P「世にも奇妙なアイドルマスター」(140)

いくつか思いついたので、投下していきます。

P「誕生日と言いますと、あなたは何をプレゼントされましたか?
ケーキ? ゲーム? それとも思わぬサプライズでしょうか?」

P「その一方で、年をとると望まぬ義務も与えられます。年金、返ってくるのでしょうか?」

P「おや、この物語の主人公も、もうすぐ15になるようですね……。彼女が貰ったもの、それは奇妙な世界へのパスポートでした」

5月5日 水瀬邸

使用人『伊織お嬢様、15歳のお誕生日おめでとうございます!!』

兄A「おめでとう、伊織」

兄B「お前もこれで15か」

お父様「ああ、立派に成長して……、私も嬉しいよ、伊織」

伊織「ありがとう、みんな」

お父様「15というと、昔ならすでに成人だな」

伊織「お父様、いつの時代の話? この平成の世には元服なんてないわよ」

お父様「うむ……、冗談を真顔で返されると悲しいものがあるな……」

兄A「しかし、15となると……」

兄B「ああ、始まるな」

伊織「お兄様? 始まるって何の話?」

お父様「ああ、我が水瀬家は、代々15になるとある義務を背負うことになる」

伊織「義務? 初耳よ?」

お父様「それはまだ早かったからな。しかしだ、伊織も15歳だ。これは息子だろうが娘だろうが関係ない。いわば我々に課された、義務だ」

伊織「ゴメンナサイ。全く話が読めないんだけど……」

お父様「持つ者は持たぬ者に対して、義務を背負う。それでこの世はバランスよく回っているのだ」

伊織「は?」

お父様「高貴には、義務を」

兄A「高貴には義務を!」

兄B「高貴には義務を!!」

使用人『高貴には義務を!!!』

伊織「ど、どういうことよ?」

『Noblesse oblige』 水瀬伊織

伊織「はぁ……、さっきの朝食はなんだったの?」

伊織(高貴には義務を? なによそれ。伊織ちゃんは三大義務に応えてるわよ!
にしても私以外全員知ってたって言うのは気に食わないわね)

伊織「あら?」

子供「うわーん! 風船が木に引っ掛かったよー!! 誰か取ってよー」

伊織(風船ぐらいで泣かなくていいじゃない。諦めて新しいもの買いなさいよ)

ドドドドンッ!

伊織「へ?」

??「高貴には義務を! 高貴には義務を!!」

伊織「え、ちょ、ラガーマン!?」

ラガーマン「高貴には義務を! 高貴には義務を!!」

ラガーマン「高貴には義務を! 高貴には義務を!!」

子供「ノブリスオブリージュ!!」

ラガーマン「高貴には義務を!!」

伊織「な、なにこれ? コントの撮影?」

ラガーマン「水瀬伊織様、あなたには風船を取る義務がございます」

伊織「は、はぁ!? 義務って何よ義務って!! もしかして今朝の奴!? 意味が分からない……」

ラガーマン「高貴な身分を持つ者は、持たぬものに義務を果たさなければなりません」

伊織「どきなさいよ! 私は先に行かなきゃ……」

ラガーマンズ『高貴には義務を! 高貴には義務を!!』

伊織「か、壁が出来ている……」

伊織「あの暑苦しい中に入る気にはならないわ……」

子供「うわーん! うわーん!!」

伊織「ああ、もう! 分かったわよ! 取ればいいんでしょ、取れば!! ちょっと待ってなさい!」

子供「うぇ?」

伊織「っと……、木登りなんて猿みたいな真似初めてよ……」

伊織「はい、取ってあげたわよ」

子供「ありがとうお凸のお姉ちゃん!」

伊織「誰が凸のお姉ちゃんよ!!」

ラガーマン「義務は果たされた! 撤収!!」

伊織「あっ、待ちなさいよ! 行っちゃったわ……。どういうことよ。ノブリスオブリージュ?」

伊織「つまりはなに? 私が庶民に義務を果たせってこと?」

伊織「ってこんなことしてる場合じゃないわ。事務所に行かないと。今日はたんまりプレゼントをもらうわよ!!」

765プロ

春香「伊織、誕生日おめでとう!」

やよい「おめでとうございますー!」

伊織「まっ、今日ほど素晴らしい日はないわね」

真「え? 今日はこどもの日でしょ?」

伊織「あんたね……」

真「ははっ、冗談だよ! 誕生日おめでとう!」

伊織「分かってるならいいのよ、分かってるなら」

P「おっ、伊織か。15歳の誕生日おめでとう。誕生日で悪いけど、今日は仕事が詰まっているぞ」

伊織「売れっ子だから仕方ないわね。さて、今日の仕事は……」

雪歩「きゃああああああ!!」

真「雪歩!? どうしたの……、で、出たぁ!!」

伊織「騒がしいわね、何が出たのよ……」

G「チャオ」

伊織「Gじゃないの。プロデューサー、一思いに殺しなさい」

ドドドドンッ!

