あかり「結衣ちゃん、ひざ枕してあげる!」 結衣「……えぇ」(175)

あかり「むむむ、その反応はちょっと失礼じゃないかなぁ」

結衣「いやだって無理してそんな事してもらわなくても……」

あかり「……いやなの?」

あかり「そうだよね、あかりのひざ枕なんて魅力ないもんね」

あかり「座布団のほうがいいもんね、分かるよ」

あかり「結衣ちゃんはあかりより座布団が好きなんだもんね……」

結衣「……あぁもう、やさぐれモードに入ってしまった」

結衣「分かった、それじゃせっかくだしお願いしようかな――」

あかり「わーい!」ポスン

あかり「ぇへへ、結衣ちゃんにひざ枕してもらえるなんてあかり幸せだよぉ……」スリスリ

結衣「……おいコラ」

あかり「~♪」

結衣「ちょ、ちょっとあかりどう考えてもおかしいよね!」

あかり「ぇへへ、結衣ちゃんのおひざすべすべだよぉ」

あかり「まるでお餅みたいにすべすべで、ちょっとひんやりして……」

あかり「もう病みつきになっちゃうかも……」

結衣「あ、うん、喜んでもらえてなによりだけど」

結衣「……ふふ」

あかり「でもでも結衣ちゃん、急にひざ枕してくれるなんてどうしたの?」

結衣「あ、あれ?」

結衣「ちょっと待て、だからなんで私がひざ枕してるんだよ!?」

あかり「だからあかりも疑問に思ってたんだけど……」

あかり「それよりなでなでしてもらえるかなぁ?」

あかり「あ、でもそんなの贅沢だよね……」

結衣「そんなことないよ、それくらいお安い御用だよ」

結衣「……ふふ」ナデナデ

あかり「あ、ぇへへ、ゆいちゃ~ん……」

結衣「もう、わんわんみたいだなあかりって」

結衣「人懐っこくて甘えん坊で、好奇心旺盛で……」

あかり「わんわ~ん♪」

結衣「ふふ、上手上手」

あかり「あかりワンワンは一つ疑問があるんだけど……」

結衣「ん?なにかなぁ、私のひざ枕居心地悪いとか?」

あかり「ううん、結衣ちゃんのおひざは文句なしの100点なんだけどね」

結衣「へぇ、あかりのお墨付きか良かった良かった」

結衣「けっこうひざ枕の評判いいんだよね、ちなつちゃんも喜んでくれたし」

結衣「……ふふ、悪い気はしないな」

あかり「ぇへへ、それよりどうして結衣ちゃんはあかりにひざ枕してるの?」

結衣「……」

結衣「あ、あれ?」

結衣「なんでだっけ、確かあかりが私にひざ枕してくれるって……」

結衣「でも私は遠慮しておくって、そしたらあかりがすねて」

あかり「ううん違うよぉ、最初にね結衣ちゃんがこう言ったの」

結衣『あかり、今日は2人きりだから私とイチャイチャしような』

あかり「ぇへへ、もう結衣ちゃんってば可愛い女の子ならガツガツしちゃうんだね」

あかり「あのね、女の子同士って最初はおかしいと思ってたけど……」

あかり「別に結衣ちゃんだったらそれでも悪くないかなぁ、なーんて!」

あかり「も、もう結衣ちゃんってば冗談をだからね今のは!……ぇへへ」

結衣「……えっと、わたしなんであかりにひざ枕してるんだろう」

結衣「???」



結衣「ねえあかりほんとに私そんなこと言ったの?」

あかり「もう、自分で言ったことくらい覚えててよぉ!」

結衣「あれ……」

結衣「なんか、記憶があいまいになってきた……」

結衣「私があかりにひざ枕しようかって、言ったのかな……」

あかり「ゆーいちゃん、今日はお泊りするって約束だったけど?」

結衣「……んん?」

あかり「うぅぅ、やっぱり覚えてなかった、あかりの優先順位なんて低いもんね……」

結衣「あ、えっともちろん覚えてるよ!!」

あかり「……ぇへへ、良かった~」

結衣「そ、そんな約束したっけ?」

あかり「結衣ちゃん結衣ちゃん、一緒にお風呂に入るって約束もしたよね」

結衣「えっ!?」

あかり「……うぅぅ、自分で言ったのに」

結衣「あ、あぁ!思い出した思い出した!」

結衣「一緒に入るって約束したもんな、忘れるわけないよ」ナデナデ

あかり「うんうん、それでこそあかりの結衣ちゃんだよぉ」

結衣「おーい、いつからあかりの所有物になったんだよ」

あかり「……覚えてないの?」

あかり「去年の2月29日にしっかり言ったよね、船見結衣は生涯あかりのものですって」

結衣「は、はぁ!?」

結衣「きょ、去年に私がそんなこと言ったのか……」

結衣「去年のことなんて覚えてないよ~……」

あかり「やっぱり覚えてないんだ、あかりはしっかり頭に残ってるのに」

あかり「そうだよね、あかりのことなんてどうでもいいもんね」

あかり「影がうすい~とか、キャラが弱い~とか……」

あかり「あはは、今日はお家に帰ったらアリさんと遊ぼうかな」

結衣「あ、あぁもう!!」

結衣「覚えてるよ、ぜんぶしっかり覚えてるから!」

結衣「だからそのうじうじするの止めてくれ……」

結衣「なんからしくないっていうか、あかりは笑ってた方が可愛いと思うし」

あかり「……ぇへへ、ありがと結衣ちゃん」

結衣「ん?去年の2月29日って……」

結衣「……えっと、今年がオリンピックだからうるう年で」

あかり「あ、えっと、結衣ちゃんあのね!」

結衣「はいはいちょっとお口にチャックしててね」ギュッ

あかり「むぐぐぐぐぐもごごごご……」

結衣「去年は2月29日ないよな、あかり」

あかり「……あるもん!」

結衣「……私、船見結衣は生涯あかりのものですって言ってないよね」

