさ?」
リコ「・・・・・そうか。ありがとな」
エレン「は?」
ぐいと私の顔に近付いて、ありえないといった表情を見せる
リコ「ん、どうした?」
エレン「いつもなら『かっこいいと言え』と言ってたからさ・・・リコさんこそ、どうしたんだ・・・調子悪いのか?」
確かにな・・・私の今日のテンションはおかしいな
久しぶりエレンをそんな目で見たくなっただけだ
しいていうならば、これは『お試し』というものだ
エレンなら、どう答えるかどうか・・・気になっただけ
それだけだ
リコ「は・・・ははは・・・・・本当に私はどうしたんだろうな・・。さっきのお風呂のせいでのぼたのだな・・・多分」
エレン「あっ、そういや・・・アイスどっちがいい?苺とチョコ」
リコ「なんだよ・・・そんな可愛いチョイスして。女子力高いな、おい」
エレン「女子力とかやめてくれ、俺はそういう類のことは言われたくない」
リコ「なんでだ?料理できる、洗濯できる、掃除できる・・・・あとは女子力高いのは、お菓子作りや、手芸ができる・・・」
エレン「ははは、一般教養じゃないか」
リコ「普通の男ならここまで出来んぞ?」
エレン「逆だ。普通の奴らが出来なさ過ぎてるだけだ。出来ることが普通。そこから、いくつ出来たで、マイナスポイントを足すかどうかの違いだ」
エレンらしい考察であるな
例えば、テストで課題提出があり、その課題は、課題点として足されるのではなく、出さなかったら減らされるということだな
0かマイナスの違いだな
リコ「つまりは、お前のポイントは0ということか?」
エレン「あぁ。出来ない方がおかしい」
出来て当たり前。それがエレンの普通か
リコ「ホント・・・・お前はクソ真面目だな」
エレン「クソ真面目で結構だ」
リコ「私の嫁に来ないか?」
エレン「ばーか。俺が言われたくないことNo.3にそのセリフは入るぞ。だからそういう類のことは言われたくないんだ」
一応、インプットしておこう
・・・・・エレンのことだからな
リコ「じゃあ私を嫁にもらわないか?」
エレン「考えときます」
リコ「おお・・・・脈アリか?意外だな」
エレン「ははは、なんてな・・・嘘だ。嘘。俺なんかを婿にするなんて冗談でも嫌だろ」
私から誘っておるのに、なぜ自分が駄目だからと断るのか・・・
反応から察するにエレンは冗談だと捉えているのだろうか
まぁいいか。
リコ「・・・・・。あっ・・・アイスを食わないか?私は苺で構わんぞ」
エレン「苺とか可愛いな、おい」
私の言い方を真似しおって・・・
リコ「チョコを選んでもエレンはそれを言っただろ?」
エレン「そうだな。そもそもリコさんが可愛いチョイスとか言ったんだしな・・・」
そう呟きながら、アイスの袋をピリピリと破り、エレンは口に含んだ
リコ「それでは、いただく」
私も食に感謝し、冷たい棒を下でペロっと、ひと舐めした
エレン「武士かよ・・・ペロッ・・・・」
首筋から汗が滴り、腕まくりをし・・・
エレンがチョコアイスを舐めてる姿に少し色気を感じたことはエレンには伝えないでおこう
リコ「なぁエレン・・・?」
エレン「なんだ・・・?」
私は気になったから聞いておく
聞かないで損することなんて一番嫌だ
リコ「お前はペトラのことどう思ってる?」
エレン「一言で言うなら『悪魔』だな」
リコ「ははっ、なんだそれ」
考えたら色々な意味でとれる
妙に深い言葉だ
今日は妙なペトラを見てしまったからな・・・
何かがあったのか・・・?
エレン「別に嫌いではないが、なんかというか全てが苦手というか・・・」
リコ「それは嫌いというのだろう」
エレン「可愛いのにもったいないよな」
リコ「むっ・・・」
別にペトラなんかに嫉妬しているわけではない
少し・・・イラッとしただけだ
なんでから分からぬが・・・イラッとした・・
エレン「言動全てが駄目にしてる」
リコ「お前は逆に言動全てがカバーしてるからな」
エレン「それは俺が不細工と言いたいのか?まぁ分かってるが」
リコ「目付きだ、目付きだ・・・まぁ別に私はお前の顔は嫌いではないがな」
エレン「そうか。でも、ペトラ先生は本当に駄目だ・・・『自分勝手』を体現したような人間だ」
リコ「確かにな・・・」
エレン「リコさんも、たまに自分勝手になるぞ?今日だってさ、好きで一緒にいるわけじゃなくて」
リコ「私と一緒は嫌なのか・・?」
エレン「嫌とかそういうことを言いたいんじゃなくてな・・・」
リコ「私はエレンとの時間は好きだぞ・・・?」
エレン「はぁ・・・・それを嘆いたって、もう遅いか・・。俺もリコさんとの時間は好きだ」
エレンは無駄に素直なとこが逆に困る
リコ「・・・・・パクパク」
エレン「何、ニヤけてるんだ・・・?俺、変なこと言ったか・・?」
リコ「けほけほっ!な、何を言うか!私はニヤけてなどいない!」
エレン「そうか・・・・パクッ」
リコ「まったく・・・その眼鏡はレンズが入ってるのか疑うな・・パクッ」
エレン「そういや今日のリコさんは、特に可愛いよな」
リコ「・・・・・冗談はよせ。笑えないぞ」
エレン「そう思うのなら、そう捉えて結構だ」
リコ「・・・・エレンも言う時は言うんだな。驚いたぞ・・」
エレン「というか・・・リコさん今日ナンパされてたくせに」
リコ「・・・・・」
エレン「十分に魅力的だぞ」
リコ「・・・・・・ば、ばか・・・」
ミーナ「お兄ちゃーん・・」
エレン「ん、やっと解放されたのか?」
ミーナ「お酒飲んで倒れちゃったから、リコさん達の部屋に連れてったよ」
ペトラの付き人から解放され、私達の元へ戻ってきたエレンの妹
走ったせいか少し服がはだけて・・・って、私はおっさんか
エレン「ごめんな・・・面倒事を任せちまって」
リコ「これは私から謝らなくてはな。すまなかった・・・・我が妹」
エレン「リコさんの妹じゃないぞ。俺のだ」
ミーナ「そんなそんな・・・」
エレン「ミーナほら、このアイス食べるか?」
70%は残っているアイスを妹の前に出し、譲ろうとしている
ミーナ「えっ・・・・でもこれお兄ちゃんの・・・」
エレン「なんか甘くて飽きたからさ・・・」
ミーナ「そんな間接キ・・・」
エレン「・・・・・?」
妹の言い分がおかしいわけではない
兄の変な意味での察しが悪いだけだ
エレン「リコさんの妹じゃないぞ。俺のだ」
ミーナ「そんなそんな・・・」
エレン「ミーナほら、このアイス食べるか?」
70%は残っているアイスを妹の前に出し、譲ろうとしている
ミーナ「えっ・・・・でもこれお兄ちゃんの・・・」
エレン「なんか甘くて飽きたからさ・・・」
ミーナ「そんな間接キ・・・」
エレン「・・・・・?」
妹の言い分がおかしいわけではない
兄の変な意味での察しが悪いだけだ
リコ「妹。エレンに説明しても無駄だ」
ミーナ「ですよね・・・アムッ・・・・ん、おいしい」
エレン「はは、なら良かった」
自然と手が伸び、エレンは妹の頭を撫でる
ミーナ「うん・・・えへへ・・・・」
やはり私は邪魔なのだろうか・・・
エレンは妹といる時は、本当に良い表情をする
私に見せる怒った顔や笑った顔、悲しい顔とは違う・・・何か違う温かい何かを・・・・
エレン「リコさん・・・?」
リコ「おおっと・・」
エレン「どうしたんだ・・・?眠たいのか?」
リコ「悪いな・・・。やっぱのぼせてたようだ」
エレン「このまま肩を貸してやる・・・休んでいいぞ」
リコ「はは・・・仕方ない。特別だぞ?私と寄り添えるなど・・」
エレン「もう二度と無いかもな。ありがたく寄り添わせてもらう」
リコ「正直言うと、迷惑か・・・?」
エレン「そう思うのなら、そう捉えて結構だ。俺はありがたいと・・・思ってる」
リコ「ふふっ・・・じゃあ、ありがたく思え。この年上フェチめ・・」
エレン「ふぇち・・・?」
まぁいいか・・・私は幸せなんだ
・・・エレンには悪いが、私はこうしたい
私のことは私で決める
人の都合なんて気にしてたら自分の意見を損失してしまう
自分勝手でも構わない
人生は先手必勝だ
自分から動かなくては・・・
何も変えられないから
今回ここまで
季節外れですが、休み突入です
読んでいただきありがとうございました
↑夏休み。ですね
書きますよ
夏休みは話のほうです
なんか申し訳ありません
おとぎ話を読んだことありますか?