伊織「え?」

ラガーマン「高貴には義務を! 高貴には義務を!!」

プロデューサー「ノブリスオブリージュ!!」

ラガーマン「高貴には義務を!!」

伊織「ど、どこから出てきたのよ!」

雪歩「お、男の人……」フラッ

ラガーマン「水瀬伊織様、あなたにはGを抹殺する義務があります」

伊織「ぎ、義務ですって!? ってあんたたち一体なんなのよ! 窓から入ってきて、不法侵入じゃない!」

ラガーマン「高貴な身分を持つ者は……」

伊織「分かってるわよ! だからあんたらはなんなの!?」

ラガーマン「義務が果たされぬ場合、あなたから特権をはく奪します」

伊織「へ? どういうことよ」

ラガーマン「水瀬の子じゃなくなる、という意味です」

伊織「なんでそうなるのよ!」

ラガーマン「それが。特権階級を持つ者の義務です」

ラガーマンズ『高貴には義務を! 高貴には義務を!!』

伊織「うう……、あんな気持ち悪い物体、近づきたくないけど、これ以上いられると酸素がなくなっちゃいそうね……」

伊織「そーっと、そーっと」

G「チャオ☆」

伊織「チェストー!!」

G「チャ、チャオ……」チーン

伊織「や、やったわよ……」

ラガーマン「……」

伊織「な、なんで黙るのよ!!」

ラガーマン「あっちあっち」

伊織「え?」

G2「りゅんりゅん」

伊織「……」シュー

G2「ぎゃおおおおん!」

ラガーマン「義務は果たされた、撤収!」

真「な、なんだったの今の?」

伊織「知らないわよ!!」

雪歩「に、にくだるまですぅ……」

真「あーあ、トラウマっちゃったか」

伊織「はぁ……、どっと疲れちゃったわ……」

P「おーい、伊織ー。仕事に行くぞー」

伊織「分かったわよ、今行く」

伊織(誕生日なのに、何よこの超展開の連続は……)

P「それじゃあ、まずは……」

伊織「はぁ……、これを死ぬまでしなきゃいけないの?」

P「何言ってんだ?」

伊織「何でもないわよ!!」

P「わっ、そうカリカリするなって」

伊織「そういうつもりじゃないわよ」

伊織(何でラガーマンだとか聞きたいことは山ほどあるけど、一体全体どうなってるのよ)

車内

伊織「で、今日の仕事は何よ?」

P「まずはバラエティだな。芸人が多く集まる番組だから、色々学べるものがあるんじゃないか?」

伊織「別に学びたいと思わないわよ」

P「で次は女子ボクシングのレポートだな」

伊織「女子ボクシング?」

P「オリンピック出場目指して某芸人が頑張ってるからな。最近ブームになってるんだとさ」

伊織「まあダイエットには良さそうね」

P「それで次は密着取材、バッグドラフト。消防署に取材だ」

伊織「その企画バッグドラフトって言いたいだけでしょ? 洒落になんない名前ね」

P「まあ昼飯を食う時間もあるが、なかなかハードだからな。今日1日頑張ってくれ」

伊織「分かってるわよ」

バラエティ番組

司会者「アツアツ!! おでんリアクション対決!!」

芸人A「ヤバイヨヤバイヨ! ぐつぐつしてんじゃん!」

芸人B「訴えるぞ!!」

伊織「わぁ、すごく熱そうですねぇ。みなさん頑張ってくださいねぇ」

伊織(この茶番いつまで続ける気よ)

司会者「ほら伊織ちゃんも応援してんだからさ! さっさといこうよ!!」

伊織(まったく、この人たちから何を学べるって言うのよ……)

芸人A「じゃあ俺がやるよ!」

芸人C「俺が俺が!!」

芸人D「俺だよ!」

伊織(様式美にもほどがあるでしょ……)

ドドドドンッ!

伊織「え!?」

ラガーマン「高貴には義務を! 高貴には義務を!!」

司会者「ノブリスオブリージュ!」

ラガーマン「高貴には義務を!!」

伊織「ちょっと! 何撮影中に乗り込んできてるのっよ!!」

ラガーマン「水瀬伊織様、あなたにはこの空気の中で、『じゃあ私が』と言う義務がございます」

伊織「はぁ!? 芸人の仕事をしろって言うの!?」

ラガーマン「ええ、それが義務ですので」

伊織「そんな義務初めて聞いたわよ!」

ラガーマン「ええ、私どもも初めてです」

伊織「もう何が何だか分からないわ……」

ラガーマン「持つ者は、持たざる者への義務が……」

伊織「何度目よそれ!!」

伊織「第一! アンタらには私に説明義務があるんじゃないの!?」

ラガーマン「のヮの」

伊織「とぼけんな!!」

ラガーマンズ『のヮの』

伊織「あんたらもするの!?」

芸人ズ『のヮの』

伊織「私にもしろって言うの!?」

伊織「ってアツアツおでんなんて芸人の義務じゃないの!?」

ラガーマン「水瀬様、彼をご覧ください……」

伊織「へ? 芸人B? リアクション芸の大御所じゃないの」

ラガーマン「ええ、誰に聞いてもそう答えるでしょう」

伊織「分かってるなら邪魔しない方がいいじゃないの」

ラガーマン「しかし、彼は持たざる者なのです」

伊織「は?」

ラガーマン「こちらをご覧ください」

伊織「ちょ、勝手にテレビが……」

ノブオリ劇場 芸人B、リアクションの宿命編

ラガーマンA『俺がやるよ』

ラガーマンB『いやいや俺が……』

ラガーマンC『俺がやるよ!』

ラガーマンズ『どうぞどうぞ』

ラガーマンC『チクショー!!』

伊織「全部あんたらが演じるの!?」

ラガーマンC『や、やめろ! 熱いって死ぬって! 熱っ!!』

ラガーマンズ『わはははは!!』

ラガーマンC(そう、俺がリアクションを取ることで笑いが生まれる……。辛くても耐えるんだ!! 生活のためだ)

