凛「あなたへのPassionate」 (10)
きっかけなんてわからなかった。
凛にとってあの人は同じμ'sのメンバーで、大好きな先輩たちの1人……のはずだったのに。
いつの頃からかただあなたのことが気になって……気になって……、気がつけばあなたのことを見ていて……。
心が切ない。
誰か。このもやもやしたものの正体を教えて。
穂乃果「あっ、いたいた!」
凛「……?」
穂乃果「おーい凛ちゃーん!みんなもう屋上に集まってるよー?」
凛「あっ……。ごめんね。もしかして探してくれてた?」
穂乃果「もちろんだよ。だっていつも屋上に一番乗りするはずの凛ちゃんがいなかったんだもん」
凛「あはは……ちょっと考え事してたらボーッとしちゃって」
穂乃果「考え事?もしかして悩みでもあるの?」
凛「悩み……なのかなぁ」
穂乃果「もし穂乃果でよかったら相談に乗るよ?」
凛「……ううん、大丈夫」
「それより早く屋上行こっか!みんな待ってるんでしょ?どっちが早くつけるか競争だにゃ!」
穂乃果「あっ、待ってよ凛ちゃーん!」
凛「えへへー。穂乃果ちゃん遅いよー!」
凛「……っ」
あなたの笑顔を見ただけで……声を聞いただけで胸が苦しくなって、
それでもなんだか嬉しくい気分になる。
この不思議な気持ちの正体を。
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凛「みんなー!待たせてごめんにゃー!」
花陽「やっときた。凛ちゃんだけいなかったから心配したんだよ?」
海未「そうですよ。1人でもいなかったら練習に支障がでるんですからね。そこのところ自覚を持ってください」
海未「ところで穂乃果は?」
凛「いやー、ちょっとアルパカたちとかよちんのことについて話し合ってたら時間を忘れちゃって」
花陽「えっ!?アルパカさんとお話しできるの!?」
凛「そうだよ。『毎日乾草しかくれないあの娘に伝えてくれ。私たちはもうくさばかり食うのは飽きた、と』って怒り気味で話してたにゃ」
花陽「そ、そんなぁ……。じゃあ学校から許可されてないけど、明日からは他のものあげた方がいいのかな……?お馬さんみたいに人参とか食べるのかなぁ」
凛「ここはかよちんがエサになってみるといいかもよ?」
花陽「……うぅ。それでアルパカさんが満足してくれるなら……」
真姫「……はぁ。なに本気にしてるのよ。全部冗談に決まってるでしょ」
花陽「え、えー!?」
凛「かよちんってからかい甲斐があっておもしろいよね」
花陽「ひ、ひどいよぉ……」
絵里「あなたたち。遊んでないで早いところ練習を始めましょう。最近は日が沈むのも早くなってきたんだから」
絵里「ところで穂乃果は?」
ことり「もうすっかり冬だもんねぇ。雪が積もっちゃうのも時間の問題かな?」
ことり「ところで穂乃果ちゃんは?」
凛「雪かぁ。いっぱい積もったらみんなで雪合戦したいな!」
花陽「うわぁ。おもしろそう」
真姫「私はいやよ。当たったら痛そうじゃない」
凛「へぇ、真姫ちゃん怖いんだー」
真姫「なっ……、別に怖いなんて言ってないじゃない!」
凛「強がらなくてもいいにゃ。もし顔とかに当たっちゃったら痛いもんねー」
真姫「そ、そうよ。だから危ないって言って……」
凛「じゃあ真姫ちゃんはチキンってことでいい?」
真姫「なんでそうなるのよ!」
真姫「いいじゃない!やってやるわよ!私の剛速球をくらって泣いて謝っても許さないんだから!」
凛「はは。相変わらず真姫ちゃんちょろすぎだにゃ」
凛「そういうところは歳相応だよね」
真姫「し、知らないわよ。あとちょろいって言わないで!」
穂乃果「……ふぅ、はぁ、凛ちゃん早すぎだよー。穂乃果なんか途中で転んじゃって……」
花陽「うわ……膝擦りむいちゃってる」
ことり「大変だよっ!これは保健室で消毒しなきゃ!保健室で!」
真姫「なんで保健室を強調するのよ……」
絵里「それなら私が連れて行くわ。この中で1番年上なんだし」
絵里「ええ。別にやましいことなんてこれっぽっちも考えてないわ」
海未「いえいえ、ならば生まれた時から幼馴染の私が付き添った方がいいでしょう」
海未「私以外の人に穂乃果の血を舐めさせません」
穂乃果「最後の人怖い」
穂乃果「じ、じゃあ保健委員のことりちゃんにお願いしようかな……?」
ことり「キターーー!」
ことり「こんなときのために保健委員になっといてよかったー!」
絵里「くっ……、なんで私は生徒会長なんてやってたのよ!保健委員長にならなかったことをこれほど後悔したことはないわ!」
海未「知識はあるのに……知識はあるのに……、あの某モグリ医者のように肩書きがついて来ない……!」
ことり「じゃあみんな、ちょっと行ってくるねぇ?」
ことり「帰って来た時には穂乃果ちゃんはことりの女になってるかもしれないけど♪」
絵里「そんなことはさせない」
絵里「やっぱり私もついていくわ」
穂乃果「いや、いいよ。みんなは先にストレッチ始めてて?」
絵里「……わかったわ」
ことり「ぷくく」
絵里「ことり。後で覚えててなさいよ」
海未「穂乃果のその白く綺麗な膝にしゃぶりつけるなら私はなんだってしますのに……」
穂乃果「なんで海未ちゃんはそんなに人の傷口を舐めたがるのかな」
穂乃果「ただいまー」
海未「穂乃果っ!何かおかしなことはされませんでしたか!?」
穂乃果「えっ……いや、消毒してガーゼ貼ってもらっただけだよ?」
ことり「もー海未ちゃんったら。人のことなんだと思ってるの?」
ことり「ことりは海未ちゃんたちと違ってせっかちじゃないんだから」
穂乃果「とりあえずまだ傷がズキズキするから、今日は見学させてもらうね?」
凛「穂乃果ちゃん……大丈夫?」
穂乃果「うん。明日になったらまた参加できるから気にしないで?」
凛「……わかったにゃ」
穂乃果「ほらっ、凛ちゃんがそんな顔してたら周りにうつっちゃうよ?いつもみたいに笑顔っ!」
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