あかり「……言ったもん!」

結衣「どうして嘘付いたのかな、あかり?」

あかり「……」

結衣「あかり、私はいまとーっても怒ってるんだ」

あかり「あ、あかりが嘘付いちゃったから……?」

結衣「そうだね、ウソに嘘を塗り重ねて私を騙したんだあかりは」

あかり「だ、だって、あかり、あかりはっ……」ジワッ

あかり「あかりだって結衣ちゃんと、あそびたいのにっ、うっ、ひっく……」

結衣「それでもあかりはしてはいけないことをしたの」

あかり「うっ、うぅぅぅぅぅ……」ポロポロ

結衣「泣いてもダメ、あかりにはしっかり罰を受けてもらうからな」

あかり「……う、いやだよ、ごめんなさいっ、結衣ちゃん」

結衣「……そうだな、ちょうどいい罰があるよ」

結衣「ウソをたーくさん付いた責任をしっかり取ってもらうからな」

あかり「……」グスッ

あかり「い、痛いことするの?怖いことするの?」

結衣「そうだな、もしかしたら痛くて泣いちゃうかもしれないね」

あかり「ひっ……」

結衣「あかりはまだお子様だから、耐えられるか分からないけど」

あかり「い、いやだよぉ、もうこんなことしないから!」

あかり「お願いだから、結衣ちゃん許して……」グスッ

結衣「……悪いけど、私は本気だからな」

結衣「さぁあかり、早くそこの座布団にしっかり座って」

あかり「うっ、うぅぅぅ……」

結衣「……」ポスン

あかり「ね、ねえ結衣ちゃん、あのこれって……」

結衣「ふふ、ウソついた罰はしっかり取ってもらわないとね」

あかり「……ぇへへ、そっかそうだよね」

結衣「誰かにひざ枕してもらうなんて一度もなかったからな」

結衣「……これはなかなか、悪くないな」

あかり「ふふ、結衣ちゃんってネコさんみたいだよね」

結衣「にゃんだよ、藪から棒に……」

あかり「あはは、いまにゃんだよって言ったよね~」ナデナデ

結衣「……っさい、あとあまりなでなでするな」

あかり「普段はそっぽ向いて興味無さそうなのにね」

あかり「2人きりになると、たちまち寄ってきてすりすりすりすり」

あかり「ふふ、ほんとはかまってほしいんだよね」

あかり「可愛い黒ネコさんそっくりだよぉ、よしよし」

結衣「あーもう……」

あかり「首輪なんか付けちゃったりするの?鈴付の可愛い首輪!」

あかり「ぇへへ、案外似合いそうだよね」

結衣「似合うワケないだろ、お馬鹿」

あかり「そうかなぁ、結衣ちゃんなら何でも似合いそうな気がするけど」

結衣「……さすがに首輪はないから」

結衣「あかりワンワンのくせに……」

あかり「結衣にゃんにゃん」

結衣「くそ……」

あかり「ぇへへ、大人しくなっちゃった」

あかり「ちょっといじわるしすぎたかなぁ、ごめんね結衣ちゃん」

結衣「も、もうひざ枕はいいからありがと」スッ

あかり「ううん、どういたしまして!」

結衣「ほら帰るから早く支度して、あかり」

あかり「あ、そうだねもうこんな時間だ……」

結衣「……」スタスタ

あかり「ゆ、ゆいちゃ~ん、歩くの早いよぉ!」

結衣「……」スッ

あかり「わぷっ!?」

あかり「いたたたたた、急にとまったりしたら危ないよ……」

結衣「ぜ、絶対に言うなよ!」

あかり「へっ?」

結衣「だ、だから、私がにゃんだよって言ったこと!」

あかり「……」ニコニコ

結衣「……はぁ、もうやだ」

あかり「ふふふ、手を繋いでくれたら考えてもいいけど」

結衣「……ったく」グイッ

あかり「結衣ちゃんの手温かいね、ぽかぽかだよぉ」

結衣「そりゃどうも、あかりもぽかぽかするね」

あかり「……一つ歳が違うだけでこんなに雰囲気ちがうものなのかなぁ」

あかり「結衣ちゃんは落ち着いてて、大人っぽくて……」

あかり「あかりはいつもあたふたして、子供っぽいのが抜けなくて……」

結衣「……あかりはあかりでいいところいっぱいあるよ」

結衣「私ならあかりのいいところは10個言えるかな」

あかり「……ぇへへ」ギュッ

あかり「それじゃあ全部聞いてみたいなぁ……」

結衣「あ、えっと、10個は言い過ぎたかも……」

あかり「……」ジトッ

結衣「わ、分かったよ10個捻り出すから、その薄目睨みつけるのやめてくれ」

あかり「うぅぅ、捻り出すとか言わないでよぉ……」

結衣「……いつもにこにこ、誰にでも優しい、裏表がない」

あかり「うんうん!」

結衣「……お裁縫が上手い、可愛い、笑顔が可愛い」

あかり「か、かわいい……」

結衣「ちょっとしょんぼりしてるのも可愛い、ちょっと怒ったときも可愛い、拗ねてるときも可愛い」

あかり「ちょ、ちょっと結衣ちゃんストップ!!」

結衣「ちょっとお調子者なあかりも可愛いな……」

結衣「ほらな、これで10個言えただろ」

あかり「た、確かに10個だけど……」

あかり「ぜんぶ10個ほんとにそう思ってるの?」

結衣「もちろんだよ、全部胸を張って言えるけど」

あかり「……ぇへへ」

結衣「何だかんだ言って、一番いいお嫁さんになるのはあかりだと思うけどね」

あかり「そ、そんなことないよぉ……」モジモジ

結衣「ま、相手が見つかればいいけどね」

あかり「ちょ、ちょっと結衣ちゃん!?」

結衣「何だよもう、あまり大きな声は出さないの」

あかり「ご、ごめんなさい……」

あかり「そうじゃなくて、相手が見つかればいいねってどういうこと!」

結衣「そのまんまの意味だけど……」

あかり「分かった、結衣ちゃんはヤキモチ妬いてるんだね」