伊織「な、なんなのよこれ……」

ラガーマンC『ただいま! 今日も帰ったぞー』

ラガーマンD『おかえり、お父さん!!』

ラガーマンE『おかえりなさい、あなた』 

伊織「子役も奥さん役もラガーマンじゃない!!」

ラガーマンC(俺は幸せなんだから……)

ラガーマンF『しかし、彼のリアクション芸は、息子を傷つけることになるのでした』

ラガーマンC『ただいま、帰ったぞ』

ラガーマンD『……』

ラガーマンC『どうした? ほっぺの傷』

ラガーマンD『知らないよ! お父さんなんかピラニアに食べられて死んじゃえ!!』

ラガーマンC『ど、どうしたんだ!?』

ラガーマンE『あなた、少しいいかしら?』

ラガーマンC『なんだ?』

ラガーマンF『妻が話す内容は、彼を深く傷つけたのでした』

伊織「なんか雲行きが怪しくなってきたわね」

ラガーマンE『Dが学校で虐められてるみたいなの』

ラガーマンC『なんだって!?』

ラガーマンE『ほっぺの傷、アツアツおでんを受けてできた傷なの……』

ラガーマンC『そんな……』

伊織「えっ?」

ラガーマンD『やめてよぉ!』

ラガーマンG『あははは! こいつの父ちゃん芸人なんだぜ!』

ラガーマンH『お前もアツアツおでん食えよ!』

ラガーマンD『熱いよー! 誰か助けて……』

ラガーマンズ『わははははは!!』

伊織「なんか洒落になんないわね……」

ラガーマンF『彼は考えました。このまま息子を傷つけてまで、アツアツおでんを食らうべきか、おでんを辞めて貧しい生活に戻るか――』

ラガーマンC『俺はリアクション芸人をやめるぞー!』

ラガーマンF『彼は芸人を辞める決意をしました、しかしテレビはそれを赦しませんでした』

ラガーマンI『はぁ? 辞めたい? 冗談じゃないよぉ!』

ラガーマンJ『アンタが辞めたら誰がアツアツおでん食うの? アツアツおでんはな、アンタの義務なんだよ』

ラガーマンC『そ、そんな……』

プツン

伊織「ちょ、中途半端で終わらないでよ! 続き気になるじゃない!」

ラガーマン「続きは今です。もし、彼の義務を肩代わりする人がいれば、それは幸せなことでしょうね」チラッ

伊織「な、何で私を見るのよ」

ラガーマン「彼はアツアツおでんの痛みを伝える力がありません。しかし、アイドルであるあなたなら……」

伊織「え? なに? アツアツおでんやめたいの?」

アイドルって大変だなー(棒)

ラガーマン「高貴には義務を。水瀬伊織様、あなたには彼を、家族を、リアクション芸人たちを救済する義務がございます」

伊織「ぎ、義務なの……?」

ラガーマンズ「高貴には義務を! 高貴には義務を!!」

伊織「……」

芸人A「じゃあ俺はやるよ!」

芸人C「ここは俺が!」

芸人D「いやいや俺が!!」

伊織「わ、私が!!」

芸人ズ『どうぞどうぞ!!』

伊織「死んだら恨んでやるわ!!」

芸人B「あ、あんた……」

伊織「ノブリスオブリージュよ。高貴な者には、義務を――」

芸人A「あーん」

伊織「あーん!!」

伊織「あっつちゃぁああああああああああ!! あづいあづい! あづいわあああああ!!」

P「伊織……、強く生きろ!!」

芸人C「あ、ありがてぇ……」

ラガーマン「こうして、世界からアツアツおでんがなくなったのです――。撤収!!」

伊織「ひりひりふるわ……」

P「良く頑張ったな、次は女子ボクシングだぞ」

伊織「じょ、女子ボクシング……。今度はなんの義務が来るのよ……」

伊織(今思うと、義務は持たざる者のが来るのよね。風船の子供は背が足りなくて、雪歩真はGが怖い)

伊織(芸人Bはアツアツおでんの危険性を世間に広めることげできなかった。じゃあ次は?)

女子ボクシングジム

ボクサーA「ワンツー! ワンツー!!」

P「オリンピックを夢見て、サンドバックに己の拳をぶつけているんだ」

伊織「せいが出るわね」

ボクサーB「いくでぇ」

ボクサーC「はいっ!!」

トレーナー「それじゃあ実戦形式で行きましょう。ボクサーBとボクサーD、来なさい」

ボクサーB「なんや、アンタか。七光り」

ボクサーD「うう……、好きでやってるのじゃないのに……」

伊織「なんか雪歩みたいな子ね。なんでボクサーをやってるのかしら」

ドドドドンッ!