私はおとぎ話の主人公に憧れていました
皆が皆、笑顔になるハッピーエンドを生成する張本人だもの
皆で笑って終わりたい
でもそれは子供の頃のお話
私は現実の辛さに心折れたのだ
頼られても実力不足で失望させる
結局、人に頼ってしまう自分
頭の中では想像出来ても行動出来ない
ハッピーエンドの循環の歯車を止めるのが私の仕事になっている
私はおとぎ話でいう成敗される側の人間なのだから
私の予想図は願ったところで叶うはずもない
願うことで願いが叶うはずもない
世の中はそんな簡単なことではない
唯一私が叶えれたのが死ぬ気の勉強の後の大学卒業と職員免許取得だった
高校大学の数年間を勉強に費やした末の結果であった
私は子供の頃から妥協し続けてきた
夢は大きかった。けど私はダメな人間であった
物語を1回読んでも、一度では理解できない
5回も6回読んで、やっと理解できるような人間だ
こんな私でもハッピーエンドを生成する、おとぎ話の主人公になれることは出来るのだろうか?
そんなのは、政治家や宇宙飛行士になるよりも大きな夢である
だって、私の生き方は既に『妥協』が付きものだから
私は子供の頃から何も変わってない
教員になれたからといって、何も変わってない
ただただ学校で授業をし、適当な男に恋愛とも呼べぬ告白などをし、ただただ給料を貰うだけの人生
何かしようとしても失敗すると分かってる
だから私の日常は妥協に囲まれている
ペトラ「んんっ・・・あれ・・」
エレン「昼間っからお酒なんて飲むから倒れるんだよ」
ペトラ「エレン君・・・」
横たわっている私の顔を不思議そうに覗き込むエレン
エレン「ペトラ先生は、なんで泣いてるんだ・・・?」
撫でるように私の涙をエレンの手が優しく拭った
ペトラ「・・・泣いてないよ・・」
手を弾き、自分の袖で目の周りを擦る
エレン君はいつから私に敬語を使ってくれなくなったのかな・・・
・・私ってやっぱダメな大人だからね
年下にそんな扱いを受けるのは時間の問題だったんだよね
エレン「そうか・・・・大丈夫なら行くぞ」
ペトラ「えっ・・・どこに?」
手を握り、グイっと私の腕を引っ張り上体を起こさせた
エレン「一応、この温泉街には色んなお店とかあってな・・・一緒に回るからさ・・」
パっと手を離し、私にそう告げてきた
私は久しぶりに感じた人の体温に余韻に浸っていた
ペトラ「・・・・・」
エレン「まだ辛いなら寝てて良いぞ・・・?」
ふと疑問に感じた
ペトラ「なんか・・・妙に優しいね」
エレン「俺は人から放置されるのは別にいいが、逆に人を独りにさせるのは好きではない」
私はエレン君に言いたい・・・聞いて欲しいことがある
ペトラ「ねぇ・・・・私って、ちゃんと生きられてるかな・・・」
エレン「・・・・急にどうした?」
ペトラ「私、生きてる意味が分からなくなってきたよ・・・」
エレン「リコさんから聞いたぞ・・・・男に振られたからそれを癒す為の慰安旅行なんだろ?」
ペトラ「・・・・・・」
エレン「男に振られたからって簡単にそんなこと口走るな。思春期真っ只中の中二男子か・・・・そういうのは海で夕焼け見つめて愚痴ってこい」
そうじゃない・・・そうじゃないんだ
ペトラ「振られたことは正直どうでもいいの・・・」
表面上はそうだけど・・・違う
私はなんか疲れていた・・・・それだけなんだ
形的には癒しの場とされてるところに行き、この崩れた自分の脳内を癒してくれると思ったから・・・
心癒される、気持ちが和む、ほのぼのする・・・そんなのを望んでいた
闇以上の輝きがあれば、闇を消せると思っていた
でも私の闇は大き過ぎた・・・
でも然るべきは・・・・私の悩みが消えてほしい
心変わりが出来ない自分が情けない
エレン「・・・・どうだろうな。生きてる意味が分からないなら見つけろ。以上だ」
見つけれない
私の人生のピークは教員資格認定試験合格だけだから・・・
私の長期で最も努力をしたこと・・・
それ以上の喜びが・・・
それ以上の妥協しないことが・・
私に出来るのだろうか
ペトラ「そんなこと言われたって・・・」
エレン「・・・あんたが生きてる価値を感じてないこの時間は、既に死んでしまった誰かの最も欲しがってた『今』なんだぞ」
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リコ「エレン・・・・妙に遅かったな?ペトラとなんか話していたのか?」
エレン「・・・・・・リコさんはペトラの状態を知っているのか?」
リコ「お前はなんでそんなに特殊な人間を見つけるのに長けているんだ」
エレン「なぜ隠したかは問わない」
リコ「隠したつもりはない。私は、まさか悩みを打ち明けるわけ無いと思っていた。それだけだ・・」
エレン「嘘だな。俺はペトラ先生との関わりは少ない・・・言いたい事は、わかるよな?」
リコ「よくわかったな。私は前に内明かされた時に、ペトラにこう言っただけだ・・・『エレンはお前以上の苦労人』だとな」
エレン「いや俺はペトラ先生以上の苦労人ではない。生きる価値を問いたりはしない」
リコ「私は今日エレンと出会えて本当に幸運だと思えた。癒す為にとったこの時間を、解決に持っていけると思うとな」
エレン「・・・・・は?何が言いたい」
リコ「答えは出ているだろ?」
エレン「待て。確かに俺は特殊な人種とのエンカウント率は高いとしよう・・・・だからといって俺はカウンセラーじゃない」
リコ「そうか?あれから既に少しペトラの目が変わったように見えるのは私だけだろうか?」
エレン「あれは説教をしてやろうとな・・・」
リコ「さすがエレンだ。やはり、もう首を突っ込んでいるのだな」
エレン「・・・・・はぁ・・」
ーーーーーーーーー
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エレン「ミーナ。荷物は持ってやるから、リコさん達と一緒に買い物に行ってこい」
ミーナ「そんなの悪いよ」
エレン「ほら、お小遣いだ。好きなの買ってこい。俺の事は気にするなって」
ミーナ「お兄ちゃん・・・」
エレン「リコさん達を待たせたら、それこそ悪いだろ」
ミーナ「うん!ありがとね・・・行ってくる」
エレン「おう」
ーーーー
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リコ「どうだろうか?この髪飾りは似合うか?」
エレン「似合うけど、やっぱリコさんはそういうの付けない方が似合うかもな」
リコ「こんなもんいるかボケっ!」
エレン「店内で大声を出すなって・・・」
リコ「ならこのネックレスはどうだろうか?」
エレン「可愛いが、やっぱリコさんは何も付けない方がいい」
リコ「エレン・・・お前はこんな人がいる中で全裸を要求するのか?」
エレン「は?」
ミーナ「は、はれんちだよ・・・」
エレン「いや、待て!」
リコ「さすがエレンだな。その勇気を私は尊敬に思うぞ」
エレン「おいコラ白髪」
リコ「白髪ではない!銀髪だ!可愛いかつクール感を醸し出すこの洗練された髪を愚弄するお前は本当に愚か者だな」
エレン「よし、表出ろ。話は外で決める」
リコ「いいだろう。私の話術の前で涙を流すことになっても後悔するなよ」
エレン「俺だって少し頭にきたからな?褒めてやったのに調子に乗るリコさんが悪い」
ミーナ「あわわわ・・・」
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エレン「食事中くらい静かに出来ないのか?」
リコ「私は思うのだ。こういう風情のある店で食事をするということは心も安らぎ自然と食欲が湧くものだと」
ミーナ「あぁ・・・それ、わかります」
リコ「木造建築ということもあり、コンクリートなどの人口化学物質をあまり使用していないからシックハウス症候群の恐れもない」
ペトラ「そうだね。柱や壁を自然物質を使用している点では、そういった環境から身体へ害するものはないからね」
リコ「何より、檜の香りがとても心を落ち着かせる」
エレン「何度も言うが・・・・静かに食べれないのか?」
リコ「そんな静かに食べるなんて・・・お葬式みたいになってしまうではないか。喋りながらだと食事だって楽しいだろ」