結衣「……はぁ?」

あかり「あかりが将来いいお嫁さんになっちゃうから、苦し紛れの一言ってことでしょ」

結衣「……いや、だからなんていうか」

結衣「相手が見つからなかったら、私のところにおいで……って言いたかったんだけど」

あかり「……」

あかり「あははは、そうなんだぁ……」

結衣「そうそう、なかなか日本語って難しいよな」

あかり「そうだね、日本語って難しいよね!」

結衣「……」

あかり「……」

あかり「あ、あかりは売れ残ったりなんかしないよぉ!」

結衣「あぁそうだな、だから私のところに来るなんてありえないね」

あかり「……そういうことじゃなくて!」

結衣「ほらほら、早く帰らないと寒くなってきちゃうよ」

あかり「結衣ちゃんがもらってくれるんでしょ!!」

結衣「なっ……」

結衣「な、なに言ってるんだよいきなり……」

あかり「結衣ちゃんがお嫁さんにもらってくれるんでしょ!」

結衣「は、はぁ?」

<ひそひそ <かわいい、お嫁さんだってー <若いっていいわねぇ……

<そういえば、iPS細胞というので同性の間でも子供ができるらしいです

結衣「あ、あぁ……!」

あかり「ねえねえ、あかりがずっと相手見つからなかったら結衣ちゃんが……」

結衣「い、いいから早く行くぞ!」ガシッ

あかり「ひょえっ!?」

結衣「あぁもう、絶対近所の人に見られた……」

あかり「あっ、う、ごめんね結衣ちゃん……」グスッ

あかり「あかりが変なこと言って、結衣ちゃんが恥かいちゃったもんね」

結衣「……」

結衣「いいって、最初に変なこと言ったのは私のほうだし」

あかり「ううん、でもあかり嬉しかったよ」

あかり「結衣ちゃんがお嫁さんに貰ってくれるって言ってくれて!」

結衣「……あー、その」

結衣「あかりが他のいい人見つかるまで私は恋人とか作らないから」

結衣「ま、まぁだから、売れ残ったら……ね」

あかり「……ふふ、結衣ちゃんは素直じゃないなぁ」

あかり「それじゃあ、あかりはずーっと売れ残っててあげるからね」

結衣「……そっか」

あかり「ぇへへ、それなら結衣ちゃんがもらってくれるんでしょ?」

結衣「もちろん、でも他の人がほうっておかないと思うけどね」

あかり「そうかなぁ、あかりってそんなにモテるの?」

結衣「……」ナデナデ

あかり「わーい、もっとなでろなでろー!」

結衣「ふふ、なんだかんだ言ってモテる要素はあるだろあかりは」

あかり「……も、もう褒めすぎだよぉ」

あかり「でもでも、いつまで売れ残ったらもらってくれるの?」

結衣「お婆ちゃんになるまで、かな」

あかり「ちょ、ちょっと結衣ちゃん!」

結衣「冗談だよ、高校を卒業するまで1人だったら考えておくからね」

あかり「……ぇへへ、その言葉忘れないでね」

結衣「私はウソ付いたりしないって、あかりは忘れそうだけど」

あかり「むむむ、あかりは結構辛抱強いんだから」

結衣「ふふ、全然そうは見えないけど?」

あかり「ぶー……」

・・・
・・

・・・
・・


京子「結衣ー、高校の進学先どうするの?」

結衣「あぁ私は県外に出ようかなって思ってるんだ」

京子「え、県外に行っちゃうの……」

結衣「親戚のお姉さんが私立の女子高で陸上のコーチやってて、一緒にやってみない?」

結衣「って、ずーっと前から言われてたんだ」

京子「……陸上、か」

結衣「まぁ推薦使うワケじゃないし、偏差値もそれなりだから勉強しないといけないけど」

京子「あかりもちなつちゃんもきっと悲しむだろうな」

結衣「……」

京子「2人にもしっかり話しておいた方がいいよ」

結衣「……京子、今まで私はずーっとお前のワガママ聞いてきたよね」

京子「えへへ、何だかんだ言って世話になりっぱだったもんな」

結衣「だから、私の最初で最後のお願い聞いてくれるかな」

結衣「それくらいしてもらっても、罰は当たらないよな」ニコッ

京子「うっ……笑顔が怖いんだけど」

結衣「ふふ大丈夫だよ、べつに京子を取って食おうとかするわけじゃないし」

京子「……うーん、それなら内容次第だけど」

結衣「ん、じゃあちょっと耳貸してくれる?」

京子「ほいほい、どれどれ」

・・・
・・

あかり「結衣ちゃん、京子ちゃん卒業おめでとう!」

ちなつ「……先輩方、また3年生やってくださいよぉ」グスッ

結衣「ふふ、ちなつちゃん泣いちゃうなんて可愛いなぁ」

あかり「大丈夫だよぉちなつちゃん、すぐ近場に進学するんだから」

あかり「ぇへへ、ちなつちゃん頑張って2人と同じ高校に行こうね!」

ちなつ「うんっ、うん……」

京子「……」

あかり「ゆーいちゃん、あの約束のこと覚えてるよね?」

結衣「ん、あぁえっと……もちろん覚えてるよ」

あかり「うんうん、覚えてるなら結構結構!」

京子「あかり、ちなつちゃん、結衣は……」

結衣「なぁ京子、みんなで記念撮影しようよ」

ちなつ「ふふふそうですね、お家からデジカメ三台ほど持ってきたんです!」

あかり「ちなつちゃん、気合入れすぎだよぉ!」

結衣「あははは、それなら何百枚も撮れるね」

京子「……ほんとに、それでいいのかよ」

京子「なら私はなにも言わないよ、結衣」

京子「結衣の最初で最後のお願いは絶対その日まで守るから」

あかり「京子ちゃーん!セルフタイマーはやくはやくー!」

京子「おー、分かってるよ!」

        パシャ!