伊織「え? まさか……」

ラガーマン「高貴には義務を! 高貴には義務を!!」

トレーナー「ノブリスオブリージュ!!」

ラガーマンズ「高貴には義務を!!」

伊織「も、もう読めてきたわ……」

ラガーマン「水瀬伊織様、あなたにはボクサーDの代わりに、試合に出る義務がございます」

伊織「やっぱり!!」

ボクサーB「なんや、凸が出るんか?」

伊織「凸言うな!! 今度は何でよ!! ていうかなんとなく理由はわかるんだけど……」

ラガーマン「ラガーマン劇場を……」

伊織「いらないわよ!!」

ラガーマン「ボクサーDの父は偉大なるボクサー、母もボクササイズ事務所を経営しています。故に彼女はサラブレッド」

伊織「で、あの雪歩擬きには何がないのよ?」

ラガーマン「彼女には力がありません。そして、高貴な者は、率先して争いに出なければいけないのです」

伊織「な、なんでこんなことに……」

ボクサーB「ええ顔してるやん。んじゃ行くでー」

伊織「ちょ、ちょっと手加減をして……」

ボクサーB「そんなん知らへん」

P「伊織いいいいい!!」

ボクサーB「はぁ……、はぁ……。自分やるやんか。顔面狙っても当らへん」

伊織「ぜぇ、ぜぇ……。当たり前でしょ! こっちはアイドルなのよ! 商売道具に傷つけるわけ行かないでしょ!」

ボクサーB「減らず口を……」

ラガーマン「カンカンカンカン!! タイムアップ!」

伊織「ぜぇ……」

ボクサーB「はぁ……」

ラガーマン「10対3。勝者、ボクサーB!」

ボクサーB「まあ素人やのによくやったやん」

伊織「な、なんでこうなったの……」

ボクサーD「あ、あの! ナイスファイトでした! わ、私ダメダメですけど、勇気が出ましたぁ! ありがとうございますぅ!」

伊織「が、頑張りなさい……」

ラガーマン「撤収!!」

伊織「つ、次は……」

P「消防署に密着取材だ。少し距離があるから、寝てていいぞ」

伊織「そうするわ……。散々な誕生日よ……」

P「お休み、伊織」

伊織「おやすみなさい……」

P「はぁ……、2人で祝いたかったんだけどなぁ。伊織の誕生日」

伊織「Zzz…」

P「ほっ、聞こえてないか。担当アイドルにこんな感情を持つなんて、俺はプロデューサー失格だな」

伊織「Zzz…。この変態プロデューサー……」

P「さてと、飛ばしますかね」

消防署

伊織「消防車にも乗れるのね。こんなに赤いのには理由があるのですかぁ?」

隊員「外国から輸入した蒸気ポンプや消防車が赤であったことから、わが国でも赤色としたというのが一般的な理由のようです」

伊織「あれ? あまり詳しくは分からないみたいですねぇ」

隊員「それに、赤色は注意をひく色であること、炎の赤を連想させ警火心を起こさせるなども理由の一つに数えられるでしょう」

伊織「勉強になりますぅ」

P「猫被ってるいおりんマジ最高」

隊員「すみません。無線が……。何!? 火事だと!? すぐ行きます!!」

伊織「火事ですって!?」

P「俺たちも急ごう!」

伊織「ええ、密着取材だからね」

現場

野次馬『火事だー! 逃げろー!!』

伊織「現在必死の消火活動を行っています。私たちは外から見守るしかありません」

P「ケホッ、ケホッ……。ここまで煙が来たのか……」

伊織「熱くて仕方ないわ……」

隊員「全員救助できたか!?」

母親「いやああ! まだ私の息子が!」

息子「うううう……」

隊員「救助急げ! うわっ!!」

隊員「なんてことだ……、燃えた木材が落ちてきて入れそうにないぞ!」

母親「そんな! お願いです! 息子を! 息子を助けてください!!」

隊員「全力を尽くします! しかしあれじゃあ大人が入れそうにないぞ……」

伊織「……え?」

ドドドドンッ!