エレン「なら、その口周りを気にしてみろ」
リコ「んなっ・・・私はまたそんな失態を・・」
エレン「ん、こっちに顔を向けろ。早急にだ」
リコ「エレンのくせに生意気だぞ」
エレン「はいはい・・・拭いてやったから、今度は静か綺麗に食えよ?」
リコ「そもそもな。食事中に会話をするということはマナー違反というわけではないんだぞ?」
エレン「それくらい知ってるだけどな、女性なら女性らしくお上品にな・・・」
ミーナ「お兄ちゃん全然箸が進んでないよ」
エレン「はぁ・・・悪い・・」
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1日を温泉と買い物で過ごすという女性としてはとても有意義なものとなった
だが、私の心はとても不安定そのものであった
下手したら吐き気に襲われそうになるくらい、気持ち悪くもなりそうな程・・・・もやもやしている
リコ「なんだ、眠れないのか?」
ペトラ「ちょっとお昼寝し過ぎたみたい・・・」
正直、そうではないのだけど
リコ「そうか・・・夜ふかしは肌の敵らしいぞ。エレンが言ってたから、確かなことだ」
いつもいつも・・・リコ先生の口からは『エレン』という単語が出てくる
『エレンがな・・・』と話が始まるのは日常茶飯事とも思えるくらい
ペトラ「リコ先生はエレン君をどう思ってるの?・・・『確か』と言えるほど、なんでそこまで信用できるの?」
リコ「その質問に対し私が言えることは、お前がエレンを知らないだけ・・・それだけだ」
ペトラ「だからって・・・」
リコ「私は信用されている。なら信用しても良かろう?」
ペトラ「なんの根拠があって言ってるの?」
リコ「・・・・・お前は今日エレンの何を見たきた?」
ペトラ「えっ・・・」
リコ「この前に伝えただろう。エレンはお前以上の苦労人だと」
ペトラ「だからといって信用出来ることに繋がらないよ」
リコ「だからな。お前は今日何を見てきた?」
ペトラ「エレン君が気遣う様を・・」
リコ「それの行動に対し、お前は何を感じた?」
ペトラ「すごいと思ったよ・・・何にでも対応できて」
リコ「お前が今はどうだか知らないが・・・お前も前は気遣う側の人間だったろ?人の為に動いていた。そうだろ?」
ペトラ「でも失敗ばかりだったから」
リコ「折れたのはお前が悪い。だが、エレンは折れないだろ?」
ペトラ「・・・」
リコ「お前には助けれる人がいれば助けてくれる人がいた。だけど、エレンには助けれる人がいても、助けてくれる人はいなかった。いてもミーナ1人だ」
リコ「これがお前とエレンの差だ。エレンは妥協できようにもできない・・・自分でするしかないから死ぬ気でやるしかない」
ペトラ「そんなこと・・・私が本気じゃなかったって言いたいの?」
リコ「簡単に言えばそうだ。だからエレンは人にしか目がやれない。友と崖に落ちそうになっても自分が助かるより、きっと友を助けることを優先するだろう」
ペトラ「・・・・・」
リコ「そこまでストイックになれとは言わない・・・だが、お前はそこまで本気になれるか?」
ペトラ「・・・・。ちょっと飲み物買ってくるね」
リコ「・・・・そうか」
ガチャ・・・
リコ「・・・・・・」
PiPi・・・
リコ「・・・・自販機の前っと・・送信」
今回ここまです
毎回更新遅くてすみません
読んでいただきありがとうございました
>>761
ミスです!
エレン「・・・・・・リコさんはペトラの状態を知っているのか?」
を
エレン「・・・・・・リコさんはペトラ先生の状態を知っているのか?」
に変えます
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー
『ロリータ』という物語を知っていますか?
最近では『ロリータ・コンプレックス』と呼ばれているが、その言葉の大元となった物語だ
語り手のハンバート・ハンバートは、いつだって自分のことしか見えていない愚かな男でした
自分を愛してくれる女性の思いなど少しも顧みることが出来ず、内なる理想の少女を追い続けました
ロリータというその理想の少女さえも、彼にとって、はたして現実の存在であり得たのだろうか
だがロリータはどこにでもいる普通の少女に過ぎなかったのに・・・
だから、愚かな男とされている。
そう。それは私と同じ
私のしたいこと、こうなりたいというものは、全て私の理想のもの
助けてくれる人がいるにも関わらず、自分のことしか見えていない愚かな女
でも、それに気付けたのは世を明けた後の話
これは、世を開ける前の野生の動物でさえ、眠りに入った夜遅くの話
私の世界を変えさせられた時の話
私は旅館のロビーにある自動販売機まで足を進めました
明かりはほとんど消されており、蛍光灯が数本と自販機の電灯がとても目立って輝いている
普段の私なら誘われたとしても恐怖感じ、共に行くことさえ拒否をしていたと思う
だけど今日は違った・・・
いや、今日か?もう日は跨いでしまっただ
私は人に秘密を告白することはリコ先生で初めてでした
リコ先生なら打ち明けて解決してくれると思っていた
結果、未解決でした。
でもリコ先生はある人を教えてくれました
私より苦労をして生きるもの、私以上に人を思うもの
形はどうであっても・・・・最後はハッピーエンドを生成する人
それが、彼でした
「どうだ?生きる価値を見つけたか?」
と、彼が私に問いかけてきました
ペトラ「そんなの早すぎだって」
エレン「そうか?俺なら正直5分もあれば考えを纏めれるけどな」
ペトラ「それが私とエレン君の差だよ・・・」
エレン「そうだな。『差』という言葉で1つで解決させている時点で俺とおま・・・ペトラ先生は違うもんな」
ペトラ「だって・・リコ先生もそう言った」
エレン「リコさんの考察は正しいと思う。だが、それは客観視だ」
ペトラ「だって私からでも分かる!私とエレン君じゃ出来ることに差が」
エレン「はぁ・・・・しつこいな。俺とお前は同じ人間だよ!俺だって妥協ばっかしている!けど、それを挽回できるよう俺は努力している」
エレン「俺が何でも出来る人と思っているのか?だったら、それは思い違いだ!俺だって初めてすることは失敗ばっかだったさ」
ペトラ「・・・」
エレン「俺はそんな高性能じゃないんだよ。お前があることに一回妥協したとしても、俺はそのあることに何十回も妥協している」
エレン「俺は助けてくれる人がいるお前が恵まれ過ぎてて羨ましいさ。お前には周りに人がいる。だから・・・補えてるだろ?」
ペトラ「うん・・・エレンより遥かに・・」
エレン「お前はそれでいいんだよ」
ペトラ「それって・・・。そんなの私は迷惑をかけるだけで
エレン「自分が無理なら、他人に頼ればいい。お前のは妥協じゃない。思い違いだ!それは『助け合い』といえるものなんじゃないのか?」
ペトラ「!!」
頼ることを私はどうやら『迷惑をかける』と勘違いしていたようだ
エレン「ぼっちの俺からすれば、それこそユートピアのようなものだ。手の届かない理想そのもの」
ペトラ「理想・・・・ね。エレンは理想の為なら努力する?」
エレン「いいや。結果の見えるものしか俺は信じない」
これが私とエレン君の違い・・・
私は結果の見えるものまで『理想』として見ていたんだ
ペトラ「ねぇ・・・私は、どうすればいいと思う?」
エレン「どうだろうな。どうすればいいのか分からないなら見つけろ。以上だ・・」
ペトラ「うん・・・」
エレン「・・・・・」
ペトラ「・・・・・」
エレン「・・な・・・なんてな。俺が見つけてやろうか?」
ペトラ「・・・え・・・・」
エレン「お前は【今回のこと】は助けてくれる人がいないから、悩み続けたんだろ?なら、俺がその助けてくれる人になってやる」
ペトラ「エレン君・・・」
エレン「だから・・・・生きる価値も見つけろ」
ペトラ「うん。じゃあ、私・・・エレン君に頼っちゃうからね・・・?」
ハンバートは迷宮から抜け出す道を選ぶことが出来ずに、ロリータに依存心を抱き、苦しみの中に果てました
でも私は、かろうじて出口を見つけられそうです
私に光を掲げてくれる人がいるから
エレン「ばか・・・ぼーっするな」
ペトラ「あわっ・・・」
エレン「ほら、ぼーっとしてるから飲み物零すんだよ」