あかり『結衣ちゃん、ちゃんと朝ご飯食べてる?』

結衣『何だよ久々の電話だってのに、そんな出だしか』

あかり『ぇへへ、だって心配なんだもん』

結衣『ふふ、まぁそっちのほうがらしいけどな』

結衣『大丈夫だよ、部活も頑張ってるし、友達もたくさんできたよ』

あかり『ふふふ、そっか良かったぁ』

あかり『ねぇねぇ、今度結衣ちゃんのお家にいってもいい?』

結衣『あ、えっと、ゴメンな部活が忙しくてなかなか……』

あかり『ぇへへそんなの分かってるけど一応聞いてみただけ~』

結衣『……』

あかり『結衣ちゃん、あかりが高校卒業したらお嫁にもらってくれるって……』

結衣『もうしつこいな、メールでも何回も聞いてきて』

結衣『あかりがその時まで独り身だったらね』

あかり『ぇへへ、あかりは結構モテモテだから困っちゃうなぁ』

あかり『新しいクラスでも、毎日花瓶のお世話とかしてるんだよ』

結衣『……ふふ、あかりはいつまでもあかりのままだな』

あかり『ぇへへ、それでねそれで……!』

結衣『あ、えっとなあかり、これから忙しくなるからメールとか電話返せなくなるかも……』

あかり『……そっかぁ』

あかり『お盆のお休みには一回くらい遊べるよね?』

結衣『そ、そうだな、練習がなければ……』

あかり『……そうだね、結衣ちゃんも忙しいもんね』

あかり『えへへ、でも久々に声が聞けて安心しちゃった』

結衣『……うん』

あかり『結衣ちゃん、声がとっても辛そうだけど大丈夫?』

結衣『大丈夫だよ、ちょっと疲れてるだけ』

あかり『うんうん、ならあかりみたいにぐっすり寝てね!』

結衣『……うん』

あかり『ばいばい結衣ちゃん、またね!』

結衣『……さようなら、あかり』

あかり「ぇへへ、もう夜の8時半だよぉ……」

あかり「眠たいけど勉強しなきゃね、京子ちゃんと結衣ちゃんと同じ高校に行きたいもん」

あかり「……ふぁ~」

あかり「ふふふ、高校入ったら陸上部のマネージャーでもやろうかなぁ」

あかり「結衣ちゃんにスポーツタオルでも渡して……」

あかり「なーんちゃって、ぇへへ」

あかり「絶対一緒の高校に行くもんね、頑張るよあかり……」

あかり「……」カリカリ

あかり「ふんふん、ここがこうなって……」

京子「やぁやぁ諸君、元気かな」

あかり「京子ちゃーん!」ガバッ

京子「ちょ、ちょっといきなり飛びついてくるなよ!」

ちなつ「ふふ京子先輩、中学卒業から半年経っても相変わらずって感じですね」

京子「うんうん、相変わらずの美少女ってところかな」

ちなつ「そういうところが相変わらずです……」

京子「あははは、ちなちゅも変わらず可愛いよん」スリスリ

ちなつ「ああもう、結衣先輩たすけてー!」

京子「……あ、えっと結衣は今日部活で来れないって」

ちなつ「えぇ!?」

あかり「そうなんだぁ、残念だよぉ……」

あかり「それなら高校で練習風景とか見たいなぁ、あかり!」

ちなつ「わぁそれ楽しそう!遠くから見るくらいならいいですよね?」

京子「あ、えっと……」

京子「今日は確か遠征でいないんだよ、あいつ」

あかり「えぇぇ……」

ちなつ「そうですか……それならしょうがないですね」

京子「それより今日は私が直々に勉強を教えてしんぜよう!」

あかり「うんっ!あかりたくさん勉強して2人と同じ高校に進むんだから!」

ちなつ「えへへ私もですよ~」

京子「2人、か……」

To. 結衣ちゃん♪
題 久しぶりだね、結衣ちゃん!

『結衣ちゃん、今日はね京子ちゃんと久々に会ったの

ちなつちゃんも結衣ちゃんに会いたがってたよぉ

最近電話しても出てくれないから、あかり寂しいなぁ