ラガーマン「高貴には義務を! 高貴には義務を!!」

隊員「ノブリスオブリージュ!!」

ラガーマンズ「高貴には義務を!!」

伊織「火事現場には暑苦しすぎるでしょ……」

ラガーマン「水瀬伊織様、あなたには大人に変わって子供を救助する義務がございます」

伊織「は、はぁ!? 私が行くの!?」

ラガーマン「火の手が弱まらない以上、少年を助けることが出来るのは、身長的にもギリギリ可能な、水瀬伊織様だけでございます」

伊織「そ、そんなのが義務って言うの!? 私だって人よりお金持ちで生まれただけよ! これは遠まわしに死ねって言ってるようなもんじゃない!」

P「伊織……」

ラガーマン「では、御自分の義務を放棄すると」

伊織「死ぬなんて義務、あるわけないわ。勘当したければすればいいわ」

息子「たす……、けて……」

母親「だ、誰でもいいから! 助けてください!」

最早虐めだろ…

伊織「ほんと、最悪の誕生日よ……」

息子「熱いよ……」

母親「いやあああ!!」

伊織「……チッ」

伊織「服を貸しなさい」

隊員「は、はい!?」

伊織「服を貸せって言ってるのよ!! 聞こえなかったの?」

隊員「し、しかし民間人に……」

伊織「あの子を助けれるのは私だけなんでしょ? 良いわ、義務なんだから」

P「伊織!!」

伊織「安心して。私がそう簡単に死ぬように見える?」

P「お前……、いくのか?」

伊織「仕方ないでしょ? 早くしなさい。さもないと死ぬわよ」

隊員「女性隊員用の服をどうぞ!!」

伊織「にしても重いわね。命令よ、着せなさい」

P「ああ!」

伊織「ねえ、プロデューサー」

P「なんだ?」

伊織「私が無事に帰ってきたら、アンタの伝えたいこと、何でも言っていいわよ?」

P「ま、まさか……」

伊織「にひひ! さあ、見てなさい。高貴なる者の義務を!!」

ラガーマン「高貴には義務を!!」

ラガーマンズ「高貴には義務を!!」

死亡フラグや

伊織「待ってなさい、今助けるわよ……。ック、熱いわね!!」

息子「う、うう……」

伊織「足が挟まってるの? 今こじ開けるわ!! んしょ、んしょ! こんな仕事、真にさせなさいよ!」

伊織「ふぅ……、これで動けるわよね。今負ぶっていくわ……、キャ!!」

伊織「う、ウソ……。火の手が強くなってる!? これじゃあ出れないじゃない!! 熱い……」

伊織「あ、あついわ……。ごめんなさい、プロデューサー。わたし、もう……」





ドドドドンッ!

――! 目を覚ましてくれ伊織!!

伊織「ん。んん? ここは天国?」

?「伊織いい!!」

伊織「な、なにすんのよ! この変態プロ……デューサーなの?」

P「あ、ああ! 俺がわかるのか!?」

伊織「わたし、助かったの?」

P「ああ、助かったんだ。あの子供も入院してるぞ」

伊織「死んだと思ったのに……。どうして?」

P「ああ、それだがな……」

兄A「よっ」

兄B「元気そうじゃん」

お父様「そうみたいだな。無事で何よりだよ」

伊織「お兄様に、お父様?」

P「分かってなさそうだから言っとくと、この3人が伊織を助けたんだ」

伊織「え? あの場にいなかったのに……。どうして?」

兄A「ああ、それはだな」

兄B「ノブリスオブリージュ!」

お父様「高貴な者には義務があるのだよ」

ラガーマンズ「うっす!!」

伊織「な、何よそれ。私が出る必要なかったじゃない……」

P「いや、そんなことないぞ。お前が子供を助けたんだ。あと少し救助が遅れたら、子供は死んでいたそうだ」

お父様「良くやったな、伊織。私はお前が誇らしいよ」

伊織「お父様!!」

お父様「よしよし、怖かっただろう?」

兄A「伊織、お前が庶民に義務があるなら、」

兄B「俺たちは大事な妹に義務があるんだよ」

伊織「うわあああん! 馬鹿よ! みんな馬鹿よ!!」

( ;∀;) イイハナシダナー

 1年後

ドドドドンッ!

ラガーマン「高貴には義務を! 高貴には義務を!!」

P「ノブリスオブリージュ!」

ラガーマンズ「高貴には義務を!!」

やよい「わわっ! 良い男がたくさん来ました!」

伊織「はぁ……、今度は何よ?」

ラガーマン「水瀬伊織様、あなたは高槻やよい様に変わり――」

伊織「バンジージャンプをしろって言いたいの?」

ラガーマン「その通りでございます」

伊織「だと思ったわよ……。やよい、紐貸して」

やよい「え? でも伊織ちゃんは……」

伊織「ノブリスオブリージュよ。だから、」

伊織「アーイキャーンフラーイ!!」

ラガーマン「撤収!!」

伊織「はぁ、もうクタクタよ……」

P「ご苦労さん。はい、飲み物」

伊織「助かるわ……。100%、分かってるじゃない」

P「当然だろ? 俺は伊織が欲しいものに応える義務を持ってるんだからな」

伊織「出来れば私の義務も肩代わりしてほしいわね」

P「そ、それは勘弁かな……」

伊織「覚悟しなさい。どうせあんたも背負うことになるんだから」

P「へ? どゆこと?」

伊織「去年の誕生日、あんたに言ったわよね? アンタの伝えたいこと、何でも言っていいわよって」

P「あっ……」

伊織「まあバタバタしてたから、私も忘れてたんだけど」

伊織「ねえ、今なら聞いてあげてもいいわよ? ほら、今日で私16だし」

P「え、えっとだな……。誕生日おめで」

伊織「へたれるんじゃないわよ! こっちだって緊張してるんだから……」

P「あ、ああ。そのあれだ……。伊織が好きなんだ! 意地っ張りで、なんだかんだ言いつつ優しい伊織が大好きなんだ!」

伊織「なんだかんだって何よ。まっ、そこまで情熱的にアプローチされたら、応えてあげようかしらね?」

伊織「一生私といなさい。それがあんたの義務よ」

P「じゃあ伊織は俺といてくれ。それが伊織の義務だ!!」

伊織「にひひ! 覚悟しなさいよ? めいっぱい愛しちゃうんだから!!」

P「義務は人を縛りますが、それは自由の裏返しでもあります。その義務の中、私たちは生きてい」


ドドドドンッ!