ペトラ「シミになっちゃうかな・・・」
エレン「大丈夫だ。濡れたハンカチで拭いておけば、次洗濯にかけた時には落ちている」
ペトラ「そっか・・・・良かった」
エレン「ちょっと待ってろ・・・今、ハンカチ濡らしてくるからな」
ペトラ「エレン君・・・」
エレン「なんだよ?急がなきゃシミに」
「ありがと」
私を助けてくれた優しい人達に囲まれている
私はそんなこれまでの感謝の気持ちも込めて彼に伝えた
私も誰かの迷宮の光になれるなら、と願いながら
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー
カタカタ・・・とパソコンのキーボードを叩く音が響く部屋
自然のエアーでコンディショニングしているこの部屋は、とても居心地が良い
白いレースのカーテンが風になびき、ふわふわしている
実に気持ちの良い風が吹く
リコ「良い慰安旅行になったか?」
コトっと取っ手付きのコーヒーの入ったコップを机に置き、私に目を向け唐突に話しかけてきた
保健医の先生が保健室ではなく職員室にいるとは珍しい
ペトラ「良かったよ・・・でも結果としてはまだ未解決と言いたいかな」
リコ「はぁ・・・私がお膳立てまでしてやったのにエレンの奴・・」
額に手を付け、やれやれといった表情
いや、ちょっと待って・・・
ペトラ「お膳立てって・・・えぇ!?リコ先生まで一枚噛んでいたの?」
リコ「ははは、私はお前がフラれて落ち込むような人間ではないと知っていたからな」
私が自動販売機の前に行って、ちょうどよくエレンが居たなんて、今考えればおかしいもんね
ペトラ「いや~、でも少しはショックだよ?」
一応、建前として
リコ「そうか?なら、すまなかった・・・気を遣わずにな」
ペトラ「別にいいよ。リコ先生は素直なとこもリコ先生の良さだしね」
リコ「それはそうと・・・未解決とはどういうことか?・・・コクコク」
そう質問をしながらコーヒーを手に取り、口に含んだ
ペトラ「半永久的に私の傍にいること」
リコ「んぐっ!?ケホケホッ・・・は、はぁ?何の取引をしたんだ?」
口に含んだコーヒーが気管に入り、むせるリコ先生
それはまさに漫画かアニメのようなものを彷彿とさせる
ペトラ「エレン君は・・・私に生きる意味を一緒に探してくれる人だよ」
リコ「エレンはそう転んだか・・・私はペトラが本気になれば解決できることだと思ってたのにな・・」
私はパソコンに向けて、カタカタと打っていた指を止め、リコ先生に向けて
ペトラ「1人より2人だよ・・・それにエレン君は頼りになるし・・」
リコ「あいつは繊細なように見えて意外とデリケートだからな?そう見せないだけだ」
ペトラ「あはは~、教えてくれてありがと。リーコちゃん♪」
リコ「あ・・・・え・・・リコ・・ちゃん・・・?」
ペトラ「そう!リコちゃん先生のが良いかな?」
リコ「出来れば、呼び捨てかリコ先生のが良いんだが・・・」
ペトラ「なら・・・・」
リコ「うむ・・・・ゴクリ・・」
ペトラ「リコたん」
リコ「リコちゃん最高!!リコちゃん素晴らしい!」
ペトラ「えへへ・・・喜んでもらえて嬉しいよ」
あからさまに落ち込んで見えるが、目の錯覚として処理しよう
私は最近、リコ先せ・・・リコちゃんのことをリコ先生と呼ぶのに距離を感じていたから、今回のことは見逃してほしい
リコ「あっ、そういえばペトラは知ってるか?」
ペトラ「ん、何をかな?」
リコ「うちの高校を少し行ったところに綺麗なケーキ屋があるんだけどなー・・・
私の平和はこんなものです
別にハッピーエンドは向かえなくてもいいよね
最後を向かえるまで、ずっと幸せでいれば
それがバッドエンドでも、それはその時に考えればいいし・・・
私は自分の力で助けれるようになりたい
それを叶える為に私は生きているんだって
それにいつか気付いて周りに恩返しが出来る日が来るのかな・・・
,
今回はここまで
ちょっと少なくて申し訳ありません
読んでいただきありがとうございました
すみません。読み返したら誤字脱字が多かったです。毎回申し訳ありません
>>777
でも、それに気付けたのは世を明けた後の話
↓
でも、それに気付けたのは夜を明けた後の話
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー
「いらっしゃいませ」
空は果てしなく蒼く澄んでいる
雲は窓から覗きこんだら、少し西の方向に小さな塊が見える程度
ほぼ快晴といったところだ
ミンミンとセミがうるさいのは夏の風物詩
そして、麦わら帽子に虫取りアミの少年でもいれば完璧だろう
あぁ、夏だ・・・
カランコロンという扉の開く度に聴こえてくる鈴の音
室内であるにも関わらず、吊るされている風鈴
エアコンの風が数秒毎にあたり、ちりんちりーんという音を鳴らす
店内には音楽は極微量の小さな音で流れており、その鈴の音達はとても店内に響く
『すみません、眼鏡のお兄ちゃん!お母さんから誕生日ケーキを買ってきて言われたの!』
夏を感じながら、夏の暑さを感じさせないこの空気はとても好きである
エレン「ホールケーキな。他に何か言われてるかな?」
少し恥ずかしいが子供相手にいつもの口調はまずいよな
というのは建前で、子供相手だとついこんな口調になってしまうのは人間の性だ
子供「えっとね・・・好きな味のを買ってきていいって言われたんだ!」
エレン「じゃあお嬢ちゃんの好きなケーキはどれだ?苺ショートかな、チョコかな?」
店の裏でクスクスとした笑い声が聴こえてくる・・
子供「この苺がたくさん乗ってるの!」
子供「この苺がたくさん乗ってるの!」
エレン「じゃあ、お母さんから渡されてるものを出してくれるかな?お金っていうの、分かるかな?」
子供「この女の人が写ってるの1枚で足りるかな・・・?」アワアワ
背伸びしてカウンターに紙を置く女の子
少し不安な顔を浮かべている
俺も初めて買い物に出掛けた時は、こんな気持ちだったな
エレン「5000円だな。うん、大丈夫だよ。こちらは3000円だから・・・」
子供「ごーひくさんだから・・・にっ!眼鏡のお兄ちゃん2000円だよ!」
エレン「おぉ!すごいな!そっか・・・4桁の引き算が出来るんだな」
カウンター横の小さな扉を通り、女の子の前に足を進め、ケーキを渡す
エレン「2000円はこの財布に入れればいいのかな?」
子供「ありがと!んっ・・・」
お金を女の子が首にかけていたガマ口の財布に入れ、頭を撫でた
よく見ると女の子は両手でやっとケーキの箱が持てる状態
エレン「・・・どうする?お兄ちゃんが持って行ってあげようか?」
子供「えっ!いいの!?」
キラキラさせた目が俺を見つめる
そんな目で俺を見たら、いつか黒く淀んでしまうんじゃないかと不安になる
俺は子供の見本には決してなれない人間だからな
エレン「ははは、いいぞ。ちびっ子」
子供「うん、この後ね。余ったお金で、ちょっとお菓子を買っていっていい言われたの!」
エレン「そうかそうか。んじゃ、ユミル先輩聞いてたよな?行ってきます」
ユミル「うわっ・・・気付いてたのかよ。ははっ良いぞ。行ってこい!」
ずっと店の裏から俺の様子を見ていたことくらい俺は知っている
どうやら俺が変な言葉遣いになったり微妙な表情になったりするのが面白いらしい
真性のドSか?見て楽しむ人間なんだな
はっ・・・反吐が出る
俺が人と接客するのを見つめるユミル先輩の姿は普段通り
お客さんと俺とのぎこちない接客も普段通り
バイトの為に、ここへ足を進めるのは普段通り
「眼鏡のお兄ちゃん、ありがと!」
「はいはい、どういたしまして」
女の子が手を差し伸べてきたので
俺は小さな頃のミーナを思い出しながら
差し伸べてきた小さな右手を掴み、繋いだ
からんころん・・・からーん・・・♪
「眼鏡のお兄ちゃんは優しいね!」
「ほーい・・・・ありがとさん」
こんな夏を俺は楽しんでいる
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー
鼓膜に響く蝉時雨
お兄ちゃんは毎日毎日バイトで・・・
なんだか、最近お兄ちゃん疲れちゃってるかな・・
そんなこと考えてると心苦しい
私の為・・・かな?