でもしょうがないよね、結衣ちゃんも忙しいからね

あかりはまだ昔の約束覚えてるからね、えへへ

風邪に気を付けてね、ばいば~い!』


あかり「ふふ、ちょっと長文になっちゃったかなぁ」

あかり「それでも久々のメールだもん、いいよねべつに!」ポチッ

あかり「……」

あかり「ぇへへ、なんかメールが返ってくるまでの時間って苦手……」

あかり「勉強しなきゃね、あとちょっとで入試だもん」

あかり「……」カリカリ

あかり「一緒の高校に入ったらね、またなでなでしてくれるよね」

あかり「いっぱいぎゅーってしくれるよね、結衣ちゃん」

あかり「だからね、勉強がんばるよあかり」

あかり「頑張ったなあかりって、褒めてくれるよね」

あかり「ぇへへ……」カリカリ

あかり「……メールまだ返ってこないよね、さすがに」

あかり「……」カリカリ

あかり「もう12時だ、そろそろ寝ないと明日がキツイもんね」

あかり「……結局メール返ってこなかった」

あかり「遠征だもんね、きっとメール返す暇もないのかなぁ」

あかり「おやすみなさい、結衣ちゃん」

あかり「……」zzz

・・・
・・

・・・
・・


あかり「……おはよう、ちなつちゃん」

ちなつ「おはようあかりちゃん、来週が入試だね」

あかり「うん、勉強の方はばっちりなんだけど」

ちなつ「むむむ、自信たっぷりじゃないあかりちゃん!」

あかり「……」

ちなつ「なんか元気無そうだけど……」

あかり「ううんそんなことないよぉ、元気元気!」ニコッ

ちなつ「そっか、……ほらこのメール結衣先輩から昨日来たんだけどね」

あかり「えっ……」

ちなつ「ふふふ、結衣先輩って結構絵文字使ってくるんだね」

あかり「……どうして」

ちなつ「あ、あかりちゃん顔色絶対悪いよ!」

あかり「……どうして、あかりにはメールを返してくれないの」

ちなつ「えっ?」

あかり「ううん、なんでもないよぉ」

あかり「それよりちなつちゃん、ここの数学の問題ってどうやるの?」

ちなつ「えっとね、ここがBの円周角で……」

あかり「……うんうん」

・・・
・・

To. 結衣ちゃん♪
題 明日はついに入試だよ

『結衣ちゃん、忙しいからメールも返せないんだよね

忙しいから、あかりの電話に出てくれないんだよね

あかりのことを嫌いになったってことではないよね……

まだ覚えてるよ、結衣ちゃんがお嫁さんにもらってくれるって約束

最近夜に中々眠れないの、結衣ちゃんのことばかり考えて

結衣ちゃんの声が聞きたいな、寂しいよ

でも忙しいんだよね、あかりはワガママ言わないから

……お休みなさい』


結衣「……」

訂正

from. あかり
題 明日はついに入試だよ

『結衣ちゃん、忙しいからメールも返せないんだよね

忙しいから、あかりの電話に出てくれないんだよね

あかりのことを嫌いになったってことではないよね……

まだ覚えてるよ、結衣ちゃんがお嫁さんにもらってくれるって約束

最近夜に中々眠れないの、結衣ちゃんのことばかり考えて

結衣ちゃんの声が聞きたいな、寂しいよ

でも忙しいんだよね、あかりはワガママ言わないから

……お休みなさい』


結衣「……」

from. 結衣ちゃん♪
題 Re:明日はついに入試だよ

『ごめんなあかり、余計な考え事させて

メールも電話もずーっとしたかった、あかりのことを考えなかった日はないよ

でもそんなことしたら、私があかりへの想いを抑えられなくなるから

あかりならきっと大丈夫だよ、絶対にいい結果になるさ

あの日の約束は覚えてるよ、忘れるわけがない

とにかく今はゆっくり寝ること、分かった?