P「おや、まだ終わってなかったみたいですね」




伊織「え?」

ラガーマン「高貴には義務を! 高貴には義務を!!」

春香「ノブリスオブリージュ!!」

アイドル達「高貴には義務を!!」

伊織「え? ちょっと、なに、これ? なんでみんないるの?」

ラガーマン「水瀬伊織様、あなたにはプロデューサーをアイドルで共有させる義務がございます」

伊織「は?」

ラガーマン「ですから、プロデューサーを持たぬ者、13人とプロデューサーを共有する義務が……」

春香「高貴には義務ですよ、義務!」
千早「高貴には義務を」
美希「高貴には義務をなの!」
亜美真美「ノブオリ~!」
雪歩「高貴には義務ですぅ!」
真「高貴には義務を!」
やよい「たかきにぎむです!!」
律子「高貴には義務ね」
あずさ「高貴には義務がいりますね~」
響「高貴には義務だぞ!」
貴音「高貴には、義務を」
小鳥「高貴には義務ピヨ!」

伊織「そんな義務いらないわよおおおおおおお!!!」

――

P「14股ですか、うらやましいなぁ」

世にも
奇妙な
アイドルマスター

しえん

次はよ④

伊織編終了。誕生日になに書いてんだ俺。

なんか全員分書く義務があるみたいなんでプロット、書き溜め0のお姫ちんを。

5分ぐらい休みます

休憩代行はよ

P「食事は大勢で食べる方が好きですか? それとも誰にも邪魔されず一人で食べる方が好きですか?」

P「食事は緩やかにおこなわれ、自らを再発見する。そんなことを言った人がいます」

P「誰かって? 誰でしょうね」


貴音「お腹がすきました……。どこかにらぁめん屋は……。いや、この際何でも……」

貴音「はて、あそこにお店がありましたか?」

『孤高のグルメ』 四条貴音

早い凄い

速いな

貴音「たのもう!」

店主「おや、いらっしゃい」

貴音「おひとりで」

貴音(お昼時と言うこともあってか、お客さんはたくさんいますね。
高校生のあべっく、すーつの似合う殿方、走り回る子供。新しいお店でしょうか?)

ラジオ『さてここで代打の原、このチャンスを活かすことが出来るか!?』

店主「はいお冷置いとくね」

貴音「ありがとうございます」

貴音(さて、めにゅーはいかがでしょうか? 50品目、良くある定食屋ですね。らぁめんがないのが残念ですが、まずはこれを頼みましょう)

貴音「親子丼をお願いします」

店主「はいよ」

貴音「ふむ、注文して4分、非常に速いですね。それでは、いただきましょう」

貴音(プリプリのお肉、トロトロの卵が私の口に広がります。まるで羊水に使った赤子のように、肉は卵によって守られています。
仲睦まじい親子の姿がありありと目に浮かびますね。悲しいかな、彼らはその人生、いや鳥生を全うすることが出来ませんでした。
私たちは命を食べている、それは忘れてしまってはいけませんね)

貴音「御馳走様でした」

店主「おっ、早いじゃない姉ちゃん! 勘定かい?」

貴音「いえ、生姜焼き定食を」

店主「まだ食うのかい? んじゃ作るよ!」

貴音「あと、お冷を」

店主「はいどうぞ!」

貴音「いただきます」

貴音(生姜の香りが食欲をそそりますね。ふむ、このたれも興味深い。市販のそれとは違いますね。
しかし残念なところがあるなら、小麦粉をかけ過ぎたのでしょう。味が少々強いですね。
しかし、箸が進む、箸が進む……)

貴音「御馳走様でした」

店主「んじゃ勘定だけど……」

貴音「はんばーぐ定食を」

店主「え?」

貴音「はんばーぐ定食です」

店主「ま、まだ食べるのか? まあお金払ってくれりゃ何でもいいんだけどよ……」

貴音「あと、お冷を」

店主「はいどうぞ」

貴音「いただきます」

貴音(はんばーぐ。響が言うにはこれを嫌いな子供はいないそうですね)

子供「ブーン!! ブーン!! あっ、おばさんハンバーグ食べてる! もーらい!」

貴音「はっ!」

子供A「え? 箸が箸で止められた!?」

子供B「左手で食ってやがる!」

貴音(ふむ……、いささか不便ですね。しかし、食事だけは譲れません。私の理想、それは誰にも邪魔されない静かな食事)

貴音(はんばーぐの焼き加減は良好、いい具合に焦げ目がついて、視覚としても美味しそうです)

子供B「なあ、もう行こうぜ?」

子供A「は、放してくれよ!!」

貴音(右手がプルプルしますが……。ふむ、でみぐらすですね。オロシもあったのですね)

子供B「なあ、もうお箸放したらどうだ?」

子供A「そうするぜ! あばよおばさん!!」

貴音「ふぅ……」

貴音(子供は宝と言いますが、いかんせん過保護が過ぎるのではないでしょうか?
両親の教育が精進しますことを願っております)

店主「じゃあ会計を」

貴音「店主殿、この店一番のおすすめはどちらでしょうか?」

店主「へ? うちはこの昔懐かし定食ってのがあるけど」

貴音「では、それを頂きましょう」

店主「ま、まだ食うの?」

貴音「それと、お冷をお願いします」

店主「お、おう……」

貴音「楽しみでございます」

貴音「これが昔なちゅかし……。失礼、昔懐かし定食ですか」

貴音(なるほど、派手さこそはございませんが、どこか家庭の味に近しいものがありますね。目玉焼きですか……)