うぅー・・・二段重ねで頭が痛い
「・・・ちょっといい?」
肩をぽんっと叩かれた
突然の事で体が跳ねるようにビクッと反応した
ミーナ「あっ、はい?私ですか!?」
「驚かせて申し訳ない・・・」
わぁー・・・綺麗な金色の髪の毛だな・・
日光が反射してキラキラ輝いている
肌も白くて、顔も整ってて・・・
「ごめんね、僕達このお店に行きたいのだけど、道に迷っちゃって・・・わかるかい?」
女の子2人でお出掛け・・・というところかな?
もう一人の色素の薄い髪をした女の子も、そこそこの童顔で・・・・
笑顔が眩しくて・・可愛いなぁ・・・
ミーナ「私なんて到底適わないや・・・とほほ」
金髪「・・・・?」
童顔「あの・・・迷惑でしたか・・」
ミーナ「えっ!あわ、いえいえ!このお店なら分かりますよ」
お兄ちゃんのバイト先だし、家の隣だし・・・
童顔「そうですか!やったね」
金髪「・・・ええ」
なにこれ・・・オアシスというものかな
可愛い女の子達の笑顔が溢れてるなんて・・・
私、場違いじゃない?
一緒に居て良いかな?
まさか、こんなとこで自信喪失というのを体験出来るなんて思いもしなかったよ
ミーナ「結構道が入り組んでいるのでお送りしましょうか?」
童顔「いえいえ、そんな・・・それこそ迷惑で」
手を左右に振り、私の気持ちを考え拒否という形を取る
申し訳ありません
ちょっときえますので
ミーナ「大丈夫ですよ。道にさらに迷われたりしたら、私も悪い気がしますし」
金髪「・・・・それなら、頼んでもいい?」
ミーナ「はい。喜んで」
私はニコッと笑みを見せた
お二人方も喜んでいただいてるようなので、私も満足です
お兄ちゃんみたいに人助けが出来るように、私も努力してみるよ
ーーーーーー
ーーーー
ーー
ミーナ「じゃあ、私より1つ年上なのですね」
金髪「私より身長が・・・」
童顔「ま、まぁ・・成長期だから・・・」
お兄ちゃんと同じ年なんだ
ミーナ「あの・・・2人はなぜこの店に?有名なんですか?」
童顔「あ、うん。なんかうちの学年で有名なんだよね!店はおしゃれだし、店員さんがなんとか・・・みたいな」
お兄ちゃんが宣伝してるのかな・・・?
まあ無いかぁ・・
お兄ちゃんのコミュニケーション能力は筋金入りの無能さだからね
やれば出来るのにやらないから・・・
ミーナ「そうなのですか」
金髪「あいつも誘ったのに忙しいとか言って断ったの・・・・全く」
童顔「仕方ないよ。夏休みは長くても忙しい人にとっては忙しいんだから・・・都合というのがあるんだよ」
ミーナ「あいつ・・・?」
童顔「あっ、僕らのもう一人の親友かな・・・って、僕が勝手に思ってるだけかも知れないけど・・・・あはは」
頬をかきながら、眉を歪ませた
金髪「だとしてもあいつは、毎日毎日誘ってるのに断って・・・」
童顔「・・・・・毎日誘ってるの?」
金髪「っ・・・そ、そんなわけない!口が滑っただけよ。バカ・・」
口が滑ったって・・・結局本心じゃないのかな
ミーナ「ふふっ・・・3人は仲が良いのですね」
童顔「ありがとね」
あはは~笑顔が眩しい
例えるなら鹿苑寺金閣全体にLEDを付け加えたような・・・正面から見てられない太陽のような
私の顔の不憫さが恥ずかしくなるくらい・・
って、私はどんだけ自分を卑下しているのだか・・溜息が出ちゃうよ
金髪「そういえば、あんた・・・・どっかで会ったことある?」
ミーナ「はい?無いと思いますが・・・」
童顔「どうしたのさ、急に?」
金髪「なんか・・・いつもの何かを感じるような・・」
鷹のような鋭い目で、私の顔をじっと見つめてくる
だが、しかし特に怖いなどの感情は無く、どちらかというと照れという感情が生まれてしまう
そんな見つめられたら恥ずかしいよ・・・
童顔「・・・・?」
ミーナ「多分、初対面ですよ」
金髪「においのようなものが・・・」
ミーナ「あの着きましたよ」
童顔「ホントだ!ありがと!」
金髪「ありがとね。えっと・・・」
ミーナ「私はミーナです!それじゃ、私は行きます!」
童顔「え、あっ・・・」
急いでサシャの家に行かなくちゃ・・・
人助けできて良かったよ
人助けの為に時間を使うなんて、有意義と思いませんか?
別にサシャから責められても良いと思えるくらいスッキリ満足
私は炎天の下、駆け足で友人の家に向かうのでした
サシャも笑って許してくれるよね。と何度も心に言い聞かせながら
からんころん・・からーん・・・♪
あのお店の方から鈴の音が聞こえる
私、まだ行ったことないし今度行ってみようかな・・・
お兄ちゃんの頑張ってる姿を見てみたいし・・・
これは家族として当然のことだよ
お兄ちゃんが迷惑かけてたら恥ずかしいから・・・・その現状調査というものだから
決してお兄ちゃんのお店での制服姿を見たいが為じゃありませんから!
ミーナ「それにしても・・・夏は暑いなぁ・・・・」
一粒の汗がアスファルトに滴り落ち、
少女は約束の為、走るのでした
今回はここまでです
読んでいただきありがとうございました
夕方5時45分の食事を終え、テレビ前のソファに揃って座る
俺が座っている隣にミーナが座ってきたのだがな・・・
と、これも普段通りか
特別今回は。というわけではなく、食事を終え、1人は食器洗いをして、その間にもう1人はお風呂掃除をして、落ち着いたらソファに座るという流れ
ミーナ「お兄ちゃんのケーキ屋さんって有名なんだね」
エレン「そうなのか?生憎俺にはそういう情報網は無いからな・・・」
目線は明後日の方向・・・
ミーナ「なんかごめん・・・」
なぜ謝ったのかが理解できない
ミーナなら俺の事知っているのに・・
分かってて無意識に聞いてしまったという罪悪感というものだろうか
エレン「そうだ。ミーナは進学はどうする?」
ミーナ「お兄ちゃんと一緒がいいな」
エレン「別に俺に合わせなくてもいいぞ。もっと頭の良いとこに行ってもいいし・・・それなりに俺もバイトとか頑張るし」
ミーナ「あはは、そんな難しく考えなくていいよ。私は平凡な学校に行って、平凡に就職すれば良いかな~って・・・」
エレン「そういえば、なりたい夢とかないのか?こう・・・教師とか」
ミーナ「えっと・・・何かあるかな・・」
エレン「あっ、もしかしてまた『お兄ちゃんのお嫁さんになりたい』とかか?あはは」
ミーナ「・・・そ、そんなの・・お兄ちゃんが望めば、ずっとずっと一緒に居てあげるのに・・」
日本語にはこんな言葉がある
『盛者必衰』
無常なこの世では、栄花を極めている者も必ず衰える時がある
どんなに丈夫な物でもいつかは壊れて使い物になってしまう
俺とミーナの関係だってそうさ
いつかどこかの誰かと結婚するのが未来
ずっと一緒にいられるなんて分からない
俺がミーナとずっと家族として一緒に住んでいたいと望んだら、それこそミーナの未来を潰す事になる
年上だから兄だからという権威を使って、ミーナをそんな扱いにするのは、非道徳的だと俺は思う
実際、そんな権威などないのだがな・・・
エレン「まぁ特別無いのなら、俺の通う普通な学校で良いんだけど。家から近いしな」
ミーナ「お兄ちゃんが話を振っといて無視とか有り得ないんだけど・・・むぅ・・」
あからさまの膨れっ面が妙に愛らしい
エレン「そう剥くれるなって・・・可愛い顔が台無しだぞ」
そう言いながら、俺は膨らました両方の頬に人差し指を突き立てた
ミーナ「ひわっ・・・突っつかないで・・えへへ・・・・」
エレン「ごめんな。今、本気でミーナのことが可愛くて仕方無いんだが」
ミーナ「可愛くて仕方無いって・・・ううっ・・にやけちゃうって・・・・」
エレン「ごめんな」
ミーナ「そんなそんなっ!謝らなくていいよ・・・お兄ちゃんがそう思ってくれるのなら私はどれだけ想われたって良い・・・しあわせだよ・・?」