……おやすみなさい、あかり』


あかり「……ふふ、あかりだって忘れるわけがないよぉ」

あかり「おやすみなさい、ありがとう結衣ちゃん」

あかり「おっはよーちなつちゃん!」

ちなつ「あ、あか、あかかかあかりちゃん……」

あかり「ちなつちゃん、ちょっと落ち着いてよぉ!」

ちなつ「だ、だって今日は入試なんだよ?」

あかり「ふふふ、大丈夫だよぉここまで頑張ったんだもん」

あかり「ちなつちゃんの努力はあかりが一番知ってるよ」ニコッ

ちなつ「……ふふ、その顔見たらなんか安心しちゃった」

あかり「ちなつちゃん、絶対に合格しようね!」

ちなつ「うん!」

・・・
・・

・・・
・・


京子「こほん、えーキミ達は念願かなって晴れて七森高校に入学できたワケだが……」

あかり「あははは、京子ちゃんってば先輩風吹かせちゃって!」

ちなつ「もうほんとですよ、ご高説はいいですから」

京子「あかり、ちなつちゃん、よーく頑張ったね!!」ガバッ

あかり「わーい、もっと褒めろ褒めろ!」

ちなつ「もう、今日だけは特別ですからね」

京子「……ほんとに頑張ったね、おめでとう」ナデナデ

あかり「えへへ、ありがとう京子ちゃん」

ちなつ「……京子先輩がたまに勉強見てくれましたもんね、当然ですよ」

京子「へへへ、ちなちゅも丸くなったなぁ」

あかり「ねぇねぇ、ところで結衣ちゃんは?」

ちなつ「はぁ、久しぶりだなぁ結衣先輩に会うの」

京子「あ、えっと、結衣は……」

京子「……」ジワッ

あかり「きょ、京子ちゃんどうして涙ぐんでるの?」

ちなつ「そうですよ、私たちが合格して嬉しいのは分かりますけど」

京子「違うくてねっ、あの、結衣は……」

京子「結衣は県外の高校に進学して、七森高校の生徒じゃないんだ……」

あかり「え……」

最初は京子ちゃんのウソだと思ってた、だって京子ちゃんは冗談が好きだもんね

「ねぇ、京子ちゃんいつもの冗談なんでしょ!!」

京子ちゃんは悪くないのに、つい声を荒げちゃって
そこのお掃除のロッカーからひょいと出てくるんじゃないかって思ってた

「ごめんっ、わたしが結衣を止めてれば……」

ねえどうして京子ちゃんは泣いてるの、いつもみたいに言ってよ
引っかかった、あははって笑い飛ばしながら

「結衣と約束してたんだ、2人には内緒にしておくって……」

……結衣ちゃんはどこ?
あかりは七森高に入れたんだよ、いっぱい勉強して
結衣ちゃんとまたお話ししたくて、たくさん勉強したんだよ

「高校入学おめでとうあかり」

家族の皆がそう言ってあかりを褒めてくれた
綺麗にデコレーションされたケーキ、奮発してくれた特上のお寿司

「ぇへへ、お父さんお母さん、お姉ちゃんもありがとう!」

あかりは七森高に入れて、本当に嬉しかったのかな?
結衣ちゃんになにか騙されたような気分だった

『結衣は陸上がやりたいから、県外の私立に……』

京子ちゃんはそう言ってくれたけど
結衣ちゃんは、あかりのことが嫌いだったんじゃないかなって思った
だから遠くの県外に進学しちゃったんだよね

「そうすれば、あかりの顔なんて見る必要なくなるもんね……」

思わず本音がこぼれちゃった

大きいイチゴが乗ったケーキを食べても、特上のお寿司を食べてもどこか味気無かったなぁ
普段なら大喜びするのにね、どうしてだろう

「……はぁ」

原因なんて分かりきってるよ、ぜんぶ結衣ちゃんのせい
入学祝にお姉ちゃんに買ってもらった、朱色のスマートフォン

『メールも電話もずーっとしたかった、あかりのことを考えなかった日はないよ』

この結衣ちゃんのメールだけは前の携帯から移したんだっけ
考えれば考えるほど、結衣ちゃんの意図が分からなくなる
あかりのことを好きなのにどうして、離れていっちゃうの?

「分からないよ、結衣ちゃんの考えてることが」

電話でもメールでもすれば良かったんだろうけど、とても出来なかった
だってまた無視されるのが怖いし、また傷つきたくなかったもん

それでも結衣ちゃんの声がまた聞きたい気持ちが、ごちゃごちゃになって
何回もスマートフォンを置いては覗いてを繰り返してた

「もう疲れちゃったなぁ……」

せめて夢では結衣ちゃんと仲良くなれたらな、好きだって伝えられたら
それくらいの贅沢は許されるよね?だって1年間勉強たくさんしたんだもん

・・・
・・

・・・
・・


「いやぁ、まさか現役で医学部に受かるとは思わなかった……」

京子ちゃんが柄にもなく照れくさそうにしている、ほっぺもほんのり赤いね
でもでも、医学部って本当にスゴイよね!?