男「はぁ!? なんでお前はソースかけるんだ!? 普通醤油だろ? そんなんだから765プロに落ちるんだよ!」

女「何言ってんのよ! 目玉焼きにはソースよ! 醤油なんかかけるから、961プロに落ちんのよ!」

貴音「塩をかけましょう……」

男女『やいのやいのやいの!!』

店主「また始まったよ……。何で毎回ここで喧嘩するかな……」

貴音「……この、痴れ者が!!」

店主「!?」

男女『!?』

貴音「目玉焼きに醤油かそうすで揉めるとは……、なんと小さなことよ!! お店に迷惑と思わないのですか!?」

男女『うっ……』

店主「あ、あの姉ちゃん。俺は気にして……」

貴音「相手の好みも受け入れず、それどころか乏しめ合う。なんと愚かなことよ!! あなた方は、永遠の愛を誓うのは不可能でしょう」

男「だってこいつが……」

女「悪いのはあんたよ!」

貴音「なぜ自分の好きではなく、嫌いをぶつけ合うのですか!! 何が嫌いかじゃなくて、何が好きかで自分を語りなさい!!」

貴音「恥を知りなさい!!」

男女『は、はいっ!!』

男「その、たまにはソースもかけちゃおうかな」

女「そうね、たまには醤油も悪くないわね」

貴音「目玉焼きにはしんぷるな塩が一番です」

店主「その、助かったよ。あの2人、いつも目玉焼きに醤油かソースかで揉めてたんだ」

貴音「店主、鉄火丼定食を」

店主「俺の話スルー!?」

貴音「ついでにお冷頂けますか」

店主「は、はぁ」

貴音(マグロの赤身にまよねーず入りつけだれをかけたのでしょうか? まるでとろのようですね。食が進みます)

貴音「御馳走様でした」

店主「じゃあお会計を」

貴音「ういんなあ炒めと豚汁を。それとお冷を」

店主「は、はい」

貴音(ふむ、ういんなあ炒め、給食のようですね。一方で豚汁、胡麻を入れたのか、香りと味に深みがありますね)

店主「会」

貴音「おにぎりを」

店主「」

貴音「それとお冷をお願いします」

                 ,. --- _r、,y、_    .ヽ,
               , :'" 二二二}l V-‐'フ    >
              /:/イ´ |: : : ヽ: `ヽノ_ノ     ヽ      何
             ,':/:: :l: : l: : : : :l : :l: `,:ヽ    ./  .嫌    が
             l:l : : |: : |: : : : :l: : l: : l : l   . 厶  い
             |:|__|\|__|__|/|_|: :l    ./  か
              /|: : ハ〈 {佖  イ佖} 〉} : : |  .∨   よ
               /: |: : ト、l''''  l   '''/ノl: : l`.≦_   り
           〈_:: :V: lr''\.{ ̄ ̄}/l :ノ :/: : :} . 7..__

            /: ,r''´{  _rノ≧マ'´  }--{⌒ヽヽ.ム,イ  , ィ
..ヽ, fヽx/ ?Y   ./7: ./ ∧`ー‐{_  ノ  l:::::::::|_/._,厶イ^}| ,/^ヽ{
  ∨!       ''"'´ /l ノ _/ ` -‐'l  j / ',::::::::::::::::://::::.|/
           _.l.レ.|/_ノ   y   ゝ l/  }:::::::::::::::::::::::∠....-┐
    自   何   厶.:::`ヘ、n/mム'´`ヽ∨ ,'::::::::::::::::::::::::::::, -‐'
    分   が   /::::::::::::::::::::::::::::::::::::|j/::::::::::::::::::::::::::::/
.   .を.   好  ⌒>.:::::::::::::::::::::::::::::::: (:::::::::::_::::::::::::::ノ

    語   き   イ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/| ̄´ し'しト‐'´
    り   か   > 一'lヽ/|`ー‐一'' /: : : |: : :∧
    な..  で    `>.'´ ̄ ̄`ー‐一'l: : :|: l、: /
    さ        く.ヽ〉::::::::゚。:::::::::::::::::::\ l:/ jノ
    い        「 {::::::::::::::::::::::::>'' ´__}、.._

すうつの似合う男「お、おい……。あの娘どれだけ食う気だ?」

男「まだ食っていくぜ」

女「ま、まさか……。あの人、全料理制覇する気!?」

貴音「から揚げ定食を」

店主「へ、へい!」

貴音「それと……」

男「お冷、だろ?」

貴音「はて? どうして分かったのでしょうか?」

店主「お待ち!!」

貴音「いただきます」

貴音(ふむ……、妙に騒がしくなってきましたね。なにか面白いいべんとでも行われているのでしょうか?)