エレン「冗談だよ」
ミーナ「って、冗談・・・?」
エレン「え、決まってるだろ?シスコンって俺どんだけキモいんだよ・・・ぼっちでシスコンとか比〇谷君や阿良〇木君じゃあるまいし・・」
ミーナ「・・・だ、だよね!もうお兄ちゃんったら・・」
エレン「まぁ好きは好きだよ。誰よりもさ」
ミーナ「!!・・・・お兄ちゃん妹大好き過ぎだよ・・へ、変態なんだから・・・」
エレン「そんな言うなって傷付くって・・・生きる気力無くなるだろ・・」
ミーナ「それ前に私がお兄ちゃんに言ったことじゃん!もう・・・」
ぴんぽーん・・・・
ミーナ「お客さんだね」
エレン「すまん。ちょっと行ってくる」
ちょうど6時を少しまわった頃、突如チャイムが鳴らされた
玄関の覗き穴から目を凝らして見てみるとそこには金髪の見覚えのある顔の浴衣姿の女性が立っていました
そしてまた、ぴんぽーん・・・と鳴らされた
俺は眼鏡を台の上に置き、扉を開けた
エレン「どうしたんだ・・・?」
アニ「花火見に行くんだけど・・・行く?」
浴衣が暑いのか、腕まくりをしており白い肌が露になっている
エレン「・・・・そういえば今日は祭りか・・」
祭りといえば嫌な思い出がある
そう、あれは中学三年・・・
つまり一年前のちょうどこの頃
夕日は沈みかけ空が朱色に染まった時刻
クラスの皆で花火大会をしようってなってて
俺も仕方なく参加していた
皆は仲良し者同士で手持ち花火で遊んでました
俺は俺で1人線香花火を階段に座り込みやっていました
そしたらカコンという下駄の音ともに俺の隣に1人の女性が座り込んだのです
そして・・・
『ね・・・知ってた?私はあなたのこと、ずっと好きだったんだよ』
と、告白されたのです
一瞬は脳内は緊急事態に襲われました
だがしかし
俺は悟りました
クラスの奴らが俺を罰ゲームで遊んだのだと
『お前も大変だな。そういうのは本当に好きな奴の為に取っておくんだぞ』
俺は彼女に目を合わすことなくそれを伝えた
あの女の人も可哀想だな
その女の人は俺に話しかけてくれる委員長みたいな人でした・・・
ぼっちの俺を気にかけてくれる優しい人でした
そして俺の勝手な勘違いの”友人”と呼べる人でした
でも、好きでもない人間に好きというのは、かなり精神も追いやられるし・・・
なんて、人の事ばっかりを考えているが、自分のことに切り替えて考えてみると凄く辛い
そんな俺の言葉を聞き、数秒経ったら・・
彼女は有無を言わずに去っていきました
俺は彼女の走っていく姿を目で追うことはしませんでした
多分、そんな走っていく姿を見ている俺を見て奴らは笑うに決まってるから
俺はそんな恥ずかしい真似をするわけ無いだろ
残念だったな。俺はお前らの想像するような簡単な男じゃないんだ
カコンカコンという下駄の音が遠く小さくなっていく・・・
そして目の前に・・
火薬の弾ける音共に綺麗なオレンジと黄色の花火が視界を奪った
既に空は漆黒に包まれており、雲は1つ無く・・・
花火はただただ俺の澱んだ気持ちも知らずに、何度も何度も弾け飛ぶ
だが満更でもない気分
こんな嫌な思いを忘れさせてくれるような気分になれたから
多分、それ以降俺はその女の人と話してないかな・・・
俺は何もしてないまま勘違いの友人に嫌われたのでした
まぁそんな虚しい昔話
アニ「あんたが嫌なら別にいいけど・・・」
エレン「アニが一緒に行きたいというのなら俺は断るつもりはない」
アニ「そう・・・なら行こう」
エレン「その前に1つ聞いていいか?」
アニ「なに?」
エレン「なんでうちを知っているんだ・・?」
アニ「リコ先生に聞いた」
俺にはプライバシーというものはないのか
当然のように住所を教えるなんて・・
エレン「ちょっと待っててくれ・・・準備してくるから」
アニ「分かった・・」
取り敢えずコンタクト付けて、団扇の1枚でも持っていこう
あとは野口さんを数枚っと・・・
「ミーナ、ちょっと出掛けてくるからな」
「はーい。気を付けてねー」
「おう」
「あと、お風呂冷える前には帰ってくるんだからねー」
「はいはい」
「いってらっしゃい」
「おう、行ってきます」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
太陽の光によって影が真っすぐ伸びる
アニの歩みを進める毎に、下駄のカコンという音が聞こえる
少し虚しさが蘇る
エレン「久しぶりだな」
アニ「うん、久しぶり・・」
エレン「毎日いろいろ誘ってくれるのに悪かったな・・・」
アニ「あんたは忙しいんでしょ。なら仕方無いよ」
エレン「すまない・・・。そういえば、その箱は何が入ってるんだ?」
アニ「秘密。あのさ、ちょっと屋台の方見ていく・・・?」
エレン「そうか・・・まあ今日はアニの言うことなら何でも付き合うぞ」
アニ「じゃ、じゃあ・・・・私、金魚すくいってのをやってみたいんだけど」
エレン「よし、行くか・・・来いよ。早くしないと花火始まっちまうぞ」
俺はアニの小さくひ弱な手を握り、少し早歩きで祭りの会場へ向かった
そして・・・・
エレン「アニは凄いな・・・初めてなのに5匹も・・」
アニから持たされた金魚の入った袋を持ち上げる
全員元気で、狭い袋の中でぶつかりそうになり合ってる
アニ「意外と簡単だったよ。あんたの頭も金魚くらい簡単になって欲しいものさ」
意気揚々と自慢げに語るアニが妙に新鮮に感じる
だが最後の言葉は少し引っかかる
エレン「俺の思考回路は面倒だと言いたいのか・・・はぁ・・自分でも分かってることだけどな」
アニ「今度はさ・・・あのりんご飴ってのを」
エレン「なぁアニ・・」
ふと疑問に感じた
アニ「ん、なんだい・・・?」
エレン「アニは祭りに来たことないのか?」
アニ「昔、お父さんと一緒に来たことあるよ・・・でも、こうやって友達と来るのは初めて・・」
エレン「ならどうして知らないことばっかりで・・・」
アニ「お父さん厳格な人だから・・・あれこれ欲しいって言うのが子供の頃の私は怖かったんだ」
エレン「・・・・そっか。だからそんな楽しそうなんだな」
アニ「そんなはしゃいで見えるかい?」
エレン「そうだな。普段見慣れないアニの笑顔が今日はしっかり見れてるし」
アニ「・・・・・・・」
エレン「さすがにセクハラ発言かな・・・悪い悪い」
アニの頭にポンポンと手を置いた
アニは何も答えずに頬に手を当て俯いた
俯くことによって、さらにアニが小さく見える
にしても、アニの頭の位置はちょうどよく撫でやすいな
そんなことを考えてたら・・・
『あっ!エレン!』
と、俺の名前を呼び、駆け寄って来る人がいた
右手を挙げて、大きく手を振って向かってくる
久しぶりに見る姿に少し呆然となってしまった
今回ここまでです
読んでいただき有難うございました
そこにいたのはアルミンという俺の少ない友人のうちの一人でした
アルミン「もう、アニ・・・約束の時間から遅れてるよ」
エレン「あ、あー。すまんな・・・俺の準備が遅れたせいだ」
いや、アニの金魚との格闘時間のせいだがな
アルミン「そうなんだ。まぁいっか・・・エレンも来てくれたことだし」
ニコニコした顔が揺るがない
ずっと笑顔のアルミン。アニとは対照的だ
エレン「改めて、アルミン久しぶりだな」
アルミン「うん!久しぶり」
俺はアニに置いていた手を除けて、アルミンの肩に腕を回した
アルミン「わわっ!」
エレン「ほら、こういうのって男同士の友情みたいの感じるよな」
アルミン「ふふっ・・・そうだね。なんか幸せだなぁ・・」
俺達はアニの望んだりんご飴を買った
1人1本ずつ買い、アルミンの言われるがままある所へ向かった
夏の夜風は少し暖かった
俺達は足を進めた
電灯はちらほらとあり、進むにつれ祭りの会場が遠くなっていく