「なんというかこの人はほんとに、なんなんですか!」

ふふ、ちなつちゃんも本当に嬉しそうだよぉ

最後に結衣ちゃんと連絡を取ってから、もう何年も経っちゃった
それでもあかりは覚えてるよ、高校卒業して独り身だったらお嫁さんに貰ってくれるって
忘れるわけないもん、大切な約束だから

あれから結衣ちゃんのことを話すこと少なくなった、さすがに2年も経ったしね
それでも京子ちゃんもちなつちゃんもどこか寂しそうだった

「噂には聞いてるよちなちゅ、茶道部の部長になったんだよね!」

「ふふ、ごらく部で鍛えたお茶の腕は健在ですから」

「……また、4人で集まれる日が来るよね、京子ちゃんちなつちゃん」

そう言った途端、場の空気がピシっと引き締まったというか
……う~ん、凍っちゃったというか、でもでも滑ったワケではないよね!?

「当たり前だろ、何言ってるんだよあかり!」

「次会ったときは一回結衣先輩のほっぺたをムニムニしちゃおうかな、勝手に行った罰!」

「ふふ、そうだよねまた4人できっと集まれるよね」

みんな待ってるんだよ結衣ちゃんのこと、だってごらく部は4人でごらく部だから
京子ちゃんとちなつちゃんの言葉を聞いて安心しちゃったなぁ

「あーそうだあかり、今日家に帰ったらいいモノがあるぞ」

「……いいモノ?」

「なんかその言い方とーっても気になりますね、食べ物ですか?」

「むふふ秘密だよん、ちなちゅには私からのチューを!」

「ぎゃー!」

いいモノってなんだろう、でもいたずら好きの京子ちゃんのことだからなぁ……

別に期待しているとかではないんだけどね、自然と早足でお家に帰っちゃった
だってだって!いいモノとか言われたら誰だって気になるよね?

「ただいまお姉ちゃん、お外寒かったよぉ……」

「あら、お帰りなさいあかり。そう言えば郵便受けに手紙があったわよ」

「わぁ、あかりにお手紙だね……」

「船見結衣さんからね、懐かしいわね結衣ちゃんとは仲が良かったものね」

「ゆ、結衣ちゃんからのお手紙!?」

「あらあら、この手紙は切手が無いわね……」

「そ、それじゃあ結衣ちゃんが直接ココに来たってことかな?」

「ええ、それしかないわね」

えっと、えっと、ちょっと待ってね、あかりはいま混乱中だから
結衣ちゃんがあかりのお家にお手紙持ってきたんだよね
ずーっと音沙汰なしだったのにどうしたんだろう……?

「ふふ、あかりったら本当に嬉しそうね、そんなニコニコして」

「ひょえっ!?」

うぅぅ、気付いたら頬が緩みっぱなしだよぉ
中身がどんな手紙なのか分からないのに、それでも嬉しかった
……まだあかりのこと覚えてくれたんだって

「……すぅー、はぁ」

結衣ちゃんのお手紙を前にすると少しドキドキしちゃうな
本人が目の前にいるってワケじゃないのに、なんか緊張しちゃう

「あかりにとっていい内容でありますように」

ふふ、こんなこと言っても中身が変わるワケじゃないのにね
真っ白でキレイな封筒、なんか結衣ちゃんのイメージ通りかなぁ

『拝啓、ようやく春めいた今日このごろで……』

ちょ、ちょっと結衣ちゃんもう少し肩の力抜いてもいいのに!
……でも2年ぶりだもんね、しょうがないか


堅苦しい形式のお手紙を、ただひたすら読みふけっていた

まずは結衣ちゃんの高校生活について、陸上とかのお話だね
スゴイよね、結衣ちゃん陸上でインターハイに出たんだって!

それから次は結衣ちゃんが県外へ行った本当の理由
あかりはてっきり陸上がしたいものばかりだと思ってけど、どうも違うみたい
なんとなく、結衣ちゃんの葛藤が分かってきたかもしれない

『私があかりのことを置いて県外へ進んだのはね、自信が無かったんだ』

『あかりをお嫁さんに貰うって約束はしたけど、本当に私でいいのかなって』

『……あかりにはもっと相応しい人がいるんじゃないかな』

『そう考えたら、急に弱気になっちゃってね』

『ただ逃げていただけなんだ、あかりに好きだって言うのも怖くて』

『傷つくのが怖かった、もし否定されたらどうしようって』

『だから……』


「結衣ちゃんは大馬鹿だよぉ、1人で勝手に結論出しちゃって」

でも本当に嬉しかった、あかりのことでこんなに結衣ちゃんが悩んでくれて
結衣ちゃんは不器用で素直じゃないけど、そんな結衣ちゃんが好きなんだなって
この気持ちが改めて分かってとっても嬉しかった

『私は春から東京へ進学することになったんだ』

『明日にはもう東京へ行ってるから、最後にあかりに会えたらなと思って……』

『あかりにその気があったらそこの公園に来てほしい』

「あ、えっと、ちょっと話が急すぎるよぉ!!」

ほんとに結衣ちゃんってば自分勝手なんだから……
お外は雪降ってるのに、結衣ちゃん何時間待ってるんだろう
ってそんなことより早く公園に行かないと!