貴音「御馳走様。次は鳥南蛮定食を」

女「そしてお冷! だよね?」

貴音「よしなに」

子供A「あのおばさんまだ食ってるぜ!」

子供B「全部食うのかな? みんなにも知らせてこようぜ!!」

ざわ…っ、ざわ…っ

貴音「かきふらい定食を。そしてお冷を」

店主「お待ち!」

貴音「焼き魚定食を」

男「アンドお冷だぜ!」

店主「お待ち!」

店主(や、やべえ……。手がプルプルしてきたぜ。でもな、この娘の幸せそうな顔を見るとな、俺が作らなきゃって思うんだよな)

貴音「ふむ……」

女「なあ男今何杯!?」

男「もう30は超えてるぞ……」

貴音「梅おろしちきんかつを」

女「はいお冷!」

貴音「ダシ巻き卵を」

すうつ「お冷!」

貴音「ろうすかつ丼を」

店主「へいお待ち!」

子供A「な、すげーだろ?」

子供B「フードファイターだぜ!!」

子供C「おばさんスゲー!!」

子供D「食い過ぎだぜ!」

貴音「ふぅ、うどんせっとを」

店主「了解しやし」

強盗「おい! 動くんじゃあねえ! 金をよこせ!!」

保守支援

☆円

女「きゃあああ!」

男「ご、強盗!?」

強盗「貴様らも財布をよこしな! おいそこの銀髪の姉ちゃんもだ! 店員! 何作ってやがる!!」

貴音「御馳走様でした。次は力うどんせっとを」

店主「あいよ!」

強盗「おい! 聞こえてんのか!? 無視するんじゃねえよ!」

貴音「はて、肉も汁につかり、深みが生まれましたね……」

強盗「食うのを辞めてこっちに金を出しやがれ! お前も作るんじゃねえよ!」

店主「なあ、あんた。邪魔しないでやってくれないか?」

強盗「ああ!?」

店主「見てくれよ、この素敵な食いっぷりを」

貴音「ふむ……、これはなかなか」

強盗「な、なんていい顔で食いやがるんだ!」

店主「な? 今日の俺は何でも作れそうだ。君も強盗なんて馬鹿な真似を辞めて、ここで食べてかないか?」

強盗「ば、ばかにするんじゃねええ!!」

パーン!!

女「いやああっ! ってあれ?」

強盗「あ、あわわわわ……」

貴音「まだ、食べている最中です」

貴音「すみませぬ店主。銃弾を箸で直に持ってしまったので、交換したいのですが」

強盗「な、なんだと……」

貴音「食事は、あらゆる生命活動の原点です。それを妨害しようとするなど、言語道断。万死に値します」

強盗「な、なんだ? なんなんだここは!?」

店主「ただの定食屋だよ」

貴音「いかにも。それと麻婆豆腐定食を」

店主「あいよ!!」

強盗「お、おれはどうすればいいんだ?」

男「最後まで見届けよう。店主と、彼女の戦いを」

強盗「あ、ああ……」

女「残り3食よ!!」

貴音「御馳走様でした」

貴音「御馳走様でした」

男「あと2食、なにがあるんだ!?」

貴音「天そば定食を」

店主「あいよ!」

強盗「お冷だ……」

貴音「感謝いたします」

貴音(天ぷらがぷりぷりですね。まるで彼女のかつての髪形のような形状ですね)

ラジオ『さあここで最終バッターになるか!? それとも奇跡の大逆転なるか!?』

貴音「御馳走様でした」

子供ズ「後一つ! 後一つ!」

一同『あと一つ! あと一つ!』

店主「これが最後のメニューだ!」

貴音「ころっけ定食を」

男「ラストキター!!」

客『うおおおおお!!』

俺「うおおおおお!!」

俺「眠い…」

貴音「ふむ……、これはこれは……。どこか懐かしい味、このころっけは不思議と故郷で食べたものと似ていますね……」

店主「ぜぇ……、ぜぇ……」

貴音「御馳走様でした」

男「完食だぜ!!」

客『うおおおお!』

強盗「なあ、俺自首するよ。いつまでも金目の物狙うわけにいかないしな」

すうつ「それがよいでしょう」

店主「お、終わったのか!?」

男「なあ、女。高校出たら結婚しような」

女「ええ、そうしましょう! 毎朝目玉焼きよ!!」

貴音「ふぅ……」

店主「やりきったぜ……」

すうつ「今ひとたび、この二人に拍手を!!」

...④
④④

店主「あっ、勘定だけどよ……」

貴音「親子丼」

店主「へ?」

貴音「親子丼を注文いたします」

店主「え?」

貴音「それと、お冷も下さい」

客『ええええええええ!?』

貴音「? はて、おかしなことがございましょうか?」

店主「も、もう勘弁してください……」

貴音「左様でございますか。では御馳走様でした。支払いは、事務所の方まで……」

貴音「ではいつか、またお会いしましょう」

店主「は、はい……」


貴音「はぁ。お腹がすきました。どこかにらぁめん屋は……」

ラジオ『おーっと! 大暴投だー! まさかの押し出しサヨナラです!!』

P「それにしてもお腹がすきましたね」

P「普段何気なく行く食堂、その隣に座る人は、もしかしたら奇妙な世界の住人かもしれません」

P「どこかラーメン屋ないなかぁ」

世にも
奇妙な
アイドルマスター

面白い

玉置浩二のハイヌーンよりアイデアを失敬。かなり簡略化した上に、盛り上がらなかったですが、眠いので勘弁してください。
今宵はこれぐらいで。続きはどうしましょうかね? 律ちゃん編と春香編がなんか出そうだけど、眠いので寝ます。
お付き合いいただき、ありがとうございました。

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