アニはそんなこと気にせずに、りんご飴を舐めながら歩みを進める
アルミンは夏休みにアニと遊んだことを俺に面白おかしく話してくれる
耳を澄ませばヒグラシの鳴き声と、アニの歩く度に聞こえるカコンという下駄の音が聞こえる
カコンカコン・・・カコンカコン・・
タッ・・・タッ・・タッ・・・タッ・・
人里はなれ少し丘を登った、小さな神社へ来た
エレン「祭りの会場が小さく見えるな」
そこは街も一望でき、家一つ一つの灯りが綺麗で天の川の星のように輝いている
アニ「こういうのをお金では買えないものと言えるんでしょ・・・・ほんとに綺麗」
エレン「アニにしては、なかなか粋なことを言うじゃないか」
団扇をパタパタとさせ、首筋に風をおくる
アルミンが物欲しそうな顔をしていたのでアルミンに向けて団扇を扇ぐ
アルミン「エレンありがと。あ~・・涼しい」
エレン「ほーい・・・どうもっ」
アニ「ね、あんた食べてないよね?・・・そのりんご飴食べていい?」
エレン「別に良いけど・・・そんなにコレ美味しかったのか・・?」
悪戯な笑みをアニに向ける
アルミン「あはは、意外だね!」
アニ「・・・・・むっ・・じゃあ別にいらないし」
恥ずかしいのか怒っているのか・・・どちらか分からないが、とにかく拗ねてしまったようだ
アルミン「ええっ!?ごめん!」
エレン「ご、ごめんな!ほらっ・・」
俺はりんご飴をアニの目の前に出した
なんだかんだ言いながらアニはそれを受け取った
美味しそうに舌で舐める姿はなんとも可愛らしい・・
いつものツンツンした姿がまるで想像できない
エレン「からかい過ぎたな・・」
アルミン「でもアニ可愛かったよね・・」
エレン「だな。普段から表情豊かにすれば友達も増えると思うし・・・」
アニ「エレン・・」
そんな二人の話に割り込み、りんご飴を舐めながら俺の名前を呼んできた
エレン「ど、どうした?」
アニ「私は二人さえいれば良いよ」
アルミン「ア、アニぃ・・・」
今にも泣き出しそうな顔をしているアルミンに俺ももらい泣きしそうになる
心に響くとはこういうことだ。
耳に残るアニの声
『私は二人さえいれば良いよ』という言葉は一生忘れないだろう
いや、忘れたくない
アルミン「ぼ・・・僕もぉ・・二人がいてくれれば幸せっ・・・グズッ・・だよ・・・」
アニ「・・・・・ありがと」
エレン「ありがとさん。ハンカチはここだからな・・・好きに使っていいぞ」
アルミン「うん・・・」
エレン「って、おいおい・・」
アルミンはハンカチのことを聞いたにも関わらず俺の胸にうずくまってきた
涙を俺の服で拭うアルミン
別に汚いなどは考えれず、こうするのが友情のカタチなのかと・・・少し胸を撃たれ受け入れる
エレン「仕方ねえな・・・お前は涙脆過ぎだ・・」
自然と団扇を持っている手が伸び、その柔らかで色素の薄い髪を俺は撫でていた
そして、もう片方に持っている金魚が元気に暴れている
手に持つ紐の部分に振動がかかる
アルミン「僕さ・・・夏休みの間、エレンに会えなくて寂しかった・・」
エレン「そうなのか」
アルミン「アニと3人で一緒に遊ぼうと思ってもエレンは断るし・・・僕のこと嫌いなのかなって思ってさ・・」
エレン「・・・・・」
アルミン「不安だったんだよ・・」
エレン「あー・・・悪かったな」
今日の俺は謝ってばっかりだ
エレン「お前ら勘違いするなよ?」
アルミン「・・・・・え・・・」
アニ「・・・・」
エレン「俺は会えないからって勝手に友達を捨てたり裏切ったりなんかしない」
エレン「だから・・・安心してくれ・・・・・な?」
アルミン「うん・・・!」
アニ「・・・ぁ・・うん・・・・」
アルミンの幸せを噛み締めた『うん』という返事に深みを感じる
それに引き換え・・・アニは・・
エレン「どうした?なんか声が震えて・・・」
アニ「なんか・・・クズッ・・」
エレン「アニ大丈夫か!?ごめんな!何か気に触ったこと言ってしまったか!?」
俺は持っていたハンカチをアニに渡した
アニ「うぅん・・・毎日断られてて・・私も不安になってただけ・・・・・」
アニは目にハンカチをあてて、顔を見せないよう・・・呟くように話したり
エレン「不安って・・・友達かどうかか?」
アニ「友達と言ってもらえて嬉しくて・・・・そしたら、ふいに涙が・・」
エレン「はぁ・・そんなことか・・・。悪かったな。全部俺のせいだな」
アルミン「僕ら寂しがり屋過ぎだね・・・」
エレン「いやいや・・・お前らは涙脆過ぎでもあるからな?」
アニ「あんたは何を言ってんのさ・・・」
一瞬何を言っているのか理解できなかった
エレン「は?何が・・・」
アニにそう言われてた途端
俺の頬にはもう一滴の生温かい水滴が流れ落ちていた
目の辺りがじんっと熱くなっており、自分が泣いていたことに気付かなかった
アニ「あんたって本当に鈍感だよ・・・」
鈍い・・・
自分の心の高まりに気付かなかったことに
既に俺は『もらい泣きしそうになる』と思っていた頃には泣き袋に涙は溜まっていたんだ
エレン「ははは・・・俺も同じか。これは罪悪感なのか幸福感なのかわかんねえな・・」
俺は2人を不安にさせていたことへの許せない自分に泣いているのか
2人に会えて喜んでもらえてることに泣いているのか分からない
アルミン「僕は幸福感だよ」
うずめていた顔を上げ、俺を見つめる
アニ「正直に言うと・・・私も幸福感だよ」
エレン「正直に言うとっていうか・・・さっき1から100まで全部聞いたからな?」
俺がそれを言い終えた瞬間に何か妙な音が聞こえた
ヒュ~・・・
と、今にも消えそうな音
数秒を置き、突然何かの爆発音のような音が辺りいっぺんに響かせた
そう。それは花火でした
オレンジと黄色の花火
俺の虚しさが又しても蘇る
アルミン「・・・・始まったね」
アルミンは俺から離れ、俺とアニの間に入り、3人並んで花火を見上げた
アニとアルミンを見ると、目は潤っており、花火の色鮮やかな火の色が2人の目から乱反射して・・・
アニ「何を見てるんだい・・・私の顔に何か付いてる?」
アルミン「エレンこっち見すぎだって」
エレン「なぁ・・・1つ良いか?」
アニ「別に聞いてあげても良いけど?」
アルミン「いいよ。言ってみて」
目線は花火から逸らさず、ただただ見つめたまま口だけを動かす
エレン「2人はどう思ってるか知らないが・・・俺はお前らのこと・・」
アルミン「うん・・」
無数に上がり続ける花火の爆音の中
2人に聞こえるような声量で俺は伝えた
「”親友”だと思ってるから」
そんな俺の発言に対して2人は笑った
アルミン「あはは、そんなことかい?」
アニ「あんたはつくづく鈍感だよ・・・はぁ・・溜息が出るよ」
エレン「なんだよ、それ。俺だけって恥ずかしいじゃねえか・・・てか、なんか・・・・・・勘違いで悪かったな。でも、俺はそう思ってるから・・」
やれやれといった態度で俺の話を聞く
アルミん「分かってないな~・・・・」
アニ「そう。違うよ・・・」
アルミン「僕もね・・・勝手に親友だと思っていたからね。だから勘違いの同罪だよ」
アニ「しょうがないから・・・私も合わせてあげる・・。私も二人と勝手に親友だと思っていたから」
エレン「・・・・・」
アルミン「アニは素直じゃないね」
アニ「ふん・・・・って、エレン・・・?」
エレン「・・・・・・アニ、ハンカチを返せよ・・」
アニ「ふふっ・・・涙でも拭くのかい?」
エレン「そんなんじゃねえよ・・・りんご飴で口周りが汚れたから拭きたくてな。あれってほら、食べにくくて口周りが汚れちまうだろ?」
アニ「・・・・・拭いてあげるよ」
エレン「ちょっ・・・俺の口はそんな上の方じゃねえって・・」
アルミン「ふふ・・・」
アニ「そうかい・・・?」