結衣「……」

結衣「……へぷちっ!!」

結衣「やっぱりきてくれないよな、あんなに自分勝手なことしたんだから」

結衣「最後にあかりの顔を見たかったな……」

あかり「うーん、他は完璧なのにその自分で完結するのが性格としてはネックかなぁ」ギュッ

あかり「でもでも、ルックスとしても申し分ないし……」

結衣「……」

結衣「2年ぶりに会っていきなりダメ出しとは参ったな」

あかり「2年じゃないよ、2年とうんヶ月もずーっと待ちぼうけだからね」

結衣「ごめん、としか言いようがないかな……」

あかり「……」

結衣「あ、あかり、そのここに来たってことは手紙を……」

あかり「ぷっ、あははははははははは!」

結衣「なっ!?」

あかり「もう結衣ちゃんってば、頭に雪積もってるよぉ」クシクシ

結衣「んっ、じゃなくてあの手紙読んでくれたんだよね」

あかり「もう、いい女の子が拝啓なんて出だしはどうなの?」

結衣「だ、だっていきなり連絡とるから緊張しちゃって……」

あかり「……」ギュッ

結衣「おっと……」

あかり「ほんとのほんとに待ったんだから……」

結衣「謝ってすむことじゃないのは分かってるけど」

結衣「それでもゴメン、本当にゴメンなあかり」ギュッ

あかり「……絶対に、許さないから」

結衣「でもさ、見ない間に本当に綺麗になったね」

あかり「当たり前だよぉ、3年もあれば人は変わるんだから!」

結衣「ふふ、自信満々だなぁ」ギュッ

あかり「……結衣ちゃんも可愛くなったね」

結衣「そうだな、ちょーっと化粧してるし」

あかり「うそっ!?」

結衣「ほんのちょっとだけどね、分からない程度に」

あかり「むむむ……」

あかり「なんかズルいよぉ、結衣ちゃんだけ大人になっちゃって」

結衣「ふふ、そうかなあかりも身長伸びて私と同じくらいだし」

あかり「あ、ほんとだね、ふふふ」

結衣「あかりが好きって気持ちは、あの日から変わってないからね」

結衣「……あれ、でもあかりもしかして恋人とかいたり」

あかり「んーん、だって結衣ちゃんと約束したもんね」

あかり「高校卒業まで独り身だったら結衣ちゃんがお嫁さんに貰ってくれるって」ニコッ

結衣「……律儀なやつ」

結衣「……あのさ、おやつとかゲームとか我慢してお金貯めたんだ」

あかり「へっ、なにか欲しいモノでもあったの?」

結衣「あかり、ちょっと左手出してくれるかな」

あかり「うんっ!」

結衣「あと目もしっかり閉じてること」

あかり「……?」

結衣「えっと、あれ、なかなか上手くいかないな……」

あかり「あ、これって指輪……」

結衣「ま、まぁほんと安物のペアリングですけど」

あかり「……ぇへへ」

結衣「でもね、東京行ったらアルバイトしてお金貯めておくから……」

結衣「その時まで高いのは我慢してくれるかな」

あかり「……ふふ~ん」

あかり「結衣ちゃん、ちょっと向こう側向いててくれる?」

結衣「あ、あぁうん……」

あかり「あかりからのお礼だよっと」チュッ

結衣「……なんだ、ほっぺか」

あかり「そ、その言い方はひどいんじゃないの!?」

結衣「ふふ、冗談だよほら私からもあげるよ」チュッ

あかり「……なんだ、ほっぺかぁ」

結衣「いや、さすがに口は恥ずかしいから……」

結衣「あかり、夏休みにはこっちに帰ってこれるから」

あかり「うん、恋人なんか作っちゃダメだからね」

結衣「分かってるよ、あかりはまだ進学先とか決めてないの?」

あかり「あかりも東京の大学を狙おうかなぁ、京子ちゃんもいるし」

あかり「ちなつちゃんも東京に行くって言ってたし」

結衣「……そっか、それなら待ってるからね」ギュッ

あかり「わぷっ……」

結衣「ふふ、将来のお嫁さんなんだからツバ付けておかないとな」ナデナデ

あかり「毎日電話しちゃうから、結衣ちゃんは寂しがり屋のウサギさんだし」

結衣「そうだな、期待して待ってるよ」

あかり「……結衣ちゃん、あかりを好きになってくれてありがと」

結衣「お互いさまだよ、これからもずっと一緒だからね」

あかり「うんっ!」

おしまい!

せやな
だからぶっちゃけ結あかとかありえないんだけどね
無理やりくっ付けたけど、次は気を付けます

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