エレン「・・・・アニって、こんな意地悪だったんだな」
アニ「友達ならこうやって馬鹿にし合うことくらい日常茶飯事だと思うけど・・・?」
エレン「・・そっか・・・・ありがとな」
アニ「ほら、もう自分で拭きなよ」
アルミン「そうだよ。綺麗な花火が霞んで見えないでしょ?」
エレン「うるせぇ・・・分かってるよ。ばーか・・」
アルミン「あー!エレンが拗ねるなんて珍しい!」
アニ「そうだ。この箱の中身なんだけどさ・・・」
アルミン「あぁ、そうだったね」
エレン「ん?なんだそれ・・・」
アルミン「今日ね、2人でちょっと買い物してきてね」
アニ「苺のショートケーキなんだけど・・・」
箱を開けたそこには3ピースのケーキがありました
アルミン「ほらエレンって苺好きだよね?」
エレン「あ、えっと・・・なんで知ってる?」
別に公言したことない俺からしたら驚きだ
アルミン「お弁当のデザートでいつも苺のヨーグルトとか単体で持ってくるし」
そうか・・・あからさまであったか
今更ながら考え直すと、そうだったな
アニ「3つあるから、3人で食べよ・・・?」
エレン「そうだな・・・って、それウチの隣のケーキ屋のだよな?」
つまり俺が昨夜と今日の午前に頑張って作ったケーキか
アルミン「エレンの家ってアレの隣なの!?」
アニ「あっ!・・・・・そういえばそうだった」
アニは今頃気付いたのか
箱を分解し、公園にあった机の上に置き
箱の一部を皿代わりにして分けた
エレン「・・・ありがたくいただくな」
アルミン「待って・・・ほら、エレン苺のあげるね」
アニ「私のも・・・」
プラスチック性のフォークに苺を刺して、俺のショートケーキのホイップの上に苺を乗っけた
エレン「は、はぁ?別にいいって」
アルミン「ほら・・・あれだよ。泣いてる僕に胸を貸してくれたお礼」
アニ「りんご飴くれたお礼。あとハンカチも・・・」
エレン「はぁ・・・じゃあ断るのも悪いし、ありがたくもらっとくわ。別に俺は好きだからって、特別喜んでるわけではないからな?覚えとけよ」
アルミン「はーい!一応ね・・・」
アルミンは信じてないっと・・・
アニ「ふふっ・・・・」
アニも信じてないっと・・・
なんだこれ・・・俺、遊ばれてるの・・?
まぁでも一応言っとかなくてはな
母さんからの教えだしな
「2人とも・・・ありがと」
『お礼を大事にする』っていう・・
「いえいえ、どういたしまして!」
「別に・・・お礼を言うまでもないよ」
本日は謝罪も感謝も多い1日でした
「また夏休み中に会おうね」
「あぁもちろんだ」
「じゃあ約束だからね」
「あんたは約束破るんじゃないよ・・・?」
「はいはい・・・わかってますって」
本日のまとめとしては・・・
”ぼっち”にも”親友”というのはできる。以上
おわり
今日の話がおわりってだけだよね?ね?
一応、終わらせてもらいます
今度また心機一転して書きたいと思います
まだフラグ回収してない点については、今後書きますので、気にしないでください
読んでいただきありがとうございました
>>876
申し訳ありません
またすぐにでも新しく書きますので!
今書き溜めてる話は、どっちかというと話の流れに合わなくて、少し妙な感じになってしまうので…
把握していただけると有難いです
このスレに?新しくたてるの?
>>880
新しく立てさせて貰います
乱立かと思う方申し訳ありません
このSSまとめへのコメント
普通に面白い!見入る
期待
エレアニですか?
期待大
期待
もしろいき期待
期待
ミーナかわいい
まだー?
進撃キャラまだたくさん出てないから、すごく楽しみ!
面白いし話作るの上手い
ミーナ可愛い!!
エレミナは素晴らしいな
エレアニに期待
まだか?
更新が楽しみです。
いっき読みしてしまった、とっても面白いですぞ☻
とってもいい話ですね!
更新、楽しみにしてます。
神スレだな
本当に物語を書くのが上手い
待ちきれねー!
まだか?まだか?
やべぇ…つい見入っちまった
おもしろいな
ユミルらへんのところエレンの性格変わりすぎだろ
おもしろいけど
巨人のいない世界だったらこうなるんじゃないか?
進撃中だって、エレン人のために動くタイプだし口悪いし
というか、キャラの性格の捉えからは人それぞれだろ
ぼっちになったら、こうなるかもしれないっていう・・・
それが知らない境地だからSSは書かれるのだろう?
新しいことに疑問を感じても、それは主の感じ方だし個性だと思う
↑バカかコイツ
原作と比べて性格変わりすぎだろって言ったんじゃねーよ
前半と後半で性格変わりすぎだろって言ったんだよ
何が知らない境地だ恥ずかしいヤツだな笑
前半はこんなに性格悪くなかっただろ
そんなこと言いながら、ちゃんとこの長い話を読んだ>>23さんでした(笑)
まあ面白ければいいだろ?
空気悪くする発言することに時間の無駄を感じるぞ
お前もこんな長文を読むほどこの作品が面白かったんだろ?
これ普通に今の段階でも読み返したら二十分くらいはかかるぞ
嫌に感じたなら5分も感じないうちに閉じるだろ
空気を悪くするような発言はよせよな
性格が変わったように感じたのはエレンの心境の変化だろ
それは書いてる側ではなくて、読んでる側の読解力の問題だと思うぞ
エレンの環境や状況状態の変化とか細かく書かれてるだろ?
読み取って自分で考えてみような
それが出来ないのなら物語を読むのに向いてないぞ
まだかなー?
おもしろいから良いと思うよ
>>23
どこが恥ずかしいのか説明してみろ?(笑)
ちゃんと日本語で説明しろよ?
一応、境地はある段階に達した心の状態や環境って意味だからな?
面白すぎるやばい超絶期待
それが知らない境地だからSSは書かれるのだろう?
新しいことに疑問を感じても、それは主の感じ方だし個性だと思う
一応、境地はある段階に達した心の状態や環境って意味だからな?
>>28
SSに対してとても立派な意見を持ってるけど↑
寒い・くさい・恥ずかしい
あと、つまらんとは言ってなくね?普通に
面白いよ
>>25、26
でもスレの空気を悪くしたのは本当に申し訳なかった
反省してる
ごめんな
ただ>>28は寒い
まだかまだかー?
すごくおもしろいです
一気読みしてしまいました!
期待
早く書いてほしい!
めっちゃ面白い!
期待です!!
神作キタ━(゚∀゚)━!
ごめんちょっとこのssに関係ないけど愚痴言わせてもらいます。
このサイトのssのタグの完結タグの乱用が酷いです。
未完結ssにすら完結タグがついていてうんざりするぐらいです。
できれば管理人になんとかしてほしいです。
期待
おつかれー
良かったよー!
もう新しいのは出来てるのか?
続き期待
>>40
891 : ◆TXaB6XtamM 2014年01月21日 (火) 23:42:33 ID: nT27wHEI
>>890
エレン「ささやかな望み」※現代パロ
エレン「ささやかな望み」※現代パロ - SSまとめ速報
( http://jbbs.shitaraba.net/bbs/lite/read.cgi/internet/14562/1390312542/l30 )
だってさ
長いしつまらん、
リコ出てきたらへんで飽きた
42
飽きたのに読みきった?
そうか、ツンデレか
渡航さんみたいな独特の良い話し方っていうか、語り方っていうかなんていうか、上手く言えないけど要約するとめっちゃ面白い
一応言うと。この続きは戻りたかったで検索するとでるよ〜。
語りがヒッキーみたい
おもしろい
なんでカテゴリにマジキチやらが出てくるのだ?
長いしつまらん。作者がキモイ。
男って言ってるが女くさいなこいつ。
脱糞だ~!在日臭のするSSですな。
基地外作者は死にましょう!!!!!!!!!
ミカサはー?